JP3080293B2 - 地盤改良工法 - Google Patents

地盤改良工法

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JP3080293B2 JP06182085A JP18208594A JP3080293B2 JP 3080293 B2 JP3080293 B2 JP 3080293B2 JP 06182085 A JP06182085 A JP 06182085A JP 18208594 A JP18208594 A JP 18208594A JP 3080293 B2 JP3080293 B2 JP 3080293B2
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高圧ジェット噴流を地
中に注入し固結杭を造成する地盤改良工法に関し、より
詳細には、造成される固結杭の形状を改善する事ができ
る地盤改良工法に関する。
【0002】
【従来の技術】高圧ジェット噴流を地中に注入し固結杭
を造成し地盤を改良する工法は知られており、そのよう
な工法の代表的なものとして、ジェット・グラウト工法
とケミカル・チャーニング・パイル工法とがある。ジェ
ット・グラウト工法は、超高圧噴流とそれを取囲むエア
とにより地盤を切削し、その空隙に硬化材を流入充填し
固結杭を造成する工法であり、ケミカル・チャ−ニング
・パイル工法は、硬化材を地盤中に超高圧で噴射してそ
の破壊力で地盤を切削し、地盤中に固結杭を造成する工
法である。
【0003】ところで、かかる地盤改良工法において、
地盤を切削する範囲の径が大きく仕上がると材料のロス
や多量のスライムの流出等の問題が発生する。そのた
め、例えば特願平5−346020号では、対になった
ノズルからいわゆる「交差噴流」を噴射して、掘削径を
正確に制御する技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、交差噴
流を用いた地盤改良工法の場合、図9に示すように地中
に挿入する管6から噴射する交差噴流K1、K2は相互
に衝突するようにその噴射方向が設定されているため、
造成される固結杭Pの形状は上下の端部が円錐形状にな
る。一方、造成される固結杭の形状は、その端部が円板
状に形成された円柱形あるいは円筒形であることが望ま
しいが、従来の交差噴流を利用した地盤改良工法におい
ては、上述のとおり不可能であった。
【0005】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みて提案されたもので、交差噴流を利用して円柱形あ
るいは円筒形の固結杭を造成することができる地盤改良
工法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の地盤改良工法
は、高圧ジェット噴流により地中に固結杭を造成するに
際し、地中に挿入する管の長手方向に間隔を空けて対を
なすノズルを設け、該ノズルより硬化材または水の高圧
噴流を噴出して交差噴流を形成し、対をなすノズルのい
ずれか一方から高圧噴流が噴射される方向は水平面に対
し平行であり、前記対をなすノズルは、地中に挿入する
管の円周方向へ等間隔に2対配置されており、一方のノ
ズル対では下方のノズルからの噴流が水平面に対して平
行であり、他方のノズル対では上方のノズルからの噴流
が水平面に対して平行であることを特徴としている。
【0007】本発明の実施に際して、前記高圧噴流の周
りを包囲する空気噴流が前記対をなすノズルの各々から
噴射される事が好ましい。
【0008】
【0009】また、2対配置されている前記ノズルは、
その垂直方向位置が等しくなる様に構成することが出来
る。
【0010】或いは、前記2対のノズルの垂直方向位置
が異なっており、下方に位置したノズル対では下方のノ
ズルからの噴流が水平面に対して平行であり、上方に位
置したノズル対では上方のノズルからの噴流が水平面に
対して平行となる様に構成することも可能である。
【0011】
【作用】上述したような構成を具備する本発明の地盤改
良工法によれば、交差噴流を構成する噴流、すなわち対
となったノズルの各々から噴射される噴流のうち、一方
の噴流は水平面に対して平行な方向に噴射される。そし
て、この水平面に対して平行な方向に噴射された噴流に
より上下両端のいずれかは水平に切削される。そして、
それらの水平面に対して平行な方向の噴流は対をなす交
差噴流と交差する点で衝突して切削する半径が決められ
るので掘削箇所の半径方向寸法は高精度で制御される。
【0012】本発明の実施に際して、空気噴流により硬
化材または水の高圧噴流の周りを包囲すれば、大気条件
を満たした複層流体が形成され、地盤に対する切削、攪
拌能力が高められる。すなわち、硬化材または水の高圧
噴流と該高圧噴流の周りを包囲する空気噴流とを噴出す
る事により、空気噴流が硬化材または水の高圧噴流と地
盤との接触に起因する切削抵抗を軽減せしめ、当該抵抗
の分だけ切削効率を向上させて、噴流の到達の制御精度
をより向上させることができる。
【0013】また、本発明によれば、対をなすノズルが
円周方向に2対以上設けられているので、高圧噴流を噴
出する際の反力あるいは反作用の均衡を保つことができ
る。
【0014】すなわち、2対以上設けられているノズル
対を地中に挿入される管の円周方向で等間隔に設けれ
ば、反力も等間隔で作用するので、その反力により管が
鉛直方向軸線に対して傾く事がない。
【0015】さらに、2対のノズルの垂直方向位置が等
しくするか、または2対のノズルの垂直方向位置を変異
して配置せしめ、下方に位置したノズル対の下方のノズ
ルから水平面に対して平行な噴流を噴射し、かつ上方に
位置したノズル対の上方のノズルから水平面に対し平行
な噴流を噴射すれば、上下端が水平で円筒形あるいは円
柱形の固結杭が造成される。
【0016】したがって、所望の固結杭が造成される。
より詳細に説明すれば、図6で示す様に、交差噴流を構
成する2対の噴流(噴流HJ1とJとの対、及び噴流H
J2とJとの対)が、それぞれ水平面に対して平行な方
向に噴射される噴流HJ1、HJ2を有する場合には、
コラム状の造成パイルBの頂面TSは噴流HJ1の掘削
作用により水平となり、底面BSは噴流HJ−2の掘削
作用により水平となる。その結果、図6で示す造成パイ
ルBは円筒形状に造成される。これに対して、例えば図
7で示す様に、下方の噴流LJのみが水平に噴射される
場合には、造成されるパイルBの底面BSは水平面とな
るが、頂面TSは円錐形表面となる。一方、図8で示す
様に上側の噴流UJのみが水平に噴射される場合には、
造成パイルBの頂面TSは水平面となるが、底面BSは
円錐面となる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を説
明する。
【0018】図1および図2は本発明を実施する装置の
一例が示されている。
【0019】図1において、発電機1に接続された高圧
ポンプ2は流体回路3を介してスイベルジョイント4に
連結され、そのスイベルジョイント4は地中に挿入され
た管6に連結されている。またスイベルジョイント4の
上部には攪拌処理機5が設けられ、管6には第1のノズ
ル10aと第2のノズル10bとが設けられている。そ
して、図2を参照して、第1のノズル10aは噴流HJ
の噴射方向が水平面に平行になるよう取付けられ、第2
のノズル10bの噴流Jは第1のノズル10aの噴流H
Jと交差するよう構成され、その噴射角度αは可変式と
なっている。
【0020】また、明確に図示されていないが、ジェッ
トHJ1、J1の周り包囲するように空気噴流HJ2、
J2を噴射させ高圧復層噴流HJ、Jとすることができ
るよう構成されている。
【0021】したがって、高圧ポンプ2から液体回路3
を介して水またはセメントミルク、モルタル、薬剤等の
硬化材を噴射し、管6が回転して上下どちらかの方向に
処理機5の位置が移動すると、図に示すように交差噴流
が出会った点Tを半径Rとするコラム状の造成パイルB
が地盤A中にできる。そして、第2のノズル10bの噴
射角αを調整することによりTの位置、すなわち円柱の
半径Rを選択的に決めることができる。
【0022】また、水平面に平行な方向に噴射する第1
のノズル10aが切削する側(図示の例では上部)は平
面になる。
【0023】図3は本発明の別の実施態様を実施する装
置を示し、対をなす第1のノズル10aと第2のノズル
10b、第3のノズル10cと第4のノズル10dとが
管6の円周方向へ等間隔に、すなわち同一直径上に配置
されており、2対のノズルの垂直方向位置は等しくなっ
ている。そして、第3のノズル10cと第4のノズル1
0dの対では下方のノズル10dからの噴流HJが水平
面に平行に噴射され、第1のノズル10aと第2のノズ
ル10bとの対では上方の第1のノズル10aが水平面
に平行に噴流HJが噴射されるよう構成されている。
【0024】したがって、管6を挿入する方向でパイル
を造成する場合は上端位置で作業を開始すれば、第1の
ノズル10aからの水平方向の噴流HJがパイルの上端
を形成する地盤を切削し、第2のノズルからの噴流Jが
硬化材と泥とを攪拌し、管6を回転させながら挿入すれ
ばパイルは下方に向かって造成され、上下方向の高さが
所定高さになったところで管6の上下方向の移動を停止
すれば、第4のノズル10dの位置でパイルの下端が水
平に切削され、上下端が円板上に形成されたパイルが地
中に造成され、その上下方向の高さは管6の上外動の高
さにより決められる。
【0025】図4は本発明の他の実施態様を実施する装
置を示し、対をなす2対のノズルの垂直方向の位置が異
なっていること以外、上記の別の実施例と同じである。
図4の実施例では、同じパイル高さを造成するのに管6
を移動する高さが少なくて済むので、その分だけ施工時
間、施工コストが低減される。その他については、上述
の実施例と同様である。
【0026】図5は、図4と同様な実施例であるが、ノ
ズル対10a、10bとノズル対10c、10dとの間
隔がさらに離隔している。そして、前記間隔が離隔した
分だけ、施工時間、施工コストが更に低減される。その
他の構成及び作用については、上述の実施例と同様であ
るであるため、重複記載は省略する。
【0027】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成されている
ので、以下の優れた効果を奏する。 (1) 造成されるパイルは、その両端が理想的な水平
円形状に形成され、全体として円柱(円筒)状となる。 (2) パイルの直径は、交差噴流により、精度よく設
計値に適合するよう造成される。 (3) 材料の効率的使用ができ、スライム湧出量は抑
制され、工期の短縮と相俟ってコストが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する装置の一実施例を示す側面図
【図2】図1の要部の拡大図。
【図3】本発明の別の実施態様を実施する装置の要部を
示す側面図。
【図4】本発明の他の実施態様を実施する装置の要部を
示す側面図。
【図5】本発明の更に別の実施例を実施する装置の要部
を示す側面図。
【図6】本発明を実施する装置の要部と、造成パイル形
状との関連を示す側面図。
【図7】交差噴流の形態と、造成パイル形状との関連を
示す側面図。
【図8】図7とは異なる形態の交差噴流と、造成パイル
形状との関連を示す側面図。
【図9】従来の技術の例を示す図。
【符号の説明】
A…地盤 B…造成パイル J…高圧複層噴流 J1…液体の高圧噴流 J2…空気の噴流 HJ…水平面に平行な高圧複層噴流 HJ1…水平面に平行な液体の高圧噴流 HJ2…水平面に平行な空気の噴流 1…発電機 2…高圧ポンプ 3…液体回路 4…スイベルジョイント 5…攪拌処理機 6…地中に挿入する管 10a〜10d…ノズル

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧ジェット噴流により地中に固結杭を
    造成するに際し、地中に挿入する管の長手方向に間隔を
    空けて対をなすノズルを設け、該ノズルより硬化材また
    は水の高圧噴流を噴出して交差噴流を形成し、対をなす
    ノズルのいずれか一方から高圧噴流が噴射される方向は
    水平面に対し平行であり、前記対をなすノズルは、地中
    に挿入する管の円周方向へ等間隔に2対配置されてお
    り、一方のノズル対では下方のノズルからの噴流が水平
    面に対して平行であり、他方のノズル対では上方のノズ
    ルからの噴流が水平面に対して平行であることを特徴と
    する地盤改良工法。
  2. 【請求項2】 前記高圧噴流の周りを包囲する空気噴流
    が前記対をなすノズルの各々から噴射される請求項1に
    記載の地盤改良工法。
  3. 【請求項3】 前記2対のノズルの垂直方向位置が等し
    い請求項1、2のいずれか1項の地盤改良工法。
  4. 【請求項4】 2対のノズルの垂直方向位置が異なって
    おり、下方に位置したノズル対では下方のノズルからの
    噴流が水平面に対して平行であり、上方に位置したノズ
    ル対では上方のノズルからの噴流が水平面に対して平行
    である請求項1、2のいずれか1項の地盤改良工法。
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