JP3077697B1 - イオン源 - Google Patents

イオン源

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JP3077697B1
JP3077697B1 JP11255448A JP25544899A JP3077697B1 JP 3077697 B1 JP3077697 B1 JP 3077697B1 JP 11255448 A JP11255448 A JP 11255448A JP 25544899 A JP25544899 A JP 25544899A JP 3077697 B1 JP3077697 B1 JP 3077697B1
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Abstract

【要約】 【課題】 真空容器と高電圧が印加される端板との間の
絶縁物へのイオン源物質またはその化合物の付着量を減
少させる。 【解決手段】 このイオン源は、そのイオン源ヘッド8
の一部分を囲む筒状のものであって端板6と同電位の第
1のシールド30を、端板6から真空容器2内側に向け
て延設し、かつイオン源ヘッド8の一部分を囲み、かつ
シールド30と重なり合う部分を有する筒状のものであ
って接地電位の第2のシールド32を、真空容器2から
端板6側に向けて延設している。両シールド30、32
間の重なり合う部分における距離Dは、両シールドが置
かれている雰囲気における両シールド間の電位差に対す
る放電開始距離をDd 、プラズマ生成部10に導入され
るイオン源物質の平均自由行程をλとすると、Dd <D
<λを満たすように選ばれている。かつ、両シールド3
0、32は、当該イオン源の運転時の両シールド30、
32の表面温度をそれぞれTs1、Ts2、両シールドが置
かれている雰囲気におけるイオン源物質の再蒸発開始温
度をTv とすると、Ts1<Tv かつTs2<Tvを満たす
ように温度制御されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばイオン注
入装置、イオンビームスパッタリング装置、イオンビー
ムエッチング装置、薄膜形成装置等に用いられるもので
あって、接地電位の真空容器の端部に、絶縁物を介し
て、高電圧が印加される端板を取り付け、この端板にイ
オン源ヘッドを取り付けた構造のイオン源に関し、より
具体的には、前記絶縁物へのイオン源物質またはその化
合物の付着量を減少させる手段に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のイオン源の従来例を図3に示
す。
【0003】このイオン源は、図示しない真空排気装置
によって真空排気される筒状の真空容器2の一端部に、
環状または筒状の絶縁物4を介して、端板6を取り付け
た構造をしている。端板6は、導電材料(例えば金属か
ら)から成り、絶縁物4の開口部を塞いでいる。真空容
器2は接地されている。端板6には、引出し電源26か
ら、例えば数kV〜80kV程度の正の高電圧(これは
引出し電圧と呼ばれる)が印加される。
【0004】端板6には、イオン源ヘッド8が、真空容
器2内側に向けて取り付けられている。従って、このイ
オン源ヘッド8全体にも、上記引出し電圧が印加され
る。
【0005】イオン源ヘッド8は、この例では、導入さ
れたイオン源物質を電離させてプラズマを生成するプラ
ズマ生成部10と、このプラズマ生成部10にイオン源
物質(これはイオン種とも呼ばれる)を含むガスを導入
するガス導入管14と、固形または液状のイオン源物質
を加熱して蒸気化する蒸発源16と、この蒸気化したイ
オン源物質をプラズマ生成部10に導入する蒸気導入管
18とを備えている。イオン源物質は、例えば、ヒ素、
リン、ホウ素、インジウム、ガリウム等である。但し、
蒸発源16および蒸気導入管18を省略してガス状のイ
オン源物質のみを用いる場合や、ガス導入管14を省略
して蒸気化したイオン源物質のみを用いる場合もある。
【0006】プラズマ生成部10は、イオン引出し孔1
2を有しており、その前方に、プラズマ生成部10との
間に上記引出し電圧による静電場によって、プラズマ生
成部10内のプラズマからイオンビーム24を引き出す
引出し電極系20が設けられている。この引出し電極系
20は、この例では、支持棒22によって真空容器2か
ら支持されている。
【0007】なお、上記プラズマ生成部10は、特定の
方式のものに限定されないが、例えば、周知のフリーマ
ン型または特開平9−35648号公報に記載されてい
るようなバーナス(Bernus)型のものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記イオン源において
は、端板6、絶縁物4および真空容器2の温度は、通
常、水冷等によって例えば数十℃程度の低温になってい
る。これに対して、蒸発源16やプラズマ生成部10の
温度は、通常、蒸発源16を構成する蒸発用ヒータへの
投入電力や、プラズマ生成部10におけるフィラメント
への投入電力およびアーク放電の電力によって、例えば
数百℃〜千数百℃程度の高温になっている。
【0009】このため、プラズマ生成部10に導入され
たけれどもイオン化されなかったイオン源物質や、プラ
ズマ生成部10内での解離および再結合によって生成さ
れたイオン源物質の化合物等は、高温のプラズマ生成部
10の内壁には殆ど付着せず、主としてイオン引出し孔
12からプラズマ生成部10外に放出される。
【0010】この放出されたイオン源物質またはその化
合物は、ブラウン運動を行いながら真空中を漂うけれど
も、プラズマ生成部10の外壁や蒸発源16には高温に
よる再蒸発のために付着せず、低温の端板6、絶縁物4
および真空容器2の内壁に付着する。ここで絶縁物4に
着目すると、当該絶縁物4の内壁にこのようなものが付
着すると、絶縁物4の絶縁性能が劣化し、前述した所望
の大きさの引出し電圧を印加することができなくなる。
即ち、この絶縁物4の絶縁劣化が、このイオン源のメン
テナンス周期を縮める要因となっている。特に、付着物
質がヒ素、リン、インジウム、ガリウム等の導電性の場
合は、上記問題はより深刻になる。
【0011】そこでこの発明は、前記絶縁物へのイオン
源物質またはその化合物の付着量を減少させることを主
たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明のイオン源は、
前記イオン源ヘッドの少なくとも一部分を囲む筒状のも
のであって前記端板と同電位の第1のシールドを、前記
端板から前記真空容器内側に向けて延設し、前記イオン
源ヘッドの少なくとも一部分を囲み、かつ前記第1のシ
ールドと重なり合う部分を有する筒状のものであって接
地電位の第2のシールドを、前記真空容器から前記端板
側に向けて延設しており、更にこの第1および第2のシ
ールド間の前記重なり合う部分における距離Dは、両シ
ールドが置かれている雰囲気における両シールド間の電
位差に対する放電開始距離をDd、両シールドが置かれ
ている雰囲気における前記イオン源物質の平均自由行程
をλとすると、Dd <D<λを満たすように選ばれてお
り、かつ前記第1および第2のシールドは、当該イオン
源の運転時の第1および第2のシールドの表面温度をそ
れぞれTs1、Ts2、両シールドが置かれている雰囲気に
おける前記イオン源物質の再蒸発開始温度をTv とする
と、Ts1<Tv かつTs2<Tv を満たすように温度制御
されている、ことを特徴としている。
【0013】上記構成によれば、第1および第2のシー
ルドは、互いに重なり合う部分を有していて、いわゆる
迷路構造を形成しているので、しかも両シールド間の重
なり合う部分における距離Dを、両シールドが置かれて
いる雰囲気における前記イオン源物質の平均自由行程λ
よりも小さく(即ちD<λに)しているので、前記プラ
ズマ生成部から放出されたイオン源物質またはその化合
物は、前記絶縁物に到達する前に殆どが両シールドの少
なくとも一方に衝突する。
【0014】しかも、両シールドは、両シールドが置か
れている雰囲気における前記イオン源物質の再蒸発開始
温度Tv よりも表面温度が低くなるように(即ちTs1
vかつTs2<Tv に)温度制御されているので、両シ
ールドの少なくとも一方に衝突したイオン源物質または
その化合物は、当該シールドに付着して再蒸発しない。
【0015】従って、前記絶縁物に到達することのでき
るイオン源物質またはその化合物の量は激減するので、
当該絶縁物へのイオン源物質またはその化合物の付着量
を従来例に比べて大幅に減少させることができる。その
結果、前記絶縁物の絶縁性能劣化に起因する当該イオン
源のメンテナンス周期を大幅に延ばすことができる。
【0016】また、両シールド間の前記距離Dを、両シ
ールドが置かれている雰囲気における両シールド間の電
位差に対する放電開始距離Dd よりも大きく(即ちDd
<Dに)しているので、両シールド間での放電発生を防
止することができる。従って、上記のようなシールドを
設けても、当該イオン源の安定動作を損なわない。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係るイオン源
の一例を示す断面図である。図3に示した従来例と同一
または相当する部分には同一符号を付し、以下において
は当該従来例との相違点を主に説明する。
【0018】このイオン源においては、前記イオン源ヘ
ッド8の一部分を囲む、より具体的には前記蒸発源16
の根本部からプラズマ生成部10の底部付近までを囲む
筒状の第1のシールド30を、前記端板6から真空容器
2内側に向けて延設している。このシールド30は、端
板6に取り付けていて、端板6と同電位である。
【0019】更に、前記イオン源ヘッド8の一部分を囲
み、より具体的には前記プラズマ生成部10付近から蒸
発源16の先端部付近までを囲み、かつ上記第1のシー
ルド30と重なり合う部分(換言すれば互いに入り込ん
だ部分)を少なくとも先端部付近に有する筒状の第2の
シールド32を、前記真空容器2の端部付近から端板6
側に向けて延設している。
【0020】第2のシールド32は、この例では、環状
の支持体34を介して真空容器2に取り付けていて、真
空容器2と同電位、即ち接地電位である。支持体34
は、導電材料(例えば金属)から成り、しかもシールド
32と真空容器2との間を塞いでいて、両者の間からイ
オン源物質等が絶縁物4の方へ移動することを防止して
いる。
【0021】上記第1および第2のシールド30および
32は、換言すれば、それらの少なくとも先端部付近で
互いに入れ子式になっている。このような構造を採用す
ることによって、前述した再蒸発開始温度Tv 以上とな
り得る部材、例えばプラズマ生成部10等から(蒸発源
16を設ける場合は当該蒸発源16、蒸気導入管18お
よびプラズマ生成部10等から)、絶縁物4を直接見通
すことができないように構成している。
【0022】なお、この例では、第1のシールド30を
第2のシールド32の内側に配置している。これとは逆
に、第1のシールド30を第2のシールド32の外側に
配置しても良いけれども、この例のようにする方が、両
シールド30および32とイオン源ヘッド8および真空
容器2との間の空間絶縁距離が小さくて済むので、当該
イオン源を小型化することができ、好ましい。
【0023】上記両シールド30、32間の上記重なり
合う部分における距離Dは、次式の関係を満たすように
選ばれている。ここで、Dd は、両シールド30、32
が置かれている雰囲気(具体的には当該イオン源の運転
時の真空度および温度)における両シールド30、32
間の電位差(具体的には前記引出し電源26から印加さ
れる引出し電圧)に対する放電開始距離(換言すれば絶
縁破壊距離)である。λは、両シールド30、32が置
かれている雰囲気(具体的には同上)における前記イオ
ン源物質の平均自由行程である。
【0024】
【数1】Dd <D<λ
【0025】更に、当該イオン源の運転時の上記第1お
よび第2のシールド30および32の表面温度をそれぞ
れTs1およびTs2とすると、両シールド30および32
は、次式の関係を満たすように温度制御されている。こ
こで、Tv は、両シールド30、32が置かれている雰
囲気(具体的には当該イオン源の運転時の真空度および
温度)における前記イオン源物質の再蒸発開始温度であ
る。
【0026】
【数2】Ts1<Tv 、かつ Ts2<Tv
【0027】両シールド30および32を上記数2の関
係を満たすように温度制御する手段の例を示すと、両シ
ールド30および32自身による熱伝導によって、より
具体的にはシールド30から端板6への熱伝導およびシ
ールド32から支持体34を介して真空容器2への熱伝
導によって、上記数2の関係を満たすようにしても良
い。あるいは、シールド30および32に水冷式、ガス
冷却式等の冷却機構(強制冷却機構)を設けても良い。
冷却機構は、例えば、水やガス等の冷媒を通す冷却パイ
プをシールド30および32の表面に沿わせた構造でも
良いし、冷媒を通す溝をシールド30および32の中に
設けた構造でも良い。
【0028】このイオン源によれば、第1および第2の
シールド30、32は、互いに重なり合う部分を有して
いて、いわゆる迷路構造を形成しているので、しかも両
シールド30、32間の重なり合う部分における距離D
を、両シールド30、32が置かれている雰囲気におけ
る前記イオン源物質の平均自由行程λよりも小さく(即
ちD<λに)しているので、プラズマ生成部10から放
出されたイオン源物質またはその化合物は、前記絶縁物
4に到達する前に殆どが両シールド30、32の少なく
とも一方に、通常は両シールド30および32に衝突す
る。
【0029】しかも、両シールド30、32は、両シー
ルド30、32が置かれている雰囲気における前記イオ
ン源物質の再蒸発開始温度Tv よりも表面温度が低くな
るように(即ちTs1<Tv かつTs2<Tv に)温度制御
されているので、両シールド30、32の少なくとも一
方に衝突したイオン源物質またはその化合物は、当該シ
ールド30、32に付着したままであり再蒸発しない。
【0030】従って、前記絶縁物4に到達することので
きるイオン源物質またはその化合物の量は激減するの
で、当該絶縁物4の内面へのイオン源物質またはその化
合物の付着量を従来例に比べて大幅に減少させることが
できる。その結果、絶縁物4の絶縁性能劣化に起因する
当該イオン源のメンテナンス周期を大幅に延ばすことが
できる。
【0031】また、両シールド30、32間の前記距離
Dを、両シールド30、32が置かれている雰囲気にお
ける両シールド30、32間の電位差に対する放電開始
距離Dd よりも大きく(即ちDd <Dに)しているの
で、両シールド30、32間での放電発生を防止するこ
とができる。従って、上記のようなシールド30、32
を設けても、当該イオン源の安定動作を損なわない。
【0032】なお、上記シールド30および32と同様
の筒状のシールドを単に設けても、それらを前述したよ
うに温度制御しなければ、当該シールドの表面温度は、
高温になるプラズマ生成部10や蒸発源16からの放射
熱によって、前述したイオン源物質の再蒸発開始温度T
v 以上になり得る。そうなると、当該シールドに付着し
たイオン源物質やその化合物は再蒸発し、ひいてはそれ
らがブラウン運動によって絶縁物4の内壁に到達して付
着するので、このような物質の絶縁物4への付着量を減
少させる効果は激減する。
【0033】上記イオン源は、シールドが二重の場合の
例であるが、シールドは三重以上にしても良い。そのよ
うにすれば、プラズマ生成部10等から放出されたイオ
ン源物質等が絶縁物4により一層到達しにくくなるの
で、絶縁物4へのイオン源物質等の付着量をより一層減
少させることができる。筒状の第3のシールド36を外
側に更に設けて三重にした例を図2に示す。この第3の
シールド36と第2のシールド32との間の距離Dや、
当該シールド36の温度制御等については、上記第1お
よび第2のシールド30および32の場合と同様であ
る。
【0034】なお、上記シールド30や36を端板6と
一体で形成しても良い。同様に、上記シールド32およ
び支持体34を真空容器2と一体で形成しても良い。
【0035】
【実施例】図1に示した構造のイオン源において、イオ
ン源物質としてヒ素を用いた場合の絶縁物4の内面の汚
染状況を調べた。
【0036】このとき、前述した再蒸発開始温度Tv
は、As4分子の蒸気圧曲線から、蒸気圧が約1×10-4
Paとなる温度、即ち約150℃を採用した。従って、
当該イオン源の運転時の両シールド30および32の表
面温度が150℃よりも低くなるように、両シールド3
0、32の温度制御を行った。この温度制御は、この実
施例では、各シールド30、32から端板6または真空
容器2への熱伝導によって行った。
【0037】なお、当該イオン源の運転時の真空容器2
内およびシールド30、32周りの圧力は、通常は1×
10-4Pa〜1×10-3Pa程度になる。従って、上記
再蒸発開始温度Tv を決定する際の圧力は、当該再蒸発
開始温度Tv が低くなる安全サイドの圧力である1×1
-4Paを採用した。また、次に述べる平均自由行程λ
を決定する際の圧力は、当該平均自由行程λが小さくな
る安全サイドの圧力よりも更に低い1×10-2Paを採
用した。
【0038】ヒ素の原子および分子、例えばAs 、A
s2、As4の大きさは約3Å〜10Åであるので、これら
の平均自由行程λは、両シールド30、32が置かれて
いる雰囲気の圧力を1×10-2Pa、温度を20℃とす
ると、約8cm〜100cmとなる。従ってこの実施例
では、上記平均自由行程λとして、安全サイドの8cm
を採用した。
【0039】一方、上記圧力(即ち1×10-4〜1×1
-3Pa)程度の真空中での放電開始電界強度は、50
kV/cm程度と考えられ、引出し電源26から端板6
等へ印加する引出し電圧をこの実施例では50kVとし
ているので、上記放電開始距離Dd は1cmになる。
【0040】従って、この実施例では、上記距離Dは、
1cm<D<8cmを満たすように設定した。
【0041】そして、この実施例では、ヒ素を含むガ
ス、具体的にはAsH3 ガスをガス導入管14からプラ
ズマ生成部10へ導入し、熱電子衝撃によってプラズマ
を生成し、ヒ素イオンを含むイオンビーム24を引き出
した。このとき、プラズマ生成部10への投入電力は8
00W〜950Wで運転した。そして、絶縁物4へのヒ
素またはヒ素化合物の付着状況を調査した。
【0042】また、比較のために、上記シールド30お
よび32を設けていない従来構造のイオン源を、上記と
同様の条件で運転して、絶縁物4へのヒ素またはヒ素化
合物の付着状況を調査した。
【0043】その結果、従来構造のイオン源では、約1
時間の運転で絶縁物4が絶縁不良になった。当該絶縁物
4の内壁表面を観察したところ、ヒ素またはヒ素化合物
によって銀色にメタライズされていた。
【0044】一方、実施例のイオン源では、約2時間の
運転でも絶縁物4は絶縁不良にならなかった。当該絶縁
物4の内壁表面を観察したが、ヒ素またはヒ素化合物の
付着は殆ど確認できなかった。なお、当該イオン源の運
転時のシールド30および32の温度を測定したとこ
ろ、100℃前後であった。
【0045】以上の結果から、実施例のイオン源は、従
来構造のイオン源に比べて、そのメンテナンス周期を少
なくとも2倍以上に延ばせることが分かる。
【0046】また、ガスの代わりに、蒸発源16を用い
てプラズマ生成部10に蒸気化したヒ素を導入した場合
も、上記実施例と同様の結果が得られた。
【0047】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、上記の
ようなシールド間の距離を有し、かつ上記のように温度
制御された第1および第2のシールドを備えているの
で、真空容器と高電圧が印加される端板との間の絶縁物
に到達することのできるイオン源物質またはその化合物
の量は激減する。従って、当該絶縁物へのイオン源物質
またはその化合物の付着量を従来例に比べて大幅に減少
させることができる。その結果、当該絶縁物の絶縁性能
劣化に起因するイオン源のメンテナンス周期を大幅に延
ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るイオン源の一例を示す断面図で
ある。
【図2】この発明に係るイオン源の他の例を示す断面図
である。
【図3】従来のイオン源の一例を示す断面図である。
【符号の説明】 2 真空容器 4 絶縁物 6 端板 8 イオン源ヘッド 10 プラズマ生成部 16 蒸発源 24 イオンビーム 30 第1のシールド 32 第2のシールド 36 第3のシールド

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空に排気される接地電位の真空容器の
    端部に、環状または筒状の絶縁物を介して、高電圧が印
    加される端板を取り付け、イオン源物質を電離させてプ
    ラズマを生成するプラズマ生成部を有するイオン源ヘッ
    ドを前記真空容器内側に向けて前記端板に取り付けた構
    造のイオン源において、前記イオン源ヘッドの少なくと
    も一部分を囲む筒状のものであって前記端板と同電位の
    第1のシールドを、前記端板から前記真空容器内側に向
    けて延設し、前記イオン源ヘッドの少なくとも一部分を
    囲み、かつ前記第1のシールドと重なり合う部分を有す
    る筒状のものであって接地電位の第2のシールドを、前
    記真空容器から前記端板側に向けて延設しており、更に
    この第1および第2のシールド間の前記重なり合う部分
    における距離Dは、両シールドが置かれている雰囲気に
    おける両シールド間の電位差に対する放電開始距離をD
    d 、両シールドが置かれている雰囲気における前記イオ
    ン源物質の平均自由行程をλとすると、Dd <D<λを
    満たすように選ばれており、かつ前記第1および第2の
    シールドは、当該イオン源の運転時の第1および第2の
    シールドの表面温度をそれぞれTs1、Ts2、両シールド
    が置かれている雰囲気における前記イオン源物質の再蒸
    発開始温度をTv とすると、T s1<Tv かつTs2<Tv
    を満たすように温度制御されている、ことを特徴とする
    イオン源。
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