JP3080589B2 - レーダ装置 - Google Patents

レーダ装置

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JP3080589B2
JP3080589B2 JP08226926A JP22692696A JP3080589B2 JP 3080589 B2 JP3080589 B2 JP 3080589B2 JP 08226926 A JP08226926 A JP 08226926A JP 22692696 A JP22692696 A JP 22692696A JP 3080589 B2 JP3080589 B2 JP 3080589B2
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寛弘 高尾
冬樹 福島
泰吉 上等
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーダ受信信号
から目標検出処理を行なうレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図21は従来の目標検出処理を行うレー
ダ装置の構成を示した図であり、1は送信アンテナ、2
はこの送信アンテナ1に接続され送信ビームを形成する
送信機、3は受信アンテナ、4は帯域制限、位相検波、
増幅を行なう受信機、5は受信機4から出力された受信
信号をアナログ信号からディジタル信号に変換するA/
D変換器、6はA/D変換器5の出力信号をある一定の
時間CPI(Coherent Pulse Interval)だけ蓄え、C
PI間隔で蓄えていた信号を出力するメモリ回路、7は
メモリ回路6の出力信号の信号対雑音電力比を改善し、
周波数成分ごとにn分割してn個のセルとして出力する
コヒーレント積分回路、8はコヒーレント積分回路7の
出力信号について振幅検波を行なう振幅検波回路であ
る。
【0003】また、9は振幅検波回路8から出力される
信号をnCPI単位で蓄え、このCPI単位の信号を所
定の回数N回記憶した後、それらをまとめて出力するメ
モリ回路、51はメモリ回路9から出力された信号につ
いて、同一周波数帯のセルについて、各周波数帯毎に和
をとり、その結果を出力するインコヒーレント積分回
路、52はこの結果に基づき、目標有無の判定を行なう
目標検出回路である。この目標検出回路52は、対象と
なるセル(注目セル)と、その近辺のセル(リファレン
スセル)を設定し、注目セルの電力とリファレンスセル
の平均電力を比較し注目セルについて目標の有無を判定
する。16は目標検出回路52が目標有りと判定した場
合には警報を発生する警報回路である。なお、この明細
書中にでいうセルは、別名ドップラーセルとも呼ばれ
る。
【0004】図22は、例えばMcGRAW-HILL BOOK COM
PANY RADAR DESIGNPRINCIPLESP75 図3−2に示
された目標検出機能をもつレーダ装置の構成図であり、
53は受信アンテナが受信した信号を所定の帯域で通過
するマッチトフィルタ回路であり、8はこのマッチトフ
ィルタ回路53の出力信号の振幅を検波する振幅検波回
路、51は図22と同様のインコヒーレント積分回路で
ある。
【0005】また、図23は、図21のコヒーレント積
分回路7の詳細を説明する図である。このコヒーレント
積分回路7は、n帯域の信号を得るために、通過周波数
帯域の異なるn個のマッチトフィルタ回路によって構成
されている。71は、メモリ回路6に接続され、このメ
モリ回路6の出力信号のうち周波数帯域f1の成分を通
過させるマッチトフィルタ回路である。72から7nも
同様に、それぞれf2〜fnの周波数帯域の成分を通過
させるマッチトフィルタ回路である。
【0006】次に動作について説明する。送信機2と送
信アンテナ1によって発射された電波が飛行機等に反射
して生成される目標信号が受信アンテナ3で受信され
る。受信アンテナ3で受信された信号は受信機4により
帯域制限され、さらに位相検波、及び増幅される。この
受信機4により出力される信号は、振幅値及び位相を含
む信号であり複素信号と呼ばれる。また、受信機4によ
り受信信号の受信機雑音が重畳される。
【0007】A/D変換器5は受信機4より入力された
アナログ信号をディジタル信号に変換する。A/D変換
器5によりディジタル信号に変換された信号は、メモリ
回路6に入力される。メモリ回路6は入力信号を所定の
時間(CPI)ごとに蓄え、まとめて次の振幅検波回路
8へ出力する。メモリ回路6から出力された信号はコヒ
ーレント積分回路7に入力される。コヒーレント積分回
路7は、図23に示すように複数のマッチトフィルタ回
路71〜7nから構成されており、各マッチトフィルタ
回路71〜7nにはそれぞれ異なる通過帯域が割り当て
られている。従って、このマッチトフィルタ回路71〜
7nに入力された信号はn個のマッチトフィルタ回路7
1〜7nにより、マッチトフィルタ回路71〜7nの個
数(n)分にだけ分割される。各マッチトフィルタ回路
71〜7nはそれぞれ割り当てられた帯域の信号成分を
次の振幅検波回路8へ出力する。コヒーレント積分回路
7から出力されたn個の信号は振幅検波回路8により振
幅検波され、その振幅値がメモリ回路9に蓄えられる。
メモリ回路9はあらかじめ設定された回数Nだけ、振幅
検波回路8の出力信号を蓄える動作を繰り返した後、蓄
えていた信号を出力する。従って、メモリ回路9から出
力される信号S9は、図21に示したようにn×Nのマ
トリクスで表現される振幅値のデータとなる。ICPI
における、Jセルの信号振幅値をs(I、J)と表記す
る時、メモリ回路9は信号s(I、J)(I=1、2、
…、N)(J=1、2、…、n)の2次元信号を出力す
る。インコヒーレント積分回路51は次の式によりJセ
ルの信号振幅ps(J)(J=1、2、…、n)を計算
する。
【0008】
【数1】
【0009】インコヒーレント積分回路51は上式によ
り各セルにおける信号振幅を計算した後、結果を出力す
る。従って、インコヒーレント積分回路51の出力は、
各周波数帯域(セル)について、各セル毎にNCPI分
の振幅値の合計をとった値となる。
【0010】目標検出回路52では、インコヒーレント
積分回路51から出力された信号について目標有無の判
定を行なう対象となるセル(注目セル)と、その近辺の
セル(リファレンスセル)を設定し、リファレンスセル
の平均電力からスレッショルドを設定し、注目セルの電
力がスレッショルド以上の場合は目標有り、以下の場合
は目標なしとして目標有無の判定を行なう。全部のドッ
プラーセルを注目セルとして、目標有無の判定を行な
い、警報回路16に伝達する。警報回路16では、目標
ありと判定されたドップラーセルについて目標有りの警
報を発生する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーダ装置は上
記のように構成されているので、目標が加速度運動して
いる場合、CPIごとにドップラー周波数が変化するた
め、同一のドップラーセルについて和をとる処理では目
標信号成分が積分されない問題点があった。即ち、目標
から反射してくる電波の周波数は刻々と変化するため、
その電波が現れるセルは、例えば、2番セル、3番セル
…n番セルと変化する。従って、2番セルを全CPIに
ついて加算するのみでは、目標を十分にとらえきれない
という問題があった。
【0012】この発明は上記の問題点を解消するために
なされたもので、加速度目標が存在しても目標の検出が
できることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるレーダ
装置においては、予め定められた時間間隔でレーダ受信
信号を周波数成分毎の複数のセルに分解して出力するコ
ヒーレント積分手段と、コヒーレント積分手段より出力
されたセルについて振幅検波又は二乗検波を行う検波手
段と、検出すべき目標の予測加速度を予め設定する加速
度設定手段と、時間間隔に対応した初期セルを順次選択
し、初期セルと予測加速度とから目標が存在すると予想
されるセルを選択することで積分路を設定し、積分路上
にあるセルの振幅値の和又は電力和を算出するインコヒ
ーレント積分手段と、インコヒーレント積分手段から出
力された結果に基づき目標を検出する検出手段とを備え
たものである。
【0014】また、予測加速度は時間に応じて変化する
ものである。
【0015】また、インコヒーレント積分手段は、時間
間隔に対応した初期セルを順次選択し、初期セルと予測
加速度とから目標が存在すると予想されるセルを選択す
ることで積分路を設定する積分路設定手段と、積分路上
におけるセルのうち、1つの注目するセルを注目セルと
し、この注目セルよりも小さい電力を持つセルの平均電
力と、この注目セルの電力との電力比率を検出し、この
検出結果により不要信号成分として棄却するセルと必要
な信号成分として出力するセルとを判別する不要信号検
出手段と、この不要信号検出手段により出力されたセル
について、電力和を算出する積分手段とを備えたもので
ある。
【0016】また、インコヒーレント積分手段は、時間
間隔に対応した初期セルを順次選択し、初期セルと予測
加速度とから目標が存在すると予想されるセルを選択す
ることで積分路を設定する積分路設定手段と、積分路上
におけるセルのうち、1つの注目するセルの持つ電力以
下のセルの集合である第1の集合と、注目するセルより
も大きな電力を持つセルの集合である第2の集合とに分
割し、第1の集合と第2の集合の平均電力の差に基づ
き、第2の信号を不要信号成分としてセルから棄却する
か否かを判断することにより、セルのうちの不要信号成
分を棄却して残りのセルを出力する不要信号検出手段
と、この不要信号検出手段により出力されたセルについ
て、電力和を算出する積分手段とを備えたものである。
【0017】また、インコヒーレント積分手段は、時間
間隔に対応した初期セルを順次選択し、初期セルと予測
加速度とから目標が存在すると予想されるセルを選択す
ることで積分路を設定する積分路設定手段と、積分路上
におけるセルを電力の大きさに従って順番に並び替える
ソート手段と、このソート手段によって並び替えられた
セルについて、隣りあうセル同士の電力比率を検出し、
この検出結果により不要信号成分として棄却するセル
必要な信号成分として出力するセルと判別する不要信号
検出手段と、この不要信号検出手段により出力された
ルについて、電力和を算出する積分手段とを備えたもの
である。
【0018】また、積分路設定手段は、セルの電力に基
づいて積分路を選択するものである。
【0019】また、レーダ受信信号に予め定められた重
みを乗算する重み付け手段をさらに備え、加速度設定手
段は、重みに基づき、インコヒーレント積分手段から出
力される信号の劣化が予め定められた値以下となるよう
に、予測加速度の設定間隔を設定し、この設定間隔によ
り複数の予測加速度を出力し、インコヒーレント積分手
段は、複数の予測加速度ごとに積分路を設定するもので
ある。
【0020】また、予め定められた時間間隔でレーダ受
信信号を周波数成分毎の複数のセルに分解して出力する
コヒーレント積分手段と、検出すべき目標の予測加速度
を予め設定する加速度設定手段と、上記予測加速度に基
づき、上記予め定められた時間間隔毎に対応して、上記
複数のセルのうちで上記目標の信号が存在すると予想さ
れるセルを選択セルとして選択することにより探索路を
設定する探索路設定手段と、受信時間順に並べられた上
記選択セルの隣り合う選択セル同士の位相差を計測位相
差として検出する計測位相差検出手段と、上記予測加速
度に基づき、上記選択セル同士の位相差の理論値を基準
位相差として算出する理論位相差算出手段と、対応する
上記計測位相差と上記基準位相差との誤差に基づいて目
標を検出する検出手段とを備えたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の一実施例について説明
する。図1は、この実施の形態1のレーダ装置の全体構
成を示した図である。1は送信アンテナ、2はこの送信
アンテナ1に接続され送信ビームを形成する送信機、3
は受信アンテナ、4は帯域制限、位相検波、増幅を行な
う受信機、5は受信機4から出力された受信信号をアナ
ログ信号からディジタル信号に変換するA/D変換器、
6はA/D変換器5の出力信号をある一定の時間CPI
(Coherent Pulse Interval)だけ蓄え、CPI間隔で
蓄えていた信号を出力するメモリ回路、7はメモリ回路
6の出力信号の信号対雑音電力比を改善し、周波数成分
ごとにn分割してn個のセルとして出力するコヒーレン
ト積分回路、8はコヒーレント積分回路7の出力信号に
ついて振幅検波を行なう振幅検波回路である。
【0022】また、9は振幅検波回路8から出力される
信号をCPI単位で蓄え、このCPI単位の信号を所定
の回数N回記憶した後、それらをまとめて出力するメモ
リ回路、10は目標の加速度が等加速度であると仮定し
て、補償する加速度と初期セルを設定し、その加速度に
基づいてCPIごとに変化するドップラー周波数を計算
し、加速度によるドップラー周波数の変動が補償される
ようにインコヒーレント積分の積分路を設定する加速度
補償設定回路、11は加速度補償設定回路10により設
定された初期セルと積分路に沿ってインコヒーレント積
分を行なう加速度補償積分回路である。
【0023】12は加速度補償積分回路11から伝達さ
れた信号を蓄えておき、設定された初期セルにつき想定
した加速度全部についてインコヒーレント積分を行なっ
た場合は、蓄えていた信号を出力するメモリ回路、13
はメモリ回路12から伝達された信号をそのまま出力
し、全部の初期セルについてインコヒーレント積分処理
が終了した場合は、終了信号を出力する終了判定回路、
14はメモリ回路12から出力され、終了判定回路13
を通過した信号を蓄えておき、蓄えている信号を出力す
る終了信号が終了判定回路13から伝達された場合は蓄
えている信号を出力するメモリ回路である。
【0024】15はメモリ回路14から出力された信号
について目標有無の判定を行なう対象となるセル(注目
セル)と、その近辺のセル(リファレンスセル)を初期
ドップラー周波数方向、加速度方向にそれぞれ設定し、
注目セルの電力とリファレンスセルの平均電力を比較し
注目セルについて目標の有無を判定する目標検出回路で
ある。16は目標検出回路15が目標有りと判定した場
合には警報を発生する警報回路である。
【0025】次に動作について説明する。送信機2と送
信アンテナ1によって発射された電波が飛行機等の目標
物に反射して生成される目標信号が受信アンテナ3によ
り受信される。受信アンテナ3により受信された信号は
受信機4により帯域制限、位相検波、増幅され、A/D
変換器5によりアナログ信号からディジタル信号に変換
された後、メモリ回路6に入力される。ある一定の時間
CPIが経過すると、メモリ回路6は蓄えていたディジ
タル信号を出力する。メモリ回路6から出力された信号
はコヒーレント積分回路7に入力され、信号対雑音電力
比を改善されて、周波数成分にセル単位で分割される。
コヒーレント積分回路7の出力信号は振幅検波回路8で
振幅検波された後、メモリ回路9に蓄えられる。メモリ
回路9はCPI単位で処理されている振幅検波回路8の
出力信号を蓄える動作をN回繰り返した後、蓄えている
信号をまとめて出力する。メモリ回路9から出力された
信号は加速度補償設定回路10に入力される。
【0026】加速度補償設定回路10では、想定した目
標の初期速度と加速度から、インコヒーレント積分を行
なう際の目標信号の初期セルと各CPIにおいてインコ
ヒーレント積分の対象となるセル(積分路)を設定し、
この積分路上のセルの信号S10を加速度補償積分回路
11へ伝達する。ここで、図1に示した加速度設定回路
の出力信号S10では、斜線部分を積分路上のセルとし
て設定し出力している。
【0027】加速度補償積分回路11では、伝達された
積分路に沿ってインコヒーレント積分を行ない、その結
果をメモリ回路12に伝達する。また同時に、初期セル
につき想定した加速度全部についてインコヒーレント積
分を行なった場合は、全加速度終了信号をメモリ回路1
2に伝達する。また、全部の初期セルについても終了し
た場合は全セル終了信号をメモリ回路12に伝達する。
この全加速度終了信号及び全セル終了信号の伝達はメモ
リ回路を介して、加速度補償設定回路10に伝達され
る。
【0028】メモリ回路12では、加速度補償積分回路
11からインコヒーレント積分した結果が伝達された場
合はその信号を蓄える。そして、全加速度終了信号が伝
達された場合は、蓄えていた信号と全加速度終了信号を
出力する。また、全セル終了信号が伝達された場合はメ
モリ回路12に蓄えていた信号と全セル終了信号を出力
する。
【0029】終了判定回路13は、メモリ回路12から
蓄えられていた信号のみが出力された場合には、その出
力をメモリ回路14へ出力する。また、メモリ回路12
に蓄えられていた信号と全セル終了信号が伝達された場
合は、メモリ回路12に蓄えられていた信号と全セル終
了をメモリ回路14に出力し、加速度補償設定回路10
に初期セルを初期化して、再び、全初期セルについて加
速度補償回路10及び加速度補償積分回路11の処理を
行うように伝達する。
【0030】メモリ回路14では、メモリ回路12に蓄
えられていた信号のみが伝達された場合はその信号を蓄
え、その信号と同時に全セル終了信号も伝達された場合
は、蓄えていた信号を目標検出回路15へ出力する。メ
モリ回路14には初期セルごとに加速度を変えてインコ
ヒーレント積分した結果が入力されるので、初期セル方
向と加速度方向の2次元信号が蓄えられている。
【0031】目標検出回路15には、初期セル方向と加
速度方向の2次元データS14が入力される。目標検出
回路15では、メモリ回路14から出力された信号につ
いて目標有無の判定を行なう対象となるセル(注目セ
ル)と、その近辺のセル(リファレンスセル)を初期セ
ル方向と加速度方向にそれぞれ設定し、リファレンスセ
ルの平均電力からスレッショルドを設定し、注目セルの
電力がスレッショルド以上の場合は目標有り、以下の場
合は目標なしとして目標有無の判定を行なう。ここで、
メモリ回路14から出力された全部のドップラーセルに
ついて、目標有無の判定を行ない、警報回路16に伝達
する。警報回路16では、目標ありと判定されたセルに
ついて目標有りの警報を発生する。
【0032】図2は、図1の加速度補償設定回路10、
加速度補償積分回路11、メモリ回路12、及び、終了
判定回路13の働きを、図示しない汎用プロセッサを用
いてソフトウェアで実現した場合のフローチャートであ
る。ここで、このフローチャートによって実現される処
理は基本的に図1に示した回路と同様のものである。
【0033】まず、図1のメモリ回路9にn(セル)×
N(CPI)のデータが蓄積されると、図2のステップ
S0から処理を開始し、ステップS100において、初
期セルを設定する。初期セルは、図3に示したように、
1CPIのセルが順番に割り当てられる。図3では、n
=7の場合を図示しており、この場合、最初に1番目の
セルが初期セルが選択され((a)の場合)、ステップS
106から再びこのステップS100へ戻ってきたとき
は、次の2番目のセルが初期セルとして選択される。同
様に、順次n番目のセルまでが初期セルとして選択され
る。(b)は、初期セルとして4番目のセルが、(c)
には、7番目のセルが初期セルとして選択されている。
この図3において、Ncell0は選択された初期セルを示
す。なお、この図3において、縦軸は時間軸(CP
I)、横軸は周波数軸(所定の周波数帯域毎に分割)で
あり、黒く塗られたセルは目標がいると予想されるセル
を表している。これらのセルがインコヒーレント積分に
おける積分路となる。
【0034】どのような目標がこの積分路によって検出
できるか図3の(a)を用いて説明する。目標から反射
されるドップラー周波数は目標の速度に依存する。そこ
で、1CPIにおいてある速度V1で移動する目標があ
ったとすると、この速度V1に対応したn=1のセルに
大きなピークが現れる。この目標が正の加速度を持って
移動してきた場合には速度が次第に速くなり、3CPI
のとき速度V2となる。ここで、目標がレーダに向かっ
て移動しているときは、反射波のドップラー周波数は速
度V2に従って高くなる。そして、隣りのセル(n=
2)に大きなピークが現われ、元のセル(n=1)のピ
ークは小さくなる。以下、同様に5CPIでは、目標の
速度が速度V2よりも速くなり、次のセル(n=3)に
大きなピークが現われ、元のセル(n=2)のピークが
小さくなる。図3の(a)に示した積分路では上述のよ
うな目標からの反射波のピークと一致するため、反射波
からの信号を漏れなくとらえることができる。
【0035】次に、ステップS101に移り、目標加速
度Aj(j=1,2,・・・,A)を設定し、この目標
加速度Ajと初期セルから求められる積分路を算出す
る。そして、この積分路上にあるセルSjk(k=1,
2,・・・,N)を抽出する。この積分路の計算は、以
下の式によって求めることができる。
【0036】
【数2】
【0037】ここで、aは、目標加速度Ajより求める
ことができる。図4は、初期セルNcell0=1のときの
3つの目標加速度A1、A2、A3の積分路を示した図
である。格子状に並べられたセルのうち、黒く塗られた
セルが設定された積分路である。各目標加速度Ajの間
には、A1<A2<A3の関係があり、それぞれaは
1,2,5となる。つまり、目標物が加速するとドップ
ラー効果により反射波の周波数も刻々と変化するため、
その目標物の存在するセルも移動していく。この積分路
の設定は、セルの移動を予測して目標物からの反射波に
追従するために行われる。そして、選択された積分路上
のセルのデータ(反射波の当該周波数成分の電力)を順に
Sjkとして記憶して行く。
【0038】次に、ステップS102で、Sjkの電力
和Pijを求める。この電力和Pijは、以下の式で計
算される。
【0039】
【数3】
【0040】続いて、ステップS103に移り、ステッ
プS102で計算したPijをメモリに記憶する。そし
て、ステップS104にて、想定された全ての加速度に
ついて処理が終了したかが判断される。この判断は、あ
らかじめ設定された加速度のパターン数を表す変数A
が、現在処理している加速度のカウンタである変数jよ
りも大きいか否かで判断され、大きいときはまだ全ての
加速度について処理が終了していないことになる。全て
の加速度について、まだ処理が終了していない場合はス
テップS105に移り、加速度のカウンタであるjに1
を加算した後、ステップS101に戻り、次の加速度A
jについての処理が行われる。一方、全ての加速度につ
いて処理が終了したと判断されたときは、次のステップ
S106に移る。
【0041】ステップS106では、全ての初期セルに
ついて、ステップS100〜S104までの処理を終了
したかを判断する。この判断は、現在処理している初期
セルの番号を表す変数iが、全初期セル数n以上か否か
で行う。もし、まだ全初期セルについて終了していない
と判断された場合には、ステップS107に移り、iに
1を加算し、加速度のカウンタjを初期化(i=1)した
後、ステップS100に戻る。そして、次の初期セルに
ついて、再びステップS100からの処理を開始する。
一方、全初期セルについて終了したと判断されたとき
は、次のステップSeに移り、この加速度を考慮したイ
ンコヒーレント積分処理を終了する。
【0042】ステップSeに到達したとき、図1のメモ
リ回路14にはS14に示したような初期セルと加速度
についての二次元データが蓄えられる。以降は、図1を
用いて説明したように、処理される。この実施の形態1
は以上のように構成されているため、加速度運動により
ドップラー周波数が時間と共に変化しても、ドップラー
周波数の変化を補償してインコヒーレント積分を行なう
ため、加速度運動による目標検出性能の劣化を防止でき
る。
【0043】実施の形態2.実施の形態2は、非等加速
度で移動する目標物からの反射波をも正確にとらえるこ
とのできるレーダ装置の実施の形態である。
【0044】この発明の実施の形態2を図5を用いて説
明する。図5において、図1と同一の符号は同一または
相当の部分を表す。17は目標の加速度が非等加速度で
あると仮定して、補償する非加速度と初期セルを設定
し、その加速度に基づいてCPIごとに変化するドップ
ラー周波数を計算し、加速度によるドップラー周波数の
変動が補償されるようにインコヒーレント積分の積分路
を設定する加速度補償設定回路、18は非等加速度補償
設定回路17により設定されたパスに沿ってインコヒー
レント積分を行ない、積分路に沿ったインコヒーレント
積分が終了した場合は、積分結果をメモリ回路12に出
力する非等加速度補償積分回路である。
【0045】次に動作について説明する。基本的な動作
は、実施の形態1と同様である。従って、インコヒーレ
ント積分処理も図2に示したフローチャートと同様であ
る。異なるのは、実施の形態1の加速度補償回路10と
加速度補償積分回路11が、実施の形態2では非等加速
度補償設定回路17と非等加速度補償積分回路18にそ
れぞれ置き換わっている点である。
【0046】そこで、非等加速度補償設定回路17と非
等加速度補償積分回路18の動作について説明する。非
等加速度補償設定回路17は、非等加速度で移動する目
標物を捕らえるために、非等加速度で推移する積分路を
さまざまなパターンで設定する。この積分路のパターン
は、実施の形態1で示したようにあらかじめ与えられた
数式により求める。例えば、初期セルNcell0と加速度
の変動率から求める。又は、あらかじめ設定したパター
ンをメモリに記憶し、順番に非等加速度補償積分回路へ
出力してもよい。
【0047】図6は、非等加速度補償設定回路17が出
力する積分路の例であり、黒いセルが積分路として設定
されたセルである。(a)では、目標物の加速度が次第
に減少しているときに対応する積分路、(b)が目標物
の加速度が次第に増加しているときに対応する積分路、
(c)は目標物が急激に加速度を変化させた場合に対応
する積分路である。
【0048】なお、非等加速度補償設定回路17が出力
する積分路には、実施の形態1で説明したような等加速
度で目標物が移動する場合に対応する積分路を含めても
よい。
【0049】非等加速度補償設定回路17は、上述のよ
うな積分路を設定し、この積分路上にあるセルのデータ
を非等加速度補償積分回路18に出力する。非等加速度
補償積分回路18は、非等加速度補償設定回路17から
セルのデータを受け取ると、これらのデータの和を計算
して、メモリ回路12へ出力する。以降、実施の形態1
と同様に動作し、非等加速度の目標の検出を行う。
【0050】この実施の形態2では、以上のように構成
されているため、非等加速度運動による目標検出性能の
劣化を防止でき、非等加速度で移動する目標物をも捕ら
えることができる。
【0051】実施の形態3.実施の形態3は、想定した
加速度以外で移動する目標物からの反射波データを棄却
することによって、当該想定した加速度で移動する目標
物からの反射波を正確にとらえようとするレーダ装置の
実施の形態である。
【0052】この発明の実施の形態3を図7を用いて説
明する。図7はこの実施の形態3のレーダ装置の構成を
表す機能ブロック図であり、図7において、図1と同一
の符号は同一又は相当の部分を表す。19は加速度補償
設定回路10から出力された信号を電力の小さい順にソ
ートするソート回路、20はソート回路19によりソー
トされた信号について電力の小さい順に一つずつ加算し
て平均値を求め、ある設定レベル以上の電力の信号成分
を検出、棄却し、残りの信号成分を出力する平均値変動
検出回路である。
【0053】また、このレーダ装置の動作を説明するた
めに、図9と図10を示す。図9は、インコヒーレント
積分の積分路の例を示した図である。各セルはそれぞれ
振幅値の二乗のデータ、すなわち、電力の大きさのデー
タが入力されており、周波数帯域毎に設けられたセルの
列とCPIによって二次元のマトリクスを構成してい
る。この点は、図3、4と同様であるが、説明の都合上
積分路はR1で示した直線で示し、黒いセルは電力が大
きいことを表し、白いセルは電力が小さいことを表して
いるとする。
【0054】図10は図9の積分路におけるソート回路
19の出力値等を説明するグラフである。(a)は加速
度補償設定回路10の出力、(b)はソート回路19の
出力、(c)は平均値変動検出回路20の出力を示して
いる。
【0055】図9のような場合、目標物の加速度は小さ
く、これに比べ反射波加速度補償設定回路10が想定し
た加速度は大きくなっており、両者の加速度は異なる。
しかし、上記想定した加速度による積分路R1上には上
記目標物の反射波のデータが含まれており(かつ、その
電力が大きい)、積分路R1上のデータの総和を単に取
った場合には想定した加速度を持つ目標物がないにも関
わらず比較的大きな値が得られ好ましくない。この実施
の形態3は、かかる状況を改善することを目的としてい
る。
【0056】次に動作について説明する。基本的な動作
は実施の形態1と同様であるので、この実施の形態3の
特徴的な動作についてのべる。加速度補償設定回路10
から出力される積分路上のセルのデータは、ソート回路
19に入力され、電力の小さい順番に並び替えられる。
例えば、加速度補償設定回路10が図9のR1で示され
るような積分路を設定し、図10(a)に示すような値
を出力した場合では、ソート回路出力は図10(b)に
示すようになる。各棒グラフに記載された符号Sjk
(k=1,・・・,6)は、加速度補償設定回路10が
出力したセルの番号であり、図2のフローチャート中の
Sjkと同様である。そして、ソート回路19はソート
結果に基づき、Sj1,Sj2,Sj5,Sj6,Sj
3,Sj4の順番で出力する。ここで、図9の白いセル
の電力の大きさを1としたとき、黒いセルはその6倍の
大きさの電力である。
【0057】続いて、このソート回路出力を用いて、平
均値変動検出回路20が当該加速度で移動している目標
物からの反射波を抽出し、それ以外の反射波を除去す
る。図8は、ソート回路19と平均値変動検出回路20
の処理を示すフローチャートである。ステップS200
はソート回路19が行う処理、ステップS201〜20
7は平均値変動検出回路20が行う処理である。まず、
ステップS0からスタートし、ステップS200にて加
速度補償設定回路10の出力をソートする。ソート処理
結果は、Sk(k=1,2,・・・,N)として出力される。
【0058】次に、ステップS201にて変数kを1に
初期化し、ステップS202にて不要な反射波を除去す
るためのしきい値を以下の式で計算する。
【0059】
【数4】
【0060】ここで、K1は定数であり除去の感度に応
じて、適切に設定される。K1の値が大きいときは、目
標の加速度が加速度補償設定回路10が設定した加速度
と大きく異なる場合であっても当該目標からの反射波を
捕らえやすくなり、反対にK1の値が小さいときは、目
標の加速度と加速度補償設定回路10が設定した加速度
との差が小さくても、当該目標からの反射波が除去され
やすくなる。
【0061】次に、ステップS203に進み、k<Nか
どうかを判断する。Nはソート回路19が出力したデー
タの数に相当するので、除去する反射波があるかどうか
最後まで調べたかが分かる。もし、k<Nではないと判
断されると、ステップS206でkに1を加算した後、
ステップS207の処理に移る。一方、 k<Nのとき
は、ステップS204に移る。
【0062】ステップS204では、Th1>Sk+1
かどうかを判断する。Sk+1はステップS202でし
きい値を計算したデータの次のデータであり、しきい値
とTh1、次のデータSk+1を比較することにより、
電力が大きく変化する点を調べることができる。例え
ば、図10(b)では、Sj1、Sj2、Sj5、Sj
6までは電力の変化がほとんどなく、従って電力の平均
値も一定である。一方、Sj3からは電力が急激に大き
くなる。ステップS204ではこの変化点を発見し、続
くステップS207でこの変化点以降のデータを除去す
る処理を行う。Sj3、Sj4は、図9を見ても分かる
ように6CPIのうちにセルの4、5番目を移動するよ
うな加速度をもつ目標物からの反射波のデータと考えら
れ、現在設定されている積分路R1で想定された加速度
とは異なるデータである。したがって、上記変化点を調
べることで、加速度補償設定回路10が想定した加速度
以外の加速度を持つ目標物の反射波のデータ(以下、不
要信号成分という)を除去することができる。
【0063】もしTh1>Sk+1であるときは、次の
データも想定した加速度の反射波であると考えられるの
で、さらに次のデータを調べるべく、ステップS205
で変数kに1を加算し、ステップS202に戻って、同
様の処理を行う。一方、Th1>Sk+1でないとき
は、次のデータは不要信号成分と考えられるので、ステ
ップS207に移る。
【0064】ステップS207では、S1,・・・,Sk
までのデータを出力する。変数kは、ステップS204
までの処理によって想定した加速度のデータとそれ以外
のデータとの境に設定されており、また、全データから
不要信号成分が見つからなかったときは、ステップS2
06において全データを出力するように設定されている
ため、S1,・・・,Skのデータを出力すれば、想定し
た加速度のデータのみを出力することができる。例え
ば、図10(c)では、k=4となり、Sj3、Sj4
のデータ(それぞれ、S5、S6に記憶されていたデー
タ)は除去され、Sj1,Sj2,Sj5,Sj6のデ
ータ(それぞれ、S1〜S4に記憶されていたデータ)
のみが出力される。そして、最後にステップSeで終了
する。
【0065】上述のような不要信号棄却処理の処理結果
は、平均値変動検出回路20から加速度補償積分回路1
1へ出力され、以降実施の形態1と同様に動作する。
【0066】この実施の形態3では、図8を用いて説明
した処理をソート回路19及び平均値変動検出回路20
の処理として説明したが、汎用プロセッサによるソフト
ウェア処理としてもよい。その場合には、実施の形態1
で説明した図2の処理ステップS101とステップS1
02の間に図8の処理を挿入し、ステップS207の出
力値S1,・・・,Skは、図2のSjk(k=1,・・
・,N)として用いられる。
【0067】この実施の形態3では、想定した加速度以
外で移動する目標物からの反射波のデータ、すなわち不
要信号成分を含まずに積分路上の電力和Pijを得るこ
とができるため、より正確に想定した加速度で移動する
目標物からの反射波を検知することができる。
【0068】実施の形態4.実施の形態4は、実施の形
態3とは異なる方法により、不要信号成分を棄却し、想
定した加速度で移動する目標物からの反射波を正確にと
らえようとするレーダ装置の実施の形態である。
【0069】この発明の実施の形態4を図11を用いて
説明する。図11はこの実施の形態4のレーダ装置の構
成を表す機能ブロック図であり、図11において、図1
又は図7と同一の符号は同一又は相当の部分を表す。2
1はソート回路19によりソートされた複数のセルを二
つの領域に分割し、それぞれの領域の平均電力の比を計
算することにより、棄却するセルを決定する電力比変動
検出回路である。
【0070】次に動作について説明する。基本的な動作
は、実施の形態3で説明したものと同様であるので、こ
の実施の形態4の特徴的な動作について図12を用いて
説明する。図12は、図11のソート回路19、電力比
変動検出回路21の動作を説明するフローチャートであ
る。ステップS301がソート回路19の行う処理、ス
テップS302〜S309が電力比変動検出回路21の
行う処理である。
【0071】まず、ソート回路19が加速度補償設定回
路10から積分路上にあるセルを受け取ると、ステップ
S0から処理を開始し、ステップS301にて、電力の
小さい順にソートし、その結果を次の電力比変動検出回
路21へ出力する。次に、ステップS302に移り、2
つの領域電力比を計算する境界を表す変数jを1に初期
化する。
【0072】次のステップS303では、j番目のセル
で分割される2つの領域の平均電力比P(j)を計算す
る。例えば、図10(b)のソート回路出力を用いてこ
の処理を説明すると、j=4のとき、1つの領域はS1
〜S4までのセル、他方の領域はS5〜S6までの領域
に分けられ、両領域の平均電力の比を計算する。
【0073】具体的には、1〜j番目のセル( S1〜
Sj)の平均電力P01(j)と、j+1〜N番目のセ
ル( Sj+1〜SN )の平均電力P02(j)を以下
の式で求め、最終的に電力比P(j)を求める。
【0074】
【数5】
【0075】次に、ステップS304に移り、j<Nか
どうかを判断する。j<Nのときは、ステップS305
でjに1を加算した後、ステップS303に戻って、次
の境界jについて同様の処理を繰り返す。一方、j<N
でないときは、次のステップS306に移る。結果とし
て、ステップS306に移るときには、ステップS30
3の繰り返しにより、N−1個の電力比P(j)が計算
されている。
【0076】ステップS306では、ステップS303
で計算したN−1個の電力比P(j)のうち、電力比が
最も大きいものを選択し、そのときの電力比をP、その
境界セルの番号をjとして記憶する。
【0077】次に、ステップS307に移り、ステップ
S306で得られた最大電力比Pとしきい値Th2を比
較し、Th2>Pかどうかを調べる。ステップS306
までの処理では、得られたセルを2つの領域に分割する
ため、得られる境界セルjの最大値はN−1である。従
って、N番目のセルが不要成分信号であるか否かは判断
されていない。このステップS307の処理は、この判
断を行うための処理である。最大電力比Pが大きい場合
には、不要信号成分である可能性が大きく、逆に小さい
場合には、不要信号成分である可能性が小さいため、し
きい値Th2はこの点を考慮し、N番目のセルが不要信
号成分か否かを判断するために適切な値が設定される。
Th2>Pであるときは、不要信号成分でない可能性が
高いため、ステップS308で境界を表す変数jにN
(すなわち、N番目のセルも棄却せずに出力する)を代
入し、ステップS309に移る。一方、Th2>Pでな
いときは、不要信号成分である可能性が高いため、その
まセルテップS309に移る。
【0078】ステップS309では、1〜j番目のセル
のデータ(S1〜Sj)を次の加速度補償積分回路11
へ出力する。このとき、j+1番目以降のデータは、ス
テップS307までの処理において、不要信号成分であ
ると判断されたため、出力されず棄却される。そして、
最後にステップSeで以上説明した不要信号棄却処理が
終了する。
【0079】この実施の形態4では、図12を用いて説
明した処理をソート回路19及び電力比変動検出回路2
1の処理として説明したが、汎用プロセッサによるソフ
トウェア処理としてもよい。その場合には、実施の形態
1で説明した図2の処理ステップS101とステップS
102の間に図12の処理を挿入し、ステップS309
の出力値S1,・・・,Sjは、図2のSjk(k=1,
・・・,N)として用いられる。
【0080】この実施の形態4では、想定した加速度以
外で移動する目標物からの反射波のデータ、すなわち不
要信号成分を含まずに積分路上の電力和Pijを得るこ
とができるため、より正確に想定した加速度で移動する
目標物からの反射波を検知することができる。
【0081】実施の形態5.実施の形態5は、上記の実
施の形態とは異なる方法により、不要信号成分を棄却
し、想定した加速度で移動する目標物からの反射波を正
確にとらえようとするレーダ装置の実施の形態である。
【0082】この発明の実施の形態5を図13を用いて
説明する。図13はこの実施の形態5のレーダ装置の構
成を表す機能ブロック図であり、図13において、図1
又は図7と同一の符号は同一又は相当の部分を表す。2
2はソート回路19によりソートされた複数のセルにつ
いて、電力の小さいセルから順に隣り合う二つの信号の
電力比を計算していき、その電力比に基づき棄却するセ
ルを決定し、残りのセルを出力するピーク値変動検出回
路である。
【0083】次に動作について説明する。基本的な動作
は、実施の形態3で説明したものと同様であるので、こ
の実施の形態5の特徴的な動作について図14を用いて
説明する。図14は、図13のソート回路19、ピーク
値変動検出回路22の動作を説明するフローチャートで
ある。ステップS401がソート回路19の行う処理、
ステップS402〜S407がピーク値変動検出回路2
2の行う処理である。
【0084】まず、ソート回路19が加速度補償設定回
路10から積分路上にあるセルを受け取ると、ステップ
S0から処理を開始し、ステップS401にて、電力の
小さい順にソートし、その結果を次のピーク値変動検出
回路22へ出力する。次に、ステップS402に移り、
比較するセルを示す変数jを1に初期化する。
【0085】次に、ステップS403に移り、j番目の
セルとj+1番目のセルを比較する。比較はSj+1>
K3・Sjの式を用いて行う。ここで、係数K3は不要
信号成分が出力されないようにすることを考慮し、適切
な値を設定する。係数K3が大きすぎると不要信号成分
が出力されやすくなり、逆に小さすぎると不要信号成分
のみならず必要な信号成分まで除去されてしまう。Sj
+1>K3・Sjでないときは、j+1番目のセルは不
要信号成分ではないと判断され、次のステップS404
に移る。一方、Sj+1>K3・Sjであるときは、j
+1番目のセルは不要信号成分であると判断されるた
め、ループを抜けステップS406に移る。
【0086】ステップS404は、すべてのセルについ
て調べたかどうかを判断する。j<Nのときは、ステッ
プS405で変数jに1を加算後、ステップS403に
戻り次のセルについて同様の処理を行う。一方、j<N
でないときは、ループ処理をやめ、次のステップS40
6に移る。
【0087】ステップS406では、変数jにNを代入
する。すなわち、ステップS404により全セルが不要
信号成分ではないと判断されため、次のステップS40
7で全セルを出力するように指定するためである。
【0088】次に、ステップS407に進み、1〜j番
目のセルを出力する。ここまでの処理により、j番目の
セルまでには不要信号成分が含まれていないと判断され
ており、これらのセルのデータを加速度補償積分回路1
1へ出力する。一方、j+1番目以降のセルのデータは
不要信号成分であるため出力しない。そして、最後にス
テップSeに移って不要信号成分棄却処理が完了する。
【0089】この実施の形態5では、図14を用いて説
明した処理をソート回路19及び電力比変動検出回路2
1の処理として説明したが、汎用プロセッサによるソフ
トウェア処理としてもよい。その場合には、実施の形態
1で説明した図2の処理ステップS101とステップS
102の間に図14の処理を挿入し、ステップS407
の出力値S1,・・・,Sjは、図2のSjk(k=1,
・・・,N)として用いられる。
【0090】この実施の形態5では、想定した加速度以
外で移動する目標物からの反射波のデータ、すなわち不
要信号成分を含まずに積分路上の電力和Pijを得るこ
とができるため、より正確に想定した加速度で移動する
目標物からの反射波を検知することができる。
【0091】実施の形態6.実施の形態6は、位相差の
検出結果に基づいて目標の有無を判断するレーダ装置の
実施の形態である。
【0092】この発明の実施の形態6を図15を用いて
説明する。図15はこの実施の形態6のレーダ装置の構
成を表す機能ブロック図であり、図1と同一の符号は同
一又は相当の部分を表す。9は図1のメモリ回路9と同
様のものであるが、記憶するデータが異なりコヒーレン
ト積分回路7から出力されるCPI単位で処理された複
素信号を蓄える。すなわち、複素信号を蓄える動作を所
定の回数繰り返したら、その蓄えていた信号を出力する
メモリ回路である。メモリ回路9には、N(CPI)×
n(ドップラーセル)の複素信号が蓄えられる。また、
この複素信号は、実部と虚部により、振幅及び位相の情
報が含まれる。
【0093】23は目標の加速度が等加速度であると仮
定して補償する加速度を設定し、その加速度に基づいて
CPIごとに変化するドップラー周波数を計算し、N
(CPI)×n(ドップラーセル)の複素信号の位相変
動量を計算する探索路を設定する加速度補償設定回路、
24は加速度補償設定回路が設定した探索路に基づき位
相変動量を計算する位相変動量検出回路である。メモリ
回路12、終了判定回路13、メモリ回路14は実施の
形態1と同様のものであるが、記憶されるデータが振幅
値に基づく積分結果ではなく、上記の位相変動量である
点で異なる。25は、メモリ回路14に記憶されたn
(ドップラーセル)×A(加速度)の位相変動量につい
て、予め定められたしきい値Th3よりも小さい位相変
動量を検出することによって目標を検出する目標検出回
路である。
【0094】次に動作について説明する。まず、メモリ
回路9は、コヒーレント積分回路7によって出力された
複素信号を予め定められた量(n×N)だけ蓄える。そ
して、この複素信号は加速度設定回路23に伝えられ
る。加速度補償設定回路23では、初期セルiと加速度
Ajを設定し、位相変動量計算の探索路を初期セルi及
び加速度Ajから求める。そして、この探索路上の複素
信号、初期セルi及び加速度Ajを次の位相変動量検出
回路24へ出力する。
【0095】位相変動量検出回路24では、受け取った
複素信号より隣り合う探索路上のセルの位相差(測定
値)と初期セルi及び加速度Ajより求まる位相差の理
論値を求める。そして、両者の値より位相変動量σij2
を算出する。目標が設定された条件(初期セルi,加速
度Aj)で移動している場合には、測定値は上記理論値
と同じになるため、位相変動量σij2が小さいほど、設
定された条件に目標がある可能性が高い。
【0096】この位相変動量σij2は、メモリ回路12
に蓄えられ、j個の位相変動量σij2を蓄えた後、次の
終了判定回路13に出力する。終了判定回路13では、
n×A個の位相変動量σij2を蓄えた後、まとめて次の
メモリ回路14へ出力する。次の目標検出回路25で
は、n×A個の位相変動量σij2についてしきい値Th
3よりも小さいものを目標として検出する。
【0097】図16は、上記の加速度補償設定回路1
0、位相変動量検出回路24、目標検出回路25等の処
理を説明するフローチャートである。このフローチャー
トにおいて、ステップS501及びS502は加速度補
償設定回路23、ステップS503〜S505は位相変
動量検出回路24、ステップS510は目標検出回路2
5がそれぞれ行う処理である。
【0098】メモリ回路9に、n×Nの複素信号が蓄え
られると、ステップS501に移り、初期セルを設定
し、処理中の加速度の番号を表す変数jを1に初期化す
る。初期セルNcell0は変数iで表される番号のセルで
あり、最初にこのステップS501を実行するときはi
=1に設定される。
【0099】次に、ステップS502に移り、目標加速
度Ajを設定し、初期セルiと加速度Ajから探索路を
求める。そして、この探索路上にあるのセルSjkの複
素信号を抽出する。初期セルの設定法及び加速度の設定
法は、実施の形態1又は2で示したのと同様の方法で行
うことができる。
【0100】続いて、ステップS503に移り、探索路
上の隣り合うセル間の計測位相差 dΦk=Φk+1−Φk (k=1,・・・,N−1) を算出する。ここで、Φkはk番目のセルの位相であ
る。その結果、N−1個の計測位相差dΦkを得る。
【0101】次に、ステップS504に移り、想定した
加速度Ajの理論位相差dΦ0kを算出する。ステップS
505では、位相変動量を算出する。位相変動量は以下
の式で求めることができる。
【0102】
【数6】
【0103】続いて、ステップS506では、全ての加
速度について処理が終了したかが判断され、j≧Aでは
ないと判断されたときは、ステップS507でjに1を
加算した後、ステップS502に戻り次の加速度につい
て同様の処理を行う。j≧Aのときは、次のステップS
508に移る。ステップS508では、全ての初期セル
について処理を終了したかが判断される。i≧Nではな
いと判断されたときは、ステップS509で、iに1を
加算した後、ステップS501に戻り次の初期セルにつ
いて同様の処理を行う。i≧Nのときは、次のステップ
S510に移る。
【0104】ステップS510では、ステップS508
までの処理によって得られた位相変動量に基づき、目標
検出を行う。目標検出の方法は、n×A個の(全ての)
位相変動量から、予め設定されたしきい値Th3以下の
位相変動量を探し、その位相変動量を持つ探索路に目標
があると判断することによって行う。最終的にステップ
Seで、以上の目標検出処理が終了し、その結果が警報
回路16に出力される。
【0105】警報回路16では、目標ありと判定された
ドップラーセルについて目標有りの警報を発生する。
【0106】この実施の形態6では、目標検出処理を加
速度設定回路23、位相変動量検出回路24、目標検出
回路25によって行ったが、汎用プロセッサによるソフ
トウェア処理として、図16に示した処理を行ってもよ
い。また、加速度補償設定回路23で設定される加速度
は、等加速度だけでなく、実施の形態2で説明したよう
な非等加速度であってもよい。
【0107】この実施の形態6は以上のように構成され
るため、加速度運動による目標検出性能の劣化を防止で
き、加速度目標であっても正確にとらえることができ
る。
【0108】実施の形態7.実施の形態7は、不要と思
われる積分路を棄却することにより、演算量を減らし高
速処理を実現する実施の形態である。
【0109】図17は、この実施の形態7のレーダ装置
の構成を示す機能ブロック図である。図17において、
図5と同一の符号は同一又は相当の部分を表す。26は
セルの電力に基づき不要な積分路を棄却しながら、積分
路を設定する積分路選択回路である。
【0110】次に動作について説明する。基本的な動作
は実施の形態2と同様であるので、この実施の形態7に
特徴的な部分について説明する。図18は、積分路選択
回路26の積分路選択処理を説明するフローチャートで
ある。まず、振幅検波回路8からの振幅値データがメモ
リ回路9に蓄積されると、ステップS0から処理が開始
され、ステップS600において、j=1,m0=1の
初期化を行う。ここで、jはCPI番号、m0は積分路
の番号を表している。ステップS601において、1C
PIにおける初期セルをPATH(j,m0)に代入す
る。PATH(j,m0)はjCPI目まで積分路の設
定されているm0番目の積分路を表している。
【0111】ステップS602において、jCPIにお
いて選択されているセルを取り出し、S0(j,m0)
とおく。ステップS603において、S0(j,m0)
を初期セルとするjCPIからj+1までの積分路の候
補を選択する。ステップS604において、ステップS
603により選択された積分路の各候補について積分の
対象となるセルS(j+1,m0,k) (k=1,
2,・・・)を設定する。ステップS605において、
S(j+1,m0,k)の電力の大きい方から予め定め
られた数Lだけ選択する。
【0112】ステップS606において、PATH
(j,m0,k)に続くj+1CPI目まで設定されて
いる積分路として新たにL個生成されたので、j+1C
PIまで設定されている積分路PATH(j+1,m1
0)(m10は現時点でj+1CPI目まで決定されて
いる積分路を表す番号)の他に新たにL個用意して、用
意したL個の積分路にj+1CPIの選択セルS(j+
1,m0,k)をそれぞれ付加し、積分路PATH(j
+1,m1)を生成する。一般にjCPIでは、j−1
CPIまでに設定されたそれぞれの積分路に、新たにL
個の新しい積分路が設定されるから、jCPIまでは積
分路の個数はLのj−1乗となる。
【0113】ステップS607では、m0がLをj−1
乗したものに等しいとき、ステップS609に移行す
る。それ以下の個数ではステップS608でm0に1を
加算し、ステップS602に戻り、次の積分路について
j+1CPIまでの積分路を設定する。ステップS60
9においては、j=Nのときは積分路が決定したものと
してステップS611に移行する。それ以外では、j+
1CPIまでの積分路を設定するため、ステップS61
0でjに1を加算するとともにm0を1に初期化し、ス
テップS602へ戻り、次のセルについて同様の処理を
繰り返す。
【0114】ステップS611において、全ての初期セ
ルについて以上のステップS600〜610までの処理
が終わったかどうかを判断し、終わっていないときに
は、ステップS600に戻り、次の初期セルについて同
様の処理を行う。一方、全ての初期セルについて終了し
たと判断されたときには、ステップSeに移り、積分路
設定処理を終了する。
【0115】以降、実施の形態2と同様に動作する。た
だし、ステップS611の処理が終了した時点で全ての
積分路が設定済みであるため、一回のパスで目標検出ま
で行われ、実施の形態2で行われていた全セル終了及び
全加速度終了信号の送受信は不要になる。
【0116】この実施の形態7では、ステップS605
において示したように不要と思われる積分路を棄却して
いるため、爆発的に増大する積分路の数を抑制し、目標
検出を高速に行うことができる。
【0117】実施の形態8.実施の形態8は、積分路の
設定間隔を適切に設定することにより、目標信号の劣化
を防止する実施の形態である。
【0118】図19は、この発明の実施の形態8による
レーダ装置の構成を説明する機能ブロック図である。図
19において、図1と同一の符号は同一または相当の部
分を表す。27はコヒーレント積分回路7において使用
される重みを設定する重み回路、50は重み回路27に
より設定された重みのフィルタ形状をもとに、加速度補
償設定回路10において補償する加速度の間隔を設定
し、その間隔を加速度補償設定回路10に伝達する積分
間隔設定回路である。
【0119】次に動作について説明する。送信機2と送
信アンテナ1によって発射された電波が飛行機等に反射
して生成される目標信号が受信アンテナ3により受信さ
れる。その後、実施の形態1と同様に動作し、CPI単
位でメモリ回路6から重み回路27に信号が伝達され
る。重み回路27は信号対雑音電力比の改善効果、他の
ドップラー周波数の漏れ込み成分等を制御するため重み
を設定して入力信号に乗算した後出力する。
【0120】重み回路27で設定された重みは加速度補
償積分回路11の特性に影響する。図20は重み回路2
7で設定された重みと加速度補償積分回路11の特性の
関係について示している。横軸は目標の加速度、縦軸は
インコヒーレント積分した結果の電力を表している。加
速度の補償間隔をdとする時、目標加速度aを想定して
インコヒーレント積分を行なった特性と目標加速度a+
dを想定してインコヒーレント積分を行なった特性か
ら、どちらの積分を行なってもpdだけ電力が劣化する
目標加速度bが計算される。
【0121】加速度補償積分回路11の特性は重み回路
27で設定された重みと対応するため、補償間隔dと電
力の劣化の最大値pdは重みを設定すると一意的に対応
する。積分間隔設定回路28は、あらかじめ設定された
インコヒーレント積分による電力劣化の許容度pdと重
み回路27において使用されている重みから補償間隔d
を設定し、加速度補償設定回路10と終了判定回路13
に伝達する。加速度補償設定回路10と終了判定回路1
3は伝達された補償間隔dにより積分路を設定し、以
降、実施例1と同様に動作する。
【0122】この実施の形態8では、加速度補償間隔を
適切に設定することにより、信号の劣化を許容度内に抑
えることができるため、加速度運動による目標検出性能
の劣化を確実に防止することができる。
【0123】ところで、上述の実施の形態1〜5、7、
8では、振幅検波器8を使用して検波を行なっている
が、二乗検波器等を用いても検波が行なえる。また、目
標検出処理を行なう際、目標検出の対象となる注目セル
の近辺のセルの平均電力からスレッショルドを計算して
いるが、固定されたスレッショルドを使用した処理、ピ
ーク電力を検出する処理等の他の処理によっても目標検
出処理が行なえる。
【0124】
【発明の効果】この発明は、以上に説明したように構成
されているので、以下に記載されるような効果を奏す
る。予め定められた時間間隔でレーダ受信信号を周波数
成分毎の複数のセルに分解して出力するコヒーレント積
分手段と、コヒーレント積分手段より出力されたセルに
ついて振幅検波又は二乗検波を行う検波手段と、検出す
べき目標の予測加速度を予め設定する加速度設定手段
と、時間間隔に対応した初期セルを順次選択し、初期セ
ルと予測加速度とから目標が存在すると予想されるセル
を選択することで積分路を設定するとともに、この積分
路上にあるセルの振幅値の和又は電力和を算出するイン
コヒーレント積分手段と、インコヒーレント積分手段か
ら出力された結果に基づき目標を検出する検出手段とを
備えたため、加速している目標が存在しても目標の検出
ができる。
【0125】また、予測加速度は時間に応じて変化する
ため、非等加速度で加速していない目標が存在しても目
標の検出ができる。
【0126】また、インコヒーレント積分手段は、時間
間隔に対応した初期セルを順次選択し、初期セルと予測
加速度とから目標が存在すると予想されるセルを選択す
ることで積分路を設定する積分路設定手段と、積分路上
におけるセルのうち、1つの注目するセルを注目セルと
し、この注目セルよりも小さい電力を持つセルの平均電
力と、この注目セルの電力との電力比率を検出し、この
検出結果により不要信号成分として棄却するセルと必要
な信号成分として出力するセルとを判別する不要信号検
出手段と、この不要信号検出手段により出力されたセル
について、電力和を算出する積分手段とを備えたため、
加速度設定手段により設定された加速度以外で移動する
目標が存在しても、当該目標からの信号はインコヒーレ
ント積分手段において、積分されないため正確に目標を
とらえることができ、また、誤警報を防止することがで
きる。
【0127】また、インコヒーレント積分手段は、時間
間隔に対応した初期セルを順次選択し、初期セルと予測
加速度とから目標が存在すると予想されるセルを選択す
ることで積分路を設定する積分路設定手段と、積分路上
におけるセルのうち、1つの注目するセルの持つ電力以
下のセルの集合である第1の集合と、注目するセルより
も大きな電力を持つセルの集合である第2の集合とに分
割し、第1の集合と第2の集合の平均電力の差に基づ
き、第2の信号を不要信号成分としてセルから棄却する
か否かを判断することによって、セルのうちの不要信号
成分を棄却して残りのセルを出力する不要信号検出手段
と、この不要信号検出手段により出力されたセルについ
て、電力和を算出する積分手段とを備えたため、加速度
設定手段により設定された加速度以外で移動する目標が
存在しても、当該目標からの信号はインコヒーレント積
分手段において、積分されないため正確に目標をとらえ
ることができ。また、誤警報を防止することができる。
【0128】また、インコヒーレント積分手段は、時間
間隔に対応した初期セルを順次選択し、初期セルと予測
加速度とから目標が存在すると予想されるセルを選択す
ることで積分路を設定する積分路設定手段と、積分路上
におけるセルを電力の大きさに従って順番に並び替える
ソート手段と、このソート手段によって並び替えられた
セルについて、隣りあうセル同士の電力比率を検出し、
この検出結果により不要信号成分として棄却するセル
必要な信号成分として出力するセルとを判別する不要信
号検出手段と、この不要信号検出手段により出力された
セルについて、電力和を算出する積分手段とを備えたた
め、加速度設定手段により設定された加速度以外で移動
する目標が存在しても。当該目標からの信号はインコヒ
ーレント積分手段において、積分されないため正確に目
標をとらえることができ、また、誤警報を防止すること
ができる。
【0129】また、積分路設定手段は、セルの電力に基
づいて積分路を選択することにより、積分路を設定する
際に目標が存在する可能性が高いセルをその電力で判断
し動的にセルを選択するため、積分路の設定数を減らす
ことができ、高速に処理を行うことができる。
【0130】また、レーダ受信信号に予め定められた重
みを乗算する重み付け手段をさらに備え、加速度設定手
段は、重みに基づき、インコヒーレント積分手段から出
力される信号の劣化が予め定められた値以下となるよう
に、予測加速度の設定間隔を設定し、この設定間隔によ
り複数の予測加速度を出力し、インコヒーレント積分手
段は、複数の予測加速度ごとに積分路を設定することに
より、重みを考慮して加速度の間隔を設定するため、重
みが変化した場合にも信号の劣化を予め定められた範囲
内に抑えることができ、目標の検出精度を向上すること
ができる。
【0131】また、予め定められた時間間隔でレーダ受
信信号を周波数成分毎の複数のセルに分解して出力する
コヒーレント積分手段と、検出すべき目標の予測加速度
を予め設定する加速度設定手段と、上記予測加速度に基
づき、上記予め定められた時間間隔毎に対応して、上記
複数のセルのうちで上記目標の信号が存在すると予想さ
れるセルを選択セルとして選択することにより探索路を
設定する探索路設定手段と、受信時間順に並べられた上
記選択セルの隣り合う選択セル同士の位相差を計測位相
差として検出する計測位相差検出手段と、上記予測加速
度に基づき、上記選択セル同士の位相差の理論値を基準
位相差として算出する理論位相差算出手段と、対応する
上記計測位相差と基準位相差との誤差に基づいて目標を
検出する検出手段とを備えたため、加速している目標が
存在しても目標の検出ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるレーダ装置
の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における加速度補償
の積分処理を説明するフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1において、初期セル
を変化させたときのセルの積分路を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1において、加速度を
変化させたときのセルの積分路を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2におけるレーダ装置
の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態2において、非等加速
度で変化させたときのセルの積分路を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態3におけるレーダ装置
の構成を示す機能プロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態3における不要信号棄
却処理を説明するフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態3におけるインコヒー
レント積分の積分路と電力の強さを説明する図である。
【図10】 この発明の実施の形態3におけるソート回
路等の出力値を説明するグラフである。
【図11】 この発明の実施の形態4におけるレーダ装
置の構成を示す機能プロック図である。
【図12】 この発明の実施の形態4における不要信号
棄却処理を説明するフローチャートである。
【図13】 この発明の実施の形態5におけるレーダ装
置の構成を示す機能ブロック図である。
【図14】 この発明の実施の形態5における不要信号
棄却処理を説明するフローチャートである。
【図15】 この発明の実施の形態6におけるレーダ装
置の構成を示す機能ブロック図である。
【図16】 この発明の実施の形態6における目標検出
処理を説明するフローチャートである。
【図17】 この発明の実施の形態7におけるレーダ装
置の構成を示す機能ブロック図である。
【図18】 この発明の実施の形態7における積分路設
定処理を説明するフローチャートである。
【図19】 この発明の実施の形態8におけるレーダ装
置の構成を示す機能ブロック図である。
【図20】 この発明の実施の形態8におけるインコヒ
ーレント積分の特性を表す図である。
【図21】 従来のレーダ装置の構成を示す機能ブロッ
ク図である。
【図22】 従来のインコヒーレント積分を行なう装置
の構成を示す機能プロック図である。
【図23】 従来のコヒーレント積分装置の構成を示す
機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 送信アンテナ、 2 送信機、 3 受信アンテ
ナ、 4 受信機、 5A/D変換器、 6 メモリ回
路、 7 コヒーレント積分回路、 8 振幅検波回
路、 9 メモリ回路、 10 加速度補償設定回路、
11 加速度補償積分回路、 12 メモリ回路、
13 終了判定回路、 14 メモリ回路、 15 目
標検出回路、 16 警報回路、 17 非等加速度補
償設定回路、 18 非等加速度補償積分回路、 19
ソート回路、 20 平均値変動検出回路、 21
電力比変動検出回路、 22 ピーク値変動検出回路、
24 位相変動量検出回路、 25 目標検出回路、
26 積分路選択回路、27 重み回路、 28 積
分間隔設定回路、 51 インコヒーレント積分回路、
52 目標検出回路、 53 マッチトフィルタ回路
フロントページの続き (72)発明者 上等 泰吉 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 藤坂 貴彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−179037(JP,A) 特開 平4−264285(JP,A) 特開 平7−248373(JP,A) 特開 平7−43449(JP,A) 特開 平5−223918(JP,A) 特開 昭60−220880(JP,A) 特開 平3−89187(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定められた時間間隔でレーダ受信信
    号を周波数成分毎の複数のセルに分解して出力するコヒ
    ーレント積分手段と、上記コヒーレント積分手段より出
    力されたセルについて振幅検波又は二乗検波を行う検波
    手段と、検出すべき目標の予測加速度を予め設定する加
    速度設定手段と、時間間隔に対応した初期セルを順次選
    択し、上記初期セルと予測加速度とから上記目標が存在
    すると予想されるセルを選択することで積分路を設定
    し、上記積分路上にあるセルの振幅値の和又は電力和を
    算出するインコヒーレント積分手段と、上記インコヒー
    レント積分手段から出力された結果に基づき目標を検出
    する検出手段とを備えたことを特徴とするレーダ装置。
  2. 【請求項2】 予測加速度は時間に応じて変化すること
    を特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 【請求項3】 インコヒーレント積分手段は、時間間隔
    に対応した初期セルを順次選択し、上記初期セルと予測
    加速度とから目標が存在すると予想されるセルを選択す
    ることで積分路を設定する積分路設定手段と、上記積分
    路上におけるセルのうち、1つの注目するセルを注目セ
    ルとし、この注目セルよりも小さい電力を持つセルの平
    均電力と、この注目セルの電力との電力比率を検出し、
    この検出結果により不要信号成分として棄却するセル
    必要な信号成分として出力するセルとを判別する不要信
    号検出手段と、この不要信号検出手段により出力された
    セルについて、電力和を算出する積分手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のレーダ装置。
  4. 【請求項4】 インコヒーレント積分手段は、時間間隔
    に対応した初期セルを順次選択し、上記初期セルと予測
    加速度とから目標が存在すると予想されるセルを選択す
    ることで積分路を設定する積分路設定手段と、上記積分
    路上におけるセルのうち、1つの注目するセルの持つ電
    力以下のセルの集合である第1の集合と、上記注目する
    セルよりも大きな電力を持つセルの集合である第2の集
    合とに分割し、上記第1の集合と上記第2の集合の平均
    電力の差に基づき、上記第2の信号を不要信号成分とし
    セルから棄却するか否かを判断することにより、上記
    セルのうちの不要信号成分を棄却して残りのセルを出力
    する不要信号検出手段と、この不要信号検出手段により
    出力されたセルについて、電力和を算出する積分手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のレー
    ダ装置。
  5. 【請求項5】 インコヒーレント積分手段は、時間間隔
    に対応した初期セルを順次選択し、上記初期セルと予測
    加速度とから目標が存在すると予想されるセルを選択す
    ることで積分路を設定する積分路設定手段と、上記積分
    路上におけるセルを電力の大きさに従って順番に並び替
    えるソート手段と、このソート手段によって並び替えら
    れたセルについて、隣りあうセル同士の電力比率を検出
    し、この検出結果により不要信号成分として棄却する
    と必要な信号成分として出力するセルとを判別する不
    要信号検出手段と、この不要信号検出手段により出力さ
    れたセルについて、電力和を算出する積分手段とを備え
    たことを特徴とする請求項1又は2に記載のレーダ装
    置。
  6. 【請求項6】 積分路設定手段は、セルの電力に基づい
    て積分路を選択することを特徴とする請求項3から5の
    いずれかに記載のレーダ装置。
  7. 【請求項7】 レーダ受信信号に予め定められた重みを
    乗算する重み付け手段をさらに備え、加速度設定手段
    は、上記重みに基づき、インコヒーレント積分手段から
    出力される信号の劣化が予め定められた値以下となるよ
    うに、予測加速度の設定間隔を設定し、この設定間隔に
    より複数の上記予測加速度を出力し、上記インコヒーレ
    ント積分手段は、複数の上記予測加速度ごとに積分路を
    設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のレー
    ダ装置。
  8. 【請求項8】 予め定められた時間間隔でレーダ受信信
    号を周波数成分毎の複数のセルに分解して出力するコヒ
    ーレント積分手段と、検出すべき目標の予測加速度を予
    め設定する加速度設定手段と、上記予測加速度に基づ
    き、上記予め定められた時間間隔毎に対応して、上記複
    数のセルのうちで上記目標の信号が存在すると予想され
    るセルを選択セルとして選択することにより探索路を設
    定する探索路設定手段と、受信時間順に並べられた上記
    選択セルの隣り合う選択セル同士の位相差を計測位相差
    として検出する計測位相差検出手段と、上記予測加速度
    に基づき、上記選択セル同士の位相差の理論値を基準位
    相差として算出する理論位相差算出手段と、対応する上
    記計測位相差と上記基準位相差との誤差に基づいて目標
    を検出する検出手段とを備えたことを特徴とするレーダ
    装置。
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