JPH0615314A - 圧延機及び熱間圧延設備並びに潤滑剤供給装置 - Google Patents
圧延機及び熱間圧延設備並びに潤滑剤供給装置Info
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- JPH0615314A JPH0615314A JP13275392A JP13275392A JPH0615314A JP H0615314 A JPH0615314 A JP H0615314A JP 13275392 A JP13275392 A JP 13275392A JP 13275392 A JP13275392 A JP 13275392A JP H0615314 A JPH0615314 A JP H0615314A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】作業ロールクロスミルを用いた圧延機及び熱間
圧延設備並びにその潤滑剤供給装置において、作業ロー
ルと補強ロールとの接触部を潤滑するロール間潤滑剤が
ロール冷却水に混入せず、かつロール冷却水により洗い
流されたり濃度が低下せず、ロール表面に均一に付着さ
せ充分に潤滑が行えるようにする。 【構成】作業ロール2と補強ロール3との間に潤滑油供
給装置104を設置し、供給されるロール間潤滑油をヘ
ッダブロック25に設けられた接触シール28,29,
31によってロール間潤滑油をシールする。補強ロール
側ヘッダブロック25aと作業ロール側ヘッダブロック
25bとは結合ピン27により作業ロール3のクロス角
に追従して回転可能に接続される。また、補強ロール側
ヘッダブロック25aの先端部分側面に流体を外側へ噴
出するノズル26を埋設する。
圧延設備並びにその潤滑剤供給装置において、作業ロー
ルと補強ロールとの接触部を潤滑するロール間潤滑剤が
ロール冷却水に混入せず、かつロール冷却水により洗い
流されたり濃度が低下せず、ロール表面に均一に付着さ
せ充分に潤滑が行えるようにする。 【構成】作業ロール2と補強ロール3との間に潤滑油供
給装置104を設置し、供給されるロール間潤滑油をヘ
ッダブロック25に設けられた接触シール28,29,
31によってロール間潤滑油をシールする。補強ロール
側ヘッダブロック25aと作業ロール側ヘッダブロック
25bとは結合ピン27により作業ロール3のクロス角
に追従して回転可能に接続される。また、補強ロール側
ヘッダブロック25aの先端部分側面に流体を外側へ噴
出するノズル26を埋設する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板クラウン制御能力に
優れた作業ロールを交差させる圧延機に係り、特に作業
ロールと補強ロールとの間の潤滑が確実に行える圧延機
及び熱間圧延設備並びにその潤滑剤供給装置に関する。
優れた作業ロールを交差させる圧延機に係り、特に作業
ロールと補強ロールとの間の潤滑が確実に行える圧延機
及び熱間圧延設備並びにその潤滑剤供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】作業ロールがクロスする形式の圧延機と
しては特開昭47−27159 号公報に記載の作業ロールのみ
をクロスする方式のものがある。この方式では、上下作
業ロールを種々の角度でクロスさせて、作業ロールのロ
ールギャップを変えることにより、種々の板クラウン材
のニーズに対応できるものと期待された。しかしなが
ら、実際には、作業ロールと補強ロールの間の相対すべ
りにより生じるスラスト力が極めて大きくなり、実用化
が困難であった。
しては特開昭47−27159 号公報に記載の作業ロールのみ
をクロスする方式のものがある。この方式では、上下作
業ロールを種々の角度でクロスさせて、作業ロールのロ
ールギャップを変えることにより、種々の板クラウン材
のニーズに対応できるものと期待された。しかしなが
ら、実際には、作業ロールと補強ロールの間の相対すべ
りにより生じるスラスト力が極めて大きくなり、実用化
が困難であった。
【0003】このスラスト力の問題を解決して、熱間圧
延において実用に供せらたロールクロス方式の圧延機と
しては、三菱重工技法Vol .21,No.6に記載のよう
に上作業ロールと上補強ロールとのペアのロール組みと
下作業ロールと下補強ロールとのペアのロール組みを各
々一体として各ペアロールの軸線を相互に交差(クロ
ス)させる圧延機が知られている。この方式では、作業
ロールと補強ロールとを一体のペアとし、ペアのロール
組みをクロスさせる。このため、作業ロールと補強ロー
ルの間の相対すべりが生じず、大きなスラスト力は発生
しない。これにより、一応問題の解決は得るが、作業ロ
ールと補強ロールとを一体としてクロスする方式の場
合、圧延荷重を直接受ける補強ロールのメタルチョック
の中心が圧下スクリュウの中心からずれ、これによるモ
ーメントが発生し、圧下の円滑な操作が妨げられる。こ
のため、剛性の大きなビームを設けてバランスを取る構
造が用いられるが、必然的に圧延機が複雑化、大型化し
てしまうという問題点があった。
延において実用に供せらたロールクロス方式の圧延機と
しては、三菱重工技法Vol .21,No.6に記載のよう
に上作業ロールと上補強ロールとのペアのロール組みと
下作業ロールと下補強ロールとのペアのロール組みを各
々一体として各ペアロールの軸線を相互に交差(クロ
ス)させる圧延機が知られている。この方式では、作業
ロールと補強ロールとを一体のペアとし、ペアのロール
組みをクロスさせる。このため、作業ロールと補強ロー
ルの間の相対すべりが生じず、大きなスラスト力は発生
しない。これにより、一応問題の解決は得るが、作業ロ
ールと補強ロールとを一体としてクロスする方式の場
合、圧延荷重を直接受ける補強ロールのメタルチョック
の中心が圧下スクリュウの中心からずれ、これによるモ
ーメントが発生し、圧下の円滑な操作が妨げられる。こ
のため、剛性の大きなビームを設けてバランスを取る構
造が用いられるが、必然的に圧延機が複雑化、大型化し
てしまうという問題点があった。
【0004】以上の技術に対し、熱間圧延においてより
簡単にスラスト力を低減する方法として、本出願人は補
強ロールを平行に保ち、作業ロールのみをクロスさせ、
作業ロールと補強ロールの間に潤滑剤(以下、ロール間
潤滑剤またはロール間潤滑油ということがある)を供給
する方式の圧延機を発明し、出願している(特願平3-66
007 号)。この方式では、作業ロールと補強ロールの間
の相対すべりを無くすのではなく、潤滑剤を供給するこ
とにより相対すべりにより生じるスラスト力自体を低減
するものである。この方法を用いることにより、比較的
簡単にスラスト力が低減できるため、比較的構造を単純
にし、且つ圧延機を小型にすることが可能となった。
簡単にスラスト力を低減する方法として、本出願人は補
強ロールを平行に保ち、作業ロールのみをクロスさせ、
作業ロールと補強ロールの間に潤滑剤(以下、ロール間
潤滑剤またはロール間潤滑油ということがある)を供給
する方式の圧延機を発明し、出願している(特願平3-66
007 号)。この方式では、作業ロールと補強ロールの間
の相対すべりを無くすのではなく、潤滑剤を供給するこ
とにより相対すべりにより生じるスラスト力自体を低減
するものである。この方法を用いることにより、比較的
簡単にスラスト力が低減できるため、比較的構造を単純
にし、且つ圧延機を小型にすることが可能となった。
【0005】ところで、冷間圧延では潤滑と冷却が圧延
上必須であり、一般に両者を兼ね備えるものとして水と
油の混合液(エマルジョン)が使用される。このエマル
ジョンは大きく2種類に分かれる。1つは、安定してエ
マルジョンとなるものでステーブルオイルとよばれ、主
として鉱物油をベースに乳化剤の助けによって水溶性と
なり、エマルジョンを構成する水と油は長時間放置して
も分離しない。もう1つは、不安定なエマルジョンでア
ンステーブルオイルとよばれ、牛脂等をベースにしたも
ので、撹拌等の機械的混合作用を与えないと分離してし
まうが、潤滑能力は前者よりはるかに大きい。
上必須であり、一般に両者を兼ね備えるものとして水と
油の混合液(エマルジョン)が使用される。このエマル
ジョンは大きく2種類に分かれる。1つは、安定してエ
マルジョンとなるものでステーブルオイルとよばれ、主
として鉱物油をベースに乳化剤の助けによって水溶性と
なり、エマルジョンを構成する水と油は長時間放置して
も分離しない。もう1つは、不安定なエマルジョンでア
ンステーブルオイルとよばれ、牛脂等をベースにしたも
ので、撹拌等の機械的混合作用を与えないと分離してし
まうが、潤滑能力は前者よりはるかに大きい。
【0006】一方、熱間圧延ではロールの冷却は必須条
件であるが、潤滑は必須条件ではない。従って、ロール
冷却は水によって行われるのが一般的である。しかし、
熱間圧延でも、圧延動力や圧延荷重の減少とロール摩耗
の減少を狙って熱間圧延油が使用されている。この熱間
圧延油は前述の鉱物油系のエマルジョンでは効果がな
く、効果があるのは牛脂系などのアンステーブルオイル
系である。この油は、後述するように、通板時に圧延材
の咬み込み能力を阻害するため冷却水とは別系統とし、
圧延の圧ぬき直前に油の供給を止め作業ロール表面の油
分を焼却し次の咬み込みに備えるという方法がとられて
いる。
件であるが、潤滑は必須条件ではない。従って、ロール
冷却は水によって行われるのが一般的である。しかし、
熱間圧延でも、圧延動力や圧延荷重の減少とロール摩耗
の減少を狙って熱間圧延油が使用されている。この熱間
圧延油は前述の鉱物油系のエマルジョンでは効果がな
く、効果があるのは牛脂系などのアンステーブルオイル
系である。この油は、後述するように、通板時に圧延材
の咬み込み能力を阻害するため冷却水とは別系統とし、
圧延の圧ぬき直前に油の供給を止め作業ロール表面の油
分を焼却し次の咬み込みに備えるという方法がとられて
いる。
【0007】図6に従来の熱間仕上圧延機における熱間
圧延油及びロール冷却剤の供給システムの一例を示す。
まず、熱間圧延油タンク150に蓄えられた熱間圧延油
はノズル151よりロールバイトに噴射され、作業ロー
ル161と圧延材162との間の潤滑が行われる。余分
な熱間圧延油は作業ロールクロスミル下のパン163に
後述する冷却水と共に回収される。また、ロール冷却の
冷却剤としては一般に水が使用され、ノズル171によ
り作業ロール161の表面に噴射される。使用された冷
却水は作業クロスミル下のパン163で上記熱間圧延油
と共に回収した後、仕上圧延機スケールピット172へ
送られる。この冷却水は環水とよばれ、圧延機のロール
冷却のみでなく、他の設備のロール等の冷却用としても
使用されるため、鉄分やスケールや上記熱間圧延油等の
油分の混入は好ましくない。従って、仕上圧延機スケー
ルピット172において、鉄分、スケール及び油分を粗
く分離、除去される。そして、ポンプ172aによって
総合水処理設備沈殿池173に送られ、粗ミルまたは出
側設備等他設備用スケールピット174からポンプ17
4aによって送られた水と共にさらにクリーン化され
る。そして、ポンプ173aにより吸い上げられクーラ
ー175において冷却されてノズル171に送られて再
び冷却水として使用される。この時、パン163より混
入しスケールピット172において冷却水に含まれてい
る熱間圧延油として使用したアンステーブルオイルの大
部分は鉄分やスケールに付着し、これらと一緒に沈殿し
クレーン等により搬出される。また、依然残存したアン
ステーブルオイルも水との分離性がよいため、冷却水上
面に分離浮上するので、これを図示しないスキマーによ
り回収することができる。
圧延油及びロール冷却剤の供給システムの一例を示す。
まず、熱間圧延油タンク150に蓄えられた熱間圧延油
はノズル151よりロールバイトに噴射され、作業ロー
ル161と圧延材162との間の潤滑が行われる。余分
な熱間圧延油は作業ロールクロスミル下のパン163に
後述する冷却水と共に回収される。また、ロール冷却の
冷却剤としては一般に水が使用され、ノズル171によ
り作業ロール161の表面に噴射される。使用された冷
却水は作業クロスミル下のパン163で上記熱間圧延油
と共に回収した後、仕上圧延機スケールピット172へ
送られる。この冷却水は環水とよばれ、圧延機のロール
冷却のみでなく、他の設備のロール等の冷却用としても
使用されるため、鉄分やスケールや上記熱間圧延油等の
油分の混入は好ましくない。従って、仕上圧延機スケー
ルピット172において、鉄分、スケール及び油分を粗
く分離、除去される。そして、ポンプ172aによって
総合水処理設備沈殿池173に送られ、粗ミルまたは出
側設備等他設備用スケールピット174からポンプ17
4aによって送られた水と共にさらにクリーン化され
る。そして、ポンプ173aにより吸い上げられクーラ
ー175において冷却されてノズル171に送られて再
び冷却水として使用される。この時、パン163より混
入しスケールピット172において冷却水に含まれてい
る熱間圧延油として使用したアンステーブルオイルの大
部分は鉄分やスケールに付着し、これらと一緒に沈殿し
クレーン等により搬出される。また、依然残存したアン
ステーブルオイルも水との分離性がよいため、冷却水上
面に分離浮上するので、これを図示しないスキマーによ
り回収することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述した先願発明にお
ける作業ロールクロスミルは熱間圧延を主に想定してお
り、このような熱間圧延における作業ロールクロスミル
のロール間潤滑として要求される性能は、ロール表面に
容易に均一に塗布でき、ロール間潤滑も良好であり、か
つ通板時の圧延材の噛込み性能を低下させないことであ
る。これらの要求に対し、前記ステーブルオイル、アン
ステーブルオイルにてついてその適合性を考えると次の
ようになる。
ける作業ロールクロスミルは熱間圧延を主に想定してお
り、このような熱間圧延における作業ロールクロスミル
のロール間潤滑として要求される性能は、ロール表面に
容易に均一に塗布でき、ロール間潤滑も良好であり、か
つ通板時の圧延材の噛込み性能を低下させないことであ
る。これらの要求に対し、前記ステーブルオイル、アン
ステーブルオイルにてついてその適合性を考えると次の
ようになる。
【0009】まず、前者のステーブルオイルは、安定し
たエマルジョンであるので、ロール表面に比較的容易に
均一に塗布でき、ロール間潤滑も良好である。又、作業
ロールに付着したステーブルオイルは、圧延時に高温の
圧延材により焼き切られ、噛込み性能を低下させること
はない。
たエマルジョンであるので、ロール表面に比較的容易に
均一に塗布でき、ロール間潤滑も良好である。又、作業
ロールに付着したステーブルオイルは、圧延時に高温の
圧延材により焼き切られ、噛込み性能を低下させること
はない。
【0010】一方、後者のアンステーブルオイルは、エ
マルジョンとなりにくく、不安定であるため、ロール表
面への均一塗布は困難であるが、前者のステーブルオイ
ルよりロール間の潤滑能力ははるかに大きい。従って、
前述のように、圧延動力、圧延荷重の低減及びロール摩
耗の低減を目的とした熱間圧延油としてよく使用されて
いる。しかしながら、ロール表面に付着したアンステー
ブルオイルは、高温材を圧延しても焼き切れにくく、ま
た潤滑能力が大きいため圧延材の噛込み性能を著しく低
下させる。このため熱間圧延油は、ロールの冷却水とは
別系統とし、圧延終了時の圧抜き直前に油の供給を一旦
止め、作業ロール表面の油分を焼却し、次の噛込みに備
えて噛込み性能を回復させるという方法が採用されてい
るのが現状である。
マルジョンとなりにくく、不安定であるため、ロール表
面への均一塗布は困難であるが、前者のステーブルオイ
ルよりロール間の潤滑能力ははるかに大きい。従って、
前述のように、圧延動力、圧延荷重の低減及びロール摩
耗の低減を目的とした熱間圧延油としてよく使用されて
いる。しかしながら、ロール表面に付着したアンステー
ブルオイルは、高温材を圧延しても焼き切れにくく、ま
た潤滑能力が大きいため圧延材の噛込み性能を著しく低
下させる。このため熱間圧延油は、ロールの冷却水とは
別系統とし、圧延終了時の圧抜き直前に油の供給を一旦
止め、作業ロール表面の油分を焼却し、次の噛込みに備
えて噛込み性能を回復させるという方法が採用されてい
るのが現状である。
【0011】ところで、図6に示した熱間仕上圧延機の
作業ロール161と補強ロール160との間をさらに潤
滑する場合は、上記熱間圧延油による作業ロールと圧延
材との潤滑の場合のように、圧延終了時の圧抜き直前に
油の供給を止めることはできない。なぜならば、圧延終
了後から次の圧延材の噛込みまでの間も作業ロール及び
補強ロールは回転しており、この間が無潤滑であると作
業ロールと補強ロールとの間に大きなスラスト力が発生
するためである。従って、この部分の潤滑(ロール間潤
滑)には、連続的に供給しても噛込み性能が劣化せず、
かつロールに均一に塗布できる上記ステーブルオイルを
用いることが考えられている。この場合、ロール間潤滑
油は上記熱間圧延油及び冷却水とは別の潤滑系統により
作業ロール161と補強ロール160との間に供給さ
れ、この部分の潤滑が行われる。
作業ロール161と補強ロール160との間をさらに潤
滑する場合は、上記熱間圧延油による作業ロールと圧延
材との潤滑の場合のように、圧延終了時の圧抜き直前に
油の供給を止めることはできない。なぜならば、圧延終
了後から次の圧延材の噛込みまでの間も作業ロール及び
補強ロールは回転しており、この間が無潤滑であると作
業ロールと補強ロールとの間に大きなスラスト力が発生
するためである。従って、この部分の潤滑(ロール間潤
滑)には、連続的に供給しても噛込み性能が劣化せず、
かつロールに均一に塗布できる上記ステーブルオイルを
用いることが考えられている。この場合、ロール間潤滑
油は上記熱間圧延油及び冷却水とは別の潤滑系統により
作業ロール161と補強ロール160との間に供給さ
れ、この部分の潤滑が行われる。
【0012】また、この場合、図6に示す熱間仕上圧延
機の熱間圧延油及びロール冷却剤の供給系統に上記ロー
ル間潤滑剤の供給系統を追設する必要があり、この場合
は、以下の問題点を生じる。
機の熱間圧延油及びロール冷却剤の供給系統に上記ロー
ル間潤滑剤の供給系統を追設する必要があり、この場合
は、以下の問題点を生じる。
【0013】即ち、前述のように、ロール間潤油である
ステーブルオイルは水溶性であるため、これがパン16
3等より冷却水に混入すると、冷却水と分離させること
は設備費も膨大になり難しいので、圧延設備において冷
却水とステーブルオイルの混用は不可とされている。つ
まり、作業ロールクロスミルにおいてロール間潤滑油を
ノズル等で供給しそのまま作業ロールクロスミル下へた
れ流すことは、水処理過程において大きな問題となる。
また、作業ロールクロスミルのロール間潤油がロール冷
却水によって洗い流されたり、ロール冷却水がロール間
潤油に混入して濃度が低下すると、充分な潤滑性能が得
られない。
ステーブルオイルは水溶性であるため、これがパン16
3等より冷却水に混入すると、冷却水と分離させること
は設備費も膨大になり難しいので、圧延設備において冷
却水とステーブルオイルの混用は不可とされている。つ
まり、作業ロールクロスミルにおいてロール間潤滑油を
ノズル等で供給しそのまま作業ロールクロスミル下へた
れ流すことは、水処理過程において大きな問題となる。
また、作業ロールクロスミルのロール間潤油がロール冷
却水によって洗い流されたり、ロール冷却水がロール間
潤油に混入して濃度が低下すると、充分な潤滑性能が得
られない。
【0014】上記の例においては、ロール間潤滑剤供給
ノズルとロール冷却水供給用ノズルの間に仕切板を設
け、ロール間潤滑油とロール冷却水に干渉することを防
ぐことも考えられるが、この方法は充分ではなく、ロー
ル間潤滑油であるステーブルオイルががパン163から
冷却水に混入することは避けられない。また、ロール冷
却水の量が膨大で、しかもミルガイドやメタルチョック
等に当った冷却水のはね返りが、ロール間に飛び込んで
来るため、ロール間潤滑油がロール冷却水によって洗い
流されたり、ロール間潤滑油の濃度が低下し、またロー
ル表面に均一に付着しなくなってロール接触部に確実に
届かなくなるなどの不具合が生じることがあった。この
ためロール間潤滑油の供給量を必要以上に大きくして潤
滑性の安定化を図らざるを得なかった。
ノズルとロール冷却水供給用ノズルの間に仕切板を設
け、ロール間潤滑油とロール冷却水に干渉することを防
ぐことも考えられるが、この方法は充分ではなく、ロー
ル間潤滑油であるステーブルオイルががパン163から
冷却水に混入することは避けられない。また、ロール冷
却水の量が膨大で、しかもミルガイドやメタルチョック
等に当った冷却水のはね返りが、ロール間に飛び込んで
来るため、ロール間潤滑油がロール冷却水によって洗い
流されたり、ロール間潤滑油の濃度が低下し、またロー
ル表面に均一に付着しなくなってロール接触部に確実に
届かなくなるなどの不具合が生じることがあった。この
ためロール間潤滑油の供給量を必要以上に大きくして潤
滑性の安定化を図らざるを得なかった。
【0015】本発明の目的は、作業ロールクロスミルを
用いた圧延機において、作業ロールと補強ロールとの接
触部を潤滑するロール間潤滑剤がロール冷却水に混入せ
ず、かつロール間潤滑剤がロール冷却水により洗い流さ
れたり濃度が低下することがなく、また、ロール間潤滑
剤がロール表面に均一に付着しロール接触部に確実に届
いて充分に潤滑が行えるような圧延機及び熱間圧延設備
並びに潤滑剤供給装置を提供することである。
用いた圧延機において、作業ロールと補強ロールとの接
触部を潤滑するロール間潤滑剤がロール冷却水に混入せ
ず、かつロール間潤滑剤がロール冷却水により洗い流さ
れたり濃度が低下することがなく、また、ロール間潤滑
剤がロール表面に均一に付着しロール接触部に確実に届
いて充分に潤滑が行えるような圧延機及び熱間圧延設備
並びに潤滑剤供給装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る圧延機は、一対の作業ロールと、前記
一対の作業ロールをそれぞれ支持する少なくとも一対の
補強ロールとを圧延スタンドに備え、少なくとも前記作
業ロールの軸線を前記補強ロールの軸線に対して水平面
内で交差させると共に、該作業ロールの軸線を水平面内
で相互に交差させる圧延機において、前記作業ロールと
前記補強ロールとの間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手
段を有し、前記潤滑材供給手段は、前記作業ロールと前
記補強ロールとの間に配置され潤滑材供給通路及び潤滑
剤排出通路を備えたヘッダブロックと、前記ヘッダブロ
ックに設けられ前記作業ロール及び前記補強ロールにそ
れぞれ当接しその間をシールする第1のシール手段と、
前記作業ロール交差角に前記ヘッダブロックを追従させ
る調整手段とを備える。
め、本発明に係る圧延機は、一対の作業ロールと、前記
一対の作業ロールをそれぞれ支持する少なくとも一対の
補強ロールとを圧延スタンドに備え、少なくとも前記作
業ロールの軸線を前記補強ロールの軸線に対して水平面
内で交差させると共に、該作業ロールの軸線を水平面内
で相互に交差させる圧延機において、前記作業ロールと
前記補強ロールとの間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手
段を有し、前記潤滑材供給手段は、前記作業ロールと前
記補強ロールとの間に配置され潤滑材供給通路及び潤滑
剤排出通路を備えたヘッダブロックと、前記ヘッダブロ
ックに設けられ前記作業ロール及び前記補強ロールにそ
れぞれ当接しその間をシールする第1のシール手段と、
前記作業ロール交差角に前記ヘッダブロックを追従させ
る調整手段とを備える。
【0017】好ましくは、前記潤滑油供給手段は、さら
に、前記ヘッダブロックの幅方向両端部に設けられ、流
体を噴出して外部からのロール冷却用の冷却水の侵入を
防止する第2のシールを備える。
に、前記ヘッダブロックの幅方向両端部に設けられ、流
体を噴出して外部からのロール冷却用の冷却水の侵入を
防止する第2のシールを備える。
【0018】また、好ましくは、前記ヘッダブロック
は、前記補強ロールに面する補強ロール側ヘッダブロッ
クと、前記作業ロールに面する作業ロール側ヘッダブロ
ックとを有し、前記調整手段は前記補強ロール側ヘッダ
ブロックと作業ロール側ヘッダブロックとを中央部にお
いて相対的に回転自在に連結する結合ピンである。
は、前記補強ロールに面する補強ロール側ヘッダブロッ
クと、前記作業ロールに面する作業ロール側ヘッダブロ
ックとを有し、前記調整手段は前記補強ロール側ヘッダ
ブロックと作業ロール側ヘッダブロックとを中央部にお
いて相対的に回転自在に連結する結合ピンである。
【0019】また、好ましくは、さらに、前記潤滑剤排
出通路を通して回収された余分の前記潤滑剤を貯蔵する
潤滑剤タンクと、前記貯蔵した潤滑剤を前記潤滑剤供給
通路に再び送るポンプとを含む潤滑剤供給系統を備え
る。
出通路を通して回収された余分の前記潤滑剤を貯蔵する
潤滑剤タンクと、前記貯蔵した潤滑剤を前記潤滑剤供給
通路に再び送るポンプとを含む潤滑剤供給系統を備え
る。
【0020】また、上記目的を達成するため、本発明に
係る熱間圧延設備は、上記のような圧延機を複数台タン
デム圧延可能に配置する。
係る熱間圧延設備は、上記のような圧延機を複数台タン
デム圧延可能に配置する。
【0021】また、上記目的を達成するため、本発明に
係る潤滑剤供給装置は、一対の作業ロールと、前記一対
の作業ロールをそれぞれ支持する少なくとも一対の補強
ロールとを圧延スタンドに備え、少なくとも前記作業ロ
ールの軸線を前記補強ロールの軸線に対して水平面内で
交差させると共に、該作業ロールの軸線を水平面内で相
互に交差させる圧延機の前記作業ロールと前記補強ロー
ルとの間に設置され、前記作業ロールと前記補強ロール
との間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置において、前
記補強ロールに面して位置し潤滑剤供給通路を備えた補
強ロール側ヘッダブロックと、前記作業ロールに面して
位置し潤滑剤排出通路を備えた作業ロール側ヘッダブロ
ックと、前記2つのヘッダブロックにそれぞれ設けられ
前記作業ロール及び前記補強ロールにそれぞれ当接しそ
の間をシールする第1のシール手段と、前記2つのヘッ
ダブロックの少なくとも一方幅方向両端部に設けられ流
体を噴出して外部からのロール冷却用の冷却水の侵入を
防止する第2のシール手段と、前記2つのヘッダブロッ
クを中央部において相対的に回転自在に連結する結合ピ
ンとを備える。
係る潤滑剤供給装置は、一対の作業ロールと、前記一対
の作業ロールをそれぞれ支持する少なくとも一対の補強
ロールとを圧延スタンドに備え、少なくとも前記作業ロ
ールの軸線を前記補強ロールの軸線に対して水平面内で
交差させると共に、該作業ロールの軸線を水平面内で相
互に交差させる圧延機の前記作業ロールと前記補強ロー
ルとの間に設置され、前記作業ロールと前記補強ロール
との間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置において、前
記補強ロールに面して位置し潤滑剤供給通路を備えた補
強ロール側ヘッダブロックと、前記作業ロールに面して
位置し潤滑剤排出通路を備えた作業ロール側ヘッダブロ
ックと、前記2つのヘッダブロックにそれぞれ設けられ
前記作業ロール及び前記補強ロールにそれぞれ当接しそ
の間をシールする第1のシール手段と、前記2つのヘッ
ダブロックの少なくとも一方幅方向両端部に設けられ流
体を噴出して外部からのロール冷却用の冷却水の侵入を
防止する第2のシール手段と、前記2つのヘッダブロッ
クを中央部において相対的に回転自在に連結する結合ピ
ンとを備える。
【0022】
【作用】上記のように構成した本発明においては、潤滑
剤供給手段のヘッダブロックに備えられた潤滑材供給通
路より作業ロールクロスミルの作業ロールと前記補強ロ
ールとの間に潤滑剤を供給し、ヘッダブロックに設けら
れた作業ロール及び補強ロールにそれぞれ当接する第1
のシール手段によってヘッダブロックと作業ロール及び
ヘッダブロックと補強ロールの間をシールすることによ
り、ロール接触部付近の作業ロール、補強ロール及びヘ
ッダブロックによって囲まれた空間内に潤滑剤が満たさ
れ、この潤滑剤によって作業ロールと補強ロールの間が
潤滑される。またヘッダブロックに備えられた潤滑剤排
出通路によって余分の潤滑剤が回収される。従って、潤
滑剤が外部に洩れることがなく、また回収されるロール
冷却水に混入せず、ロール表面に均一に付着し、潤滑剤
がロール接触部に確実に届いてロール接触部の潤滑が充
分に行える。また、調整手段によって作業ロール交差角
にヘッダブロックを追従させるので、作業ロールのクロ
ス角変更に追従してこの潤滑剤供給手段を機能させるこ
とができる。
剤供給手段のヘッダブロックに備えられた潤滑材供給通
路より作業ロールクロスミルの作業ロールと前記補強ロ
ールとの間に潤滑剤を供給し、ヘッダブロックに設けら
れた作業ロール及び補強ロールにそれぞれ当接する第1
のシール手段によってヘッダブロックと作業ロール及び
ヘッダブロックと補強ロールの間をシールすることによ
り、ロール接触部付近の作業ロール、補強ロール及びヘ
ッダブロックによって囲まれた空間内に潤滑剤が満たさ
れ、この潤滑剤によって作業ロールと補強ロールの間が
潤滑される。またヘッダブロックに備えられた潤滑剤排
出通路によって余分の潤滑剤が回収される。従って、潤
滑剤が外部に洩れることがなく、また回収されるロール
冷却水に混入せず、ロール表面に均一に付着し、潤滑剤
がロール接触部に確実に届いてロール接触部の潤滑が充
分に行える。また、調整手段によって作業ロール交差角
にヘッダブロックを追従させるので、作業ロールのクロ
ス角変更に追従してこの潤滑剤供給手段を機能させるこ
とができる。
【0023】また、ヘッダブロックの幅方向両端部に第
2のシール手段を設け、この第2のシール手段より流体
を噴出することにより、ロール冷却水がヘッダブロック
の幅方向両端部より侵入して、ロール接触部付近の作業
ロール、補強ロール及びヘッダブロックによって囲まれ
た空間内の潤滑剤に混入することがない。従って、潤滑
剤がロール冷却水により洗い流されたり濃度が低下する
ことがない。
2のシール手段を設け、この第2のシール手段より流体
を噴出することにより、ロール冷却水がヘッダブロック
の幅方向両端部より侵入して、ロール接触部付近の作業
ロール、補強ロール及びヘッダブロックによって囲まれ
た空間内の潤滑剤に混入することがない。従って、潤滑
剤がロール冷却水により洗い流されたり濃度が低下する
ことがない。
【0024】また、上記ヘッダブロックは、補強ロール
に面する補強ロール側ヘッダブロックと、作業ロールに
面する作業ロール側ヘッダブロックとを有し、調整手段
である結合ピンによって補強ロール側ヘッダブロックと
作業ロール側ヘッダブロックとを中央部において相対的
に回転させることにより、この潤滑剤供給手段を作業ロ
ールのいかなる交差角にも追従して機能させることがで
き、たとえ作業ロールのクロス角が変更されても、潤滑
剤を外部に洩らすことなく確実にロール接触部の潤滑が
行える。
に面する補強ロール側ヘッダブロックと、作業ロールに
面する作業ロール側ヘッダブロックとを有し、調整手段
である結合ピンによって補強ロール側ヘッダブロックと
作業ロール側ヘッダブロックとを中央部において相対的
に回転させることにより、この潤滑剤供給手段を作業ロ
ールのいかなる交差角にも追従して機能させることがで
き、たとえ作業ロールのクロス角が変更されても、潤滑
剤を外部に洩らすことなく確実にロール接触部の潤滑が
行える。
【0025】また、潤滑剤排出通路を通して回収された
余分の潤滑剤を貯蔵する潤滑剤タンクと、貯蔵した潤滑
剤を潤滑剤供給通路に再び送るポンプとを含む潤滑剤供
給系統をさらに備えるので、この潤滑系統を、他の熱間
圧延油やロール冷却水の供給系統とは完全に独立にで
き、ロール間潤滑剤が熱間圧延油やロール冷却水に混入
したり、逆に熱間圧延油やロール冷却水がロール間潤滑
剤に混入することを防止できる。
余分の潤滑剤を貯蔵する潤滑剤タンクと、貯蔵した潤滑
剤を潤滑剤供給通路に再び送るポンプとを含む潤滑剤供
給系統をさらに備えるので、この潤滑系統を、他の熱間
圧延油やロール冷却水の供給系統とは完全に独立にで
き、ロール間潤滑剤が熱間圧延油やロール冷却水に混入
したり、逆に熱間圧延油やロール冷却水がロール間潤滑
剤に混入することを防止できる。
【0026】
【実施例】本発明の一実施例による圧延機を備えた熱間
圧延設備及び潤滑剤供給装置について、図1から図5に
より説明する。図1に本実施例による圧延機のロール間
潤滑油、熱間圧延油、及びロール冷却水を供給する系統
を示す。なお、図1は後述する図5の熱間圧延設備のう
ち1個の圧延機を抜き出して示したものである。本圧延
機1の圧延ロールは、上下一対の作業ロール2と、作業
ロール2をそれぞれ支持する上下一対の補強ロール3が
圧延スタンドに備えられ、補強ロール3のロール軸線が
水平面内で傾斜せず、作業ロール2のロール軸線が補強
ロール3のロール軸線に対して水平面内で交差すると共
に、上下の作業ロール2のロール軸線が水平面内で相互
に交差するように構成された作業ロールクロスミルであ
る。
圧延設備及び潤滑剤供給装置について、図1から図5に
より説明する。図1に本実施例による圧延機のロール間
潤滑油、熱間圧延油、及びロール冷却水を供給する系統
を示す。なお、図1は後述する図5の熱間圧延設備のう
ち1個の圧延機を抜き出して示したものである。本圧延
機1の圧延ロールは、上下一対の作業ロール2と、作業
ロール2をそれぞれ支持する上下一対の補強ロール3が
圧延スタンドに備えられ、補強ロール3のロール軸線が
水平面内で傾斜せず、作業ロール2のロール軸線が補強
ロール3のロール軸線に対して水平面内で交差すると共
に、上下の作業ロール2のロール軸線が水平面内で相互
に交差するように構成された作業ロールクロスミルであ
る。
【0027】また、ロール間潤滑油、熱間圧延油、及び
ロール冷却水を供給する系統として、ロール間潤滑油供
給系統100、熱間圧延油供給系統200、及びロール
冷却水供給系統300がそれぞれ設置されている。ロー
ル間潤滑油供給系統100は、ロール間潤滑油タンク1
01、ポンプ102、フィルター103、潤滑油供給装
置104、及びこれらを連絡する管路よりなる。熱間圧
延油供給系統200は、熱間圧延油タンク201、ポン
プ202、熱間圧延油ノズル203、及びこれらを連絡
する管路よりなる。ロール冷却水供給系統300は、水
処理システム301、ロール冷却水ノズル302、パン
303、及びこれらを連絡する管路よりなる。尚、煩雑
さを避けるため、図1では潤滑油供給装置104が模式
的に示されている。
ロール冷却水を供給する系統として、ロール間潤滑油供
給系統100、熱間圧延油供給系統200、及びロール
冷却水供給系統300がそれぞれ設置されている。ロー
ル間潤滑油供給系統100は、ロール間潤滑油タンク1
01、ポンプ102、フィルター103、潤滑油供給装
置104、及びこれらを連絡する管路よりなる。熱間圧
延油供給系統200は、熱間圧延油タンク201、ポン
プ202、熱間圧延油ノズル203、及びこれらを連絡
する管路よりなる。ロール冷却水供給系統300は、水
処理システム301、ロール冷却水ノズル302、パン
303、及びこれらを連絡する管路よりなる。尚、煩雑
さを避けるため、図1では潤滑油供給装置104が模式
的に示されている。
【0028】図2に潤滑油供給装置303を圧延機1へ
設置した状態を表す図を、図3に図2のIII−III
方向の矢視図を、図4に潤滑油供給装置104の先端部
分の断面図を示す。尚、煩雑さを避けるため、図3では
補強ロール3を省略している。図2及び図3に示すよう
に、潤滑油供給装置104は圧延材10の出側に設けら
れ、圧延スタンド4に固定された摺動ガイド21及び油
圧シリンダ22、油圧シリンダ22に収容されたピスト
ン23に接続され摺動ガイド21上を摺動可能なフレー
ム24、フレーム24にピボット24Aで連結されフレ
ーム24にとともに摺動可能なヘッダブロック25、ヘ
ッダブロック25を補強ロール側に加勢するバネ24a
により構成される。また、ヘッダブロック25先端部分
の補強ロール側ヘッダブロック25a(図4で説明す
る)の幅方向両端部付近には、圧縮空気を作業ロール2
の軸方向外側へ噴出するノズル26が埋設されている。
尚、この圧縮空気の変わりに水ジェットを用いてもよ
い。
設置した状態を表す図を、図3に図2のIII−III
方向の矢視図を、図4に潤滑油供給装置104の先端部
分の断面図を示す。尚、煩雑さを避けるため、図3では
補強ロール3を省略している。図2及び図3に示すよう
に、潤滑油供給装置104は圧延材10の出側に設けら
れ、圧延スタンド4に固定された摺動ガイド21及び油
圧シリンダ22、油圧シリンダ22に収容されたピスト
ン23に接続され摺動ガイド21上を摺動可能なフレー
ム24、フレーム24にピボット24Aで連結されフレ
ーム24にとともに摺動可能なヘッダブロック25、ヘ
ッダブロック25を補強ロール側に加勢するバネ24a
により構成される。また、ヘッダブロック25先端部分
の補強ロール側ヘッダブロック25a(図4で説明す
る)の幅方向両端部付近には、圧縮空気を作業ロール2
の軸方向外側へ噴出するノズル26が埋設されている。
尚、この圧縮空気の変わりに水ジェットを用いてもよ
い。
【0029】上記のような潤滑油供給装置104は次の
ようにして圧延機に設置される。即ち、油圧シリンダ2
2に図示しない油圧源から圧油が供給されることによ
り、ヘッダブロック25がミルウインドー外より作業ロ
ール2と補強ロール3の接触部に押し込まれる。このヘ
ッダブロック25はバネ24aより摺動ガイド21から
補強ロール3の方向に加勢されているので、ヘッダブロ
ック25の先端部分はまず補強ロール3側に押し付れら
れ補強ロール3案内されつつロール間に挿入され、さら
に作業ロール2と補強ロール3の接触部に押し付けられ
て設置される。この設置位置は可変であり、作業ロール
2及び補強ロール3の径の変化に対しては、ヘッダブロ
ック25の位置がその変化に応じて出入りすることによ
り調整される。
ようにして圧延機に設置される。即ち、油圧シリンダ2
2に図示しない油圧源から圧油が供給されることによ
り、ヘッダブロック25がミルウインドー外より作業ロ
ール2と補強ロール3の接触部に押し込まれる。このヘ
ッダブロック25はバネ24aより摺動ガイド21から
補強ロール3の方向に加勢されているので、ヘッダブロ
ック25の先端部分はまず補強ロール3側に押し付れら
れ補強ロール3案内されつつロール間に挿入され、さら
に作業ロール2と補強ロール3の接触部に押し付けられ
て設置される。この設置位置は可変であり、作業ロール
2及び補強ロール3の径の変化に対しては、ヘッダブロ
ック25の位置がその変化に応じて出入りすることによ
り調整される。
【0030】また、図4に示すように、ヘッダブロック
25の先端部分は、補強ロール側ヘッダブロック25a
及び、作業ロール側ヘッダブロック25bから構成さ
れ、このうち補強ロール側ヘッダブロック25aはヘッ
ダブロック25に固定されており、また、補強ロール側
ヘッダブロック25aと作業ロール側ヘッダブロック2
5bとはパスセンター部に設けられた調整手段である結
合ピン27により回転自在に接続されている。さらに、
作業ロール側ヘッダブロック25bには作業ロールチョ
ックに取り付けられた押し棒25c(図3参照)の先端
が接しており、作業ロール2のクロス角が変更されると
押し棒25に押されて作業ロール側ヘッダブロック25
bが回転する。
25の先端部分は、補強ロール側ヘッダブロック25a
及び、作業ロール側ヘッダブロック25bから構成さ
れ、このうち補強ロール側ヘッダブロック25aはヘッ
ダブロック25に固定されており、また、補強ロール側
ヘッダブロック25aと作業ロール側ヘッダブロック2
5bとはパスセンター部に設けられた調整手段である結
合ピン27により回転自在に接続されている。さらに、
作業ロール側ヘッダブロック25bには作業ロールチョ
ックに取り付けられた押し棒25c(図3参照)の先端
が接しており、作業ロール2のクロス角が変更されると
押し棒25に押されて作業ロール側ヘッダブロック25
bが回転する。
【0031】補強ロール側ヘッダブロック25aには、
ロール接触点に近い側に位置しロール間潤滑油をシール
する接触シール28と、ロール接触点に近い側に位置し
補強ロール3表面に付着したロール冷却水を除去する接
触シール29とが設けられ、これら2つの接触シールに
よって補強ロール側ヘッダブロック25aが補強ロール
3表面に沿って案内される。また、補強ロール側ヘッダ
ブロック25a内部には潤滑油供給孔30が設けられ、
潤滑油供給孔30先端には潤滑油供給ノズル30aが設
けられている。
ロール接触点に近い側に位置しロール間潤滑油をシール
する接触シール28と、ロール接触点に近い側に位置し
補強ロール3表面に付着したロール冷却水を除去する接
触シール29とが設けられ、これら2つの接触シールに
よって補強ロール側ヘッダブロック25aが補強ロール
3表面に沿って案内される。また、補強ロール側ヘッダ
ブロック25a内部には潤滑油供給孔30が設けられ、
潤滑油供給孔30先端には潤滑油供給ノズル30aが設
けられている。
【0032】作業ロール側ヘッダブロック25bには、
ロール間潤滑油をシールし作業ロール2表面に付着した
ロール冷却水を除去する接触シール31が設けられてい
る。また、作業ロール側ヘッダブロック25b内部には
排油孔32が設けられている。
ロール間潤滑油をシールし作業ロール2表面に付着した
ロール冷却水を除去する接触シール31が設けられてい
る。また、作業ロール側ヘッダブロック25b内部には
排油孔32が設けられている。
【0033】上記のような構成を有するヘッダブロック
25先端部分おいて、ロール間潤滑油は、ロール間潤滑
油タンク101(図1参照)より潤滑油供給孔30に供
給される。供給されたロール間潤滑油はヘッダブロック
25、補強ロール3及び作業ロール2に囲まれた空間3
3に満たされ、補強ロール3と作業ロール2との間に引
き込まれ両者間の潤滑が行われる。潤滑に不必要な余分
なロール間潤滑油は排油孔32より回収され、再びロー
ル間潤滑タンク101に戻される。
25先端部分おいて、ロール間潤滑油は、ロール間潤滑
油タンク101(図1参照)より潤滑油供給孔30に供
給される。供給されたロール間潤滑油はヘッダブロック
25、補強ロール3及び作業ロール2に囲まれた空間3
3に満たされ、補強ロール3と作業ロール2との間に引
き込まれ両者間の潤滑が行われる。潤滑に不必要な余分
なロール間潤滑油は排油孔32より回収され、再びロー
ル間潤滑タンク101に戻される。
【0034】また、補強ロール側ヘッダブロック25a
と作業ロール側ヘッダブロック25bとの間をパスセン
ター部に設けられた結合ピン27によって接続し、作業
ロール側ヘッダブロック25bには作業ロールチョック
に取り付けられた押し棒25c(図3参照)の先端が接
しているので、作業ロール側ヘッダブロック25aは、
作業ロール2のクロス角のいかなる変化に対しても、こ
れに追従して回転することができる。従って、作業ロー
ル2のクロス角を変更しても、この潤滑油供給装置10
4は確実にその機能を果たすことができる。上記のよう
に、ヘッダブロック25、補強ロール3及び作業ロール
2に囲まれた空間33内のロール間潤滑油は外部に洩れ
ることがなく、また回収されるロール冷却水に混入せ
ず、さらにロール表面に均一に付着させることができ
る。
と作業ロール側ヘッダブロック25bとの間をパスセン
ター部に設けられた結合ピン27によって接続し、作業
ロール側ヘッダブロック25bには作業ロールチョック
に取り付けられた押し棒25c(図3参照)の先端が接
しているので、作業ロール側ヘッダブロック25aは、
作業ロール2のクロス角のいかなる変化に対しても、こ
れに追従して回転することができる。従って、作業ロー
ル2のクロス角を変更しても、この潤滑油供給装置10
4は確実にその機能を果たすことができる。上記のよう
に、ヘッダブロック25、補強ロール3及び作業ロール
2に囲まれた空間33内のロール間潤滑油は外部に洩れ
ることがなく、また回収されるロール冷却水に混入せ
ず、さらにロール表面に均一に付着させることができ
る。
【0035】さらに、図3に示すように、補強ロール側
ヘッダブロック25aの幅方向両端部付近に設けられた
ノズル26より作業ロール2の軸方向外側へ圧縮空気を
噴出することにより、空間33内のロール間潤滑油が、
このヘッダブロック25の先端部分側面から外部に洩れ
たり、逆にロール冷却水がこの空間33に侵入しロール
間潤滑油に混入することがない。
ヘッダブロック25aの幅方向両端部付近に設けられた
ノズル26より作業ロール2の軸方向外側へ圧縮空気を
噴出することにより、空間33内のロール間潤滑油が、
このヘッダブロック25の先端部分側面から外部に洩れ
たり、逆にロール冷却水がこの空間33に侵入しロール
間潤滑油に混入することがない。
【0036】図1に戻り、上記ロール間潤滑油供給系統
100において、潤滑油供給装置104より作業ロール
2と補強ロール3との間に供給されたロール間潤滑油
は、外部に洩れたり、ロール冷却水が混入することなく
潤滑を行い、回収された余分な潤滑油はロール間潤滑油
タンク101に回収される。ロール間潤滑油タンク10
1のロール間潤滑油はポンプ102によって吸い上げら
れて潤滑油供給装置104に送られて再びロール間潤滑
に使用されるが、このロール間潤滑油(ステーブルオイ
ル)はロールの表面以外には触れることがないので、ス
ケールや鉄粉等の不純物はほとんど含有せず、従って、
簡単なフィルター103を通過させるだけで再使用でき
る。以上のロール間潤滑油供給系統100は、以下に述
べる熱間圧延油供給系統200及びロール冷却水供給系
統300とは全く別の独立した循環系統を有している。
100において、潤滑油供給装置104より作業ロール
2と補強ロール3との間に供給されたロール間潤滑油
は、外部に洩れたり、ロール冷却水が混入することなく
潤滑を行い、回収された余分な潤滑油はロール間潤滑油
タンク101に回収される。ロール間潤滑油タンク10
1のロール間潤滑油はポンプ102によって吸い上げら
れて潤滑油供給装置104に送られて再びロール間潤滑
に使用されるが、このロール間潤滑油(ステーブルオイ
ル)はロールの表面以外には触れることがないので、ス
ケールや鉄粉等の不純物はほとんど含有せず、従って、
簡単なフィルター103を通過させるだけで再使用でき
る。以上のロール間潤滑油供給系統100は、以下に述
べる熱間圧延油供給系統200及びロール冷却水供給系
統300とは全く別の独立した循環系統を有している。
【0037】また、熱間圧延油供給系統200におい
て、熱間圧延油タンク201に蓄えられた熱間圧延油は
ポンプ202によって吸い上げられて熱間圧延油ノズル
203よりロールバイトに噴射され、作業ロール2と圧
延材10との間の潤滑が行われる。余分な熱間圧延油は
作業ロールクロスミル下のパン303に後述する冷却水
と共に回収される。
て、熱間圧延油タンク201に蓄えられた熱間圧延油は
ポンプ202によって吸い上げられて熱間圧延油ノズル
203よりロールバイトに噴射され、作業ロール2と圧
延材10との間の潤滑が行われる。余分な熱間圧延油は
作業ロールクロスミル下のパン303に後述する冷却水
と共に回収される。
【0038】また、ロール冷却水供給系統300におい
て、冷却水はロール冷却水ノズル302により作業ロー
ル2の圧延材10出側表面に噴射される。使用された冷
却水は作業クロスミル下のパン303で上記熱間圧延油
と共に回収した後、水処理システム301へ送られる。
て、冷却水はロール冷却水ノズル302により作業ロー
ル2の圧延材10出側表面に噴射される。使用された冷
却水は作業クロスミル下のパン303で上記熱間圧延油
と共に回収した後、水処理システム301へ送られる。
【0039】水処理システム301は、仕上圧延機スケ
ールピット304、粗ミルまたは出側設備等他設備用ス
ケールピット305、総合水処理設備沈殿池306、ク
ーラー307、ポンプ304a,305a,306a、
及びこれらを連絡する管路よりなる。上記パン303で
熱間圧延油と共に回収した水は、圧延材のスケールや鉄
粉を含んだ状態で仕上圧延機スケールピット304へ送
られる。ここで、含有スケールや鉄粉の大半は上記熱間
圧延油と共に沈殿分離される。沈殿したスケールや鉄粉
は図示しないクレーン等により搬出され、ポンプ304
aによって上澄の水が吸い上げらる。この上澄の水は、
粗ミルまたは出側設備等他設備用スケールピット305
からポンプ305aによって吸い上げられた回収水と共
に総合水処理設備沈殿池306に集められる。ここで、
含有残スケールや鉄粉等を沈殿により、また依然残存し
たアンステーブルオイル等の油分を浮上により再度分離
してクリーン化される。このアンステーブルオイルは水
との分離性がよいため、水上面に分離浮上したところを
を図示しないスキマーにより回収することができる。処
理された水は、ポンプ306aによって吸い上げられ、
クーラー307において冷却された後、ロール冷却水ノ
ズル302に送られて再び冷却水として使用される。
ールピット304、粗ミルまたは出側設備等他設備用ス
ケールピット305、総合水処理設備沈殿池306、ク
ーラー307、ポンプ304a,305a,306a、
及びこれらを連絡する管路よりなる。上記パン303で
熱間圧延油と共に回収した水は、圧延材のスケールや鉄
粉を含んだ状態で仕上圧延機スケールピット304へ送
られる。ここで、含有スケールや鉄粉の大半は上記熱間
圧延油と共に沈殿分離される。沈殿したスケールや鉄粉
は図示しないクレーン等により搬出され、ポンプ304
aによって上澄の水が吸い上げらる。この上澄の水は、
粗ミルまたは出側設備等他設備用スケールピット305
からポンプ305aによって吸い上げられた回収水と共
に総合水処理設備沈殿池306に集められる。ここで、
含有残スケールや鉄粉等を沈殿により、また依然残存し
たアンステーブルオイル等の油分を浮上により再度分離
してクリーン化される。このアンステーブルオイルは水
との分離性がよいため、水上面に分離浮上したところを
を図示しないスキマーにより回収することができる。処
理された水は、ポンプ306aによって吸い上げられ、
クーラー307において冷却された後、ロール冷却水ノ
ズル302に送られて再び冷却水として使用される。
【0040】図5に、上述した本実施例による圧延機を
含む熱間圧延設備全体を示す。本圧延設備は、上記圧延
機をタンデム圧延可能に7台配置した熱間仕上圧延機列
の例であり、各圧延機の熱間圧延油、ロール冷却水、及
びロール間潤滑油を供給する系統を共有させている。即
ち、図5において、1は圧延機(作業ロールクロスミ
ル)であり、それぞれの圧延機の熱間圧延油、ロール冷
却水、及びロール間潤滑油を供給する系統を共有させた
ものとして、ロール間潤滑油供給系統100、熱間圧延
油供給系統200、及びロール冷却水供給系統300が
それぞれ設置されている。即ち、それぞれの作業ロール
クロスミルには、潤滑油供給装置104、熱間圧延油ノ
ズル203、ロール冷却水ノズル302、パン303が
設置され、潤滑油供給装置104にはポンプ102及び
フィルター103を介してロール間潤滑油タンク101
が、熱間圧延油ノズル203にはポンプ202を介して
熱間圧延油タンク201が、ロール冷却水ノズル302
及びパン303には水処理システム301が接続されて
いる。本圧延設備の機能は図1の場合と同様である。
含む熱間圧延設備全体を示す。本圧延設備は、上記圧延
機をタンデム圧延可能に7台配置した熱間仕上圧延機列
の例であり、各圧延機の熱間圧延油、ロール冷却水、及
びロール間潤滑油を供給する系統を共有させている。即
ち、図5において、1は圧延機(作業ロールクロスミ
ル)であり、それぞれの圧延機の熱間圧延油、ロール冷
却水、及びロール間潤滑油を供給する系統を共有させた
ものとして、ロール間潤滑油供給系統100、熱間圧延
油供給系統200、及びロール冷却水供給系統300が
それぞれ設置されている。即ち、それぞれの作業ロール
クロスミルには、潤滑油供給装置104、熱間圧延油ノ
ズル203、ロール冷却水ノズル302、パン303が
設置され、潤滑油供給装置104にはポンプ102及び
フィルター103を介してロール間潤滑油タンク101
が、熱間圧延油ノズル203にはポンプ202を介して
熱間圧延油タンク201が、ロール冷却水ノズル302
及びパン303には水処理システム301が接続されて
いる。本圧延設備の機能は図1の場合と同様である。
【0041】以上のように本実施例によれば、作業ロー
ル2と補強ロール3との間に潤滑油供給ノズル31aに
よってロール間潤滑油を供給し、ヘッダブロック16に
設けられた接触シール28,29,31によってロール
間潤滑油をシールし、また排油孔32によって余分のロ
ール間潤滑油が回収するので、ロール接触部付近の空間
33内にロール間潤滑油が満たされ、ロール間潤滑油が
外部に洩れることがなく、また、回収されるロール冷却
水に混入しない。また、補強ロール側ヘッダブロック2
5aの幅方向両端部付近に埋設されたノズル26より圧
縮空気または水をヘッダブロック25の外側へ噴出する
ので、ロール接触部付近の空間33内のロール間潤滑油
が、ヘッダブロック25の幅方向両端部から外部に洩れ
たり、逆にロール冷却水がこのロール間潤滑油に混入す
ることがない。従って、潤滑油がロール冷却水により洗
い流されたり濃度が低下することがなく、また、潤滑油
をロール表面に均一に付着させることができ、ロール接
触部の潤滑が充分に行える。
ル2と補強ロール3との間に潤滑油供給ノズル31aに
よってロール間潤滑油を供給し、ヘッダブロック16に
設けられた接触シール28,29,31によってロール
間潤滑油をシールし、また排油孔32によって余分のロ
ール間潤滑油が回収するので、ロール接触部付近の空間
33内にロール間潤滑油が満たされ、ロール間潤滑油が
外部に洩れることがなく、また、回収されるロール冷却
水に混入しない。また、補強ロール側ヘッダブロック2
5aの幅方向両端部付近に埋設されたノズル26より圧
縮空気または水をヘッダブロック25の外側へ噴出する
ので、ロール接触部付近の空間33内のロール間潤滑油
が、ヘッダブロック25の幅方向両端部から外部に洩れ
たり、逆にロール冷却水がこのロール間潤滑油に混入す
ることがない。従って、潤滑油がロール冷却水により洗
い流されたり濃度が低下することがなく、また、潤滑油
をロール表面に均一に付着させることができ、ロール接
触部の潤滑が充分に行える。
【0042】また、補強ロール側ヘッダブロック25a
と作業ロール側ヘッダブロック25bとの間を中央部に
おいて結合ピン19によって回転自在に接続し、また、
作業ロール側ヘッダブロック25bには作業ロールチョ
ックに取り付けられた押し棒25cの先端が接するの
で、作業ロール側ヘッダブロック25bは、作業ロール
2のクロス角をいかなる角度に変更しても、これに追従
して回転することができ、潤滑剤を外部に洩らすことな
く確実にロール接触部の潤滑が行える。
と作業ロール側ヘッダブロック25bとの間を中央部に
おいて結合ピン19によって回転自在に接続し、また、
作業ロール側ヘッダブロック25bには作業ロールチョ
ックに取り付けられた押し棒25cの先端が接するの
で、作業ロール側ヘッダブロック25bは、作業ロール
2のクロス角をいかなる角度に変更しても、これに追従
して回転することができ、潤滑剤を外部に洩らすことな
く確実にロール接触部の潤滑が行える。
【0043】また、潤滑油供給装置104に加え、潤滑
剤排出通路32を通して回収された余分の潤滑剤を貯蔵
するロール間潤滑油タンク101、貯蔵した潤滑剤を潤
滑剤供給通路30に再び送るポンプポンプ102及びフ
ィルター103を含むロール間潤滑油供給系統100を
さらに備えるので、この系統を、他の熱間圧延油やロー
ル冷却水の供給系統とは完全に独立にでき、ロール間潤
滑油が熱間圧延油やロール冷却水に混入したり、逆に熱
間圧延油やロール冷却水がロール間潤滑油に混入するこ
とを防止できる。
剤排出通路32を通して回収された余分の潤滑剤を貯蔵
するロール間潤滑油タンク101、貯蔵した潤滑剤を潤
滑剤供給通路30に再び送るポンプポンプ102及びフ
ィルター103を含むロール間潤滑油供給系統100を
さらに備えるので、この系統を、他の熱間圧延油やロー
ル冷却水の供給系統とは完全に独立にでき、ロール間潤
滑油が熱間圧延油やロール冷却水に混入したり、逆に熱
間圧延油やロール冷却水がロール間潤滑油に混入するこ
とを防止できる。
【0044】また、圧延機をタンデム圧延可能なように
複数個配置した熱間圧延設備においても、同様の効果が
得られる。
複数個配置した熱間圧延設備においても、同様の効果が
得られる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、潤滑剤供給手段によっ
て潤滑剤を供給し、ヘッダブロックに設けられたシール
手段によって作業ロール及び補強ロールとヘッダブロッ
クとの間をシールし、余分の潤滑剤を回収するので、潤
滑剤が外部に洩れることがなく、また回収されるロール
冷却水に混入せず、ロール表面に均一に付着し、潤滑剤
がロール接触部に確実に届いてロール接触部の潤滑が充
分に行える。 また、調整手段によって潤滑剤供給手段
を作業ロールのクロス角変更に追従させることができ
る。
て潤滑剤を供給し、ヘッダブロックに設けられたシール
手段によって作業ロール及び補強ロールとヘッダブロッ
クとの間をシールし、余分の潤滑剤を回収するので、潤
滑剤が外部に洩れることがなく、また回収されるロール
冷却水に混入せず、ロール表面に均一に付着し、潤滑剤
がロール接触部に確実に届いてロール接触部の潤滑が充
分に行える。 また、調整手段によって潤滑剤供給手段
を作業ロールのクロス角変更に追従させることができ
る。
【0046】また、ヘッダブロックの幅方向両端部に第
2のシール手段を設けるので、潤滑剤にロール冷却水が
混入しない。
2のシール手段を設けるので、潤滑剤にロール冷却水が
混入しない。
【0047】また、結合ピンによって補強ロール側ヘッ
ダブロックと作業ロール側ヘッダブロックとを中央部に
おいて相対的に回転自在に結合するので、作業ロールの
いかなるクロス角に対しても上記効果が得られ、確実に
ロール接触部の潤滑が行える。
ダブロックと作業ロール側ヘッダブロックとを中央部に
おいて相対的に回転自在に結合するので、作業ロールの
いかなるクロス角に対しても上記効果が得られ、確実に
ロール接触部の潤滑が行える。
【0048】また、潤滑剤供給系統をさらに備えるの
で、この潤滑系統を完全に独立にでき、ロール間潤滑剤
が熱間圧延油やロール冷却水に混入したり、逆に熱間圧
延油やロール冷却水がロール間潤滑剤に混入することを
防止できる。
で、この潤滑系統を完全に独立にでき、ロール間潤滑剤
が熱間圧延油やロール冷却水に混入したり、逆に熱間圧
延油やロール冷却水がロール間潤滑剤に混入することを
防止できる。
【0049】また、圧延機をタンデム圧延可能なように
複数個配置した熱間圧延設備においても、上記と同様の
効果が得られる。
複数個配置した熱間圧延設備においても、上記と同様の
効果が得られる。
【図1】本発明の一実施例による圧延機のロール間潤滑
油、熱間圧延油、及びロール冷却水を供給する系統を示
す図である。
油、熱間圧延油、及びロール冷却水を供給する系統を示
す図である。
【図2】潤滑油供給装置を図1の圧延機へ設置した状態
を表す図である。
を表す図である。
【図3】図2のIII−III方向の矢視図である。
【図4】図2及び図3潤滑油供給装置の先端部分の断面
図である。
図である。
【図5】図1に示した圧延機を含む熱間圧延設備全体を
示す図である。
示す図である。
【図6】従来の圧延機の熱間圧延油及びロール冷却水を
供給する系統を示す図である。
供給する系統を示す図である。
1 圧延機 2 作業ロール 3 補強ロール 4 圧延スタンド 10 圧延材 21 摺動ガイド 22 油圧シリンダ 23 ピストン 24 フレーム 24a バネ 25 ヘッダブロック 25a 補強ロール側ヘッダブロック 25b 作業ロール側ヘッダブロック 25c 押し棒 26 ノズル 27 結合ピン 28,29 接触シール 30 潤滑油供給孔 30a 潤滑油供給ノズル 31 接触シール 32 排油孔 33 空間 100 ロール間潤滑油供給系統 101 ロール間潤滑油タンク 102 ポンプ 104 潤滑油供給装置 200 熱間圧延油供給系統 300 ロール冷却水供給系統
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳村 泰嗣 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 坂中 孝雄 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 前川 義博 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内
Claims (6)
- 【請求項1】 一対の作業ロールと、前記一対の作業ロ
ールをそれぞれ支持する少なくとも一対の補強ロールと
を圧延スタンドに備え、少なくとも前記作業ロールの軸
線を前記補強ロールの軸線に対して水平面内で交差させ
ると共に、該作業ロールの軸線を水平面内で相互に交差
させる圧延機において、前記作業ロールと前記補強ロー
ルとの間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段を有し、前
記潤滑材供給手段は、前記作業ロールと前記補強ロール
との間に配置され潤滑材供給通路及び潤滑剤排出通路を
備えたヘッダブロックと、前記ヘッダブロックに設けら
れ前記作業ロール及び前記補強ロールにそれぞれ当接し
その間をシールする第1のシール手段と、前記作業ロー
ル交差角に前記ヘッダブロックを追従させる調整手段と
を備えることを特徴とする圧延機。 - 【請求項2】 請求項1において、前記潤滑油供給手段
は、さらに、前記ヘッダブロックの幅方向両端部に設け
られ、流体を噴出して外部からのロール冷却用の冷却水
の侵入を防止する第2のシール手段を備えることを特徴
とする圧延機。 - 【請求項3】 請求項1記載において、前記ヘッダブロ
ックは、前記補強ロールに面する補強ロール側ヘッダブ
ロックと、前記作業ロールに面する作業ロール側ヘッダ
ブロックとを有し、前記調整手段は前記補強ロール側ヘ
ッダブロックと前記作業ロール側ヘッダブロックとを中
央部において相対的に回転自在に連結する結合ピンであ
ることを特徴とする圧延機。 - 【請求項4】 請求項1記載において、さらに、前記潤
滑剤排出通路を通して回収された余分の前記潤滑剤を貯
蔵する潤滑剤タンクと、前記貯蔵した潤滑剤を前記潤滑
剤供給通路に再び送るポンプとを含む潤滑剤供給系統を
備えることを特徴とする圧延機。 - 【請求項5】 請求項1記載の圧延機を複数台タンデム
圧延可能に配置したことを特徴とする熱間圧延設備。 - 【請求項6】 一対の作業ロールと、前記一対の作業ロ
ールをそれぞれ支持する少なくとも一対の補強ロールと
を圧延スタンドに備え、少なくとも前記作業ロールの軸
線を前記補強ロールの軸線に対して水平面内で交差させ
ると共に、該作業ロールの軸線を水平面内で相互に交差
させる圧延機の前記作業ロールと前記補強ロールとの間
に設置され、前記作業ロールと前記補強ロールとの間に
潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置において、前記補強ロ
ールに面して位置し潤滑剤供給通路を備えた補強ロール
側ヘッダブロックと、前記作業ロールに面して位置し潤
滑剤排出通路を備えた作業ロール側ヘッダブロックと、
前記2つのヘッダブロックにそれぞれ設けられ前記作業
ロール及び前記補強ロールにそれぞれ当接しその間をシ
ールする第1のシール手段と、前記2つのヘッダブロッ
クの少なくとも一方幅方向両端部に設けられ流体を噴出
して外部からのロール冷却用の冷却水の侵入を防止する
第2のシール手段と、前記2つのヘッダブロックを中央
部において相対的に回転自在に連結する結合ピンとを備
えることを特徴とする潤滑剤供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4132753A JP3065790B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 圧延機及び熱間圧延設備並びに潤滑剤供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4132753A JP3065790B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 圧延機及び熱間圧延設備並びに潤滑剤供給装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0615314A true JPH0615314A (ja) | 1994-01-25 |
JP3065790B2 JP3065790B2 (ja) | 2000-07-17 |
Family
ID=15088763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4132753A Expired - Lifetime JP3065790B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 圧延機及び熱間圧延設備並びに潤滑剤供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3065790B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110883097A (zh) * | 2019-12-11 | 2020-03-17 | 广东冠邦科技有限公司 | 工艺润滑装置及行星轧机 |
CN114932147A (zh) * | 2022-05-20 | 2022-08-23 | 燕山大学 | 一种ds轧机成套设备及其板形控制的轧制工艺 |
-
1992
- 1992-05-25 JP JP4132753A patent/JP3065790B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110883097A (zh) * | 2019-12-11 | 2020-03-17 | 广东冠邦科技有限公司 | 工艺润滑装置及行星轧机 |
CN114932147A (zh) * | 2022-05-20 | 2022-08-23 | 燕山大学 | 一种ds轧机成套设备及其板形控制的轧制工艺 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3065790B2 (ja) | 2000-07-17 |
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