JP3077130U - 不織布層を有する紙製ディスク収納ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙を使用することにより、コストダウンを図
ると共に、印刷を可能とし、且つ容易に焼却廃棄するこ
とが可能であることに加えて、収納されているディスク
を汚すことなく、またディスクを傷から保護することが
可能で、更にディスクの出し入れが容易な紙製ディスク
収納ケースを提供する。 【解決手段】 紙製ディスク収納ケースにおいて、ディ
スク内面にホットメルト接着剤層を介して化学繊維製不
織布層を設けたことを特徴とする紙製ディスク収納ケー
ス。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、コンパクトディスク等のディスク状記録媒体を収容するための、紙 製のディスク収納ケースに関し、特にその内面にホットメルト接着剤層を介して 化学繊維製不織布層を設けたことを特徴とする紙製ディスク収納ケースに関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、コンパクトディスク等のディスクを収納するケースは、プラスチック製 の成型品であるため、コストがかかるという問題があった。また、印刷を施すこ とが困難であるので、宣伝、説明等のためには印刷物を内部に挿入入れることが 必要であり、この点からもコスト高となっていた。更に、廃棄する際に焼却が困 難であるので、環境衛生上問題を生じるという問題もあった。 そこで、紙を素材とした各種のディスク収納ケースが提供されているが、紙を 素材にしたディスク収納ケースは、紙から紙粉が出易くディスク表面が汚れる恐 れがあり、またその内面が剛性でディスクが傷つき易く、更には収容ケースから のディスクの出し入れが困難であるいという問題があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はかかる問題点に鑑みてなされたもので、紙を使用することにより、コ ストダウンを図ると共に、印刷を可能とし、且つ容易に焼却廃棄することが可能 であるとことに加えて、収納されているディスクを汚すことなく、またディスク を傷から保護することが可能で、更にディスクの出し入れが容易な紙製ディスク 収納ケースを提供することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために、本考案者は鋭意検討した結果、紙製ディスク収容 ケースの内面に化学繊維製不織布層を設け、その際、ホットメルト接着剤層を介 して積層することにより、上記問題点が解決し得ることを見いだし、本考案を完 成するに至った。不織布が化学繊維製以外のもの、例えばパルプ製であるとパル プが短繊維であるが故に依然として紙粉の発生を抑制することができず、また接 着剤層にデンプン糊などを使用すると不織布を通してディスク収容ケースの内面 に滲み出したり、湿気を帯びたりして好ましくはない。 即ち本考案の紙製ディスク収納ケースは、ディスク収納部を有する紙製ディス ク収納ケース、およびディスク収納部と隣接するディスク収納部とを背部を介し て蝶着した紙製ディスク収納ケースにおいて、ディスク内面にホットメルト接着 剤層を介して化学繊維不織布層を設けたことを特徴とする紙製ディスク収納ケー ス、である。

【０００５】

【作用】

ディスク収納部の内面に化学繊維製不織布を設けることにより、パルプ製不織 布に比較して紙粉などが発生することがなく、それらがディスクに付着してディ スクを汚すことがなく、また化学繊維製不織布は緩衝機能を有しており、その緩 衝機能によりディスクを傷つくことから保護し、更に不織布は表面が滑らかで平 滑性を有しているのでディスクの出し入れが容易であり、不織布の接着剤として ホットメルト接着剤を用いることにより、接着剤が不織布表面に滲みでることも なく、またホットメルト接着剤は非吸湿性を有しているので湿気を帯びることも ない。

【０００６】 本考案において紙製ディスク収容ケースは、板紙にホットメルト接着剤を介し て化学繊維製不織布を貼着した積層材から構成される。その際に使用される板紙 は、ディスク収納ケースとして仕上げて製品とした場合に、ディスクを保護し得 るよう適度な剛性を備えたものであれば如何なるものでもよく、好ましくは厚み が０．２〜２．０ｍｍ程度、更に好ましくは０．３〜０．５ｍｍ程度の板紙が使 用される。また、好適な板紙の主な種類としては、例えば、マニラボールや白ボ ール等の白板紙、或いは、コートボール等を挙げることができるが、本考案では 、積層材を表装紙で覆うこともでき、また内面に不織布を貼着するので、厚み及 び剛性があれば上記の板紙類以外の板紙、例えば馬糞紙などを使用することも可 能である。

【０００７】 更に、貼着積層する不織布としては、化学繊維製不織布を用いることが必要で あり、不織布としては、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリエス テル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリアクリルニトリル系 繊維、ポリ塩化ビニル系繊維などの合成繊維、ビスコース繊維、キュプラ繊維な どの再生繊維などの種々の化学繊維製の不織布が用いられる。また、それら繊維 は、短繊維不織布でも長繊維不織布でもよいが、紙粉の発生や毛羽立ちの点から 長繊維不織布が好ましい。その厚みは緩衝機能を有するものであれば如何なる厚 みでもよいが、０．０５ｍｍ〜１．０ｍｍ程度、好ましくは０．１ｍｍ〜０．５ ｍｍ程度の範囲である。

【０００８】 更にまた、化学繊維製不織布の積層に用いるホットメルト接着剤としては、ポ リ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、ポリアミド、エチレ ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステルなど、天然樹脂成分と してロジンおよびロジン誘導体、ゴム成分としてブチルゴム、ポリイソブチルゴ ムなどから選ばれた多成分系の樹脂などが挙げられる。 これらのホットメルト接着剤は、例えば、乾式貼合法や押出し式貼合法などに より用いられるが、好ましくは図５に示すような押し出し式貼合による積層に使 用される。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案によれば、ディスク収納部の内面に化学繊維製不織布を設けた紙製ディ スク収容ケースが提供でき、紙粉などが発生することがなく、それらがディスク に付着してディスクを汚すことがなく、また緩衝機能によりディスクを傷つくこ とから保護し、更にディスクの出し入れが容易であり、湿気を帯びることもない 紙製ディスク収容ケースが提供できた。

【００１０】 以下に図面を用いて本考案をさらに詳しく説明する。 図１の（イ）は、本考案のディスク収納部を有する紙製ディスク収納ケース斜 視図であり、図１の（ロ）は、その切断線Ａ−Ａに沿った断面図である。 該紙製ディスク収容ケースは、図４にその断面を示す不織布を板紙をホットメ ルト接着剤層を介して貼着したブランク材より作製される。 ブランク材は図５に示す如く、Ｔダイより溶融押出しされたホットメルト接着 剤フィルム層を介して不織布を板紙とをロールで挟持し、冷却することにより貼 着したものであり、該ブランク材を用い、不織布層が内面になるようにディスク 収容ケースを作製する。ホットメルト接着剤層は、フィルム状で例示したが、不 織布と板紙とが強固に積層するものであれば該層は点接着や筋状、格子状、千鳥 足状の接着でもかまわない。

【００１１】 必要により、ディスク収容ケースの表面および裏面には、印刷などを施した表 装材および裏表装材を包むようにして貼着する。 作製された紙製ディスク収容ケースはそのディスク収容内面が化学繊維製不織 布層からなるものである。 図２は、ディスク収納部と隣接するディスク収納部とを背部を介して蝶着した 紙製ディスク収納ケースの斜視図であり、図３は図２のディスク収容ケースの展 開断面図である。該ディスク収容ケースも図１に示すディスク収容ケースと同様 に、図４に示すブランク材を用いてディスク収容ケースを作製し、必要に応じて 、印刷された表装材、及び裏表装材を貼着してなるものである。背部は図２に示 す如く、平らな背部でも丸みをおびた背部でもよい。

【００１２】

【考案の効果】

本考案により、紙粉などが発生することがなく、それらがディスクを汚すこと がなく、また緩衝機能によりディスクを傷つくことから保護し、更にディスクの 出し入れが容易であり、また湿気を帯びることもない紙製ディスク収納ケースが 提供できた。

【図面の簡単な説明】

【図１】（イ）は本考案の紙製ディスク収納ケースの一
例の斜視図であり、（ロ）はＡ−Ａ切断線に沿った断面
図である。

【図２】本考案のディスク収納部と隣接するディスク収
納部との間を平らな背部にした紙製ディスク収納ケース
の斜視図である。

【図３】図２の紙製ディスク収納ケースの展開断面図で
ある。

【図４】本考案のディスク収容ケースの作製に用いるブ
ランク材の断面図である。

【図５】ブランク材に製造に用いる製造装置の一例を示
す概略図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスク収納部を有する紙製ディスク収
   納ケース、およびディスク収納部と隣接するディスク収
   納部とを背部を介して蝶着した紙製ディスク収納ケース
   において、ディスク内面にホットメルト接着剤層を介し
   て化学繊維製不織布層を設けたことを特徴とする紙製デ
   ィスク収納ケース。