JP3079358B2 - ガスバーナ - Google Patents

ガスバーナ

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JP3079358B2
JP3079358B2 JP07325506A JP32550695A JP3079358B2 JP 3079358 B2 JP3079358 B2 JP 3079358B2 JP 07325506 A JP07325506 A JP 07325506A JP 32550695 A JP32550695 A JP 32550695A JP 3079358 B2 JP3079358 B2 JP 3079358B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上方に流出孔を備
えた略環状の分布室と、分布室の周囲一側部に連通する
混合管とを有する板金製のバーナ本体と、分布室上に載
置されるバーナヘッドとを備えるガスバーナに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の板金製ガスバーナはバーナ本体
の分布室上にバーナヘッドを載置することによって、分
布室の上壁板とバーナヘッドの下面に形成した櫛歯状の
部分とで囲まれた炎孔を形成する。従って、分布室の上
壁板の内、少なくとも櫛歯状の部分に対応する範囲は外
周壁板から略平面状に折り曲げた上壁板を形成する必要
がある。従って、炎孔をバーナヘッド全周に設けるため
には分布室内であって上壁板と外周壁板との間に位置す
る部分にコーナ部が形成される。尚、バーナ本体を鋳造
により形成すると、外周壁板の肉厚を大きくできるため
にバーナヘッドの櫛歯状部分に対応する上記上壁板が不
要であり、又は、駄肉で埋められ、コーナ部は形成され
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】混合管は分布室の周囲
一側部に連通されており、該混合管から分布室内に流入
した混合気は分布室内を左右の両周方向に流れる。しか
し、分布室と混合管との連結部の近傍に位置するコーナ
部では混合気のほとんどが該コーナ部をまたいでバーナ
ヘッドが載置されている上方の流出穴へ向かって流れ
る。すると、コーナ部をまたいで流れる際に混合気の一
部がコーナ部内に入り込むが渦流状態となってコーナ部
内に滞留することになり、流速は極めて遅い。
【0004】点火状態にあるバーナを消火操作すると混
合管内へのガスの供給は直ちに停止されるがエゼクタ効
果により吸引されていた一次空気は慣性のため引き続い
て混合管内に入り、混合管内は通常燃焼状態より空気が
過剰な状態になる。このように混合気中の空気の割合が
多くなると燃焼速度が速くなるため炎は炎孔からバーナ
本体内部に逆火する場合がある。分布室内に残っている
混合気量は少量であるためそのまま放置すれば自然に消
火し(約5秒後)、また、消火操作後直ち(約3秒以
内)に再点火操作する場合には、逆火した炎はコーナ部
まで進んでおらず、そこでは燃焼速度より混合気の供給
速度のほうが速いため、再点火操作により供給される混
合気によって炎は炎孔へと押し戻される。ところが、炎
が上記コーナ部で滞留している混合気まで逆火した状態
(約3秒以上5秒未満後)で再点火操作すると、再点火
操作により混合気を流しても該コーナ部での混合気の流
速が極めて遅いため炎を押し戻すことができず、かつ、
新しい混合気が該コーナ部内に供給され続けるため、該
コーナ部内の炎が消えないという不具合が生じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべく、上方に流出孔を備えた略環状の分布室と、分布
室の周囲一側部に連通する混合管とを有する板金製のバ
ーナ本体と、分布室上に載置されるバーナヘッドとを備
えるガスバーナにおいて、分布室の上壁板と外周壁板と
の間に形成されるコーナ部に、少なくとも上記周囲一側
部に位置させて、混合管から流入する混合気がコーナ部
に滞留することを防止する整流板を取り付けることを特
徴とする。
【0006】尚、上記バーナ本体は、分布室の底壁板と
混合管の下半部とを構成する板金製の下側半殻体と、分
布室の上壁板と内外両壁部と混合管の上半部とを構成す
る板金製の上側半殻体とを接合して形成され、上側半殻
体に上記整流板を取り付けるようにしてもよい。
【0007】上記整流板を設けるとコーナ部に混合気が
滞留しなくなり、たとえコーナ部の位置まで炎が逆火し
ても整流板により炎のコーナ部への侵入が阻止され、再
点火操作により混合気を供給すると、混合気により炎が
押し戻されバーナ本体内で燃焼が継続することはない。
【0008】
【発明の実施の形態】図1を参照して1はバーナ本体で
あり、板金成形された上側半殻体11と同じく板金成形
された下側半殻体12とを気密に密着させた状態でかし
められている。該バーナ本体1には混合管2と該混合管
2に連結される分布室30を備えたバーナ部3とが形成
されている。図示しないノズルが混合管2の開口21に
臨むように配置され、該ノズルから噴出されたガスと、
エゼクタ効果により吸引された空気とを末広管部22内
で混合してバーナ部3の分布室30内へと供給する。混
合管2から供給される混合気は分布室30を通って、該
分布室30の上壁板30aに開設した流出穴である複数
の窓穴31から噴出する。一方、該分布室30の上壁板
30aにはバーナへッド4が載置され、バーナヘッド4
の櫛歯部41が分布室30の上壁板30aに形成された
内周側に向って傾斜した平面状の載置部32に当接す
る。従って、窓穴31から噴出した混合気は櫛歯部41
と載置部32とで形成される炎孔から放射状に放出され
る。尚、バーナ部3の上壁板30aには分布室30に連
通しない開口33が設けられており、該開口33を通し
て点火プラグや熱電対(共に図示せず)が配設される。
尚、バーナヘッド4の下面に突出するボス部42をバー
ナ部3の中央に開設した丸穴34に挿入させることによ
ってバーナ部3に対するバーナヘッド4の位置決めを行
なう。尚、上側半殻体11と下側半殻体12とは外周部
分と丸穴34の内側と開口33の縁部とで相互にかしめ
られている。
【0009】また、図2に示す整流板5は、湾曲した斜
面51と、該斜面51の両端に形成された折返片52
と、斜面51の途中2か所に垂設された取付足53とに
より構成されている。そして、上側半殻体11と下側半
殻体12とを合わせる前に、上側半殻体11のバーナ部
3の内側であって、混合管2に連通する部分を中心とし
て左右対称になるように、整流板5をスポット溶接し、
その後に下側半殻体12を上側半殻体に11に合わせる
ようにした。
【0010】このように整流板5を取り付けると、図3
に示すように、分布室30内の上壁板30aの載置部3
2と外周壁部30bとの間に形成されるコーナ部6が整
流板5の斜面51によって塞がれ、混合管2から流れて
くる混合気はコーナ部6内で渦流となって滞留すること
なく該斜面51に案内されてスムーズに各窓穴31へと
流れる。尚、斜面51の両端まで流れた混合気は折返片
52があるため斜面51の裏側に流れ込むことはない。
【0011】このように整流板5を取り付けてバーナ部
3内での混合気の流れをスムーズにし混合気が滞留しな
いようにすると、消火操作をして炎が分布室30内に逆
火し、かつその逆火した炎が消火する前に再点火を行な
った場合でも、新たに供給される混合気によって炎は炎
孔から外部へと押し戻され、分布室30内に炎が残り続
けるようなことはない。尚、整流板5と上側半殻体11
の上壁部30aは外周壁部30bとの間に隙間が生じて
も、炎は該隙間を通る際に整流板5に冷却されて消火さ
れ、整流板5の裏側、すなわちコーナ部6内に侵入する
ことはない。尚、整流板5を全周に設けても良い。尚、
窓孔31は環状の1つの開口で形成しても良い。すなわ
ち上壁板は少なくとも載置部を備えていれば良い。
【0012】ところで、上述の実施形態では、バーナを
2枚の半殻体で構成したが、3枚の半殻体をかしめて構
成するものにも適用することができ、また、中央に空気
通路である丸穴34を設けないものに適用してもよい。
【0013】尚、上面の外周部分と内周部分とを連結す
る橋状の連結部について、該連結部の外周側が内周側よ
り低くなるように放射方向に傾斜させ、炎孔から入った
煮汁が該連結部を伝って丸穴34とバーナヘッド4との
間に流入しないようにするとよい。
【0014】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、板金成形されたバーナの分布室内のコーナ部に整流
板を取り付けることにより、分布室内で混合気が滞留し
ないようにして、消火操作後再点火した場合に分布室内
に炎が残らないようにした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す斜視図
【図2】整流板の形状を示す斜視図
【図3】整流板の取付状態を示す断面図
【符号の説明】
1 バーナ本体 2 混合管 3 バーナ部 4 バーナヘッド 5 整流板 6 コーナ部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に流出孔を備えた略環状の分布室
    と、分布室の周囲一側部に連通する混合管とを有する板
    金製のバーナ本体と、分布室上に載置されるバーナヘッ
    ドとを備えるガスバーナにおいて、分布室の上壁板と外
    周壁板との間に形成されるコーナ部に、少なくとも上記
    周囲一側部に位置させて、混合管から流入する混合気が
    コーナ部に滞留することを防止する整流板を取り付ける
    ことを特徴とするガスバーナ。
  2. 【請求項2】 上記バーナ本体は、分布室の底壁板と
    混合管の下半部とを構成する板金製の下側半殻体と、分
    布室の上壁板と内外両壁部と混合管の上半部とを構成す
    る板金製の上側半殻体とを接合して形成され、上側半殻
    体に上記整流板を取り付けることを特徴とする請求項1
    記載のガスバーナ。
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