JP3082104B2 - L−キシルロースの製造方法 - Google Patents
L−キシルロースの製造方法Info
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Description
造方法に関するものであり、更に詳細には、アルカリゲ
ネス属に属し、キシリトールからL−キシルロース産生
能を有する細菌を用いて、キシリトールからL−キシル
ロースを製造する方法に関するものである。
分類される単糖類である。その製造方法は、例えば、有
機化学的手法としては、メソッズ イン カーボハイド
レイトケミストリー(Methods in Carb
ohydrateChemistry)第1巻、第98
乃至101頁(1962年)で、L−キシロースをピリ
ジンによって異性化させ、L−キシルロースが収率約1
5%で生成することが報告されている。
ライド アンド エンビロンメンタル マイクロバイオ
ロジー(Applied and Environme
ntal Microbiology)第49巻、第1
58乃至162頁(1985年)で、エルビニア・ウレ
ドボラ(Ervinia uredovora)の変異
株が、キシリトールからL−キシルロースを生成し、最
高収率が64%に達することが報告されている。
率がなお不十分である。
速に発達し、糖質化学の分野においても、新たな糖質の
開発が望まれている。L−キシルロースは、試薬として
少量市販されているものの、その大量製造方法が確立さ
れておらず、未だ、食品工業、医薬品工業、化学工業な
どの工業原料として使用されるに至っていない。
とりわけ、高収率で、工業実施の容易な製造方法の確立
が望まれている。
ルロースを生化学的手段により大量、安価に製造するこ
とを目的に鋭意研究した。
リトールからL−キシルロース産生能を有する細菌、キ
シリトールを含有する水溶液に接触させて、L−キシル
ロースを生成せしめ、これを採取することにより、容易
に、高収率でL−キシルロースを製造し得ることを見出
し、本発明を完成した。
からL−キシルロースを製造するのに使用される細菌
は、アルカリゲネス属に属し、キシリトールからL−キ
シルロース産生能を有する細菌である。その一例として
は、後に説明するアルカリゲネス・デニトリフィカンス
・サブスピーシーズ・キシロソキシダンス(Alcal
igenes denitrificans subs
p. xylosoxydans) 701Aまたは、
これの変異株などが有利に利用できる。
ブスピーシーズ・キシロソキシダンス 701Aは、平
成2年1月19日付で、工業技術院微生物工業技術研究
所に、微生物受託番号 FERM BP−2735とし
て寄託されている。
・サブスピーシーズ・キシロソキシダンス 701A
(FERM BP−2735)の菌学的性質を以下に記
載する。
面は平滑であり、半レンズ状の隆起をしている。周縁は
全縁で内容は均質である。色素は形成しない。 (2)肉汁ゼラチン穿刺培養(20℃および28℃、5
日) 培地表面に穿刺部を中心にコロニーが形成され、液化し
ない。
アムズ・アンド・ウィルキンズ(Williams &
Wilkins)社、バージーズ・マニュアル・オブ
・システマティック・バクテリオロジー(Berge
y’s Manual ofSystematic B
acteriology)、第1巻(1984年)に準
じて分類すれば、グラム陰性、好気性の短桿菌であり、
胞子を形成せず、運動性あり、色素を生成せず、また、
カタラーゼおよびオキシダーゼが陽性であることからク
ロモバクテリウム・リビダム(Chromobacte
riumlividum)あるいはアルカリゲネス(A
lcaligenes)の可能性が考えられる。
生育できることから、アルカリゲネス・デニトリフィカ
ンス(Alcaligenes denitrific
ans)に属すると考えられる。
に生育すること、D−グルコース、D−キシロースなど
の糖から酸を生成することから、アルカリゲネス・デニ
トリフィカンス・サブスピーシーズ・キシロソキシダン
ス(Alcaligenesdenitrifican
s subsp. xylosoxydans)と同定
され、アルカリゲネス・デニトリフィカンス・サブスピ
ーシーズ・キシロソキシダンス 701Aと命名され
た。
キシリトールからL−キシルロース産生能を有する細菌
を、キシリトールを含有する水溶液に接触させてL−キ
シルロースを生成せしめ、これを採取するとは、キシリ
トールからL−キシルロース産生能を有する、例えば、
アルカリゲネス・デニトリフィカンス・サブスピーシー
ズ・キシロソキシダンス 701A(FERM BP−
2735)、または、この変異株などの細菌を、L−ソ
ルボース、D−タリトール、D−ガラクチトールおよび
D−グルコースなどから選ばれる一種以上の炭素源を含
有する栄養培地で、振盪、通気撹拌などの好気的条件下
で培養し、この培養液中にキシリトールを共存させるこ
とにより、培養液中にL−キシルロースを生成せしめ、
これを採取するか、または、L−ソルボース、D−タリ
トール、D−ガラクチトールおよびD−グルコースなど
から選ばれる一種以上の炭素源を含有する栄養培地で培
養した後、得られる細菌(生菌体)をキシリトールを含
有する水溶液と接触させ、キシリトールをL−キシルロ
ースに変換させ、望ましくは、振盪、通気撹拌、酸素の
圧入などの好気的条件下で変換させ、生成するL−キシ
ルロースを採取すればよい。
する細菌が必要とする栄養源、例えば、炭素源、窒素
源、無機塩などを含有する培地、望ましくは、微酸性乃
至微アルカリ性の液体培地に、キシリトールからL−キ
シルロース産生能を有する細菌を植菌し、温度約20乃
至35℃で、1乃至15日間好気的条件下で培養すれば
よい。
ル、D−ガラクチトールおよびD−グルコースなどから
選ばれる一種以上の炭素源とともに各種栄養源を含有す
る液体培地で好気的に培養するのが望ましい。
菌(生菌体)を、キシリトールを含有する水溶液と接
触、望ましくは、好気的条件下で接触させ、L−キシル
ロースに変換させることができる。
分離された生菌体そのままの状態に限る必要はなく、例
えば、生菌体を中性乃至微酸性下でトルエン2,4−ジ
イソシアネートなどのジイソシアネート化合物や、グル
タールアルデヒドなどのジアルデヒド化合物で処理した
細菌、半透膜製のホローファイバーに封入した細菌、寒
天、ゼラチン、アルギン酸塩などで包括し、ビーズ状、
シート状などの各種形状に固定化した細菌などとして、
キシリトールからL−キシルロースへの変換に、繰り返
し利用することも好都合である。
たL−キシルロースを含有する水溶液は、適当な分離方
法、例えば、遠心分離、濾過などの方法によって細菌と
分離され、採取される。
り、例えば、硫安塩析、水酸化亜鉛吸着などによる除蛋
白、活性炭吸着による脱色、H型、OH型イオン交換樹
脂による脱塩などの方法で精製し、濃縮してシラップ状
のL−キシルロース製品を採取することができる。
ムクロマトグラフィー、例えばダウケミカル社製造の商
品名ダウエックス50W−XA、ダウエックスWGR、
東京有機化学工業株式会社製造の商品名アンバーライト
XT−1008、アンバーライトIRA47、三菱化成
工業株式会社製造の商品名ダイヤイオンSK106、ダ
イヤイオンWA11などを用いるカラムクロマトグラフ
ィーで分画、精製することにより99%以上の高純度の
標品も容易に得ることができる。
スは、通常、キシリトールに対し約70W/W%以上の
高収率で得られ、大量、安価に供給する工業的製造方法
として好適である。
のように試薬用途に限定されることなく、食品工業、医
薬品工業、化学工業などの原料、中間体などとして自由
に利用できる。
酸一カリウム0.24W/V%、リン酸二カリウム0.
56W/V%、硫酸マグネシウム・7水塩0.01W/
V%、酵母エキス0.05W/V%、L−ソルボース2
W/V%及び脱イオン水からなる減菌した培養液100
ミリリットルずつを500ミリリットル容振盪フラスコ
20本にとり、アルカリゲネス・デニトリフィカンス・
サブスピーシーズ・キシロソキシダンス 701A(F
ERM BP−2735)を1白金耳ずっ植菌し、30
℃で2日間振盪培養した。
生菌体約20gをキシリトール2W/V%を含有する
0.05Mリン酸塩緩衝液(PH7.0)1リットルに
加え混合し、この混合液約100ミリリットルずつを5
00ミリリットル容振盪フラスコに分注し、30℃2日
間振盪し、キシリトールをL−キシルロースに変換させ
た。
/10容加えpH7.6に調整し、遠心分離して上清を
採取したこの上清を、常法に従って、活性炭を用いて脱
色し、次いで、H型イオン交換樹脂(三菱化成工業株式
会社製造、商品名、ダイヤイオンSK1B)およびOH
型イオン交換樹脂(三菱化成工業株式会社製造、商品
名、ダイヤイオンWA30)を用いて脱塩し、減圧濃縮
して濃度約90%の透明なシラップを得た。
収率は、固形物当り約75%であった。
め、市販している標準試薬と、その理化学的性質を比較
実験した。
れたL−キシルロースを本製品と呼ぶ。
分析 本製品を高速液体クロマトグラフィー(日本分光工業社
製880−PU;カラム、日立製作所GL−C611;
溶離液、10−4M水酸化ナトリウム、60℃;流速、
1ミリリットル/min;検出、島津製作所RID−6
A)で分析したところ、その溶出位置は、標準のL−リ
ブロース、D−リブロースなどのケトペントースとは異
り、標準L−キシルロースと同一の19.1分であっ
た。
リオールを確認した。
ムによって還元し、イオン交換樹脂による脱塩、さらに
残留するホウ酸をメタノール共存下での減圧濃縮によっ
て除去した。
オン交換クロマトグラフィーによって二種のポリオール
に分離精製し、減圧濃縮して、それぞれのポリオール結
晶を得た。
トルを測定し、標準キシリトールおよび標準L−アラピ
トールのそれと比較した。
ポリオールの赤外線吸収スペクトルは、標準キシリトー
ルのそれとよく一致し、他方のポリオールの赤外線吸収
スペクトルは、標準L−アラビトールのそれとよく一致
した。
確認 本発明者等がジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミ
ストリー(Journal of Biologica
l Chemistry)第250巻、第8085乃至
8087頁(1975年)で報告したように、D−リボ
ース・イソメラーゼ(EC 5.3.1.23)は、L
−キシルロース作用するものの、D−キシルロースには
作用しないことが明かになっている。
・イソメラーゼを本製品とD−キシルロースとに作用さ
せたところ、本製品は、標準D−キシルロースの場合と
は違って、D−リボース・イソメラーゼの作用をよく受
けることが判明した。
方法で得られた本製品は、L−キシルロースであると判
断される。
ず、食品工業、医薬品工業、化学工業などの原料、中間
体などとしても有利に利用できる。
2W/V%を、L−ソルボース1W/V%およびキシリ
トール1W/V%に置き換えた以外は、実施例1と同組
成の培養液15リットルを30リットル容ジャーファー
メンター2基にとり、120℃で20分間滅菌した後、
30℃に冷却し、これに、同組成の培養液に30℃で1
日間振盪培養したアルカリゲネス・デニトリフィカンス
・サブスピーシーズ・キシロソキシダンス 701A
(FERM BP−2735)の種培養液を1W/V%
植菌し、30℃で2日間通気撹拌培養して、L−ソルボ
ースを消費し、キシリトールをL−キシルロースに変換
させ、次いで遠心分離して菌体と上清とに分離し、得ら
れた上清を実施例1の方法に準じて、活性炭、イオン交
換樹脂を用いて脱塩し、濃縮した後、カラムクロマトグ
ラフィーによって精製、濃縮してL−キシルロースシラ
ップを採取した。
収率は、固形物当り約90%であった。
と同様に、標準L−キシルロースとよく一致した。
ず、食品工業、医薬品工業、化学工業などの原料、中間
体などとしても有利に利用できる。
率の低かったL−キシルロースを、生化学的方法により
容易に高収率製造する方法を確立するものである。
用いて、キシリトールという安価な糖アルコールを原料
としてL−キシルロースを高収率で生産できることを見
出したことは、L−キシルロースの製造方法にとって、
極めて有利である。
スの工業的製造方法として好適であり、大量、安価な供
給を可能にし、希少糖質としての試薬用途のみならず、
従来予想すらできなかった食品工業、医薬品工業、化学
工業などの原料、中間体などへの用途を可能にするもの
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 アルカリゲネス属に属し、キシリトール
からL−キシルロース産生能を有する細菌を、キシリト
ールを含有する水溶液に接触させてL−キシルロースを
生成せしめ、これを採取することを特徴とするL−キシ
ルロースの製造方法。 - 【請求項2】 アルカリゲネス属に属する細菌が、アル
カリゲネス・デニトリフィカンス・サブスピーシーズ・
キシロソキシダンス 701A(FERMBP−273
5)であることを特徴とする請求項1記載のL−キシル
ロースの製造方法。 - 【請求項3】 アルカリゲネス属に属する細菌、アルカ
リゲネス・デニトリフィカンス・サブスピーシーズ・キ
シロソキシダンス(FERM BP−2735)、また
は、その変異株。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31555491A JP3082104B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | L−キシルロースの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31555491A JP3082104B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | L−キシルロースの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0576379A JPH0576379A (ja) | 1993-03-30 |
JP3082104B2 true JP3082104B2 (ja) | 2000-08-28 |
Family
ID=18066746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31555491A Expired - Lifetime JP3082104B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | L−キシルロースの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3082104B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6894199B2 (en) | 2001-04-27 | 2005-05-17 | Danisco Sweeteners Oy | Process for the production of xylitol |
-
1991
- 1991-09-24 JP JP31555491A patent/JP3082104B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0576379A (ja) | 1993-03-30 |
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