JP3079920B2 - 塗覆装材の欠陥検査方法 - Google Patents

塗覆装材の欠陥検査方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被覆鋼管の溶接継手部
を被覆する防食塗覆装材の欠陥検査方法に関し、特に、
溶接継手部の防食塗覆装材の浮きや膨れ等の欠陥を検査
する欠陥検査方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリエチレン被覆鋼管等の被覆
鋼管を使用した配管現場においては、現地溶接継手部の
防食のために、架橋ポリエチレン等の合成樹脂材を用い
た熱収縮チューブやシートを溶接継手部に被せた後に、
熱収縮させて鋼管と熱収縮チューブ等を密着させて溶接
継手部の防食処理がなされている。被覆鋼管の現地溶接
継手部を防食処理する防食塗覆装材は、図6に示すよう
に、熱収縮性の合成樹脂材からなる防食層2bと、アス
フアルトとゴムの混合物に各種添加物を混入した接着剤
2dとからなり、被覆鋼管2aの現地溶接継手部に防食
層2bを熱収縮させて被覆して防食処理を施した際に、
鋼管2aと接着剤2d間にエアーボイド9が多数存在し
たとすると、鋼管2aが防食に対する信頼性が低下する
ことになる。
【0003】このような問題を解消する為に、この防食
塗覆装処理の作業工程には、防食塗覆装材がその溶接継
手部の外周に正常に被覆されているか否かの検査が行わ
れる工程がある。その検査方法は、通常、目視や指触す
る方法等によって行われている。また、防食塗覆装材の
一部を剥離してエアーボイドの発生の有無を検査する方
法がある。この剥離して検査する方法では、剥離した後
にその部分を修復しなければならない。
【0004】エアーボイドを赤外線カメラで検査する方
法は、従来、存在しなかったが、鋼管の内面の防食塗覆
装の肉厚を検査する方法は特開平2−12045号公報
に記載されている。しかし、この方法は防食塗覆装の肉
厚の薄い欠陥部分を検出するものであり、冷却して温度
差が残っている間に検出する方法であり、温度分布を空
間微分して欠陥部分を検出しており、この検出方法には
温度分布を時間微分する概念はない。また、熱画像撮影
による表面温度分布から被覆された配管の含水部を検出
する方法は、特開平6−118040号公報に開示され
ている。この方法は、空気の層と含水部では熱伝達係数
が大きく相違するので、その相違によって発生する温度
分布によって含水部を検出するものである。しかし、配
管を特別に加熱して含水部を検出するものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、被覆鋼管におけ
る現地溶接継手部は、防食塗覆装材を熱収縮させて現地
溶接継手部を覆い防食処理を行っている。その際、防食
塗覆装材と鋼管との間に多数のエアボイドが発生する
と、塗覆装の防食に対する信頼性が薄れる。従来、エア
ボイドを目視や指触して検査する方法は、比較的大きい
ものであれば、検出が可能である。しかし、小さいもの
である場合、その存在を確認することが難しく、また、
被覆部全体を指触で検査する方法は作業者にとって極め
て煩わしいものである。更に、エアボイドの数が多い場
合はその位置や寸法を特定することが困難である。ま
た、目視や指触して異常が感じられる場合には、防食塗
覆装の一部を剥離して検査していた。この剥離した部分
は補修する必要があり、この補修に時間がかかるためコ
スト高となる欠点があった。
【0006】このようなことから防食処理に於いて、鋼
管と防食塗覆装材間に発生したエアボイド等の欠陥を非
破壊検査方法で検出する方法の開発が望まれている。従
来例の非破壊検査方法には、赤外線カメラを用いて温度
分布から含水部を検出する方法がある。しかし、断熱材
で被覆された配管における含水部の検出に当たり、配管
の外部加熱は行っていない。このため、非常に小さいエ
アボイドや密着不良箇所等の欠陥部を検査するのは難し
い欠点がある。
【0007】本発明は、上述のような課題に鑑みなされ
たもので、塗覆装材で被覆された鋼管に発生したエアボ
イド等の欠陥を検出する為の塗覆装材の欠陥検査方法を
提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決する為
に、本発明に係る塗覆装材の欠陥検査方法は、被覆鋼管
の現地溶接継手部を被覆した接着剤層と防食層とからな
塗覆装材の欠陥検査方法であって、該塗覆装材の表面
温度を計測しながら加熱して所定の温度まで上昇させ、
その後の冷却過程の該塗覆装材の温度分布を赤外線カメ
ラで観測して冷却速度の遅い箇所を検知することによ
り、エアーボイドの発生を検知することを特徴とする方
法である。また、前記塗覆装材の欠陥検査方法に於い
て、前記塗覆装材の温度分布を観測する際に、鏡の反射
による赤外線を赤外線カメラで観測する方法である。ま
た、前記塗覆装材の欠陥検査方法に於いて、前記塗覆装
材の温度分布を時間微分してその分布からエアーボイド
の大きさを検査することを特徴とする方法である
【0009】
【作用】上述の手段によって、本発明に係る塗覆装材の
欠陥検査方法は、被覆鋼管の現地溶接継手部を被覆する
防食塗覆装材を加熱した後に、鋼管と防食塗覆装材との
間に発生したエアボイドや密着不良箇所等の欠陥部が発
生した場合、その欠陥部の空気が断熱層となり、この部
分の冷却速度が遅いことを利用して、赤外線カメラでそ
の冷却速度の違いによる温度分布を検出して、比較的小
さい欠陥部を検出する検出方法である。また、本発明に
係る塗覆装材の欠陥検査方法は、鏡を利用して防食塗覆
装材から放射される赤外線を赤外線カメラ方向に反射さ
せて計測する検出方法であり、温度分布の検出が困難な
部分であっても欠陥部の検出ができる。更に、赤外線カ
メラで検出される温度は実際の表面温度よりも低くなる
が、反射によって得られる熱画像信号を時間微分して得
ることによって、相対的な冷却速度の差を一層明確なも
のとしてエアボイドや密着不良箇所等の等の欠陥の存在
を確認するものである。
【0010】また、本発明に係る塗覆装材の欠陥検査方
法は、エアボイドや密着不良箇所等の欠陥部分の検出が
赤外線カメラで得られる熱画像信号を画像処理装置で時
間微分して得られる情報から欠陥部の輪郭を明確なもの
とし、その大きさを正確に検出するものである。また、
本発明に係る塗覆装材の欠陥検査方法は、防食塗覆装処
理時に加熱して防食塗覆装材を加熱収縮させる工程を行
った後に、自然冷却させてその温度降下の部分的な差に
よって、エアボイドの存在を検出することができるの
で、非破壊検査のための加熱工程を行うことなく欠陥部
の検出を行うことも可能である。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1乃至図5
を参照して説明する。 (実施例1) 図1は、本発明に係る塗覆装材の欠陥検査方法の一実施
例を説明する為の図である。同図に於いて、防食塗覆装
材が被覆された被覆鋼管と測定装置及び熱源が図示され
ており、被覆鋼管2の溶接及び防食処理は現地における
配管工程でなされる。同図を参照して、被覆鋼管2の配
管工程について簡単に説明する。先ず、被覆材2bを剥
離して鋼管2aを露出させた後に、互いに鋼管2a同志
を溶接する。その溶接継手部2cと被覆材2bは、防食
塗覆装材1で覆れ、その後、防食塗覆装材1をガスバ
ーナー6等の熱源で加熱収縮させて、溶接部2cと鋼管
2aの露出部及び被覆材2bに密着させる。防食塗覆装
材1は熱収縮性の樹脂チューブ或いはシート状からなる
防食層と、例えば、アスファルトとゴムとの混合物に各
種添加物を混合した接着剤層とからなる。接着剤層は加
熱によって溶融して粘性を帯びる。
【0012】上記のような防食処理工程がなされた後
に、塗覆装材の欠陥検査方法の一実施例であるエアボイ
ドや密着不良部等の欠陥部の有無の欠陥検査工程に進
む。先ず、防食処理工程時で加熱した部分を一旦室温ま
で冷却した後に、新たに、赤外線ランプ、レーザー光、
ガスバーナー或いは電熱器等によって防食塗覆装材1を
加熱する。その後、加熱た防食塗覆装材1を自然冷却
させて温度温度分布の測定を行う。温度分布の測定は、
赤外線カメラ3によって行い、その熱画像信号をコンピ
ュータ等の画像処理装置4に入力して画像処理を行っ
て、防食塗覆装材1の表面の温度分布を観測してエアボ
イドや密着不良個所等の欠陥部を検出する。また、他の
検査方法としては、防食処理工程時で加熱した部分を所
定時間冷却した後に、赤外線カメラ3でその表面部分の
温度分布を測定して欠陥部を検出してもよい。尚、防食
処理工程と欠陥検査工程の各処理工程における防食塗覆
装材の表面温度は、赤外線放射温度計7で観測しながら
作業を行う。
【0013】以下、エアボイドや密着不良個所の欠陥検
査方法における赤外線カメラによる温度分布の測定の有
効性について実験結果に基づき説明する。図1を参照し
て説明する。この実験では、750Aポリエチレン被覆
鋼管2を溶接して、その溶接継手部2cを防食塗覆装材
1(例えば、750A用熱収縮性樹脂,厚さ3mm)で
被覆して人為的に直径6mmと20mmのエアボイドを
形成した。防食塗覆装材1を熱収縮させた後、室温まで
一旦冷却させて、再び、防食塗覆装材1を赤外線ランプ
等で加熱して表面温度分布を測定することによってエア
ボイドを検出した。その検査結果が図2に示されてい
る。図2は横軸が防食塗覆装材の初期表面温度からの加
熱温度を示し、縦軸が10個のエアボイド中の判定個数
を示している。図中の破線(イ)は直径が6mmのエア
ボイドの各表面温度に対する検出個数を示し、実線
(ロ)は直径が20mmのエアボイドの各表面温度に対
する検出個数を示している。
【0014】図2から明らかなように、約3℃から約3
5℃の範囲では破線(イ)と実線(ロ)のエアボイドが
何れも100%(10個/10個)が検出されている。
破線(イ)の場合では、約1℃の場合は70%(7個/
10個)が検出され、約35℃から130℃までの範囲
で80%(8個/10個)のエアボイドが検出され、1
30℃から200℃の範囲では段階的に検出率が低下し
ている。一方、実線(ロ)の場合は、約1℃の場合は8
0%(8個/10個)が検出され、約35℃から160
℃までの範囲では90%(9個/10個)のエアボイド
が検出され、160℃から200℃の範囲では段階的に
検出率が低下している。
【0015】また、この結果からエアボイドを検出する
のに最も適した表面温度の範囲は、初期表面より3〜3
5℃高い温度が適していることを示している。しかし、
検出率を50%に落とせば、エアボイドの直径によって
も異なるが、直径が20mmの場合、表面温度が1〜1
80℃高い温度まで検出が可能である。更に、直径の大
きいエアボイドであれば、200℃まで検出することが
できる。このように検出率はエアボイドの直径に依存し
ているが、概ね防食塗覆装材の表面温度が1℃以上20
0℃以下までの範囲でエアボイドの検出が可能である。
また、この検出率は防食塗覆装材の厚さにも依存するこ
とは明らかである。また、図2では、加熱温度を1℃に
すると検出率が下がっているが、これは健全部分と欠陥
部との間の温度差自体も小さくなるために検出率が下が
るためである。
【0016】次に、従来と実施例の検査方法との検出率
の相違を表1,表2に示す。表1は、防食塗覆装材を加
熱収縮させて鋼管に密着させ、室温まで冷却させた後、
防食塗覆装材の加熱温度を、その初期表面温度より20
℃高い温度に設定して欠陥部の検査を行った実験結果に
よる検出率を示したものであり、従来の検査方法は目視
や指触による。表2は、防食塗覆処理時に加熱して防食
塗覆装材を加熱収縮した後、自然冷却させて検出を行っ
た実験結果を示したものである。
【0017】
【表1】
【0018】表1に示した実験結果では、従来例の目視
や指触による方法では、直径が6mmのエアボイドは検
出ができなかった。しかし、実施例1の方法では、10
0%の検出ができた。また、直径が10mmのエアボイ
ドの場合では、従来の検出方法では30%(3個/10
個)の検出率であったが、実施例1では100%の検出
ができた。また、表2に示した実験結果では、エアボイ
ドの直径が10mmと20mmの場合の検出率を目視や
指触による方法と実施例による方法とで比較した。
【0019】表2に示した実験結果では、エアボイドの
直径が10mmの場合、従来の方法では10%(1個/
10個)の検出率であったが、実施例の方法では90%
(9個/10個)の検出率であった。また、エアボイド
の直径が20mmの場合、従来の方法では30%(3個
/10個)の検出率であったが、実施例1では100%
(10個/10個)の検出率であった。尚、エアボイド
の位置の確認は剥離検査で確認した。また、表1,2に
示したように、エアボイドの直径が10mmの場合の結
果から明らかなように、検査に多少の誤差が発生するこ
とを示している。
【0020】次に、図3に基づいてエアボイド等の欠陥
検出における測定条件について詳細に説明する。図3の
縦軸が防食塗覆装の表面温度を示し、横軸が冷却時間で
ある。同図に於いて、aは防食塗覆装材で被覆された被
覆鋼管の防食塗覆装材の初期表面温度を示している。b
は加熱温度を示し、cは測定温度範囲を示している。
(イ)が健全に接着されている部分の温度冷却曲線であ
り、(ロ)がエアボイド等の欠陥部の温度冷却曲線であ
る。
【0021】図3に示した測定条件について説明する
と、被覆鋼管の現地溶接継手部を覆う防食塗覆装材を加
熱してその表面温度を初期表面温度aより10℃乃至2
0℃高い温度に加熱した。その後、自然冷却して所定経
過時間毎の温度分布を測定した結果を示すものである。
測定温度は表面温度から1.8〜4.2℃高い温度で行
い、センサの感度は0.3℃で測定を行った。センサの
感度が高い場合は、時間変化に対して温度分布を示す色
の分布が激しく変動するために検出効率を低下させる原
因となるが、センサの感度は0.3℃の場合には、時間
変化に対して温度分布を示す色の変化が緩やかとなり、
エアボイドを検出する場合の検出効率が良好であること
が分かった。すなわち、温度のサンプリング時間を任意
に設定することにより、検出効率を向上させることがで
きる。
【0022】しかし、これらの結果は、その防食塗覆装
材の材質や厚さ等に影響するために、材質の比熱や厚
さ、加熱温度によってこれらの値は異なる。エアボイド
や密着不良箇所内の空気が断熱装となり、冷却速度が遅
いことに着目して温度分布を検査することによってエア
ボイド等の欠陥部分を検出するものである。尚、図3の
欠陥部分(エアボイド)と健全部分の温度冷却曲線
(イ),(ロ)は、本発明の理解を容易にするためにモ
デル的に示したものである。
【0023】(実施例2)図4は、塗覆装材の欠陥検査
方法の他の実施例を説明する為の図である。同図に於い
て、図1と同一部分には同一符号が付与されている。同
図では、防食塗覆装材1の加熱収縮には、ガスバーナー
を用いて行い、防食塗覆装材1は現地溶接継手部2cと
鋼管2aの露出部及び被覆材2bを覆って、防食処理が
なされている。熱収縮させた防食塗覆装材1の温度を自
然冷却した後に、赤外線ヒータ(または、パネルヒー
タ)8を用いて防食塗覆装材1を加熱する。その後、図
3の冷却曲線から求められる所定時間経過後に、赤外線
カメラ3でその表面部分の温度分布を測定する。赤外線
カメラ3からの画像信号をケーブル5を通してコンピュ
ータ等の画像処理装置4に入力してアエボイドや密着不
良箇所等の欠陥部の検出を行う。尚、この場合もアエボ
イドや密着不良箇所等の欠陥部の検出率は先に説明した
通りである。また、シート状のヒータ(赤外線ヒータや
パネルヒータ)を用いて防食塗覆装材1を加熱すること
により、広い面積を一度に加熱することができるので、
温度分布の観察が容易であり、検出効率を高めるのによ
い。
【0024】(実施例3)図5は、塗覆装材の欠陥検査
方法の他の実施例を説明する為の図である。同図に於い
て、図1と同一部分には同一符号が付与されている。同
図では実施例2と同様に、赤外線ヒータ8を用いて防食
塗覆装材1を加熱して収縮させ、防食塗覆装材1を溶接
部2cと鋼管2aの露出部を被覆材2bを覆っている。
続いて、防食塗覆装材1を加熱収縮させて一旦冷却した
後に、防食塗覆装材1を加熱して赤外線カメラ3でその
表面部分の温度分布を鏡10を通して測定する。温度分
布の測定は、防食塗覆層材1から放射される赤外線を鏡
10で反射させてその赤外線を赤外線カメラ3で撮ら
え、赤外線カメラ3からの画像信号がケーブル5を通し
てコンピュータ等の画像処理装置4に入力される。加熱
処理時の塗覆装材1の表面温度は赤外線放射温度計7で
計測する。次に、実施例3j従来例によるエアボイドの
検出率の比較を表3に示す。
【0025】
【表2】
【0026】表3は、人為的にエアボイドを10個形成
して実施例と従来例による方法で検査した結果を示すも
のである。従来の目視や指触による検査と比較した場合
は、エアボイドの直径が6mmでは検出が不可能であっ
たが、実施例3によれば、90%(9個/10個)の検
出が可能であった。また、その直径が20mmの場合で
は従来の検査方法では30%(3個/10個)であった
のに対し、実施例1,2の検査方法では100%が検出
された。この実施例では、直接温度分布を検出する方法
と比較して直径が6mmの場合、直接防食塗覆装材1の
表面温度を検出する場合と比較して多少欠陥部の検出率
が低下している。しかし、欠陥部の検出に当たり鏡を用
いることによって測定が困難な部分であっても検査が容
易となる。
【0027】(実施例4)次に、本発明に係る塗覆装材
の欠陥検査方法の他の実施例について説明する。尚、被
検査物と測定器等の配置は、図1,図4,図5で説明し
た同じ方法による。この実施例では、防食塗覆装材の温
度分布を時間微分して得られる画像信号に基づいて、エ
アボイド等の欠陥部を検出するものである。
【0028】上記実施例に示したように、防食塗覆装材
に人為的に直径が6mm,15mmのエアボイドを形成
した後に、防食塗覆装材を加熱してその冷却過程から得
られる画像信号を時間微分して欠陥部を検出する方法で
ある。時間微分して得られる画像は欠陥部の輪郭が一層
明確になり、エアボイドの大きさが明らかになる。従っ
て、鏡を用いて防食塗覆装材の温度分布を検出した後、
時間微分することによって多少検出効率が低下したとし
ても、より境界部が明確になるので検出率を高めること
ができる。また、画像信号を時間微分処理することによ
って、上記に示した検出結果より、更に、良好な検出結
果を得ることができる。
【0029】
【表3】
【0030】この測定結果は、画像信号を時間微分する
ことによって、従来の検査方法と比較して測定誤差が少
ないことを示している。従来の検査方法ではエアボイド
の直径が6mmの場合、19%の測定誤差が発生するの
に対して、本発明による検査方法では、僅か7%の測定
誤差が発生するのみである。また、エアボイドの直径が
15mmの場合では、12%の測定誤差が発生するのに
対して、本発明による検査方法では、僅か5%の測定誤
差が発生するのみである。この結果から明らかなよう
に、実施例4の熱画像信号を時間微分する方法によっ
て、欠陥部の検出精度が高くなる。更に、この結果は、
上記の実施例1乃至3にも適用される。従って、熱画像
信号を時間微分することによって、測定条件が緩和され
ることを意味し、一層検出率を高めることができる。ま
た、欠陥部の輪郭が明確になり、位置の特定が容易であ
るので、欠陥部の補修が短時間になし得る。
【0031】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、被覆鋼
管の現地溶接継手部を被覆する防食塗覆装材の浮きや膨
れ等の欠陥の存在及び位置を容易に検出することが可能
である。従来、目視や指触によってエアボイド等の欠陥
部を検出していたが、欠陥部の検出が不十分であり、防
食に対する信頼性が完全でなかった。しかし、本発明の
検査方法によれば、小さなアエボイド等の欠陥を略10
0%検出することが可能であり、而も、その位置の特定
が容易であるので、その補修に時間を要することがな
く、容易に欠陥部の補修ができる利点があり、現地溶接
継手部の防食に対する信頼性が一層高められる利点があ
る。
【0032】また、防食塗覆装材の欠陥検査方法に於い
て、鏡を用いてその反射赤外線を検出して防食塗覆装材
表面の温度分布を検出することによって、欠陥部を比較
的検出の困難な部分であっても容易に検出することがで
きる利点がある。また、画像処理装置で熱画像信号を時
間微分処理をすることにより一層検出率を高めることが
できる利点がある。また、現地溶接継手部の防食施工時
に加熱処理をして防食塗覆装を形成しており、この加熱
した防食塗覆装を冷却してその温度分布を計測すること
によって、アエボイド等の検出が可能であり、防食施工
の後に、検査を行う際には、新たな加熱をする工程を省
くことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗覆装材の欠陥検査方法における
被検査物と測定装置の配置を示す図である。
【図2】本発明による塗覆装材の欠陥検査方法における
加熱温度に対する欠陥部の判定個数を示す図である。
【図3】現地溶接継手部を被覆する塗覆装材の欠陥部と
健全部の温度冷却曲線をモデル的に示した図である。
【図4】本発明に係る塗覆装材の欠陥検査方法における
被検査物と測定装置の他の配置を示す図である。
【図5】本発明に係る塗覆装材の欠陥検査方法における
被検査物と測定装置の他の配置を示す図である。
【図6】エアボイドを示す断面図である。
【符合の説明】
1 防食被覆装材 2 被覆鋼管 2a 鋼管 2b 被覆材 2c 溶接継手部 2d 接着剤層 3 赤外線カメラ 4 画像処理装置 5 ケーブル 6 ガスバーナー 7 赤外線放射温度計 8 赤外線ヒータ 10 鏡
フロントページの続き (72)発明者 川村 正 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 平田 元史 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−63959(JP,A) 特開 昭61−132848(JP,A) 特開 平2−12045(JP,A) 実開 平4−104564(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 25/72

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被覆鋼管の現地溶接継手部を被覆した
    着剤層と防食層とからなる塗覆装材の欠陥検査方法であ
    って、該塗覆装材の表面温度を計測しながら加熱して所
    定の温度まで上昇させ、その後の冷却過程の該塗覆装材
    の温度分布を赤外線カメラで観測して冷却速度の遅い
    箇所を検知することにより、エアーボイドの発生を検知
    することを特徴とする塗覆装材の欠陥検査方法。
  2. 【請求項2】 前記塗覆装材の温度分布を観測する際
    に、鏡の反射による赤外線を赤外線カメラで観測するこ
    とを特徴とする請求項1記載の塗覆装材の欠陥検査方
    法。
  3. 【請求項3】 前記塗覆装材の温度分布を時間微分して
    その分布からエアーボイドの大きさを検査することを特
    徴とする請求項1又は2に記載の塗覆装材の欠陥検査方
    法。
JP06291215A 1994-11-25 1994-11-25 塗覆装材の欠陥検査方法 Expired - Lifetime JP3079920B2 (ja)

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