JP3077295B2 - チアゾール化合物 - Google Patents

チアゾール化合物

Info

Publication number
JP3077295B2
JP3077295B2 JP03238617A JP23861791A JP3077295B2 JP 3077295 B2 JP3077295 B2 JP 3077295B2 JP 03238617 A JP03238617 A JP 03238617A JP 23861791 A JP23861791 A JP 23861791A JP 3077295 B2 JP3077295 B2 JP 3077295B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
acid
compound
reaction
salts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03238617A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04244073A (ja
Inventor
寿 高杉
明人 田中
裕義 酒井
貫敏 石川
Original Assignee
藤沢薬品工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 藤沢薬品工業株式会社 filed Critical 藤沢薬品工業株式会社
Publication of JPH04244073A publication Critical patent/JPH04244073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3077295B2 publication Critical patent/JP3077295B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、新規チアゾール化合
物に関するものである。さらに具体的には、この発明は
薬理活性を有する新規チアゾール化合物およびその医薬
として許容さる塩に関するものである。したがって、こ
の発明の目的は、抗血栓作用を有する新規かつ有用なチ
アゾール化合物およびその医薬として許容される塩を提
供することである。
【0002】
【発明の構成】この発明の目的化合物であるチアゾール
化合物は新規であり、下記の一般式で表される。 (式中、RおよびRはそれぞれハロゲン、低級アル
キルオキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスル
フィニル基または低級アルキルスルホニル基、Rは、 [式中、Rはカルボキシ基または保護されたカルボキ
シ基、Rは水素原子またはシアノ基、 {式中、Yはヘテロ原子で中断されていてもよい低級ア
ルキレン基}Xは結合手または低級アルケニレン基、
は結合手または低級アルキレン基]を意味する)。
この発明の目的化合物(I)は下記製造法によって製造
することができる。
【0003】
【0004】
【0005】
【0006】
【0007】 (式中、R、R、R、R、R、X、X
よびYはそれぞれ前と同じ意味であり、R は低級ア
ルキルチオ基、R は低級アルキルスルフィニル基ま
たは低級アルキルスルホニル基、R は、 {式中、R、R、XおよびXはそれぞれ前と同
じ意味であり、R は保護されたカルボキシ基を意味
する}R は、 {式中、R、R、XおよびXはそれぞれ前と同
じ意味}R は、 {式中、R、R、XおよびXはそれぞれ前と同
じ意味であり、R はアミド化されたカルボキシ基を
意味する}R は、 {式中、R、R、XおよびXはそれぞれ前と同
じ意味であり、R はエステル化されたカルボキシ基
を意味する}Rは低級アルキル基、低級アルキルオキ
シ基またはアリール基、Rはカルボキシ基、シアノ基
またはジ置換されたホスホノ基を意味する)。
【0008】この発明においては、目的化合物(I)に
関して、R(式中、R、RおよびXはそれぞれ前と同じ意
味)である場合には、そのような化合物の部分構造の間
には下記互変異性平衡が存在していてもよいということ
は明らかであり、 そのような互変異性体もこの発明の範囲内に含まれる。
しかしながらこの明細書においては、これらの互変異性
構造は便宜上下記のひとつの表現で示すことにする。
【0009】化合物(I)の好適な塩類は常用の無毒性
の医薬として許容される塩類であり例を挙げると、無機
塩基との塩、その例として、例えばナトリウム塩、カリ
ウム塩等等のアルカリ金属塩、例えばカルシウム塩、マ
グネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム
塩;有機塩基との塩、その例として例えばトリエチルア
ミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン
塩、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機
アミン塩;例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン
酸塩等の無機酸付加塩;例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリ
フルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスル
ホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸
塩等の有機カルボン酸付加塩または有機スルホン酸付加
塩;例えばアルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸
等の塩基性アミノ酸または酸性アミノ酸との塩のような
塩基との塩または酸付加塩が挙げられる。
【0010】この明細書の以上および以下の記載におい
て、この発明の範囲内に包含される種々の定義の好適な
例および説明を以下詳細に説明する。「低級」とは、特
に指示がなければ、炭素原子1個ないし6個、好ましく
は1個ないし4個を有する基を意味する。好適な「低級
アルキル基」および「低級アルキルオキシ基」、「低級
アルキルチオ基」、「低級アルキルスルフィニル基」お
よび「低級アルキルスルホニル基」の好適な「低級アル
キル部分」としては、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、第二級ブチル、第三級
ブチル、ペンチル、第三級ペンチル、ヘキシル等のよう
な炭素原子1個ないし6個を有する直鎖または分岐鎖ア
ルキル基、好ましくは炭素原子1個ないし4個を有する
もの、最も好ましくはメチル基およびエチル基が挙げら
れる。好適な「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭
素およびヨウ素が挙げられる。好適な「保護されたカル
ボキシ保護基」としては、エステル化されたカルボキシ
基、アミド化されたカルボキシ基等が挙げられる。好適
な「エステル化されたカルボキシ基」としては、例えば
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシ
カルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカル
ボニル、第三級ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカ
ルボニル、ヘキシルオキシカルボニル等の低級アルコキ
シカルボニル基、例えばクロロメトキシカルボニル、ト
リクロロエトキシカルボニル等のモノまたはジまたはト
リハロ(低級)アルコキシカルボニル基、例えばビニル
オキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、ブテニル
オキシカルボニル、ペンテニルオキシカルボニル、ヘキ
セニルオキシカルボニル等の低級アルケニルオキシカル
ボニル基、例えばメトキシエトキシカルボニル、エトキ
シエトキシカルボニル等の低級アルコキシ(低級)アル
コキシカルボニル基、例えばベンジル、フェネチル、ベ
ンズヒドリル、トリチル、ニトロベンジル、メトキシベ
ンジル等のニトロ基または低級アルコキシ基を有してい
てもよいモノまたはジまたはトリフェニル(低級)アル
コキシカルボニルのような適当な置換基を有していても
よいアル(低級)アルコキシカルボニル基、例えばフェ
ノキシカルボニル、トリルオキシカルボニル、ナフチル
オキシカルボニル等のアリールオキシカルボニル基、等
が挙げられ、それらの中で好ましいものとしては、低級
アルコキシカルボニル基が挙げられる。 れる基(式中、Yは前と同じ意味)が挙げられ、そのよ
うなアミド化されたカルボキシ基として例えば1−ピペ
ラジンカルボニル、4−メチル−1−ピペラジンカルボ
ニル等の前記で例示した低級アルキル基を有していても
よい1−ピペラジンカルボニル基、モルホリノカルボニ
ル基、1−ピロリジンカルボニル基、1−ピペリジンカ
ルボニル基等が挙げられる。
【0011】好適な「低級アルキレン基」としてはメチ
レン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメ
チレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ジメチルメ
チレン、等のような炭素原子1個ないし6個を有する直
鎖または分岐鎖アルキレン基、好ましくは1個ないし4
個を有するもの、最も好ましくはメチレン基、エチレン
基が挙げられる。好適な「低級アルケニレン基」として
は、ビニレン、1または2−プロペニレン、1または2
または3−ブテニレン、1または2または3または4−
ペンテニレン等のような炭素原子1個ないし6個を有す
る直鎖または分岐鎖アルケニレン基、好ましくは炭素原
子2個ないし4個を有するもの、最も好ましくはビニレ
ン基が挙げられる。「ヘテロ原子で中断されていてもよ
い低級アルキレン基」として、式: 断されていてもよい前に例示した低級アルキレン基を意
味する)で示される基が挙げられ、例えば1−ピペラジ
ニル、4−メチル−1−ピペラジニル等の前に例示した
低級アルキル基によって置換されていてもよい1−ピペ
ラジニル基、モルホリノ基、1−ピロリジニル基、1−
ピペリジニル基等が挙げられる。好適な「アリール基」
としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチ
ル基等が挙げられる。好適な「ジ置換されたホスホノ
基」としては、0,0−ジメチルホスホノ、0,0−ジ
エチルホスホノ等の0,0−ジ(低級)アルキルホスホ
ノ基等が挙げられる。
【0012】目的化合物(I)の製造法について次に詳
細に説明する。製造法(1) 化合物(I−a)またはその塩は、化合物(II)を化
合物(III)またはその塩と反応させて製造すること
ができる。化合物(I−a)および(III)の適当な
塩としては、化合物(I)で例示したものを挙げること
ができる。この反応は、いわゆるウイティッヒ反応であ
り、したがってこの反応はウイティッヒ反応の反応条件
を適用すればよい。反応は、通常、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、その
他反応に悪影響を及ぼさない有機溶媒などの慣用の溶媒
中で行われる。反応温度は特に限定されず、通常、冷却
下ないし加熱下で反応は行われる。
【0013】製造例(2) 化合物(I−b)またはその塩は、化合物(II)を化
合物(IV)またはその塩と反応させて製造することが
できる。化合物(I−b)および(IV)の適当な塩と
しては、化合物(I)で例示したものを挙げることがで
きる。この反応は、ジメチルホルムアミド、ピリジン、
ベンゼン、その他反応に悪影響を及ぼさない有機溶媒な
どの慣用の溶媒中で行われる。反応温度は特に限定され
ず、通常、冷却下ないし加熱下で反応は行われる。反応
はまたトリ(低級)アルキルアミン、ピペリジン、ピリ
ジン、N−(低級)アルキルモルホリン、N,N−ジ
(低級)アルキルベンジルアミン、N,N−ジ(低級)
アルキルアニリン、アルカリ金属アルコキシド(例え
ば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)
等のような塩基の存在下で行われる。液状の塩基も溶媒
として用いることができる。さらに、化合物(IV)の
がシアノ基である場合、この反応は酸(例えば酢酸
等)およびその塩(例えば酢酸アンモニウム等)の存在
下で行うことができる。
【0014】製造法(3) 化合物(I−d)またはその塩は、化合物(I−c)ま
たはその塩をカルボキシ保護基の脱離反応に付すことに
より製造することができる。化合物(I−c)および
(I−d)の好適な塩は、化合物(I)で例示したもの
を挙げることができる。この反応は、加水分解、還元等
のような常法にしたがって行われる。加水分解は塩基、
酸(ルイス酸も含む)の存在下に行うのが好ましい。好
適な塩基としては、例えばナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属、例えばマグネシウム、カルシウム等のアル
カリ土類金属、それらの水酸化物または炭酸塩または炭
酸水素塩、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン
等のトリアルキルアミン、ピコリン、1,5−ジアザビ
シクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,4−ジアザ
ビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシ
クロ[5.4.0]−ウンデク−7−エン等のような無
機塩基および有機塩基が挙げられる。好適な酸として
は、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリクロロ酢
酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸および例えば塩酸、臭
化水素酸、硫酸、塩化水素、臭化水素等の無機酸が挙げ
られる。例えばトリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の
トリハロ酢酸等のような酸を使用する脱離は、例えばア
ニソール、フェノール等の陽イオン捕捉剤の存在下に行
うのが好ましい。反応は、通常、水、例えばメタノー
ル、エタノール等のアルコール、ジオキサン、テトラヒ
ドロフランのような溶媒中またはそれらの混合物中、そ
の他反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。液状
の塩基または酸も溶媒として使用することができる。反
応温度は特に限定されないが、通常、冷却下ないし加温
下に反応が行われる。この脱離反応に適用され得る還元
法としては化学的還元および接触還元が挙げられる。
【0015】化学的還元に使用される好適な還元剤は、
例えばスズ、亜鉛、鉄等の金属または例えば塩化クロ
ム、酢酸クロム等の金属化合物と、例えばギ酸、酢酸、
プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホ
ン酸、塩酸、臭化水素酸等の有機酸または無機酸との組
合せである。接触還元に使用される好適な触媒は、例え
ば白金板、白金海綿、白金黒、コロイド白金、酸化白
金、白金線等の白金触媒、例えばパラジウム海綿、パラ
ジウム黒、酸化パラジウム、パラジウム−炭素、コロイ
ドパラジウム、パラジウム−硫酸バリウム、パラジウム
−炭酸バリウム等のパラジウム触媒、例えば還元ニッケ
ル、酸化ニッケル、ラネ−ニッケル等のニッケル触媒、
例えば還元コバルト、ラネ−コバルト等のコバルト触
媒、例えば還元鉄、ラネ−鉄等の鉄触媒、例えば還元
銅、ラネ−銅、ウルマン銅等の銅触媒等のような常用の
ものである。還元は通常、水、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、N,N−ジメチルホルムアミドのよ
うな反応に悪影響を及ぼさない溶媒中またはそれらの混
合物中で行われる。更に、化学的還元に使用される上記
酸が液体である場合にはそれらも溶媒として使用するこ
とができる。更に、接触還元に使用される好適な溶媒と
しては、上記溶媒のほか、ジエチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のような慣用の溶媒またはそ
れらの混合物が挙げられる。反応温度は特に限定されな
いが、通常、冷却下ないし加温下に反応が行われる。
【0016】製造法(4) 化合物(I−f)またはその塩は、化合物(I−e)ま
たはその塩を還元反応に付すことにより製造することが
できる。化合物(I−e)および化合物(I−f)の好
適な塩としては、化合物(I)で例示したものを挙げる
ことができる。この反応は、二重結合を一重結合に変え
る慣用の水素添加によって行うことができる。この水素
添加に使用される触媒としては、例えば水酸化パラジウ
ム等のパラジウム触媒などが挙げられる。反応は、通
常、例えばメタノール、エタノール等のアルコール、塩
化メチレン、クロロホルム、その他反応に悪影響を及ぼ
さない有機溶媒などの慣用の溶媒中で行われる。反応温
度は特に限定されないが、通常、冷却下ないし加温下に
反応が行われる。製造法(5) 化合物(I−g)またはその塩は、化合物(I−d)ま
たはカルボキシ基における反応性誘導体またはその塩を
アミド化反応に付すことにより製造することができる。
化合物(I−g)の好適な塩としては、化合物(I)で
例示したものを挙げることができる。この反応は、カル
ボキシ基をアミド結合(−CONH−)に変える常法に
より行うことができる。
【0017】化合物(I−d)のカルボキシ基における
反応性誘導体としては酸ハロゲン化物、酸無水物、活性
化アミド、活性化エステル等が挙げられる。反応性誘導
体の好適な例としては、酸塩化物;酸アジ化物;例えば
ジアルキルりん酸、フェニルりん酸、ジフェニルりん
酸、ジベンジルりん酸、ハロゲン化りん酸等の置換され
たりん酸、ジアルキル亜りん酸、亜硫酸、チオ硫酸、硫
酸、例えばメタンスルホン酸等のスルホン酸、例えば酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバリン酸、ペン
タン酸、イソペンタン酸、2−エチル酪酸、トリクロロ
酢酸等の脂肪族カルボン酸または例えば安息香酸等の芳
香族カルボン酸のような酸との混合酸無水物;対称酸無
水物;イミダゾール、4−置換イミダゾール、ジメチル
ピラゾール、トリアゾールまたはテトラゾールとの活性
化アミド;または例えばシアノメチ =CH−]エステル、ビニルエステル、プロパルギルエ
ステル、p−ニトロフェニルエステル、2,4−ジニト
ロフェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、ペ
ンタクロロフェニルエステル、メシルフェニルエステ
ル、フェニルアゾフェニルエステル、フェニルチオエス
テル、p−ニトロフェニルチオエステル、p−クレシル
チオエステル、カルボキシメチルチオエステル、ピラニ
ルエステル、ピリジルエステル、ピペリジルエステル、
8−キノリルチオエステル等の活性化エステル、または
例えばN,N−ジメチルヒドロキシルアミン、1−ヒド
ロキシ−2−(1H)−ピリドン、N−ヒドロキシスク
シンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、1−ヒドロ
キシ−1H−ベンゾトリアゾール等のN−ヒドロキシ化
合物とのエステル等が挙げられる。これらの反応性誘導
体は、使用すべき化合物(I−d)の種類に応じてそれ
らの中から任意に選択することができる。反応は、通
常、水、例えばメタノール、エタノール等のアルコー
ル、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、クロロホ
ルム、塩化メチレン、塩化エチレン、テトラヒドロフラ
ン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリ
ジン、その他反応に悪影響を及ぼさない有機溶媒などの
慣用の溶媒中で行われる。これらの慣用の溶媒は水との
混合物として使用してもよい。
【0018】この反応において化合物(I−d)を遊離
酸の形またはその塩の形で使用する場合には、N,N′
−ジシクロヘキシルカルボジイミド;N−シクロヘキシ
ル−N′−モルホリノエチルカルボジイミド;N−シク
ロヘキシル−N′−(4−ジエチルアミノシクロヘキシ
ル)カルボジイミド;N,N′−ジエチルカルボジイミ
ド、N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド;N−エ
チル−N′−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド;N,N′−カルボニルビス−(2−メチルイミ
ダゾール);ペンタメチレンケテン−N−シクロヘキシ
ルイミン;ジフェニルケテン−N−シクロヘキシルイミ
ン;エトキシアセチレン;1−アルコキシ−1−クロロ
エチレン;亜りん酸トリアルキル;ポリりん酸エチル;
ポリりん酸イソプロピル;オキシ塩化りん(塩化ホスホ
リル);三塩化りん;塩化チオニル;塩化オキサリル;
例えばクロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピル等の
ハロギ酸低級アルキル;トリフェニルホスフィン;2−
エチル−7−ヒドロキシベンズイソオキサゾリウム塩;
2−エチル−5−(m−スルホフェニル)イソオキサゾ
リウムヒドロキシド・分子内塩;1−(p−クロロベン
ゼンスルホニルオキシ)−6−クロロ−1H−ベンゾト
リアゾール;N,N−ジメチルホルムアミドと塩化チオ
ニル、ホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチル、オキシ
塩化りん等との反応によって調整されるいわゆるビルス
マイヤー試薬のような慣用の縮合剤の存在下に反応を行
うのが好ましい。反応はまたアルカリ金属炭酸水素塩、
トリ(低級)アルキルアミン、ピリジン、N−(低級)
アルキルモルホリン、N,N−ジ(低級)アルキルベン
ジルアミン等のような無機塩基または有機塩基の存在下
に行ってもよい。反応温度は特に限定されないが、通
常、冷却下ないし加温下に反応が行われる。
【0019】製造法(6) 化合物(I−i)またはその塩は、化合物(I−h)ま
たはその塩を化合物(V)またはその塩と反応させて製
造することができる。化合物(I−h),(I−i)お
よび化合物(V)の好適な塩としては、化合物(I)で
例示したものを挙げることができる。この反応は、慣用
の方法に従って行われ、通常、慣用の溶媒の非存在下
に、または存在下に行われる。反応温度は特に限定され
ないが、通常、加温下ないし加熱下に反応が行われる。製造法(7) 化合物(I−k)またはその塩は、化合物(I−j)ま
たはその塩を酸化反応に付すことにより製造することが
できる。化合物(I−j)および化合物(I−k)の好
適な塩としては、化合物(I)で例示したものを挙げる
ことができる。この反応は、チオ基をスルフィニルまた
はスルホニル基に変える常法により行うことができる。
好適な酸化剤としては、過酸化水素、例えば過ヨウ素酸
ナ卜リウム等の過ヨウ素酸塩などのような酸素酸、例え
ば過安息香酸、m−クロロ過安息香酸等の過安息香酸な
どのような過酸等が挙げられる。反応は、通常、水、例
えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等のアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢
酸、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、その他反応に悪影
響を及ぼさない有機溶媒などの慣用の溶媒中で行われ
る。これらの溶媒中、親水性溶媒は水と混合して用いて
もよい。反応温度は特に限定されないが、通常、冷却下
ないし加熱下に反応が行われる。
【0020】製造例(8) 化合物(I−l)またはその塩は、化合物(I−d)ま
たはカルボキシ基における反応性誘導体またはその塩を
エステル化反応に付すことにより製造することができ
る。化合物(I−l)の好適な塩としては、化合物
(I)で例示したものを挙げることができる。この反応
は、慣用のエステル化反応の方法を用いて行うことがで
きる。化合物(I−d)のカルボキシ基における好適な
反応性誘導体としては、製造法5で例示した反応性誘導
体と同じものが挙げられる。この反応に使用される好適
なエステル化剤としては、アルコールまたはハロゲン化
物、スルホン酸塩などのようなその慣用の反応性誘導体
が挙げられる。さらにエステル化剤としては、例えば硫
酸ジメチル等の硫酸ジ(低級)アルキル、例えばジアゾ
メタン等のジアゾ(低級)アルカン、例えば3−メチル
−1−トリルトリアゼン等の3−低級アルキルトリアゼ
ンなどが挙げられる。 反応は、通常、例えばメタノー
ル、エタノール等のアルコール、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、その他反応に悪影響を及ぼさない有機溶媒
などの慣用の溶媒中で行われる。反応温度は特に限定さ
れないが、通常、冷却下ないし加熱下に反応が行われ
る。前記方法によって得られた目的化合物(I)、(I
−a)、(I−b)、(I−d)、(I−f)、(I−
g)、(I−i)、(I−k)および(I−l)または
それらの塩は、この分野で慣用の方法、例えばカラムク
ロマトグラフィー、再結晶などによって単離、精製する
ことができる。化合物(I)は、慣用の方法により前述
の塩に変えることができる。
【0021】製造法(1)および(2)の原料化合物
(II)のあるものは新規であり、下記の製造法により
製造することができる。製造法 (式中、RおよびRはそれぞれ前と同じ意味であ
り、Aは例えばジメトキシメチル等のジ(低級)アルコ
キシメチルのような保護されたホルミル基、およびZは
前記したハロゲンのような酸残基を意味する)原料化合
物(II)の詳細な製造法は、後記の製造例を参照すれ
ばよい。
【0022】この発明の新規チアゾール化合物(I)お
よびその医薬として許容される塩は、シクロオキシゲナ
ーゼ、トロンビン、ホスホジエステラーゼなどの諸活性
および/または血小板凝集を阻害する強力な抗血栓作
用;血管拡張作用;抗アレルギー作用;抗炎症作用;5
−リポキシゲナーゼ阻害活性を有し、特に抗血栓作用に
すぐれているため、したがってこれらの化合物は抗血栓
剤、血管拡張剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、5−リポ
キシゲナーゼ阻害剤として用いることができ、特に抗血
栓剤として有用である。したがって、新規チアゾール化
合物(I)とその医薬として許容できるそれらの塩は以
下の予防と治療に用いることができる。脳血栓症、血流
緩徐性血栓症、冠動脈血栓症、移行性血栓症、静脈拡張
性血栓症、跳躍性血栓症、壁性血栓症、胎盤血栓症、血
小板血栓症、外傷後動脈血栓症、うっ血性血栓症、圧迫
血栓症、慢性動脈閉塞などの抹消血管障害、一過性虚血
発作、心筋梗塞、脳梗塞、経皮的冠動脈形成術あるいは
経皮的冠動脈内血栓症溶解法後の再閉塞、動脈硬化、脳
血管痙攣、播種性血管内凝固症、肺高血圧などの高血圧
症、喘息、乾せん、肝炎、脾炎、関節炎、腎炎、炎症性
腸疾患、敗血性ショック、鼻炎、結膜炎、表皮炎、リュ
ウマチ、消化性潰瘍、痛風、記憶障害、老人性痴呆、ク
ローン病、成人呼吸困難症候群、エンドトキシンショッ
クなど。そしてこれらの化合物は透析などの体外循環時
の血栓症の抑制にも有用である。さらにこれらの化合物
には解熱作用、鎮痛作用、抗ウイルス作用、抗真菌作用
なども期待される。チアゾール化合物(I)およびその
医薬として許容される塩は患者に悪影響を及ぼす副作用
をほとんど示さない。
【0023】この発明のチアゾール化合物(I)および
その医薬として許容される塩の有用性を明らかにするた
めに、チアゾール化合物(I)の代表的化合物の薬理試
験データを以下に示す。体外血小板凝集 1.試験方法 体重約300gの雄性ハートレイ系モルモットを24時
間絶食後に用いた。試験化合物はまたは溶媒を経口投与
し、6時間後3.8%クエン酸ナトリウム、(1/10
容量)を入れた容器に採血し、多血小板血漿(PRP)
を調整した。250μlのPRPに5μlのアラキドン
酸(最終濃度50μM)を凝集誘発剤として添加し、凝
集系(NKKヘマ・トレーサー1)を用いて凝集を測定
した。以下に試験化合物の容量と血小板凝集反応に対す
る抑制率(%)を示す。 2.試験化合物 3−[4,5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾー
ル−2−イル]−(E)−アクリル酸 3.試験結果
【0024】この発明の目的化合物(I)またはその医
薬として許容される塩を治療目的に投与する場合、これ
を慣用の医薬として許容される担体、例えば経口、非経
口ないし外用に適した有機または無機の固形ないし液状
賦形剤などと配合し慣用の剤形として投与する。これら
の医薬組成物は顆粒剤、カプセル、錠剤、糖衣錠、坐剤
などの固形製剤に、あるいは注射、内服点眼などに適し
た溶液、懸濁液または乳剤のような液剤に製剤化するこ
とができる。必要な場合、これらの製剤には安定剤、湿
潤剤、乳化剤、緩衝剤、その他慣用の添加剤を加えるこ
とができる。有効成分は、通常、0.001mg/kg
ないし500mg/kg,望ましくは0.01mg/k
gないし10mg/kgの単位投与量で1日1ないし4
回投与することができる。ただし、患者の年齢、体重、
症状などに応じ、また投与方法により、用量を適宜増減
することができる。以下の製造例ならびに実施例はこの
発明をより詳細に説明するためのもので、なんらその範
囲を限定するものではない。
【0025】製造例1 1−(4−フルオロフェニル)−2−(4−メチルチオ
フェニル)−2−ブロモエタン(6.8g)を2,2−
ジメトキシチオアセトアミド(5.42g)のジメチル
アセトアミド(34ml)中と反応させ、次いで希硫酸
のアセトン(70ml)中と常法により反応させ、4−
(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチルチオフェ
ニル)−2−チアゾールカルボアルデヒド(7.46
g)を得る。 NMR(CDCl,δ):2.51(3H,s),
6.9−7.6(8H,m),9.98(1H,s)M
ASS(m/z):329(M製造例2 製造例1と同様にして下記化合物を得る。 4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メトキシフ
ェニル)−2−チアゾールカルボアルデヒド。 IR(フィルム):1730,1680,1500cm
−1 NMR(CDCl,δ):3.84(3H,s),
6.89(2H,d,J=9Hz),6.95−7.1
(2H,m),7.29(2H,d,J=9Hz),
7.4−7.63(2H,m),9.98(1H,s) MASS(m/z):313(M
【0026】実施例1 4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−チアゾー
ルカルボアルデヒド(0.14g)およびエトキシカル
ボニルメチレン(トリフェニル)ホスホラン(0.18
g)との塩化メチレン(5ml)中混合物を攪拌し、4
時間還流する。室温に冷却後、反応混合物の溶媒を減圧
下に留去する。残渣をシリカゲルを使用するカラムクロ
マトグラフィーに付し、塩化メチレンで溶出する。目的
化合物を含む画分を集め、減圧下に濃縮する。生成する
沈殿をジイソプロピルエーテルで洗浄して、3−[4,
5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾール−2−イ
ル]−(E)−アクリル酸エチル(0.12g)を得
る。 mp:94−95℃ IR(ヌジョール):1703,1620,1600,
1500cm−1 NMR(DMSO−d,δ):1.31(3H,t,
J=7Hz),3.78(3H,s),3.80(3
H,s),4.22(2H,q,J=7Hz),6.7
0(1H,d,J=15Hz),6.85(2H,d,
J=9Hz),6.92(2H,d,J=9Hz),
7.26(2H,d,J=9Hz),7.38(2H,
d,J=9Hz),7.67(1H,d,J=15H
z) MASS(m/z):395(M
【0027】実施例2 (E)−ジエチル−3−エトキシカルボニル−2−プロ
ペニルホスホナート(4.61g)及びジメチルホルム
アミド(50ml)の混合物に、ナトリウムメトキシド
(1.10g)を攪拌下氷冷下に加える。1時間攪拌
後、この混合物に4,5−ビス(4−メトキシフェニ
ル)−2−チアゾールカルボアルデヒド(5.00g)
およびジメチルホルムアミド(20ml)の混合物を加
え、同条件で30分間攪拌する。反応混合物を水(50
0ml)中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。分取した有
機層を、水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥する。溶媒を滅圧下に留去し、残渣をシリカゲルを
使用するカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホル
ムとメタノールとの混液で溶出する。目的化合物を含む
画分を集め、溶媒を減圧下に留去して、5−[4,5−
ビス(4−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]
−2,4−ペンタジエン酸エチルを得る。この生成物に
エタノール(20ml)、4N水酸化ナトリウム(20
ml)および水(5ml)を加え、混合物を室温で2時
間攪拌し、攪拌下に3時間還流する。室温に冷却後、反
応混合物を水中に注ぎ、ジエチルエーテルで洗浄する。
水層に攪拌冷却下で10%塩酸を加えてpH2.6に調
整し、酢酸エチルで抽出する。抽出液を水および食塩水
で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減圧下
に留去し、残渣をジイソプロピルエーテルで粉砕して、
5−[4,5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾー
ル−2−イル]−2,4−ペンタジエン酸(0.32
g)を得る。 mp:208−210℃ IR(ヌジョール):1670,1600,1510c
−1 NMR(DMSO−d,δ):3.76(3H,
s),3.78(3H,s),6,23(1H,d,J
=15Hz),6.90(2H,d,J=8.9H
z),6.96(2H,d,J=8.9Hz),7.2
−7.6(7H,m) MASS(m/z):393(M
【0028】実施例3 4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−チアゾー
ルカルボアルデヒド(0.50g)、マロン酸(0.8
0g)、ピペリジン(0.2ml)およびピリジン(5
ml)の混合物を攪拌下2時間還流する。室温に冷却
後、反応混合物を水中に注ぎ、10%塩酸でpH1に調
整し、ジエチルエーテルで抽出する。分取した有機層を
10%塩酸で洗浄し、4N水酸化ナトリウムでpH13
に調整する。分取した水層をジエチルエーテルで洗浄
し、得られた水溶液を10%塩酸でpH1に調整する。
生成する沈殿を濾取し、水で洗浄し、乾燥して、3−
[4,5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾール−
2−イル]−(E)−アクリル酸(0.48g)を得
る。 mp:170−181℃ IR(ヌジョール):1660,1620,1600,
1560,1500cm−1 NMR(DMSO−d,δ):3.70(6H,
s),6.61(1H,d,J=15Hz),6.70
−7.05(4H,m),7.16(2H,d,J=8
Hz),7.30(2H,d,J=8Hz),7.50
(1H,d,J=15Hz) MASS(m/z):367(M実施例4 実施例3と同様にして下記化合物を得る。 3−[4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチ
ルチオフェニル)チアゾール−2−イル]−(E)−ア
クリル酸。 mp:194℃(分解) IR(ヌジョール):1700,1630,1560,
1500cm−1 NMR(DMSO−d,δ):2.49(3H,
s),6.69(1H,d,J=16Hz),7.1−
7.6(8H,m),7.41(1H,d,J=16H
z) MASS(m/z):371(M
【0029】実施例5 実施例3と同様にして下記化合物を得る。 3−[4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メト
キシフェニル)チアゾール−2−イル]−(E)−アク
リル酸。 IR(ヌジョール):3350(br),1700,1
630,1600,1560cm−1 NMR(DMSO−d,δ):3.78(3H,
s),6.66(1H,d,J=16Hz),6.97
(2H,d,J=9Hz),7.1−7.6(6H,
m),7.37(1H,d,J=16Hz) MASS(m/z):355(M実施例6 4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−チアゾー
ルカルボアルデヒド(0.70g)、シアノ酢酸エチル
(0.47ml)、酢酸アンモニウム(0.03g)、
酢酸(0.10ml)およびベンゼン(20ml)の混
合物を攪拌下8時間還流する。室温に冷却後、反応混合
物を酢酸エチルと水との混液中に注ぐ。分取した有機層
を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、水および食塩水で順
次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。この溶液に活
性炭を加え、濾過し、濾液の溶媒を減圧下に留去する。
残渣をシリカゲルを使用するカラムクロマトグラフィー
に付し、ベンゼンと酢酸エチルとの混液で溶出する。目
的化合物を含む画分を集め、溶媒を減圧下に留去する。
残渣をジイソプロピルエーテルで粉砕して、2−シアノ
−3−[4,5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾ
ール−2−イル]アクリル酸エチル(0.32g)を得
る。 mp:138−140℃ IR(ヌジョール):2220,1722,1602,
1590,1505cm−1 NMR(DMSO−d,δ):1.33(3H,t,
J=7.1Hz),3.77(3H,s),3.81
(3H,s),4.34(2H,q,J=7.1H
z),6.93(2H,d,J=8.9Hz),7.0
1(2H,d,8.9Hz),7.36(2H,d,J
=8.9Hz),7.45(2H,d,J=8.9H
z),8.45(1H,s) MASS(m/z):418(M−2)
【0030】実施例7 3−[4,5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾー
ル−2−イル]−(E)−アクリル酸エチル(0.50
g)、0.1N水酸化ナトリウム(10ml)およびジ
オキサン(10ml)の混合物を室温で3時間攪拌し、
1日還流する。室温に冷却後、反応混合物を水中に注
ぐ。水層を10%塩酸でph1に調整し、ジエチルエー
テルで抽出する。抽出液を水および食塩水で順次洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥する。この溶液に活性炭を
加え、濾液の溶媒を減圧下に留去する。残渣をシリカゲ
ルを使用するカラムクロマトグラフィーに付し、クロロ
ホルムとメタノールとの混液で溶出する。目的化合物を
含む画分を集め、溶媒を減圧下に留去する。残渣をジイ
ソプロピルエーテルで粉砕して、3−[4,5−ビス
(4−メトキシフェニル)チアゾール−2−イル]−
(E)−アクリル酸(0.16g)を得る。 mp:170−181℃ IR(ヌジョール):1660,1620,1600,
1560,1500cm−1 NMR(DMSO−d,δ):3.70(6H,
s),6.61(1H,d,J=15Hz),6.70
−7.05(4H,m),7.16(2H,d,J=8
Hz),7.30(2H,d,J=8Hz),7.50
(1H,d,J=15Hz) MASS(m/z):367(M
【0031】実施例8 3−[4,5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾー
ル−2−イル]−(E)−アクリル酸(1.04g)と
活性炭担持水酸化パラジウム(0.1g)とのクロロホ
ルム(10ml)およびメタノール(10ml)中混合
物を低圧水素雰囲気下室温で4時間攪拌する。水酸化パ
ラジウムを濾去し、クロロホルムおよびメタノールの混
液で洗浄する。濾液と洗液とを合わせ、溶媒を減圧下に
留去する。残渣をエタノール(20ml)に溶解し、4
N水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)を加える。主
成する沈殿を濾取し、エタノールおよびジエチルエーテ
ルで洗浄して、3−[4,5−ビス(4−メトキシフェ
ニル)チアゾール−2−イル],プロピオン酸ナトリウ
ム(0.35g)を得る。 mp:218−225℃(分解) IR(ヌジョール):1603,1560,1500,
1490cm−1 NMR(DMSO−d,δ):2.59(2H,
m),3.46(2H,m),3.70(3H,s),
3.72(3H,s),6.6−7.5(8H,m) MASS(m/z):369(M
【0032】実施例9 実施例8と同様にして下記化合物を得る。 5−[4,5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾー
ル−2−イル]ペンタン酸ナトリウム。 mp:246−251℃ IR(ヌジョール):1610,1565,1515c
−1 NMR(DMSO−d,δ):1.5−1.8(4
H,m),1.94(2H,t,J=7.2Hz),
2.50(2H,m),3.74(3H,s),3.7
6(3H,s),6.85(2H,d,J=8.8H
z),6.93(2H,d,J=8.8Hz),7.2
3(2H,d,J=8.8Hz),7.36(2H,
d,J=8.8Hz) MASS(m/z):396実施例10 実施例8と同様にして下記化合物を得る。 3−[4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メト
キシフェニル)チアゾール−2−イル]プロピオン酸。 mp:112−117℃ IR(ヌジョール):1720,1600,1540,
1505,1490cm−1 NMR(DMSO−d,δ):2.78(2H,t,
J=7Hz),3.22(2H,t,J=7Hz),
3.77(3H,s),6.99(2H,d,J=9H
z),7.06−7.3(4H,m),7.37−7.
53(2H,m),12.35(1H,br s) MASS(m/z):357(M
【0033】実施例11 3−[4,5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾー
ル−2−イル]−(E)−アクリル酸(0.42g)、
N−メチルピペラジン(0.13ml)、トリエチルア
ミン(0.16ml)および1−エチル−3−(3′−
ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩
(0.22g)のジメチルホルムアミド(10ml)中
混合物を室温で6.7時間攪拌する。反応混合物中に酢
酸エチルおよび水を注ぐ。分取した有機層を水、炭酸水
素ナトリウム水溶液、水および食塩水で順次洗浄する。
硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去し、残
留する油状物をシリカゲルを使用するクロマトグラフィ
ーに付し、クロロホルムで溶出する。目的化合物を含む
画分を集め、溶媒を減圧下に留去する。残渣をジエチル
エーテルに溶解し、エタノール性塩化水素を加えて、
4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−[2−
{(4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル}−
(E)−エテニル]チアゾール・塩酸塩(0.15g)
を得る。 mp:83−93℃ IR(ヌジョール):1640,1600,1510c
−1 NMR(DMSO−d,δ):2.76(3H,d,
J=4.4Hz),3.3−4.8(8H,m),3.
76(3H,s)3.79(3H,s),6.91(2
H,d,J=8.9Hz),6.98(2H,d,J=
8.9Hz),7.29(2H,d,J=8.9H
z),7.40(2H,d,J=8.9Hz),7.4
2(1H,d,J=15.2Hz),7.62(1H,
d,J=15.2Hz),11.48(1H,br
s) MASS(m/z):449
【0034】実施例12 3−[4,5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾー
ル−2−イル]−(E)−アクリル酸エチル(0.50
g)およびN−メチルピペラジン(5ml)の混合物を
80〜90℃で6時間攪拌する。室温になるまで放置
し、酢酸エチルおよび水を反応混合物中に注ぐ。分取し
た有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、水および食
塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒
を減圧下に留去し、残留する油状物をジエチルエーテル
に溶解する。この溶液に、エタノール性塩化水素を加
え、油状物を傾瀉により単離する。この油状物をエタノ
ールとジエチルエーテルの混液で粉砕して、3−[4,
5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾール−2−イ
ル]−3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピ
オン酸・塩酸塩(0.23g)を得る。 mp:157−161℃ IR(ヌジョール):1735,1605,1570,
1510cm−1 NMR(DMSO−d,δ):1.19(3H,t,
J=7Hz),2.74(3H,s),2.80−3.
60(10H,m),3.75(3H,s),3.78
(3H,s),4.11(2H,q,J=7Hz),
4.73(1H,m),6.88(2H,d,J=8.
7Hz),6.97(2H,d,J=8.7Hz),
7.26(2H,d,J=8.7Hz),7.38(2
H,d,J=8.7Hz) MASS(m/z):495 実施例12と同様にして下記化合物を得る。 3−[4,5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾー
ル−2−イル]−3−モルホリノプロピオン酸エチル・
塩酸塩。 mp:51−56℃ IR(ヌジョール):1720,1600,1670,
1505cm−1 NMR(DMSO−d,δ):1.12(3H,t,
J=7Hz),3.1−4.4(12H,m),3.7
5(3H,s),3.79(3H,s),5.25(1
H,br s),6.91(2H,d,J=8Hz),
6.98(2H,d,J=8Hz),7.29(2H,
d,J=8Hz),7.40(2H,d,J=8Hz) MASS(m/z):482
【0035】実施例14 3−[4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−メチ
ルチオフェニル)チアゾール−2−イル]−(E)−ア
クリル酸(0.3g)、30%過酸化水素(0.1m
l)、タングステン酸ナトリウム(27mg)および酢
酸(2.4ml)の混合物を室温で4時間攪拌する。反
応混合物を水中に注ぎ、生成する沈殿を濾取し、水で洗
浄し、乾燥して、3−[4−(4−フルオロフェニル)
−5−(4−メチルスルホニルフェニル)チアゾール−
2−イル]−(E)−アクリル酸(0.27g)を得
る。 mp:267℃(分解) IR(ヌジョール):1680,1630,1590,
1500cm−1 NMR(DMSO−d,δ):3.27(3H,
s),6.77(1H,d,J=16Hz),7.22
(2H,d,J=9Hz),7.25(2H,d,J=
9Hz),7.4−7.75(4H,m),7.72
(1H,d,J=16Hz),7.96(2H,d,J
=9Hz)MASS(m/z):403(M実施例15 3−[4,5−ビス[4−メトキシフェニル)チアゾー
ル−2−イル]−(E)−アクリル酸(0.5g)の乾
燥テトラヒドロフラン(10ml)溶液に、3−メチル
−1−(4−トリル)トリアゼン(0.41g)を室温
で加え、混合物を40℃で4.5時間攪拌する。反応混
合物の溶媒を減圧下に留去し、残渣に酢酸エチルおよび
水を注ぎ、6N塩酸でpH2に調整する。分取した水層
を酢酸エチルで洗浄し、洗液および有機層を合わせ、炭
酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で洗浄する。硫酸
マグネシウムで乾燥後、活性炭を加える。溶媒を減圧下
に留去し、残渣をジエチルエーテルから再結晶して、3
−[4,5−ビス(4−メトキシフェニル)チアゾール
−2−イル]−(E)−アクリル酸メチル(0.39
g)を得る。 mp:112.5−114℃ IR(ヌジョール):1715,1630,1600,
1570,1510cm−1 NMR(CDCl,δ):3.81(3H,s),
3.83(6H,s),6.7(1H,d,J=16H
z),6.77−6.95(4H,m),7.27(2
H,d,J=9Hz),7.45(2H,d,J=9H
z),7.77(1H,d,J=16Hz)MASS
(m/z):381(M
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 277/20 - 277/30 A61K 31/425 - 31/426 A61P 7/00 - 7/12 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1.式: (式中、RおよびRはそれぞれハロゲン、低級アル
    キルオキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスル
    フィニル基または低級アルキルスルホニル基、Rは、 [式中、Rはカルボキシ基または保護されたカルボキ
    シ基、Rは水素原子またはシアノ基、 {式中、Yはヘテロ原子で中断されていてもよい低級ア
    ルキレン基}Xは結合手または低級アルケニレン基、
    は結合手または低級アルキレン基]を意味する)で
    示されるチアゾール化合物または医薬として許容される
    その塩。
JP03238617A 1990-06-29 1991-06-12 チアゾール化合物 Expired - Fee Related JP3077295B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB909014532A GB9014532D0 (en) 1990-06-29 1990-06-29 Thiazole compound,processes for the preparation thereof and pharmaceutical composition comprising the same
GB9014532.7 1990-06-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04244073A JPH04244073A (ja) 1992-09-01
JP3077295B2 true JP3077295B2 (ja) 2000-08-14

Family

ID=10678444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03238617A Expired - Fee Related JP3077295B2 (ja) 1990-06-29 1991-06-12 チアゾール化合物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP3077295B2 (ja)
GB (1) GB9014532D0 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2195847A1 (en) * 1994-07-27 1996-02-08 John J. Talley Substituted thiazoles for the treatment of inflammation
CN104530156A (zh) * 2015-01-14 2015-04-22 佛山市赛维斯医药科技有限公司 含硝基苯噻唑基的o-半乳糖苷衍生物、其制备方法和用途
CN104530157A (zh) * 2015-01-14 2015-04-22 佛山市赛维斯医药科技有限公司 一种含1-萘基苯噻唑基的o-半乳糖苷衍生物、制备方法和用途
CN104530155A (zh) * 2015-01-14 2015-04-22 佛山市赛维斯医药科技有限公司 含卤代苯基噻唑基的o-半乳糖苷衍生物、其制备方法和用途
CN104530158A (zh) * 2015-01-14 2015-04-22 佛山市赛维斯医药科技有限公司 一种含2-萘基苯噻唑基的o-半乳糖苷衍生物、制备方法和用途

Also Published As

Publication number Publication date
GB9014532D0 (en) 1990-08-22
JPH04244073A (ja) 1992-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1992002513A1 (en) Heterocyclic compounds
JP3003148B2 (ja) チアゾール化合物、その製造法およびそれを含有する医薬組成物
RU2119922C1 (ru) Производные пептидов или их фармацевтически приемлемые соли, способ их получения, фармацевтическая композиция и способ ингибирования действия тахикинина
JPH01316363A (ja) ピペラジン誘導体およびその塩
JP2000511173A (ja) 一酸化窒素産生阻害剤としての新規なインドリルおよびベンゾフラニルカルボキサミド
HU211680A9 (en) Pyrazolopyridine compounds which have useful pharmaceutical utility
JPH0557983B2 (ja)
WO2000039097A1 (fr) Composes d'imidazole et utilisation medicinale de ces composes
JP3077295B2 (ja) チアゾール化合物
JPH01132579A (ja) インドール誘導体
US4562190A (en) Benzothiazolone derivatives, processes for preparation thereof and pharmaceutical compositions comprising the same
WO1998058930A1 (fr) Composes de triazolo-1,4-diazepine et composition medicinale les contenant
JPH09506854A (ja) 新規な2−スピロシクロプロピルセファロスポリンスルホン誘導体及びその製造方法
JPH11512737A (ja) 新規セフェム化合物
JPH08337579A (ja) グアニジノチアゾ−ルおよびその抗潰瘍剤、h2−受容体拮抗剤および抗菌剤としての用途
JPH07138221A (ja) アミジノ化合物
JP3237107B2 (ja) ブタジエン誘導体及びその製法
JPH0148259B2 (ja)
DK143750B (da) Analogifremgangsmaade til fremstilling af 1,2,3,4-tetrahydrois oquinoliner
JP2003513104A (ja) Nos阻害活性を有する置換ジペプチド
JPH06509550A (ja) 新規なセフェム化合物
JPH0426692A (ja) 新規セフェム化合物
US4016160A (en) 7-Dihaloalkanamido-3-heterocyclic-thiomethyl-3-cephem-4-carboxylic acids
JPH05155882A (ja) 新規なイミダゾール誘導体
JP2781277B2 (ja) ベンズアゼピン誘導体及びその医薬組成物並びに中間体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees