JP3079161B2 - ゴルフクラブシャフト及びゴルフクラブ - Google Patents

ゴルフクラブシャフト及びゴルフクラブ

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JP3079161B2
JP3079161B2 JP07211254A JP21125495A JP3079161B2 JP 3079161 B2 JP3079161 B2 JP 3079161B2 JP 07211254 A JP07211254 A JP 07211254A JP 21125495 A JP21125495 A JP 21125495A JP 3079161 B2 JP3079161 B2 JP 3079161B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴルフクラブシャフ
ト及びゴルフクラブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化プラスチック(FRP)
製の中空ゴルフクラブシャフトは広く利用されている。
このシャフトは、ゴルフクラブを形成するために、一般
的には、そのチップ側先端部をクラブヘッドのシャフト
取付け穴内に挿入し、接着剤により接着固定化される。
しかしながら、このようなゴルフクラブの場合、スチー
ル製シャフトを有するゴルフクラブとは異なり、そのゴ
ルフクラブシャフトのチップ側先端部における捩り剛性
値が比較的小さいことから、スイングをし、打球する際
に、そのチップ側のシャフト先端部に捩れを生じやす
く、打球の方向性が損われるという難点がある。特に、
この打球方向の不安定性は、ヘッドスピードを速くして
打球する際に著しくなる。前記FRP製中空ゴルフクラ
ブシャフトのチップ側先端部における捩り剛性値は、原
理的には、そのシャフトのチップ側先端部の外径を大き
くすることにより増加させることができる。しかし、チ
ップ側先端部の外径を大きくすると、この場合には、そ
のチップ側先端部をクラブヘッドのホーゼル内に挿入す
ることができなくなるため、クラブヘッドのホーゼルと
シャフトのチップ側先端部との結合は、オーバーホーゼ
ル型の結合、即ち、ホーゼルをシャフトのチップ側先端
部の中空孔内に挿入する方式の結合や、ジョイントを用
い、そのジョイントの一方の端部をホーゼル内に挿入
し、他方の端部をシャフトのチップ側先端部の中空孔内
に挿入する方式の結合により行うことが必要となる。そ
して、このような結合方式によると、シャフトのチップ
側先部の内径も必然的に大きくなり、その結果、そのシ
ャフトの平均内径及び平均外径が、従来のシャフトの平
均内径及び平均外径よりも、相当に大きくなる。この理
由は、従来のシャフトの場合シャフトの内径が、シャフ
トのチップ先端からシャフトのグリップ側先端に向け
て、徐々に増加し、それに応じてシャフトの外径も徐々
に増加しているからである。一方、シャフトの平均内径
及び平均外径が大きくなりすぎると、FRP製中空シャ
フトの特徴であるしなり性が損われるとともに、シャフ
トのキックポイントがグリップ側に大きく移動するた
め、ゴルフクラブとしての特性が損われ、打球が上らな
い、飛距離が低下する、スイング感触がわるい等の問題
が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、チップ側先
端部の捩り剛性値が高い上に、良好なしなり性を有し、
しかもキックポイントが適当範囲の位置にあるFRP製
中空ゴルフクラブシャフト及びこのシャフトを備えたゴ
ルフクラブを提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、繊維強化プラスチッ
クからなる中空ゴルフクラブシャフトにおいて、(i)
シャフトのチップ側先端の内径が少なくとも7mmで、
外径が少なくとも8mmであること、(ii)シャフトの
チップ側先端からH1点までのシャフトの外径が実質的
に同じであり、該H1点はシャフトのチップ側先端から
20〜170mmの範囲に位置すること、(iii)シャ
フトのチップ側先端からG1点までのシャフトの内径が
実質的に同じであり、該G1点は、シャフトの全長に対
するシャフトのチップ側先端からの距離の比で表わした
位置において、20〜50%の範囲に位置すること、
(iv)シャフト全長に対するシャフトのチップ側先端か
らの距離の比で表わした位置において、10〜45%の
範囲の位置に捩り剛性値極小点C又は極小域Fを有し、
かつ40〜47%の範囲の位置にキックポイントQを有
すること、(v)前記H1点と極小点C又は極小域との
間の外径が、極小点C又は極小域Fの方向に向けて徐々
に減少すること、を特徴とするゴルフクラブシャフトが
提供される。また、本発明によれば、繊維強化プラスチ
ックからなる中空ゴルフシャフトにおいて、(i)シャ
フトのチップ側先端の内径が少なくとも7mmで、外径
が少なくとも8mmであること、(ii)シャフトのチッ
プ側先端からH1点までのシャフトの外径が実質的に同
じであり、該H1点はシャフトのチップ側先端から20
〜170mmの範囲に位置すること、(iii)シャフト
のチップ側先端からG1点までのシャフトの内径が実質
的に同じであり、該G1点は、シャフトの全長に対する
シャフトのチップ側先端からの距離の比で表わした位置
において、20〜50%の範囲に位置すること、(iv)
シャフト全長に対するシャフトのチップ側先端からの距
離の比で表わした位置において、10〜45%の範囲の
位置に捩り剛性値極小点C又は極小域Fを有し、かつ4
0〜47%の範囲の位置にキックポイントQを有するこ
と、(v)前記H1点と極小点C又は極小域Fとの間の
外径が、極小点C又は極小域Fの方向に向けて徐々に減
少すること、(vi)前記シャフトのチップ側先端部中空
内に、ゴルフクラブヘッドのシャフト取付け穴の内径に
対応する外径を有する繊維強化プラスチック又は金属か
らなるジョイントの一部が挿入され、接着固定化されて
いること、を特徴とするゴルフクラブシャフトが提供さ
れる。さらに、本発明によれば、繊維強化プラスチック
からなる中空ゴルフクラブシャフトにゴルフクラブヘッ
ドを結合させたゴルフクラブにおいて、該シャフトとヘ
ッドとは、繊維強化プラスチック又は金属からなるジョ
イントを介して結合され、該シャフトは、(i)シャフ
トのチップ側先端の内径が少なくとも7mmで、外径が
9〜14mmであること、(ii)シャフトのチップ側先
端からH1点までのシャフトの外径が実質的に同じであ
り、該H1点はシャフトのチップ側先端から20〜17
0mmの範囲に位置すること、(iii)シャフトのチッ
プ側先端からG1点までのシャフトの内径が実質的に同
じであり、該G1点は、シャフトの全長に対するシャフ
トのチップ側先端からの距離の比で表わした位置におい
て、20〜50%の範囲に位置すること、(iv)シャフ
ト全長に対するシャフトのチップ側先端からの距離の比
で表わした位置において、10〜45%の範囲の位置に
捩り剛性値極小点C又は極小域Fを有し、かつ40〜4
7%の範囲の位置にキックポイントQを有すること、
(v)前記H1点と極小点C又は極小域Fとの間の外径
が、極小点C又は極小域Fの方向に向け徐々に減少する
こと、を特徴とするゴルフクラブが提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の繊維強化プラスチック製
中空ゴルフクラブシャフト(以下、単にシャフトとも言
う)は、従来公知のシートワインディング(SW)法
や、フィラメントワインディング(FW)法により製造
することができる。繊維強化プラスチックにおける繊維
としては、ガラス繊維、炭素繊維、ケブラー繊維、ボロ
ン繊維、セラミック繊維等の有機系、金属系及び無機系
の繊維及びそれらの繊維の組合せが用いられるが、炭素
繊維の使用が好ましい。プラスチックとしては、プリプ
レグの製造に用いられている各種の熱硬化性樹脂組成物
が用いられるが、エポキシ樹脂を主体とした樹脂組成物
の使用が好ましい。
【0006】本発明のシャフトは、そのチップ側先端部
にジョイントをあらかじめ連結させたものであってもよ
いし、連結させないものであってもよい。本発明のシャ
フトに対してジョイントを用いる場合、そのジョイント
は、繊維強化プラスチック又は金属で構成することがで
きる。繊維強化プラスチックとしては、前記したシャフ
トに関して示したものと同様のものを例示することがで
きる。金属としては、スチールや、チタン等を例示する
ことができる。また、このジョイントは、円筒形である
ことができる他、円柱形等であることができる。
【0007】次に、本発明のジョイントを有しないシャ
フトについて図面を参照して説明する。図1は、本発明
シャフトを中心線に沿って縦方向に切断したときの断面
図を示す。この図において、11はシャフトの外表面の
切断線を示し、12はシャフトの内表面の切断線を示
す。Bは、シャフトのチップ側先端部における外径が実
質的に同じである部分を示す。Fは、シャフトにおける
外径分布の極小域を示す。F1〜F2はその極小域の長さ
を示し、その長さは300mm以下、好ましくは250
mm以下である。また、この外径分布極小域Fの長さは
ゼロ、即ち極小点Cであってもよい。Dはシャフトのグ
リップ側先端部における外径が実質的に同じである部分
を示す。H1点は、シャフトの外径分布変化点を示し、
シャフトのチップ側先端からこのH1点までの外径は実
質的に同じであり、シャフトの外径は、このH1点から
グリップ側に向けて徐々に減少する。H2点は、シャフ
トの外径分布変化点を示し、シャフトのグリップ側先端
からこのH2点までの外径は実質的に同じであり、シャ
フトの外径は、このH2点からシャフトのチップ側に向
けて徐々に減少する。G1点は、シャフトの内径分布の
変化点を示し、シャフトのチップ側先端からこのG1
までの内径は実質的に同一であり、シャフトの内径は、
このG1点からグリップ側に向けて徐々に増加する。G1
点は極小点C又は極小域Fと一致させてもよい。G2
は、シャフトの内径分布の変化点を示し、シャフトのグ
リップ側先端からこのG2点までの内径は実質的に同一
である。シャフトの内径は、このG2点からチップ側に
向けて徐々に減少する。G2点はH2点と一致させてもよ
い。X1及びY1は、それぞれ、シャフトのチップ側先端
における内径及び外径を示し、X2及びY2は、それぞ
れ、シャフトのグリップ側先端における内径及び外径を
示す。
【0008】図2に、本発明によるジョイントを有しな
いシャフトの1例について、そのシャフトの特定部分と
捩り剛性値との関係を示す。図2において、B及びD
は、図1に示したB及びDに対応し、H1点、G1点及び
2点は、図1に示したH1点、G1点及びH2点に対応す
る。図2に示したC点はシャフトを長手方向に沿って切
断した切断線における外径極小点(外径分布極小点)を
示す。また、BTはシャフトの部分Bにおける捩り剛性
値、CTはシャフトの外径分布極小点Cにおける捩り剛
性値、DTはシャフトの部分Dにおける捩り剛性値を示
す。C点における捩り剛性値は、捩り剛性値の極小点を
示す。また、C点は外径分布極小域Fであることがで
き、このFにおける捩り剛性値はFTで表わされる。本
発明のシャフトの構造的特性を図1に示したシャフトと
の関連において表1及び表2に示す。表1の符号の意味
は次の通りである。 X1:シャフトのチップ側先端部の内径を示す。 Y1:シャフトのチップ側先端部の外径を示す。 X2:シャフトのグリップ側先端部の内径を示す。 Y2:シャフトのグリップ側先端部の外径を示す。 X3:シャフトの外径分布極小点C又は極小域Fにおけ
るシャフトの内径を示す。 Y3:シャフトの外径分布極小点C又は極小域Fにおけ
るシャフトの外径を示す。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】なお、前記G1点及びC点又は領域Fの各
位置は、シャフト全長に対するシャフトのチップ側先端
からの距離の比(%)で表わしたものである。また、G
2点の位置は、シャフト全長に対するシャフトのグリッ
プ側先端からの距離の比(%)で表わしたものである。
【0012】本発明のシャフトは、シャフト全長に対す
るシャフトのチップ側先端からの距離の比で表わした位
置において、10〜45%、好ましくは13〜35%の
範囲の位置に捩り剛性値極小点C(外径分布極小点)又
は極小域Fを有し、かつ40〜47%、好ましくは42
〜45%の範囲の位置にキックポイントQを有する。シ
ャフトにおける捩り剛性値極小点C又は極小域Fの位置
が前記範囲よりグリップ側になると、打球の際にグリッ
プ側シャフトに捩れが生じ、ゴルフクラブをスイングす
るときのゴルフクラブのコントロールが難しくなるとい
う問題が生じる。シャフトにおける捩り剛性値極小点C
又は極小域Fの位置が前記範囲よりチップ側になると、
打球の際、すなわちゴルフクラブヘッドに衝撃が与えら
れた際に、シャフトのチップ側が捩れやすくなるので、
打球方向が安定しないという問題がある。また、キック
ポイントQの位置が前記範囲よりもグリップ側になると
打球の上りにくいシャフトとなり、また、前記範囲より
チップ側になると、打球時にシャフトのチップ側の部分
に力が大きくかかり、シャフトが破損する等の問題を生
じる。本発明のシャフトは、シャフト全長に対するシャ
フトのチップ側先端からの距離の比で表わした位置にお
いて、10〜45%の範囲の位置に捩り剛性値極小点C
又は極小域Fを有し、かつ40〜47%の範囲の位置に
キックポイントQを有しているので、以下のような効果
が得られる。 (1)打球の際に、ゴルフクラブヘッドに与えられた衝
撃によって生じるゴルフクラブの捩りの衝撃の一部が、
捩り剛性値極小点C又は極小域Fの近辺のシャフト部分
で吸収され、衝撃がかなり小さくなって手に伝わるので
打球の感触がよい。 (2)前記ゴルフクラブシャフトからなるゴルフクラブ
は打球が上りやすいので、ゴルフボールを上方向へ向け
て打つために好適なゴルフクラブを得ることができる。 (3)本発明のシャフトにおいてはその曲げ剛性極小
も、後記するように、シャフト全長に対するシャフトの
チップ側先端からの距離の比で表わした位置において、
15〜45%の範囲に位置するので、シャフトのしなり
性も良好で、スイング感触も良好である。
【0013】本発明のシャフトは、そのシャフトのチッ
プ側先端からG1点までの内径が実質的に同じ大きさに
設計されている。この設計によりシャフトにおけるキッ
クポイントQの位置がグリップ側に大きく移動するのが
防止される。本発明のシャフトにおけるチップ側先端部
Bの外径は、図1からもわかるように、従来のシャフト
に比較して、捩り剛性値を高めるために、シャフトのチ
ップ側先端からH1点まで大きく設計されている。従っ
て、従来のシャフトの場合と同様に、そのシャフトの外
径をシャフトのチップ側先端からグリップ側先端に向け
て徐々に増加させるように設計すると、シャフト中間部
における外径及び内径が相当に大きくなり、シャフトの
しなり性が損なわれるとともに、シャフトのキックポイ
ントがグリップ側に大きく移動して、打球の上りにくい
シャフトになってしまう。これに対し、本発明シャフト
の場合、そのシャフトの内径はシャフトのチップ側先端
からG1点まで同じで、G1点からグリップ側に向けて徐
々に増加するように設計されているため、シャフトのチ
ップ側先端部Bの外径が大きく設計されているにもかか
わらず、シャフトの中間部の外径及び内径が大きく拡大
化されるのが防止され、そのシャフトの中間部の外径
は、実際上は、市販のシャフトの外径とほぼ同じ程度で
ある。また、シャフトのグリップ側先端部にも同様の目
的で、G2点を設け、シャフトのグリップ側先端からG2
点までの内径を実質的に同じ寸法にすることができる。
次表に、図1に示したシャフトの部分B、外径分布極小
域F(又は外径分布極小点C)、部分Dにおけるそれぞ
れの捩り剛性値BT、FT(CT)及びDTを示す。
【0014】
【表3】
【0015】なお、表3に示したシャフトの外径極小域
Fの捩り剛性値FTにおいて、FT<BTは、シャフト
のF点の捩り剛性値がBの部分の捩り剛性値よりも小さ
いことを示す。また、FT>0.8は、Fの部分の捩り
剛性値が0.8×106kg・mm2よりも大きいことを
示す。本発明のシャフトにおいて、Bの部分の捩り剛性
値BTが前記範囲より小さくなると、打球に際し、ヘッ
ドが安定せず、打球の方向安定性が損われる。Fの捩り
剛性値FTが前記の範囲より小さくなると、シャフトの
全体的捩り剛性値不足により打球に際し、ヘッドが安定
せず、打球方向の安定性が損われる。Dの部分の捩り剛
性値DTが前記範囲より小さくなると、グリップ側先端
部の捩り剛性値が不足し、安定してゴルフクラブをスイ
ングすることができなくなる。また、B,F,Dの部分
の各捩り剛性値が前記範囲より大きいとシャフト全体の
捩り剛性値が不必要に高くなりすぎ、シャフトの製造コ
ストが高くなる。前記アイアン用ゴルフクラブ用シャフ
トにおいて、シャフトのBの部分の捩り剛性値BTとF
の捩り剛性値FTとの差は、(0.2〜6)×106
g・mm2の範囲に規定するのがよく、好ましくは
(0.4〜4)×106kg・mm2の範囲に規定するの
がよい。また、前記のウッドクラブ用シャフトにおい
て、シャフトのBの部分の捩り剛性値BTとF点の捩り
剛性値FTとの差は、(0.2〜5)×106kg・m
2の範囲に規定するのがよく、好ましくは(0.4〜
4)×106kg・mm2の範囲に規定するのがよい。B
TとFTとの差が前記範囲より大きくなると、打球時に
Fに大きな力が集中してFが破損しやすいという問題が
生じる。
【0016】本発明のシャフトは、従来のシャフトとは
異なり、シャフト軸に対する捩り剛性値の分布におい
て、極小点C又は極小域Fを有する。このような極小点
C又は極小域Fの配置により、打球時の捩りの衝撃がC
又はFの部分のシャフトで一部吸収され、打球時の捩り
の衝撃がかなり小さくなって手に伝わるので打球時の感
触がよくなる等の効果を得ることができる。
【0017】図3に、本発明による炭素繊維強化エポキ
シ樹脂硬化物製のアイアン用ゴルフクラブシャフトの1
つの実施例についての捩り剛性値分布図を示す。図3に
おいて、1は本発明品についての捩り剛性値分布図を示
し、2は従来品についての捩り剛性値分布図を示す。図
3における縦軸は捩り剛性値を示し、横軸はシャフト先
端からグリップ側先端に向けての距離を示す。図3に示
した本発明のアイアン用ゴルフクラブシャフトにおい
て、シャフトのチップ側先端部の内径X1:8.5m
m、及び外径Y1:11.5mm、シャフトのグリップ
側先端部の内径X2:12.5mm及び外径Y2:15m
m、シャフトの全長FL:991mm、捩り剛性値極小
域Fにおける極小域開始点F1のシャフトのチップ側先
端からの距離L(F1):200mm(全長FLに対す
るL(F1)の比=20%)、キックポイントQのシャ
フトのチップ側先端からの距離L(Q):426mm
(全長FLに対するL(Q)の比=43%)、シャフト
のチップ側先端からH1点までの距離L(H1):40m
m、シャフトのグリップ側先端からH2点までの距離L
(H2):30mm、シャフトのチップ側先端からG1
までの距離L(G1):360mm(全長FLに対する
L(G1)の比=36%)、シャフトのグリップ側先端
からG2点までの距離L(G2):30mm(全長FLに
対するL(G2)の比=3%)、シャフトのグリップ側
先端からH2までの距離L(H2):30mmである。
【0018】図3に示したアイアン用ゴルフクラブシャ
フトにおいては、シャフトのチップ側先端とグリップ側
先端との間に、そのチップ側先端からグリップ側先端に
向けて、6つの捩り剛性値の変化点S1、S2、S3
4、S5及びS6が存在する。第1の変化点S1はシャフ
トのチップ側先端部のH1点に対応する。第2の変化点
2は、外径分布極小域Fにおける極小域開始点F1に対
応する。第3の変化点S3は、極小域終点F2=G1点に
対応する。第4の変化点S4は、シャフトの外径のわず
かな変化点に対応し、シャフトのグリップ側先端から5
91mmの位置に存在する。第5の変化点S5はシャフ
トの外径変化点に対応する。第6の変化点S6は、G2
=H2点に対応する。これらの変化点S1〜S6における
捩り剛性値は、ST6>ST5、ST5>ST4、ST4
ST3、、ST3=ST2、ST2<ST1の関係を有す
る。但し、ST1〜ST6は、変化点S1〜S6における捩
り剛性値を示す。
【0019】図3に示した捩り剛性値分布を有するアイ
アン用ゴルフクラブシャフトにおいて、その6つの捩り
剛性値変化点S1〜S6の位置は、前記した位置に限られ
るものではない。これらの変化点S1〜S6の一般的位置
を示すと次の通りである。 (第1変化点S1=H1)シャフトのチップ側先端から2
0〜170mm、好ましくは25〜100mの位置 (第2変化点S2=F1)シャフト全長に対するシャフト
のチップ側先端からの距離の比で表わした位置におい
て、10〜45%、好ましくは13〜35%の位置 (第3変化点S3=F2=G1)シャフト全長に対するシ
ャフトのチップ側先端からの距離の比で表わした位置に
おいて、20〜50%、好ましくは25〜45%の位置 (第4変化点S4)シャフト全長に対するシャフトのチ
ップ側先端からの距離の比で表わした位置において、3
0〜60%の位置 (第5変化点S5)シャフト全長に対するシャフトのグ
リップ側先端からの距離の比で表わした位置において、
35〜55%、好ましくは40〜50%の位置 (第6変化点S6=G2=H2)シャフトのグリップ側先
端からの距離で0〜297mm、好ましくは20〜19
8mmの位置
【0020】前記のように、アイアン用ゴルフクラブシ
ャフトの軸方向に捩り剛性値変化点S1〜S6を存在させ
ることにより、以下のような効果を得ることができる。 (1)シャフトのチップ側先端部分の捩り剛性が強く、
打球の際にヘッドがずれることなく安定してボールを打
つことができるので打球方向が安定する。 (2)打球の際に、ゴルフクラブヘッドに与えられた衝
撃によって生じるゴルフクラブの捩りの衝撃の一部が、
捩り剛性値極小点C又は極小域F近辺のシャフト部分で
吸収され、打球時の衝撃がかなり小さくなって手に伝わ
るので打球時の感触が良い。
【0021】また、図3に示した捩り剛性値分布を有す
るアイアン用ゴルフクラブシャフトにおいて、第4変化
点S4及び第5変化点S5の存在は必ずしも必要とはされ
ず、その一方又は両方の存在を省略することができる。
しかし、S4の存在は好ましく、またS4とともにS5
存在はより好ましい。
【0022】図4に、本発明による炭素繊維強化エポキ
シ樹脂硬化物製のウッド用ゴルフクラブシャフトの1つ
の実施例についての捩り剛性値分布図を示す。図4にお
いて、縦軸は捩り剛性値を示し、横軸はシャフト先端か
らグリップ側先端に向けての距離を示す。図4に示した
本発明のウッド用ゴルフクラブシャフトにおいて、シャ
フトのチップ側先端部の内径X1:8mm及び外径Y1
11mm、シャフトのグリップ側先端部の内径X2:1
2.5mm及び外径Y2:15.0mm、シャフトの全
長FL:1143mm、捩り剛性値極小域開始点F1
シャフトのチップ側先端からの距離L(F1):200
mm(全長FLに対するL(F1)の比=17.5
%)、キックポイントQのシャフトのチップ側先端から
の距離L(Q):491mm(全長FLに対するL
(Q)の比=43%)、シャフトのチップ側先端からH
1点までの距離L(H1):40mm、シャフトのグリッ
プ側先端からH2点までの距離L(H2):153mm、
シャフトのチップ側先端からG1点までの距離L
(G1):300mm(全長FLに対するL(G1)の比
=26%)である。
【0023】図4に示した捩り剛性値分布を有するウッ
ドゴルフクラブシャフトにおいては、シャフトのチップ
側先端とグリップ側先端との間に5つの捩り剛性値の変
化点S1、S2、S3、S4及びS5が存在する。第1の変
化点S1はシャフトのチップ側先端部のH1点に対応す
る。第2の変化点S2は、外径極小点域開始点F1に対応
する。第3の変化点S3は、外径極小域終点F2=G1
に対応する。第4の変化点S4は外径変化点に対応す
る。第5の変化点S5は、H2=G2点に対応する。
【0024】図4に示した捩り剛性値分布を有するウッ
ド用ゴルフクラブシャフトにおいて、その5つの捩り剛
性値変化点S1〜S5の位置は、前記した位置に限られる
ものではない。これらの変化点の一般的位置を示すと次
の通りである。 (第1変化点S1=H1)シャフトのチップ側先端から2
0〜170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第2変化点S2=F1)シャフトの全長に対するシャフ
トのチップ側先端からの距離の比で表わした位置におい
て、10〜45%、好ましくは13〜35%の位置 (第3変化点S3=G1)シャフトの全長に対するシャフ
トのチップ側先端からの距離の比で表わした位置におい
て、20〜50%、好ましくは25〜45%の位置 (第4変化点S4)シャフト全長に対するシャフトのグ
リップ側先端からの距離に対するS4からの距離の比で
表わした位置において、30〜60%の位置 (第5変化点S5=H2=G2)シャフトのグリップ側先
端からの距離で0〜343mm、好ましくは23〜22
9mmの位置
【0025】前記のように、ウッド用ゴルフクラブシャ
フトの軸方向に捩り剛性値変化点S1〜S5を存在させる
ことにより、以下のような効果を得ることができる。 (1)シャフトのチップ側先端部分の捩り剛性が強く、
打球の際にヘッドがずれることなく安定してボールを打
つことができるので打球方向が安定する。 (2)打球の際に、ゴルフクラブヘッドに与えられた衝
撃によって生じるゴルフクラブの捩りの衝撃の一部が、
捩り剛性値極小点又は極小域近辺のシャフト部分で吸収
され、打球時の衝撃がかなり小さくなって手に伝わるの
で打球時の感触が良い。 また、図4に示した捩り剛性値分布を有するウッド用ゴ
ルフクラブシャフトにおいて、第4変化点S4の存在は
必ずしも必要とはされず、必要に応じ、省略することが
できる。
【0026】次に、図1に示したシャフトの特定部分の
曲げ剛性値を示すと、表4の通りである。なお、表4の
符号は次のことを示す。 BW:シャフトのチップ側先端部Bの部分の曲げ剛性値 CW(FW):シャフトの外径分布極小点C又は極小域
Fの曲げ剛性値 DW:シャフトのグリップ側先端部Dの曲げ剛性値
【0027】
【表4】
【0028】本発明のシャフトにおいて、Bの部分の曲
げ剛性値BWが前記範囲より小さくなると、打球に際
し、ヘッドが安定せず、打球の方向安定性が損われるよ
うになる。また、C又はFの部分の曲げ剛性値CW又は
FWが前記範囲より小さくなると、シャフト全体の曲げ
剛性値不足により、打球に際し、ヘッドが安定せず、打
球の方向安定性が損われるようになる。Dの部分の曲げ
剛性値DWが前記範囲より小さいと、曲げ剛性値不足に
より安定してクラブをスイングすることができなくな
る。一方、B、C(又はF)、Dの部分の曲げ剛性値が
前記範囲より大きいとシャフトの曲げ剛性値が全体的に
不必要に高くなりすぎ、安定してクラブをスイングする
ことができなくなる。
【0029】前記アイアンゴルフクラブシャフトにおい
て、シャフトのBの部分の曲げ剛性値BWとC又はFの
部分の曲げ剛性値CW又はFWとの差は、(1〜9.
5)×106kg・mm2の範囲に規定するのがよく、好
ましくは(1.5〜7)×106kg・mm2の範囲に規
定するのがよい。また、前記のウッドゴルフクラブシャ
フトにおいて、シャフトBの部分の曲げ剛性値BWとC
又はFの部分の曲げ剛性値CW又はFWとの差は、(1
〜8.5)×106kg・mm2の範囲に規定するのがよ
く、好ましくは(1.5〜6)×106kg・mm2の範
囲に規定するのがよい。
【0030】次に、本発明のジョイントを有するシャフ
トについて図面を参照して説明する。図5は本発明のシ
ャフトのチップ側先端部の説明断面図を示し、図6は図
5におけるA−A断面図を示す。これらの図において、
1はシャフト、2は円筒形ジョイント、3は円筒形ジョ
イント2の中心に形成された連通孔を示す。円筒形ジョ
イント(以下、単にジョイントとも言う)2の一部はシ
ャフト先端から突出してジョイント突出部aを形成し、
その残部はシャフト先端部の中空内に挿入され、接着剤
により固定化されて、ジョイントのシャフト内挿入部b
を形成する。ジョイント2において、その突出部aの外
径は、クラブヘッドにおけるシャフト取付け穴の内径に
対応し、そのシャフト内挿入部bの外径はシャフトの中
空内径に対応する。従来、市販されているゴルフクラブ
ヘッドは、スイングのしやすさ、打球感、球の飛びやす
さ、打球の安定性、空気抵抗等の理由から、その形状・
寸法が決められている。そのヘッドのシャフト取付け穴
は、内径がアイアン用のヘッドの場合、7.5〜10m
m、ウッド用のヘッドの場合、7〜9mmであり、穴の
深さはアイアン用のヘッドの場合もウッド用のヘッドの
場合も、25〜90mmである。本発明のシャフトにお
ける円筒形ジョイントの形状及び寸法は、所定のゴルフ
クラブヘッドのシャフト取付け穴に適合するように適当
に選定される。また、ジョイントは、中空を有しない円
柱状であることができる。
【0031】本発明のシャフト1のチップ側先端部にお
けるジョイント2の外径(シャフトの内径):X1、シ
ャフト1の外径:Y1、ジョイントの連通孔3の直径:
Z、ジョイントの突出部aの長さ:L、ジョイントのシ
ャフト内挿入部bの長さ:Mの各寸法並びに、従来のF
RP製中空シャフト(ジョイントを有していない)のチ
ップ側先端部における内径:X1、外径:Y1の各寸法を
次表に示す。
【0032】
【表5】
【0033】本発明で用いるジョイント2において、そ
のシャフト内挿入部bの長さMは、前記したように20
〜170mm、好ましくは25〜100mmであるが、
この長さMが前記範囲より短くなると、シャフトに対す
るジョイントの接着部の面積が不足し、十分な接着強度
が得られず、また、チップ側先端部の捩り剛性値も不足
し、打球の方向安定性向上効果も不十分となる。一方、
170mmを越えるようになると、チップ側シャフトの
重量が大きくなりすぎ、またシャフトが硬くなりすぎ
て、キックポイントの位置がグリップ側にずれてしま
い、打球が上方へ上りにくいという問題がある。
【0034】本発明のシャフトは、シャフト全長に対す
るシャフトのチップ側先端からの距離の比で表わした位
置において、10〜45%、好ましくは13〜35%の
範囲の位置に捩り剛性値極小点C又は極小域Fを有し、
かつ40〜47%、好ましくは42〜45%の範囲の位
置にキックポイントQを有する。シャフトにおける捩り
剛性値極小点C又は極小域Fの位置が前記範囲よりグリ
ップ側になると、打球の際にグリップ側シャフトに捩れ
が生じ、ゴルフクラブをスイングするときのゴルフクラ
ブのコントロールが難しくなるという問題が生じる。シ
ャフトにおける捩り剛性値極小点C又は極小域Fの位置
が前記範囲よりチップ側になると、打球の際、すなわち
ゴルフ用クラブヘッドに衝撃が与えられた際に、シャフ
トのチップ側が捩れやすくなるので、打球方向が安定し
ないという問題がある。また、キックポイントQの位置
が前記範囲よりもグリップ側になると打球の上りにくい
シャフトとなり、また、前記範囲よりチップ側になる
と、打球時にシャフトのチップ側の部分に力が大きくか
かり、シャフトが破損する等の問題を生じる。
【0035】本発明のジョイントを有するシャフトは、
従来のシャフトと異なり、繊維強化プラスチックからな
る中空ゴルフクラブシャフトのチップ側の先端部中空内
に、ゴルフクラブヘッドのシャフト取付け穴の内径に対
応する外径を有する繊維強化プラスチック又は金属から
なるジョイントの一部を挿入し、接着したものであっ
て、前記ゴルフクラブシャフトは、該シャフト全長に対
するシャフトのチップ側先端からの距離の比で表わした
位置において、10〜45%の範囲の位置に捩り剛性値
極小点C又は極小域Fを有し、かつ40〜47%の範囲
の位置にキックポイントQを有しているので、以下のよ
うな効果が得られる。 (1)打球の際に、ゴルフクラブヘッドに与えられた衝
撃によって生じるゴルフクラブの捩りの衝撃の一部が、
捩り剛性値極小点又は極小域近辺のシャフト部分で吸収
され、衝撃がかなり小さくなって手に伝わるので打球の
感触がよい。 (2)前記ゴルフクラブシャフトからなるゴルフクラブ
は打球が上りやすいので、ゴルフボールを上方向へ向け
て打つために好適なゴルフクラブを得ることができる。
【0036】図7に、本発明のシャフトの繊維強化プラ
スチック製中空シャフトの1例についての捩り剛性値分
布図を示す。図7において、B及びDは、図1に示した
B及びDに対応し、H1点、G1点及びH2点は、図1に
示したH1点、G1点及びH2点に対応する。C点は、外
径分布極小点Cに対応し、このC点はG1点とも対応す
る。また、ATはシャフトの先端から突出するジョイン
ト部Aの捩り剛性値、BTはジョイントが挿入されてい
るシャフト先端部Bの捩り剛性値、CTは捩り剛性値極
小点Cを示し、外径分布極小点Cの捩り剛性値である。
DTはシャフトのグリップ側先端部Dの捩り剛性値を示
す。表6に、シャフトにおける前記A、B、C及びDの
部分の捩り剛性値AT、BT、CT及びDTを示す。シ
ャフトにおける外径分布極小点Cは外径分布極小域Fで
あってもよい。
【0037】
【表6】
【0038】なお、表6に示したシャフト部分C又はF
の捩り剛性値CT又はFTにおいて、AT<CT(F
T)<BTは、シャフト部分C又はFの捩り剛性値がA
の部分の捩り剛性値より大きく、Bの部分の捩り剛性値
よりも小さいことを示す。また、CT(FT)>0.8
は、C又はFの部分の捩り剛性値が0.8×106kg
・mm2よりも大きいことを示す。
【0039】本発明のシャフトにおいて、シャフトのA
の部分のジョイントの捩り剛性値ATが前記範囲より小
さいと、ジョイントの捩り剛性値不足により、打球に際
し、ヘッド方向安定性が損われるようになる。Bの部分
の捩り剛性値BTが前記範囲より小さくなると、打球に
際し、ヘッドが安定せず、打球の方向安定性が損われ
る。C又はFの部分の捩り剛性値CT又はFTが前記の
範囲より小さくなると、シャフトの全体的捩り剛性値不
足により打球に際し、ヘッドが安定せず、打球方向の安
定性が損われる。Dの部分の捩り剛性値DTが前記範囲
より小さくなると、グリップ側先端部の捩り剛性値が不
足し、安定してゴルフクラブをスイングすることができ
なくなる。また、A,B,C(F),Dの部分の各捩り
剛性値が前記範囲より大きいとシャフト全体の捩り剛性
値が不必要に高くなりすぎ、安定してクラブをスイング
することができなくなる。前記アイアン用ゴルフクラブ
シャフトにおいて、シャフトのBの部分の捩り剛性値B
TとC点又は領域Fの捩り剛性値CT又はFTとの差
は、(0.8〜6)×106kg・mm2の範囲に規定す
るのがよく、好ましくは(1.5〜4)×106kg・
mm2の範囲に規定するのがよい。また、前記のウッド
用クラブシャフトにおいて、シャフトのBの部分の捩り
剛性値BTとC点又は領域Fの捩り剛性値CT又はFT
との差は、(0.8〜5)×106kg・mm2の範囲に
規定するのがよく、好ましくは(1.3〜4)×106
kg・mm2の範囲に規定するのがよい。BTとCT又
はFTとの差が前記範囲より大きくなると、打球時にC
点又は領域Fに大きな力が集中してC点又は領域Fが破
損しやすいという問題が生じる。本発明のシャフトは、
従来のシャフトとは異なり、シャフト軸に対する捩り剛
性値の分布において、シャフトの軸方向中間部に極小点
C又は極小域Fを有する。このような極小点C又は極小
域Fの配置により、打球時の捩りの衝撃がC点又は領域
Fの部分のシャフトで一部吸収され、打球時の捩りの衝
撃がかなり小さくなって手に伝わるので打球時の感触が
よくなる等の効果を得ることができる。
【0040】図8に、本発明による炭素繊維強化エポキ
シ樹脂硬化物製のアイアン用ゴルフクラブシャフトの1
つの実施例についての捩り剛性値分布図を示す。図8に
おいて、1は本発明品についての捩り剛性値分布図を示
し、2は従来品についての捩り剛性値分布図を示す。図
8における縦軸は捩り剛性値を示し、横軸はシャフト先
端部から突出したジョイントの先端からグリップ側先端
に向けての距離を示す。
【0041】図8に示した本発明のアイアン用ゴルフク
ラブシャフトにおいて、シャフトのチップ側先端の内径
1:8.5mm及び外径Y1:11.6mm、シャフト
のチップ側先端から突出したジョイントの長さL:35
mm、シャフトのチップ側先端部の中空内に挿入された
ジョイントの長さM:35mm、シャフトの全長FL:
940mm(975mm−35mm)、捩り剛性値極小
点Cのシャフトのチップ側先端からの距離L(C):2
20mm(全長FLに対するL(C)の比=23.4
%)、キックポイントQのシャフトのチップ側先端から
の距離L(Q):410mm(全長FLに対するL
(Q)の比=43.6%)である。図8に示したアイア
ンゴルフクラブシャフトにおいて、シャフトのチップ側
先端から突出しているジョイント部A及びジョイントが
挿入されているシャフトの先端部Bの各捩り剛性値は、
ジョイントの材質や肉厚等によって種々変化させること
ができる。図8において、捩り剛性値AT1(1.48
×106kg・mm2)及びBT1(5.74×106kg
・mm2)を与えるジョイントは、弾性率24トン/m
2の炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製のものであ
り、AT2(1.89×106kg・mm2)及びBT
2(6.15×106kg・mm2)を与えるジョイント
は、弾性率30トン/mm2の炭素繊維強化エポキシ樹
脂硬化物製のものである。また、AT3(2.33×1
6kg・mm2)及びBT3(6.59×106kg・m
2)を与えるジョイントは、弾性率40トン/mm2
炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製のものであり、AT
4(2.85×106kg・mm2)及びBT4(7.11
×106kg・mm2)を与えるジョイントは、弾性率5
5トン/mm2の炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製の
ものである。
【0042】また、図8に示したアイアン用ゴルフクラ
ブシャフトにおいては、シャフトのチップ側先端とグリ
ップ側先端との間に、そのチップ側先端からグリップ側
先端に向けて、6つの捩り剛性値の変化点S1、S2、S
3、S4、S5及びS6が存在する。第1の変化点S1はシ
ャフトのチップ側先端部の中空内に挿入されたジョイン
トの後端の位置(シャフトのチップ側先端から35mm
の位置)に存在する。第2の変化点S2=H1は、変化点
1と捩り剛性値極小点C(変化点S3)との間の位置
(シャフトのチップ側先端からの距離で120mmの位
置)に存在する。第3の変化点S3=Cは、捩り剛性値
極小点Cの位置に存在する。第4の変化点S4は、変化
点S3よりグリップ側の位置(シャフトのグリップ側先
端から525mmの位置)に存在する。第5の変化点S
5は、変化点S4よりグリップ側の位置(グリップ側先端
から435mmの位置)に存在する。第6の変化点S6
は、グリップ部の後端の位置(グリップ側先端から18
5mmの位置)に存在する。これらの変化点S1〜S6
おける捩り剛性値は、ST6>ST5、ST5>ST4、S
4>ST3、ST3<ST2、ST2≦ST1の関係を有す
る。但し、ST1〜ST6は、変化点S1〜S6における捩
り剛性値を示す。
【0043】図8に示した捩り剛性値分布を有するアイ
アン用ゴルフクラブシャフトにおいて、その6つの捩り
剛性値変化点S1〜S6の位置は、前記した位置に限られ
るものではない。これらの変化点S1〜S6の一般的位置
を示すと次の通りである。 (第1変化点S1)シャフトのチップ側先端から20〜
170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第2変化点S2=H1)シャフトのチップ側先端から2
0〜170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第3変化点S3=C)シャフトの全長に対するシャフ
トのチップ側先端からの距離の比で表わした位置におい
て、10〜45%、好ましくは13〜35%の位置 (第4変化点S4)シャフトの全長に対するシャフトの
チップ側先端からの距離の比で表わした位置において、
35〜60%、好ましくは40〜55%の位置 (第5変化点S5)第4変化点S4と第6変化点S6との
間の距離に対するS4からの距離の比で表わした位置に
おいて、25〜45%、好ましくは30〜40%の位置 (第6変化点S6=G2)シャフトのグリップ側先端から
の距離で0〜282mm、好ましくは19〜188mm
の位置
【0044】前記のように、アイアン用ゴルフクラブシ
ャフトの軸方向に捩り剛性値変化点S1〜S6を存在させ
ることにより、以下のような効果を得ることができる。 (1)シャフトのチップ側先端部分の捩り剛性が強く、
打球の際にヘッドがずれることなく安定してボールを打
つことができるので打球方向が安定する。 (2)打球の際に、ゴルフクラブヘッドに与えられた衝
撃によって生じるゴルフクラブの捩りの衝撃の一部が、
捩り剛性値極小点又は極小領域近辺のシャフト部分で吸
収され、打球時の衝撃がかなり小さくなって手に伝わる
ので打球時の感触が良い。
【0045】また、図8に示した捩り剛性値分布を有す
るアイアン用ゴルフクラブシャフトにおいて、第4変化
点S4及び第5変化点S5の存在は必ずしも必要とはされ
ず、その一方又は両方の存在を省略することができる。
しかし、S4の存在は好ましく、またS4とともにS5
存在はより好ましい。
【0046】図9に、本発明による炭素繊維強化エポキ
シ樹脂硬化物製のウッド用ゴルフクラブシャフトの1つ
の実施例についての捩り剛性値分布図を示す。図9にお
いて、縦軸は捩り剛性値を示し、横軸はシャフト先端部
から突出したジョイントの先端からグリップ側先端に向
けての距離を示す。図9に示した本発明のウッド用ゴル
フクラブシャフトにおいて、シャフトのチップ側先端の
内径X1:8mm及び外径Y1:11.1mm、シャフト
のチップ側先端から突出したジョイントの長さL:35
mm、シャフトのチップ側先端部の中空内に挿入された
ジョイントの長さM:35mm、シャフトの全長FL:
1092mm(1127mm−35mm)、捩り剛性値
極小点Cのシャフトのチップ側先端からの距離L
(C):245mm(全長FLに対するL(C)の比=
22.4%)、キックポイントQのシャフトのチップ側
先端からの距離L(Q):475mm(全長FLに対す
るL(Q)の比=43.5%)である。
【0047】図9に示したウッド用ゴルフクラブシャフ
トにおいて、シャフトのチップ側先端から突出している
ジョイント部A及びジョイントが挿入されているシャフ
トの先端部Bの各捩り剛性値は、ジョイントの材質や肉
厚等によって種々変化させることができる。図9におい
て、捩り剛性値AT1(1.16×106kg・mm2
及びBT1(4.41×106kg・mm2)を与えるジ
ョイントは、弾性率24トン/mm2の炭素繊維強化エ
ポキシ樹脂硬化物製のものであり、AT2(1.45×
106kg・mm2)及びBT2(4.70×106kg・
mm2)を与えるジョイントは、弾性率30トン/mm2
の炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製のものである。ま
た、AT3(1.77×106kg・mm2)及びBT
3(5.02×106kg・mm2)を与えるジョイント
は、弾性率40トン/mm2の炭素繊維強化エポキシ樹
脂硬化物製のものであり、AT4(2.16×106kg
・mm2)及びBT4(5.41×106kg・mm2)を
与えるジョイントは、弾性率55トン/mm2の炭素繊
維強化エポキシ樹脂硬化物製のものである。
【0048】また、図9に示したウッド用ゴルフクラブ
シャフトにおいては、シャフトのチップ側先端とグリッ
プ側先端との間に6つの捩り剛性値の変化点S1、S2
3、S4、S5及びS6が存在する。第1の変化点S1
シャフトのチップ側先端部の中空内に挿入されたジョイ
ントの後端の位置(シャフトのチップ側先端から35m
mの位置)に存在する。第2の変化点S2=H1は、変化
点S1と捩り剛性値極小点C(変化点S3)との間の位置
(シャフトのチップ側先端からの距離で150mmの位
置)に存在する。第3の変化点S3は、捩り剛性値極小
点Cの位置に存在する。第4の変化点S4は、変化点S3
よりグリップ側の位置(シャフトのグリップ側先端から
630mmの位置)に存在する。第5の変化点S5は、
変化点S4よりグリップ側の位置(グリップ側先端から
470mmの位置)に存在する。第6の変化点S6=G2
は、グリップ部の後端の位置(グリップ側先端から30
mmの位置)に存在する。
【0049】図9に示した捩り剛性値分布を有するウッ
ド用ゴルフクラブシャフトにおいて、その6つの捩り剛
性値変化点S1〜S6の位置は、前記した位置に限られる
ものではない。これらの変化点S1〜S6の一般的位置を
示すと次の通りである。 (第1変化点S1)シャフトのチップ側先端から20〜
170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第2変化点S2=H1)シャフトのチップ側先端から2
0〜170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第3変化点S3=C)シャフトの全長に対するシャフ
トのチップ側先端からの距離の比で表わした位置におい
て、10〜40%、好ましくは13〜35%の位置 (第4変化点S4)シャフトの全長に対するシャフトの
チップ側先端からの距離の比で表わした位置において、
35〜60%、好ましくは40〜55%の位置 (第5変化点S5)第4変化点S4と第6変化点S6との
間の距離に対するS4からの距離の比で表わした位置に
おいて、25〜45%、好ましくは30〜40%の位置 (第6変化点S6=G2)シャフトのグリップ側先端から
の距離で0〜328mm、好ましくは22〜218mm
の位置
【0050】前記のように、ウッド用ゴルフクラブシャ
フトの軸方向に捩り剛性値変化点S1〜S6を存在させる
ことにより、以下のような効果を得ることができる。 (1)シャフトのチップ側先端部分の捩り剛性が強く、
打球の際にヘッドがずれることなく安定してボールを打
つことができるので打球方向が安定する。 (2)打球の際に、ゴルフクラブヘッドに与えられた衝
撃によって生じるゴルフクラブの捩りの衝撃の一部が、
捩り剛性値極小点近辺のシャフト部分で吸収され、打球
時の衝撃がかなり小さくなって手に伝わるので打球時の
感触が良い。
【0051】また、図9に示した捩り剛性値分布を有す
るウッド用ゴルフクラブシャフトにおいて、第2変化点
2の存在は必ずしも必要とはされず、その存在を省略
することができる。しかしS2の存在は好ましい。ま
た、第4変化点S4及び第5変化点S5の存在は必ずしも
必要とはされず、その一方又は両方の存在を省略するこ
とができる。しかし、S4の存在は好ましく、またS4
ともにS5の存在はより好ましい。
【0052】本発明のシャフトは、前記したように、シ
ャフト軸方向の捩り剛性値分布において極小点又は極小
領域を有するが、同時に、シャフト軸方向の曲げ剛性値
分布においても極小点又は極小域を有する。これらの曲
げ剛性値分布における極小点又は極小域は、通常、捩り
剛性値分布における極小点又は極小域と一致する。図1
0に、本発明のシャフトの1例についての曲げ剛性値分
布図を示す。図10において、AWはシャフトの先端か
ら突出するジョイント部Aの曲げ剛性値、BWはジョイ
ントが挿入されているシャフト先端部Bの曲げ剛性値、
PWは曲げ剛性値極小点Pの曲げ剛性値、DWはシャフ
トのグリップ側先端部Dの曲げ剛性値を示す。この図に
おいては、極小点PはG1と一致し、H2点はG2点と一
致している。表7に、シャフトにおける前記A、B、C
及びDの部分の曲げ剛性値AW、BW、PW及びDWを
示す。
【0053】
【表7】
【0054】なお、表7に示したシャフト部分の曲げ剛
性値最小点Pにおいて、AW<PW<BWは、シャフト
部分Pの曲げ剛性値がAの部分の曲げ剛性値より大き
く、Bの部分の曲げ剛性値よりも小さいことを示す。
【0055】本発明のシャフトにおいて、ジョイントA
の部分のジョイントの曲げ剛性値AWが前記範囲より小
さいと、ジョイントの曲げ剛性値不足により、打球に際
し、ヘッドの方向安定性が損われるようになる。Bの部
分の曲げ剛性値BWが前記範囲より小さくなると、打球
に際し、ヘッドが安定せず、打球の方向安定性が損われ
るようになる。また、Pの部分の曲げ剛性値PWが前記
範囲より小さくなると、シャフト全体の曲げ剛性値不足
により、打球に際し、ヘッドが安定せず、打球の方向安
定性が損われるようになる。Dの部分の曲げ剛性値DW
が前記範囲より小さいと、曲げ剛性値不足により安定し
てクラブをスイングすることができなくなる。一方、
A,B,P,Dの部分の曲げ剛性値が前記範囲より大き
いとシャフトの曲げ剛性値が全体的に不必要に高くなり
すぎ、シャフトの製造コストが高くなる。
【0056】前記アイアンゴルフクラブシャフトにおい
て、シャフトのBの部分の曲げ剛性値BWとPの部分の
曲げ剛性値PWとの差は、(1〜9.5)×106kg
・mm2の範囲に規定するのがよく、好ましくは(1.
5〜8)×106kg・mm2の範囲に規定するのがよ
い。また、前記のウッド用ゴルフクラブシャフトにおい
て、シャフトBの部分の曲げ剛性値BWとPの部分の曲
げ剛性値PWとの差は、(1〜8.5)×106kg・
mm2の範囲に規定するのがよく、好ましくは(1.5
〜7)×106kg・mm2の範囲に規定するのがよい。
BWとPWの差が前記範囲より大きくなると、打球時に
Pの部分に大きな力が集中してPの部分が破損しやすい
という問題が生じる。一方、前記範囲より小さいと、打
球時の衝撃があまり小さくならずに手に伝わるので、打
球時の感触が悪くなるという問題が生じる。
【0057】本発明のシャフトは、図10からわかるよ
うに、従来のシャフトとは異なり、シャフト軸に対する
曲げ剛性値の分布において、シャフトの軸方向中間部に
曲げ剛性値極小点Pを有する。このような曲げ剛性値極
小点Pの配置により、以下の効果が得られる。 (1)シャフトのチップ側先端部分の曲げ剛性が強く、
打球の際にヘッドがずれることなく安定してボールを打
つことができるので、打球方向が安定する。 (2)打球時の衝撃の一部がシャフトの曲げ剛性値極小
点又は極小域近辺で吸収され、打球時の衝撃かなり小さ
くなって手に伝わるので打球時の感触が良い。
【0058】図11に、本発明による炭素繊維強化エポ
キシ樹脂硬化物製のアイアン用ゴルフクラブシャフトの
1つの実施例についての曲げ剛性値分布図を示す。図1
1において、1は本発明品についての曲げ剛性値分布図
を示し、2は従来品についての曲げ剛性値分布図を示
す。図11における縦軸は曲げ剛性値を示し、横軸はシ
ャフト先端部から突出したジョイントの先端からグリッ
プ側先端に向けての距離を示す。
【0059】図11に示した本発明のアイアン用ゴルフ
クラブシャフトにおいて、シャフトのチップ側先端の内
径X1:8.5mm及び外径Y1:11.6mm、シャフ
トのチップ側先端から突出したジョイントの長さL:3
5mm、シャフトのチップ側先端部の中空内に挿入され
たジョイントの長さM:35mm、シャフトの全長F
L:940mm(975mm−35mm)、曲げ剛性値
極小点P=Cのシャフトのチップ側先端からの距離L
(P):220mm(全長FLに対するL(P)の比=
23.4%)、キックポイントQのシャフトのチップ側
先端からの距離L(Q):410mm(全長FLに対す
るL(Q)の比=43.6%)である。
【0060】図11に示したアイアン用ゴルフクラブシ
ャフトにおいて、シャフトのチップ側先端から突出して
いるジョイント部A及びジョイントが挿入されているシ
ャフトの先端部Bの各曲げ剛性値は、ジョイントの材質
や肉厚等によって種々変化させることができる。図11
において、曲げ剛性値AW1(3.34×106kg・m
2)及びBW1(11.06×106kg・mm2)を与
えるジョイントは、弾性率24トン/mm2の炭素繊維
強化エポキシ樹脂硬化物製のものであり、AW2(3.
42×106kg・mm2)及びBW2(11.14×1
6kg・mm2)を与えるジョイントは、弾性率30ト
ン/mm2の炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製のもの
である。また、AW3(3.63×106kg・mm2
及びBW3(11.35×106kg・mm2)を与える
ジョイントは、弾性率40トン/mm2の炭素繊維強化
エポキシ樹脂硬化物製のものであり、AW4(3.93
×106kg・mm2)及びBW4(11.65×106
g・mm2)を与えるジョイントは、弾性率55トン/
mm2の炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製のものであ
る。
【0061】また、図11に示したアイアン用ゴルフク
ラブシャフトにおいては、シャフトのチップ側先端とグ
リップ側先端との間に、シャフトのチップ側先端からグ
リップ側先端に向けて、6つの曲げ剛性値の変化点
1、S2、S3、S4、S5及びS6が存在する。第1の変
化点S1はシャフトのチップ側先端部の中空内に挿入さ
れたジョイントの後端の位置(シャフトのチップ側先端
から35mmの位置)に存在する。第2の変化点S2
1は、変化点S1と曲げ剛性値極小点P(変化点S3
との間の位置(シャフトのチップ側先端からの距離で1
20mmの位置)に存在する。第3の変化点S3は、曲
げ剛性値極小点P=Cの位置に存在する。第4の変化点
4は、変化点S3よりグリップ側の位置(シャフトのグ
リップ側先端から550mmの位置)に存在する。第5
の変化点S5は、変化点S5よりグリップ側の位置(グリ
ップ側先端から400mmの位置)に存在する。第6の
変化点S6=H2=G2は、グリップ部の後端の位置(グ
リップ側先端から190mmの位置)に存在する。これ
らの変化点S1〜S6における曲げ剛性値は、SW6>S
5、SW5>SW4、SW4>SW3、SW3<SW2、S
2≦SW1の関係を示す。但し、SW1〜SW2は、変化
点S1〜S6における曲げ剛性値を示す。
【0062】図11に示した曲げ剛性値分布を有するア
イアン用ゴルフクラブシャフトにおいて、その6つの曲
げ剛性値変化点S1〜S6の位置は、前記した位置に限ら
れるものではない。これらの変化点S1〜S6の一般的位
置を示すと次の通りである。 (第1変化点S1)シャフトのチップ側先端から20〜
170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第2変化点S2=H1)シャフトのチップ側先端から2
0〜170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第3変化点S3=C=P)シャフトの全長に対するシ
ャフトのチップ側先端からの距離の比で表わした位置に
おいて、10〜45%、好ましくは13〜35%の位置 (第4変化点S4)シャフトの全長に対するシャフトの
チップ側先端からの距離の比で表わした位置において、
35〜60%、好ましくは40〜55%の位置 (第5変化点S5)第4変化点S4と第6変化点S6との
間の距離に対するS4からの距離の比で表わした位置に
おいて、25〜60%、好ましくは30〜50%の位置 (第6変化点S6=G2)シャフトのグリップ側先端から
の距離で0〜282mm、好ましくは19〜188mm
の位置
【0063】また、図11に示した曲げ剛性値分布を有
するアイアン用ゴルフクラブシャフトにおいて、第4変
化点S4及び第5変化点S5の存在は必ずしも必要とはさ
れず、その一方又は両方の存在を省略することができ
る。しかし、S4の存在は好ましく、またS4とともにS
5の存在はより好ましい。
【0064】前記のように、アイアン用ゴルフクラブシ
ャフトの軸方向に曲げ剛性値変化点S1〜S6を存在させ
ることにより、以下のような効果を得ることができる。 (1)シャフトのチップ側先端部分の曲げ剛性が強く、
打球の際にヘッドがずれることなく安定してボールを打
つことができるので、打球方向が安定する。 (2)打球の際に、ゴルフクラブヘッドに与えられた衝
撃の一部が、曲げ剛性値極小点近辺のシャフト部分で吸
収され、打球時の衝撃がかなり小さくなって手に伝わる
ので打球時の感触が良い。
【0065】図12に、本発明による炭素繊維強化エポ
キシ樹脂硬化物製のウッド用ゴルフクラブシャフトの1
つの実施例についての曲げ剛性値分布図を示す。図12
において、縦軸は曲げ剛性値を示し、横軸はシャフト先
端部から突出したジョイントの先端からグリップ側先端
に向けての距離を示す。
【0066】図12に示した本発明のウッド用ゴルフク
ラブシャフトにおいて、シャフトのチップ側先端の内径
1:8mm及び外径Y1:11.1mm、シャフトのチ
ップ側先端から突出したジョイントの長さL:35m
m、シャフトのチップ側先端部の中空内に挿入されたジ
ョイントの長さM:35mm、シャフトの全長FL:1
092mm(1127mm−35mm)、曲げ剛性値極
小点P=Cのシャフトのチップ側先端からの距離L
(P):245mm(全長FLに対するL(P)の比=
22.4%)、キックポイントQのシャフトのチップ側
先端からの距離L(Q):475mm(全長FLに対す
るL(Q)の比=43.5%)である。
【0067】図12に示したウッド用ゴルフクラブシャ
フトにおいて、シャフトのチップ側先端から突出してい
るジョイント部A及びジョイントが挿入されているシャ
フトの先端部Bの各曲げ剛性値は、ジョイントの材質や
肉厚等によって種々変化させることができる。図12に
おいて、曲げ剛性値AW1(2.25×106kg・mm
2)及びBW1(7.86×106kg・mm2)を与える
ジョイントは、弾性率24トン/mm2の炭素繊維強化
エポキシ樹脂硬化物製のものであり、AW2(2.33
×106kg・mm2)及びBW2(7.94×106kg
・mm2)を与えるジョイントは、弾性率30トン/m
2の炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製のものであ
る。また、AW3(2.53×106kg・mm2)及び
BW3(8.14×106kg・mm2)を与えるジョイ
ントは、弾性率40トン/mm2の炭素繊維強化エポキ
シ樹脂硬化物製のものであり、AW4(2.83×106
kg・mm2)及びBW4(8.45×106kg・m
2)を与えるジョイントは、弾性率55トン/mm2
炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製のものである。
【0068】また、図12に示したウッド用ゴルフクラ
ブシャフトにおいては、シャフトのチップ側先端とグリ
ップ側先端との間に、そのチップ側先端からグリップ側
先端に向けて、6つの曲げ剛性値の変化点S1、S2、S
3、S4、S5及びS6が存在する。第1の変化点S1はシ
ャフトのチップ側先端部の中空内に挿入されたジョイン
トの後端の位置(シャフトのチップ側先端から35mm
の位置)に存在する。第2の変化点S2は、変化点S1
曲げ剛性値極小点P(変化点S3)との間の位置(シャ
フトのチップ側先端からの距離で150mmの位置)に
存在する。第3の変化点S3は、曲げ剛性値極小点P=
Cの位置に存在する。第4の変化点S4は、変化点S3
りグリップ側の位置(シャフトのグリップ側先端から6
30mmの位置)に存在する。第5の変化点S5は、変
化点S4よりグリップ側の位置(グリップ側先端から4
60mmの位置)に存在する。第6の変化点S6=G
2は、グリップ部の後端の位置(グリップ側先端から1
40mmの位置)に存在する。
【0069】図12に示した曲げ剛性値分布を有するウ
ッド用ゴルフクラブシャフトにおいて、その6つの曲げ
剛性値変化点S1〜S6の位置は、前記した位置に限られ
るものではない。これらの変化点S1〜S6の一般的位置
を示すと次の通りである。 (第1変化点S1)シャフトのチップ側先端から20〜
170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第2変化点S2=H1)シャフトのチップ側先端から2
0〜170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第3変化点S3=C=P)シャフトの全長に対するシ
ャフトのチップ側先端からの距離の比で表わした位置に
おいて、10〜45%、好ましくは13〜35の位置 (第4変化点S4)シャフトの全長に対するシャフトの
チップ側先端からの距離の比で表わした位置において、
35〜60%、好ましくは40〜55%の位置 (第5変化点S5)第4変化点S4と第6変化点S6との
間の距離に対するS4からの距離の比で表わした位置に
おいて、20〜50%、好ましくは25〜45%の位置 (第6変化点S6=G2)シャフトのグリップ側先端から
の距離で0〜328mm、好ましくは22〜218mm
の位置
【0070】前記のように、ウッド用ゴルフクラブシャ
フトの軸方向に曲げ剛性値変化点S1〜S6を存在させる
ことにより、以下のような効果を得ることができる。 (1)シャフトのチップ側先端部分の曲げ剛性が強く、
打球の際にヘッドがずれることなく安定してボールを打
つことができるので打球方向が安定する。 (2)打球の際に、ゴルフクラブヘッドに与えられた衝
撃の一部が、曲げ剛性値極小点近辺のシャフト部分で吸
収され、打球時の衝撃がかなり小さくなって手に伝わる
ので打球時の感触が良い。
【0071】また、図12に示した曲げ剛性値分布を有
するウッド用ゴルフクラブシャフトにおいて、第2変化
点S2の存在は必ずしも必要とはされず、その存在を省
略することができる。しかしS2の存在は好ましい。ま
た、第4変化点S4及び第5変化点S5の存在は必ずしも
必要とはされず、その一方又は両方の存在を省略するこ
とができる。しかし、S4の存在は好ましく、またS4
ともにS5の存在はより好ましい。
【0072】図13に、本発明による炭素繊維強化エポ
キシ樹脂硬化物製のアイアン用ゴルフクラブシャフトの
他の実施例についての捩り剛性値分布図を示す。図13
において、1は本発明品についての捩り剛性値分布図を
示し、2は従来品についての捩り剛性値分布図を示す。
図13における縦軸は捩り剛性値を示し、横軸はシャフ
ト先端部から突出したジョイントの先端からグリップ側
先端に向けての距離を示す。
【0073】図13に示した本発明のアイアン用ゴルフ
クラブシャフトにおいて、シャフトのチップ側先端の内
径X1:8.5mm、外径Y1:11.6mm、シャフト
のチップ側先端から突出したジョイントの長さL:35
mm、シャフトのチップ側先端部の中空内に挿入された
ジョイントの長さM:35mm、シャフトの全長FL:
940mm(975mm−35mm)、捩り剛性値極小
点Cのシャフトのチップ側先端からの距離L(C):2
20mm(全長FLに対するL(C)の比=23.4
%)、キックポイントQのシャフトのチップ側先端から
の距離L(Q):400mm(全長FLに対するL
(Q)の比=42.6%)である。図13に示したアイ
アン用ゴルフクラブシャフトにおいて、シャフトのチッ
プ側先端から突出しているジョイント部A及びジョイン
トが挿入されているシャフトの先端部Bの各捩り剛性値
は、ジョイントの材質や肉厚等によって種々変化させる
ことができる。図13において、捩り剛性値AT
1(1.48×106kg・mm2)及びBT1(5.74
×106kg・mm2)を与えるジョイントは、弾性率2
4トン/mm2の炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製の
ものであり、AT2(1.89×106kg・mm2)及
びBT2(6.15×106kg・mm2)を与えるジョ
イントは、弾性率30トン/mm2の炭素繊維強化エポ
キシ樹脂硬化物製のものである。また、AT3(2.3
3×106kg・mm2)及びBT3(6.59×106
g・mm2)を与えるジョイントは、弾性率40トン/
mm2の炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製のものであ
り、AT4(2.85×106kg・mm2)及びBT
4(7.11×106kg・mm2)を与えるジョイント
は、弾性率55トン/mm2の炭素繊維強化エポキシ樹
脂硬化物製のものである。
【0074】また、図13に示したアイアン用ゴルフク
ラブシャフトにおいては、シャフトのチップ側先端とグ
リップ側先端との間には、そのチップ側先端からグリッ
プ側先端に向けて、4つの捩り剛性値の変化点S1
3、S4及びS6が存在する。第1の変化点S1=H1
シャフトのチップ側先端部の中空内に挿入されたジョイ
ントの後端の位置(シャフトのチップ側先端から35m
mの位置)に存在する。第2の変化点S3=G1は、捩り
剛性値極小点Cの位置に存在する。第3の変化点S
4は、変化点S3よりグリップ側の位置(シャフトのグリ
ップ側先端から420mmの位置)に存在する。第4の
変化点S6=H2=G2は、グリップ部の後端の位置(グ
リップ側先端から185mmの位置)に存在する。これ
らの変化点は、S6>S4、S4>S3、S3<S1の関係を
有する。
【0075】図13に示した捩り剛性値分布を有するア
イアン用ゴルフクラブシャフトにおいて、その4つの捩
り剛性値変化点S1、S3、S4、S6の位置は、前記した
位置に限られるものではない。これらの変化点S1
3、S4、S6の一般的位置を示すと次の通りである。 (第1変化点S1=H1)シャフトのチップ側先端から2
0〜170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第2変化点S3=G2)シャフトの全長に対するシャフ
トのチップ側先端からの距離の比で表わした位置におい
て、10〜45%、好ましくは13〜35%の位置 (第3変化点S4)シャフトの全長に対するシャフトの
グリップ側先端からの距離の比で表わした位置におい
て、35〜50%、好ましくは40〜45%の位置 (第4変化点S6=G2)シャフトのグリップ側先端から
の距離で0〜282mm、好ましくは19〜188mm
の位置 前記のように、アイアン用ゴルフクラブシャフトの軸方
向に捩り剛性値変化点S1、S3、S4、S6を存在させる
ことにより、以下のような効果を得ることができる。 (1)シャフトのチップ側先端部分の捩り剛性が強く、
打球の際にヘッドがずれることなく安定してボールを打
つことができるので、打球方向が安定する。 (2)打球の際に、ゴルフクラブヘッドに与えられた捩
り方向の衝撃の一部が捩り剛性極小点近辺のシャフト部
分で吸収され、打球時の捩り方向の衝撃がかなり小さく
なって手に伝わるので、打球時の感触が良い。
【0076】図14に、本発明による炭素繊維強化エポ
キシ樹脂硬化物製のウッドゴルフクラブシャフトの他の
実施例についての捩り剛性値分布図を示す。図14にお
いて、縦軸は捩り剛性値を示し、横軸はシャフト先端部
から突出したジョイントの先端からグリップ側先端に向
けての距離を示す。
【0077】図14に示した本発明のウッド用ゴルフク
ラブシャフトにおいて、シャフトのチップ側先端の内径
1:8.0mm、外径Y1:11.1mm、シャフトの
チップ側先端から突出したジョイントの長さL:35m
m、シャフトのチップ側先端部の中空内に挿入されたジ
ョイントの長さM:35mm、シャフトの全長FL:1
092mm(1127mm−35mm)、捩り剛性値極
小点Cのシャフトのチップ側先端からの距離L(C):
245mm(全長Lに対するFL(C)の比=22.4
%)、キックポイントQのシャフトのチップ側先端から
の距離L(Q):470mm(全長Lに対するFL
(Q)の比=43.0%)である。
【0078】図14に示したウッド用ゴルフクラブシャ
フトにおいて、シャフトのチップ側先端から突出してい
るジョイント部A及びジョイントが挿入されているシャ
フトの先端部Bの各捩り剛性値は、ジョイントの材質や
肉厚等によって種々変化させることができる。図14に
おいて、捩り剛性値AT1(1.16×106kg・mm
2)及びBT1(4.41×106kg・mm2)を与える
ジョイントは、弾性率24トン/mm2の炭素繊維強化
エポキシ樹脂硬化物製のものであり、AT2(1.45
×106kg・mm2)及びBT2(4.70×106kg
・mm2)を与えるジョイントは、弾性率30トン/m
2の炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製のものであ
る。また、AT3(1.77×106kg・mm2)及び
BT3(5.02×106kg・mm2)を与えるジョイ
ントは、弾性率40トン/mm2の炭素繊維強化エポキ
シ樹脂硬化物製のものであり、AT4(2.16×106
kg・mm2)及びBT4(5.41×106kg・m
2)を与えるジョイントは、弾性率55トン/mm2
炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製のものである。
【0079】また、図14に示したウッド用ゴルフクラ
ブシャフトにおいては、シャフトのチップ側先端とグリ
ップ側先端との間には、そのチップ側先端からグリップ
側先端に向けて、4つの捩り剛性値の変化点S1、S3
4及びS6が存在する。第1の変化点S1=H1はシャフ
トのチップ側先端部の中空内に挿入されたジョイントの
後端の位置(シャフトのチップ側先端から35mmの位
置)に存在する。第2の変化点S3=G1は、捩り剛性値
極小点Cの位置に存在する。第3の変化点S4は、変化
点S3よりグリップ側の位置(シャフトのグリップ側先
端から480mmの位置)に存在する。第4の変化点S
6=G2は、グリップ部の後端の位置(グリップ側先端か
ら125mmの位置)に存在する。
【0080】図14に示した捩り剛性値分布を有するウ
ッド用ゴルフクラブシャフトにおいて、その4つの捩り
剛性値変化点S1、S3、S4、S6の位置は、前記した位
置に限られるものではない。これらの変化点S1、S3
4、S6の一般的位置を示すと次の通りである。 (第1変化点S1=H1)シャフトのチップ側先端から2
0〜170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第2変化点S3=G1=C)シャフトの全長に対するシ
ャフトのチップ側先端からの距離の比で表わした位置に
おいて、10〜45%、好ましくは13〜35%の位置 (第3変化点S4)シャフトの全長に対するシャフトの
グリップ側先端からの距離の比で表わした位置におい
て、35〜60%、好ましくは40〜50%の位置 (第4変化点S6=G2)シャフトのグリップ側先端から
の距離で0〜328mm、好ましくは22〜218mm
の位置 前記のように、ウッド用ゴルフクラブシャフトの軸方向
に捩り剛性値変化点S1、S3、S4、S6を存在させるこ
とにより、以下のような効果を得ることができる。 (1)シャフトのチップ側先端部分の捩り剛性が強く、
打球の際にヘッドがずれることなく安定してボールを打
つことができるので、打球方向が安定する。 (2)打球の際に、ゴルフクラブヘッドに与えられた捩
り方向の衝撃の一部が捩り剛性極小点近辺のシャフト部
分で吸収され、打球時の捩り方向の衝撃がかなり小さく
なって手に伝わるので、打球時の感触が良い。
【0081】図15に、本発明による炭素繊維強化エポ
キシ樹脂硬化物製のアイアン用ゴルフクラブシャフトの
他の実施例についての曲げ剛性値分布図を示す。図15
において、1は本発明品についての曲げ剛性値分布図を
示し、2は従来品についての曲げ剛性値分布図を示す。
図15における縦軸は曲げ剛性値を示し、横軸はシャフ
ト先端部から突出したジョイントの先端からグリップ側
先端に向けての距離を示す。
【0082】図15に示した本発明のアイアン用ゴルフ
クラブシャフトにおいて、シャフトのチップ側先端の内
径X1:8.5mm、外径Y1:11.6mm、シャフト
のチップ側先端から突出したジョイントの長さL:35
mm、シャフトのチップ側先端部の中空内に挿入された
ジョイントの長さM:35mm、シャフトの全長FL:
940mm(975mm−35mm)、曲げ剛性値極小
点P=Cのシャフトのチップ側先端からの距離L
(P):220mm(全長FLに対するL(P)の比=
23.4%)、キックポイントQのシャフトのチップ側
先端からの距離L(Q):400mm(全長FLに対す
るL(Q)の比=42.6%)である。図15に示した
アイアン用ゴルフクラブシャフトにおいて、シャフトの
チップ側先端から突出しているジョイント部A及びジョ
イントが挿入されているシャフトの先端部Bの各曲げ剛
性値は、ジョイントの材質や肉厚等によって種々変化さ
せることができる。図15において、曲げ剛性値AW1
(3.34×106kg・mm2)及びBW1(11.0
6×106kg・mm2)を与えるジョイントは、弾性率
24トン/mm2の炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製
のものであり、AW2(3.42×106kg・mm2
及びBW2(11.14×106kg・mm2)を与える
ジョイントは、弾性率30トン/mm2の炭素繊維強化
エポキシ樹脂硬化物製のものである。また、AW
3(3.63×106kg・mm2)及びBW3(11.3
5×106kg・mm2)を与えるジョイントは、弾性率
40トン/mm2の炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製
のものであり、AW4(3.93×106kg・mm2
及びBW4(11.65×106kg・mm2)を与える
ジョイントは、弾性率55トン/mm2の炭素繊維強化
エポキシ樹脂硬化物製のものである。
【0083】また、図15に示したアイアン用ゴルフク
ラブシャフトにおいては、シャフトのチップ側先端とグ
リップ側先端との間に4つの曲げ剛性値の変化点S1
3、S4及びS6が存在する。第1の変化点S1=H1
シャフトのチップ側先端部の中空内に挿入されたジョイ
ントの後端の位置(シャフトのチップ側先端から35m
mの位置)に存在する。第2の変化点S3=C=G1は、
曲げ剛性値極小点Pの位置に存在する。第3の変化点S
4は、変化点S3よりグリップ側の位置(シャフトのグリ
ップ側先端から400mmの位置)に存在する。第4の
変化点S6=G2は、グリップ部の後端の位置(グリップ
側先端から190mmの位置)に存在する。
【0084】図15に示した曲げ剛性値分布を有するア
イアン用ゴルフクラブシャフトにおいて、その4つの曲
げ剛性値変化点S1、S3、S4、S6の位置は、前記した
位置に限られるものではない。これらの変化点S1
3、S4、S6の一般的位置を示すと次の通りである。 (第1変化点S1=H1)シャフトのチップ側先端から2
0〜170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第2変化点S3=G1=C)シャフトの全長に対するシ
ャフトのチップ側先端からの距離の比で表わした位置に
おいて、10〜45%、好ましくは13〜35%の位置 (第3変化点S4)シャフトの全長に対するシャフトの
グリップ側先端からの距離の比で表わした位置におい
て、35〜60%、好ましくは40〜50%の位置 (第4変化点S6=G2)シャフトのグリップ側先端から
の距離で0〜282mm、好ましくは19〜188mm
の位置 前記のように、アイアン用ゴルフクラブシャフトの軸方
向に曲げ剛性値変化点S1、S3、S4、S6を存在させる
ことにより、以下のような効果を得ることができる。 (1)シャフトのチップ側先端部分の曲げ剛性が強く、
打球の際にヘッドがずれることなく安定してボールを打
つことができるので、打球方向が安定する。 (2)打球時の衝撃の一部が、曲げ剛性極小点近辺のシ
ャフト部分で吸収され、打球時の衝撃がかなり小さくな
って手に伝わるので、打球時の感触が良い。
【0085】図16に、本発明による炭素繊維強化エポ
キシ樹脂硬化物製のウッド用ゴルフクラブシャフトの他
の実施例についての曲げ剛性値分布図を示す。図16に
おいて、縦軸は曲げ剛性値を示し、横軸はシャフト先端
部から突出したジョイントの先端からグリップ側先端に
向けての距離を示す。
【0086】図16に示した本発明のウッド用ゴルフク
ラブシャフトにおいて、シャフトのチップ側先端の内径
1:8mm、外径Y1:11mm、シャフトのチップ側
先端から突出したジョイントの長さL:35mm、シャ
フトのチップ側先端部の中空内に挿入されたジョイント
の長さM:35mm、シャフトの全長FL:1092m
m(1127mm−35mm)、曲げ剛性値極小点P=
Cのシャフトのチップ側先端からの距離L(P):24
5mm(全長FLに対するL(P)の比=22.4
%)、キックポイントQのシャフトのチップ側先端から
の距離L(Q):470mm(全長FLに対するL
(Q)の比=43.0%)である。
【0087】図16に示したウッド用ゴルフクラブシャ
フトにおいて、シャフトのチップ側先端から突出してい
るジョイント部A及びジョイントが挿入されているシャ
フトの先端部Bの各曲げ剛性値は、ジョイントの材質や
肉厚等によって種々変化させることができる。図16に
おいて、曲げ剛性値AW1(2.25×106kg・mm
2)及びBW1(7.86×106kg・mm2)を与える
ジョイントは、弾性率24トン/mm2の炭素繊維強化
エポキシ樹脂硬化物製のものであり、AW2(2.33
×106kg・mm2)及びBW2(7.94×106kg
・mm2)を与えるジョイントは、弾性率30トン/m
2の炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製のものであ
る。また、AW3(2.53×106kg・mm2)及び
BW3(8.14×106kg・mm2)を与えるジョイ
ントは、弾性率40トン/mm2の炭素繊維強化エポキ
シ樹脂硬化物製のものであり、AW4(2.83×106
kg・mm2)及びBW4(8.45×106kg・m
2)を与えるジョイントは、弾性率55トン/mm2
炭素繊維強化エポキシ樹脂硬化物製のものである。
【0088】また、図16に示したウッド用ゴルフクラ
ブシャフトにおいては、シャフトのチップ側先端とグリ
ップ側先端との間に4つの曲げ剛性値の変化点S1
3、S4及びS6が存在する。第1の変化点S1=H1
シャフトのチップ側先端部の中空内に挿入されたジョイ
ントの後端の位置(シャフトのチップ側先端から35m
mの位置)に存在する。第2の変化点S3=C=G1は、
曲げ剛性値極小点Pの位置に存在する。第3の変化点S
4は、変化点S3よりグリップ側の位置(シャフトのグリ
ップ側先端から480mmの位置)に存在する。第4の
変化点S6=G2は、グリップ部の後端の位置(グリップ
側先端から140mmの位置)に存在する。
【0089】図16に示した曲げ剛性値分布を有するウ
ッド用ゴルフクラブシャフトにおいて、その4つの曲げ
剛性値変化点S1、S3、S4、S6の位置は、前記した位
置に限られるものではない。これらの変化点S1、S3
4、S6の一般的位置を示すと次の通りである。 (第1変化点S1=H1)シャフトのチップ側先端から2
5〜170mm、好ましくは25〜100mmの位置 (第2変化点S3=C=P)シャフトの全長に対するシ
ャフトのチップ側先端からの距離の比で表わした位置に
おいて、10〜45%、好ましくは13〜35%の位置 (第3変化点S4)シャフトの全長に対するシャフトの
グリップ側先端からの距離の比で表わした位置におい
て、35〜55%、好ましくは40〜50%の位置 (第4変化点S6=G2)シャフトのグリップ側先端から
の距離で0〜328mm、好ましくは22〜218mm
の位置 前記のように、ウッド用ゴルフクラブシャフトの軸方向
に曲げ剛性値変化点S1、S3、S4、S6を存在させるこ
とにより、以下のような効果を得ることができる。 (1)シャフトのチップ側先端部分の曲げ剛性が強く、
打球の際にヘッドがずれることなく安定してボールを打
つことができるので、打球方向が安定する。 (2)打球時の衝撃の一部が、曲げ剛性極小点近辺のシ
ャフト部分で吸収され、打球時の衝撃がかなり小さくな
って手に伝わるので、打球時の感触が良い。
【0090】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 実施例1(アイアン用ゴルフクラブシャフトの製造例) (シャフト本体の製造)下記No.1〜No.6のプリ
プレグを用意した。これらのプリフレグは炭素繊維にエ
ポキシ樹脂組成物を含浸させて形成したものである。な
お、以下において示す繊維配向角度において、+は長さ
方向に対して右廻りの角度であることを示し、−は左廻
りの角度であることを示す。 (1)No.1プリプレグ (i)形状及び寸法:図17(a) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:+90度 (iii)商品名:「P3052S−12」、東レ(株)
製 (2)No.2プリプレグ (i)形状及び寸法:図17(b) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:+45度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (3)No.3プリプレグ (i)形状及び寸法:図17(c) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:−45度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (4)No.4プリプレグ (i)形状及び寸法:図17(d) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:0度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (5)No.5プリプレグ (i)形状及び寸法:図17(e) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:0度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (6)No.6プリプレグ (i)形状及び寸法:図17(f) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:90度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 なお、図17(a)〜(f)に示したプリプレグにおい
て、その左側はシャフトのチップ側(細径部側)に対応
し、その右側の部分がシャフトのグリップ側(太径部
側)に対応する。また、図17中に示した寸法を示す数
字の単位はmmである。
【0091】前記No.1〜No.6のプリプレグを用
い、下記形状のマンドレルを使用して、下記のようにし
てアイアン用ゴルフクラブシャフトを作製した。 (マンドレルの形状) 全長:1400mm 細径先端径:9.4mm (シャフトのチップ側先端内径X1に対応) 先端から450mmの位置の径:9.4mm (シャフトのG1点に対応) 先端から830mmの位置の径:12.0mm (シャフトのG2点に対応) 先端から1400mmの位置の径:12.0mm 先端から450mmの位置から830mmの位置までの
テーパー度:6.8/1000 (1)No.1のプリプレグ(a)を、マンドレル細径
側先端から40mmの位置を巻き始め位置としてマンド
レル先端から40mm〜190mmにわたって2.0プ
ライ、マンドレル先端から190mm〜290mmにわ
たって2.0〜0プライ巻成してチップ側第1補強層を
形成した。 (2)次に、No.2のバイアスプリプレグ(b)とN
o.3のバイアスプリプレグ(c)との貼合わせ体を、
マンドレル先端から40mm〜980mmにわたって
3.0プライ巻成して、内層を形成した。 (3)次に、前記のようにして得られたプリプレグ巻成
体の上に、プリプレグ(d)を先端から190mmの位
置で2.0プライ、先端より190〜290の位置で
2.0〜0プライになるように巻成して、チップ側第2
補強層を形成した。 (4)次に、前記のようにして得られたプリプレグ巻成
体の後端部に対して、プリプレグ(b)/(c)の巻成
体の後端部から550mmの位置まで、プリプレグ
(e)を後端部で2.0プライ、後端より400mmの
位置で2.0プライ、後端より400mm〜550mm
の位置で2.0〜0プライになるように巻成してグリッ
プ側補強層を形成した。 (5)次に、前記のようにして得られたプリプレグ巻成
体の上に、No.6のプリプレグ(f)をマンドレル先
端から40mm〜980mmの位置にわたって3.0プ
ライになるように巻成して外層を形成した。 (6)前記のようにして得られたプリプレグ巻成体を加
熱炉において加熱し、プリプレグ中の樹脂を一体硬化さ
せた後、マンドレルを除去し、次いで表面を研磨・研削
してアイアンゴルフクラブ用を得た。このシャフトにお
いてチップ先端系の外径(Y1)は13.0mm及び内
径(X1)F9.0mm、そのバット側外径(Y2)は1
5.1mm及び内径(X2)は12.0mm、その長さ
は940mmである。また、前記で示したH1点及びG1
点の位置は、それぞれチップ先端から150mm及び4
10mmの位置であり、H2=G2点は、バット側先端
から150mmの位置である。
【0092】(ジョイントの製造)下記No.7〜N
o.9のプリプレグを用意した。これらのプリプレグは
炭素繊維にエポキシ樹脂組成物を含浸させて形成したも
のである。また、図18中に示した寸法を示す数字の単
位はmmである。 (1)No.7プリプレグ (i)形状及び寸法:図18(a) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:+45度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (2)No.8プリプレグ (i)形状及び寸法:図18(b) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:−45度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (3)No.9プリプレグ (i)形状及び寸法:図18(c) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:0度 (iii)商品名:「P3051S−20」、東レ(株)
【0093】前記No.7〜No.9のプリプレグを用
いて以下のようにしてジョイントを作製した。 (1)全長500mmで外径3.0mmのストレート形
状のマンドレルに対して、No.7プリプレグとNo.
8プリプレグとの貼合せ体を8.0プライ巻成して内層
を形成した。 (2)次に、前記のようにして得られたプリプリレグ巻
成体の全長に対して、No.9プリプレグを5プライと
なるように巻成して外層を形成した。 (3)前記のようにして得たプリプレグ巻成体を加熱炉
において加熱し、プリプレグ中の樹脂を一体に硬化させ
た後、マンドレルを除去し、FRP製の中空パイプを得
た。このパイプの表面を研削した後、70mmに切断し
てジョイント(外径:9.4mm、内径:3.0mm)
を作製した。
【0094】(シャフト本体に対するジョイントの結
合)前記ジョイントの先端の外周表面にエポキシ樹脂系
接着剤を塗布し、これを前記シャフト本体のチップ側先
端部の中空内に挿入し、60℃で1時間加熱して、その
接着剤を硬化させた。この場合、ジョイントの突出部は
35mmであり、シャフト内挿入部は35mmであっ
た。
【0095】以上のようにして得た本発明のジョイント
を有するアイアンゴルフクラブ用シャフトは、図8に示
す捩り剛性値分布と図11に示す曲げ剛性値分布を有す
るものであり、そのキックポイントはシャフト先端から
410mm(シャフト全長に対するシャフトのチップ側
先端からの距離の比で、43.6%)に位置した。
【0096】実施例2(ウッドゴルフクラブシャフトの
製造例) (シャフト本体の製造)下記No.1〜No.6のプリ
プレグを用意した。これらのプリフレグは炭素繊維にエ
ポキシ樹脂組成物を含浸させて形成したものである。 (1)No.1プリプレグ (i)形状及び寸法:図19(a) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:+90度 (iii)商品名:「P3052S−12」、東レ(株)
製 (2)No.2プリプレグ (i)形状及び寸法:図19(b) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:+45度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (3)No.3プリプレグ (i)形状及び寸法:図19(c) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:−45度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (4)No.4プリプレグ (i)形状及び寸法:図19(d) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:0度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (5)No.5プリプレグ (i)形状及び寸法:図19(e) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:0度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (6)No.6プリプレグ (i)形状及び寸法:図19(f) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:0度 (iii)商品名:「P3052S−20」、東レ(株)
製 なお、図19(a)〜(f)に示したプリプレグにおい
て、その左側はシャフトのチップ側(細径部側)に対応
し、その右側の部分がシャフトのグリップ側(太径部
側)に対応する。また、図19中に示した寸法を示す数
字の単位はmmである。
【0095】前記No.1〜No.6プリプレグを用い
て以下のようにしてウッドクラブ用シャフトを作成し
た。 (マンドレル形状) 全長:1400mm 細径先端径:8.5mm (シャフトのチップ側先端内径X1に対応) 先端から450mmの位置の径:8.5mm (シャフトのG1点に対応) 先端から1050mmの位置の径:12.0mm (シャフトのG2点に対応) 先端から1400mmの位置の径:12.0mm 先端から450mmの位置から先端から1050mmの
位置までのテーパー度:6.7/1000 (1)マンドレルの細径側先端から40mmの位置を巻
き始め位置としてNo.1プリプレグ(a)を先端40
mm〜190mmの位置で2.0プライ、先端190m
m〜290mmの位置で2.0〜0プライになるように
して、チップ先端側第1補強層を形成した。 (2)次に、No.2のバイアスプリプレグ(b)とN
o.3バイアスプリプレグ(c)とを貼合せ体を、先端
から40mm〜1132mmの位置まで3.0プライ巻
成して、内層を形成した。 (3)次に、前記のようにして得られたプリプレグ巻成
体の上に、No.42プリプレグを、マンドレル細径側
先端40mm〜190mmの位置まで2.0プライ、先
端190mm〜290mmの位置まで2.0〜0プライ
となるように巻成して、チップ側第2補強層を形成し
た。 (4)次に、前記のようにして得られたプリプレグ巻成
体の上に、No.5プリプレグ(e)をマンドレルチッ
プ細径側先端より492mm〜642mmの位置まで0
〜2.0プライ、642mm〜1132mmの位置まで
2.0プライになるように巻成してグリップ側補強層を
形成した。 (5)次に、前記のようにして得たプリプレグ巻成体に
対して、マンドレル細径側より40mm〜1132mm
の位置までNo.6プリプレグ(f)を2.0プライと
なるように巻成して外層を形成した。
【0096】(6)前記のようにして得たプリプレグ巻
成体を加熱炉において加熱し、プリプレグ中の樹脂を一
体に硬化させた後、マンドレルを除去し、次いで表面を
研磨・研削加工してウッドゴルフクラブ用シャフト本体
を得た。このシャフトにおいて、そのチップ側先端の外
径(Y1)は12.0mm及び内径(X1)は8.5m
m、そのグリップ側先端の外径(Y2)は15.0mm
及び内径(X2)は12.0mmで、その長さ(FL)
は1092mmである。また、前記で示したH1点及び
1点の位置は、それぞれ、シャフトのチップ側先端か
ら150mm及び410mmの位置であり、前記で示し
たH2=G2点はシャフトのグリップ側先端から82mm
の位置である。
【0097】(ジョイントの製造)下記No.7〜N
o.9のプリプレグを用意した。これらのプリプレグは
炭素繊維にエポキシ樹脂組成物を含浸させて形成したも
のである。また、図20中に示した数字の単位はmmで
ある。 (1)No.7プリプレグ (i)形状及び寸法:図20(a) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:+45度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (2)No.8プリプレグ (i)形状及び寸法:図20(b) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:−45度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (3)No.9プリプレグ (i)形状及び寸法:図20(c) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:0度 (iii)商品名:「P3051S−20」、東レ(株)
【0098】前記No.7〜No.9のプリプレグを用
いて以下のようにしてジョイントを作製した。 (1)全長500mmで外径3.0mmのストレート形
状のマンドレルに対して、No.7プリプレグとNo.
8プリプレグとの貼合せ体を7.0プライ巻成して内層
を形成した。 (2)次に、前記のようにして得られたプリプレグ巻成
体の全長に対して、No.9プリプレグを5プライとな
るように巻成して外層を形成した。 (3)前記のようにして得たプリプレグ巻成体を加熱炉
において加熱し、プリプレグ中の樹脂を一体に硬化させ
た後、マンドレルを除去し、FRP製の中空パイプを得
た。このパイプの表面を研削した後、70mmに切断し
てジョイント(外径:8.5mm、内径:3.0mm)
を作製した。
【0099】(シャフト本体に対するジョイントの結
合)前記ジョイントの先端の外周表面にエポキシ樹脂系
接着剤を塗布し、これを前記シャフト本体のチップ側先
端部の中空内に挿入し、60℃で1時間加熱して、その
接着剤を硬化させた。この場合、ジョイントの突出部は
35mmであり、シャフト内挿入部は35mmであっ
た。
【0100】以上のようにして得た本発明のウッドゴル
フクラブ用シャフトは、図9に示す捩り剛性値分布と図
12に示す曲げ剛性値分布を有するものであり、そのキ
ックポイントはシャフト先端から475mm(シャフト
全長に対するシャフトのチップ側先端からの距離の比
で、43.5%)に位置した。
【0101】実施例3(アイアンゴルフクラブシャフト
の製造例) (シャフト本体の製造)下記No.1〜No.7のプリ
プレグを用意した。これらのプリフレグは炭素繊維にエ
ポキシ樹脂組成物を含浸させて形成したものである。な
お、以下において示す繊維配向角度において、+は長さ
方向に対して右廻りの角度であることを示し、−は左廻
りの角度であることを示す。 (1)No.1プリプレグ (i)形状及び寸法:図21(a) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:+45度 (iii)商品名:「QA112−1480」、東邦レー
ヨン(株)製 (2)No.2プリプレグ (i)形状及び寸法:図21(b) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:−45度 (iii)商品名:「QA112−1480」、東邦レー
ヨン(株)製 (3)No.3プリプレグ (i)形状及び寸法:図21(c) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:+90度 (iii)商品名:「Q1112−1003」、東邦レー
ヨン(株)製 (4)No.4プリプレグ (i)形状及び寸法:図21(d) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:0度 (iii)商品名:「P3052S−15」、東レ(株)
製 (5)No.5プリプレグ (i)形状及び寸法:図21(e) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:0度 (iii)商品名:「QA111−1700」、東邦レー
ヨン(株)製 (6)No.6プリプレグ (i)形状及び寸法:図21(f) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:90度 (iii)商品名:「PC−07」、東レ(株)製 (7)No.7プリプレグ (i)形状及び寸法:図21(g) (ii)長さ方向に対する繊維配向角度:0度 (iii)商品名:「Q1111−1000」、東邦レー
ヨン(株)製 なお、図21(a)〜(g)に示したプリプレグにおい
て、その左側はシャフトのチップ側(細径部側)に対応
し、その右側の部分がシャフトのグリップ側(太径部
側)に対応する。また、図21中に示した寸法を示す数
字の単位はmmである。
【0102】前記No.1〜No.7プリプレグを用
い、下記のマンドレルを使用して、以下のようしてアイ
アン用シャフトを作製した。 (マンドレルの形状) 全長:1400mm 細径先端径:8.5mm (シャフトのチップ側先端内径X1に対応) 先端から450mmの位置の径:8.5mm (シャフトのG1点に対応) 先端から1050mmの位置の径:12.5mm (シャフトのG2点に対応) 先端から1400mmの位置の径:12.5mm 先端から450mmの位置から1050mmの位置まで
のテーパー度:6.7/1000 (1)No.1のバイアスプリプレグ(a)とNo.2
のバイアスプリプレグ(b)の貼合せ体を、マンドレル
の細径側先端から80mmの位置を巻き始め位置として
先端から1110mmにわたって2.3〜2.4プライ
巻成して内層を形成した。 (2)次にNo.3のプリプレグ(c)をマンドレル先
端から80mm〜130mmにわたって1.4〜2.1
プライ、マンドレル先端から130mm〜210mmの
位置にかけて2.1〜0プライ巻成してチップ第1側補
強層を巻成した。また、No.4のプリプレグ(d)を
マンドレル先端から400mm〜550mmにかけて0
〜2.0プライ、550mm〜1110mmにかけて
2.0プライとなるように巻成してグリップ側補強層を
形成した。 (3)次に、前記のようにして得られたプリプレグの巻
成体の上に、No.5のプリプレグ(e)をマンドレル
先端80mm〜1110mmにわたって2.0プライ巻
成して外層を形成した。 (4)次に前記のようにして得たプリプレグ巻成体の上
にNo.6のプリプレグ(f)をマンドレル先端から8
0mm〜130mmにかけて2.0〜1.0プライにな
るように巻成し、さらにその上にNo.7のプリプレグ
(g)をマンドレル先端から80mm〜130mmにか
けて2.9プライになるように、また、130mm〜2
30mmにかけて2.9〜0プライになるように巻成し
てチップ側第2補強層を形成した。 (5)前記のようにして得られたプリプレグ巻成体を加
熱炉において加熱し、プリプレグ中の樹脂を一体に硬化
させた後、マンドレルを除去し、チップ側10mmとバ
ット側19mmを切断除去してシャフト素管を得た。つ
いで素管の表面を研磨・研削かこうしてアイアンゴルフ
クラブ用シャフト本体を得た。このシャフトにおいて、
チップ側先端の外径(Y1)は11.6mm及び内径
(X1)は8.5mm、そのバット側外径(Y2)は1
5.0mm及び内径(X2)は12.0mm、その長さ
は991mm、である。また、前記で示したH1点及び
1の位置は、それぞれチップ側先端から40mm及び
370mmの位置であり、前記で示したH2=G2点は、
シャフトバット側先端から31mmの位置にある。ま
た、前記図1で示したF1点とF2点はチップ側先端か
ら、それぞれ、130mm及び370mmの位置であ
り、領域Fの長さは240mmである。
【0103】以上のようにして得た本発明のアイアンゴ
ルフクラブ用シャフトは、図3に示す捩り剛性値分布を
有するものであり、そのキックポイントはシャフト先端
から426)mm(シャフト全長に対するシャフトのチ
ップ側先端からの距離の比で、43.0%)に位置し
た。
【0104】本発明のゴルフクラブシャフトは、そのジ
ョイントの突出部をゴルフクラブヘッドのシャフト取付
け穴に挿入し、接着剤で固定化させることにより、ゴル
フクラブとすることができる。また、本発明において
は、ジョイントは、必ずしもシャフトの方にあらかじめ
結合させる必要はなく、ゴルフクラブの製造に際し、あ
らかじめヘッドのシャフト取付け穴に挿入し、接着剤で
固定化させておき、このヘッドに取付けられたジョイン
トを基材シャフトのチップ側先端部中空内に挿入し、接
着剤で接着固定化させることもできるし、ヘッドの製造
に際し、あらかじめジョイントをそのヘッドに一体的に
取付けておき、このヘッドに取付けられたジョイントに
対してシャフトを結合させることもできる。
【0105】キックポイントは以下の方法で測定した。
水平に置いたゴルフクラブシャフトのチップ側端部を固
定し、グリップ側端部からチップ側端部に向かって8k
gfの荷重をグリップ側端部に与えてゴルフクラブシャ
フトをたわませたとき、たわみ量が最大となる部分をそ
のゴルフクラブシャフトのキックポイントとした。
【0106】曲げ剛性値及び捩り剛性値は、以下に示す
ように、計算により算出した。
【0107】曲げ剛性値及び捩り剛性値 これらの物性値は、シャフトの外径D、シャフトの内径
d、繊維強化プラスチックの縦弾性率E及びその横弾性
率Gを用いて次式で算出することができる。 (曲げ剛性値) E・I=E・π/64(D4−d4) この式中、E・Iは曲げ剛性値を示す。また、Iは次式
で示される断面二次モーメントを示す。 I=π/64(D4−d4) (捩り剛性値) G・Ip=G・π/32(D4−d4) この式中、G・Ipは捩り剛性値を示す。また、Ipは
次式で示される断面二次極モーメントを示す。 Ip=π/32(D4−d4
【0108】実施例で示した捩り剛性値及び曲げ剛性値
はいずれも前記計算により求めた値である。また、これ
らの値は、以下に示す測定法により得られた値と良く一
致することが確認された。
【0109】(捩り剛性値の測定法)ゴルフクラブシャ
フト水平に置き、捩り剛性値を測定するゴルフクラブシ
ャフト部分を中心にチップ側へ50mm離れたゴルフク
ラブシャフト部分とグリップ側へ50mm離れたゴルフ
クラブシャフト部分とを固定し、固定したグリップ側部
分に13.83kg・cmのトルクを与えたときの捩れ
角度を測定することで、捩り剛性値をもとめた。ゴルフ
クラブシャフト先端部分については、シャフト方向長さ
以外はゴルフクラブシャフト先端部分と同じ構成でシャ
フト方向長さが200mmのシャフトを作製し、その中
央部分の捩れ角度を測定することで捩り剛性値をもと
め、この値をゴルフクラブシャフト先端部分の捩り剛性
値とした。ジョイント部分については、シャフト方向の
長さ以外はジョイント部分と同じ構成でシャフト方向長
さが200mmのジョイントを作製し、その中央部分の
捩れ角度を測定することで捩り剛性値をもとめ、この値
をジョイント部分の捩り剛性値とした。
【0110】(曲げ剛性値の測定法)ゴルフクラブシャ
フト水平に置き、曲げ剛性値を測定するゴルフクラブシ
ャフト部分を中心にチップ側へ50mm離れたゴルフク
ラブシャフト部分とグリップ側へ50mm離れたゴルフ
クラブシャフト部分とを曲げ剛性値測定の支点として、
3点曲げ試験法で測定する。曲げ剛性値を測定するゴル
フクラブシャフト部分に垂直方向に10kgの荷重を与
えた時のたわみ量を測定することで、曲げ剛性値をもと
めた。ゴルフクラブシャフト先端部分については、シャ
フト方向長さ以外はゴルフクラブシャフト先端部分と同
じ構成でシャフト方向長さが200mmのシャフトを作
製し、その中央部分のたわみ量を測定することで曲げ剛
性値をもとめ、この値をゴルフクラブシャフト先端部分
の曲げ剛性値とした。ジョイント部分については、シャ
フト方向長さ以外はジョイント部分と同じ構成でシャフ
ト方向長さが200mmのシャフトを作製し、その中央
部分のたわみ量を測定することで曲げ剛性値をもとめ、
この値をゴルフクラブシャフト先端部分の曲げ剛性値と
した。
【0111】
【発明の効果】本発明のゴルフクラブシャフト及びゴル
フクラブは、そのシャフトのチップ側先端部が従来一般
のシャフトよりも太径に形成されていることから、その
シャフトのチップ側先端部の捩り剛性値は非常に高く、
打球の方向安定性において著しくすぐれたものである。
また、本発明のシャフトにおいては、そのキックポイン
トがシャフト全長に対するチップ側先端からの距離の比
で表わした位置において、40〜47%の範囲に保持さ
れていることから、打球が上方に上りやすいという特徴
を有している。さらに、本発明の場合には、捩り剛性値
の極小点又は極小域が、シャフト全長に対するチップ側
先端からの距離の比で表わした位置において、10〜4
5%の範囲の位置に存在することから、打球の際に、ゴ
ルフクラブヘッドに与えられた衝撃によって生じるゴル
フクラブの捩りの衝撃の一部が、捩り剛性値極小点又は
極小域近辺のシャフト部分で吸収され、衝撃がかなり小
さくなって手に伝わるので打球の感触がよい等の効果を
有する。さらに、本発明のシャフトは、そのチップ側先
端部が太径に形成されているにもかかわらず、シャフト
の中間部の外径はそれ程太くないことから、ゴルフクラ
ブとしてスイングしたときに、クラブのしなり性がよ
く、スイングの感触がよい。本発明のゴルフクラブシャ
フト及びゴルフグラブは、ハードヒッター用に好適のも
のであり、スイングし、打球する際にシャフトの捩りが
小さく、方向性の安定した打球を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシャフトの横断面図を示す。
【図2】本発明によるシャフトの特定部分と捩り剛性値
との関係を示す。
【図3】本発明によるジョイントを有しないアイアン用
ゴルフクラブシャフトの1つの実施例についてのシャフ
ト長さに対する捩り剛性値分布図を示す。
【図4】本発明によるジョイントを有しないウッド用ゴ
ルフクラブシャフトの1つの実施例についてのシャフト
長さに対する捩り剛性値分布図を示す。
【図5】本発明によるジョイントを有するシャフト先端
部の説明断面図を示す。
【図6】図5におけるA−A断面図を示す。
【図7】本発明によるジョイントを有するシャフトの特
定部分と捩り剛性値との関係を示す。
【図8】本発明によるジョイントを有するアイアン用ゴ
ルフクラブシャフトの1つの実施例についてのシャフト
長さに対する捩り剛性値分布図を示す。
【図9】本発明のウッド用ゴルフクラブシャフトの1つ
の実施例についてのシャフト長さに対する捩り剛性値分
布図を示す。
【図10】本発明によるジョイントを有するシャフトの
特定部分と曲げ剛性値との関係を示す。
【図11】本発明によるジョイントを有するアイアン用
ゴルフクラブシャフトの1つの実施例についてのシャフ
ト長さに対する曲げ剛性値分布図を示す。
【図12】本発明によるジョイントを有するウッド用ゴ
ルフクラブシャフトの1つの実施例についてのシャフト
長さに対する曲げ剛性値分布図を示す。
【図13】本発明によるジョイントを有するアイアン用
ゴルフクラブシャフトの他の実施例についてのシャフト
長さに対する捩り剛性値分布図を示す。
【図14】本発明によるジョイントを有するウッド用ゴ
ルフクラブシャフトの他の実施例についてのシャフト長
さに対する捩り剛性値分布図を示す。
【図15】本発明によるジョイントを有するアイアン用
ゴルフクラブシャフトの他の実施例についてのシャフト
長さに対する曲げ剛性値分布図を示す。
【図16】本発明によるジョイントを有するウッド用ゴ
ルフクラブシャフトの他の実施例についてのシャフト長
さに対する曲げ剛性値分布図を示す。
【図17】本発明のアイアン用ゴルフクラブシャフトの
製造に際して用いるプリプレグの形状と寸法についての
説明図を示す。 a:プリプレグ(1) b:プリプレグ(2) c:プリプレグ(3) d:プリプレグ(4) e:プリプレグ(5) f:プリプレグ(6)
【図18】本発明のアイアン用ゴルフクラブシャフト用
ジョイントの製造に際して用いるプリプレグの形状と寸
法についての説明図を示す。
【図19】本発明のウッド用ゴルフクラブシャフトの製
造に際して用いるプリプレグの形状と寸法についての説
明図を示す。
【図20】本発明のウッド用ゴルフクラブシャフト用ジ
ョイントの製造に際して用いるプリプレグの形状と寸法
についての説明図を示す。
【図21】本発明による他のアイアン用ゴルフクラブシ
ャフトの製造に際して用いるプリプレグの形状と寸法に
ついての説明図を示す。 a:プリプレグ(1) b:プリプレグ(2) c:プリプレグ(3) d:プリプレグ(4) e:プリプレグ(5) f:プリプレグ(6) g:プリプレグ(7)
【符号の説明】
1 シャフト 2 ジョイント 3 連通孔 A ジョイント突出部 B ジョイントが挿入されたシャフトのチップ側先端部 C 捩り剛性値極小点 D シャフトのグリップ側先端部 P 曲げ剛性値極小点 Q キックポイント S1〜S6 剛性値変化点 H1 シャフトのチップ側先端部における外径が同じで
ある部分の後端位置 H2 シャフトのグリップ側先端部における外径が同じ
である部分の後端位置 G1 シャフトのチップ側先端部における内径が同じで
ある部分の後端位置 G2 シャフトのグリップ側先端部における内径が同じ
である部分の後端位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−29374(JP,A) 特開 平3−251269(JP,A) 実開 平5−76469(JP,U) 実開 平4−15963(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A63B 53/10 A63B 53/02

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化プラスチックからなる中空ゴル
    フクラブシャフトにおいて、 (i)シャフトのチップ側先端の内径が少なくとも7m
    mで、外径が少なくとも8mmであること、 (ii)シャフトのチップ側先端からH1点までのシャフ
    トの外径が実質的に同じであり、該H1点はシャフトの
    チップ側先端から20〜170mmの範囲に位置するこ
    と、 (iii)シャフトのチップ側先端からG1点までのシャフ
    トの内径が実質的に同じであり、該G1点は、シャフト
    の全長に対するシャフトのチップ側先端からの距離の比
    で表わした位置において、20〜50%の範囲に位置す
    ること、 (iv)シャフト全長に対するシャフトのチップ側先端か
    らの距離の比で表わした位置において、10〜45%の
    範囲の位置に捩り剛性値極小点C又は極小域F有し、か
    つ40〜47%の範囲の位置にキックポイントQを有す
    ること、 (v)前記H1点と極小点C又は極小域Fとの間の外径
    が、極小点C又は極小域Fの方向に向けて徐々に減少す
    ること、を特徴とするゴルフクラブシャフト。
  2. 【請求項2】 アイアン用ゴルフクラブシャフトにおい
    て、シャフトのチップ側先端の内径が7.5〜10mm
    で、外径が10.5〜14mmであり、シャフトのチッ
    プ側先端からH1点までのシャフトの捩り剛性値が(1
    〜10)×106kg・mm2であり、シャフトの捩り剛
    性値の極小点C又は極小域Fの捩り剛性値が前記シャフ
    トのチップ側先端からH1点までのシャフトの捩り剛性
    値よりも小さくかつ0.8×106kg・mm2より大き
    く、さらにシャフトのグリップ側先端部の捩り剛性値が
    (3〜15)×106kg・mm2である請求項1のゴル
    フクラブシャフト。
  3. 【請求項3】 ウッド用ゴルフクラブシャフトにおい
    て、シャフトのチップ側先端の内径が7〜9mmで、外
    径が9〜13mmであり、シャフトのチップ側先端から
    1点までのシャフトの捩り剛性値が(1〜8)×106
    kg・mm2であり、シャフトの捩り剛性値極小点C又
    は極小域Fの捩り剛性値が前記シャフトのチップ側先端
    からH1点までのシャフトの捩り剛性値よりも小さくか
    つ0.8×106kg・mm2より大きく、さらにシャフ
    トのグリップ側先端部の捩り剛性値が(3〜15)×1
    6kg・mm2である請求項1のゴルフクラブシャフ
    ト。
  4. 【請求項4】 アイアン用ゴルフクラブシャフトにおい
    て、シャフトのチップ側先端部Bの曲げ剛性値が(3〜
    10)×106kg・mm2、シャフトの捩り剛性値極小
    点C又は極小域Fの曲げ剛性値が前記シャフト先端部B
    の曲げ剛性値より小さくかつ(2〜7)×106kg・
    mm2の範囲にあり、さらにシャフトのグリップ側先端
    部の曲げ剛性値が(7〜15)×106kg・mm2であ
    る請求項2のゴルフクラブシャフト。
  5. 【請求項5】 ウッド用ゴルフクラブシャフトにおい
    て、チップ側先端部Bの曲げ剛性値が(2.5〜7)×
    106kg・mm2、シャフトの捩り剛性値極小点C又は
    極小域Fの曲げ剛性値が前記シャフトのチップ側先端部
    Bの曲げ剛性値より小さくかつ(1.5〜6)×106
    kg・mm2の範囲にあり、さらにシャフトのグリップ
    側先端部の曲げ剛性値が(7〜15)×106kg・m
    2である請求項3のゴルフクラブシャフト。
  6. 【請求項6】 繊維強化プラスチックからなる中空ゴル
    フシャフトにおいて、 (i)シャフトのチップ側先端の内径が少なくとも7m
    mで、外径が少なくとも8mmであること、 (ii)シャフトのチップ側先端からH1点までのシャフ
    トの外径が実質的に同じであり、該H1点はシャフトの
    チップ側先端から20〜170mmの範囲に位置するこ
    と、 (iii)シャフトのチップ側先端からG1点までのシャフ
    トの内径が実質的に同じであり、該G1点は、シャフト
    の全長に対するシャフトのチップ側先端からの距離の比
    で表わした位置において、20〜50%の範囲に位置す
    ること、 (iv)シャフト全長に対するシャフトのチップ側先端か
    らの距離の比で表わした位置において、10〜45%の
    範囲の位置に捩り剛性値の極小点C又は極小域Fを有
    し、かつ40〜47%の範囲の位置にキックポイントQ
    を有すること、 (v)前記H1点と極小点C又は極小域Fとの間の外径
    が、極小点C又は極小域Fの方向に向けて徐々に減少す
    ること、 (vi)前記シャフトのチップ側先端部中空内に、ゴルフ
    クラブヘッドのシャフト取付け穴の内径に対応する外径
    を有する繊維強化プラスチック又は金属からなるジョイ
    ントの一部が挿入され、接着固定化されていること、を
    特徴とするゴルフクラブシャフト。
  7. 【請求項7】 アイアン用ゴルフクラブシャフトにおい
    て、シャフトのグリップ側先端から突出しているジョイ
    ント部Aの捩り剛性値が(0.8〜5.0)×106
    g・mm2、ジョイントの一部が挿入されているシャフ
    トのチップ側先端部Bの捩り剛性値が[(AT+1)〜
    12]×106kg・mm2(AT:ジョイント部Aの捩
    り剛性値)、シャフトの捩り剛性値の極小点C又は極小
    域Fの捩り剛性値が前記シャフト先端部Bの捩り剛性値
    より小さくかつ0.8×106kg・mm2より大きく、
    さらにシャフトのグリップ側先端部の捩り剛性値が(3
    〜15)×106kg・mm2である請求項6のゴルフク
    ラブシャフト。
  8. 【請求項8】 ウッド用ゴルフクラブシャフトにおい
    て、シャフト先端から突出しているジョイント部Aの捩
    り剛性値が(0.8〜4)×106kg・mm2、ジョイ
    ントの一部が挿入されているシャフトのチップ側先端部
    Bの捩り剛性値が[(AT+1)〜10]×106kg
    ・mm2(AT:ジョイント部Aの捩り剛性値)、シャ
    フトの捩り剛性値の極小点C又は極小域Fの捩り剛性値
    が前記シャフト先端部Bの捩り剛性値より小さくかつ
    0.8×106kg・mm2より大きく、さらにシャフト
    のグリップ側先端部の捩り剛性値が(3〜15)×10
    6kg・mm2である請求項6のゴルフクラブシャフト。
  9. 【請求項9】 アイアン用ゴルフクラブシャフトにおい
    て、シャフト先端から突出しているジョイント部Aの曲
    げ剛性値が(1〜5)×106kg・mm2、ジョイント
    の一部が挿入されているシャフトのチップ側先端部Bの
    曲げ剛性値が(6.5〜14.5)×106kg・m
    2、シャフトの捩り剛性値の極小点C又は極小域Fの
    曲げ剛性値が前記シャフト先端部Bの曲げ剛性値より小
    さくかつ(2〜7)×106kg・mm2の範囲にあり、
    さらにシャフトのグリップ側先端部の曲げ剛性値が(7
    〜15)×106kg・mm2である請求項7のゴルフク
    ラブシャフト。
  10. 【請求項10】 ウッド用ゴルフクラブシャフトにおい
    て、シャフト先端から突出しているジョイント部Aの曲
    げ剛性値が(1〜4)×106kg・mm2、ジョイント
    の一部が挿入されたシャフトのチップ側先端部Bの曲げ
    剛性値が(4.5〜11.5)×106kg・mm2、シ
    ャフトの捩り剛性値の極小点C又は極小域Fの曲げ剛性
    値が前記シャフトのチップ側先端部Bの曲げ剛性値より
    小さくかつ(1.5〜6)×106kg・mm2の範囲に
    あり、さらにシャフトのグリップ側先端部の曲げ剛性値
    が(7〜15)×106kg・mm2である請求項8のゴ
    ルフクラブシャフト。
  11. 【請求項11】 繊維強化プラスチックからなる中空ゴ
    ルフクラブシャフトにゴルフクラブヘッドを結合させた
    ゴルフクラブにおいて、該シャフトとヘッドとは、繊維
    強化プラスチック又は金属からなるジョイントを介して
    結合され、該シャフトは、 (i)シャフトのチップ側先端の内径が少なくとも7m
    mで、外径が少なくとも8mmであること、 (ii)シャフトのチップ側先端からH1点までのシャフ
    トの外径が実質的に同じであり、該H1点はシャフトの
    チップ側先端から20〜170mmの範囲に位置するこ
    と、 (iii)シャフトのチップ側先端からG1点までのシャフ
    トの内径が実質的に同じであり、該G1点は、シャフト
    の全長に対するシャフトのチップ側先端からの距離の比
    で表わした位置において、20〜50%の範囲に位置す
    ること、 (iv)シャフト全長に対するシャフトのチップ側先端か
    らの距離の比で表わした位置において、10〜45%の
    範囲の位置に捩り剛性値極小点C又は極小域Fを有し、
    かつ40〜47%の範囲の位置にキックポイントQを有
    すること、 (v)前記H1点と極小点C又は極小域Fとの間の外径
    が、極小点の方向に向け徐々に減少すること、を特徴と
    するゴルフクラブ。
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