JP3082298B2 - 石英ガラスと貴金属の複合体及びその製造方法 - Google Patents
石英ガラスと貴金属の複合体及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石英ガラスの表面に貴
金属の装飾が施された複合体及びその製造方法に係り、
特に、花瓶や置物等の装飾品に用いて好適な石英ガラス
と貴金属の複合体及びその製造方法に関するものであ
る。
金属の装飾が施された複合体及びその製造方法に係り、
特に、花瓶や置物等の装飾品に用いて好適な石英ガラス
と貴金属の複合体及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、石英ガラスは熱膨張率が極めて小
さく耐急熱急冷性に極めて優れ、また、硬度が高く機械
的強度及び耐酸性に優れている等の際だった特徴がある
ことから、表面に貴金属の絵柄が施された花瓶や置物等
の装飾品の材料として広く用いられている。
さく耐急熱急冷性に極めて優れ、また、硬度が高く機械
的強度及び耐酸性に優れている等の際だった特徴がある
ことから、表面に貴金属の絵柄が施された花瓶や置物等
の装飾品の材料として広く用いられている。
【0003】この石英ガラスは、通常、充分に精製され
た、水晶、珪石、珪砂、非晶質珪酸等のシリカ質原料を
石英ガラスの軟化点(1650℃)以上の高温で溶融し
た後に冷却、加工する、いわゆる溶融法により製造され
る。
た、水晶、珪石、珪砂、非晶質珪酸等のシリカ質原料を
石英ガラスの軟化点(1650℃)以上の高温で溶融し
た後に冷却、加工する、いわゆる溶融法により製造され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、硬度が高く機
械的強度に優れているという石英ガラスの特徴は、該石
英ガラスを加工する場合には大きな欠点となる。
械的強度に優れているという石英ガラスの特徴は、該石
英ガラスを加工する場合には大きな欠点となる。
【0005】例えば、石英ガラスに貴金属の装飾を施す
場合、通常では、切削工具等を用いて石英ガラスの表面
に凹部を形成し、この凹部に貴金属を埋め込む方法が採
られている。
場合、通常では、切削工具等を用いて石英ガラスの表面
に凹部を形成し、この凹部に貴金属を埋め込む方法が採
られている。
【0006】この場合、前記凹部の断面形状は上端が広
がった形状とならざるを得ず、例えば、断面略円形状等
のものを石英ガラスの内部に形成すること等は極めて困
難である。また、石英ガラスと貴金属との接合強度は、
ガラス同士あるいは金属同士の接合と比べて弱いもので
あるから、外力が加わると比較的簡単に剥離したり等の
不具合が生じるという欠点もある。
がった形状とならざるを得ず、例えば、断面略円形状等
のものを石英ガラスの内部に形成すること等は極めて困
難である。また、石英ガラスと貴金属との接合強度は、
ガラス同士あるいは金属同士の接合と比べて弱いもので
あるから、外力が加わると比較的簡単に剥離したり等の
不具合が生じるという欠点もある。
【0007】ところで、最近、低温合成の一種であるゾ
ルーゲル法が注目されている。
ルーゲル法が注目されている。
【0008】この方法は、例えば、エチルシリケート
(テトラエトキシシラン)等のSiのアルコキシドを常
温もしくはそれに近い温度で加水分解・縮重合すること
によりゾルを作成し、さらに反応を進めてシリカゲル成
形体とし、該シリカゲル成形体を1000℃以下の低温
で焼成して高純度の石英ガラスとする方法である。
(テトラエトキシシラン)等のSiのアルコキシドを常
温もしくはそれに近い温度で加水分解・縮重合すること
によりゾルを作成し、さらに反応を進めてシリカゲル成
形体とし、該シリカゲル成形体を1000℃以下の低温
で焼成して高純度の石英ガラスとする方法である。
【0009】前記シリカゲル成形体は機械加工が極めて
容易であるから、極めて短時間で複雑な形状に加工する
ことができ、したがって、従来では機械加工が不可能で
あった様な複雑な形状のものも容易に加工することがで
き、また、高温焼成ができない種類のガラスや、金属
や、耐熱プラスチック(耐熱高分子材料)等と複合体を
作成することができ、加熱溶融の方法では冷却時に結晶
化や分相が起るためにガラスとならなかった新しい組成
のガラスの合成も可能になるという種々の特徴がある合
成方法である。
容易であるから、極めて短時間で複雑な形状に加工する
ことができ、したがって、従来では機械加工が不可能で
あった様な複雑な形状のものも容易に加工することがで
き、また、高温焼成ができない種類のガラスや、金属
や、耐熱プラスチック(耐熱高分子材料)等と複合体を
作成することができ、加熱溶融の方法では冷却時に結晶
化や分相が起るためにガラスとならなかった新しい組成
のガラスの合成も可能になるという種々の特徴がある合
成方法である。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、ゾルーゲル法により作成されたシリカゲル成
形体を用いることにより、従来では不可能であった様な
複雑な形状のものも容易に機械加工することができ、か
つ、溶融法に比べて極めて低温で合成することができる
石英ガラスと貴金属の複合体及びその製造方法を提供す
ることにある。
であって、ゾルーゲル法により作成されたシリカゲル成
形体を用いることにより、従来では不可能であった様な
複雑な形状のものも容易に機械加工することができ、か
つ、溶融法に比べて極めて低温で合成することができる
石英ガラスと貴金属の複合体及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な石英ガラスと貴金属の複合体及び
その製造方法を採用した。
に、本発明は次の様な石英ガラスと貴金属の複合体及び
その製造方法を採用した。
【0012】すなわち、請求項1記載の石英ガラスと貴
金属の複合体としては、ゾルーゲル法により作成したシ
リカゲル成形体の表面の孔部に貴金属粉末を含有する可
塑性組成物を埋め込み、この可塑性組成物及びシリカゲ
ル成形体を焼成して一体化したことを特徴としている。
金属の複合体としては、ゾルーゲル法により作成したシ
リカゲル成形体の表面の孔部に貴金属粉末を含有する可
塑性組成物を埋め込み、この可塑性組成物及びシリカゲ
ル成形体を焼成して一体化したことを特徴としている。
【0013】また、請求項2記載の石英ガラスと貴金属
の複合体の製造方法としては、ゾルーゲル法により作成
したシリカゲル成形体の表面に孔部を形成し、当該孔部
に貴金属粉末を含有する可塑性組成物を埋め込み、その
後この可塑性組成物及びシリカゲル成形体を焼成するこ
とを特徴としている。
の複合体の製造方法としては、ゾルーゲル法により作成
したシリカゲル成形体の表面に孔部を形成し、当該孔部
に貴金属粉末を含有する可塑性組成物を埋め込み、その
後この可塑性組成物及びシリカゲル成形体を焼成するこ
とを特徴としている。
【0014】
【作用】請求項1記載の石英ガラスと貴金属の複合体で
は、シリカゲル成形体の表面の孔部に貴金属粉末を含有
する可塑性組成物を埋め込み、この可塑性組成物及びシ
リカゲル成形体を焼成して一体化したことにより、所望
形状の石英ガラスの表面に特有の色、光沢を有する貴金
属の絵柄を形成した複合体が得られる。
は、シリカゲル成形体の表面の孔部に貴金属粉末を含有
する可塑性組成物を埋め込み、この可塑性組成物及びシ
リカゲル成形体を焼成して一体化したことにより、所望
形状の石英ガラスの表面に特有の色、光沢を有する貴金
属の絵柄を形成した複合体が得られる。
【0015】また、請求項2記載の石英ガラスと貴金属
の複合体の製造方法では、所望形状に作成されたシリカ
ゲル成形体の表面に極めて容易に孔部を形成する。ま
た、当該孔部に貴金属粉末を含有する可塑性組成物を埋
め込み、その後この可塑性組成物及びシリカゲル成形体
を焼成することにより、石英ガラスと貴金属が一体化さ
れた複合体を極めて低温で合成することを可能にする。
の複合体の製造方法では、所望形状に作成されたシリカ
ゲル成形体の表面に極めて容易に孔部を形成する。ま
た、当該孔部に貴金属粉末を含有する可塑性組成物を埋
め込み、その後この可塑性組成物及びシリカゲル成形体
を焼成することにより、石英ガラスと貴金属が一体化さ
れた複合体を極めて低温で合成することを可能にする。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例につ
いて説明する。
いて説明する。
【0017】本実施例のシリカゲル成形体は以下に示す
方法により製造される。
方法により製造される。
【0018】まず、エチルシリケート(テトラエトキシ
シラン)(Si(OC2H5)4)のエタノール(C2H5
OH)溶液(以下、単にエチルシリケート溶液と略称す
る)を調整する。
シラン)(Si(OC2H5)4)のエタノール(C2H5
OH)溶液(以下、単にエチルシリケート溶液と略称す
る)を調整する。
【0019】該エチルシリケート溶液の組成(mol
比)は下記の通りである。 Si(OC2H5)4:1mol H2O(水) :15〜25mol HCl(塩酸) :0.003〜0.3mol C2H5OH :適量
比)は下記の通りである。 Si(OC2H5)4:1mol H2O(水) :15〜25mol HCl(塩酸) :0.003〜0.3mol C2H5OH :適量
【0020】ここで、エチルシリケート溶液中のH2O
の量が10molより少ない場合にはゲル化の前後から
亀裂が入り、ゲルの乾燥収縮が進むにつれて亀裂は数多
くまた細かくなり、乾燥が完了した時点で粉末状になっ
てしまうために好ましくない。
の量が10molより少ない場合にはゲル化の前後から
亀裂が入り、ゲルの乾燥収縮が進むにつれて亀裂は数多
くまた細かくなり、乾燥が完了した時点で粉末状になっ
てしまうために好ましくない。
【0021】また、H2Oの量を10mol以上とする
とゲルの亀裂が次第に少なくなり、H2Oの量が15m
ol以上では亀裂のほとんどない塊状のシリカゲル成形
体を得ることができる。したがって、H2Oのmol比
は15〜25molが好ましい。
とゲルの亀裂が次第に少なくなり、H2Oの量が15m
ol以上では亀裂のほとんどない塊状のシリカゲル成形
体を得ることができる。したがって、H2Oのmol比
は15〜25molが好ましい。
【0022】また、HClの作用には、加水分解を促進
させる触媒としての働きと、Si(OC2H5)4とC2H
5OHとH2Oの3成分だけでは混和しない組成をも混和
する働きがあり、エチルシリケート溶液に0.003m
olのHClを添加すると、前記3成分の混和領域が大
きく拡大する。また、0.3mol以上では酸が強すぎ
て加水分解が急激に進行し好ましくない。したがって、
HClのmol比は0.003〜0.3molが好まし
い。
させる触媒としての働きと、Si(OC2H5)4とC2H
5OHとH2Oの3成分だけでは混和しない組成をも混和
する働きがあり、エチルシリケート溶液に0.003m
olのHClを添加すると、前記3成分の混和領域が大
きく拡大する。また、0.3mol以上では酸が強すぎ
て加水分解が急激に進行し好ましくない。したがって、
HClのmol比は0.003〜0.3molが好まし
い。
【0023】上記のエチルシリケート溶液を調整するに
は、まず、所定量のSi(OC2H5)4をテフロンビー
カー等の容器に入れ、C2H5OHで希釈し、該溶液をよ
く攪拌しながら、該溶液にHClとH2Oを含むC2H5
OH溶液を徐々に添加し、エチルシリケート溶液とす
る。
は、まず、所定量のSi(OC2H5)4をテフロンビー
カー等の容器に入れ、C2H5OHで希釈し、該溶液をよ
く攪拌しながら、該溶液にHClとH2Oを含むC2H5
OH溶液を徐々に添加し、エチルシリケート溶液とす
る。
【0024】次に、このエチルシリケート溶液を室温〜
80℃の温度に2〜6日間放置し、Si(OC2H5)4
を加水分解・縮重合させる。この過程においては、Si
(OC2H5)4が加水分解・縮重合するに従って溶液の
粘度が次第に増大してゲル化する。得られたゲルを所定
の温度(室温〜50℃)中に3〜6日間保存し乾燥収縮
させてシリカゲル成形体とする。
80℃の温度に2〜6日間放置し、Si(OC2H5)4
を加水分解・縮重合させる。この過程においては、Si
(OC2H5)4が加水分解・縮重合するに従って溶液の
粘度が次第に増大してゲル化する。得られたゲルを所定
の温度(室温〜50℃)中に3〜6日間保存し乾燥収縮
させてシリカゲル成形体とする。
【0025】なお、上記のSi(OC2H5)4の替わり
にテトラメトキシシラン(メチルシリケート)(Si
(OCH3)4)を用い、C2H5OHの替わりにCH3O
Hを用いても全く同様にシリカゲル成形体を得ることが
できる。
にテトラメトキシシラン(メチルシリケート)(Si
(OCH3)4)を用い、C2H5OHの替わりにCH3O
Hを用いても全く同様にシリカゲル成形体を得ることが
できる。
【0026】また、本実施例の貴金属粉末を含有する可
塑性組成物(以下、単に可塑性組成物と略称する)は以
下に示す方法により製造される。
塑性組成物(以下、単に可塑性組成物と略称する)は以
下に示す方法により製造される。
【0027】この可塑性組成物の組成は下記の通りであ
る。 貴金属粉末 :50〜90重量% セルローズ系水溶性バインダー:0.8〜8重量% 界面活性剤 :0.03〜3重量% 油脂 :0.1〜3重量% 水及び不可避不純物 :残部
る。 貴金属粉末 :50〜90重量% セルローズ系水溶性バインダー:0.8〜8重量% 界面活性剤 :0.03〜3重量% 油脂 :0.1〜3重量% 水及び不可避不純物 :残部
【0028】次に、可塑性組成物の組成を上記のように
定めた理由を説明する。
定めた理由を説明する。
【0029】(a)貴金属粉末 平均粒径200μm以下の金、銀、白金、銅またはそれ
らの合金からなる粉末である。これらの貴金属粉末は、
可塑性組成物を構成する主成分であり製品の色を決定す
る重要な要素であるが、その含有量が50重量%未満で
はその効果がなく、また、90重量%を越えると得られ
た可塑性組成物の伸び及び強度が低下するので好ましく
ない。従って、貴金属粉末の含有量は、50〜90重量
%の範囲が好ましい。
らの合金からなる粉末である。これらの貴金属粉末は、
可塑性組成物を構成する主成分であり製品の色を決定す
る重要な要素であるが、その含有量が50重量%未満で
はその効果がなく、また、90重量%を越えると得られ
た可塑性組成物の伸び及び強度が低下するので好ましく
ない。従って、貴金属粉末の含有量は、50〜90重量
%の範囲が好ましい。
【0030】(b)セルローズ系水溶性バインダー セルローズ系水溶性バインダーは、メチルセルローズ、
エチルセルローズ等を水に溶解したもので、所定の温度
以上に加熱すると速やかにゲル化して固化し、前記可塑
性組成物の形状を良好に保持するものである。このセル
ローズ系水溶性バインダーの添加量が0.8重量%未満
ではバインダーとしての効果が得られず、また、8重量
%より多いと粘性が大きくなりすぎて造形することがで
きなくなるので好ましくない。従って、セルローズ系水
溶性バインダーの含有量は、0.8〜8重量%の範囲が
好ましい。
エチルセルローズ等を水に溶解したもので、所定の温度
以上に加熱すると速やかにゲル化して固化し、前記可塑
性組成物の形状を良好に保持するものである。このセル
ローズ系水溶性バインダーの添加量が0.8重量%未満
ではバインダーとしての効果が得られず、また、8重量
%より多いと粘性が大きくなりすぎて造形することがで
きなくなるので好ましくない。従って、セルローズ系水
溶性バインダーの含有量は、0.8〜8重量%の範囲が
好ましい。
【0031】(c)界面活性剤 界面活性剤は、貴金属粉末とセルローズ系水溶性バイン
ダーとの親和性を高め、両者の混合を容易にするもの
で、界面活性剤の添加量が0.03重量%未満ではその
効果が弱く、また、3重量%より多いと得られた可塑性
組成物の粘性が低下し流動性が増して造形することがで
きなくなるので好ましくない。従って、界面活性剤の添
加量は、0.03〜3重量%の範囲が好ましい。界面活
性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、脂肪酸セッケン等の陰イオン界面活性剤が好適に用
いられる。
ダーとの親和性を高め、両者の混合を容易にするもの
で、界面活性剤の添加量が0.03重量%未満ではその
効果が弱く、また、3重量%より多いと得られた可塑性
組成物の粘性が低下し流動性が増して造形することがで
きなくなるので好ましくない。従って、界面活性剤の添
加量は、0.03〜3重量%の範囲が好ましい。界面活
性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、脂肪酸セッケン等の陰イオン界面活性剤が好適に用
いられる。
【0032】(d)油脂 油脂は、少量添加することにより可塑性組成物に滑性を
付与するもので、貴金属粉末とセルローズ系水溶性バイ
ンダーとの滑りを良くし、造形性を高めるものである。
油脂の添加量が0.1重量%未満ではその効果が得られ
ず、また、3重量%より多いと可塑性組成物が油っぽく
滑り易くなり、造形時の作業性が悪くなるので好ましく
ない。従って、油脂の含有量は0.1〜3重量%の範囲
が好ましい。油脂としては、例えば、フタル酸−ジ−2
−エチルヘキシル、フタル酸−ジ−n−オクチル、フタ
ル酸−n−ジブチル等の高級有機酸エステル、ポリビニ
ルアルコール等の高級アルコール、ポリエチレングリコ
ール等の高級多価アルコール等が好適に用いられる。
付与するもので、貴金属粉末とセルローズ系水溶性バイ
ンダーとの滑りを良くし、造形性を高めるものである。
油脂の添加量が0.1重量%未満ではその効果が得られ
ず、また、3重量%より多いと可塑性組成物が油っぽく
滑り易くなり、造形時の作業性が悪くなるので好ましく
ない。従って、油脂の含有量は0.1〜3重量%の範囲
が好ましい。油脂としては、例えば、フタル酸−ジ−2
−エチルヘキシル、フタル酸−ジ−n−オクチル、フタ
ル酸−n−ジブチル等の高級有機酸エステル、ポリビニ
ルアルコール等の高級アルコール、ポリエチレングリコ
ール等の高級多価アルコール等が好適に用いられる。
【0033】上記の組成からなる可塑性組成物の製造手
順について説明する。まず、水に所定量のセルローズ系
水溶性バインダーを投入し、攪拌しながらしばらくの間
加熱し、透明な糊状物とする。次に、該糊状物に界面活
性剤を添加して混合し、次に所望の貴金属粉末を添加し
て混合し、さらに油脂を添加して混合する。以上によ
り、可塑性組成物を製造することができる。
順について説明する。まず、水に所定量のセルローズ系
水溶性バインダーを投入し、攪拌しながらしばらくの間
加熱し、透明な糊状物とする。次に、該糊状物に界面活
性剤を添加して混合し、次に所望の貴金属粉末を添加し
て混合し、さらに油脂を添加して混合する。以上によ
り、可塑性組成物を製造することができる。
【0034】次に、図1及び図2を参照して、この発明
に係る石英ガラスと貴金属の複合体(以下、単に複合体
と略称する)の一実施例について説明する。
に係る石英ガラスと貴金属の複合体(以下、単に複合体
と略称する)の一実施例について説明する。
【0035】この複合体1は、ゾルーゲル法により作成
したシリカゲル成形体2の表面2aに断面略半円状の孔
部3を形成し、当該孔部3に可塑性組成物4を埋め込
み、その後この可塑性組成物4及びシリカゲル成形体2
を所定の温度で所定時間焼成し、石英ガラス5と貴金属
6を一体化したものである。
したシリカゲル成形体2の表面2aに断面略半円状の孔
部3を形成し、当該孔部3に可塑性組成物4を埋め込
み、その後この可塑性組成物4及びシリカゲル成形体2
を所定の温度で所定時間焼成し、石英ガラス5と貴金属
6を一体化したものである。
【0036】孔部3は、前記の形状以外にも様々な形状
のものが形成可能である。例えば、図3の様にシリカゲ
ル成形体2の表面2aから内部に向かって拡大する様に
形成された断面略楕円状のものとしても勿論よい。
のものが形成可能である。例えば、図3の様にシリカゲ
ル成形体2の表面2aから内部に向かって拡大する様に
形成された断面略楕円状のものとしても勿論よい。
【0037】この複合体1は、図4に示す方法により製
造される。まず、外形が50mm×30mm×10mm
のシリカゲル成形体2を用意し、該シリカゲル成形体2
の表面2aに孔部3を形成し、この孔部3に可塑性組成
物4を埋め込む。
造される。まず、外形が50mm×30mm×10mm
のシリカゲル成形体2を用意し、該シリカゲル成形体2
の表面2aに孔部3を形成し、この孔部3に可塑性組成
物4を埋め込む。
【0038】次に、可塑性組成物4が埋め込まれたシリ
カゲル成形体2を下記の条件の下で焼成する。 雰 囲 気 :大気中 昇温(室温〜200℃) :5〜20℃/day (200〜1000℃):100〜200℃/day 保持時間 (1000℃):10時間 降温(1000℃〜室温) :炉冷
カゲル成形体2を下記の条件の下で焼成する。 雰 囲 気 :大気中 昇温(室温〜200℃) :5〜20℃/day (200〜1000℃):100〜200℃/day 保持時間 (1000℃):10時間 降温(1000℃〜室温) :炉冷
【0039】この様にして、所望形状の石英ガラス5の
表面5aに特有の色、光沢を有する貴金属6の絵柄を有
する複合体1が得られる。
表面5aに特有の色、光沢を有する貴金属6の絵柄を有
する複合体1が得られる。
【0040】この複合体1は所定の形状に機械加工され
製品とされる。また、複合体1をそのまま製品としても
よい。
製品とされる。また、複合体1をそのまま製品としても
よい。
【0041】以上、説明した様に、本発明の一実施例に
よれば、ゾルーゲル法により作成したシリカゲル成形体
2の表面2aの孔部3に可塑性組成物4を埋め込み、こ
の可塑性組成物4及びシリカゲル成形体2を焼成して一
体化し複合体1としたので、所望形状の石英ガラス5の
表面5aに特有の色、光沢を有する所望形状の貴金属の
絵柄を有する複合体1を得ることができる。
よれば、ゾルーゲル法により作成したシリカゲル成形体
2の表面2aの孔部3に可塑性組成物4を埋め込み、こ
の可塑性組成物4及びシリカゲル成形体2を焼成して一
体化し複合体1としたので、所望形状の石英ガラス5の
表面5aに特有の色、光沢を有する所望形状の貴金属の
絵柄を有する複合体1を得ることができる。
【0042】また、本発明の一実施例の複合体1の製造
方法によれば、ゾルーゲル法により所望形状に作成され
たシリカゲル成形体2の表面2aに極めて容易に所望形
状の孔部3を形成することができる。また、当該孔部3
に可塑性組成物4を埋め込み、その後この可塑性組成物
4及びシリカゲル成形体2を焼成することにより、石英
ガラスと貴金属の複合体1を極めて低温で合成すること
ができる。
方法によれば、ゾルーゲル法により所望形状に作成され
たシリカゲル成形体2の表面2aに極めて容易に所望形
状の孔部3を形成することができる。また、当該孔部3
に可塑性組成物4を埋め込み、その後この可塑性組成物
4及びシリカゲル成形体2を焼成することにより、石英
ガラスと貴金属の複合体1を極めて低温で合成すること
ができる。
【0043】以上の様に、極めて容易に所望の形状に機
械加工することができ、かつ、溶融法に比べて極めて低
温で合成することができる石英ガラスと貴金属の複合体
及びその製造方法を提供することができる。
械加工することができ、かつ、溶融法に比べて極めて低
温で合成することができる石英ガラスと貴金属の複合体
及びその製造方法を提供することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の石
英ガラスと貴金属の複合体によれば、ゾルーゲル法によ
り作成したシリカゲル成形体の表面の孔部に貴金属粉末
を含有する可塑性組成物を埋め込み、この可塑性組成物
及びシリカゲル成形体を焼成して一体化したので、所望
形状の石英ガラスの表面に、特有の色、光沢を有する所
望形状の貴金属の絵柄を有する複合体を得ることができ
る。
英ガラスと貴金属の複合体によれば、ゾルーゲル法によ
り作成したシリカゲル成形体の表面の孔部に貴金属粉末
を含有する可塑性組成物を埋め込み、この可塑性組成物
及びシリカゲル成形体を焼成して一体化したので、所望
形状の石英ガラスの表面に、特有の色、光沢を有する所
望形状の貴金属の絵柄を有する複合体を得ることができ
る。
【0045】また、請求項2記載の石英ガラスと貴金属
の複合体の製造方法によれば、ゾルーゲル法により作成
したシリカゲル成形体の表面に孔部を形成することとし
たので、所望形状に作成されたシリカゲル成形体の表面
に極めて容易に所望形状の孔部を形成することができ
る。また、当該孔部に貴金属粉末を含有する可塑性組成
物を埋め込み、その後この可塑性組成物とシリカゲル成
形体を焼成することにより、石英ガラスと貴金属の複合
体を低温で合成することができる。
の複合体の製造方法によれば、ゾルーゲル法により作成
したシリカゲル成形体の表面に孔部を形成することとし
たので、所望形状に作成されたシリカゲル成形体の表面
に極めて容易に所望形状の孔部を形成することができ
る。また、当該孔部に貴金属粉末を含有する可塑性組成
物を埋め込み、その後この可塑性組成物とシリカゲル成
形体を焼成することにより、石英ガラスと貴金属の複合
体を低温で合成することができる。
【0046】以上の様に、極めて容易に所望の形状に機
械加工することができ、かつ、溶融法に比べて極めて低
温で合成することができる石英ガラスと貴金属の複合体
及びその製造方法を提供することができる。
械加工することができ、かつ、溶融法に比べて極めて低
温で合成することができる石英ガラスと貴金属の複合体
及びその製造方法を提供することができる。
【図1】本発明の石英ガラスと貴金属の複合体の一実施
例を示す全体斜視図である。
例を示す全体斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明の石英ガラスと貴金属の複合体の他の一
実施例を示す断面図である。
実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の石英ガラスと貴金属の複合体の製造方
法の一実施例を示す工程図である。
法の一実施例を示す工程図である。
1 複合体 2 シリカゲル成形体 2a 表面 3 孔部 4 可塑性組成物 5 石英ガラス 6 貴金属
Claims (2)
- 【請求項1】 ゾルーゲル法により作成したシリカゲル
成形体の表面の孔部に貴金属粉末を含有する可塑性組成
物を埋め込み、この可塑性組成物及びシリカゲル成形体
を焼成して一体化したことを特徴とする石英ガラスと貴
金属の複合体。 - 【請求項2】 ゾルーゲル法により作成したシリカゲル
成形体の表面に孔部を形成し、当該孔部に貴金属粉末を
含有する可塑性組成物を埋め込み、その後この可塑性組
成物及びシリカゲル成形体を焼成することを特徴とする
石英ガラスと貴金属の複合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03135159A JP3082298B2 (ja) | 1991-06-06 | 1991-06-06 | 石英ガラスと貴金属の複合体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03135159A JP3082298B2 (ja) | 1991-06-06 | 1991-06-06 | 石英ガラスと貴金属の複合体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0585772A JPH0585772A (ja) | 1993-04-06 |
JP3082298B2 true JP3082298B2 (ja) | 2000-08-28 |
Family
ID=15145202
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03135159A Expired - Fee Related JP3082298B2 (ja) | 1991-06-06 | 1991-06-06 | 石英ガラスと貴金属の複合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3082298B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102145626B (zh) * | 2010-11-30 | 2012-11-28 | 芜湖市皖申玻璃有限公司 | 一种在玻璃表面烫金的工艺方法 |
-
1991
- 1991-06-06 JP JP03135159A patent/JP3082298B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0585772A (ja) | 1993-04-06 |
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