JP3079587B2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents
磁気ディスク装置Info
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- JP3079587B2 JP3079587B2 JP03017455A JP1745591A JP3079587B2 JP 3079587 B2 JP3079587 B2 JP 3079587B2 JP 03017455 A JP03017455 A JP 03017455A JP 1745591 A JP1745591 A JP 1745591A JP 3079587 B2 JP3079587 B2 JP 3079587B2
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- Rotational Drive Of Disk (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置に関
する。
する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置においては、磁気ヘッ
ドによって、記録すべき情報が磁気ディスク面に同心円
状に形成されたトラックへ書き込まれる。また、磁気ヘ
ッドにより記憶された情報が読み出される。
ドによって、記録すべき情報が磁気ディスク面に同心円
状に形成されたトラックへ書き込まれる。また、磁気ヘ
ッドにより記憶された情報が読み出される。
【0003】磁気データの読み出し,書き込みが正確に
行われるためには、書き込まれたトラックと読み出し時
に磁気ヘッドがたどる軌跡とが正確に一致する必要があ
る。その要求精度は数μm以下であり、磁気ディスクの
大容量化に伴い、更に小さくなる傾向にある。
行われるためには、書き込まれたトラックと読み出し時
に磁気ヘッドがたどる軌跡とが正確に一致する必要があ
る。その要求精度は数μm以下であり、磁気ディスクの
大容量化に伴い、更に小さくなる傾向にある。
【0004】この精度劣化の原因の1つとして、磁気デ
ィスク装置のスピンドルの軸振動があり、その対策とし
てベアリングには予圧を付加する方法がとられている。
予圧を与える方法は図5に示すように、軸に予圧ばねを
取り付け、ベアリングに適当な力を加えるものが多く用
いられている。この種の装置としては、例えば、特開昭
59−223925号,特開昭62−172273号公報に記載されてい
る。
ィスク装置のスピンドルの軸振動があり、その対策とし
てベアリングには予圧を付加する方法がとられている。
予圧を与える方法は図5に示すように、軸に予圧ばねを
取り付け、ベアリングに適当な力を加えるものが多く用
いられている。この種の装置としては、例えば、特開昭
59−223925号,特開昭62−172273号公報に記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、ベアリングの剛性に比べて小さいばね剛性を持つ予
圧ばねによりベアリングに予圧を付加していたので、軸
方向剛性が小さく、小さな衝撃でも回転精度が劣化する
という不具合があった。一方、上記定圧予圧法の不具合
を改善するものとして、ベアリングの外輪あるいは内輪
にシムやナット等を介して直接予圧を付加する定位置予
圧法が考えられるが、軸方向剛性は大きくできるもの
の、温度変化により軸系を構成する各部材に熱変形が生
じ、軸を支承するベアリング間の距離が変化する。その
ため、予圧を受け持っている部材の軸方向剛性が大きい
ので、ベアリングに過大な予圧が加わったり、予圧抜け
の現象を起こす可能性が生ずるという不具合があった。
は、ベアリングの剛性に比べて小さいばね剛性を持つ予
圧ばねによりベアリングに予圧を付加していたので、軸
方向剛性が小さく、小さな衝撃でも回転精度が劣化する
という不具合があった。一方、上記定圧予圧法の不具合
を改善するものとして、ベアリングの外輪あるいは内輪
にシムやナット等を介して直接予圧を付加する定位置予
圧法が考えられるが、軸方向剛性は大きくできるもの
の、温度変化により軸系を構成する各部材に熱変形が生
じ、軸を支承するベアリング間の距離が変化する。その
ため、予圧を受け持っている部材の軸方向剛性が大きい
ので、ベアリングに過大な予圧が加わったり、予圧抜け
の現象を起こす可能性が生ずるという不具合があった。
【0006】本発明の目的は、温度変化があってもベア
リングの予圧量が変化することがないと同時に、耐衝撃
性の大きな磁気ディスク装置を実現することにある。
リングの予圧量が変化することがないと同時に、耐衝撃
性の大きな磁気ディスク装置を実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、静止軸と静止軸に固定して取付けられた第1のベア
リングと、静止軸に軸方向に移動可能に取り付けられた
第2のベアリングと、記録情報の書き込み又は読み出し
に供する磁気円板を間隔をおいて積層して形成した中空
軸回転体の一部を形成し、第1のベアリングと第2のベ
アリングを固定して取り付けたスリーブとを備えた磁気
ディスク装置において、スリーブと静止軸との軸方向の
熱変形差を吸収するように、温度補償部材(温度ダン
パ)が第2のベアリングに当接し、かつ、静止軸に取り
つけたものである。
に、静止軸と静止軸に固定して取付けられた第1のベア
リングと、静止軸に軸方向に移動可能に取り付けられた
第2のベアリングと、記録情報の書き込み又は読み出し
に供する磁気円板を間隔をおいて積層して形成した中空
軸回転体の一部を形成し、第1のベアリングと第2のベ
アリングを固定して取り付けたスリーブとを備えた磁気
ディスク装置において、スリーブと静止軸との軸方向の
熱変形差を吸収するように、温度補償部材(温度ダン
パ)が第2のベアリングに当接し、かつ、静止軸に取り
つけたものである。
【0008】また、静止軸と静止軸に固定して取り付け
られた第1および第2のベアリングと、記録情報の書き
込み又は読み出しに供する磁気円板を間隔をおいて積層
して形成した中空軸回転体の一部を形成し、第1のベア
リングを固定して取り付け、かつ第2のベアリングを軸
方向に移動可能に取り付けたスリーブとを備えた磁気デ
ィスク装置において、スリーブと静止軸との軸方向の熱
変形差を吸収するように、温度補償部材(温度ダンパ)
が第2のベアリングに当接し、かつ、スリーブに取り付
けたものである。
られた第1および第2のベアリングと、記録情報の書き
込み又は読み出しに供する磁気円板を間隔をおいて積層
して形成した中空軸回転体の一部を形成し、第1のベア
リングを固定して取り付け、かつ第2のベアリングを軸
方向に移動可能に取り付けたスリーブとを備えた磁気デ
ィスク装置において、スリーブと静止軸との軸方向の熱
変形差を吸収するように、温度補償部材(温度ダンパ)
が第2のベアリングに当接し、かつ、スリーブに取り付
けたものである。
【0009】
【作用】ベアリングの予圧方法を定位置予圧とし、予圧
部材を所定の熱膨張率とする。環境温度と組立時の温度
との違いにより、2つのベアリング間には熱変形が生
じ、その変形量はスリーブ側と軸側とで異なる値とな
る。この2つの変形量の差を、予圧部材の熱膨張によっ
て補償する。その結果、ベアリングのスリーブ側と軸側
の相対位置を変化させることがないので、ベアリングの
予圧量の変化もなく、安定した回転系が得られる。
部材を所定の熱膨張率とする。環境温度と組立時の温度
との違いにより、2つのベアリング間には熱変形が生
じ、その変形量はスリーブ側と軸側とで異なる値とな
る。この2つの変形量の差を、予圧部材の熱膨張によっ
て補償する。その結果、ベアリングのスリーブ側と軸側
の相対位置を変化させることがないので、ベアリングの
予圧量の変化もなく、安定した回転系が得られる。
【0010】
【実施例】本発明の基本的な原理を図12,図13を用
いて説明する。図12は、定位置予圧の温度上昇に対す
るベアリングの相対的位置変化の様子を、図13は、本
発明の温度ダンパを用いた場合を示す。
いて説明する。図12は、定位置予圧の温度上昇に対す
るベアリングの相対的位置変化の様子を、図13は、本
発明の温度ダンパを用いた場合を示す。
【0011】静止軸1の熱膨張率をa1,スリーブ7の
熱膨張率をa2,ベアリング間長さをq,温度上昇をd
tとすると、ベアリング間の相対位置変化DLは次式の
ようになる。
熱膨張率をa2,ベアリング間長さをq,温度上昇をd
tとすると、ベアリング間の相対位置変化DLは次式の
ようになる。
【0012】 静止軸の伸び DL1=a1×q×dt …(1) スリーブの伸び DL2=a2×q×dt …(2) DL=DL1−DL2 =(a1−a2)×q×dt …(3) 概略計算を行うと、
【0013】
【数1】
【0014】となる。ここで、図12に示してある定位
置予圧の場合、予圧はベアリングの軸方向ばね定数k=
4.9(MN/mm)とすると、予圧量変動DFは次のよう
になる。
置予圧の場合、予圧はベアリングの軸方向ばね定数k=
4.9(MN/mm)とすると、予圧量変動DFは次のよう
になる。
【0015】 DF=K×DL=35.3(N) …(5) 予圧量は一般に19.6ないし39.2(N)に設定さ
れると考えると、上記の変動量は予圧量の1.75〜0.
9倍となり、大きすぎることになる。
れると考えると、上記の変動量は予圧量の1.75〜0.
9倍となり、大きすぎることになる。
【0016】図13に示した本発明の場合には、温度ダ
ンパ10が静止軸1に取りつけられ、ベアリング4に予
圧を付加する構造となっている。この場合の温度上昇に
対するベアリング間の相対位置変化DLは、温度ダンパ
10の熱膨張率をa3、その長さをq1とすると、次式
で表わされる。
ンパ10が静止軸1に取りつけられ、ベアリング4に予
圧を付加する構造となっている。この場合の温度上昇に
対するベアリング間の相対位置変化DLは、温度ダンパ
10の熱膨張率をa3、その長さをq1とすると、次式
で表わされる。
【0017】 静止軸の伸び DL1=a1×q×dt …(6) スリーブの伸び DL2=a2×q×dt …(7) 温度ダンパの伸び DL3=a3×q×dt …(8) DL=DL1−DL2−DL3 =((a1−a2)×q−a3×q1)×dt …(9) 前記の条件の場合について、概略計算を行う。
【0018】
【数2】
【0019】(9)式より容易に類推できるように、右辺
の括弧内を0にするようにa3及びq1を選べば、軸受
間相対位置変化DLはどのような温度変化dtに対して
も0にすることができる。前記条件について、温度ダン
パの材質をアルミニウムとして、概略計算を行う。
の括弧内を0にするようにa3及びq1を選べば、軸受
間相対位置変化DLはどのような温度変化dtに対して
も0にすることができる。前記条件について、温度ダン
パの材質をアルミニウムとして、概略計算を行う。
【0020】
【数3】
【0021】となり、十分実現できることが分かる。
【0022】同様に、静止軸1とスリーブ7の間に温度
差がある場合、静止軸1の温度変化がdt1,スリーブ
7の温度変化がdt2の場合には、次式が0になるよう
にa3及びq1を選べばよい。
差がある場合、静止軸1の温度変化がdt1,スリーブ
7の温度変化がdt2の場合には、次式が0になるよう
にa3及びq1を選べばよい。
【0023】DL=(a1×dt1−a2×dt2)×
q−a3×q1×dt1 次に、本発明の参考例について説明する。図3及び図4
は磁気ディスク装置の概略図である。
q−a3×q1×dt1 次に、本発明の参考例について説明する。図3及び図4
は磁気ディスク装置の概略図である。
【0024】磁気ディスク3はクランプ2によりハブ6
に固定されており、モータにより静止軸1を中心に高速
回転を行っている。磁気ディスク3の表面は非常に滑ら
かに仕上げられており、この表面は磁性体によりコーテ
ィングされている。この磁性層に磁気ヘッド16を非常
に接近させ、磁界を変化させることにより磁気的に情報
の書き込みを行う。読み出しは逆に、磁気ディスク3上
の残留磁界を磁気ヘッド16により読み取ることにより
磁気情報の読みだしを行う。磁気情報は、磁気ディスク
3の機械的回転中心と同じ中心を持つ同心円状に書き込
まれる。この1つづきの磁気情報をトラックと呼ぶ。磁
気ヘッド16は、ヘッドアーム17及びキャリジ18に
より支えられ、シャフト24のまわりを回転できる構造
になっており、任意のトラックに移動することができ
る。磁気ヘッド16の位置決め及び各トラック間の移動
には、コイル23及びマグネット21より形成されるボ
イスコイルモータが使われ、高速でかつ正確な位置決め
を行っている。
に固定されており、モータにより静止軸1を中心に高速
回転を行っている。磁気ディスク3の表面は非常に滑ら
かに仕上げられており、この表面は磁性体によりコーテ
ィングされている。この磁性層に磁気ヘッド16を非常
に接近させ、磁界を変化させることにより磁気的に情報
の書き込みを行う。読み出しは逆に、磁気ディスク3上
の残留磁界を磁気ヘッド16により読み取ることにより
磁気情報の読みだしを行う。磁気情報は、磁気ディスク
3の機械的回転中心と同じ中心を持つ同心円状に書き込
まれる。この1つづきの磁気情報をトラックと呼ぶ。磁
気ヘッド16は、ヘッドアーム17及びキャリジ18に
より支えられ、シャフト24のまわりを回転できる構造
になっており、任意のトラックに移動することができ
る。磁気ヘッド16の位置決め及び各トラック間の移動
には、コイル23及びマグネット21より形成されるボ
イスコイルモータが使われ、高速でかつ正確な位置決め
を行っている。
【0025】この(磁気ディスク3−磁気ヘッド16−
アーム17−キャリッジ18)による1組の磁気記憶機
構は、図4に示されているように、回転軸方向に反復積
層することにより高密度化が図られている。
アーム17−キャリッジ18)による1組の磁気記憶機
構は、図4に示されているように、回転軸方向に反復積
層することにより高密度化が図られている。
【0026】次に図1に示す回転系について説明する。
【0027】磁気ディスク3はハブ6の軸方向にスペー
サ5を介して積層され、クランプ2により固定されてい
る。ハブ6とスリーブ7とはその半径方向において1カ
所、あるいは2カ所において焼きばめにより結合されて
いる。スリーブ7は軸方向の2カ所において、ベアリン
グ4および12により静止軸1に回転自在に取り付けら
れている。スリーブ7の中央部にはマグネット11が設
けられており、静止軸1のこれと相対する位置に設けら
れているステータコイル14との間でモータを形成し前
記回転部分を駆動している。
サ5を介して積層され、クランプ2により固定されてい
る。ハブ6とスリーブ7とはその半径方向において1カ
所、あるいは2カ所において焼きばめにより結合されて
いる。スリーブ7は軸方向の2カ所において、ベアリン
グ4および12により静止軸1に回転自在に取り付けら
れている。スリーブ7の中央部にはマグネット11が設
けられており、静止軸1のこれと相対する位置に設けら
れているステータコイル14との間でモータを形成し前
記回転部分を駆動している。
【0028】ベアリング12の静止軸1と接する内輪側
およびスリーブ7と接する外輪側はいずれも軸方向に移
動しないように接着,しまりばめ等の方法で固定されて
いる。これに対して、ベアリング4のスリーブ7と接す
る外輪側はベアリング12の場合と同じく接着,焼きば
めもしくはねじ止め等で固定されているが、静止軸1と
接する内輪側はすきまばめとなっており、静止軸1と相
対的に軸方向に移動することができる。ベアリング4の
ベアリング12と反対側の端面には温度補償部材(温度
ダンパ)10が当接させられている。温度ダンパ10の
ベアリング4と反対の端面は、静止軸1に固定されてい
る止め金具28に固定される。ここで、ベアリングの回
転振動をおさえるための予圧は、組立て時にベアリング
12の内外周面及びベアリング4の外周面を固定した上
でベアリング4の内輪に適切な予圧をかけながらこの予
圧止め金具28を軸方向に固定することにより行われて
いる。この方法としては、波板状ワッシャを介して、E
形止め輪やC形止め輪で止める方法、ベアリングをワッ
シャを介してナットで軸に締結する方法、焼きばめする
方法等が用いられる。また、予圧止め金具28を省い
て、ベアリング4の内輪と軸1とに予圧をかけながら接
着等の方法により直接固定してもよい。いずれの場合も
この予圧量により、各ベアリングの内輪側と外輪側は軸
方向にその剛性に比例して若干変化し、これにより加え
られた予圧と釣り合うことになる。予圧量が一定である
ためには、この各ベアリングの軸方向位置が内輪側と外
輪側で常に一定である必要がある。図1の参考例のよう
な構成にすることにより、ベアリング4の内輪側位置
は、環境温度が変化すると静止軸1の熱膨張量から温度
ダンパ10の熱膨張量を差し引いた量だけ移動すること
になる。この移動量とスリーブ7の熱膨張によるベアリ
ング4の外輪側移動量を一致させるように温度ダンパ1
0の材質及び形状を選ぶことにより、温度変化による膨
張量は静止軸1側(内輪側)においても、スリーブ7側
(外輪側)においても同じにすることができ、どのよう
な温度変化にたいしても予圧量の変動がない安定した回
転系が得られる。
およびスリーブ7と接する外輪側はいずれも軸方向に移
動しないように接着,しまりばめ等の方法で固定されて
いる。これに対して、ベアリング4のスリーブ7と接す
る外輪側はベアリング12の場合と同じく接着,焼きば
めもしくはねじ止め等で固定されているが、静止軸1と
接する内輪側はすきまばめとなっており、静止軸1と相
対的に軸方向に移動することができる。ベアリング4の
ベアリング12と反対側の端面には温度補償部材(温度
ダンパ)10が当接させられている。温度ダンパ10の
ベアリング4と反対の端面は、静止軸1に固定されてい
る止め金具28に固定される。ここで、ベアリングの回
転振動をおさえるための予圧は、組立て時にベアリング
12の内外周面及びベアリング4の外周面を固定した上
でベアリング4の内輪に適切な予圧をかけながらこの予
圧止め金具28を軸方向に固定することにより行われて
いる。この方法としては、波板状ワッシャを介して、E
形止め輪やC形止め輪で止める方法、ベアリングをワッ
シャを介してナットで軸に締結する方法、焼きばめする
方法等が用いられる。また、予圧止め金具28を省い
て、ベアリング4の内輪と軸1とに予圧をかけながら接
着等の方法により直接固定してもよい。いずれの場合も
この予圧量により、各ベアリングの内輪側と外輪側は軸
方向にその剛性に比例して若干変化し、これにより加え
られた予圧と釣り合うことになる。予圧量が一定である
ためには、この各ベアリングの軸方向位置が内輪側と外
輪側で常に一定である必要がある。図1の参考例のよう
な構成にすることにより、ベアリング4の内輪側位置
は、環境温度が変化すると静止軸1の熱膨張量から温度
ダンパ10の熱膨張量を差し引いた量だけ移動すること
になる。この移動量とスリーブ7の熱膨張によるベアリ
ング4の外輪側移動量を一致させるように温度ダンパ1
0の材質及び形状を選ぶことにより、温度変化による膨
張量は静止軸1側(内輪側)においても、スリーブ7側
(外輪側)においても同じにすることができ、どのよう
な温度変化にたいしても予圧量の変動がない安定した回
転系が得られる。
【0029】図6は他の参考例で、図7は図6の温度ダ
ンパの部分の拡大図である。静止軸1の熱膨張率よりス
リーブ7の熱膨張率が大きいか、あるいはスリーブ7の
温度上昇が静止軸1の温度上昇よりも大きい場合に適用
されるものである。この場合、温度ダンパ10は図1あ
るいは図2に示した参考例とはベアリング4に対して反
対側の端面に取り付けられている。ベアリング12の内
輪と静止軸1およびベアリング12の外輪とスリーブ7
とは接着あるいは焼きばめ等の方法により固定されてい
る。ベアリング4の外輪とスリーブ7とはすきまばめに
なっており、この端面に図に示すような方向に所定の予
圧を加えながら接着や止め金具等の方法で位置が変化し
ないように固定する。このように構成することにより、
ベアリング4とベアリング12の内輪側の熱膨張量は静
止軸1の熱膨張量と温度ダンパ10の熱膨張量の和とな
る。この熱膨張量がスリーブ7によるベアリング4とベ
アリング12の外輪側の熱膨張量と等しくなるように温
度ダンパ10の材質と長さを選んでやればベアリング4
と12の内輪側と外輪側の相対位置の差(予圧量変化)
は先の参考例の場合と同様、温度ダンパ10により調整
され常に一定となり予圧量の変動を起こすことがない。
ンパの部分の拡大図である。静止軸1の熱膨張率よりス
リーブ7の熱膨張率が大きいか、あるいはスリーブ7の
温度上昇が静止軸1の温度上昇よりも大きい場合に適用
されるものである。この場合、温度ダンパ10は図1あ
るいは図2に示した参考例とはベアリング4に対して反
対側の端面に取り付けられている。ベアリング12の内
輪と静止軸1およびベアリング12の外輪とスリーブ7
とは接着あるいは焼きばめ等の方法により固定されてい
る。ベアリング4の外輪とスリーブ7とはすきまばめに
なっており、この端面に図に示すような方向に所定の予
圧を加えながら接着や止め金具等の方法で位置が変化し
ないように固定する。このように構成することにより、
ベアリング4とベアリング12の内輪側の熱膨張量は静
止軸1の熱膨張量と温度ダンパ10の熱膨張量の和とな
る。この熱膨張量がスリーブ7によるベアリング4とベ
アリング12の外輪側の熱膨張量と等しくなるように温
度ダンパ10の材質と長さを選んでやればベアリング4
と12の内輪側と外輪側の相対位置の差(予圧量変化)
は先の参考例の場合と同様、温度ダンパ10により調整
され常に一定となり予圧量の変動を起こすことがない。
【0030】図8は温度ダンパ10をスリーブ7側に設
けた参考例である。この参考例の場合ベアリング12の
外輪側と内輪側及びベアリング4の内輪側と静止軸1は
接着または焼きばめ等の方法により固定されている。ベ
アリング4の外輪とスリーブ7はすきまばめになってい
る。予圧はベアリング12の内輪に加えられその位置で
ベアリング12の外輪側は止め金具27あるいは接着等
の方法でスリーブ7に対して軸方向に移動しないように
固定される。ベアリング4とベアリング12の外輪側の
熱膨張量はスリーブ7の熱膨張量から温度ダンパ10の
熱膨張量を差し引いたものとなる。これとベアリング内
輪側の熱膨張量(静止軸1の熱膨張量)が等しくなるよ
うに温度ダンパ10の材質と形状を設定することによ
り、熱によるベアリング間相対位置変化(予圧量変化)
をなくすことができる。この構成は図6で示した参考例
の場合と同様に、スリーブ7の方が静止軸1よりも熱変
形の大きい場合に適用される。
けた参考例である。この参考例の場合ベアリング12の
外輪側と内輪側及びベアリング4の内輪側と静止軸1は
接着または焼きばめ等の方法により固定されている。ベ
アリング4の外輪とスリーブ7はすきまばめになってい
る。予圧はベアリング12の内輪に加えられその位置で
ベアリング12の外輪側は止め金具27あるいは接着等
の方法でスリーブ7に対して軸方向に移動しないように
固定される。ベアリング4とベアリング12の外輪側の
熱膨張量はスリーブ7の熱膨張量から温度ダンパ10の
熱膨張量を差し引いたものとなる。これとベアリング内
輪側の熱膨張量(静止軸1の熱膨張量)が等しくなるよ
うに温度ダンパ10の材質と形状を設定することによ
り、熱によるベアリング間相対位置変化(予圧量変化)
をなくすことができる。この構成は図6で示した参考例
の場合と同様に、スリーブ7の方が静止軸1よりも熱変
形の大きい場合に適用される。
【0031】図9は静止軸1のベアリング12側に温度
ダンパ10を設けた参考例である。この参考例は図1に
示した参考例の上下を反転したものと一致し、静止軸1
の熱変形がスリーブ7の熱変形より大きい場合に効果が
ある。スペース的に図1の構成が適用できない場合に適
用される。
ダンパ10を設けた参考例である。この参考例は図1に
示した参考例の上下を反転したものと一致し、静止軸1
の熱変形がスリーブ7の熱変形より大きい場合に効果が
ある。スペース的に図1の構成が適用できない場合に適
用される。
【0032】図10は本発明の第1の実施例で、静止軸
1側のベアリング4とベアリング12の両方に温度ダン
パ10を設けたものであり、静止軸1の熱変形がスリー
ブ7の熱変形よりも大きな場合に適用される。ベアリン
グ4とベアリング12の外輪はスリーブ7に接着または
焼きばめ等の方法で固定される。ベアリング4とベアリ
ング12の内輪側は組み立て時にはすきまばめになって
いるが、予圧をかけたのちに、軸方向には移動しないよ
うに止め金具27あるいは接着等の方法で固定される。
この実施例は図1の参考例よりも大きな熱変形の差があ
り図1の参考例では温度ダンパ10の長さが構造的にと
れないような場合に有効である。
1側のベアリング4とベアリング12の両方に温度ダン
パ10を設けたものであり、静止軸1の熱変形がスリー
ブ7の熱変形よりも大きな場合に適用される。ベアリン
グ4とベアリング12の外輪はスリーブ7に接着または
焼きばめ等の方法で固定される。ベアリング4とベアリ
ング12の内輪側は組み立て時にはすきまばめになって
いるが、予圧をかけたのちに、軸方向には移動しないよ
うに止め金具27あるいは接着等の方法で固定される。
この実施例は図1の参考例よりも大きな熱変形の差があ
り図1の参考例では温度ダンパ10の長さが構造的にと
れないような場合に有効である。
【0033】図11はスリーブ7側のベアリング4とベ
アリング12に温度ダンパ10をもうけた第2の実施例
である。ベアリング4とベアリング12の内輪は静止軸
1に接着または焼きばめにより固定される。外輪はいず
れもすきまばめになっており、図のように予圧をかけた
状態で軸方向に移動しないように固定される。この実施
例は図6に示した参考例と同様に、スリーブ7の熱変形
が静止軸1の熱変形より大きい場合に適用され、温度ダ
ンパ10の長さが大きくとれるため、熱変形差の大きな
場合に適用される。
アリング12に温度ダンパ10をもうけた第2の実施例
である。ベアリング4とベアリング12の内輪は静止軸
1に接着または焼きばめにより固定される。外輪はいず
れもすきまばめになっており、図のように予圧をかけた
状態で軸方向に移動しないように固定される。この実施
例は図6に示した参考例と同様に、スリーブ7の熱変形
が静止軸1の熱変形より大きい場合に適用され、温度ダ
ンパ10の長さが大きくとれるため、熱変形差の大きな
場合に適用される。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、広い温度変化に対して
予圧量変動を起こすことのない磁気ディスク装置を得る
ことができる。また従来の装置に比べて耐衝撃性の大き
な回転系を得ることができる。これより、装置の信頼性
を損なうことなく使用環境を広げることが可能となる。
予圧量変動を起こすことのない磁気ディスク装置を得る
ことができる。また従来の装置に比べて耐衝撃性の大き
な回転系を得ることができる。これより、装置の信頼性
を損なうことなく使用環境を広げることが可能となる。
【図1】本発明の参考例の縦断面図である。
【図2】図1の中の温度ダンパの部分の説明図である。
【図3】磁気ディスク装置の全体図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】従来のスピンドルの縦断面図である。
【図6】本発明の他の参考例の縦断面図である。
【図7】図6の温度ダンパ部の説明図である。
【図8】本発明の他の参考例の縦断面図である。
【図9】本発明の他の参考例の縦断面図である。
【図10】本発明の第1の実施例の縦断面図である。
【図11】本発明の第2の実施例の縦断面図である。
【図12】従来技術のスピンドルの熱膨張の説明図であ
る。
る。
【図13】本発明による温度ダンパの効果の説明図であ
る。
る。
【符号の説明】 1…静止軸、4…ベアリング、6…ハブ、7…スリー
ブ、10…温度補償部材(温度ダンパ)、12…ベアリ
ング、25…予圧ばね、26…予圧止め金具、27…止
め金具。
ブ、10…温度補償部材(温度ダンパ)、12…ベアリ
ング、25…予圧ばね、26…予圧止め金具、27…止
め金具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高塚 章郎 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社 日立製作所 小田原工場内 (56)参考文献 特開 昭63−206954(JP,A) 実開 昭58−161232(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 19/20 G11B 25/04 101
Claims (2)
- 【請求項1】静止軸と該静止軸に固定して取付けられた
第1のベアリングと、該静止軸に軸方向に移動可能に取
付けられた第2のベアリングと、記録情報の書き込み又
は読み出しに供する磁気円板を積層して形成した中空軸
回転体の一部を形成し、第2のベアリングを固定して取
付け、かつ第1のベアリングを軸方向に移動可能に取付
けたスリーブとを備えた磁気ディスク装置において、 前記スリーブと前記静止軸との軸方向の熱変形差を吸収
するように、第1の温度補償部材が該第1のベアリング
に当接し、かつ、静止軸に取付けてあり、第2の温度補
償部材が前記第2のベアリングに当接し、かつ、前記静
止軸に取付けてあることを特徴とする磁気ディスク装
置。 - 【請求項2】静止軸と該静止軸に固定して取付けられた
第1のベアリングと、該静止軸に軸方向に移動可能に取
付けられた第2のベアリングと、記録情報の書き込み又
は読み出しに供する磁気円板を積層して形成した中空軸
回転体の一部を形成し、第2のベアリングを固定して取
付け、かつ第1のベアリングを軸方向に移動可能に取付
けたスリーブとを備えた磁気ディスク装置において、 前記スリーブと前記静止軸との軸方向の熱変形差を吸収
するように、第1の温度補償部材が該第1のベアリング
に当接し、かつスリーブに取付けてあり、第2の温度補
償部材が前記第2のベアリングに当接し、かつ、前記ス
リーブに取付けてあることを特徴とする磁気ディスク装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03017455A JP3079587B2 (ja) | 1991-02-08 | 1991-02-08 | 磁気ディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03017455A JP3079587B2 (ja) | 1991-02-08 | 1991-02-08 | 磁気ディスク装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04255964A JPH04255964A (ja) | 1992-09-10 |
JP3079587B2 true JP3079587B2 (ja) | 2000-08-21 |
Family
ID=11944500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03017455A Expired - Fee Related JP3079587B2 (ja) | 1991-02-08 | 1991-02-08 | 磁気ディスク装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3079587B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3705858B2 (ja) | 1996-03-28 | 2005-10-12 | ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ | デイスク駆動装置 |
JP3758757B2 (ja) * | 1996-09-06 | 2006-03-22 | ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ | ディスク装置 |
-
1991
- 1991-02-08 JP JP03017455A patent/JP3079587B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04255964A (ja) | 1992-09-10 |
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