JP3081220B2 - 新規プラスミノーゲン活性化因子誘導体およびその製造方法 - Google Patents

新規プラスミノーゲン活性化因子誘導体およびその製造方法

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JP3081220B2 JP02206458A JP20645890A JP3081220B2 JP 3081220 B2 JP3081220 B2 JP 3081220B2 JP 02206458 A JP02206458 A JP 02206458A JP 20645890 A JP20645890 A JP 20645890A JP 3081220 B2 JP3081220 B2 JP 3081220B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、血栓症の治療に有用である組織型プラスミ
ノーゲン活性化因子の新規誘導体,該誘導体をコードす
るDNA配列,該DNA配列を有する発現ベクター,該ベクタ
ーを導入された形質転換体,および該誘導体の製造方法
に関する。
(従来の技術) ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子(以下,TPAと
略す)は,ヒトのメラノーマ細胞(Bows Melanoma)の
分泌するTPAについて特によく研究されており,527個の
アミノ酸残基からなる糖タンパクであることが知られて
いる(Pennica,D.ら,Nature,301,214(1983))。
TPAは,血液中に存在するプラスミノーゲンに作用し
てプラスミンに変える酵素であり,プラスミンは血栓の
原因となるフィブリンを溶解する作用を有する。TPAは
このフィブリンに対して強い親和性を有し,かつその活
性はフィブリン依存性であるため,血栓に特異的に作用
すると考えられている。そのため,TPAは種々の血栓症の
治療薬として有用である(Grossbard,E.B.,Pharmaceuti
cal Research,,375(1987))。しかし,血栓症の治
療のためにTPAを血液中に投与するとしても,その効果
は長時間持続せず,TPAは血液中から急速に消失してしま
うという問題がある。TPAは主に肝臓で代謝されると推
定されており(Fuchs,H.E.ら,Blood,65,539(198
5)),その血中半減期は僅かに2分である(Collen,D.
ら,Circulaton,72,384(1985))。そのため,TPAの血中
有効濃度を一定に保つには,大量のTPAを投与する必要
がある。しかも,TPAは水への溶解性が小さいため高濃度
で使用することができず,所定量のTPAを投与するため
には長時間を要する。このように,血栓症を効果的に治
療するためにはTPAを長時間にわたり大量に投与する必
要があり,一刻を争う血栓症の治療には適さない。さら
に,TPAは複雑な構造をした比較的分子量の大きなタンパ
クであるため高価で,大量に使用すると治療が極めて高
価となり,患者への負担が大きい。
このような問題を解決し,TPAをより少量でかつ短時間
に投与し得るようにするために,化学修飾,酵素修飾,
遺伝子工学的手法などにより血中持続性を改善されたTP
A誘導体が報告されている(Browne,M.J.ら,J.Biol.Che
m.,263,1599(1988);Dodd,I.ら,Thrombosis and Haemo
stasis,59,523(1988);およびKayan,N.K.ら,J.Biol.C
hem.,263,3971(1988))。しかし,これらの報告によ
るTPA誘導体では,血中持続性が大幅に向上した反面,TP
Aの特徴的な性質であるフィブリン親和性の極端な低下
が認められている(Larsen,G.R.ら,J.Biol.Chem.,263,1
023(1988))。さらに,修飾・改変によりフィブリン
溶解能が著しく低下したTPA誘導体の例もある(Hansen
L.ら,J.Biol.Chem.,263,15713(1988))。
このように,優れた治療効果を示すTPA誘導体はまだ
得られていない。そのため,血中持続性が向上し,かつ
TPA本来の特性をできるだけ保持し,出血などの副作用
を増大させることなく少量の投与での血栓治療が可能で
あるようなTPA誘導体の開発が待たれている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は,上記従来の課題を解決するものであり,そ
の目的とするところは,血中半減期が長く,かつフィブ
リン溶解能の高い新規TPA誘導体を提供することにあ
る。本発明の他の目的は,上記優れた性質を有するTPA
誘導体をコードするDNA配列,該DNA配列を有する発現ベ
クター,該発現ベクターが導入された形質転換体,なら
びに該形質転換体を培養してTPA誘導体を生産すること
によるTPA誘導体の製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) TPAは,フィンガー領域,成長因子領域,クリングル
1領域,クリングル2領域およびセリンプロテアーゼ活
性を有する領域の5つの領域からなり,これらの領域は
TPAのアミノ酸配列のN末端から上記順序で並んでいる
(Pennica,D.ら,Nature,301,214,前出)。これまでに作
成され,血中持続性およびフィブリン溶解能が評価され
たTPA誘導体はいずれも,フィンガー領域を単独で欠
く,または他の領域も含めた広い領域のアミノ酸配列が
欠失した欠失体である(Hansen L.ら,J.Biol.Chem.,26
3,15713前出;Larsen,G.R.ら,J.Biol.Chem.,263,1023,前
出;およびCollen,D.ら,Blood,71,219(1988))。この
ようなフィンガー領域を欠くTPA誘導体は,血中持続性
は向上するがインビトロでの血栓溶解能が著しく低下す
る。従って,フィンガー領域は,プラスミノーゲン活性
化能またはフィブリン溶解能を担っていると考えられ
る。
上記クリングル領域についても研究がなされており,
クリングル2領域は,TPAのフィブリン親和性やフィブリ
ンによる活性化に関与すると言われている。クリングル
1領域については,その欠失誘導体を作成して検討して
も,該領域の機能についてはいまだ充分に解明されてい
ない〔Zonneveld,A.J.Vら,Journal of Biological Chem
istry,261,14214(1986),Pro.N.A.S.83,169(198
6)〕。発明者らは,フィンガー領域がその特性を損な
うことなく修飾され,かつクリングル領域が修飾され,
その結果,血中持続性が高く,プラスミノーゲンに対す
る親和性の高いTPA誘導体を作成することを試みた。上
記クリングル領域については,クリングル2領域が有す
るフィブリン親和性およびフィブリンによる活性化とい
う性質を増強することを目的として,クリングル1領域
のアミノ酸配列をクリングル2領域に似せた配列とする
ことを試みた。このように,遺伝子工学の手法を用いて
アミノ酸置換体を数多く作成した。その結果,フィンガ
ー領域の37番目から42番目のアミノ酸を疎水性アミノ酸
に置換し,かつクリングル1領域のある部分のアミノ酸
を所定の他のアミノ酸に置換したTPA誘導体の中に,天
然型TPAと同等な血栓溶解能を有し,かつ血中持続性が
はるかに改善されたTPA誘導体があることを見い出し,
本発明を完成するに至った。
本発明のTPA誘導体は,TPAのアミノ酸配列のN末端か
ら37番目のアスパラギン,38番目のセリン,39番目のグリ
シン,40番目のアルギニン,41番目のアラニン,および42
番目のグルタミンのうちの,少なくとも1個のアミノ酸
が疎水性アミノ酸に置換され,かつ161番目のグリシン
がアルギニンに,162番目のリジンがアルギニンに,そし
て,165番目のセリンがトリプトファンに置換されたアミ
ノ酸配列を有する。
本発明のTPA誘導体は,TPAのアミノ酸配列のN末端か
ら37番目のアスパラギン,38番目のセリン,39番目のグリ
シン,40番目のアルギニン,41番目のアラニン,および42
番目のグルタミンのうちの,少なくとも1個のアミノ酸
が疎水性アミノ酸に置換され,かつ115番目のアスパラ
ギンがプロリンに置換されたアミノ酸配列を有する。
好適な実施態様においては,上記疎水性アミノ酸はフ
ェニルアラニン,バリン,イソロイシン,ロイシンまた
はセリンである。
本発明のDNA配列は,上記TPA誘導体をコードする。
本発明の発現ベクターは,上記DNA配列を有する。
本発明の形質転換体は,上記発現ベクターを動物培養
細胞に導入して得られる。
本発明のTPA誘導体の製造方法は,(a)上記TPA誘導
体をコードするDNA配列を有する発現ベクターを構築す
る工程;(b)該発現ベクターを動物培養細胞に導入し
て形質転換体を得る工程;(c)該形質転換体を培養し
てTPA誘導体を生産させる工程;および(d)生産され
たTPA誘導体を単離する工程を包含する。
表1に本発明のTPA誘導体を含む修飾TPAのアミノ酸置
換,および該修飾TPAを発現し得るベクター名を示す。
表1において,アミノ酸およびポリペプチドは,IUPAC−
IUB生化学委員会(CBN)で採用された方法に従って示さ
れている。
以下に,本発明をTPA誘導体の製造工程順に説明す
る。
(I)TPAをコードするDNA配列の調製 遺伝子工学的手法を用いてTPAのフィンガー領域およ
び/またはクリングル領域を修飾し,血中持続性の向上
したTPA誘導体を作成するには,天然型あるいはそれに
由来するTPAのアミノ酸配列をコードするDNA配列が必要
である。そのようなDNA配列は,TPAをコードするcDNAま
たは染色体DNA(以下,染色体DNAをgDNAとする)をクロ
ーニングすることにより;あるいはTPAをコードするcDN
A,gDNA,TPAのアミノ酸配列などをもとにDNAを化学合成
することにより得られる。TPAをコードするcDNAは,Penn
ica,D.らNature,301,214(1983)(前出)によりすでに
単離されており,TPAをコードするgDNAは,Ny,I.ら(Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA.,81,5355(1984);Brown,M.J.ら
(Gene,33,279(1985));およびDegen,S.J.F.ら(J.B
iol.Chem.,216,6972(1986))によりそれぞれ単離され
ている。本明細書においては,TPAのアミノ酸配列および
cDNA配列に対する番号付けはPennica,D.ら(前出)に従
い,TPAをコードするgDNA配列のエクソンに対する番号付
けはNy,T.ら(前出)に従って行う。
この他,遺伝子操作によって得られた種々のTPA発現
ベクターが知られており,例えば,特開昭62−14783号
公報に開示されているTPA発現ベクターpSVePA−1を利
用して,DNA配列が得られうる。上記pSVePA−1を用いた
本発明のTPA誘導体発現ベクターの作成例を次に示す。
まず上記発現ベクターpSVePA−1を含む宿主,例え
ば,このベクターにより形質転換されたCHO−K1細胞
(特開昭62−14783号公報,前出)からmRNAを抽出し,
これを用いてcDNAを合成してcDNAライブラリーを作成
し,クローニングを行う。クローニングは,例えば,上
記発現ベクターを適当な制限酵素で切断して得られるDN
Aの断片(TPAをコードする)をプローブとして用いた,
プラークハイブリダイゼーションにより行うことができ
る。このようにして,このプローブとハイブリダイズす
る陽性クローンCH79が選択される。このクローンCH79中
のDNAを抽出し,サザンハイブリダイゼーションにより
解析すると,上記プローブとハイブリダイズし,Hind II
Iで約2.2kbに切断されるDNA断片が含まれていることが
分かる。この約2.2kbのHind III切断DNA断片を,プラス
ミドベクターpUC19に挿入することにより,cDNAクローン
pCH79が得られる。このpCH79のcDNA部分の塩基配列をM1
3法により決定すると,このcDNA部分の5′末端はプラ
スミドベクターpUC19由来のHind III認識部位に連結さ
れており,そこから約150bp下流にはBgl IIの認識部位
が存在し,その下流約1500bpには終止コドンTGAが存在
する。さらに,このTGAコドンから約410bp下流には,プ
ラスミドベクターpUC19由来のHind III認識部位が存在
する。このcDNA部分の塩基配列は,584番目のCがTに,
そして1725番目のAがCであることを除いては,Pennic
a,D.ら,Nature,301,214,(前出)に記載のTPAの塩基配
列と一致する。
このようにして得られるTPAをコードするcDNA配列を
用いて,TPA誘導体調製の基本となるTPA発現ベクターが
構築され得る。
(II)発現ベクターの構築 TPA発現ベクターpSVeCPA−1およびTPA誘導体発現ベ
クターの構築を,次に示す。
(II−A)TPA発現ベクターpSVeCPA−1の構築 プラスミドベクターpSVSl I(特開昭62−14783号公
報,前出),上記ベクターpSVePA−1に含まれるgDNAお
よび上記TPAのcDNAを使用して,TPA発現ベクターpSVeCPA
−1が構築され得る。つまり,TPA発現ベクターpSVeCPA
−1は,下記の〜の3つのDNA断片を連結すること
により構築される。この発現ベクターの構築の概略を第
1図に示す。
pSVeSal IのHind III−Hind III断片:プラスミドベ
クターpSVeSal I(特開昭62−14783号公報,前出)を制
限酵素Nco Iで切断し,大きい方のDNA断片(Nco I−Nco
I断片,約4.7kb)を単離し,T4 DNAリガーゼにより環状
化して得られるプラスミドベクターpSVeSal I−Hind II
Iを,Hind IIIにて切断して得られる大きい方のDNA断片
(約4.7kb)。
pSVePA−1のHind III−Bgl II断片:上記gDNA利用TP
A発現ベクターpSVePA−1をHind IIIおよびBgl IIで切
断して得られる小さい方のDNA断片(約1.9kb)。
pCH79のBgl II−Hind III断片:上記cDNAクローンpCH
79をBgl IIおよびHind IIIで切断して得られる,TPA cDN
Aを含むDNA断片(約2kb)。
このようにして構築されたTPA発現ベクターpSVeCPA−
1は,TPA遺伝子の上流にSV40ウィルスの初期プロモータ
ーがTPA遺伝子が発現可能な位置および方向で存在して
おり,動物細胞に導入された場合TPAを生産し得るよう
に設計されている。プロモーターとしては,SV40以外に
もTPA遺伝子を発現し得るプロモーターのいずれが利用
され得る。
(II−B)フィンガー領域が修飾されたTPA誘導体発現
ベクターの構築 TPAのフィンガー領域内のいくつかのアミノ酸が置換
されたフィンガー領域修飾TPA誘導体を発現し得るベク
ターを調製するには,(1)TPAのアミノ酸配列をコー
ドするDNA配列に対して合成DNAプライマーを利用して変
異を導入する;(2)合成DNAを直接利用してカセット
式に変異を導入する;などの方法がある。TPAのcDNAに
対して(2)の方法を採用する場合,合成するDNA配列
は,cDNA全部であっても一部(変異が導入される部分)
のみであってもよい。一部のみを合成する場合には,適
当な制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素)およびT4 DNA
リガーゼを使用することにより,本来のcDNA配列の一部
分を合成DNAと置き換えることができる。例えば,次に
示すようなアミノ酸置換が導入された2種類のTPA誘導
体SD4およびSD8を生産するためには,該アミノ酸置換部
分をコードするDNA配列を合成し,これを天然型TPAのcD
NA配列の相当する部分と置き換えた発現ベクターを構築
すればよい。
SD4:TPAのアミノ酸配列のN末端から37番目のアスパ
ラギンがセリンに,38番目のセリンがバリンに,39番目の
グリシンがバリンに,40番目のアルギニンがイソロイシ
ンに,41番目のアラニンがバリンに,そして42番目のグ
ルタミンがセリンに置換されたTPA誘導体; SD8:TPAのアミノ酸配列のN末端から37番目のアスパ
ラギンがセリンに,38番目のセリンがバリンに,39番目の
グリシンがバリンに,40番目のアルギニンがグルタミン
酸に,41番目のアラニンがフェニルアラニンに,そして4
2番目のグルタミンがセリンに置換されたTPA誘導体。
このようなTPA誘導体を生産するための発現ベクターp
SVeSD4およびpSVeSD8は,それぞれ以下の〜の4つ
のDNA断片をT4 DNAリガーゼを用いて連結することによ
り構築され得る。この発現ベクターの構築の概略を,pSV
eSD2を例にして第2図に示す。
合成DNA断片:各ベクターについて2種類ずつの,次
に示すようなDNA配列を有する1本鎖の合成DNA断片。こ
の各ベクターについて2種類ずつの1本鎖DNAは,互い
に相補的であり,発現ベクターの構築に先立って常法に
よりアニールされ,2本鎖DNAとして使用される。
SD4用合成DNA配列: SD8用合成DNA配列: pSVeCPA−1のBgl II−Ssp I断片:上記(II−A)項
で得られたTPA発現ベクターpSVeCPA−1をBgl IIおよび
Nar Iで消化して得られる小さい方のDNA断片(約0.33k
b)を,TPAをコードするcDNAの塩基配列の290番目付近を
切断するSsp Iで消化して得られるDNA断片(約100b
p)。
pSVeCPA−1のDra III−Nar I断片:項のBgl II−N
ar I断片(0.33kb)を,TPAをコードするcDNAの塩基配列
の320番目付近を切断するDra IIIで消化して得られるDN
A断片(約200bp)。
pSVeCPA−1のBgl II−Nar I断片:上記(II−A)項
で得られるTPA発現ベクターpSVeCPA−1を,Bgl IIおよ
びNar Iで消化して得られる大きい方のDNA断片(約8.1k
b)。
このようにして〜のDNA断片を連結して構築され
た2種のTPA誘導体発現ベクター,pSVeSD4およびpSVeSD8
は,それぞれE.coli DH1株(ATCC33849)に導入されて
形質転換体が得られた。これらは工業技術院微生物工業
技術研究所に寄託されている。それぞれの受託番号を以
下に示す: ベクター: 名称 (受託番号) pSVeSD4:E.coli DHl SD459(FERM P−11246) pSVeSD8:E.coli DHl SD813(FERM P−11249) (II−C)クリングル領域が修飾されたTPA誘導体発現
ベクターの構築 TPAのクリングル1領域内のいくつかのアミノ酸が置
換されたクリングル領域修飾TPA誘導体を発現し得るベ
クターを調製するには,例えば,TPAのアミノ酸配列をコ
ードするDNA配列に対して合成DNAプライマーを利用して
変異を導入する方法(部位特異的変異法)が利用され
る。
例えば,この部位特異的変異法により次に示すアミノ
酸置換が導入された2種類のTPA誘導体KM4およびKM21が
生産され得る。
KM4:TPAのアミノ酸配列のN末端から161番目のグリシ
ンがアルギニンに,162番目のリジンがアルギニンに,そ
して165番目のセリンがトリプトファンに,それぞれ置
換されたTPA誘導体。
KM21:TPAのアミノ酸配列のN末端から115番目のアス
パラギンがプロリンに置換されたTPA誘導体。
上記クリングル1領域が修飾されたTPA誘導体を調製
するには,例えば,(II−A)項で得られるpSVeCPA−
1などのTPA発現ベクターからTPAのアミノ酸配列の一部
(置換したいアミノ酸の部位を含む)をコードするDNA
断片を切り出し,これをM13,pUC119などの大腸菌宿主用
の1本鎖ファージもしくはプラスミドに組みこむ。例え
ば,上記pSVeCPA−1をNar IおよびSma Iで分解して得
られる小さい方の断片を,同じくNar IとSma Iで分解し
たM13mp11(宝酒造(株)製)に組み込み,組み換えフ
ァージベクターM13NSが得られる。次に,上記切り出し
たDNA断片と相同なDNA配列の一部(但し,変異を導入す
べき部分を含み,この箇所は所望の塩基に置換されてい
る)を,プライマーとして別途合成する。例えば、KM4
を発現し得るベクターpSCKM4を得るためには,次のDNA
断片(I)が合成される。
同様に,KM21を発現し得るベクターpSCKM21を得るため
には,次のDNA断片(II)が合成される。
このプライマー,例えば上記DNA断片(I)をT4ポリ
ヌクレオチドキナーゼを用いてリン酸化し,次いで,上
記組み換え一本鎖ファージもしくはプラスミドにアニー
ルさせ,常法によりDNA鎖を延長させる。これには,市
販のインビトロ変異システムキットが用いられ得る。得
られた変異部分を含むプラスミド(M13−NSM4)は,適
当な宿主,例えばE.coli JM109株に導入して増幅され
る。次にこのM13−NSM4をNar IおよびSma Iで分解し
て、小さい方の断片(約1.2kb;変異を含むTPAのDNAの一
部に相当する)を単離し,これを上記pSVeCPA−1のNar
I−Sma I断片(大きい方の断片;約7kb)と連結するこ
とにより,KM41を発現しうる発現ベクター(pSCKM4)が
得られる。同様に,DNA断片(II)を用いて,TPA誘導体KM
21を発現し得る発現ベクター(pSCKM21)が構築され
る。
(II−D)フィンガー領域およびクリングル領域の両者
が修飾されたTPA誘導体発現ベクターの構築 TPAのフィンガー領域およびクリングル1領域内のい
くつかのアミノ酸が置換されたフィンガー・クリングル
1領域修飾TPA誘導体を発現し得るベクターを調製する
には,(II−B)項で調製されるフィンガー領域修飾TP
A発現ベクターと,(II−C)項で調製されるクリング
ル領域修飾TPA発現ベクターとを組み合わせて,新たな
発現ベクターを構築する方法が採用され得る。この方法
により,例えば次に示す4種類のフィンガー・クリング
ル1領域修飾TPA誘導体KS48,KS218,KS44およびKS214が
生産され得る。
KS48:TPAのアミノ酸配列のN末端から37番目のアスパ
ラギンがセリンに,38番目のセリンがバリンに,39番目の
グリシンがバリンに,40番目のアルギニンがグルタミン
酸に,41番目のアラニンがフェニルアラニンに,42番目の
グルタミンがセリンに,161番目のグリシンがアルギニン
に,162番目のリジンがアルギニンに,そして165番目の
セリンがトリプトファンに置換されたTPA誘導体。
KS218:TPAのアミノ酸配列のN末端から37番目のアス
パラギンがセリンに,38番目のセリンがバリンに,39番目
のグリシンがバリンに,40番目のアルギニンがグルタミ
ン酸に,41番目のアラニンがフェニルアラニンに,42番目
のグルタミンがセリンに,そして115番目のアスパラギ
ンがプロリンにそれぞれ置換されたTPA誘導体。
KS44:TPAのアミノ酸配列のN末端から37番目のアスパ
ラギンがセリンに,38番目のセリンがバリンに,39番目の
グリシンがバリンに,40番目のアルギニンがイソロイシ
ンに,41番目のアラニンがバリンに,42番目のグルタミン
がセリンに,161番目のグリシンがアルギニンに,162番目
のリジンがアルギニンに,そして165番目のセリンがト
リプトファンにそれぞれ置換されたTPA誘導体。
KS214:TPAのアミノ酸配列のN末端から37番目のアス
パラギンがセリンに,38番目のセリンがバリンに,39番目
のグリシンがバリンに,40番目のアルギニンがイソロイ
シンに,41番目のアラニンがバリンに,42番目のグルタミ
ンがセリンに,そして115番目のアスパラギンがプロリ
ンにそれぞれ置換されたTPA誘導体。
このようなTPA誘導体を生産するための発現ベクターp
SVeKS48,pSVeKS218,pSVeKS44およびpSVeKS214は,それ
ぞれ以下のとの断片を連結することによって構築さ
れる。この発現ベクターの構築の概略をpSVeKS48を例に
して第3図に示す。
フィンガー領域修飾TPA発現ベクターpSVeSD8あるいは
pSVeSD4を,Bgl IIおよびNar Iで消化して得られる小さ
いほうの断片(約0.33kb)。
クリングル領域修飾TPA発現ベクターpSCKM4あるいはp
SCKM21を,Bgl IIおよびNar Iで消化して得られる大きい
ほうの断片(約8.1kb)。
このようにしてとのDNA断片を連結して得られた
4種のTPA誘導体発現ベクターpSVeKS48,pSVeKS218,pSVe
KS44およびpSVeKS214は,それぞれE.coli DHl株(ATCC
33849)に導入されて形質転換体が得られた。これらの
うちpSVeKS48およびpSVeKS218については工業技術院微
生物工業技術研究所に寄託されている。それぞれの受託
番号を以下に示す。
ベクター: 名称 (受託番号) pSVeKS48: E.coli DHl KS48 FERM P−11553 pSVeKS218:E.coli DHl KS218 FERM P−11554 (III)マーカー遺伝子 発現ベクターを動物細胞に導入して得られる形質転換
体を選択するための選択マーカー遺伝子としては,Ecogp
t(Mulligaan,R.C.ら,Science,209,1422(1980)),neo
(Southern,P.J.ら,Journal Molecular and Applied Ge
netics,,327(1982)),dhfr(Wigler,M.ら,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA.,77,327(1980))などの遺伝子が用い
られる。これらのマーカー遺伝子は,TPA誘導体発現ベク
ターに含まれていても,該ベクター以外のプラスミドに
含まれていてもよい。後者の場合は,選択マーカー遺伝
子を有するプラスミドベクターを構築し,TPA発現ベクタ
ーと適当な割合で混合して使用することにより,形質転
換体のスクリーニングがなされ得る。例えば,neoおよび
dhfr遺伝子を有するマーカーベクターpSV2neo−dhfrが
好適に使用され,該ベクターは次のように構築される。
dhfr遺伝子を有するrDNAベクターpSV2dhfr(アメリカン
タイプカルチャー コレクション,rDNA Vectors 3714
6)をPvu IIで切断したPvu II−Pvu II断片と,BamH Iリ
ンカーd(pCGGATCCG)とをT4 DNAリガーゼで連結して
ベクターpSV2Bdhfrを構築する。このベクターをBamH I
切断したBamH I−BamH I断片と,rDNAベクターpSV2neo
(アメリカン タイプカルチャー コレクション,rDNA
Vectors 37149)をBamH Iで切断して得たBamH I−BamH
I断片とをT4 DNAリガーゼで連結することにより,環状
のマーカーベクターpSV2neo−dhfrが構築される。
(IV)動物培養細胞の形質転換およびTPA誘導体の生産 宿主細胞としては動物培養細胞が用いられ,CHO−K1
(ATCC CCL−61)株が好適に用いられる。このような動
物培養細胞を用いることにより,TPA誘導体はグリコシル
化されて生産される。
動物細胞への発現ベクターDNAの導入法としては,ト
ランスフェクション効率に差はあるが,リン酸カルシウ
ム法(Wigler,M.ら,Cell,11,233(1977)),マイクロ
インジェクション法(Anderson,W.F.ら,Proc,Natl.Aca
d.Sci.USA.,77,5399(1989)),リポゾーム,DEAE−デ
キストラン法または細胞融合法(Schoffner,W.ら,Proc.
Natl.Acad.Sci.USA.,77,2163(1980)),電気導入法
(達家雅明ら,細胞工学,,494(1987))などが利用
され得る。このような方法によりTPA誘導体発現ベクタ
ーを宿主細胞に導入した後,上記(III)項に述べたよ
うなマーカー遺伝子によって獲得した形質により形質転
換体が選択され得る。
得られた形質転換体がTPA誘導体を生産するか否か
は,それぞれの形質転換体細胞の培養液中のプラスミノ
ーゲン活性化活性(プラスミノーゲンを活性化させる活
性の割合)を測定することにより調べることができる。
プラスミノーゲン活性化活性は,プラスミノーゲン含有
フィブリン平板を用いる方法(Mackie,M.ら,British Jo
urnal of Hematorogy,47,77(1981)),プラスミンの
合成基質S−2251の分解を測定する方法[Allen,R.A.お
よびPepper,D.S.,Thrombosis and Haemostasis,45,43
(1981)],CLT法[Gaffney,P.T.およびCartis,A.D.,Th
rombosis and Haemostasis,53,134(1985)],ELISA法
[Holvoest,T.ら,Thrombosis and Haemostasis,54,684
(1985)]などにより測定され得る。
(V)TPA誘導体の回収および精製 TPA誘導体生産株の培養は,宿主となる動物細胞株に
適した培養法により行われる。培養物からのTPA誘導体
の回収および精製は,CPG−10,キレーティング セファ
ロース,Con−A セファロース,イオン交換体,オクチル
セファロース,セファデックスゲルなどの各種担体を用
いたカラムクロマトグラフィー,抗体カラムクロマトグ
ラフィー,電気泳動などを適宜組み合わせて行うことが
可能である。本発明においては,各TPA誘導体生産株の
培養液2〜6Lから,それぞれ約1〜3mgのTPA誘導体精製
物が得られた。
(VI)TPA誘導体の評価 血栓の溶解にかかわる種々の性質としては,比活性,
フィブリン親和性,活性のフィブリン依存性,プロテア
ーゼ抵抗性,血中持続性,プラスミノーゲン活性化活
性,インビトロ血栓分解能,阻害剤に対する感受性など
が挙げられる。上記各項目のうち,例えばフィブリン親
和性はフィブリンクロットへの取り込みを指標とするCo
llen,D.ら,Blood,71,216(1988)の方法により,インビ
トロでの血栓溶解能は125I−フィブリンからの放射能の
遊離を指標とするCollen,D.らの方法,Thrombosis and H
aemostasis,52,308(1984)に従って測定され得る。活
性のフィブリン依存性またはプラスミノーゲン活性化活
性は,プラスミンの合成基質S−2251を利用するColle
n,D.ら,J.Biol.chem.,257,2912(1982),(前出)の方
法に従って測定され得る。そして,血中持続性は,Beeb
e,D.P.ら(Thrombosis Research,43,663(1986)),ま
たはMattson,Ch.ら,(Thrombosis Research,30,91(19
83))に記載の方法により血中半減期として測定され得
る。
本発明のTPA誘導体の血栓溶解性は天然のTPAとほぼ同
等であり,かつ天然のTPAよりもはるかに優れた血中持
続性を示す。このような性質は,後述の実施例により明
らかにされる。
(実施例) 本発明を以下の実施例につき説明する。
本発明に係わる諸実験は,内閣総理大臣の定める「組
換えDNA実権指針」に従って行った。実施例中のファー
ジ,プラスミド,DNA,種々の酵素,大腸菌などを扱う詳
しい諸操作は,以下の雑誌,成書を参考とした。
1.蛋白質核酸酵素,26(4),(1981),臨時増刊「遺
伝子操作」(共立出版) 2.遺伝子操作実験,高木康敬編著(1980),講談社 3.遺伝子操作マニュアル,高木康敬編著(1982),講談
社 4.Molecular Cloning a Laboratory Manual,T.maniatis
ら編(1982),Cold Spring Harbor Laboratory 5.Methods in Enzymology,L.Grossmamら編,65(198
0),Academic Press 6.Methods in Enzymology,R.Wu編,65(1979),Academi
c Press 実施例1 (I)TPAをコードするDNA配列の調製 天然型TPAをコードするDNA配列を,以下のようにして
cDNAから調製した。
まず,グアニジン−ホットフェノール法に準じ,染色
体DNA(gDNA)利用TPA発現ベクターpSVePA−1(特開昭
62−14783号公報,前出)が導入されたCHO−K1細胞から
全RNAを抽出した。この全RNA抽出物をオリゴdTセルロー
スクロマトグラフィーに供し,得られたポリA+mRNA画
分をショ糖密度勾配遠心法により分子量分画し,TPAのmR
NAを含む画分を得た。このmRNA画分を市販のcDNA合成キ
ット(アマシャム社)に供してcDNAを合成し,これを用
いてcDNAライブラリーを作成した。このcDNAライブラリ
ーの作成には,市販のλgt10利用cDNAクローンニングキ
ット(アマシャム社)を用いた。次いで,このcDNAライ
ブラリーのプラークハイブリダイゼーションを常法によ
り行った。それには,プローブとして,上記発現ベクタ
ーpSVePA−1を制限酵素Xba Iで切断して得られ,第10,
11および12エクソンを含む約2.5kbのDNA断片を用い,該
DNA断片とハイブリダイズした陽性ファージクローンを
選択した。
得られたいくつかの陽性ファージクローンからそれぞ
れDNAを単離し,制限酵素Hind III(宝酒造(株)製)
で消化した後,アガロースゲル電気泳動を行った。その
後,上記プラークハイブリダイゼーションに用いたのと
同じXba I切断2.5kb DNA断片をプローブとして用いたサ
ザンハイブリダイゼーションを行うことにより,陽性フ
ァージクローンを解析した。その結果,CH79と命名した
クローンには,上記プローブとハイブリダイズし,Hind
IIIで約2.2kbに切断されるDNA断片が含まれていること
が分かった。この約2.2kbのHind III切断DNA断片をアガ
ロース電気泳動法にて単離した後,同じくHind IIIで消
化したプラスミドベクターpUC19(宝酒造(株)製)とT
4 DNAリガーゼを用いて連結し,大腸菌(E.coli)DH1株
に導入してcDNAクローンpCH79を得た。このpCH79のcDNA
部分の塩基配列を,M13法を利用した市販のキット(宝酒
造(株)製)により決定した。その結果,このcDNA部分
の5′末端はプラスミドベクターpUC19由来のHind III
認識部位に連結されており,そこから約150bp下流にはB
gl IIの認識部位が存在し,その下流約1500bpには終止
コドンTGAが存在することがわかった。さらに,このTGA
コドンから約410bp下流には,プラスミドベクターpUC19
由来のHind III認識部位が存在していた。このcDNA部分
の塩基配列は,584番目のCがTに,そして1725番目のA
がCであったことを除いては,Pennicaら(Nature,301,2
14;前出)が報告したTPAの塩基配列と一致していた。
(II)発現ベクターの構築 TPA発現ベクターpSVeCPA−1およびTPA誘導体発現ベ
クターを以下のようにして構築した。
(II−A)TPA発現ベクターpSVeCPA−1の構築 TPA発現ベクターpSVeCPA−1を,下記の〜項で得
られる3つのDNA断片を連結することにより構築した。
この発現ベクターの構築の概略を第1図に示す。
pSVeSal I由来のHind III−Hind III断片 プラスミドベクターpSVeSal I(特開昭62−14783号公
報,前出)を制限酵素Nco Iで切断し,約4.7kbの大きい
方のDNA断片(Nco I−Nco I断片)を単離した。このDNA
断片は,pBR322由来の大腸菌内での複製起点(ORI.);SV
40由来の初期プロモーター領域(SVe);ポリアデニル
化シグナルを含む配列(PolyA);アンピシリン耐性遺
伝子(AMP.);および2箇所のHind III認識部位を有す
る。このNco I−Nco I断片をT4 DNAリガーゼにより環状
化して得られたプラスミドベクターをpSVeSal I−Hind
IIIと命名し,E.coli DH1株に導入して増幅させた。次
に,E.coli DH1株から常法によりプラスミドベクター p
SVeSal I−Hind IIIを単離し,Hind IIIにて切断して約
4.7kbの大きい方のDNA断片(Hind III−Hind III断片)
を得た。
pSVePA−1のHind III−Bgl I断片 上記のgDNA利用TPA発現ベクターpSVePA−1をHind II
IおよびBgl IIで切断し,約1.9kbの小さいDNA断片(Hin
d III−Bgl II断片)を得た。このHind III−Bgl II断
片は,TPAをコードするgDNAの第2エクソン全部および第
3エクソンの一部を含む。
pCH79のBgl II−Hind III断片 上記(I)項で得られたTPAのcDNAクローンpCH79をBg
l IIおよびHind IIIで切断し,TPA cDNAを含む約2kbのDN
A断片(Bgl II−Hind III断片)を得た。
上記〜のDNA断片をT4 DNAリガーゼを用いて連結
することによりTPA発現ベクターを構築し,これをpSVeC
PA−1と命名した。このpSVeCPA−1を,E.coli DH1株に
導入して,以下のTPA誘導体発現ベクターの構築に用い
た。このTPA発現ベクターpSVeCPA−1は天然型TPAを発
現する遺伝子をコードしており,gDNA由来部分(第1図
中の番号2で示される第2エクソンから,番号3で示さ
れる第3エクソンのBgl II認識部位まで)と,cDNA由来
部分とを含む。
(II−B)フィンガー領域修飾TPA誘導体発現ベクター
の構築 天然型TPAのアミノ酸配列中に,表1に示すようなア
ミノ酸置換が導入された2種類のTPA誘導体を,それぞ
れSD4およびSD8と命名した。
これらのTPA誘導体を得るための発現ベクターを,以
下の〜項で得られる4つのDNA断片をT4 DNAリガー
ゼを用いて連結することにより構築し,それぞれpSVeSD
4およびpSVeSD8と命名した。この発現ベクターの構築の
概略を,pSVeSD8を例にして第2図に示す。
合成DNA断片 各TPA誘導体発現ベクターの構築に使用する1本鎖DNA
を,各ベクターについて2種類ずつ,DNA合成機(381A D
NAシンセサイザー,アプライド バイオシステムズ)を
用いて合成した。この合成DNAの配列を次に示す。この
2種類の1本鎖DNAは互いに相補的であり,発現ベクタ
ーの構築に先立って常法によりアニールし,2本鎖DNAと
して使用した。
SD4用合成DNA配列: SD8用合成DNA配列: pSVeCPA−1のBgl II−Ssp I断片 上記(II−A)項で得られたTPA発現ベクターpSVeCPA
−1をBgl IIおよびNar Iで消化し,小さい方のDNA断片
(Bgl II−Nar I断片;約0.33kb)を得た。このBgl II
−Nar I断片を,TPAをコードするcDNAの塩基配列の290番
目付近を切断するSsp Iで消化して,約100bpのBgl II−
Ssp I断片を得た。
pSVeCPA−1のDra III−Nar I断片 上記(II−B)項で得られた約0.33kbのBgl II−Na
r I断片を,TPAをコードするcDNAの塩基配列の320番目付
近を切断するDra IIIで消化して,約200bpのDra III−N
ar I断片を得た。
pSVeCPA−1のBgl II−Nar I断片 上記(II−A)項で得られたTPA発現ベクターpSVeCPA
−1を,Bgl IIおよびNar Iで消化し,大きい方のDNA断
片(Bgl II−Nar I断片;約8.1kb)を得た。
このようにして得られた〜のDNA断片を連結して,
2種の発現ベクター(pSVeSD4およびpSVeSD8)を構築し
た。構築されたTPA誘導体発現ベクターをそれぞれE.col
i DH1株(ATCC 33849)に導入し,形質転換体E.coli DH
1 SD459およびE.coli DH1 SD813を得た。
(II−C)クリングル1領域修飾TPA誘導体発現ベクタ
ーの構築 クリングル1領域修飾TPA誘導体KM4およびKM21を発現
し得る発現ベクターpSCKM4およびpSCKM21の構築を次の
ように行った。
変異導入ベクターM13NSの調製 TPA発現ベクターpSVeVPA−1を,制限酵素Nar I(ニ
ューイングランドバイオラブズ社製)とSma I(宝酒造
株式会社製)とで切断し,アガロースゲル電気泳動によ
って約1.2kbの断片を単離した。この断片は,天然のTPA
のアミノ酸配列中110番目のグリシンから508番目のプロ
リンに相当するcDNA配列をコードしている。この約1.2k
b断片を,同じくNar IとSma Iとで切断したM13mp11(宝
酒造株式会社製)に,T4DNAリガーゼ(宝酒造株式会社
製)を用いて連結し,M13−NSを得た。これをE.coli JM1
09(宝酒造株式会社製)に導入して形質転換体を得た。
部位特異的アミノ酸置換 上記項で得たM13−NSを有する形質転換体を培養し
て,培養上清より1本鎖DNAを得た。次に,KM4を発現し
得る発現ベクターpSCKM4を得るために,下記のDNA断片
(I)をDNA合成機(381A DNAシンセサイザー,アプラ
イドバイオシステムズ)を用いて合成した。
このDNA断片(I)をT4ポリスクレオチドキナーゼ
(宝酒造(株)製)を用いてリン酸化し,次いで,上記
一本鎖DNA M13−NSにアニールさせ,DNA鎖を延長させ
た。これには,市販のインビトロ変異システムキット
(アマシャム社製)を用いた。このような部位特異的反
応によって得られた,変異部分を含むプラスミド(M13
−NSM4)をE.coil TG1(アマシャム社製)に導入して増
幅させた。天然のTPAの161から165番目のアミノ酸配列
(グリシン,リジン,チロシン,セリン,セリン)に対
応するもとの発現ベクターのDNA配列,−GGGAAGTACAGCT
CA−は,−AGGAGGTACAGCTGG−に変換された。このDNA配
列は,アルギニン,アルギニン,チロシン,セリン,ト
リプトファンのアミノ酸配列に対応する。上記DNA配列
の変異の導入は,市販のシークエンスキット(宝酒造
(株))により確認した。
つぎに,KM21を発現し得る発現ベクター,pSCKM21を構
築するために,次のDNA断片(II)をDNA合成機(381A D
NAシンセサイザー,アプライドバイオシステムズ)を用
いて合成した。
このDNA断片(II)を用いて,上記と同様の方法によ
り,変異導入ベクターM13−NSM21を調製した。
クリングル領域修飾TPA誘導体発現ベクターの調製 上記項で得られたM13−NSM4の2本鎖DNAを調製後,
これをNsr IとSma Iとで分解し,アガロースゲル電気泳
動によって約1.2kbの断片(小さい方の断片)を単離し
た。次に,TPA発現ベクターpSVeCPA−1をNar I及びSma
Iで分解し,アガロースゲル電気泳動によって約7kbの断
片(大きい方の断片)を単離した。これらの断片を連結
し,KM4を発現しうる発現ベクターpSCKM4を得た。同様に
M13−NSM4の代わりにM13−NSM21を用いて,発現ベクタ
ーpSCKM21を得,E.coli.DH1に導入した。の発現ベクター
は、TPA誘導体KM21を発現し得る。
(II−D)フィンガー・グリングル1領域修飾TPA誘導
体発現ベクターの構築 フィンガー領域およびクリングル1領域のいくつかの
アミノ酸が置換されたTPA誘導体KS48,KS218,KS44および
KS214をそれぞれ発現し得る発現ベクターpSVeKS48,pSVe
KS218,pSVeKS44およびpSVeKS214の構築を次のように行
った。
pSVeSD8をBgl IIとNal Iとで分解し,小さい方の断片
(約0.33kb)を単離した。同様に,pSCK4をBgl IIとNal
Iとで分解し,大きい方の断片(約8.1kb)を単離した。
これらの2つの断片をT4 DNAリガーゼで連結し,発現ベ
クターpSVeKS48を得た。このpSVeKS48をE.coli.DH1(AT
CC No.33849)に導入し,形質転換体E.coli.DH KS48
(微工研菌寄第11553号)を得た。
別に,pSVeSD8をBgl IIとNal Iとで分解して小さい方
の断片(約0.33kb)を単離し,さらにpSCKM21をBgl II
とNal Iとで分解して大きい方の断片(約8.1kb)を単離
した。これらの2つの断片をT4 DNAリガーゼで連結し,
発現ベクターpSVeKS218を得た。このpSVeKS218をE.col
i.DH1(ATCC No.33849)に導入し,形質転換体E.coli.D
H KS218(微工研菌寄第11554号)を得た。
同様の方法により,pSVeSD4とpSCKM4とから発現ベクタ
ーpSVeKS44を;そしてpSVeSD4とpSCKM21とから発現ベク
ターpSVeKS214を構築した。
(III)マーカーベクターpSV2neo−dhfrの構築 選択マーカー遺伝子としてneoおよびdhfr遺伝子を有
するマーカーベクターを,次のようにして構築した。
まず,dhfr遺伝子を有するrDNAベクターpSV2dhfr(ア
メリカン タイプカルチャー コレクション,rDNA Vect
ors 37146)を制限酵素Pvu IIで切断し,Pvu II−Pvu II
断片を単離した。このPvu II−Pvu II断片と,BamH Iリ
ンカーd(pCGGATCCG)(宝酒造(株)製)とをT4 DAN
リガーゼを用いて連結し,ベクターpSV2Bdhfrを構築し,
E.coli DH1株に導入して増幅させた。このpSV2Bdhfrを
単離してBamH Iで消化し,dhfr遺伝子を含む約2kbのBamH
I−BamH I断片をアガロースゲル電気泳動法により分離
した。このBamH I−BamH I断片と,rDANベクターpSV2neo
(アメリカン タイプカルチャー コレクション,rDNA
Vectors 37149)をBamH Iで切断して得たBamH I−BamH
I断片とをT4 DANリガーゼを用いて連結した。このよう
にして構築した環状のマーカーベクターを,E.coli DH1
株に導入した。このマーカーベクターをpSV2neo−dhfr
と命名した。このpSV2neo−dhfrは,neoおよびdhfr遺伝
子が同じ発現方向に挿入されている。
(IV)動物培養細胞の形質転換およびTPA誘導体の生産 宿主細胞として動物培養細胞CHO−K1(ATCC CCL−6
1)を選択し,Chen,C.ら(Molecular and Cellular Biol
ogy,,2745(1987))の方法に準じ,上記(II−B)
〜(II−D)項で得られた各TPA誘導体発現ベクターを
用いて形質転換を行った。各TPA誘導体発現ベクター
は,上記(III)項で得られたマーカーベクターpSV2neo
−dhfrと,〔TPA誘導体発現ベクター:pSV2neo−dhfr=3
00:1(重量比)〕の割合で混合して用いた。このベクタ
ー混合物のリン酸カルシウム共沈殿物を,予め5%ウシ
胎児血清(FCS)を含むMD培地(MCDB302:ダルベッコ変
法MEM=1:1,シグマ社)で生育させたCHO−K1細胞(5×
105個細胞/10ml培地/直径10cm培養皿)に加え,15時間
培養した後に新しい培地に変えた。さらに48時間培養し
た後,培地を5%FCS,800μg/ml G418硫酸塩(ギブコ
社),7mMε−アミノカプロン酸,50μMフォイパン(小
野薬品工業)を含有するMD培地に変えた。さらに約2週
間培養を続けてG418耐性株を分離した。G418耐性株を12
穴マルチディッシュ(リンブロー社製)に移して底面全
体に生育させ,上記MD培地で24時間培養した。この培養
液中に含まれるTPA誘導体の含量を,プラスミノーゲン
含有フィブリン平板を用い,その活性を測定することに
よって定量した(Mackie,M.ら,British Journal of Hem
atology,47,77(1981))。定量には,後述の(VI)項
に記述したように精製し,タンパク定量されたTPA誘導
体標品を用いた。各形質転換体について,培養培地あた
りのTPA誘導体の生産量が0.5μg/ml以上のものを選択し
た。このように選択された形質転換体細胞は,MD無血清
培地(MD培地,7mMε−アミノカプロン酸,50μMフォイ
パン,1mg/mlウシ血清アルブミン,および5μg/mlイン
シュリン)においてもTPA誘導体を生産した。
(V)TPA誘導体の回収および精製 上記形質転換体により生産された各TPA誘導体の回収
および精製を,以下のようにして行った。この工程にお
けるTPA抗原の検出には,市販のELISAキット(IMUBIND
TPA ELISA KIT,アメリカンダイアグノスティカ社製)を
用いた。
(IV)項で記したようなMD無血清培地で形質転換体を
培養して得られる,TPA誘導体(KM4,SD8,SD4,KS218およ
びKS48)を含む培養液を,1M NaCl,50μMフォイパンを
含む20mMリン酸緩衝液(pH7.5)で平衡化したCPG−10
(エレクトロヌクレオニクス社製)カラムに通し,平衡
化に用いたのと同じ緩衝液で洗浄した。CPG−10カラム
を通過した培養液および洗浄液中のTPA抗原を測定する
と,各TPA誘導体はほとんど検出されていないことがわ
かった。次いで,溶離液として1M NaCl,0.5M KSCN,1Mε
−アミノカプロン酸および50μMフォイパンを含有する
20mMリン酸緩衝液(pH7.5)を用い,CPG−10カラムからT
PA誘導体を溶出した。この溶出液を,1M NaCl,0.01%Twe
en80および50μMフォイパンを含有する20mMリン酸緩衝
液(pH7.5)にて平衡化したConA−Sepharose(ファルマ
シア社製)カラムにチャージした。平衡化に用いたのと
同じ緩衝液で洗浄した後,2M KSCN,0.4Mα−メチルマン
ノシド,0.01%Tween80および50μMフォイパンを含有す
る20mMリン酸緩衝液(pH7.5)により溶出した。このCon
A−Sepharoseカラムの通過液,洗浄液および溶出液中に
含まれるTPA抗原をELISA分析したところ,各TPA誘導体
はほとんどConA−Sepharoseカラムに吸着し,溶出によ
り溶出液中に回収されていることがわかった。次に,Con
A−Sepharoseカラム溶出液を,0.15M NaCl,0.01%Tween8
0および50μMフォイパンを含有する20mMリン酸緩衝液
(pH7.5)に対して透析した後,同緩衝液にて平衡化し
た抗体カラム(ESP−2,バイオスコット社製)にチャー
ジした。0.3M KSCN,0.15M NaClおよび0.01%Tween80を
含有する20mMリン酸緩衝液(pH7.5)にて洗浄した後,3M
KSCN,0.15M NaClおよび0.01%Tween80を含有する20mM
リン酸緩衝液(pH7.5)にて溶出を行った。この溶出液
中に含まれるタンパク量を,ウシ血清アルブミンを標準
としてローリー法により測定した。その結果,各TPA誘
導体生産株の培養液2〜6Lから,約1〜3mgのTPA誘導体
がそれぞれ得られていることがわかった。
実施例2 インビトロ血栓溶解能の測定 実施例1で得られたTPA誘導体(SD8、SD4およびKS4
8)のプラズマクロット溶解能を,次に示すコレンらの
方法にしたがって測定した[Collen D.ら,Thromb.Haemo
st.52,308(1984)]。
まず,5人のボランティアーより,クエン酸(チトラー
ト ミドリ十字(株)製)を用いてプラズマを調製し,
これらを混合して次に示す測定に用いた。このプラズマ
1mlに,125Iラベル フィブリノーゲン(10MBq/ml)10μ
l,100ユニット/mlのヒトαトロンビン25μl,および0.5M
CaCl250μlを添加し,混合物を速やかにシリコンチ
ューブ(内径4mm,外径8mm)に入れ,37℃で1時間にわた
り凝固させた。生じたクロットの入ったシリコンチュー
ブを1cmの間隔で切断後,チューブからクロットを取り
出して,0.85%食塩水にてよく洗浄した。
このようにして作製したプラズマクロットを2.5mlの
プラズマ中にうかべた後,TPAあるいはTPA誘導体を添加
し,反応を開始した。反応開始後,1時間ごとに50μlの
プラズマをサンプリングし,プラズマクロットから遊離
されてプラズマ中に存在する125Iの放射能をγカウンタ
ーにて測定した。測定は5時間まで行った。プラズマク
ロットが100%溶解したときの放射能を100%として、各
時間での溶解率を求めた。結果を第4図に示す。コント
ロールとしては、天然型TPA発現ベクターpSVePA−1に
よって形質転換されたCHO−K1細胞より得られたリコン
ビナントTPA(特開昭62−14783号公報)を用いた。SD4
は,CHOリコンビナントTPAと同等な溶解能を示した。KS4
8は測定開始2時間まではCHOリコンビナントTPAと同等
な溶解能を示したが,その後活性が低下する傾向があっ
た。図中○印はSD4,●印はSD8,□印はKS48,△印はCHO−
1細胞より得たリコンビナントTPA,および▲印はTPAあ
るいはTPA誘導体を添加しない状態で起こる自然溶解の
結果をそれぞれ示す。
実施例3 血中半減期の測定 精製した各TPA誘導体,またはCHO−K1細胞から得た天
然型組換えTPA(特開昭62−14783号公報,前出)の約30
0μgを,ウサギに耳介静脈から単回投与し,その血中
半減期を測定した。測定は,ELISAを用いた血液中のTPA
抗原量の定量により行い,投与後30分間にわたり,第5
図に示す時間に行った。TPA誘導体KM4,KS48,SD4,KS218
およびSD8の測定結果を,天然型組換えTPAの結果ととも
に第5図に示す。第5図において,○はKM4を,▲印はS
D8を、□印はSD4を,■印はKS218を,△印はKS48を,そ
して●印は天然型組換えTPAの結果を示す。この結果か
ら明らかであるように,いずれのTPA誘導体も,CHO−K1
細胞から得た天然型組換えTPAよりもはるかに改善され
た血中持続性を示した。
(発明の効果) 本発明によれば,このように,新規TPA誘導体,該誘
導体をコードするDNA配列,該DNA配列を有する発現ベク
ター,該ベクターが導入された形質転換体,および該TP
A誘導体の製造方法が提供される。本発明の新規TPA誘導
体は,天然型TPAに比べてはるかに改善された血中持続
性を有し,かつ天然型TPAと同等な血栓溶解能を保持す
るため,心筋梗塞などの血栓症の治療に有効に使用され
る。本発明のTPA誘導体を使用することにより,現在試
みられているTPAによる治療の効果が改善され得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明の発現ベクターの構築に使用されるTP
A発現ベクターpSVeCPA−1の構築を示す概略図; 第2図は,本発明の発現ベクターの構築に使用されるTP
A発現ベクターpSVeSD8の構築を示す概略図; 第3図は,本発明の発現ベクターのひとつであるpSVeKS
48の構築を示す概略図; 第4図は,本発明のTPA誘導体のインビトロ血栓溶解能
の評価結果を示すグラフ;そして 第5図は,本発明のTPA誘導体のウサギ血中持続性を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 7/02 A61K 37/54 (C12N 9/64 C12R 1:91) (72)発明者 松本 圭司 兵庫県西宮市天道町20―16―204 (56)参考文献 J.Biol.Chem.,1990,V ol.265,No.10,p.5540−5545 J.Biol.Chem.,1990,V ol.265,No.21,p.12184− 12191 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 9/64 C12N 15/00 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組織型プラスミノーゲン活性化因子のアミ
    ノ酸配列のN末端から37番目のアスパラギンがセリン
    に、38番目のセリンがバリンに、39番目のグリシンがバ
    リンに、40番目のアルギニンがグルタミン酸に、41番目
    のアラニンがフェニルアラニンに、42番目のグルタミン
    がセリンに、161番目のグリシンがアルギニンに、162番
    目のリジンがアルギニンに、そして165番目のセリンが
    トリプトファンに置換されたアミノ酸配列を有する、組
    織型プラスミノーゲン活性化因子誘導体。
  2. 【請求項2】組織型プラスミノーゲン活性化因子のアミ
    ノ酸配列のN末端から37番目のアスパラギンがセリン
    に、38番目のセリンがバリンに、39番目のグリシンがバ
    リンに、40番目のアルギニンがグルタミン酸に、41番目
    のアラニンがフェニルアラニンに、42番目のグルタミン
    がセリンに、そして115番目のアスパラギンがプロリン
    にそれぞれ置換されたアミノ酸配列を有する、組織型プ
    ラスミノーゲン活性化因子誘導体。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の組織型プラスミ
    ノーゲン活性化因子誘導体をコードするDNA。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のDNAを有する発現ベクタ
    ー。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の発現ベクターを動物培養
    細胞に導入して得られる形質転換体。
  6. 【請求項6】前記動物培養紬胞がCHOである、請求項5
    に記載の形質転換体。
  7. 【請求項7】請求項5に記載の形質転換体を培養して得
    られる、グリコシル化された組織型プラスミノーゲン活
    性化因子誘導体。
  8. 【請求項8】(a)請求項3に記載のDNAを有する発現
    ベクターを構築する工程; (b)該発現ベクターを動物培養細胞に導入して形質転
    換体を得る工程; (c)該形質転換体を培養して組織型プラスミノーゲン
    活性化因子誘導体を生産させる工程;および (d)生産された組織型プラスミノーゲン活性化因子誘
    導体を単離する工程; を包含する、組織型プラスミノーゲン活性化因子誘導体
    の製造方法。
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