JP2518832B2 - 変形された組織プラスミノ−ゲンアクチベ−タ− - Google Patents

変形された組織プラスミノ−ゲンアクチベ−タ−

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JP2518832B2
JP2518832B2 JP62015053A JP1505387A JP2518832B2 JP 2518832 B2 JP2518832 B2 JP 2518832B2 JP 62015053 A JP62015053 A JP 62015053A JP 1505387 A JP1505387 A JP 1505387A JP 2518832 B2 JP2518832 B2 JP 2518832B2
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般にフィブリン溶解因子に関し、さらに
詳しくは、変形された組織プラスミノーゲンアクチベー
ター(活性化因子)に関する。
〔従来の技術〕
血液凝固は、究極的にフィブリンの網状構造すなわち
凝塊を生ずる種々の血液成分の複雑な相互作用から成る
プロセスである。フィブリンの網状構造の分解は、酵素
前駆体プラスミノーゲンのプラスミン、すなわち、フィ
ブリン網状構造を直接分解する作用をするセリンプロテ
アーゼ、への活性化によって達成することができる。プ
ラスミノーゲンのプラスミンへの転化は、組織プラスミ
ノゲンアクチベーター(t−PA)、すなわち、フィブリ
ン特異的セリンプロテアーゼによって触媒することがで
きる。
t−PAはプラスミノーゲンの生理学的脈管活性化因子
であると信じられ、そして通常単一のポリペプチド鎖
(分子量72,000)として循環する。ウロキナーゼ型プラ
スミノーゲンアクチベーター(u−PA)は、セリンプロ
テアーゼとして特徴づけられるプラスミノーゲンアクチ
ベーターの部類の他の構成員である。u−PAはt−PAと
機能的にかつ免疫学的に区別することができる。
フィブリンの存在下に、t−PAはこの分子の中央領域
中の一ケ所の部位での裂開によって活性化される。t−
PAの重鎖(分子量40,000および37,000の2つの型)はt
−PA分子のアミノ末端に由来し、これに対して軽鎖(分
子量33,000)はカルボキシ末端に由来する。
潜在的前駆体t−PAタンパク質の二次元のモデルが確
立された〔Ny等、PNAS 81:5355−5359、1984〕。この
モデルから、重鎖は「クリングル(kringle)」として
知られる2つの三重ジスルフイド構造を含有することが
決定された。これらのクリングル構造は、また、プロト
ロンビン、プラスミノーゲンおよびウロキナーゼ中にも
存在し、そしてフィブリンへの結合のために重要である
と信じられる〔Nyら、同上〕。t−PAの第2クリングル
(K2)は第1クリングル(K1)よりもフィブリンに対し
て高い親和性をもつと信じられる〔Ichinose,Takioおよ
びFujkawa、個人的通信〕。
t−PAの重鎖は、また、フィブロネクチンのフィンガ
ー領域(finger domain)と相同である「フィンガー」
領域を含有する。フィブリノネクチンはフィブリンの結
合を包含する種々の生物学的活動に関係づけられてきて
おり、そしてこのような生物学的活動はフィブリノネク
チンがもつ9つのフィンガー領域のうち4つまたは5つ
に関係づけられた。t−PAの重鎖は、また、生長因子様
領域を含有する。
t−PAの軽鎖はセリンプロテアーゼ活性のための活性
部位を含有し、この活性部位は他のセリプロテアーゼの
活性部位と高度に相同である。
天然t−PAはプレ区域(pre−region)およびそれよ
り下流のプロ区域(pro−region)をさらに含み、これ
らの区域をまともて「プレ−プロ(pre−pro)」区域と
呼ぶ。プレ配列は、血管の内皮細胞によるt−PAの分泌
にとって重要であるシグナルペプチドを含有する〔Ny
ら、同上〕。プレ配列は、細胞外分泌における必須の過
程である、小胞体のルーメン中へのt−PAの分泌の原因
となると信じられる。プロ配列は、小胞体からゴルジ装
置へ移送された後、t−PA分子から切離されると信じら
れる。
t−PAの生物学的活性はフィブリンの存在で実質的に
増大される〔Sherry、ニュー・イングランド・ジャーナ
ル・オブ・メディシン(New Eng.J.Med.)313:1014−10
17、1985〕。特異性に劣るプラスミノゲンアクチベータ
ーであるストレプトキナーゼおよびウロキーゼと異な
り、t−PAは凝塊の部位を除外して比較的わずかのプロ
テアーゼ活性をもつ。プラスミノゲンおよびt−PAはフ
ィブリンの凝塊に最初に結合し、その結果プラスミノゲ
ンのプラスミンへの酸素的分解は立体的に促進されると
理論づけられる。
動物およびヒトにおけるフィブリン溶解のためのt−
PAの使用は、天然分子のいくつかの欠点が際立ってい
る。生体内でのt−PAの半減期はヒトにおいて3分程度
に短いことが示された〔ニルソン(Nilsson)ら、スカ
ンジナビアン・ジャーナル・オブ・ヘモトロジー(Scan
d.J.Haemotol.)33、49−53、1984〕。注射されたt−P
Aは肝臓によって急速に浄化され、そして注射された物
質の大部分は30分以内に低分子量の形態に代謝される。
この短い半減期は、高い投与量および延長された注入を
必要とすることによって、血栓溶解剤としてのt−PAの
有効性を制限することがある。FuchsらBlood 65:539−
544、1985〕は、注入されたt−PAがタンパク質加水分
解部位とは独立のプロセスにおいて肝臓によって開裂さ
れ、そして注入されたt−PAは体の中に蓄積されないで
あろうことを結論した。さらに、冠動脈の血栓を溶解す
るために十分なt−PAの投与量は、正常の生理学的レベ
ルよりも非常に多く、そしてフィブノゲンの全身的分解
を導びく〔Sherry、同上〕。
従って、臨床的応用のため、天然t−PAに比較して、
増大したフィブリン結合能力、増加した生物学的半減期
または増加した溶解度を有するフィブリン溶解剤を使用
することは有利であろう。このような溶解剤はフィブリ
ン溶解において活性な役割を演ずるこのできない構造的
および機能的特徴をもないことが好ましい。例えば、表
皮生長因子(EGF)領域を含有しないフィブリン溶解分
子を生成することが望ましいであろう。なぜなら、EGF
領域はフィブリン溶解活性に不必要であることが発見さ
れたからである。生長因子領域のすべてまたは一部分の
欠失は、その領域の疎水性のため、その分子の溶解度を
増加することもある。溶解度の増加は、より少ない(注
射可能な)量のt−PAの使用を可能とし、そして患者へ
のより速い投与を可能とする。活性化部位はt−PAの生
理学的クリアランスに参加しないので、余分なドメイン
の除去は、また、得られる変形されたt−PA分子の生体
内の半減期を、それを不活性化しないで、増加すること
ができる。また、特異的活性を増加し、これによってよ
り少ない投与量を用いることができる。さらに、t−PA
のフィブリン結合の増大は追加のクリングル構造および
/またはフィンガー領域の付加によって達成することが
できる。さらに、より小さい分子は組換え細胞によって
いっそう容易に分泌されることができる。
天然t−PAは複合モザイクポリペプチドであり、そし
てt−PA遺伝子は前述の構造的および機能的領域をコー
ドする多数のエクソンを含むという事実〔Nyら、同上〕
に照らして、t−PAの特異的フィブリン溶解活性を最適
に発現するDNA配列を構成することが望ましいであろ
う。タンパク質の最適化は、t−PAの所望の構造的およ
び機能的性質をコードするヌクレオチド配列のみをクロ
ーニングし、同時に所望の生物学的活性に寄与しない配
列を排除することによって達成できるであろう。所望の
構造の多数のコピーを、最適化されたタンパク質の中に
組込むこともできる。
明らかなように、t−PAの臨床的効能と投与の容易さ
および最小の望ましくな副作用とを兼ね備えた、フィブ
リン溶解剤がこの分野において要求されている。本発明
は、比較的大量に生産することができる変形された形態
のt−PAを提供することによって、この要求を満足させ
る組換えDNA技術を使用することによって、変変された
(modified)t−PAの絶えず一定した均質な入手源が提
供される。心臓の発作および搏動の罹病において存在す
る凝塊(clot)を溶解するために、そしてフィブリンの
マトリックスを溶解しあるいはその形成を抑制すること
の必要性が治療上望ましい他の場合において、変形され
たt−PAを利用できる。
〔発明の開示〕
簡単に述べると、本発明は、フィブリン結合領域をコ
ードする第1区域と、第1区域より下流に位置する第2
区域とから本質的に成るヌクレオチド配列を含有し、第
2区域が組織プラスミノゲンアクチベーターのセリンプ
ロテアーゼ活性のための触媒領域をコードする、DNA構
成体を開示する。この配列は、t−PAと実質的に同一の
生物学的活性を有するタンパク質の遺伝情報を指定す
る。第1区域および第2区域は、t−PAのゲノムのクロ
ーンまたはcDNAのクローンに由来することができ、ある
いは普通のDNA合成技術によって構成できる。
好ましくは、フィブリン結合領域をコードする第1区
域は、1または2以上のクリングル構造をコードする。
とくに、第1区域はt−PAのK1およびK2クリングル構
造、二重K2構造または単一のK2構造をコードするか、あ
るいは他のタンパク質からのクリングル構造を代わりに
使用できる。フィブリン結合領域をコードする第1区域
は、1または2以上のフィンガー領域をさらにコードす
ることができる。
第2区域は、本質的にt−PAのセリンプロテアーゼ領
域である触媒領域をコードする。とくに好ましい第2区
域は、第1図に従い、アミノ酸番号276から延びかつア
ミノ酸番号527を通して続くt−PAの軽鎖をコードす
る。
さらに、本発明は、t−PAと実質的同一の生物学的活
性を有するタンパク質の発現を命じる(direct)ことの
できる発現ベクターを開示する。これらのベクターは作
用可能にヌクレオチド配列に結合しているプロモーター
を含み、このヌクレオチド配列はフィブリン結合領域を
コードする第1区域と、第1区域より下流に位置する第
2区域とから本質的に成り、第2区域はt−PAのセリン
プロテアーゼ活性のための触媒領域をコードする。この
配列はt−PAと実質的に同一の生物学的活性を有するタ
ンパク質の遺伝情報を指定する。
本発明の第3の面は、t−PAと実質的に同一の生物学
的活性をもつタンパク質を生産するようにトランスフェ
クションあるいは形質転換された細胞を開示する。これ
らの細胞は、フィブリン結合領域をコードする第1区域
と、第1区域より下流に位置する第2区域とから本質的
に成るヌクレオチドに作用可能に結合した、プロモータ
ーを含んでなるDNA構成体を含有し、第2区域はt−PA
のセリンプロテアーゼ活性のための触媒領域をコードす
る。この配列はt−PAと実質的に同一の生物学的活性を
有するタンパク質の遺伝情報を指定する。
細胞は哺乳動物の細胞または微生物であることができ
る。好ましい微生物はバクテリア、とくに大腸菌(E.co
li)、および真核生物の微生物、とくに酵母菌サッカラ
ミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)
および糸状菌類、例えば、アスペルギルス(Aspergillu
s)を包含する。
本発明は、さらに、t−PAと実質的に同一の生物学的
活性を有するタンパク質を生産する方法を提供する。こ
の方法は宿主細胞の中にDNA構成体をそう入する工程を
含んでなり、このDNA構成体はフィブリン結合領域をコ
ードする第1区域と第1区域より下流に位置する第2の
区域とから本質的に成るヌクレオチド配列に作用的に結
合したプロモーターを含有し、第2区域はt−PAのセリ
ンプロテアーゼ活性のための触媒領域をコードする。こ
の配列はt−PAと実質的に同一の生物学的活性を有する
タンパク質の遺伝情報を指定する。第2工程は宿主細胞
を適当な培地中で生長させることを包含し、次の工程は
宿主細胞が生産したDNA構成体によってコードされたタ
ンパク質生産物を単離することを包含する。宿主細胞は
哺乳動物の細胞または微生物であることができる。好ま
しい微生物はバクテリア、とくに大腸菌(E.coli)、お
よび真核動物の微生物、とくに酵母菌サッカラミセス・
セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)および糸状
菌類、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)を包含
する。
さらに本発明の他の面は、アミノ末端フィブリン結合
領域とカルボキシ末端プロテアーゼ領域とから本質的に
成る、t−PAと実質的に同一の生物学的活性をもつタン
パク質を開示する。
本発明の他の面は、以下の詳細な説明および添付図を
参照すると明らかとなるであろう。
〔発明を実施するための最良の方法〕
本発明を説明する前に、ここで使用する幾つかの用語
の定義を記載することは、本発明の理解の助けになるで
あろう。
相補的DNAすなわちcDNA:mRNA鋳型中に存在する配列から
合成されたDNAの分子または配列。
DNA構成体(construct):自然に存在する遺伝子から部
分的な形態で単離することができ、あるいは自然にはそ
うでなければ存在しない方法で結合および並置されたDN
Aのセグメントを含有するように変更された、一本鎖ま
たは二本鎖のDNA分子、またはこのような分子のクロー
ン。
プラスミドまたはベクター:宿主細胞中にそう入された
とき、その複製を提供する遺伝子情報を含有するDNA構
成体。複製は自律的であるか、あるいは宿主ゲノム中へ
の組込みであることができる。プラスミドは、一般に、
宿主細胞中で発現すべき少なくとも1つの遺伝子配列、
ならびにこのような遺伝子の発現を促進する機能をコー
ドする配列、例えば、プロモーターおよび転写の開始部
位およびターミネーターを含有する。それは線状または
閉じた環状の分子であることができる。
プレ−プロ区域(pre−pro region):ある種のタンパ
ク質の前駆体のアミノ末端に存在し、そして一般に分泌
の間に、少なくとも一部分、タンパク質から裂開される
アミノ酸配列。プレ−プロ区域は、一部分、タンパク質
を細胞の分泌通路の中に向ける配列を含む。
領域(domain):タンパク質分子の特定の生物学的活性
のために必要な構成要素を含有する、タンパク質分子の
特定のアミノ酸の三次元的自己集成列。
フィブリン結合領域:タンパク質をフィブリンへ結合す
るために必要なそのタンパク質の部分。天然t−PAにお
いて、クリングル構造およびフィンガー領域はフィブリ
ン結合に寄与する。本発明によれば、EGF領域はt−PA
または変形されたt−PAのフィブリン結合に有意に寄与
しないことが発見された。
生物学的活性:ある分子が生物学的関係において(すな
わち、生物体、細胞、または生体外の複製物中におい
て)なす機能または機能の組。タンパク質の生物学的活
性は、触媒活動とエフェクター活動とに分けることがで
きる。フィブリン溶解因子の触媒活性は、前駆体の特異
的裂開(specificcleavage)による他のタンパク質の活
性化をしばしば含む。対照的に、エフェクター活性は生
物学的に活性な分子を他の分子、例えば、フィブリン、
または細胞に特異的に結合することを含む。エフェクタ
ー活性は、しばしば、生理学的条件下での触媒活性を増
強し、あるいはそれに必須である。触媒活性およびエフ
ェクター活性は、ある場合において、タンパク質の同一
領域に存在する。天然のt−PAについて、生物学的活性
は、フィブリン、プロ酵素または酵素前駆体の存在下
に、プラスミンに転化することによって特徴づけられ、
そしてプラスミンはフィブリンマトリックスを分解す
る。フィブリンはプラスミノゲンの活性化においてコフ
ァクターとして作用するので、天然のt−PAはフィブリ
ンの不存下ではほとんど活性をもたない。ここで使用す
るとき、「t−PAと実質的に同一の生物学的活性」とい
う用語は、フィブリン、プロ酵素または酵素前駆体の存
在下に、プラスミノゲンをプラミンに転化することを包
含する。
前述のように、t−PAはフィブリン凝塊の分解(degr
adation)において主要な役割を演ずることが知られて
いる。天然t−PAはt−PAのフィブリン溶解活性に不必
要であることがわかった区域をその分子内に有するモザ
イクタンパク質であるので、フィブリン結合活性および
セリンプロテアーゼ活性が保持されているが、EGF領域
のすべてまたは一部分および他の非フィブリン溶解領域
がこのような変形t−PAから排除された、変変t−PAを
提供することが望ましい。さらに、増強されたフィブリ
ン結合活性または増延長され生体内半減期を有する変更
t−PAを生産することが望ましいであろう。
本発明によれば、出発物質としてcDNAクローンまたは
ゲノムのクローンを使用して、組換え技術を用いること
によって、これらの新規なタンパク質を生産することが
好ましい。適当なDNA配列は、また、標準的手順に従っ
て合成できる。cDNAクローンを使用することが好まし
い。なぜなら、変形t−PAを生産するための出発物質と
して、天然t−PAをコードする完全長のcDNAを使用する
ことによって、イントロンが除去され、こうして天然t
−PAのすべてのエクソンが存在しかつ互いに関して正し
く配向されているからである。完全長のcDNAは、また、
t−PAのcDNAを5′末端から「チューイングバック(ch
ewing back)」し、こうして宿主細胞の中に究極的にそ
う入できる多数のcDNA断片を得ることによって、変形分
子を容易に発生させるという利点を提供する。あるい
は、cDNAはオリゴヌクレオチド指令(directed)突然変
異誘発を経る配列の欠失またはそう入のための鋳型とし
て使用できる。
t−PAのcDNAの利用は、追加のクリングル構造および
フィンガー領域のそう入によって、天然のt−PAのフィ
ブリン結合領域の便利な増強を可能とする。この方法
は、天然t−PAまたは他のタンパク質中に見出される機
能的領域の最適な組合せを選択して、フィブリン結合お
よびセリンプロテアーゼ活性に関して増強された生物活
性をもつフィブリン溶解剤を得る手段を提供する。
したがって、本発明は、t−PAと実質的に同一の生物
学的活性を有する新規なタンパク質を生産する方法を提
供する。ここに記載する新規なタンパク質は、天然のt
−PAよりも5倍〜10倍大きい生体内半減期を有すること
が示された。これらの新規なタンパク質は、トランスフ
ェクションした哺乳動物細胞、および形質転換された菌
類およびバクテリア中において発現される。
成熟ヒトt−PAをコードする配列を含有するcDNAクロ
ーンは、すでに同定されている。t−PAのcDNA配列はプ
ラスミドpDR1296中にそう入され、そしてこのプラスミ
ドは大腸菌(E.coli)JM83中に導入された。この形質転
換体は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクショ
ン(American Type Culture Collection,Bethesda,MD)
に受託され、そして受託No.53347を受けた。
菌株pDR1296/JM83をt−PAのcDNA源として使用した。
プラスミドpDR1296を単離し、そしてt−PAのcDNAを制
限エンドヌクレアーゼ消化によって切り取った。t−PA
制限断片を次いでBal 31とともにインキュベーション
し、そして酵素の反応時間を調節して、大きさの不均一
性を示す一連のt−PAヌクレオチド配列を生産した。こ
の大きさの不均一性は、t−PAのcDNAの5′末端の漸進
的短縮から生ずる。
Bal 31消化した断片をゲル電気泳動によって分離し、
そして所望の大きさの範囲の断片を選択した。断片を常
用の技術に従いゲルから溶離した。
第2のアプローチにおいて、pDR1296からのcDNA配列
の部分をオリゴヌクレオチド指令欠失突然変異誘発のた
めの鋳型として使用した。この方法により、天然t−PA
の特定の領域をコードする配列を正確に欠失または変更
した。
第3のアプローチにおいて、変形t−PA配列の5′コ
ード区域を、合成オリゴヌクレチオドから構成し、そし
てcDNAの3′区域に連結した。
次いで、変形t−PA断片を適当なプレ−プロ配列に連
結した。t−PAのプレ−プロ配列は、cDNAまたはゲノム
のライブラリーから単離することができ、あるいは合成
したオリゴヌクレオチドから構成することができる。オ
リゴヌクレオチドは好ましくは機械合成し、精製し、そ
してアニーリングして二本鎖断片を構成する。得られた
二本鎖断を、必要に応じて、結合してプレ−プロ配列を
生成する。このプレ−プロ配列は、第1図に描かれてい
るように、105bp配列からなる。次いで、合成したプレ
−プロ配列を変形t−PA断片の5′末端に接合した。選
択した宿主細胞のタイプに依存して他のプレ−プロ配列
を使用できる。ある場合において、宿主種に対して内因
性のプレ−プロ配列を使用することが望ましいであろ
う。
プレ−プロ−t−PA断片を適当な発現ベクター中にそ
う入し、次いでこれを適当な宿主細胞中にそう入する。
そう入の方法は選択した特定の宿主細胞に依存するであ
ろう。異種DNAで哺乳動物の細胞をトランスフェクショ
ンする方法およびバクテリアおよび菌類を形質転換する
方法は、この分野においてよく知られている。適当な発
現ベクターは、宿主細胞中の異種遺伝子の転写を命令で
きるプロモータを含むであろう。
ある場合において、発現ベクターは、さらに、複製起
点ならびに、選択した宿主細胞に依存して、発現のレベ
ルを調節しそて/または増強する配列を含むことが好ま
しい。適当な発現ベクターはプラスミド、RNAおよびDNA
ウイルスまたは細胞のDNA配列から誘導することがで
き、あるいは各々の要素を含有することができる。
本発明の実施において使用するために好ましい原核細
胞は大腸菌(Escherichia coli)の菌株であるが、バシ
ルス(Bacillus)および他の属も有用である。これらの
宿主を形質転換しそしてそれらの中でクローン化された
異種DNA配列を発現する技術はこの分野においてよく知
られている〔例えば、Maniatisら、Molecular Cloning:
A Laboratory Manual、コールド・スプリング・ハーバ
ー・ラボラトリー、1982参照〕。バクテリア宿主中の異
質DNAの発現に使用されるベクターは、一般に、選択可
能な遺伝標識、例えば、抗生物質耐性のための遺伝子、
および宿主細胞中で機能するプロモーターを含有するで
あろう。適当なプロモーターは、次のものを包含する:t
rp〔NicholsおよびYanofsky,Meth.in Enzymology 101:
155、1983〕、lac〔Casadabanら、J.Bact.,143:971−98
0、1980〕、TAC〔Russel)ら、Gene 20:231−243、198
3〕、およびファージプロモーター系。バクテリアの形
質転換に有用なプラスミドは、次のものを包含する。:p
BR322〔Bolivarら、Gene)、95−113、1977〕、pUCプ
ラスミド〔Messing,Meth.in Enzynology,101.20−77、1
983、およびVieiraおよびMessing,Gene,19:259−268、1
982〕、pCQV2〔Queen,J.Mol.Appl.Genet.,:1−10、19
83〕、およびそれらの誘導体。
真核生物の微生物、例えば、酵母菌Saccharomyces ce
revisiae、または線状菌類、例えば、アスペルギルス
(Aspergillus)もまた、宿主細胞として使用できる。
アスペルギルス(Aspergillus)のとくに好ましい種
は、A.ニドランス(A.nidulans)、A.ニガー(A.nige
r)、A.オリゼー(A.oryzae)、およびA.テレウス(A.t
erreus)を包含する。酵母菌を形質転換するための技術
はBeggsによって記載された〔Nature,275:104−108、19
78〕。酵母菌中で使用するための発現ベクターは、次の
ものを包含する:YRp7〔Serenlら、Proc.Natl.Acad.Sc
i)USA,76:1035−1039、1979〕、YEp13〔Broachら、Gen
e,:121−133、1979〕、pJDB248 pJDB219〔Beggs、同
上〕、およびそれらの誘導体。このようなベクターは、
一般に、選択可能な遺伝標識、例えば、栄養遺伝標識TR
Pを含み、これによりtrpl突然変異を有する宿主での選
択が可能となる。酵母菌の発現ベクター中の使用に好ま
しいプロモーターは、次のものを包含する:酵母菌解糖
系遺伝子のためのプロモーター〔Hitzemanら、J.Biol.C
him.,255:12073−12080、1980;AlberおよびKawasaki,J.
Mol.Appl.Genet.,:419−434、1982〕、またはアルコ
ールデヒドロゲナーゼ遺伝子〔Youngら、Genetic Engin
eering of Microorganisms for Chemicals、Hollaender
ら編、335ページ、プレナム(Plenum)、ニューヨー
ク、1982;およびAmmerer,Meth.in Enzymology,101:192
−201、1983〕。酵素菌形質転換体中で生産された変形
t−PAタンパク質の精製を促進しかつ適切なジスルフィ
ド結合の形成を得るために、t−PAプレ−プロ配列の代
りに分泌されるタンパク質をコードする酵母菌遺伝子か
らのシグナル配列を使用することができる。とくに好ま
しいシグナル配列は、MF1遺伝子のプレ−プロ区域であ
る〔KurjanおよびHerskowitz,Cell,30:933−943、198
2〕。アスペルギルス(Aspergillus)の種は既知の方
法、例えば、Yeltonらの方法〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA
81:1740−1747、1984〕に従って形質転換することが
できる。
より高等な真核動物の細胞は、本発明の実施において
宿主細胞として機能することができる。培養した哺乳動
物の細胞、例えば、BHA,CHO、およびJ55 8Lの細胞系が
好ましい。tk−BHK細胞はとくに好ましい。哺乳動物の
細胞中に使用するための発現ベクターは、哺乳動物中に
導入された異質遺伝子の転写を指令できるプロモーター
を含むであろう。とくに好ましいプロモーターはSV40
〔Subramaniら、Mol.Cell.Biol.,:854−64、1981〕お
よびMT−1プロモーター〔Palmiterら、Science,222:80
9−814、1983〕を包含する。また、発現ベクター中に転
写ターミネーターが含有され、このターミネーターは発
現すべきDNA配列のためのそう入部位より下流に位置す
る。好ましいターミネイターはヒト生長ホルモン(hG
H)遺伝子ターミネーターである〔DeNoteら、Nuc.Acids
Res.,:3719−3730、1981〕。
培養した哺乳動物の細胞中の突然変異体t−PAの発現
のため、クローン化t−PAを含有する発現ベクターは、
適当なトランスフェクション技術、例えば、リン酸カル
シウム媒介トランスフェクション〔Wiglerら、Proc.Nat
l.Acad.Sci.,USA 77:3567−3570、1978によって改変さ
れた、GrahamおよびVan der Eb,Virology 52:456−46
7、1973〕の方法によって細胞の中に導入される。DNA−
リン酸カルシウム沈殿物を形成し、そしてこの沈殿物を
クロロキン(100μm)を含有する媒質の存在下に細胞
に適用する。細胞を沈殿物とともに4時間インキュベー
ションし、次いで2分間15%のグリセロールショックを
与える。ある比率の細胞はDNAを取り込み、そしてそれ
を細胞内に数日間維持する。小比率の細胞は宿主のゲノ
ムの中にDNAを組込むか、あるいは非染色体核構造体中
にDNAを維持する。これらのトランスフェクタント(tra
nsfectant)は選択可能な表現型(選択可能な遺伝標
識)を与える遺伝子との同時トランスフェクション(co
transfection)によって同定される。好ましい選択可能
な遺伝標識はDHFR遺伝子であり、この遺伝子はヌクレオ
チド合成の阻害剤であるメトトレキセイト(MTX)に対
する耐性を細胞に付与する。宿主細胞がDNAを吸収した
後、薬物選択を適用して、適当な方法で選択可能な遺伝
標識を発現している細胞の個体群を選択する。
MTXを培地に添加し、好ましくは培地中のMTXの濃度を
順次に増加し、次いで薬物耐性の細胞系を希釈によって
クローニングすることを反復することにより、発現レベ
ルを増加する1つの手段として、同時増幅(coamplific
ation)を達成することができる。増幅能力の変動は、
同時トランスフェクションしたDNA配列の初期のゲノム
配置(すなわち、染色体外対染色体)ならびに種々の量
のDNAの転位が起こりうる、増幅自体の機構の両者に関
係する。これは、頻繁かつ安定な同時増幅を行うことが
できることが前に示されたクローンのそれ以上の増幅に
おいて認められる。この理由のため、各増幅工程後に希
釈によってクローン化することが必要である。次いで、
DHFR遺伝標識を発現する細胞を選択し、そしてt−PAの
生産についてスクリーニングする。スクリーニングは、
酵結合免疫収着アッセイ(ELISA)または生物学的活性
のアッセイによって実施できる。
さらに、ある条件下に、t−PAの生産は培養中の哺乳
動物の細胞に悪影響を及ぼすことが発見された。これは
一部分プラスミン(非特異的プロテアーゼ)のためであ
ると信じられ、このプラスミンはt−PAを生産するよう
にトランスフェクションされた細胞を血清の一成分であ
るプラスミノゲンを含有する培地中で培養するとき発生
する。トランスフェクションされた細胞によって生産さ
れるt−PAはプラスミノゲンを活性化してプラスミンに
し、このプラスミンは細胞膜を攻撃し、そして細胞の剥
離に寄与する。他のタンパク質加水分解活性も関与する
と信じられる。培地中にプロテアーゼ阻害剤を含める
と、プラスミノゲンの活性化がブロッキングされ、そし
てt−PAの生産を促進する。とくに好ましいプロテアー
ゼ阻害剤はアプロチニンであり、これは培地中にほぼ10
0単位/ml〜50,000単位/mlの濃度で、好ましくはプラス
ミノゲン不含血清を含有する培地中に100単位の濃度
で、あるいは正常の胎児子牛血清を用いる場合、ほぼ10
00単位/ml〜50,000単位/ml、好ましく1000単位/mlの濃
度で含められる。
そのように生産されたt−PAは、培地をを取り出し、
そしてそれを分画することによって培養細胞から回収さ
れる。好ましい分別法は、抗t−PA抗体、フィブリン−
セライト(celite)カラムまたはリジン−セファロース
カラムを用いるアフイニティークロマトグラフィーであ
る。また、他の普通の精製法、例えば、イオン交換クロ
マトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィーまたは
ゲル濾過を用いることができる。
要約すると、本発明は、変形t−PAタンパク質を提供
し、そして安定にトランスフェクションされたあるいは
形質転換された宿主細胞を使用することによって、天然
t−PAと実施的に同一の生物学的活性を有する変形t−
PAタンパク質を生産する方法を提供する。次いで、こう
して発現されたタンパク質生産物を細胞または細胞増殖
培地から精製し、そして生物学的活性についてアッセイ
する。このアッセイは、プラスミノゲンのプラスミンへ
の転化、フィブリン結合親和性または血漿半減期特性を
監視できる。免疫学的アッセイもまた使用できる。
以下の実施例を要約すると、実施例1はボウウェス
(Bowes)黒色腫の細胞系からのmRNAからつくったt−P
AのcDNAクローンを開示する。このcDNAを使用してプラ
スミドpDR1296を構成し、そしてこのプラスミドを使用
してE.coli菌株JM83を形質転換した。次いで、pDR1296
のt−PA配列を、オリゴヌクレオチドから構成した合成
プレ−プロ配列に連結した。MT−1プロモーターおよび
ヒト生長ホルモンのターミネーターを加え、そして第2
図に示すベクターZme99を構成した。
実施例2は、正常肝臓組織から誘導されたDNAライブ
ラリーから得られた、ヒトゲノムt−PAのクローニング
および配列決定を開示する。
実施例3は、全長のpDR1296t−PAクローンを使用し
て、ランダム5′末端欠失を有するt−PA配列の調製を
開示する。TACプロモーターおよびt−PAプレ−プロ配
列を、不規則に欠失したt−PAのcDNA配列に結合した。
pDR817構成体は、完全長のt−PAクローンを用いて得ら
れたものよりも10〜30倍大きいt−PAフィブリン溶解活
性の生成を指令した。培養した哺乳動物中の端を切った
(truncated)配列の発現も開示した。
実施例4および5は、t−PAのフィンガー領域および
生長因子領域のためのコード配列をループアウト(loop
ing out)する方法を記載する。
実施例6および7は、フィンガー領域、生長因子領域
およびクリングル1構造のためのコード配列をループア
ウトして、変形t−PAを生産する方法を開示する。
実施例8は、合成オリゴヌクレオチドを使用する突然
変異体t−PA配列の構成を開示する。
実施例9は、欠失突然変異誘発によって構成される、
生長因子領域コード配列を欠失した突然変異体配列を開
示する。
実施例10は、バクテリア発現ベクターpDR816(実施例
3に記載する)を使用して、形質転換されたE.coli JM1
05中で変異体t−PAを発現する方法を記載する。
実施例11は、子供ハムスター腎(BHK)細胞を変異体
t−PA配列を含んでなる発現ベクターでトランスフェク
ションすることによって、哺乳動物中で変異体t−PAを
発現する方法を教示する。
実施例12は、変異体t−PAヌクレオチド配列を含んで
なるベクターで形質転換された、S.cerevisiae細胞中で
突然変異体t−PAを発現することを記載する。
次の実施例により、本発明をさらに説明する。
〔実施例〕
実施例1 完全長t−PAクローンの構成 ヒトt−PAcDNAクローンの配列は報告されている〔Pe
nnicaら、Nature,301:214−221、1983〕。この配列は、
32−35アミノ酸のプレプロペプチドおよび引続く527−5
30アミノ酸の成熟タンパク質をコードする。
変異体t−PAのためのコード配列を含んでなるcDNAク
ローンは、(Bowes)黒色腫細胞系からのmRNAを出発物
質として使用して構成された〔RijkenおよびCollen,J.B
iol.Chem.,256:7035−7041、1981〕。次いで、このcDNA
を使用してプラスミドpDR1296を構成した。pDR1296で形
質転換したエシェリシャ・コリ(Esherichiacoli)菌株
は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
(American Type Culture Collection)に受託No.53347
で受託された。
プレ−プロ配列はcDNAクローンpDR1296中に存在しな
いので、それは合成オリゴヌクレオチドから構成し、引
続いてcDNAに連結した。合成t−PAプレ−プロ配列にお
いて、BamH IおよびNco Iの裂開部位はプレ−プロ配列
の第1コドン(ATG)に対して5′のすぐ近くに導入
し、そしてBgl II(Sau3A,Xho II)部位はプレ−プロ配
列の3′末端に維持された。天然プレ−プロ配列は中央
付近に便利な制限部位を欠く。しかし、配列GGAGCA(ア
ミノ酸−20および−19Gly−Alaの遺伝情報を指定する)
をGGCGCCに変更して、アミノ酸配列を変化させないで、
Nar I部位を得ることができる。
プレ−プロ配列を構成するために、アプライド・バイ
オシステム(Applied Biosystem)380−A型DNA合成装
置を使用して、次のオリゴヌクレオチドを合成した: 精製後、オリゴマーZC131およびZC132をアニーリング
して12塩基対のオーバラップを生成した(切片1)。オ
リゴマーZC133およびZC134を同様にアニーリングした
(切片2)。
オリゴマーをPol I緩衝液〔ベセスダ・リサーチ・ラ
ブス(Bethesda Research Labs)〕中で混合し、65℃に
5分間加熱し、そして室温にゆっくり4時間冷却してア
ニーリングした。10単位のDNAポリメラーゼを加え、そ
して反応を室温において2時間進行させた。この混合物
を8%のポリアクリルアミド−尿素の配列決定ゲル上で
1,000ボルトで2.5時間電気泳動させて、反応生成物を大
きさで分別した。正しい大きさの断片(ポリメラーゼの
反応が完結したもの)をゲルから切断し、そして抽出し
た。
アニーリング後、切片1をBamH IおよびNar Iで切断
し、BamH I+Nar I−切断pUC8中にクローン化した〔Vie
iraおよびMessing,Gene,19:259−268、1982;およびMess
ing),Meth.in Enzymology,101:20−77、1983〕。切片
2を再アニーリングし、そしてNar IおよびBgl IIで切
断し、そしてBam II+Nar(Sau3A,Xho I−切断pUC8)中
にクローン化した。コロニーを適当な標識オリゴヌクレ
オチドでスクリーニングした。コロニーとのハイブリダ
イゼーションによって陽性と同定されたプラスミドを配
列決定して、正しい配列がクローン化されたこと確かめ
た。
次いで、切片Iを適当なpUCクローンのBamH I+Nar I
二重消化物から精製した。2つの断片をNar I部位で連
結し、そしてBamH I−切断pUC8中にクローン化した。
次いで、pDR1296のt−PA配列を、次の方法で、合成
プレ−プロ配列に連結した(第2図)。プラスミドpIC1
9R〔Marshら、Gene,32:481−486、1984〕をSma Iおよび
Hind IIIで消化した。次いで、地図位置270(Pvu II)
から位置5171(Hind III)までのSV40のori区域を直線
化されたpIC19Rに結合してプラスミドZem67を生成し
た。このプラスミドをBgl IIで次に裂開し、そしてヒト
生長ホルモンの遺伝子からのターミネーター区域〔De N
otoら、Nuc.Acids Re5.,:3719−3730、1981〕をBgl I
I−BamH I断片としてそう入して、プラスミドZem86を生
成した。合成t−PAプレ−プロ配列をSau3Aで消化してp
UC8ベクターから取り出した。この断片をBgl II消化し
たZem86中にそう入して、プラスミド88を生成した。プ
ラスミドpDR1296をBgl IIおよびBam IIで消化し、t−P
AcDNA断片を単離し、そしてBgl II−切断Zem88中にそう
入した。得られたプラスミドをZem94と表示した。
次いで、MI−1プロモーター、完全t−PAコード配
列、およびhGHターミネーターを含んでなるベクターZem
99を、次の方法で組立てた(第2図)。MT−1プロモー
ターを包むKpn I−BamH I断片をMThGH111〔Polmiter
ら、Science,222:809−814、1983〕から単離し、そして
pUC18中にそう入してZem93を構成した。プラスミドMThG
H112〔Palmiterら、同上〕をBgl IIで消化し、そして再
連結してhGHコード配列を排除した。次いで、MT−1プ
ロモーターおよびhGHターミネーターをEcoR I断片とし
て単離し、そしてpUC13中にそう入してZem4を構成し
た。次いで、Zem93をBamH Iおよびsal Iで消化して直線
化した。Zem4をBgl IIおよびSal Iで消化し、そしてhGH
ターミネーターを精製した。t−PAプロ−プロ配列を、
BamH I−Xho断片としてpUC8ベクターから取り出した。
次いで3つのDNA断片を連結し、そしてZem97の構造を有
するプラスミド(第2図)を選択した。Zem97をBgl II
で切断し、そしてZem94からのXho II t−PA断片をそう
入した。得られたベクターはZem99である。
実施例2 ヒトゲノムt−PAクローンのクローニングおよび配列決
定 ゲノムt−PAクローンを、正常の肝組織から誘導され
たDNAライブラリーから得た。このライブラリーは胎児
ヒト肝臓DNA断片をハグテリオファージ・ラムダ中にそ
う入することによって構成した〔Lawnら、Cell,15:1157
−1174、1978〕。
このライブラリーを使用してE.コリ(E.coli)菌株LE
392(ATCC 33572)を感染させた〔Maniatisら、Molecul
ar cloning:A Laboratory Manual),コールド・スプリ
ング・ハーバー・ラボラトリー、1982、504ページ〕。
0.2%のマルトース、10mMのMgSO4、および50μg/mlのチ
ミジンを含有するLブイヨン中で細胞を一夜培養して、
10mMのMgSO4中で2倍に濃縮した。750μのこの濃縮物
を、1μのファージライブラリー(200,000ファージ
/μ)と一緒に、25cm×22cmの平板を使用するNZYア
ミン軟質寒天の上層中のLブイヨン寒天上で平板培養し
た。37℃で一夜のインキュベーション後、ほぼ105/平板
のコロニーが得られた。コロニーをニトロセルロースに
移し、そしてリフト(lift)を0.1MのNaOH、1.5MのNaCl
で処理し、空気乾燥し、そして80℃で2時間ベーキング
した。SET緩衝液(SETは1につき175.2gのNaCl、72.7
gのトリス、14.8gのEDTAを含有する、HClでpH8.0)中で
65℃において、プレハイブリダイゼーションおよびハイ
ブリダイゼーション(全長の、ニック翻訳したt−PAcD
NAプローブ)を実施した。フィルターを2×SSC、0.1%
のSDS中で洗浄し、乾燥し、そしてオートラジオグラフ
にかけた。13の予備的陽性のものが同定された。プラー
ク精製の2つのラウンド(上のようにスクリーニングし
た)は、13の群から9つの陽性物を同定した。9つの陽
性のゲノムのクローンをE.コリ(E.coli)LE392上で平
板培養し、一夜増殖させ、そしてリゼイトを調製した。
ファージをCsCl勾配で精製し、そして表1に示すオリゴ
ヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによってマッ
ピングを実施した。
フローブZC94、ZC96およびZC98はシグナルペプチドの
コード区域にハイブリダイズするであろう。残りのプロ
ーブは成熟ペプチドコード区域へハイブリダイズする。
9つの陽性単離物は3つの明確なクラスに入ることがわ
かり、これらは一緒になって全t−PAコード区域にわた
る。インサートの大きをEcoR Iの消化によって決定し
た。
各クラスについて、最大のインサートをもつクローン
をEcoR I,Bgl II、およびEcoR I+Bgl IIで消化し、そ
して代表的オリゴヌクレオチドプローブを使用してサザ
ンブロット〔Southern,J.Mol.Biol.98:503−517、197
5〕でプロービングした。クローン番号9は成熟t−PA
のための全コード配列を含有したが、プレ−プロ区域を
含有しないことがわかった。クローン番号9からのイン
サートのEcoR I断片およびBgl II−EcoR I断片を、配列
決定およびそれ以上の分析のために、M13およびpUC13の
中にそう入した。断片はジデオキシ法によって配列決定
した〔Sangerら、J.Mol.Biol.,143:161−1983、およびS
angerら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 74:5463、197
7〕。
実施例3 ランダム5′末端の欠失を有するt−PA配列の調製 A.5′コード配列の欠失 10μgのpDR1296を5単位のBgl IIまたは5単位のNar
Iで完全に消化した。得られた直線化DNAを0.7%のアガ
ロースゲル上で電気泳動させた。DNA断片をTE緩衝液(1
0mMのトリス、pH7.4、5mMのEDTA)で溶離した。DNA断片
を46μのH2Oおよび12μの5×Bal31緩衝液(3MのNa
Cl、62.5mMのCaCl2、100mMのトリス−HCl、pH8.0、50mM
のEDTA、pH8.0)+2μのBal31(0.5単位/、ベセ
スダ、リサーチ・ラボラトリーズから入手した)中に再
懸濁させた。反応混合物を30℃でインキュベーション
し、そして10μのアリコートを1分間隔で6分間にわ
たり取出した。消化した試料を一緒にし、フェノール−
CHCl3で抽出し、そしてエタノールで沈殿させた。断片
の末端をDNAポリメラーゼI(クレノー断片)およびdNT
Pでフィルインした。このフィルイン(fll−in)反応
後、試料をXba lで消化し、そして0.7%のアガロースゲ
ル上で分離した。1700bpより小さい断片を切出し、そし
てTE緩衝液で抽出した。引続くマッピングは55の末端が
切られた配列を同定した。
B.pDR817発現ベクターの調製 第3図を参照して、28bpのtrpAターミネーター(P−
Lバイオケミカルスから入手した)を、Sat Iで切断し
かつT4DNA断片によりフィルインしたpUC18中にそう入し
て、プラスミドpDR813を形成した。28bpのターミネータ
ー断片を同様にpIC19RのフィルインされたCla I部位に
そう入して、プラスミドpDR812を構成した。TACプロモ
ーターおよびlacオペレーター(lacO)を含有するプラ
スミドpDR540〔Russelら、Gene,20:231−243、1982〕
を、Hin IIIで切断し、クレノー断片で充填し、そしてB
amH Iで消化した。得られる92bpの断片は、TACプロモー
ターおよびlacOを含み、BamH I+Sama I cut pDR813中
に結合してpDR814を形成した。次いで、プラスミドpDR8
14をEcoR IおよびHind IIIで消化し、そしてtrpAターミ
ネーター、TACプロモーターおよびlacOを含むこの断片
を単離し、Hind IIIで完全に消化しかつEcoR Iで部分的
に消化したpDR812中に連結した。得られたプラスミドを
pDR815と表示した。
プラスミドZem99(実施例1参照)をDam IIIおよびXb
a Iで消化し、そしてt−PAcDNAを含むこの断片(プレ
−プロ配列を含む)を単離した。プラスミドpDR815をBa
mH IおよびXba Iで切断し、そしてt−PA断片を結合し
てプラスミドpDR816を構成した。
10μgのpDR816を5単位のBgl IIで完全に消化し、そ
してDNAポリメラーゼI(クレノー断片)を使用して末
端をフィルインした。次いでこのDNAを5単位のXba Iで
完全に消化し、フェノール−CHCl3で抽出し、エタノー
ルで沈殿し、そして0.7%のアガロースヂルで電気泳動
させた。3050bpの断片(pIC19R、TACプロモーターおよ
びt−PAプレ−プロ配列を含む)をゲルから溶離した。
この3050bpの断片および不規則に欠失したt−PAcDNA
配列を、16℃で一夜連結した。結合混合物を使用して、
コンピテントE.コリ(E.coli)JM83細胞を形質転換し
た。形質転換した細胞をアンピシリン平板上で平板培養
し、そして耐性コロニーを選択し、そして新しいアンピ
シリン含有平板に移し、これらの操作を3回実施した。
平板を37℃で一夜インキュベーションし、そしてコロニ
ーをニトロセルロースフィルターに移した。フィルター
でアンピシリン平板上に配置し、37℃で4時間インキュ
ベーションし、次いでCHCl3蒸気で10分間処理した。フ
ィルターを10分間空気乾燥し、フィブリン平板上に直線
配置し、そして37℃で一夜インキュベーションした。フ
ィルターを平板から持上げ、そしてフィブリンの溶解を
起こすことができるコロニーをさらに分析するため採取
した。フィルターの反復実験の組をコロニーの免疫ブロ
ットアッセイのために同様に処理した。t−PA様ポリペ
プチドを生産できるコロニーを同定した。
pDR817と表示する1つのプラスミドを詳しく特性づけ
た。このプラスミドをBamH IおよびXba Iで消化し、そ
して1270bpのt−PA断片をゲル精製し、そしてM13mp18
(複製形)中にサブクローニングした。インサートDNA
配列をジデオキシ法によって決定した。結果は、pDR817
がヌクレオチド192−524〔番号はPennica,同上、に基づ
く〕を欠いていることを示した。こうして、それは第4A
図に示すようなアミノ末端をもつ416アミノ酸から成る
成熟タンパク質をコードする。天然t−PAのアミノ酸2
−112は欠失された。
E.コリ(E.coli)菌株JM105をpDR816およびpDR817で
形質転換した。非形質転換細胞および形質転換体を、0.
4%のグルコースおよび0.2%のカザアミノ酸を補充した
M9培地中で1夜増殖させた。10mlのアリコートを各培地
から取り、そして細胞を収得した。誘導物質IPTG(イソ
プロピルチオガラクトシド)を、培養物の残部に1mMの
最終濃度に加えた。120分および240分間誘導後、10mlの
アリコートを取り、そして細胞を収穫した。細胞の沈殿
物を水で1回洗浄し、そして100mMのトリス、pH8.0、中
の20%のスクロースの450μ中に再懸濁させた。50mM
のEDTA中の5mg/mlのリソチームの50μの添加によっ
て、細胞を溶解した。混合物を室温で10分間インキュベ
ーションし、500μの細胞溶解緩衝液(0.3%のトリト
ンX−100、150ミリモルのトリス、pH8.0、0.2モルのED
TA)を加え、そしてこの混合物を氷上に30分間置いた。
リゼイトをベックマン(Beckman)SW50ローター中で35,
000rpmで1時間遠心した。上澄みを取出し、そしてフィ
ブリン溶解法によってアッセイした。結果(第2表)が
示すように、pDR817構成体は全長のt−PAクローンを使
用して得られたものよりも10〜30倍高いt−PA活性の生
成を指令した。
形質転換した細胞および形質転換しない対照のアリコ
ートを、ウェスターンブロットアッセイによりタンパク
質の生産ついて分析した。DNA配列の分析によると、pDR
817t−PAポリペプチドはpDR816により生産されたポリペ
プチドよりもほぼ100アミノ酸だけ短いことが示された
(第4A図)。pDR817で形質転換したE.coli JM105は、ア
メリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(Americ
an Type Culture Collection)に受託No.53446で受託さ
れた。
C.哺乳類の細胞におけるt−PA欠失変異体の発現 発現ベクターは以下の方法で構成した。プラスミドZe
m86(実施例1に記載)をHind IIIを用いて分解して、
両端をDNAポリメラーゼI(Klenowフラグメント)を用
いてフィルインした。次に、線形化したDNAをEcoR Iを
用いて分解し、SV40複製開始点配列を有する約450個の
塩基対断片をゲル精製し、Sma I+EcoR Iで分解したpUC
13に連結した。生成するベクターをpDR3001と命名し
た。プラスミドpDR3001をSal IとEcoR Iで分解し、SV40
複製開始点とポリリンカー配列とを有する約450個の塩
基対を精製した。Zem86をEcoR Iで部分的に分解し、Xho
Iで完全に分解して、SV40複製開始点配列を除去した。
次に、pDR3001からのSV40断片を、線形化したZem86に連
結した。生成するプラスミドをpDR3002と命名した(第
5図)。
哺乳類の細胞の発現ベクターを次に構成した。プラス
ミドpDR3002をBamH IはXba Iで分解した。実施例3Bに記
載のバクテリアのベクターをBamH IとXba Iとで分解
し、t−PA配列をゲル精製し、線形化したpDR3002に連
結した。生成するベクター(表3)SV10プロモーター変
異t−PA配列−hGHターミネーターの発現単位を含む。
ベクターpDR3004(第5図)はpDR817からの変異t−PA
配列を有する。pDR3004からの一次翻訳生成物は、第4A
図に示される配列を有することが予想される。pDR3004
で形質転換したE.コリ(E.coli)LM1035は、受託番号が
53445でAmerican Type Culture Collectionに寄託され
た。
第3表に記載のベクターは、標準的処理法に従って培
養した哺乳類の細胞をトランスフェクションするのに使
用される。対数的に増殖するTK-子ハムスター腎臓(BH
K)細胞を用いてマウスの野性型DHFR遺伝子(pSV2−DHF
R,Subramani等、Mol.Cell.Biol.,:854〜864頁、1981
年に開示)をコードする発現ベクターと変異t−PAタン
パク質をコードする発現ベクターとの混合物(比率、1:
1)を同時トランスフェクションした。トランスフェク
ションから24時間後に、細胞に(リジン−セファロース
カラム上を通過させることによってプラスミノーゲンを
除いた)10%の胎児ウシ血清、アプロチニン(100単位/
ml)、ペニシリンおよび250mMのMTXを含むDulbeccoの改
質Eagle培地(DME)を加えた。細胞に、この選択培地を
引き続く10〜14日間に亙り数回補給した。フィブリン・
プレート法によって薬剤耐性コロニーのt−PA活性をス
クリーニングした。1pg/細胞/日より高い水準で活性タ
ンパク質を産生する細胞系を更に増幅し、希釈によって
クローン化し、そしてタンパク質と単離と特徴付けのた
めにスケールアップした。
上記の欠失変異株の3種類を選択して、更に特徴づけ
を行った。これらは変異株3016,3004および3008に対応
し、3種類の異なる領域に欠失を有している(第3表参
照)。これら3種類の試験した端が切除されて分子総て
を検出することができるモノクローナル抗体を端が切除
されたtPAの検出のための一次抗体として用いた。端が
切除されたtPA類の検出の標準的なELISA試験法を以下に
示す。
端が切除されたtPAのELISA法 1μg/mlの緩衝液A中モノクローン抗体100μをプレ
ートし(緩衝液A=100mMのNa2CO3、pH9.6); 4℃で一晩インキュベートし; 緩衝液Bで3回洗浄し(緩衝液B=10mMのリン酸ナトリ
ウム、pH7.2、150mMのNaCl、0.5%のTween20); 緩衝液Cで37℃で2時間ブロックし(緩衝液C=緩衝液
B+1%BSA); 試料を緩衝液Cに加え、37℃でインキュベートし; 緩衝液Bで3回洗浄し; 4.5μg/mlのポリクローン・ウサギ抗−tPAを100μ加
え; 37℃で1時間インキュベートし; 緩衝液Bで3回洗浄し; HRP結合ヤギ抗−ウサギを加え; 室温で1時間インキュベートし; 緩衝液Bで4回洗浄し;そして、 発色させる。
変異タンパク質3004および3008を、リジン−セファロ
ースカラム上で精製した。細胞培地を負荷緩衝液(50mM
のリン酸ナトリウム、pH7.3、0.1MのNaCl、0.005%のTw
een80、0.003MのNaN3)に対して一晩透析した。透析し
た溶液を0.5ml/分でリジン−セファロースカラムに加え
た。カラムを負荷緩衝液で洗浄した後、結合した物質を
0.4Mのアルギニンを含む負荷緩衝液で溶出し。溶出液分
画をELISAおよびフィブリン溶解法によって分析した。
フィブリン溶解法はBinder等の方法(J.Biol.Chem.,2
54、1998頁、1979年)に基づいている。10mlのウシ・フ
ィブリノーゲン溶液(0.036Mの酢酸ナトリウム、pH8.
4、0.036Mのバルビタール・ナトリウム、0.145MのNaC
l、10-4MのCaCl2、0.02%NaN3中3.0mg/ml)を、1.5%の
同じ緩衝液中低融点アガロースの溶液10mlに40℃で加え
た。この溶液に10μのウシ・トロンビン(500単位/m
l)を加えた。混合物をGelbondアガロース支持シート
(Marine Colloids)に加えて、放冷した。ウェルをア
ガロース中で切断して、ウェルに試験試料10μ、及び
0.1%ウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝食塩水10μ
を添加した。結果を、精製したtPAを用いて調製した
標準曲線と比較した。ウェルの周りの透明なハロの出現
は、生物的に活性なプラスミノーゲン・アクティベータ
の存在を示している。
実施例4. フィンガー領域および生長因子 領域コード配列のループ・アウト t−PAのフィンガー領域及び生長因子領域をコードす
る配列を、Zoller等のManual for Advanced Techniques
in Molecular Cloning Course,Cold Spring Harbor La
bortory、1983年に記載の方法と本質的に同様にして、
部位特異的変異誘発によってcDNAから欠失させた。オリ
ゴヌクレオチドはApplied Biosystems 380−A DNA合
成装置上で合成し、変性ゲル上で電気泳動によって精製
した。
ゲノム配列およびcDNAt−PA配列を比較することによ
って正確な欠失をデザインした。フィンガー領域および
生長因子領域をコードするエクソンに対応するcDNAの配
列を欠失させた。
t−PAの配列を変異誘発させるための鋳型を調製する
ため、約1μgのZem99をBamH IおよびEcoR I各1単位
で分解した。DNAフラグメントを1%アガロースゲル上
で分離して、約730個の塩基対のBamH I−EcoR Iフラグ
メントをNA−45DEAE膜(Schleicher & Schuell)上に
製造業者によって指示された方法で電気溶出した。DNA
をフェノール−CHCl3で抽出して、EtOHで沈殿させた。
精製したフラグメントを、次に、T4DNAリガーゼの存在
で24時間12℃でBamH I+EcoR Iで分解したM13mpB(複製
型)と共にインキュベートすることによって連結した。
組換ファージを、コンピテントE.コリ(E.coli)JM101
中にトランスフェクションした。ファージDNAをプラク
から精製し、ジデオキシ法によって配列決定して、正し
いcDNA配列の存在を確かめた。単鎖M13鋳型DNAを調製し
て、変異誘発プライマーとしてオリゴヌクレオチドZC49
0(5′TAC CAA GTG ACC AGG GCC 3′)を用いて部位特
異的変異誘発を行った。第二のプライマーとしてユニバ
ーサルM13プライマーを用いた。20ピコモルのホスホリ
ル化した変異誘発性プライマーおよび20ピコモルの第二
のプライマーと10μの20mMトリス(pH7.5)、10mMのM
gCl2、50mMのNaClおよび1mMのDTT中で1ピコモルの単鎖
鋳型と混合し、65℃で10分間インキュベートした後、室
温で5分間インキュベートし、氷上に置いた。20mMのト
リス(pH7.5)、10mMのMgCl2、2mMのATP、1mMのdNTP類
を含む10mMのDTT、2.5単位のKlenowポリメラーゼおよび
3.5単位のDNAリガーゼ10μをアニーリングしたDNAに
加えて、混合物を15℃で3時間インキュベートした。次
いで、DNAをコンピテントE.コリ(E.coli)JM101にトラ
ンスフェクションして、細胞をYT寒天上に置いて、37℃
で培養した。プラークをニトロセルロースに移して、6x
SSC、10xDenhardt溶液中でTm−4℃で変異誘発プライマ
ーをプレ・ハイブリダイゼーションし、同じ溶液中でTm
−4℃で32Pを標識した変異誘発性プライマーにハイブ
リダイズせしめた。Tm−4℃で3回洗浄した後、フィル
ターを一晩X線フィルムに暴露した。変異プラークを同
定するのに必要ならば、温度を5℃高くして、更に洗浄
工程を行った。変異したインサートをジデオキシ法によ
って配列させ、所望なループ・アウトを有するクローン
を選択した。t−PAをコードする配列の残りに連結する
ときには、この配列は第4B図に示したアミノ末端を有す
るタンパクをコードする。
実施例5 フィンガー配列および生長因子配列の欠失 フィンガー配列および生長因子配列を欠失させる第二
のストラテジーは、出発物質としてt−PAコード配列を
有するプラスミドpDR1496を用いる。pDR1496で形質転換
したS.セレビシエー(S.cerivisine)株E8−11Cを受託
番号20728はAmerican Type Culture Collectionに寄託
された。t−PA配列の変異誘発の鋳型を調製するため、
1μgのpDR1496をSph IおよびXba I各5単位で37℃で
2時間分解した。DNAを0.7%アガロース・ゲル上で電気
泳動して約2100の塩基対の断片を精製した。この断片
を、Sph I+Xba Iで分解したM13tg130(複製型、Amersh
am社製、Kieny等、Gene26、91頁、1983年)に連結してM
13tgBOWを形成せしめた。組換ファージをE.コリ(E.col
i)JM103中にトランスフェクションして単鎖鋳型DNAを
調製した。オリゴヌクレオチド指令欠失変異誘発は,20m
Mのトリス(pH7.5)、10mMのMgCl2、50mMのNaCl、1mMの
DTT中で20ピコモルのリン酸化変異誘発プライマー(配
列:5′CGT GGC CCT GGT ATC TTG GTA AC3′)と1ピコ
モルの鋳型DNAとを用いて65℃にて10分間行った。次
に、この混合物を室温で5分間インキュベートした後、
氷上に置いた。20mMのトリス(pH7.5)、10mMのMgCl2
2mMのATP、1mMのdNTP類を含む10mMのDTT、2.5単位のKle
nowフラグメントおよび3.5単位のT4DNAリガーゼを含む1
0μを加え、そしてアニールしたDNA混合物を15℃で3
時間インキュベートした。DNAをE.コリ(E.coli)JM103
中にトランスフェクションして細胞をYT寒天上に置いて
37℃で培養した。プラークを実施例4に記載の方法でス
クリーニングした。フィンガー配列および生長因子配列
の所望の欠失を有する変異配列を、クローン#2600と命
名した。コードされたタンパクの配列を第6図に示す。
実施例6 フィンガー配列、生長因子配列およびクリングル1をコ
ードする配列のループ・アウト フィンガー配列、生長因子配列およびクリングル1配
列をコードする配列を、実施例4に記載の欠失方法に類
似の方法で、クローン化されたcDNAから除去した。この
ループ・アウトは成熟t−PAのアミノ酸4のコドンとア
ミノ酸176のコドンを正確に連結し、フィンガー領域、
生長因子領域およびクリングル1領域をコードするエク
ソンに対応するDNA配列の欠失を生じさせた(第4C
図)。
Zem99からのプレ−プロおよび成熟配列の5′末端を
有する約730個の塩基対のBamH I−EcoR I t−PA断片を
調製し、そしてM13mp19(複製型)中にクローン化し
た。単鎖鋳型DNAを調製し、そしてオリゴヌクレオチドZ
C722(5′ACT GTT TCC CAC TTG GTA 3′)およびM13ユ
ニバーサル・プライマーを用いて変異誘発を行った。変
異プラークをスクリーニングして、配列し、所望の変異
を有するクローンを同定した。
実施例7 フィンガー配列、生長因子配列およびクリング1配列を
コードする配列の欠失 フィンガー配列、生長因子配列およびクリングル1配
列は、実施例5に記載の単鎖M13tg130W鋳型を用いて第
二の変異誘発において除去した。変異誘発は実施例5に
記載のように、配列5′GCA GTC ACT GTT TCC TTG GTA
AC3′を有するオリゴヌクレオチドプライマーを用いて
行った。変異プラークを上記と同様にスクリーニングし
た。正確な欠失を有するクローンを#2700と命名した。
コードされたタンパクの配列を第7図に示す。
実施例8 合成オリゴヌクレオチドを含有する変異t−PA配列の構
成 フィンガー領域、生長因子領域およびクリングル1領
域の欠失を有する成熟t−PAをコードするDNA配列の
5′部分を合成オリゴヌクレオチドから構成した。次
に、生成するフラグメントを3′cDNAおよびプレ−プロ
配列に連結した。下記のオリゴヌクレオチドを用いた。
4個のオリゴヌクレオチドをT4キナーゼを用いて別々
にリン酸化した。オリゴヌクレオチドZC635およびZC637
を、44個の塩基対をオーバーラップさせて実施例1に記
載の条件下でアニールせめた。オリゴヌクレオチドZC63
8およびZC639を、同様に49個の塩基対をオーバーラップ
させてアニールせしめた。
変異t−PA配列を含む哺乳類の細胞の発現ベクターを
構成するため、Zem99をBgl IIを用いて完全に分解し、E
coR Iを用いて部分的に分解して、t−PA遺伝子の600個
の塩基対を有する5′部分を除去した。ベクター、t−
PAプレ−プロおよび3′t−PA配列を有するフラグメン
トをゲル精製し、3部ライゲーションで連結させて、対
になったオリゴヌクレオチドとした。暗号化されたタン
パクのアミノ末端配列を第4C図に示す。
実施例10 バクテリアにおける変異t−PAの発現 形質転換されたバクテリア細胞で発現させるために、
複製型のDNAをBgl IIで完全に分解し且つEcoR Iで部分
的に分解することによって、上記の変異t−PA配列をそ
れぞれのM13ベクターから取り出す。変異t−PA配列
は、標準的な方法で精製する。
(実施例3に記載の)バクテリア発現ベクターpDR816
をBgl IIおよびXba Iで分解して、pIC19R、TACプロモー
ター、t−PAプレ−プロおよびtrpAターミネーター配列
を有する断片を精製する。3′t−PAをコードする配列
は、pDR816のEcoR I+Xba I分解物から精製する。
3種の断片を三元連結で連結させて、完全な変異t−
PA配列を有するバクテリア性発現ベクターを構成する。
同様に、実施例8に記載のリン酸化されそしてアニー
リングしたオリゴヌクレオチドを、Bgl IIで完全に分解
し且つEcoR Iで部分的に分解して成熟t−PA配列の5′
部分の約600塩基対を除去したpDR816に挿入する。
生成するベクターを、E.コリ(E.coli)JM105を形質
転換するのに使用する。形質転換された細胞を、0.4%
グルコースおよび0.2%カザミノ酸を添加したM9培地中
で培養する。細胞を収得して、細胞溶解させ、細胞破片
を遠心分離によって除去した。上澄液をフィブリン溶解
分析法によってt−PAについて分析し、ウェスタン・ブ
ロット分析法によってタンパク生産を測定した。
実施例11 哺乳類の細胞における変異t−PAの発現 上記実施例4,5,6,7および9に記載した変異体配列
を、SV40またはMT−1プロモーターおよびDHFR選択マー
カーを含有する哺乳類細胞の発現ベクターに挿入した。
生成する発現ベクターをTK−BHK細胞中にコトランスフ
ェクションし、そして薬剤選択を適用し、そしてトラン
スフェクトされた細胞系を選択し、タンパク生産および
特徴づけを行うためにスケールアップした。変異配列を
Bgl II−Apa I断片としてのクローン#2600および#270
0から取り出し、そしてZem99(実施例1)中に挿入し
た。生成するベクターを、pSV2−DHFR DNAを用いて実
施例3Cに記載したのと同様に、TK−BHK細胞中にコトラ
ンスフェクションした。
プラスミドpUC18−820をEcoR IおよびRamH Iで分解
し、変異t−PA配列(620個の塩基対)をpDR3002に挿入
した。p820と命名された生成するベクターを、上記と同
様にしてTK−BHK細胞中にトランスフェクションした。
変異タンパク#2600を、セファロースe(Pharmacia
製)上に固定したモノクローン抗体の2.6x20cmカラムで
精製した。トランスフェクションしたBHK細胞からの培
養液を、このカラムに200ml/時の流速で4℃で加えた。
カラムを0.5MのNaClおよび20IU/mlのアプロチニンを含
む0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH7.5)で平衡にした。カラ
ムを1000mlの上記緩衝液で洗浄し、t−PAを5MのKSCNを
含む同じ緩衝液で溶出した。t−PA分画を限外濾過によ
って5mlの容積まで濃縮して、1.5MのKSCNおよび0.5MのN
aClを含む50mMのトリス−HCl緩衝液(pH7.5)で平衡に
したセファクリルS−200(Pharmacia製)のカラム(2.
6x90cm)に加えた。カラムを同じ緩衝液を用いて25ml/
時の流速で展開した。t−PA分画を限外濾過によって濃
縮し、1Mの重炭酸アンモニウムで平衡にしたセファデッ
クスG−25(PD10、Pharmacia製)のカラム上でゲル濾
過を行った。生成する精製されたタンパクをマンニトー
ルの存在で凍結乾燥した。
変異t−PA2700を含む培養液を1MのNaClおよび2.0KIU
/mlのアポロチニンを含む50mMのトリス−HCl緩衝液(pH
7.5)で平衡にした亜鉛キレート化セファロース(Pharm
acia製)のカラム(5x20cm)に400ml/時の流速で4℃で
加えた。カラムを2000mlの同じ緩衝液で洗浄した。t−
PAを、同じ緩衝液においてイミダゾールの濃度を0〜50
mMの範囲で徐々に増加させることによって溶出させた。
t−PA分画を1MのNaClを含む10mMのリン酸ナトリウム緩
衝液(pH7.5)で平衡にしたセファロース4B(Pharmacia
製)と結合させたコンカナバリンAのカラム(2.6x20c
m)に直接30ml/時の流速で加えた。カラムを同じ緩衝液
で洗浄した。t−PAを1MのNaCl、20KIU/mlのアプロチニ
ンおよび2MのKSCNを含む10mMのリン酸ナトリウム上でα
−メチルアマノシドの濃度を0〜0.4Mの範囲で徐々に増
加させることによって溶出させた。t−PA分画を限外濾
過によって約5mlにまで濃縮して、1.5MのKSCNおよび1M
のNaClを含む50mMのトリス−HCl(pH7.5)で平衡化した
セフアクリルS−200のカラム(2.6x90cm)に加えた。
カラムを同じ緩衝液を用いて25ml/時の流速で展開し、
t−PA分画を纏めて、濃縮し、脱塩し、上記と同様にし
て凍結乾燥した。
2600および2700変異t−PA分子の血漿クリアランス
を、ラットで試験した。雄のSpraque Dawleyラット(体
重230g〜270g)に0.4mg/kg体重の125Iを標識した変異t
−PAまたはトランスフェクションされたBHK細胞から精
製した標準の組換t−PAを注射した。注射は大腿静脈か
ら行った。血液試料(0.5ml)を頚静脈から採取し、ア
フィニティー精製ポリクローン・ウサギ抗体を用いてサ
ンドイッチELISAによってt−PAタンパクを測定した。
第4表に示される結果は、変異タンパクが標準のt−PA
のほぼ5倍の血漿半減基を有することを示している。
変質タンパク3008および2600を精製して、生体内での
半減期について試験した。変異タンパク3008,2600又は
標準のt−PA(対照物)を産生する細胞を含むコンフル
エントに達しない75cm2フラスコを、100U/mlのペニシリ
ン、100μg/mlストレプトマイシンおよび100μg/mlアプ
ロチニンを含みメチオニンを含まない10mlのDulbeccoの
MEMで洗浄した。細胞を1mciの35S−メチオニン(New En
gland Nuclear社製)を含む同じ培地10mlで37℃で20時
間培養した。上澄液を2000rpmで10分間遠心分離し、−2
0℃で保管した。非放射性t−PAが、100U/mlのペニシリ
ン、100μg/mlのストレプトマイシンおよび100μg/mlの
アプロチニンを含むDulbecco培地中に保持された1200cm
2トレーに細胞層から得られた。約400mlの培養液を集め
た。纏めた細胞培養液にNaClおよびTween80をそれぞれ1
Mおよび0.2%の濃度で加えた。pHを7.5に調整した。0.4
5μ上で濾過した後、変異体をモノクローン抗体上でイ
ムノソーベント・クロマトグラフィを用いて精製した。
精製したt−PA変異体は、主として単一鎖の形である
ことが分かった。比活性をフィブリン・プレート法によ
って測定した。第5表にその結果を示す。
第5表 タンパク 比活性(IU/mgタンパク) 標準t−PA 400,000 3008 590,000 2600 380,000 変異タンパク3008および2600の生体内半減期を測定し
た。雌のWisterラットを麻酔して、頚静脈および頚動脈
中にカテーテルを配置して、それぞれ静脈内投与を行
い、試料を採取した。試験溶液を投入する10分前にヘパ
リン(1mg/kg体重)を静脈内投与した。0.25〜0.5mlの
試験溶液を投与する前および2,3,4,6および8分後に、
約250μの血液試料を採取した。血漿中の放射能を液
体シンチレーションによって測定し、半減期を1コンパ
ートメントモデルを用いて線形回帰によって計算した。
半減期(3〜5回の実験の平均)は下記のようになっ
た。元のt−PA、2.3分;3008、12分;および2600、17
分。
実施例12 酵母での変異t−PAの発現 酵母で発現させるため、変異t−PA配列を、実施例10
に記載されているバクテリア性ベクターからBgl II−Xb
a Iフラグメントとして切り出した。
プラスミドpDR1496はS.セレビシエー(S.cerevisia
e)TPIプロモーター(Alber,Kawasaki,J.Mol.Appl.Gene
t.、419〜434頁、1982年)、S.セレビシエー(S.cere
cisiae)MF1シグナル配列(Kurjan,Herskowitz,Cell,3
0、933〜943頁、1982年および米国特許第4,546,082号明
細書)、t−PAコード配列およびS.セレビシエー(S.ce
recisiae)TPIターミネーター(Alber,Kawasaki、同
上)を含有する酵母発現ベクターである。pDR1496で形
質転換されたS.セレビシエー(S.cerecisiae)株E8−11
cを、受託番号20728でAmerican Type Culture Collecti
onに寄託した。プラスミドを標準的な方法によって形質
転換体から単離する。t−PA配列をBgl IIおよびXba I
で部分的に分解することによって、pDR1496から切り出
した。12.2kbベクター断片を精製してBgl II−Xba I変
異t−PA配列に連結した。
発現ベクターを使用して、S.セレビシエー(S.cerevi
siae)株E8−11cを形質転換する。細胞を2%グルコー
スおよび0.1Mリン酸水素カリウム(pH5.5)を加えた1eu
培地中で30゜で培養する。細胞を、対数増殖期に取り出
し、そして遠心分離によって集め、破砕して、ライセー
トのt−PA活性を測定する。
上記の説明から、本発明の特定の態様を説明のために
記載したのであり、発明の精神および範囲から離反する
こと無く各種変更を行うことが可能であることが理解さ
れるであろう。したがって、本発明は特許請求の範囲に
よって制限されることを除いては制限されない。
【図面の簡単な説明】
第1−1図〜第1−4図は、cDNAから構成されたプレ−
プロコード配列および合成オリゴヌクレオチド、ならび
にコードされたタンパク質のアミノ酸配列を示す。行よ
り上の数字はヌクレオチドの位置を示し、そして行より
下の数字はアミノ酸の位置を示す。 第2図は、ベクターZem99の構成を示す。 第3図は、t−PA発現ベクターpDR817の構成を示す。 第4図は、ここで説明するいくつかの変形t−PA分子の
アミノ末端の比較を示す。 第5図は、プラスミドpDR3002およびpDR3002から誘導さ
れたt−PAベクターの構成を示す。 第6−1図及び第6−4図は、フィンガー領域および生
長因子領域を欠失する変異体t−PAタンパク質のアミノ
酸配列、およびこのタンパク質をコードするヌクレオチ
ド配列を示す。 第7−1図〜第7−5図は、フィンガー領域、生長因子
領域およびクリングル1領域を欠く変異体t−PAタンパ
ク質のアミノ酸配列、ならびにこのタンパク質をコード
するヌクレオチド配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) C12R 1:865) (C12N 1/21 9162−4B C12N 15/00 ZNAA C12R 1:865) 9281−4B 5/00 B (72)発明者 アイリーン アール.マルビヒル アメリカ合衆国,ワシントン 98103, シアトル,フランシス アベニュ ノー ス 4016 (56)参考文献 特開 昭63−501841(JP,A) 特開 昭61−243024(JP,A) 特開 昭62−48378(JP,A) 特開 昭62−198623(JP,A) Nature301(20)P.214−221 (1983) Proc.Natl.Acad.Sc i.81.P.5355−5359(1984)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次のアミノ酸配列: において、87位のAspから113位のCysまでの間のいずれ
    かのアミノ酸から527位のProまでのアミノ酸配列を有
    し、場合によってはさらに該アミノ酸配列のN−末端に
    1〜数個のアミノ酸を有する短縮型組織プラスミノーゲ
    ンアクチベーター。
  2. 【請求項2】次のアミノ酸配列: において、87位のAspから113位のCysまでの間のいずれ
    かのアミノ酸から527位のProまでのアミノ酸配列を有
    し、場合によってはさらに該アミノ酸配列のN−末端に
    1〜数個のアミノ酸を有する短縮型組織プラスミノーゲ
    ンアクチベーターの製造方法において、該組織プラスミ
    ノーゲンアクチベーターをコードするDNAを含んで成る
    発現ベクターにより形質転換された動物細胞又は細菌を
    培養し、得られた培養物から前記組織プラスミノーゲン
    アクチベーターを採取することを特徴とする方法。
JP62015053A 1986-01-24 1987-01-24 変形された組織プラスミノ−ゲンアクチベ−タ− Expired - Lifetime JP2518832B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
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