JP3078423B2 - 水分散コーティング組成物の製造法 - Google Patents

水分散コーティング組成物の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分散コーティング組
成物の製造法及びその水分散コーティング組成物を塗布
した易接着性ポリエステルフイルムの製造法に関する。
更に詳しくは、本発明は、親水性基を全く含有しないか
又は極めて少量含有する水不溶の共重合ポリエステル樹
脂をテトラヒドロフランを主成分とする有機溶媒に溶解
して溶液を得、次に該共重合ポリエステル樹脂を溶解し
ない有機貧溶媒Iを混合し、更に得られる溶液を該ポリ
エステル樹脂を溶解しない有機貧溶媒II/水と混合物を
添加し、しかる後得られる混合液から前述の各有機溶媒
を留去することからなる水分散コーティング組成物の製
造法に関する。
【0002】
【従来技術】二軸延伸熱固定したポリエステルフイルム
ハ耐熱性、ガス遮断性、電気的特性および耐薬品性が他
の樹脂からなるフイルムに較べて優れている。しかし、
その表面は高度に結晶配向されているので、表面の凝集
性が高く、塗料、接着剤およびインキの受容性に乏し
い。
【0003】そこで、ポリエステルフイルムの表面に合
成樹脂層を設ける場合、両者の接着を強靭にするため
に、気体表面をコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラ
ズマ処理あるいは火焔処理を施し、表面を活性化したあ
と合成樹脂塗層膜を被覆する手段が適用されている。
【0004】しかしながら、これらの基材表面への活性
化手段は、被覆物質層に対して濡れによる二次結合力の
増進から接着性向上は期待し得るものの、その活性は経
時的に低下する。このような理由により表面の活性化手
段は必ずしも満足すべきものではない。
【0005】ポリエステルフイルム基体表面の受容性を
高める他の方法として、種々の薬剤で表面を膨潤または
部分的溶解するエッチング方法が提案されている。これ
は表面を酸、アミン水溶液、トリクロル酢酸またはフェ
ノール類らの薬剤に浸漬し、表面をエッチングして表面
近傍の結晶配向に分解、溶解、緩和などを施すと同時に
凝集性を低下せしめてバインダー樹脂との付着性を高め
ようとするものであって、その効果は最も確実で、基材
とその上に設けられる合成樹脂塗膜層の密着性は強固と
なる。しかしながら、この方法に用いられる薬剤には有
害のものもあって、取扱い上危険を伴ったり、大気中に
薬剤の揮散物が放出される惧れがあり作業環境の汚染を
もたらさないような万全の注意が必要となるなど実用面
で種々な不利な問題がある。
【0006】この方法に類似する手段として、予め基体
上にプライマー層(下塗り層)を設け、基材とは異質の
表面層を薄く形成せしめたあと所望の合成樹脂層を被覆
する方法がある。例えば特開昭53―2536号公報に
はコーティング物をポリエステルフイルム上に塗布が開
示されているが、このコーティング物が水溶性であるた
め耐湿性が劣ったり、また塗布時の溶媒としては有機溶
媒を使用しているためその使用環境が制約されることが
多い。
【0007】また、溶剤に用いたコーティング組成物の
下塗り層形成に際しては、概ね製膜工程とは別のプロセ
スにおいて塗布処理が行われるので、処理工程中でゴ
ミ、挟雑物などの塵埃をまきこむ危険がある。この理由
からフイルムの高度加工商品、例えばビテオ用磁気テー
プ、オーディオ用磁気テープ、コンピューター用磁気テ
ープ、X線写真フイルム、印刷用写真フイルム、ジアゾ
マイクロフイルムなどの精密徴妙な品質を維持しなけれ
ばならない用途においては、易接着性の表面がうまく形
成されたとしてもベースフイルムとしての塵埃による表
面欠陥があると、これら用途には供し得ない。特に、ベ
ースフイルムを所望の加工品に仕上げるに際し、その中
間で一度加工性に富む表面に変性すべく、プライマーコ
ート処理の工程を設けることは、合理性を欠き、経済的
あるいは工業技術上も有利とはいえない。
【0008】そこでプライマー(下塗;下引)を施すプ
ロセスを極力塵埃の生じにくい雰囲気、すなわちポリエ
ステルフイルム製造の工程中で実施遂行する場合には前
述高度化フイルム加工商品の用途にも充分対応が可能と
なる。
【0009】このようなフイルム製造プロセスでのイン
ライン下引処理として例えば特開昭58―106860
号が提案されているが、前者では接着性を改善するため
のバインダーの軟化点が高く200℃以上の高温処理が
必要である上に、更にフイルム表面が粗れるため表面の
平坦性を要求する高級な磁気テープには不向きであり、
後者では水性液のために耐湿性が劣る欠点がある。
【0010】また、このインラインにおける下引処理に
は水分散液が特に好ましい。何故なら、有機溶剤を溶媒
として用いてコーティング組成物を用いると、逸散有機
溶剤による周囲環境の汚染、安全および衛生上好ましか
らざる状態を招来し、製膜工程に悪影響を及ぼすからで
ある。
【0011】水不溶性ポリエステル樹脂を水分散化する
方法としては、従来から、(1)ポリエステル樹脂及び
水と共に乳化剤、分散剤、懸濁化安定剤等を用いて乳化
液又は懸濁液を造る:(2)ポリエステル樹脂を加熱溶
融させ、水又は他の媒体と接触分散させた後に不要に媒
体を除去する;(3)ポリエステル樹脂の微粒子を前も
って造り、この粒子を水に分散させ安定化させる;
(4)一旦ポリエステル樹脂を溶解する溶剤に溶解し、
得られた溶液と水とを混合してから脱溶剤して水分散液
とする方法がとられている。
【0012】しかし、(1)の方法では大量の乳化剤、
分散剤が必要であり、更にこの乳化剤、分散剤によって
塗布した共重合ポリエステル樹脂の可塑化が起こり、耐
湿性や耐熱性が低下する。(2)の方法では高温のポリ
エステルが水と接触するためにエステル部分の分解によ
り分子量の低下が起り、接着性や耐熱性の劣化が起る。
(3)の方法では微粒子化の工程が複雑であり、またそ
の分散液の安定性が劣る。(4)の方法では、水不溶と
いってもポリエステル樹脂の中に親水性基を導入してお
くことが必須であり、この親水性基の存在のため耐湿性
や耐ブロッキング性の低下が起こる、というような問題
がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
問題を解決し、ベースフイルムに塗布される種々の被覆
物例えばセロファンインキ、磁気塗料、ゼラチン組成
物、オフセットインキ、電子写真トナー、ケミカルマッ
ト塗料、ジアゾ塗料、ヒートシール性付与組成物、無機
質被膜形成性物等に対し優れた密着性を有し、更に二軸
延伸ポリエステルの種々の製造条件下に於いても、易接
着性を付与した効果が発現できるプイラマー薄層を塗設
するに適した水分散コーティング組成物を安定して製造
する方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、水不溶のポリ
エステル樹脂微粒子を水に均一分散せしめて水分散コー
ティング組成物を製造する方法において、 (i)該ポリエステル樹脂をテトラヒドロフランを主成
分とする有機良溶媒に溶解して溶液を得、 (ii)ついでアセトニトリル及び/又はプロピオニト
リルからなる貧溶媒Iを該溶液に添加し、 (iii)更にアルコール類からなる貧溶媒IIと水と
の混合液を加え、安定した水分散液となし、 (iv)しかる後前記各溶媒を留去することからなる水
分散コーティング組成物の製造法である。ここで、留去
には蒸留等の分離手段を用いることができる。
【0015】本発明を説明する。本発明に用いる水不溶
性のポリエステル樹脂は、二塩基酸またはそのエステル
形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導
体とから合成される共重合の線状飽和ポリエステルであ
る。このようなポリエステルの二塩基酸成分としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル
酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、1,4―シクロ
ヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、イタコン
酸、4,4′―ビフェニルジカルボン酸、フェニルイン
ダンジカルボン酸、フェニルキノキサリンジカルボン酸
等を例示することができる。また、これらの成分と共に
p―ヒドロキシ安息香酸、p―(β―ヒドロキシエトキ
シ)安息香酸等のヒドロキシカルボン酸も用いることが
できる。
【0016】また、ジオール成分としてはエチレングリ
コール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,6―ヘキサンジオール、1,4―シクロヘキサ
ンジメタノール、キシリレングリコール、ジメチロール
プロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメ
チレンオキシド)グリコール、2,2―ビス(4′―オ
キシフェニル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物
等を例示することができる。
【0017】さらに、このポリエステル樹脂には、分子
内に有機スルホン酸及び/又はカルボン酸塩を水分散性
向上のために導入することもできる。この有機スルホン
酸塩としては、例えば5―Naスルホイソフタル酸、5
―アンモニウムスルホイソフタル酸、4―Naスルホイ
ソフタル酸、4―メチルアンモニウムスルホイソフタル
酸、2―Naスルホテレフタル酸、5―Kスルホイソフ
タル酸、4―Kスルホイソフタル酸、2―Kスルホテレ
フタル酸、Naスルホコハク酸等のスルホン酸アルカリ
金属塩系又はスルホン酸アミン塩系化合物等を用いるこ
とが好ましい。
【0018】また、有機カルボン酸塩としては、例えば
無水トリメリット酸、トリメリット酸、無水ピロメリッ
ト酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、シクロブタンテ
トラカルボン酸、ジメチロールプロピオン酸等の化合物
をアミノ化合物、アンモニア、アルカリ金属等で中和し
たものを用いることが好ましい。
【0019】これらの有機スルホン酸塩及び/又はカル
ボン酸塩の基を有する多価カルボン酸又は多価アルコー
ルは、全多価カルボン酸成分又は全多価アルコール成分
中に0.5モル%未満占める程度でもよい。
【0020】本発明のポリエステル樹脂を溶解するのに
用いる有機溶媒は、テトラヒドロフランを主成分とする
有機溶媒であり、ポリエステル樹脂を溶媒100g中に
1g以上溶解することができ、また水に対する溶解度が
2重量%以上でありかつ沸点が120℃以下のものであ
る。この溶媒を「良溶媒」と表記する。
【0021】また、溶解後、混合する時及び水と混合す
る時に用いるポリエステル樹脂を溶解しない有機溶媒
は、溶媒100g中の該ポリエステル樹脂の溶解量が1
g未満であり、また水に対する溶解度が2重量%以上で
ありかつ沸点が120℃以下の溶媒である。この溶媒を
「貧溶媒」と表記する。
【0022】この貧溶媒としては、メチルアルコール、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢
酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、トルエン、ヘキ
サン等の炭化水素系溶剤類を例示でき、特に好ましくは
ニトリル類、アルコール類である。本発明の特徴は、ポ
リエステル樹脂の水分散液を製造するにあたり、先ずポ
リエステル樹脂の溶液に貧溶媒を均一混合し、さらに貧
溶媒/水を混合して、溶液/水系の安定な分散液を造
り、しかる後該分散液を蒸留して溶媒を留去することに
ある。溶液と貧溶媒との混合は該ポリエステル樹脂の析
出が始まる近傍において行い、析出粒子の大きさが極力
微小になるか又は析出粒子の発生する寸前になるように
制御する。多量に析出が起る様な混合比では、大粒子が
形成してしまい、分散体の安定性が著しく損なわれ、好
ましくない。ついで混合する貧溶媒/水の混合比も析出
が始まる近傍において行うがこの時は、微小粒子の形成
を確実にする混合比で行い、形成粒子の良溶媒による膨
潤が極力抑えられる混合比で行う。貧溶媒/水の混合比
が高すぎると、大粒子が形成し、分散体の安定性が損な
われ、低すぎると形成微粒子の二次凝集が促進され、好
ましくない。
【0023】また、該ポリエステル樹脂溶液の濃度とし
ては20重量%以下が好ましく、更には10重量%以下
が好ましい。濃度が20重量%を超えると微粒子形成時
に系中の微粒子濃度が高くなり、粒子同士の融着が促進
されるので好ましくない。
【0024】かかる溶液―水分散液から溶媒を除去する
には蒸留を行う。減圧下で蒸留することにより、低い温
度に系を保ことができ、分散樹脂の再溶解による増粘が
起らず高濃度分散液を製造することが可能になる。減圧
の程度は600mmHg以下が望ましい。
【0025】得られる水分散液中の残留溶媒としては、
従来技術で述べた如くインラインコーティング時の作業
環境汚染等の理由で低い方がよい。残留溶媒量としては
5重量%以下が好ましく、最も好ましくは0.1重量%
以下である。
【0026】水分散液を得るに当って、液の安定性を増
すために必要量の界面活性剤を添加することもできる。
更にこの界面活性剤は予めポリエステル樹脂溶液中に加
えておいても良いが分散する水の中に加えることも可能
である。界面活性剤としては水分散液の表面張力を40
dyne/cm以下に降下でき、ポリエステルフイルム
への濡れを促進するものが好ましく、公知の多くのアニ
オン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の中から用
いることができる。有効な界面活性剤としてはポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸
塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、第4級アンモニウムクロライド、アルキルアミン塩
酸塩等を挙げることができる。
【0027】水分散液中のポリエステル樹脂の濃度は
0.5〜30重量%が好ましく、また界面活性剤量は共
重合ポリエステル樹脂100重量部に対して1〜50重
量部の範囲で用いることが望ましい。本発明によれば、
共重合ポリエステル樹脂の濃度が20重量部以上のもの
が安定して得られる。
【0028】このようにして得られたポリエステル樹脂
の水分散コーティング組成物はポリエステルフイルム上
に塗設することによってフイルムの接着性を向上させる
ことができる。この水分散液を塗布する方法として公知
の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、
グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコー
ト、エアーナイフコート、含浸法およびカーテンコート
法などを独立または組み合わせて適用することができ
る。
【0029】塗工を施す工程は、ポリマーを溶融押出し
てキャスティングした未延伸状態のフイルムに直ちに、
またはタテまたはヨコのいずれか一方向に延伸を施した
直後の基材表層を対象とするのが好ましい。また、タ
テ、ヨコに二軸延伸後に塗布し、その後更に延伸するこ
ともできる。またプライマー層の塗設は、予め未延伸フ
イルム又は一軸延伸フイルムを採取し、これに塗布乾燥
をフイルム製造ライン外で行い、続いて二軸延伸又は一
軸延伸と熱固定を行うこともできるが、プライマー処理
効果および経済性の点から、フイルム製造ラインの中で
適用することが好ましい。
【0030】本発明の水分散コーティング組成物を塗布
するのに好適なポリエステルフイルムは、芳香族二塩基
酸またはそのエステル形成誘導体ジオールまたはそのエ
ステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエス
テルからなるフイルムである。この線状飽和ポリエステ
ルとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
―2,6―ナフタレンジカルボキシレート、ポリ(1,
4―シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)等が
好ましく例示でき、これらの共重合体またはこれらと小
割合の他樹脂とのブレンド物なども含まれる。上述の線
状飽和ポリエステル樹脂を溶融押出し、常法でフイルム
状となし、配向結晶化並びに熱処理結晶化(ヒートセッ
ト)したものが本発明におけるポリエステルフイルムと
して好適である。特にポリエチレンテレフタレートフイ
ルムやポリエチレンナフタレンジカルボキシレートが好
ましい。これらフイルムの厚さは通常1〜350μmで
ある。
【0031】本発明の水分散コーティング組成物で被覆
処理された易接着性フイルムはセロケファンインキ、磁
気塗料、ゼラチン組成物、アマニ油系オフセットイン
キ、電子写真用トナー組成物、ケミカルマット塗料、ジ
アゾ塗料、ヒートシール性付与組成物、無機質被覆形成
性物質および金属蒸着物質らに対して極めて広汎な密着
付着性能を示す。
【0032】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明する。な
お、実施例中の測定項目は次の方法で測定した。また
「部」とあるのは「重量部」をあらわす。
【0033】(1)接着性 プライマー被覆ポリエステルフイルムに評価塗料をマイ
ヤーバーで乾燥後の厚さが約4μmになるように塗布
し、100℃で3分間乾燥する。この後60℃で2時間
エージングし、次いでスコッチテープNo.600(3
M社製)巾12.7mm、長さ15cmを気泡の入らな
いように粘着し、この上をJIS C2701(197
5)記載の手動式荷重ロールでならし密着させ、テープ
巾に切り出す。これを180°剥離した時の剥離強度を
測定する。
【0034】[評価用塗料] 固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304 25部 (日本ポリウレタン製) 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA 50部 (積水化学製) 分散剤 レシオンP 1部 (理研ビタミン製) 磁性剤 CTX―860 500部 (戸田化学製) をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン混
合溶剤に溶解して40%液とし、サンドグラインダーで
2時間分散する。その後架橋剤のコロネートL25部
(固形分換算)を添加し、よく撹拌して磁性塗料を得
る。
【0035】(2)ブロッキング性 ポリエステルフイルムの表面と裏面を合せてから10c
m×15cm角に切り、これに50℃×50%RHの雰
囲気中で17時間、50kg/cm2 の加重をかけ、次
いでこの10cm巾の剥離強度を測定する。このときの
剥離スピードは100mm/分である。この剥離強度が
5g/10cm以下であれば、実用上に問題がない。
【0036】
【実施例1】表1に示す酸成分、グリコール成分からな
る水不溶の共重合ポリエステル樹脂(35℃のo―クロ
ロフェノール中で測定したポリマーの固有粘度[η]=
0.45)5重量部をテトラヒドロフラン95重量部に
溶解し、これに貧溶媒Iとしてプロピオニトリル(粒子
析出開始点は58部)を57重量部混合し、均一に攪拌
し、この溶液をあらかじめ混合した貧溶媒II[イソプロ
ピルアルコール)/水=60部/54部]中に攪拌しな
がら徐々に添加して、微粒子の析出を行い溶媒/水分散
液を得た。
【0037】この分散液を300mmHg下で減圧蒸留
し、テトラヒドロフラン、プロピオニトリル、イソプロ
ピルアルコールを完全に脱溶媒して安定な水分散液を得
た。この水分散液の濃度は、10wt%であり、3ケ月
以上安定であった。
【0038】さらにこの水分散液に濡れ剤としてポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテルを固型分重量比で
90/10の比で混合した後、水で稀釈して固型分4w
t%の塗布液を得た。
【0039】35℃のo―クロロフェノール中で測定し
た固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを溶
融押出して厚み158μmの未延伸フイルムを得、次い
でこれを機械軸方向に3.5倍延伸した後ポリエステル
水分散を主成分とする水性プライマー塗布液を一軸延伸
フイルムの片面に塗布した。その後、3.9倍に横方向
に延伸し、200℃で4.2秒間熱処理を施し、平均塗
付量20mg/m2 で厚さ12.2μmの二軸延伸プラ
イマー被覆ポリエステルフイルムを得た。このフイルム
の処理面の接着性、耐ブロッキング性を測定した。その
結果を表3に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【実施例2〜6】ポリエステル樹脂組成を表1に示すも
のに変更し、水分散化に使用する溶媒を表2に示すもの
に変更する以外は実施例1と全く同様にして二軸延伸プ
ライマー被覆ポリエステルフイルムを得た。処理面の接
着性、耐ブロッキング性の測定結果を表3に示した。
【0044】
【実施例7】基体となるポリエステルフイルムを35℃
のo―クロロフェノール中で測定した固有粘度[η]=
0.68のポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボ
キシレートに変更する事以外は実施例1と全く同様にし
て得たプライマー被覆ポリエステルフイルム処理面の接
着性、耐ブロッキング性の測定結果を表3に示した。
【0045】
【比較例1】実施例1の共重合ポリエステル樹脂5重量
部をテトラヒドロフラン95重量部に溶解し、これを水
54重量部中に攪拌しながら徐々に添加したが、途中で
沈降物が大量に生成して水分散体を得ることができず、
被覆ポリエステルフイルムを得るに至らなかった。
【0046】
【比較例2】ポリエステル水分散体を主成分とする水性
プライマー塗布液を塗布しないこと以外は全て実施例1
と同様にして得た二軸延伸ポリエステルフイルム接着
性、耐ブロッキング性の測定結果を表3に示した。
フロントページの続き (72)発明者 小林 洋 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝人株式会社 相模原研究センター内 (72)発明者 三浦 定美 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝人株式会社 相模原研究センター内 (56)参考文献 特開 昭61−85436(JP,A) 特開 昭61−85437(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 167/00 - 167/08 C08J 3/00 - 3/28 C08L 67/00 - 67/08 C09J 7/00 - 7/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶のポリエステル樹脂微粒子を水に
    均一分散せしめて水分散コーティング組成物を製造する
    方法において、 (i)該ポリエステル樹脂をテトラヒドロフランを主成
    分とする有機良溶媒に溶解して溶液を得、 (ii)ついでアセトニトリル及び/又はプロピオニト
    リルからなる貧溶媒Iを該溶液に添加し、 (iii)更にアルコール類からなる貧溶媒IIと水と
    の混合液を加え、安定した水分散液となし、 (iv)しかる後前記各溶媒を留去することからなる水
    分散コーティング組成物の製造法。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフイルムの少くとも片面に
    請求項1の水分散コーティング組成物を主成分とする易
    接着層を塗設してなる易接着性ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】 配向結晶化の完了していないポリエステ
    ルフイルムの少なくとも片面に請求項1に記載の水分散
    コーティング組成物を主成分とする塗布液を塗布し、次
    いで乾燥、延伸、熱固定の処理を行ってポリエステルフ
    イルムの配向結晶化を完了せしめることからなる易接着
    性ポリエステルフイルムの製造方法。
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