JP3083366U - 採血管の搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 患者の採血本数の相違の如何にかかわらず、
採血作業の能率をあげるとともに、待合室の患者の焦慮
感も解消すること。 【解決手段】 採血場所の受付ではＩＤカードで受付
け、ホストコンピュータ１から得た患者の情報を採血管
のラベラに貼りつけるとともに、患者受付番号票を患者
に渡し、受付時刻をホストコンピュータ１に転送する。
採血者は、ホストコンピュータ１から転送された患者の
情報を表示手段４Ｂに表示するとともに、この表示手段
４Ｂのボタンを押して採血開始時刻をホストコンピュー
タ１に送信する。この採血開始時刻が入力されたホスト
コンピュータ１は、この時刻から受付時刻を減算して、
その差の時間を呼出手段５に表示する。待合室の患者
は、この呼出手段５に表示された時間から、採血場所で
採血されるまでの時間を推測する。

Description

【考案の詳細な説明】

本考案は、例えば、病院の採血室や血液検査部門などにおいて採用される採血 管の搬送装置に関するものである。

【０００１】

【従来の技術】

多数の患者から採血する病院の血液検査部門では、受付で患者のＩＤカードか らホストコンピュータを介して得た患者のコード番号をラベラによってラベルに 印刷するとともに、このラベルを採血管に貼り付け、この採血管を採血場所で患 者と照合し確認して採血している。

【０００２】 特に、多数の患者をその日の限られた所定の時間内で採血するために、複数の 採血場所を設け、各採血場所で採血者が患者とそれぞれ対応することによって採 血して、検査後の早期の病状判断と治療対策の迅速化の要請に応えるとともに、 待合室の患者の待ち時間を短縮して、待機中の患者の焦慮感の解消を図っている 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、患者の疾患によっては、同一患者から複数の採血管に採血する場合 があり、しかも、その数も患者によって異なる。すると、一人当たりの採血時間 が異なり、各採血場所での採血時間も異なってくるので、前述したラベルが貼り 付けられた採血管の各採血場所への分配作業が複雑になる。

【０００４】 したがって、採血者の負荷が変動し作業能率が低下して、所定の時間内に終え なくなるだけでなく、特に、多数の患者が訪れる病院においては、長時間にわた って待合室で待機中の患者の焦慮感や不快感を助長する虞もある。

【０００５】 そこで、本考案の目的は、患者の採血本数の相違の如何に関わらず、採血管の 供給を円滑にして、採血者の負荷を平準化し、もって採血作業の能率を上げ、患 者の治療の迅速化に寄与するとともに、患者に優しく、かつ、患者の焦慮感や不 快感も解消することのできる採血管の搬送装置を得ることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため、第１の考案では、採血管の収納信号が採血場所から入力される制御 部と、この制御部の駆動信号により採血管を採血場所に搬送する搬送部と、患者 の受付に設置され患者の受付時刻を制御部に送信する受付時刻送信部と、採血場 所に設置され患者の採血開始時刻を制御部に送信する採血時刻送信部と、制御部 で減算された採血開始時刻と受付時刻の差が入力されこの差の時間を患者の待合 室に表示する表示部とを備える。

【０００７】 また、第２の考案では、供給部から供給された採血管を搬送する採血管搬送手 段の下流端に接続され複数の採血台を貫通し、且つ、採血管を収納するパレット を搬送するパレット搬送手段と、採血台の一方に付設されパレットを収納し、且 つ、該パレットの数を検出する検出器を内蔵するストッカと、採血台の他方に付 設されパレット搬送手段で搬送されるパレットをストッカに分配するパレット分 配手段と、ストッカから供給された空パレットをパレット搬送手段の上流端に供 給する空パレット供給手段と、検出器から入力されたストッカのパレットの数の 検出信号に従って採血管搬送手段及びパレット搬送手段並びにパレット分配手段 と空パレット供給手段を駆動するとともに、採血台の採血者から入力された各採 血開始時刻の最大値から患者の受付から入力された受付時刻の最小値を減算して 、この時間を患者の待合室の報知手段に表示させる制御部を備える。

【０００８】 このような手段によって、本考案の採血管の搬送装置では、各採血者の負荷を 平準化するとともに、患者の待ち時間を短縮しこの待ち時間を待機中の患者に報 知する。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の採血管の搬送装置一実施の形態を図面を参照して説明する。

【００１０】 まず、本考案の採血管の搬送装置では、あらかじめ、患者のコード情報だけで なく、患者の特にエイズや肝炎疾患などの特定情報も図１に示すホストコンピュ ータ１に入力しておき、この特定情報を他の検査項目とともに前述したラベラ２ に転送する。

【００１１】 すると、このラベラ２は、ホストコンピュータ１から転送された検査項目の数 に対応した枚数のラベルに検査項目などの情報を書き込むとともに、このラベル を採血管に貼り付ける。

【００１２】 このラベルが貼り付けられた採血管で患者から採血する採血場所３には、患者 の特定情報をあらかじめ採血者に報知する報知手段４が設けられており、この報 知手段４によって、採血者は患者の特定情報を認識したうえで、後述する呼出手 段５を介して待合室の患者を呼び出す。

【００１３】 なお、この採血管の搬送装置には、前述したホストコンピュータ１の受付端末 機１Ａが患者の受付場所に設置されており、患者の受付時には、この受付端末機 １Ａによって患者を確認するとともに、この患者の疾患などの情報をこの受付端 末機１Ａのハードディスク１Ｂから読み出す。

【００１４】 さらに、受付の患者には、採血者が採血場所で患者と照合して確認するための 採血指示票を渡し、この採血指示票には、患者の名前やＩＤカード番号などとと もに、患者の受付順の番号を記載するとともに、この採血指示票を患者に手渡す ときに、この手渡し信号を受付端末機１Ａを介してホストコンピュータ１に伝送 してその時間を「受付時間」として記憶させる。

【００１５】 前述した報知手段４は、図３で示すように、各採血台３Ａ，３Ｂ，３Ｃにそれ ぞれ設置されており、この報知手段４は、各採血管のラベルのバーコードを読み 取る情報読み取り手段４Ａと、モニタテレビなどの表示手段４Ｂ及び一段と高い 位置に設置されたディジタル電光表示器の表示手段４Ｃを備えていて、採血者は 、このうち、前者の情報読み取り手段４Ａで読み出した情報に基づいて、待合室 で待機している患者を受付番号によって呼び出す呼出信号を、待合室に設置した 電光表示板で構成される呼出手段５及び表示手段４Ｃに出力する。

【００１６】 この呼出しは、採血者が表示手段４Ｂの呼び出しボタンを押すことによって行 い、この信号は制御手段１１からホストコンピュータ１にも伝送される。

【００１７】 すると、このホストコンピュータ１は、このタッチ信号が入力された時間をそ の採血台の患者の「採血開始時間」として記憶するとともに、先に受付端末機１ Ａから入力され記憶したその患者の「受付時間」と比較してこの「受付時間」を 減算し、各採血台の患者毎の減算結果の最大値（時間）を求め、この最大時間を 呼出手段５に出力して現在の「待ち時間」として表示させる。

【００１８】 さらに、採血者は、情報読み取り手段４Ａで読みとった情報に基づいて、患者 の採血に必要な依頼情報や特定情報あるいは注意事項などをホストコンピュータ １から受信するとともに、これらの情報を表示手段４Ｂに表示し、この表示手段 ４Ｂに表示された情報と表示手段４Ｃに表示された受付番号を視認により確認し て採血作業を行う。

【００１９】 次に、この採血管の搬送装置の詳細を図１及び図２並びに図３によって更に具 体的に説明する。

【００２０】 図１及び図２並びに図３に示すように、この採血管の搬送装置の採血場所３は 、ラベルが貼り付けられた図２に示す採血管１４を採血管搬送手段６の上流端に 供給するシュータ１３と、採血管搬送手段６の下流端に一段と低い状態で接続さ れて間歇駆動されるパレット搬送手段７と、このパレット搬送手段７の下側に設 置されたパレット回収手段１５によって搬送部が大略構成される。

【００２１】 このうち、パレット搬送手段７の上流端の図２において左側に対して、空（か ら）パレット供給手段８が付設されており、この空パレット供給手段８の空圧シ リンダ８Ａを駆動することによって、空パレット９Ａをパレット搬送手段７の上 流端に供給する。

【００２２】 さらに、この空圧シリンダ８Ａの前方には、空パレット９Ａをパレット供給手 段８の前方に供給するリフト１８が縦設されており、空パレット搬送手段８によ ってパレット搬送手段７の上流端に供給されたパレット９に対して、採血管１４ が収納される。

【００２３】 リフト１８の下流側には、後述するように供給される複数のパレット９を収納 するストッカ１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃ、が採血者側の上流側から順に等間隔に付 設されており、これらのストッカ１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃの下部の患者側は、前 述したパレット回収手段１５との間の仕切りに形成されたパレット返送口１６Ａ ，１６Ｂ，１６Ｃと対置している。

【００２４】 一方、パレット搬送手段７の患者側には、パレット分配手段１０Ａ，１０Ｂ， １０を構成する押出しシリンダ１０ａ，１０ｂ，１０ｃが各ストッカ１２Ａ，１ ２Ｂ，１２Ｃと対置して付設されており、このうち、押出しシリンダ１０ａ，１ ０ｂの先端部の下流側に対して、図３の矢印で示すようにレバーが旋回する誘導 手段１０ｄ，１０ｅが付設されていて、さらに、下流端の押出しシリンダ１０ｃ の先端の下流側には、ストッパ１０ｆが付設されている。

【００２５】 次に、このように構成された採血管の搬送装置の動作を説明する。

【００２６】 まず、制御手段１１は、同一患者から採血する採血管の数、すなわち、ラベル の発行枚数の情報をホストコンピュータ１から受信し、一対のシュータ１３を介 して採血管１４を採血管搬送手段６に移載する。

【００２７】 すると、この採血管１４は、採血管搬送手段６の側面に配されたカウンタ（図 示せず）によって、このカウンタを通過した本数が計数され、この計数値が入力 された制御手段１１は、ホストコンピュータ１から受信した同一患者の採血管の 数と比較して、これらが一致し、かつ、全部がパレット９に移載された段階でパ レット搬送手段７を駆動するとともに、このパレット９がパレット搬送手段７の 上流端から下流端まで搬送するのに要する時間だけ、このパレット搬送手段７を 駆動する。

【００２８】 このパレット搬送手段７によって下流側に搬送されるパレット９は、パレット 分配手段１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃによって、後述するように順次各ストッカ１２ Ａ，１２Ｂ，１２Ｃにそれぞれ分配される。

【００２９】 一方、各採血台３Ａ，３Ｂ，３Ｃには、採血作業の進行状態をパレット９の数 で検出する検出器（図示せず）が各ストッカ１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃの内部に設 置されており、このストッカが満杯でなくなった信号がこの検出器から制御手段 １１に入力されると、この制御手段１１は、そのストッカに対応するパレット分 配手段（１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ）の誘導手段（１０ｅ，１０ｆ）を矢印で示す ように旋回させて、パレット搬送手段７によって搬送されてきたパレット９を停 止させるとともに、続いて押出しシリンダ（１０ａ，１０ｂ，１０ｃ）を駆動し て、そのパレット９を該当するストッカに供給する。

【００３０】 この結果、すべてのストッカが満杯のときには、この信号が入力される制御手 段１１は、この満杯信号をホストコンピュータ１に送信する。すると、このホス トコンピュータ１は、シュータ１３の駆動を中止して採血管搬送手段６への採血 管１４の移載動作を停止するとともに、採血管搬送手段６及びパレット搬送手段 ７の駆動も中止する。

【００３１】 なお、各ストッカから取り出されて採血者が採血した血液が注入された採血管 は、採血場所３に隣接された図示しないラックに挿入されて、検体用搬送手段（ 図示せず）により図示しない大型のストッカに移載される。

【００３２】 さらに、各採血台３Ａ，３Ｂ，３Ｃで空になったパレット９は、各採血台３Ａ ，３Ｂ，３Ｃの下部の返送口１６Ａ，１６Ｂ，１６Ｃを経てパレット回収手段１ ５に移載され、このパレット回収手段１５を介して再びパレット搬送手段７の上 流側に返送される。

【００３３】 この空パレット９Ａは、前述したリフト１８によって空パレット供給手段８に 供給されるとともに、この空パレット供給手段８の空圧シリンダ８Ａによりパレ ット搬送手段７に返送されて、以下、前述した動作を繰り返す。

【００３４】 したがって、このように構成された採血管の搬送装置においては、患者の採血 管の本数の相違の有無の如何にかかわらず、複数の採血台に採血管をタイムリー に供給することにより、採血場所の各採血者の負荷を平準化して能率を上げ、患 者の待ち時間を短縮することができるのみならず、さらに、この短縮した待ち時 間を呼出手段５に表示して、待合室において長時間にわたって待機中の患者に視 認させることにより、この患者の焦慮感の緩和及び不快感の軽減と相俟って、患 者に優しく、しかも、早期の病状の判断及び治療対策の迅速化に寄与することの できる採血管の搬送装置を得ることができる。

【００３５】 なお、上記実施の形態においては、呼出手段５に表示する待ち時間は、最長時 間を常に表示した例で説明したが、あらかじめ、ホストコンピュータ１に上限値 を設定しておき、この上限値と前記最大値とを比較させ、この上限値を超えた場 合にのみ、前記最大値を表示するようにしてもよく、また、表示する数値は、点 滅するようにしてもよく、さらに、連続して表示せず、ある時間間隔をおいて表 示するようにしてもよい。さらに、表示手段４Ｂにはディジタル電光表示板を採 用してもよい。

【００３６】

【考案の効果】

以上、詳述したように、第１の考案によれば、採血管の収納信号が採血場所か ら入力される制御部と、この制御部の駆動信号により採血管を採血場所に搬送す る搬送部と、患者の受付に設置され患者の受付時刻を制御部に送信する受付時刻 送信部と、採血場所に設置され患者の採血開始時刻を制御部に送信する採血時刻 送信部と、制御部で減算された採血開始時刻と受付時刻の差が入力されこの差の 時間を患者の待合室に表示する表示部とを備えることで、各採血者の負荷を平準 化して能率を上げるとともに、さらに、患者の待ち時間を待合室に表示したので 、採血作業の能率を上げて治療の迅速化を図り、患者の焦慮感を解消することの できる採血管の搬送装置を得ることができる。

【００３７】 また、第２の考案によれば、供給部から供給された採血管を搬送する採血管搬 送手段の下流端に接続され複数の採血台を貫通し、且つ、採血管を収納するパレ ットを搬送するパレット搬送手段と、採血台の一方に付設されパレットを収納し 、且つ、該パレットの数を検出する検出器を内蔵するストッカと、採血台の他方 に付設されパレット搬送手段で搬送されるパレットをストッカに分配するパレッ ト分配手段と、ストッカから供給された空パレットをパレット搬送手段の上流端 に供給する空パレット供給手段と、検出器から入力されたストッカのパレットの 数の検出信号に従って採血管搬送手段及びパレット搬送手段並びにパレット分配 手段と空パレット供給手段を駆動するとともに、採血台の採血者から入力された 各採血開始時刻の最大値から患者の受付から入力された受付時刻の最小値を減算 して、この時間を患者の待合室の報知手段に表示させる制御部を備えることで、 各採血者の負荷を平準化して能率を上げるとともに、さらに、患者の待ち時間を 待合室に表示したので、採血作業の能率を上げて治療の迅速化を図り、患者の焦 慮感を解消することのできる採血管の搬送装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の採血管の搬送装置の一実施の形態を示
すブロック図。

【図２】本考案の採血管の搬送装置の一実施の形態を示
す斜視図であり、搬送部を示す。

【図３】本考案の採血管の搬送装置の一実施の形態を示
す斜視図であり、受付部及び検査台を示す。

【符号の説明】

１ ホストコンピュータ １Ａ 受付端末機 １Ｂ ハードディスク ２ ラベラ ３ 採血場所 ３Ａ，３Ｂ，３Ｃ 採血台 ４ 報知手段 ４Ａ 情報読み取り手段 ４Ｂ，４Ｃ 表示手段 ５ 呼出手段 ６ 採血管搬送手段 ７ パレット搬送手段 ８ 空パレット供給手段 ９ パレット ９Ａ 空パレット １０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ パレット分配手段 １１ 制御手段 １２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃ ストッカ １３ シュータ １４ 採血管 １６Ａ、１６Ｂ、１６Ｃ パレット回収手段 １８ リフト

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 採血管の収納信号が採血場所から入力さ
   れる制御部と、この制御部の駆動信号により前記採血管
   を前記採血場所に搬送する搬送部と、患者の受付に設置
   され前記患者の受付時刻を前記制御部に送信する受付時
   刻送信部と、前記採血場所に設置され前記患者の採血開
   始時刻を前記制御部に送信する採血時刻送信部と、前記
   制御部で減算された前記採血開始時刻と前記受付時刻の
   差が入力されこの差の時間を前記患者の待合室に表示す
   る表示部とを備えた採血管の搬送装置。
2. 【請求項２】 供給部から供給された採血管を搬送する
   採血管搬送手段の下流端に接続され複数の採血台を貫通
   し、且つ、前記採血管を収納するパレットを搬送するパ
   レット搬送手段と、前記採血台の一方に付設され前記パ
   レットを収納し、且つ、該パレットの数を検出する検出
   器を内蔵するストッカと、前記採血台の他方に付設され
   前記パレット搬送手段で搬送される前記パレットを前記
   ストッカに分配するパレット分配手段と、前記ストッカ
   から供給された空パレットを前記パレット搬送手段の上
   流端に供給する空パレット供給手段と、前記検出器から
   入力された前記ストッカのパレットの数の検出信号に従
   って前記採血管搬送手段及び前記パレット搬送手段並び
   に前記パレット分配手段と前記空パレット供給手段を駆
   動するとともに、前記採血台の採血者から入力された各
   採血開始時刻の最大値から患者の受付から入力された受
   付時刻の最小値を減算して、この時間を前記患者の待合
   室の報知手段に表示させる制御部を備えた採血管搬送装
   置。