JP3079334B2 - 長大なはね出し大梁をもつ鉄骨造建物の施工法 - Google Patents

長大なはね出し大梁をもつ鉄骨造建物の施工法

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JP3079334B2 JP04150505A JP15050592A JP3079334B2 JP 3079334 B2 JP3079334 B2 JP 3079334B2 JP 04150505 A JP04150505 A JP 04150505A JP 15050592 A JP15050592 A JP 15050592A JP 3079334 B2 JP3079334 B2 JP 3079334B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、上部構造部分の積載
荷重(長期鉛直荷重=デッドロード、ライブロード)が
負荷される長大なはね出し大梁をもつ鉄骨造建物の建築
に実施される施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】上部構造部分の積載荷重を負担する長大
なはね出し大梁をもつ鉄骨造建物の建築においては、施
工の各段階で積載荷重の増加とともに漸次発生し増大す
る梁の撓みをどう制御するかが重要な課題である。この
ような課題に関する従来の技術として、特公昭61ー2
3333号(特許第1358530号)公報には、長大
スパンの梁に外装材、屋根材等の荷重を負担させる鋼構
造物の施工にあたり、予め梁にむくりをつけておき、こ
の梁に先行荷重を加えて変形を予め起こさせ、しかる後
に外装材、屋根材等を施工し、そうした荷重の増加に伴
い先行荷重を漸減的に解除する施工法が開示されてい
る。
【0003】また、特開平2ー136445公報には、
むくりをつけた梁(スーパーフレーム)を組み立て、同
梁の中間部を下方へ引張って前記むくりを戻すように変
形させ、この梁の上に上部架構を構築し、その構築を完
了した結果引張力が消失している前記の引張り材を撤去
する、スーパーフレームを含む構造物の構築方法が開示
されている。
【0004】特開平3ー122333号公報には、建物
の複数階分の階高位置に長大スパンの梁(スーパーフレ
ーム)をむくりをつけて構築し、この梁の上に3階分ぐ
らいを構築単位とする上部構造部分を構築し、前記上部
構造部分における梁中央部の柱の上端部と、前記梁の両
端部との間に複数本のケーブルを山形に張り渡し、同ケ
ーブルに油圧ジャッキで引張力を付与し、同ケーブルに
作用する引張力の合力(下向きの力)で前記柱を介して
前記長大スパン梁のむくりを戻すように変形させる、梁
の変形制御方法が開示されている。
【0005】更に、特開平4ー83036号公報には、
長大スパンの大梁(スーパーフレーム)を所定のむくり
をつけて組立て、前記長大スパン大梁と下層部分との間
に垂直な反力フレーム鉄柱を設け、かつ油圧ジャッキを
設置し、前記油圧ジャッキを駆動させて前記長大スパン
大梁を水平に強制変形させ、その後に前記長大スパン大
梁の上に上部構造部分を構築し、上部構造部分の積載荷
重の増加により前記油圧ジャッキによる先行荷重が零と
なった後に前記油圧ジャッキ及び反力フレーム鉄柱を撤
去する、長大スパン梁を用いた高層建物の施工法が開示
されている。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】 上記特公昭61−23333号公報に記載された施
工法は、多数の引張機構を使用し、且つ外装材、屋根材
等の荷重の増加に伴い、先行荷重を漸減的に解除する操
作を伴うので、解除操作の手間及び荷重相殺(解除)の
コントロールが複雑で難しく、省力化、省人化を図り難
い欠点がある。 上述した他の施工法は、先行荷重の解除を特に必要
としていないが、例えば特開平3−122333号公報
記載の施工法は、山形に張り渡した多数のケーブルに、
中央の柱に転倒モーメントを生じさせないように左右バ
ランス良く引張力を導入し作用させるための構造及び制
御方法が難しいという問題がある。 従来の上述した施工技術はいずれも、上部居室のデ
ッドロード、ライブロードを負担する長大なはね出し大
梁が、各施工段階で積載荷重が増加するのに比例してた
わみ量を増大し、特にはね出し大梁の先端部に大きな変
形を発生させる結果となり、 a)鉄骨建方精度を確保できない、 b)床スラブコンクリートを水平に打設できない、 c)外装パネル取付け位置が変形して取付けをうまくで
きない、 d)床スラブのはね出し部先端部に亀裂が発生する、 等々の構造上及び施工上の大きな障害を解決する内容に
はなっていない。その解決のためには引張機構が多数に
なって管理が複雑で難しくなり、手間が多くかかって高
いコストが発生する。しかも引張機構の周辺には外装工
事、仕上工事、外構工事に着手することができない大き
なエリアが発生し、工事に支障をきたすので、これらの
点が本発明の解決すべき課題になっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した従来技術の課題
を解決するための手段として、この発明に係る長大なは
ね出し大梁をもつ鉄骨造建物の施工法は、図面に実施例
を示したとおり、長大なはね出し大梁1を施工する際、
このはね出し大梁1に負荷される上部構造部分2の積載
荷重により発生するたわみ量相当の上向きのむくりをつ
けた組み立てを行ない、その組み立てを完成した後に、
前記はね出し大梁1から鉛直下向きに設置した鋼材11
による引張機構3により引張力を作用させて前記はね出
し大梁1を略水平に変形させ、しかる後にはね出し大梁
1の上に上部構造部分2の構築を行うことを特徴とす
る。
【0008】本発明の施工法は、引張機構3によるはね
出し大梁1の変形処理を、はね出し大梁1のむくり量を
当初より±0にまで変形させ、しかる後に上部構造部分
2の構築を行うフルテンション工法(図1、図2)と、
及び、引張機構3によるはね出し大梁1の変形処理を、
第1段階では上部鉄骨2bの建方に支障をきたさない程
度のむくり量は残存させ、上部鉄骨2bの建方等を進
め、上部鉄骨2bの積載荷重がある程度増加した段階で
再度引張力を働かせてむくり量を±0にまで変形させ、
その後に上部構造部分2の構築を完成する再テンション
工法、もそれぞれ特徴とする。
【0009】
【作用】引張機構3によって上向きのむくりを略水平に
変形されたはね出し大梁1の上に上部構造2の構築が進
み、その積載荷重が増加するのと反比例的に、引張歪み
の小さい鋼材11による引張機構3の導入引張力は漸減
的に差し引かれてゆく。最終的には上部構造部分2の完
成時点で引張機構3は撤去する。
【0010】引張機構3は、はね出し大梁1の先端部に
1ケ所設置すれば足りる。通常一つのはね出し大梁1に
一つの引張機構3で足りるため、管理が単純で容易であ
り、しかもその周辺の外装工事、仕上工事、外構工事に
ほとんど支障を与えない。
【0011】
【実施例】次に、図示した本発明の実施例を説明する。
図1は地下構造部分4を構築した後、コア部鉄骨6を地
上130mの最上部まで建方を行ない、このコア部鉄骨
6の地上45mぐらいの高さ位置に水平方向に約20m
のはね出し部分Lをもつ長大なはね出し大梁1(約10
mのせいをもつスーパートラス)を組み立て、このはね
出し大梁1の先端部と地面レベルとの間に鉛直下向きの
引張機構3を1ケ所(又は複数ケ所でも可)設置した段
階を示している。図中5は前記コア部鉄骨6の建方及び
はね出し大梁1の組み立てに使用されるタワークレーン
を示している。前記はね出し大梁1の組み立てに際し
て、その上に組み立てられる上部構造部分2(図2参
照)の地上8階から21階までの最終的な積載荷重(デ
ッドロード、ライブロード)により発生するたわみ量相
当(試算によれば、約50mm)の上向きのむくりをつけ
た組み立てが行われる。前記上部構造部分2の組み立て
を完成した後に、引張機構3による引張力を導入して前
記はね出し大梁1を略水平に強制変形させる。
【0012】引張機構3によるはね出し大梁1の変形処
理は、フルテンション工法と再テンション工法とに大別
される。図1と図2はフルテンション工法の実施例を示
したもので、引張機構3ではね出し大梁1の前記むくり
量を当初から±0にまで強制変形させ、直ちにはね出し
大梁1の上に上部構造部分2の鉄骨建方、床スラブコン
クリートの打設、外装工事などを実施してゆくやり方で
ある。図2は上部構造部分2の構築が高層部分にまで進
んだ段階を示している。
【0013】なお、図3A、Bは引張り歪の小さい鋼材
11による引張機構3の構造詳細を示している。はね出
し大梁1の先端部の下面に取り付けた連結片10に、例
えば428×407mm(ウエブの肉厚20mm、フランジ
肉厚30mm)ぐらいの大きなH形鋼11の上端部がハイ
テンションボルト12で結合されている。前記H形鋼1
1の下端部の両側に横架台13が突設され、該横架台1
3の上に例えば能力300トン級のセンターホールジャ
ッキ(油圧ジャッキ)14が2台、左右対称的な配置で
設置されている。前記センターホールジャッキ14のテ
ンションロッド15は、地下構造部分4(又は地中アン
カーなど)にアンカーされたH形鋼16の上端部の両側
に突設された横架台17に通し、下方からナット18が
締結されている。従って、2台のセンターホールジャッ
キ14を伸長駆動することによって、最大700トンの
引張力をはね出し大梁1へ作用させることができる。し
かし、このときのH形鋼11の引張り歪は微小なもので
ある。
【0014】次に、図4と図5は、再テンション工法に
よる実施例を示している。図4は、コア構造部分2aの
構築は最上層まで進められている。そして、引張機構3
によるはね出し大梁1の変形処理は、その第一段階とし
て、むくり量を+10mmぐらいにまで戻す変形(導入引
張力500トン)をさせた段階を示している。次に、図
5は、はね出し大梁1の上に4階分の上部鉄骨構造部分
2bの構築を進めた段階(但し、スラブコンクリートの
打設、外装工事は行なわない。)であり、引張機構3に
よる再引張力の導入を行ない、むくり量が±0mmとなる
まではね出し大梁1を変形させた状態を示している。こ
うして、むくり量が±0mmになった後に、スラブコンク
リートの打設、外装工事に着手する。前記のようにはね
出し大梁1の上に4階分相当の上部構造部分2bが構築
されると、はね出し大梁1のむくり量は、上部構造部分
2bの積載荷重によって+4mm程度に減少する。従っ
て、再度500トンの引張力を導入することにより、は
ね出し大梁1のむくり量は±0mmにまで変形させること
ができる。要するに、上述したフルテンション工法のよ
うに、当初からはね出し大梁1のむくり量が±0になる
まで強制変形させる場合に比べて、再テンション工法の
場合は引張機構3の導入引張力を20〜40%軽減でき
る。その結果、引張機構3の反力基礎、油圧ジャッキ、
H形鋼の能力を格下げでき、コストダウンを図れるので
ある。
【0015】
【本発明が奏する効果】本発明に係る長大なはね出し大
梁をもつ鉄骨造建物の施工法によれば、上階居室、事務
所などのデッドロード、ライブロードを負担する長大な
はね出し大梁1をもつ鉄骨造建物を、簡単な管理で、し
かもローコストで構造上及び工事上の支障を生じさせる
ことなく施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】はね出し大梁に引張機構でフルテンションの変
形を生じさせた段階の施工図である。
【図2】上部構造部分の構築を進めた施工図である。
【図3】A,Bは引張機構の正面図と側面図である。
【図4】再テンション工法によりはね出し大梁にむくり
を戻す変形を与えた施工図である。
【図5】再テンション工法により再引張力を導入した段
階の施工図である。
【符号の説明】
1 はね出し大梁 2 上部構造部分 3 引張機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 敏之 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式 会社竹中工務店東京本店内 (56)参考文献 特開 平2−136445(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/35 E04B 1/24 E04G 21/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長大なはね出し大梁を施工する際、このは
    ね出し大梁に負荷される上部構造部分の積載荷重により
    発生するたわみ量相当の上向きのむくりをつけた組み立
    てを行ない、その組み立てを完成した後に、前記はね出
    し大梁から鉛直下向きに設置した鋼材による引張機構に
    より引張力を作用させて前記はね出し大梁を略水平に変
    形させ、しかる後にはね出し大梁の上に上部構造部分の
    構築を行うことを特徴とする、長大なはね出し大梁をも
    つ鉄骨造建物の施工法。
  2. 【請求項2】引張機構によるはね出し大梁の変形処理
    は、はね出し大梁のむくり量を±0にまで変形させ、そ
    の後に上部構造部分の構築を行うことを特徴とする、請
    求項1記載の長大なはね出し大梁をもつ鉄骨造建物の施
    工法。
  3. 【請求項3】引張機構によるはね出し大梁の変形処理
    は、第1段階では上部鉄骨の建方に支障をきたさない程
    度のむくり量を残存させ、上部鉄骨の建方等を進め、上
    部鉄骨の積載荷重がある程度増加した段階で再度引張力
    を働かせてむくり量を±0にまで変形させ、その後に上
    部構造部分の構築を完成することを特徴とする、請求項
    1記載の長大なはね出し大梁をもつ鉄骨造建物の施工
    法。
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JP6751311B2 (ja) * 2016-06-01 2020-09-02 株式会社竹中工務店 建物施工法

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