JP3079960B2 - 電子レンジとガラス板 - Google Patents

電子レンジとガラス板

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JP3079960B2
JP3079960B2 JP07197342A JP19734295A JP3079960B2 JP 3079960 B2 JP3079960 B2 JP 3079960B2 JP 07197342 A JP07197342 A JP 07197342A JP 19734295 A JP19734295 A JP 19734295A JP 3079960 B2 JP3079960 B2 JP 3079960B2
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利光 胡桃沢
守 磯谷
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B6/00Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
    • H05B6/64Heating using microwaves
    • H05B6/6414Aspects relating to the door of the microwave heating apparatus

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  • Electromagnetism (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
  • Constitution Of High-Frequency Heating (AREA)
  • Electric Ovens (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、視認性を改良して調理
物の調理の進行状況の確認を容易にできるようにした電
子レンジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子レンジには調理の進行状況
を確認するための覗き窓を設けている。しかしこの覗き
窓には、全面にパンチングメタルや金網がはめ込まれて
いる。つまり、マグネトロンが放射する2.45GHzのマイ
クロ波が機外に漏洩することを防止しているものであ
る。このパンチングメタルや金網は、数mm程度の径の孔
を有しており、使用者はこの孔を透して調理の進行状況
を観察するようになっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成の電子
レンジは、覗き窓から調理の進行状況を確認することは
可能となっているものであるが、この視認性は十分とは
言えないものである。また従来の電子レンジは、調理を
行う調理庫内にはセルフクリーニング(SC)ホーロー
やフッ素樹脂塗装を施しており、防汚対策を実施してい
るものであるが、覗き窓の窓ガラスには格別の対策を施
していないものである。従って窓ガラスに油が付着する
と、これが堆積してますます視認性が劣化するものであ
る。
【0004】本発明はこのような従来の構成が有してい
る課題を解決するもので、簡単な構成でマイクロ波の機
外への漏洩を防止でき、視認性がよく、しかもガラスの
割れを検知したときには電源スイッチを切るようにした
安全性の高いの良い電子レンジを提供することを第一の
目的としている。また前記第一の目的に関連して、覗き
窓用のガラスの割れを検知できる機能を備えた電子レン
ジを提供することを第二の目的としている。また、更に
ガラスの可視光域中における透明度を高め、視認性の良
い電子レンジを提供することを第三の目的としている。
更に、前記第一の目的と関連して、マイクロ波の漏洩を
効果的に防止できる電子レンジを提供することを第四の
目的としている。また、電子レンジの覗き窓用として使
用した場合に、視認性が良く、かつガラスとしての電気
特性をチェックできる機能を備えたガラス板を提供する
ことを第五の目的としている。また、前記第五の目的に
加えマイクロ波の機外への漏洩を容易に防止できる機能
を備えたガラス板を提供することを第六の目的としてい
る。また前記第の目的・第の目的に関連して、ガラ
ス基板の表面に設けた膜の接着強度の高いガラス板を提
供することを第の目的としている。更に、防汚性を付
与して容易に透明度を維持することができるガラス板を
提供することを第の目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】第一の目的を達成する本
発明の第一の手段は、可視光域において透明な導電性膜
を表裏の両面に形成したガラス板を覗き窓に用い、前記
導電性膜の一方は筐体と電気的に接続し、他方の導電性
膜は両端に電極を形成し、この電極を使用してガラス板
の割れを検知したときには電源スイッチを切るようにし
電子レンジとするものである。
【0006】第二の目的を達成するための本発明の第二
の手段は、特に電極を有する導電性膜を食品加熱側と反
対側に設け、他方の導電性膜は筐体と電気的に接続した
電子レンジとするものである。
【0007】第三の目的を達成するための本発明の第三
の手段は、特に導電性膜は、酸化インジュウムまたは酸
化錫を主成分とする導電性無機薄膜で構成した電子レン
ジとするものである。
【0008】また第四の目的を達成するための本発明の
第四の手段は、特に、食品加熱側に面する導電性膜は、
面抵抗を10Ω/cm2以下とした電子レンジとするもの
である。
【0009】第五の目的を達成するための本発明の第五
の手段は、ガラス基板の表裏両面に可視光域において透
明な導電性膜を有し、少なくとも一方の面の導電性膜に
は、割れ検知用の電極が両端にそれぞれ少なくとも1個
形成されているガラス板とするものである。
【0010】また第六の目的を達成するための本発明の
第六の手段は、ガラス基板の表裏両面に可視光域におい
て透明な導電性膜を有し、一方の面の導電性膜は周辺を
囲むように形成した電極を、他方の面の導電性膜は両端
に形成したガラス板とするものである。
【0011】第七の目的を達成するための本発明の第七
の手段は、ガラス基板と導電性膜との間にシリカまたは
アルミナシリカを主成分とするアルカリバリヤー膜を形
成したガラス板とするものである。
【0012】また第八の目的を達成するための本発明の
第八の手段は、特に、ガラス基板と導電性膜との間にシ
リカまたはアルミナシリカを主成分とするアルカリバリ
ヤー膜を形成したガラス板とするものである。
【0013】
【作用】本発明の第一の手段は、可視光域において透明
な導電性膜を表裏の両面に形成したガラス板を覗き窓に
用い、一方の導電性膜をこの周囲に設けた電極によって
筐体と電気的に接続し、マイクロ波の機外への漏洩を抑
制し、また他方の導電性膜の両端に形成した電極を使用
してガラス板の割れを検知するようにして、ガラス板が
割れたときには電源スイッチを切るようにして安全性を
高め、また簡単な構成でマイクロ波の機外への漏洩を防
止でき、視認性がよい電子レンジとしている。
【0015】本発明の第二の手段は、食品加熱側と反対
側に設けた電極を有する導電性膜によって、容易にガラ
スの割れを検知することができる電子レンジとしてい
る。
【0016】本発明の第三の手段は、酸化インジュウム
または酸化錫を主成分とする導電性無機薄膜あるいは金
属薄膜で構成した導電性膜が、可視光域での透明度を高
め、視認性の良い電子レンジとしている。
【0017】また本発明の第四の手段は、導電性膜の面
抵抗を10Ω/cm2として、マイクロ波の機外への漏洩
を防止できる電子レンジとしている。
【0018】本発明の第五の手段は、ガラス基板の表裏
両面に導電性膜を有し、少なくとも一方の面の導電性膜
の両端にそれぞれ少なくとも1個の電極を形成して、マ
イクロ波の遮蔽が可能で、可視光域中では透明であるガ
ラス板としている。
【0019】本発明の第六の手段は、一方の導電性膜は
周辺を囲むように形成した電極を、他方の導電性膜は両
端に形成した少なくとも1個の電極を有して、それぞれ
の電極を使用してマイクロ波の遮蔽とガラスの電気特性
の検知とが容易にできるガラス板としている。
【0020】本発明の第七の手段は、導電性膜の上に防
汚性膜を形成したガラス基板と導電性膜との間に設けた
シリカまたはアルミナシリカを主成分とするアルカリバ
リヤー膜が、導電性膜の接着強度を高めるように作用す
るガラス板としている。
【0021】更に本発明の第八の手段は、防汚性膜が、
油等の汚れの付着を防止し、透明度の維持が容易なガラ
ス板としている。
【0022】
【実施例】(実施例1) 図1は、本実施例の構成を示す電子レンジの窓用のガラ
ス板である。ガラス基板1の両面には、ゾルゲル法を用
いてアルミナシリカよりなるアルカリバリヤー膜2を形
成し、この上に酸化インジュウムまたは酸化錫を主成分
とする導電性無機薄膜で構成した導電性膜3a・3bを
設けている。一方の導電性膜3aには、この周囲を取り
囲むように環状とした電極4を設けている。また他方の
導電性膜3bには、この両端部に少なくとも1個ずつの
電極5a・5bを設けている。
【0023】このとき本実施例では、ガラス基板1はあ
らかじめ脱脂洗浄した200×300cm2、厚み3.
2mmの青板あるいは白板を使用している。またアルカ
リバリヤー膜2は厚さ0.5μmとしているが、耐久性
に応じて厚みは任意に選択できるものである。またアル
カリバリヤー膜2としてシリカを使用することも可能で
あるが、ピンホールがアルミナシリカに比べて多くなる
欠点を有するものとなる。このときの焼成温度は250
℃〜400℃でよい。こうして形成したアルカリバリヤ
ー膜2の表面に、導電性膜3を、フッ素をドープした酸
化錫を気相成長法(以下単にCVD法と称す)によっ
て、0.4〜0.8μmの範囲の厚みとなるように形成
している。このときCVD法に代えて、ゾルゲル法ある
いは蒸着法を用いても良いものである。またドーパント
としてアンチモンやインジュウムを添加した酸化錫の薄
膜も使用可能である。また前記導電性無機薄膜に代え
て、錫等の金属薄膜を用いることもできる。こうして、
導電性膜3を形成したガラス板6を650℃程度で加熱
し、風冷強化する。
【0024】こうして得たガラス板6の導電性膜3は、
面積抵抗が9.3Ω/cm2、500nmの波長の光に
対する透過率が73%を示すもので、導電性が良くまた
可視光域において透明性の高いものである。なおこの透
過率と導電性とは導電性膜3の厚さを0.4〜0.8μ
mの範囲で変化させると、500nmの波長の光に対す
る透過率は83〜71%、面積抵抗は10〜5Ω/cm
2となるものである。
【0025】実験の結果、導電性膜3aあるいは3bの
一面だけでマイクロ波を遮蔽するためには、面積抵抗を
0.1〜1Ω/cm2とする必要がある。この場合、1Ω
/cm2の面積抵抗のものの導電性膜3を作成すると、膜
厚が非常に厚くなって可視光透過率は30%以下となる
ものである。従って本実施例ではガラス板1として、ガ
ラス基板1の両面に面積抵抗が5〜10Ω/cm2にな
るように膜厚を調整した導電性膜3a・3bを備えたも
のを電子レンジの覗き窓に使用しているものである。
【0026】また完成したガラス板6の耐熱特性は、耐
熱性は350℃にて異常を示さず、耐熱衝撃性について
は230℃以上で異常を示さないものである。また耐衝
撃性は、600gの鋼球を落下させる落下テストにおい
て落下高さ1.0m以上で異常を示さないものである。
また反りは、0.5mm以下である。
【0027】次に、導電性膜3aの周囲に環状に設けた
電極4、導電性膜3bの両端部に少なくとも1個ずつ設
けた電極5a・5bの形成方法について説明する。電極
4は導電性膜3aの周辺を囲むようにアルミニウムを選
択的に蒸着して、また電極5a・5bは導電性膜3bの
端部に同様にアルミニウムを選択的に蒸着して形成して
いるものである。
【0028】本実施例では、こうして導電性膜3a・3
bと、電極4、電極5a・5bを形成したガラス板6上
に、図2に示しているように防汚性膜7を形成している
ものである。この防汚性膜7の形成は、フッ化炭素基を
含むフッ素樹脂を有機溶媒で溶解して塗布する方法、あ
るいはフッ素系の界面活性剤を化学吸着する方法および
本実施例で採用している密着性及び透明性に優れた化学
吸着膜による方法がある。このうち、最も表面エネルギ
ーを小さくでき、この結果非粘着性を付与することがで
きるものは化学吸着膜による方法である。以下この化学
吸着膜とした防汚性膜7の形成方法について説明する。
【0029】まず、フッ化炭素基及びクロロシラン基を
含む物質を非水系の溶媒中に約10%程度の濃度で溶解
した溶液中に、導電性膜3aを形成したガラス板6を約
2時間程度浸漬する。前記フッ化炭素基及びクロロシラ
ン基を含む物質として、本実施例ではCF3(CF27
(CH22SiCl3を使用している。また非水系の溶
媒として、nーヘキサデカン(トルエン、キシレン、ジ
シクロヘキシルでもよい)を80%、四塩化炭素を12
%、クロロホルム溶液を8%の割合で調整したものを使
用している。こうしてガラス板6を前記溶液中に浸漬す
ると、ガラス板6の表面には水酸基が多数存在している
ため、フッ化炭素基及びクロロシラン基を含む物質のSi
Cl基と前記水酸基とが脱塩酸反応を生じるものである。
この脱塩酸反応の結果、ガラス板6の表面には全面に亘
って、図2(b)および(化1)に示す結合が生ずるも
のである。
【0030】
【化1】
【0031】(化1)に示す結合は、前記CF3(C
27(CH22SiCl3が基板に垂直な方向に対し
て1分子で構成されており、化学吸着単分子膜(以下単
分子膜という)と称することができる。本実施例では、
この単分子膜の膜厚はおよそ1.5nmである。
【0032】なお、吸着時間を短縮して反応途中で空気
に接触させると、この結合は化学吸着ポリマー膜となる
ものである。この単分子膜もポリマー膜も共有結合を介
してガラス板表面と結合している点では同じであるが、
撥水撥油性は−CF3基が表面に並んでいる単分子膜の
方が高いものである。
【0033】こうして作成した防汚性膜7について、耐
剥離強度を確認するためテープ剥離テストを実施した。
この結果、単分子膜で構成した防汚性膜7は全く剥離す
ることがなく、極めて強固な化学結合を有していること
が証明された。また、導電性膜3と単分子膜とした防汚
性膜7とを形成したガラス板6の光透過率は、500n
mの波長の光に対して73%であった。つまり、単分子
膜は全くこの波長の光を吸収しないものである。
【0034】なお本実施例ではフッ化炭素基及びクロロ
シラン基を含む物質として、CF3(CF27(CH2
2SiCl3を用いたが、これ以外にも、CF3CH2
(CH215SiCl3、CF3(CH22Si(CH3
2(CH215SiCl3、F(CF24(CH22Si
(CH32(CH29SiCl3、CF3COO(C
215SiCl3、CF3(CF25(CH22SiC
3、CF3(CF25(CH22SiCl3、CF3(C
27(CH22Si(OCH33、CF3(CF25
(CH22Si(OC253等が利用できるものであ
る。ここで、クロロシリル基の代わりにメトキシ基やエ
トキシ基を組み込んだものを用いる場合には、防汚性膜
7を作製する場合に酸触媒を用いたり加熱処理する必要
がある。
【0035】(実施例2) 次に、図1あるいは図2に示したガラス板6を電子レン
ジの覗き窓として使用した電子レンジについて説明す
る。
【0036】本実施例では、ガラス板6を導電性膜3a
が食品を加熱する調理面側になるように、従って導電性
膜3bは調理面の反対面となるように取り付けている。
こうして導電性膜3aの周囲に環状に設けた電極4は筐
体と電気的に接続している。また導電性膜3bの両端に
設けている電極5a・5bは、調理面の外側に面してい
るため、外部から自由に操作できるようになっているも
のである。本実施例ではこの電極5a・5bに電線を接
続して、ガラス板6の電気特性として抵抗を常時測定で
きるようにしているものである。
【0037】実験の結果、電極5a・5b間の通常時の
抵抗は数10Ωとなっている。ガラス板6が何かの原因に
よって割れた場合には、この電極5a・5b間の抵抗は
当然無限大となるものである。従って電極5a・5b間
の抵抗が無限大であることを検知したときは、ガラス板
6が割れているものである。本実施例では、このガラス
板の割れを検知した場合には図示していない電源スイッ
チを切るようにして、ガラス板6の飛び散りを未然に防
いでいるものである。なおこのガラス板6の割れを検知
するための電気特性として、抵抗の他に電圧・電流・容
量等を用いることができるが、抵抗が最も簡便である。
【0038】以上のように本実施例によれば、ガラス板
の破損による飛び散りを防止でき、安全な電子レンジを
実現しているものである。
【0039】次に、本実施例のマイクロ波の漏洩抑制効
果を確認する実験の結果について報告する。この実験
は、調理庫内に275mlの水をいれたビーカーをセッ
トし、出力を600Wにセットして装置を動作させた状
態で、ガラス表面での電界強度を測定しているものであ
る。この結果ガラス表面でのマイクロ波の漏洩による電
界強度は0.1mW/cm2以下であり、全く問題のな
いレベルであった。なお法定値は5mW/cm2以下と
なっているものである。また、装置の始動スイッチをい
れて1分間後にガラス板6の表面の温度を測定すると4
3℃となっており、発生するマイクロ波によってガラス
板6自身もある程度加熱されているものである。このた
め調理物を加熱した場合に調理物から発生する蒸気がガ
ラス板6の内面に付着しても、結露が発生せず、視認性
が妨げられることはないものである。なお、調理庫内に
水を置かないいわゆる空だき時でのマイクロ波の漏洩に
よる電界強度は、0.2mW/cm2であり、本装置は
実用に充分耐え得るマイクロ波の遮蔽能力を有している
ものである。
【0040】このとき、ガラス板6が導電性膜3aある
いは3bしか有していない場合には、調理庫内に275
mlの水をセットした測定では4.8mW/cm2とな
り法定仕様ぎりぎりとなるものである。従って実用的に
は、ガラス基板1の両面に導電性膜3を設けたガラス板
6を使用する方がよいものである。なお、防汚性膜7を
設けていないガラス板6であってもマイクロ波の遮蔽効
果を有しているものである。
【0041】またこのガラス板6の熱線反射能力は、2
μmの波長でおよそ50%である。したがって、食品加
熱側に面してこの導電性膜3を設置することによって、
エネルギーロスを大幅に改善できるものである。
【0042】また、アルカリバリヤー層2の上に導電性
膜3を形成し、さらにその上に防汚性膜7を形成したガ
ラス板6を用いると、導電性膜3の耐熱性が大幅に向上
するものである。さらにアルカリバリヤー能が向上する
ので、防汚性膜7自体の耐久性を向上させる上でも好都
合となるものである。
【0043】次に、この防汚性膜7の防汚性を確認する
実験を行った結果について報告する。食品加熱側を防汚
面として、ガラス面の防汚テストをしてみると、処理し
ないものに比べ汚物の焼着を大幅に低減できるものであ
る。また付着した油脂分の汚れは、濡れ布巾による拭き
取りのみで容易に除去でき、光沢や透明性は回復するも
のである。なお、濡れ布巾を300g/cm2の加圧力
でガラス板6の表面を擦る擦りテストを行ったが、5万
回の試行で傷は全く付かず撥水効果も全く劣化しないも
のである。また、水に対する濡れ性は接触角で118度
であり、ノルマルヘキサンに対する濡れ性は接触角で8
5度であった。
【0044】
【発明の効果】本発明の第一の手段は、可視光域におい
て透明な導電性膜を表裏の両面に形成したガラス板を覗
き窓に用い、前記導電性膜の一方は筐体と電気的に接続
し、他方の導電性膜は両端に電極を形成し、この電極を
使用してガラス板の割れを検知したときには電源スイッ
チを切るようにした構成として、ガラス板が割れたとき
には電源スイッチを切るようにして安全性を高め、また
簡単な構成でマイクロ波の機外への漏洩を防止でき、視
認性がよい電子レンジを実現できるものである。
【0045】本発明の第二の手段は、特に、電極を有す
る導電性膜は食品加熱側と反対側に、他方の導電性膜は
筐体と電気的に接続した構成として、覗き窓用のガラス
の割れを検知できる機能を備えた電子レンジを実現でき
るものである。
【0046】本発明の第三の手段は、特に導電性膜は、
酸化インジュウムまたは酸化錫を主成分とする導電性無
機薄膜あるいは金属薄膜とした構成として、ガラスの可
視光域中における透明度を高めた電子レンジを実現でき
るものである。
【0047】また本発明の第四の手段は、特に食品加熱
側に面する導電性膜は、面抵抗を10Ω/cm2以下とし
た構成として、マイクロ波の漏洩を効果的に防止できる
電子レンジを実現するものである。
【0048】本発明の第五の手段は、ガラス基板の表裏
両面に可視光域において透明な導電性膜を有し、少なく
とも一方の面の導電性膜には、割れ検知用の電極が両端
にそれぞれ少なくとも1個形成されている構成として、
マイクロ波の遮蔽が可能で、可視光域中では透明である
ガラス板を実現するものである。
【0049】本発明の第六の手段は、ガラス基板の表裏
両面に可視光域において透明な導電性膜を有し、一方の
面の導電性膜は周辺を囲むように形成した電極を、他方
の面の導電性膜は両端に形成した少なくとも1個の電極
を有する構成として、マイクロ波の遮蔽とガラスの電気
特性の検知とが容易にできるガラス板を実現するもので
ある。
【0050】本発明の第七の手段は、ガラス基板と導電
性膜との間にシリカまたはアルミナシリカを主成分とす
るアルカリバリヤー膜を形成した構成として、接着強度
を高めたガラス板を実現するものである。
【0051】本発明の第八の手段は、導電性膜の上に防
汚性膜を形成した構成として、透明度の維持が容易な
ラス板を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施例である電子レンジの窓
用ガラスに使用しているガラス板を示す断面図
【図2】(a)同、防汚膜を付与した電子レンジの窓用
ガラスに使用しているガラス板を示す断面図 (b)同、分子レベルにまで拡大した模式断面図
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 アルカリバリヤー膜 3 導電性膜 4 電極 5 電極 6 ガラス板 7 防汚性膜
フロントページの続き (72)発明者 磯谷 守 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−68975(JP,A) 特開 平7−7288(JP,A) 特開 昭58−26408(JP,A) 特開 平7−328538(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 15/00 - 23/00 H05K 9/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光域において透明な導電性膜を表裏
    の両面に形成したガラス板を覗き窓に用い、前記導電性
    膜の一方は筐体と電気的に接続し、他方の導電性膜は両
    端に電極を形成し、この電極を使用してガラス板の割れ
    を検知したときには電源スイッチを切るようにした電子
    レンジ。
  2. 【請求項2】 電極を有する導電性膜は食品加熱側と反
    対側に、他方の導電性膜は筐体と電気的に接続した請求
    項1に記載した電子レンジ。
  3. 【請求項3】 導電性膜は、酸化インジュウムまたは酸
    化錫を主成分とする導電性無機薄膜または金属薄膜で構
    成した請求項1または2に記載した電子レンジ。
  4. 【請求項4】 食品加熱側に面する導電性膜は、面抵抗
    を10Ω/cm2以下とした請求項1から3のいずれか1
    項に記載した電子レンジ。
  5. 【請求項5】 ガラス基板の表裏両面に可視光域におい
    て透明な導電性膜を有し、少なくとも一方の面の導電性
    膜には、割れ検知用の電極が両端にそれぞれ少なくとも
    1個形成されているガラス板。
  6. 【請求項6】 ガラス基板の表裏両面に可視光域におい
    て透明な導電性膜を有し、一方の面の導電性膜は周辺を
    囲むように形成した電極を、他方の面の導電性膜は両端
    に形成した少なくとも1個の電極を有する請求項5に記
    載したガラス板。
  7. 【請求項7】 ガラス基板と導電性膜との間にシリカま
    たはアルミナシリカを主成分とするアルカリバリヤー膜
    を形成した請求項5または6に記載したガラス板。
  8. 【請求項8】 導電性膜の上に防汚性膜を形成した請求
    項5から7のいずれか1項に記載したガラス板。
JP07197342A 1995-08-02 1995-08-02 電子レンジとガラス板 Expired - Fee Related JP3079960B2 (ja)

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