JP3079280U - パイル起毛ニット製品とその製造装置 - Google Patents

パイル起毛ニット製品とその製造装置

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JP3079280U
JP3079280U JP2001000359U JP2001000359U JP3079280U JP 3079280 U JP3079280 U JP 3079280U JP 2001000359 U JP2001000359 U JP 2001000359U JP 2001000359 U JP2001000359 U JP 2001000359U JP 3079280 U JP3079280 U JP 3079280U
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yarn
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JP2001000359U
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吉正 鷲尾
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ワシオ株式会社
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 伸縮性が良く、捲かれにくく解けにくい締付
部を有し、一方、毛足が長く斑のない起毛を施した保温
性の良いパイル起毛ニット製品とその製造装置を提供す
る。 【解決手段】 締付部から編成し始められたことを特徴
とするパイル起毛ニット製品及び回転シリンダー16
と、回転シリンダー16の円筒上部外縁に上下方向に移
動可能に列設された多数の編針17と、各編針17の溝
に挿通され回転シリンダー16の中心に向かって進退可
能に配設された多数のシンカーとを備え、起毛部を編成
するシンカーが、ポリウレタン弾性糸又は伸縮性ポリア
ミド系糸が乗せられる小爪と、小爪の上方に設けられ天
然繊維又は合成繊維からなる紡績糸あるいはポリアクリ
ル系合成繊維と天然繊維との混紡糸からなるパイル糸が
乗せられる大爪とで構成される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、パイル起毛ニット製品とその製造装置に係り、さらに詳しくは、コ ース方向(横の筋目方向)に起毛を施した肌着や靴下あるいは外衣となりうる起 毛ニット製品とその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なニットは、保温性に欠けていた。また横編地からなるニット製 品は、締付部がゴム編組織になっているため、編地を切断して縫製する必要があ るため、締付部の弾性糸が切断する傾向があり、締付部が伸縮性に欠け、編地も 薄いため伸びきってしまい、また解けやすいことも欠点となっていた。
【0003】 また、ニットを起毛する場合、メリヤス機械から下ろし、起毛機にかけてウエ ール方向(縦の引張り方向)に起毛をしていた。従って、コース方向に編まれて いる編目に起毛ブラシが引掛りやすく、斑のない起毛が得られなかった。
【0004】 更に、従来の起毛ニットは、特に平編を起毛していたため、毛足の短い起毛し かできず、良質の起毛ニットを編成することができなかった。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上記の事情に鑑み、本考案は、伸縮性が良く、捲かれにくく解けにくい締付部 を有し、一方、毛足が長く斑のない起毛を施した保温性の良いパイル起毛ニット 製品とその製造装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記目的を達成するために、天然繊維又は合成繊維からなる紡績糸 あるいはポリアクリル系合成繊維と天然繊維との混紡糸からなるパイル糸と、ポ リウレタン弾性糸又は伸縮性ポリアミド系糸の芯糸とからなるパイル組織に編成 された起毛部と、天然繊維又は合成繊維からなる紡績糸あるいはポリアクリル系 合成繊維と天然繊維との混紡糸からなる表糸とポリウレタン弾性糸又は伸縮性ポ リアミド系糸からなる裏糸と天然ゴム又は合成ゴムからなる挿通糸とからなる非 パイル組織に編成された締付部とから構成され、前記締付部から編成され始めら れた下着用ニット製品、及び回転シリンダーと、該回転シリンダーの円筒上部外 縁に上下方向に移動可能に列設された多数の編針と、該各編針の溝に挿通され前 記回転シリンダーの中心に向かって進退可能に配設された多数のシンカーとを備 え、前記起毛部を編成する前記シンカーが、前記紡績糸とポリウレタン弾性糸と が乗せられる小爪と、該小爪の上方に設けられ前記パイル糸が乗せられる大爪と で構成され、前記回転シリンダーの上部内側には十分な起毛をなしうる20mm 幅以上で内径が20mm以上の広幅の鍔状膨出部を有するアダプターが覆装され 、該アダプターの上部には該アダプターの幅の範囲内で3mm幅以上の起毛ブラ シが対設されているパイル起毛ニット製品製造装置を構成するものである。
【0007】 本考案は、上記のように構成したので、起毛部において、パイルループを形成 することができ、パイルループの大きさはシンカーの大爪の高さによって自由に 変更可能であり、パイルループの頂部を起毛することにより、毛足の長い起毛を 得ることができる。また、締付部から編み始めるようにしたため、締付部から解 けることがない。
【0008】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本考案の起毛ニット の一実施例を示すセーターの正面図、図2は本考案の起毛ニットの別の実施例を 示す紳士用ズボン下を裏返した正面図、図3は本考案の起毛部の一実施例を示す 組織図、図4は本考案のシンカーに編糸を乗せた状態の起毛部製造時の一実施例 を示す正面図、図5は本考案の締付部の一実施例を示す組織図、図6は本考案の シンカーに編糸を乗せた状態の締付部製造時の一実施例を示す正面図、図7は本 考案の製造装置の一実施例を示す略示縦断面図である。
【0009】 図1に示すものは、セータからなる起毛ニット1であるが、本考案の起毛ニッ トは、このように肌着に限らず外衣にも適用することができる。
【0010】 セータ1は、本実施例の場合、前身頃にチェック柄を形成させた起毛部2と裾 の締付部3aと肩紬ロの締付部3b,3cと襟首の締付部3dとからなっており 、内面4には起毛5が施されている。
【0011】 本考案のセータ1は、裾の締付部3aの下端6から編み始めている。従って、 肩紬口の締付部3b,3cと襟首の締付部3dは、別編みのニットを後から縫着 7a,7b,7cして一体化している。
【0012】 図2は、紳士用ズボン下からなる起毛ニット101を裏返した正面図であるが 、ズボン下101は、右側筒編地102aと左側の筒編地102bと中央のまち 編地102cを縫着107a,107bした地編部102と、裾の締付部103 a,103bと上部締付部103cとからなっている。
【0013】 本考案のズボン下101も、同じく裾の締付部103aの下端106a,10 6bから編み始めている。従って、上部締付部103cは、後から二重に折返し て通し穴を設けて端部を縫着107cし、この中にゴム紐を通している。
【0014】 図3は、起毛部102の組織を示している。本実施例の場合は、パイル糸8と ポリウレタン弾性糸9とを使用している。パイル糸8には、天然繊維又は合成繊 維からなる紡績糸あるいはポリアクリル系合成繊維と天然繊維との混紡糸が用い られる。また芯糸として、ポリウレタン弾性糸や伸縮性ナイロン糸のような高弾 性糸が用いられる。ただし、伸縮性を必要としないオーバー・コートのような外 衣の場合には、普通糸を使用する。ここで短繊維糸の使用は、起毛がしやすいか らである。
【0015】 パイル糸8は、羊毛番手の60番手より太く10番手より細い糸であることが 好ましい。それは、60番手より細いと糸が切れて起毛しにくく、一方、10番 手より太いと起毛に斑ができるからである。
【0016】 図4は、起毛部を編成するために、回転するシリンダー16(図7参照)の円 周上部外縁に進退自在に設けられたシンカー11を示している。このシンカー1 1には、ポリウレタン弾性糸9を乗せるための小爪12が設けられているととも に、小爪12の上方にパイル糸8を乗せるための大爪13が設けられている。そ して、ポリウレタン弾性糸9をシンカーの小爪12に乗せ、パイル糸8をシンカ ーの大爪13に乗せてシンカー11を前進(図7において外方向移動)させて、 パイル糸10にパイルループ14を形成させるものである。このパイルループ1 4は、ニットの内面104側に起立され、その頭部が起毛105されることにな る。
【0017】 図5は、締付部203の組織を示している。本実施例の場合は、天然繊維又は 合成繊維からなる紡績糸又はポリアクリル系合成繊維と天然繊維との混紡糸から なる表糸209とポリウレタン弾性糸又は伸縮性ポリアミド系糸からなる裏糸2 10と太い弾性糸からなる挿通糸216との計3本の編糸からなっている。ここ で太い弾性糸とは、スパンデックス糸や天然ゴム糸からなる太い弾性糸のことで ある。この弾性糸は、締付部の編み始め端206には、3本の弾性糸216,2 16,216を挿通して端部を丈夫にしており、2コース目からは1本ずつ挿通 している。
【0018】 図6は、締付部の場合のシンンカー211の使い方の一例を示している。この シンンカー211は、最上面にパイル糸である表糸209とポリウレタン弾性糸 である裏糸210とを乗せている大爪213が設けられていて、この大爪213 の下にポリウレタン弾性糸又は天然ゴム糸からなる挿通糸216が乗せられる小 爪212が設けられている。そして、パイル糸209とポリウレタン弾性糸21 0とを大爪213に乗せ、挿通糸216を小爪212に乗せてシンカー211を 進退させることにより、伸縮性の良い編目の大きいパイルループ状添糸平編から なる非パイル組織を編成することができる。
【0019】 図7は、本発明の起毛ニットの製造に用いられるシンカーと巻取り機構を有す る回転式丸編機械15の一実施例を示している。
【0020】 回転Rするシリンダー16の円周上部外縁には編針17,・・,17のほか、 パイル編用のシンカー11,・・,11が列設されている。編針17,・・,1 7は、上下動を繰返してニットを編成する。一方、シンカー11,・・,11は 、シリンダー16の中心に向かって前後動し、編成時の編地を支えるとともに、 編糸をそれぞれの爪に乗せて外す動作を繰返している。
【0021】 シリンダー16の上部内側には、広幅の鍔状膨出部18aを有するアダプター 18がシリンダー16と同体に回転するように覆装され、アダプター18の上部 には、アダプターの幅の範囲内で起毛ブラシ20a,20bが対設されている。 アダプター18は、シリンダー16の上面が幅狭のため、充分な起毛をなしうる よう起毛面を幅広のものにするよう設けられるもので、起毛時に起毛ブラシ20 a,20bを押し当てた際、編地を下から支える作用をしている。
【0022】 このアダプター18は、本発明の場合、20mm幅以上で、内径が20mm以 上のものである。それは、20mm幅以下であると充分な起毛ができない。また 、内径が20mm以下であるとニットが巻取りにくくなるからである。
【0023】 起毛ブラシ20a,20bは、円形や楕円形状のものを1乃至3個あるいは連 続した円弧状のもの等が使用できるが、ブラシは腰のある金属線で、尖端は幾分 丸味を帯びたものがよい。この起毛ブラシ20a,20bは、浮上らないように スプリング19a,19b等で下向きの荷重を加えて使用してもよい。
【0024】 起毛ブラシ20a,20bは、3mm幅以上のものであることが望ましい。そ れは、小型メリヤス機械の場合、薄い円弧状のものを使用するが、その際も3m m幅以上ないと、3コース程度を同時に起毛することができず、起毛が充分に行 われないからである。
【0025】 メリヤス機械15によって編成されるニットの表面は、アダプター18の上部 に接し、シンカー11によって図示R方向にパイルループが形成されながら編成 する編地20は、巻取りローラー21,21によってウェール方向Wに引張られ ると、シリンダー16内の編地内面にパイルが起毛することになる。
【0026】 このように、アダプター18の上面である図3に示す編地内面104に形成さ れるパイルループ14の頂部を、起毛ブラシ20a,20bで編地面へ押圧しな がら起毛すると、編地はシリンダー16とともに回転Rしているので、図3の編 目のコース方向Cに起毛することになるため、起毛は引掛かって無理するという ことはなく、起毛がスムースに行われる。
【0027】
【考案の効果】
以上、詳述したように、本考案によれば次のような効果が得られる。 (1)起毛部において、大きさが可変できるパイルループを形成することができ 、その結果、伸縮性の大きなパイル起毛ニットの製造が可能になる。 (2)大きさが可変なパイルループの頂部を起毛することにより、毛足の自由な 起毛を得ることができる。 (3)シンカーには、ポリウレタン弾性糸を乗せるための小爪が設けられている とともに、小爪の上方にパイル糸を乗せるための大爪が設けられているので、ポ リウレタン弾性糸を小爪に乗せ、パイル糸を大爪に乗せてシンカーを前進後退さ せて、パイルループ形成させることができるとともにパイルループはニットの内 面側に起立され、その頭部を起毛することができる。 (4)締付部において、太い挿通糸の使用が可能になるので、伸縮性がよく、捲 かれたり伸びきるおそれがない。 (5)回転シリンダーの上部内側には十分な起毛をなしうる20mm幅以上で内 径が20mm以上の広幅の鍔状膨出部を有するアダプターが覆装され、該アダプ ターの上部には前記アダプターの幅の範囲内で3mm幅以上の起毛ブラシが対設 されているので、少なくとも3コース程度に跨って確実に起毛ブラシを編地に当 接することができ、無理のない起毛をすることができる。 (6)編成と同時に編機上で回転するコース方向に起毛するようにしたので、起 毛ブラシが引掛かることもなく、安定した起毛が安価にできる。 (7)編成する編地は、巻取ローラーによってウエール方向に引っ張られるので 、広幅のアダプターと起毛ブラシによってシリンダー内の編地内面にパイルを確 実に起毛することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の起毛ニットの一実施例を示すセーター
の正面図である。
【図2】本考案の起毛ニットの他の実施例を示す紳士用
ズボン下を裏返した正面図である。
【図3】本考案の起毛部の実施例を示す組織図である。
【図4】本考案の製造装置のシンカーに編糸を乗せた状
態の地編部製造時の一実施例を示す正面図である。
【図5】本考案の締付部の一実施例を示す組織図であ
る。
【図6】本考案のシンカーに編糸を乗せた状態の締付部
製造時の一実施例を示す正面図である。
【図7】本考案の製造装置の一実施例を示す略示断面図
である。
【符号の説明】
1 セーターからなる起毛ニット 2 起毛部 3a 締付部 3b 締付部 5 起毛 8 パイル糸 9 ポリウレタン弾性糸 11 シンカー 12 小爪 13 大爪 14 パイルループ 15 丸編メリヤス機械 16 シリンダー 17 編針 18 アダプター 20 編地 20a 起毛ブラシ 21 巻取ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06C 11/00 D06C 11/00 A

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然繊維又は合成繊維からなる紡績糸あ
    るいはポリアクリル系合成繊維と天然繊維との混紡糸か
    らなるパイル糸と、ポリウレタン弾性糸又は伸縮性ポリ
    アミド系糸の芯糸とからなるパイル組織に編成された起
    毛部と、天然繊維又は合成繊維からなる紡績糸又はポリ
    アクリル系合成繊維と天然繊維との混紡糸からなる表糸
    とポリウレタン弾性糸又は伸縮性ポリアミド系糸からな
    る裏糸と天然ゴム又は合成ゴムからなる挿通糸とからな
    る非パイル組織に編成された締付部とから構成された下
    着用ニット製品において、前記締付部から編成し始めら
    れたことを特徴とするパイル起毛ニット製品。
  2. 【請求項2】 回転シリンダーと、該回転シリンダーの
    円筒上部外縁に上下方向に移動可能に列設された多数の
    編針と、該各編針の溝に挿通され前記回転シリンダーの
    中心に向かって進退可能に配設された多数のシンカーと
    を備え、前記起毛部を編成する前記シンカーが、ポリウ
    レタン弾性糸又は伸縮性ポリアミド系糸が乗せられる小
    爪と、該小爪の上方に設けられ天然繊維又は合成繊維か
    らなる紡績糸あるいはポリアクリル系合成繊維と天然繊
    維との混紡糸からなるパイル糸が乗せられる大爪とで構
    成され、前記回転シリンダーの上部内側には十分な起毛
    をなしうる20mm幅以上で内径が20mm以上の広幅
    の鍔状膨出部を有するアダプターが覆装され、該アダプ
    ターの上部には該アダプターの幅の範囲内で3mm幅以
    上の起毛ブラシが対設されていることを特徴とするパイ
    ル起毛ニット製品製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014132130A (ja) * 2014-01-27 2014-07-17 Nippon Amimono Co Ltd 靴下、肌着の保温編物、製造方法およびこれらのカバーリングヤーン

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014132130A (ja) * 2014-01-27 2014-07-17 Nippon Amimono Co Ltd 靴下、肌着の保温編物、製造方法およびこれらのカバーリングヤーン

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