JP3076869B2 - ハンカチ等の単布製品のための縁縫装置 - Google Patents

ハンカチ等の単布製品のための縁縫装置

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JP3076869B2
JP3076869B2 JP09125566A JP12556697A JP3076869B2 JP 3076869 B2 JP3076869 B2 JP 3076869B2 JP 09125566 A JP09125566 A JP 09125566A JP 12556697 A JP12556697 A JP 12556697A JP 3076869 B2 JP3076869 B2 JP 3076869B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布製品の縁縫装置
に関し、特に、タオルやハンカチ、ランチョンマット、
マクラカバー、あるいはスカーフ等の単布製品の縁縫い
を行うのに適した縁縫装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タオルやハンカチ、ランチョンマット、
マクラカバー、あるいはスカーフ等の単布製品とするに
は、布原反から所定形状への裁断と、裁断された布の周
囲がほつれないようにするロック縫いなどの縁縫いとを
少なくとも行わなければならない。この縁縫いについて
は、例えば、特開平4−26480号公報及び図28の
(ハ)に示されているように、単布製品の隅角部におい
て直角となるようにする方法は勿論、例えば、特開平7
−24619号公報に示されているように、各隅角部を
丸味をおびたものに縁縫いする方法の二種類がある。
【0003】また、矩形の単布製品の各辺の縁縫いを行
うには、単布製品そのものをミシン針に対して直進させ
ることによりなされるのであるが、各隅角部が直角とな
る場合も、丸味をおびた場合も、その部分の縁縫いは、
基本的には単布製品そのものをミシン針に対して90度
回転させることによりなされる。ただし、単布製品その
もののミシン針に対する回転を、ミシン針が停止してい
る間に行えば、例えば図28の(ハ)に示したように、
各隅角部において縁縫いが互いに直交したものとなり、
単布製品の回転をミシン針の駆動と並列して行えば、各
隅角部において丸味をおびた縁縫いとなる。
【0004】以上のような単布製品に縁縫いを施す縁縫
装置としては、他に特開平4−189388号公報に示
されている「矩形生地耳縫の縫製装置」が知られてい
る。この縫製装置は、図28の(イ)に示したように、
「生地送り台と、生地送り台上の針落ち位置で矩形生地
を端縫いするためのミシンと、生地送り台に設けられた
取付架台に取り付けられて生地送り方向に延びるねじ軸
及びその回転駆動機構と、ねじ軸に螺合されたナット体
と、ナット体に水平旋回可能に取り付けられた旋回アー
ム及びその駆動機構と、旋回アームに昇降可能に取り付
けられた可動体およびその昇降駆動機構と、可動体に設
けられた吸着体と、を備えた」ものである。以上のよう
な縁縫装置によれば、「矩形生地を端縫いしてハンカチ
などを作ることを人手を要さずに行えるようになり、し
かもミシンでその端縫いを行う前作業である針落ち位置
への矩形生地の送り込みや旋回がすべて機械的に行われ
るために均質な端縫いが行われるという効果がある」と
考えられるものであるが、本発明の発明者が検討してみ
たところ、次のような解決しなければならない点を含ん
でいるものと考えられる。
【0005】(1)例えば、図28の(ハ)のから
への所定角度回転した後に、針掛りを確実にするため
に、針落ち位置が単布製品の上方となるようにすべく、
同に示したように、単布製品を少し図示下方へもどさ
なければならず、この作業は4つの隅角部全てにおいて
それぞれ必要であるから、所謂ロスタイムが生ずる。 (2)何よりも、各隅角部における縁縫いを丸味をおび
たものにすること、つまり丸縫いができない。
【0006】そこで、特開平7−241659号公報に
て、「コーナーに丸味があり、周縁の全体がオーバーロ
ック縫いによって縁かがりされた布製品の自動縫製が可
能な縫製装置を提供する」ことを目的とした縫製装置が
提案されている。この縫製装置は、図27にも示すよう
に、「支持テーブル20上に載置される正方形の布押え
板30のコーナーを円弧とし、その円弧状コーナーの曲
率中心と、その曲率中心の2等分位置とにピン33を突
設する。布押え板30をミシン2に対して前進送りさせ
る布送り装置60を設ける。ミシン針の一側に臨むコー
ナーピン33を回転自在に保持する保持装置80と、保
持装置80で保持されるコーナーピン33を中心に布押
え板30を所定角度の回転させる回転装置90とを設け
る。支持テーブル20上に載置された布を布押え板20
で押さえて布送り装置60の作動によりミシン2に対し
て前進送りさせる動作と、コーナーピン33がミシン針
の一側に臨むと、保持装置80でコーナーピン33を保
持し、かつ回転装置90で布押え板30を所定角度の回
転させる動作とを順次行い、布の移動時にミシン2を作
動させて周縁を切断しつつオーバーロック縫いを行う」
ものである。
【0007】従って、この特開平7−24169号公報
に示された縫製装置によれば、丸味をおびた各隅角部に
おける縁縫いを行うことができるようになったと考えら
れるが、本発明者の検討によれば、次のような解決しな
ければならない点を含んでいるものと考えられる。 (3)単布製品を回転させるために、保持装置80のブ
ロックを下降させてピン33に嵌合させ、布送り装置6
0のブロックを上昇させて、押さえシリンダのパッドを
下降させて布押え板30の浮き上がりを防止しなければ
ならない。しかも、回転装置90のフックを前進させて
ピン33に係合させ、このフックを今度は後退させなけ
ればならない。以上の間は、縁縫い作業は停止したまま
であり、この間はタイムロスになる。 (4)何よりも、構成部品が多過ぎて、縁縫装置全体の
構造が複雑である。
【0008】そこで今度は、特開平7−124357号
公報にて「矩形生地の4辺の端縫いや、コーナーや辺が
曲線になっている生地の端縫いの自動化を可能にするこ
と」を目的として、「生地送り台2と、生地送り台2上
の針落ち位置で生地を端縫いするためのミシン押圧板取
付部41と、生地送り台2の上方位で流体ポート51a
軸方向に移動可能な可動架台3と、可動架台3に取り付
けられて第2流体圧室55軸方向に移動可能な可動取付
台と、流体ポート53a軸方向に昇降可能および流体ポ
ート53a軸の周りに回転可能な昇降回転部材と、昇降
回転部材に取り付けられる押付け板6とを備える。押付
け板6で生地を生地送り台2に押し付けたまま、可動架
台3や昇降回転部材などの動きを制御してミシンによる
端縫いを行う」「生地耳縁の縫製装置」が提案された。
【0009】ところが、この特開平7−124357号
公報の縫製装置は、所謂数値制御によって、単布製品を
押圧している押付け板6の第2流体圧室55−流体ポー
ト51a方向の移動制御と、押付け板6の回転角度制御
とを常時電気的に見ながら行うものであるから、単布製
品の形状変更に伴う治具の変更を全く行わなくて済むも
のの、非常に作業の遅いものとなっているのである。そ
れだけでなく、この数値制御による装置では、単布製品
の形態が変化する毎に、制御数値の変更や治具の変更を
行わなければならず、数値制御によって縁縫いを正確に
行えるかもしれないが、作業性が悪く製品のコスト高を
招くものと考えられる。
【0010】換言すれば、タオルやハンカチ、ランチョ
ンマット、マクラカバー等の単布製品は、その商品単価
が非常に安いものであり、かつ大量に使用される消耗品
でもあるから、その単なる装飾でもある縁縫いを、複雑
で大型化された縁縫装置によって行ったり、あるいは縁
縫い作業にロスタイムが生ずるような縁縫装置によって
行っていては、商品単価を上昇させることになって好ま
しくないのである。特に、各隅角部が丸味をおびた単布
製品であっても、その縁縫い作業は、構造が簡単な縁縫
装置によって高速で行うようにしなければならないので
ある。
【0011】また、タオルやハンカチ等の単布製品は、
大きさは勿論、形状も種々なものであり、その縁縫い箇
所もそれに応じて種々変化してくるものである。すなわ
ち、タオルを例にとってみても、図25の(イ)及び
(ロ)に示すような正方形もあれば、図25の(ハ)及
び(ニ)に示すような長方形もあり、しかも縁縫いの仕
方も、図25の(イ)及び(ハ)に示すように直角とな
るように「角縫い」することもあれば、図25の(ロ)
及び(ニ)に示すように丸味をおびたものとする「丸縫
い」をすることもある。さらに、単布製品の形状は、図
26の(ロ)に示したような六角形や、図26の(ハ)
のような三角形もある。これらの形状変化に大きさの変
化が加われば、縁縫い作業を機械的に行う場合のセッテ
ィングの仕方も、機械式であれ数値制御方式であれ、何
種類にもわたることになる。
【0012】そうなれば、前述した各従来方式では、所
謂ロット数の小さいタオル等を低コストで短時間内に製
造しようとすることは不可能に近く、実際上は大量生産
にしか使用できないという問題が生じてくるものと考え
られる。つまり、この種のタオル等の単布製品の縁縫い
作業を行う装置としては、単布製品の大きさ・形態に応
じた変更が簡単に行えることが必要なのであり、より汎
用性を高めたものとすることも要求されているのであ
る。
【0013】一方、機械・装置の作動の高速化にあたっ
ては、当然誤作動時における安全化が裏づけされていな
ければならない。すなわち、機械・装置においては、予
期しない状況によって誤作動することがあり得るのであ
るが、そのような誤作動時において各部が高速で動いた
場合には、機械・装置全体の破壊につながるから、各部
はある程度の「逃げ作動」が行えるようなものとしてお
く必要がある。
【0014】そこで、本発明者は、この種の単布製品に
おける縁縫いを、高速かつ安全に行え、しかも製品のコ
スト高を招かないようにするにはどうしたらよいかにつ
いて種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したので
ある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この種の縁
縫装置における上記実状に鑑みてなされたもので、その
解決しようとする課題は、単布製品等の縁縫い作業の高
速化、この高速化を可能とするための装置全体の簡素
化、汎用化、及び安全化である。
【0016】すなわち、請求項1に係る発明の目的とす
るところは、種々な形態の単布製品等の縁縫い作業を高
速で行うことができて汎用性が高く、しかも装置全体の
構成を非常に簡略化することができ、結果として単布製
品等の縁縫いに対するコスト軽減を図ることができる縁
縫装置を提供することにある。
【0017】また、請求項2に係る発明の目的とすると
ころは、上記請求項1に係る発明の目的をより一層確実
に達成することができるようにするために、単布製品の
形態に応じた縁縫い作業の変更を非常に簡単にできるよ
うにして、単布製品の縁縫作業時間を短縮することので
きる縁縫装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、まず請求項1に係る発明の採った手段は、以下の
実施形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「機枠10に水平状に支持された縫製台20上の被加工
材Wを押圧する押圧板30と、この押圧板30と一体的
な回転軸40を支持する案内梁60と、この案内梁60
を移動させる駆動装置70と、押圧板30と回転軸40
を介して一体化される回動部材80と、この回動部材8
0に設けた複数の案内ローラ81を案内すべく機枠10
に設けた案内レール90と、押圧板30にて押圧された
被加工材Wの縁縫いを行うミシン200とを備えて、被
加工材Wを押圧している押圧板30及びこれと一体的な
回動部材80の前後動及び所定角度の回転を、駆動装置
70による案内梁60の往復動のみによって行えるよう
にした縁縫装置100であって、案内レール90を機枠
10に対して平行移動可能に組付けることにより、各被
加工材Wの隅角部を角縫いする際の、当該案内レール9
0の案内溝90bのミシン200の針位置より外側への
配置と、各被加工材Wの隅角部を丸縫いする際の、案内
溝90bの針位置より内側への配置との選択を自由に行
えるようにするとともに、回動部材80と一体的に元位
置に復帰する際に、押圧板30がミシン200から退避
できるようにし、案内レール90内のストッパ91に係
合している案内ローラ81とその前後の案内ローラ81
との間隔の変化に応じて、各案内ローラ81の案内溝9
0bからの送出及び送込を行えるようにすべく、案内レ
ール90の送出口92及び送込口93の大きさを十分な
ものとして、回動部材80及び押圧板30を回転軸40
に対して交換自在としたことを特徴とする単布製品のた
めの縁縫装置100」である。
【0019】すなわち、本発明に係る縁縫装置100
は、その縫製台20上の別の装置、つまり裁断装置30
0及び加工布送り板350によって送り込まれてきた単
布製品となる被加工材Wを押圧板30によって縫製台2
0上に押圧して、この押圧板30を移動及び回転させな
がらミシン200を駆動させることにより、単布製品の
ための縁縫いを行うものである。換言すれば、本発明に
係る縁縫装置100は、この押圧板30によって被加工
材Wを縫製台20上に押圧しながら縁縫いを行う点につ
いてのみ、図27及び図28に示した従来技術のものと
同様であるが、本発明に係る縁縫装置100では、ま
ず、その押圧板30自体の駆動方法が従来のそれとは全
く異なったものである。
【0020】押圧板30は、これに一体化してある回転
軸40及びその上端側に設けてある回動部材80によっ
て規制・制御されているのであり、その駆動は、この回
動部材80を介して言わば間接的に行われるものであ
る。勿論、この押圧板30は、図23または図26等に
示したように、縫製台20上に押圧した被加工材Wの、
当該押圧板30から僅かに外側に出ている部分を、ミシ
ン200側のハサミにより所定形状に裁断することと、
ミシン針210による縁縫いを可能としなければならな
いものであるから、その全体形状をハンカチ等の単布製
品等と相似形としてあり、かつ単布製品よりも僅かに小
さいものとしてある。
【0021】そして、この押圧板30の直上に位置する
ことになる回動部材80は、押圧板30の隅角部に対応
する複数のアーム80aを有するものとしてあって、各
アーム80aの先端に設けた各案内ローラ81は押圧板
30の隅角部上に一対一で位置するものとなり、これら
の押圧板30、回動部材80側の案内ローラ81、及び
被加工材W等の関係は図21または図23に示した通り
である。
【0022】なお、タオルやハンカチ等の単布製品は、
図25又は図26の(イ)に示したように、矩形(正方
形は勿論、長方形もある)単布製品とするのが一般的で
あるため、押圧板30を略矩形状とし、回動部材80を
4つのアーム80a及び案内ローラ81を有する4本腕
のものの場合を中心にして以下の説明を行っていくもの
であるが、本発明は、図26の(ロ)に示した六角形状
の布製品や、図26の(ハ)に示した三角形状の布製品
の縁縫いを行うこともできるものであり、その場合に
は、押圧板30及び回動部材80の形状を、図26の
(ロ)または(ハ)中の仮想線に示したものとすればよ
いものである。
【0023】さて、押圧板30の動きを規制する回動部
材80であるが、その作用を説明すると、次の通りであ
る。この回動部材80は、回転軸40の上端側に一体化
したものであるが、以下に示す実施形態においては、図
6、図12〜図14に示すように、支持装置50を構成
しているシリンダ部材53の上端に一体化してあり、こ
のシリンダ部材53と回転軸40とをその案内支柱56
と連結案内部材43との係合により一体化してあるた
め、結果的に、この回動部材80は回転軸40と一体化
されているものである。このようにしてあるのは押圧板
30によって、被加工材Wを押圧する場合には、回転軸
40を一旦上昇させて押圧板30の下側に被加工材Wが
くるようにしなければならないからであり、その場合に
は、回動部材80の各案内ローラ81が案内レール90
から外れないようにしなければならないのであるから、
回転軸40の支持装置50に対する上下動を回動部材8
0に与えないようにするためである。
【0024】この回動部材80の4本のアーム80a
(縁縫い対象物が矩形の単布製品である場合)の先端部
には、図3あるいは図14等に示すように、案内ローラ
81がそれぞれ設けてあり、これらの案内ローラ81の
内の少なくとも1つは、案内レール90の案内溝90b
内に係合することになるものである。一方、この回動部
材80を支持している回転軸40は、図13及び図14
に示したように、被加工材Wの搬入方向と直交する方向
の案内レール61を有する案内梁60に支持装置50を
介して支持してあり、案内梁60は、機枠10に設けた
駆動装置70により、被加工材Wの搬入方向と平行な方
向、つまり図14の左右方向に往復駆動されるものであ
る。
【0025】さて、駆動装置70の往復駆動によって回
動部材80がどのように移動・回転するかを、図2、図
20及び図21を参照して説明すると、まず被加工材W
が後述する裁断装置300及び加工布送り板350によ
って、図2に示した縫製台20上の図示右側に搬入され
ると、この加工布送り板350と押圧板30とが交代す
る。そして、支持装置50の作動によって回転軸40が
下動されると、この押圧板30は被加工材Wを、例えば
図13に示すように、縫製台20上に押圧することにな
る。このとき、押圧板30の直上に位置している回動部
材80は、図4中の中央に示した位置にあるのであり、
図20に示すように、回動部材80の2つの案内ローラ
81が案内レール90の案内溝90b内に係合してい
る。そして、この状態では、回動部材80は、案内レー
ル90側の送込口93より後退端側に位置しているので
ある。
【0026】次に、駆動装置70が作動することにより
ボールネジ軸72が回転されると、このボールネジ軸7
2上にある案内梁60は前方(図7の図示右方)に移動
されるとともに、案内レール90の案内溝90b内に係
合している2つの案内ローラ81によって、回動部材8
0は図4中の右側に示したものの位置まで平行移動され
ることになり、これに伴って回転軸40を介した押圧板
30により縫製台20上に押圧されている被加工材Wも
平行移動される。
【0027】なお、以下に示す実施形態の縁縫装置10
0では、裁断装置300とミシン200との間に、図1
及び図6に示すように、ラベル投入部360が配置して
あって、このラベル投入部360によって、被加工材W
と押圧板30との間にタオル等に付けるべきラベルを挿
入するようにしている。
【0028】以上の平行移動によって、押圧板30及び
これによって押圧されている被加工材Wが、図21の
(イ)〜(ロ)のようにミシン200のミシン針210
の直前を通過することになり、この間に、被加工材Wの
一辺の直線縫いがなされるのである。なお、本実施形態
のミシン200においては、ミシン針210の直前にト
リミング刃が設けてあるので、被加工材Wの一辺のトリ
ミングを行いながらミシン針210による縁縫いが略同
時になされるものである。
【0029】被加工材Wの最初の一辺のトリミング及び
線縫いが完了すると、同様な作業を次の辺に対しても行
わなければならないが、この次の辺の作業を行う前に、
単布製品の隅角部の縁縫いをしなければならない。単布
製品の隅角部は前述したように、角縫いまたは丸縫いの
2種類の縁縫いをしなければならないのであるが、以下
では図25の(イ)または(ハ)に示したような角縫い
を中心にして説明する。この角縫いを行うためには、図
22に示すように、押圧板30としてはその隅角部が略
直角になっているものを使用するとともに、この押圧板
30の隅角部をミシン針210より奥(例えば図14に
示した位置)に配置しなければならないが、この配置調
整を行うのがレール駆動装置400なのである。
【0030】レール駆動装置400は、図7及び図8に
示したように、案内レール90を機枠10に対して平行
移動(図7では図示上下方向)可能に支持しているもの
あり、被加工材Wの角縫いを行う場合には、その軸ハン
ドル417を回転させて次のような調整を行うものであ
る。すなわち、角縫いを行う場合には、被加工材Wの隅
角部がミシン針210より奥になるようにしなければな
らないから、軸ハンドル417を回動することにより案
内レール90のレール台411を、図8の図示右方へ移
動させるのである。これにより、レール台411上に支
持されている案内レール90の案内溝90bは、図8の
図示右方へ移動することになり、この案内溝90bの案
内ローラ81の直下に位置している押圧板30の隅角部
も、図8の図示左方へ移動して、押圧板30の隅角部と
ミシン針210とは、図21の(イ)及び図22に示し
た位置に調整されるのである。
【0031】以下のように調整しておいて、前述したよ
うに、押圧板30を移動させれば、図21の(ロ)に示
したように、被加工材Wの第一辺の直線状の縁縫いが完
成される。
【0032】被加工材Wの最初の一辺の縁縫いが完了し
たときには、回動部材80は、図20の実線で示した位
置にあり、案内溝90b内に係合している2つの案内ロ
ーラ81の内、図示右側の案内ローラ81は送出口92
に対向しており、図示左側の案内ローラ81は案内溝9
0b内に突出しているストッパ91の右端面に当接して
いる。ここで、駆動装置70が作動してボールネジ軸7
2が逆転され始めると同時に、送出口92の開閉装置9
0aを構成している開閉用流体圧シリンダ97aが作動
して、ゲート部材95が図10中の仮想線にて示すよう
に回動され、ゲート部材95が後退して案内溝90bに
おける送出口92が開放される。
【0033】駆動装置70の駆動モータ71等が作動し
て、ボールネジ軸72が逆転されれば、案内梁60は後
退するように駆動される。つまり、図20に示した回動
部材80の中心が図示左方へ移行するように、駆動力が
付与されるのである。ところが、回動部材80側の1つ
の案内ローラ81は、案内レール90における案内溝9
0b内のストッパ91に係止しているから、この回動部
材80の中心に加えられた図示左方への力の一部は、当
該回動部材80を図20中に示した矢印方向への回転力
に変換されることになる。このとき、回動部材80の中
心には、これを案内レール90から引き離す力、すなわ
ち図20の図示上方への力が加えられることになるが、
回動部材80は、回転軸40及び支持装置50を介して
案内梁60に支持されているから、回動部材80を支持
している回転軸40は、図20の図示上方へ動くことに
なる。
【0034】以上のことから、案内梁60が駆動装置7
0によって移動され始めると、回動部材80は、図20
に示したような回転と移動を始めることになる。すなわ
ち、この回動部材80は、図20の符号(ロ)で示した
案内ローラ81を中心に回動を始めるのであるが、この
案内ローラ81の直前にある符号(イ)で示した案内ロ
ーラ81は、これに対応する案内レール90側の部分に
形成してある送出口92から外方(図20では図示上
方)に出ることになり、符号(イ)で示した案内ローラ
81の案内レール90との係合が解かれる。そして、こ
の回動部材80は、図20に示したような軌跡を描きな
がら、反時計方向の回転と、図20の図示左方への移動
を行うのである。
【0035】一方、案内レール90内のストッパ91に
係止されている案内ローラ81の直後に位置する符号
(ハ)で示した案内ローラ81は、案内レール90に設
けた案内部材94によって案内されて送込口93から案
内レール90の案内溝90b内に挿入されることにな
る。すなわち、送込口93は、ここに設けてある案内部
材94の前端94aによって、通常は図11の(ロ)に
示したように閉じられているのであるが、図11の
(イ)に示すように、回動部材80側の案内ローラ81
が案内レール90の案内溝90b内に入るべく進行して
きたときには、この案内ローラ81の力によって強制的
に下動されるものである。換言すれば、図11の(イ)
に示したように、案内ローラ81が送込口93に向けて
進行してきてその下部が案内部材94の傾斜面94bに
当接すると、案内部材94は、圧縮スプリング98の付
勢力に抗して下動されることになり、これにより、送込
口93が開放されると同時に、図20の符号(ハ)で示
した案内ローラ81が案内レール90の案内溝90b内
に入ることになるのである。
【0036】また、この縁縫装置100では、送出口9
2及び送込口93をそれぞれ閉じているゲート部材95
及び案内部材94について、案内レール90の案内方向
に平行な長さを十分長くしたものであり、この長さの範
囲内の大きさのハンカチであれば、その縁縫いを十分行
えるものであることを示している。勿論、図25の
(ハ)に示したような長方形状の被加工材Wを縁縫いす
る場合には、図15の(ロ)に示すように、1つの回動
部材80について、その各アーム80aの先端間の寸法
は異なるのであるが、各ゲート部材25及び案内部材9
4をそれぞれ十分な長さとすることにより、各送出口9
2及び送込口93の長さを十分なものとしてあるから、
各辺の長さが異なる被加工材Wの縁縫いを支障なく行え
るのである。
【0037】この直角加工(角縫い)のための、回動部
材80を介した押圧板30及び被加工材Wの回動軌跡を
拡大して示すと、図22の通りである。すなわち、第一
辺の縫い加工がなされたときには、被加工材W及びこれ
を縫製台20上に押圧している押圧板30は、図22の
図示右側に示した位置にあり、ミシン針210はその図
示左下側に位置している。勿論、ミシン200は機枠1
0に対して固定的にしてあるため、そのミシン針210
は変化しない。ここで、前述したように回動部材80を
回動させれば、図22の左側にて示したように、被加工
材Wの第二辺の先端はミシン針210の左方に位置する
ことになる。従って、このまま被加工材Wを前進させれ
ば、第二辺の縁縫いは、第一辺とによってはさまれてい
る隅角部を直角にしながらなされることになるのであ
る。
【0038】その後に、駆動装置70を作動させて、今
度は案内梁60を前進させると、回動部材80は、2つ
の案内ローラ81によって案内レール90の案内溝90
b内に係合しているから、被加工材Wの搬入方向と平行
に移動され、この回動部材80と一体的な押圧板30に
よって押圧されている被加工材Wがミシン200のミシ
ン針210に対して前進することになる。これにより、
単布製品の第二辺のトリミング・縁縫いがなされるので
ある。
【0039】以上のようにして、被加工材Wの第二辺の
裁断と縁縫いとがなされると、回動部材80の、図20
中の符号(ハ)で示した案内ローラ81が、案内レール
90内のストッパ91を乗り越えてこれに係止可能とな
るのである。以上の作動を繰り返えしていけば、被加工
材Wの第三辺及び第四辺のトリミング・縁縫いがなされ
ていくのである。
【0040】縁縫いが完了して単布製品が完成すれば、
その押圧板30による押圧が解かれるのであり、縫製台
20上の単布製品は、図18及び図19に示した製品搬
送装置500によって昇降台514上に搬出されるので
ある。一方、押圧板30は、回動部材80とともにその
元位置、すなわち、図4の図示中央に示した位置に復帰
するのであり、この位置に加工布送り板350によって
既に送り込まれている次の被加工材W上を押圧すること
になるのである。
【0041】押圧板30が元位置に復帰して次のような
被加工材Wを取りに行く際に、レール駆動装置400
は、次のような機能を課している。第1は、縁縫い完了
時のミシン200における端糸処理が行えるようにする
ことであり、第2は、復帰時の押圧板30がミシン20
0と干渉しないようにすることである。
【0042】すなわち、レール駆動装置400は、図7
及び図8に示したように、案内レール90の端部を機枠
10上のレール410に支持しているレール台411
を、それぞれ独立して引き込む糸処理シリンダ413と
退避シリンダ414とを備えていて、糸処理シリンダ4
13によって第1の作動を、また退避シリンダ414に
よって第2の作動を行うのである。
【0043】さて、今度は、図23及び図24を参照し
て、被加工材Wの隅角部の丸縫いを行う場合について説
明すると、この場合には、図23の(イ)に示すよう
に、案内レール90の案内溝90bよりも外側にミシン
針210がくるように設定するのである。この場合に
は、レール駆動装置400の角丸調整軸415を軸ハン
ドル417の回動操作によって回動させて、各レール台
411を外側に調整し、これによって、案内溝90bと
ミシン針210との位置関係が図23の(イ)に示した
状態にするのである。また、この丸縫いを行う場合に
は、図23の(イ)等に示したように、回動部材80よ
りも大きい押圧板30を使用するものである。
【0044】以上のように調整した後に、図23の
(イ)から(ロ)に示したように第1辺の直線状の縁縫
いを行うのであり、この直線縁縫いが完了する直前で、
図23の(イ)に示すように、回動部材80が回動され
始める。そうすると、この被加工材Wの第1の隅角部で
は、図23の(ハ)と(ニ)及び図24に示したよう
に、丸縫いがなされることになるのである。この第1の
丸縫いの終端は、第2辺の直線縁縫いの始端でもある。
【0045】以上の丸縫いの作業時における回動部材8
0の回動作動は、前述の図20に基づく角縫いの場合の
説明中においてしたのと全く同様であり、案内レール9
0の位置調整と、押圧板30の交換のみで行えるもので
ある。勿論、押圧板30や回動部材80の交換作業は、
以下に述べる請求項2の発明にようにすれば、より効果
的かつ簡単に行えるものである。
【0046】以上の通り、本発明に係る縁縫装置100
によれば、図26に示したような縁縫いを形成した単布
製品を製造することができるのであるが、各作動は、全
て機構的になされているものであるから、非常に高速で
行われる。特に、この縁縫装置100では、被加工材W
の移動及び回転を、駆動装置70による案内梁60の往
復作動のみで全て行えるようにしてあるから、誤差の累
積が全くなく、かつ構造上も非常にシンプルなものとな
っている。従って、この縁縫装置100による縁縫いを
施した単布製品の製造は、従来のものに比較すると、5
〜10倍程度の速度で行うことができるのである。
【0047】また、この高速縁縫いを行う縁縫装置10
0においては、レール駆動装置400等の種々な安全対
策が施してあるから、仮に部分的に故障したり、あるい
は何か異物が入ったりして誤作動をしたとしても、全体
は完全に守られており、大きく破壊することはないので
ある。
【0048】そして、この縁縫装置100では、例えば
ミシン200のミシン針210に対する案内レール90
の位置を変更することによって、単布製品の隅角部にお
ける縁縫いを、直角なものでも、また丸味をおびたもの
でも、自由に行えるという汎用性の高いものとなってい
るのである。
【0049】また、上記課題を解決するために、請求項
2に係る発明の採った手段は、以下の実施形態の説明中
で使用する符号を付して説明すると、請求項1に係る縁
縫装置100について、「押圧板30を回転軸40の下
端に対して水平方向に抜差自在に取付けるとともに、回
転軸40の上部に角形の取付部44を形成して、この取
付部44に回動部材80の中心に形成した取付穴82を
挿通するようにし、この回動部材80を取付部44側に
押圧して固定して、当該回動部材80及び押圧板30の
回転軸40側に対する取付けを一定方向で行えるように
したこと」である。
【0050】すなわち、この請求項2に係る縁縫装置1
00では、上記にように構成することによって、被加工
材Wの角縫いまたは丸縫いに対応した押圧板30及び回
動部材80の交換作業を非常に簡単にしたのである。
【0051】まず、押圧板30の交換作業を行うため
に、図12中の矢印で示したように、回転軸40の下端
部に設けてあるハンドル46aを引き上げると、このハ
ンドル46aの下端に設けてあるストッパ46が押圧板
30側の係止穴32bから外れる。これにより、押圧板
30側の連結部材32と回転軸40側の結合板45と
は、互いに自由となるから、押圧板30を図12の図示
左方へ、図13では図示手前に引き出せば、押圧板30
は回転軸40から完全に分離される。そこで、別の押圧
板30を上述したのとは逆の順序で回転軸40側に取付
ければ、押圧板30の交換作業が完了するのである。勿
論、ハンドル46a内等には、ストッパ46を押圧板3
0側の係止穴32bに常に係合させないためのスプリン
グが組込んであるから、ストッパ46の押圧板30側に
対する一定の付勢力をもって常に安定的なされている。
【0052】この押圧板30の交換作業において重要な
ことは、結合板45は回転軸40に対して固定的でかつ
長方形のものであり、押圧板30側のアリ溝32aはこ
の結合板45が嵌入される大きさのものであるから、取
付完了時の押圧板30は、回転軸40に対して常に一定
方向のものに決定されるということである。換言すれ
ば、図21や図23に示したように、押圧板30と回動
部材80との位置関係は常に一定したものとしておかな
ければならないのであるが、押圧板30と回転軸40と
の位置関係が自動的に決定され、また回動部材80と回
転軸40との位置関係も後述のように自動的に決定され
るのであるから、これら押圧板30と回動部材80との
位置関係は、自動的に一定方向のものとされるのであ
る。
【0053】回動部材80の交換作業であるが、この作
業も、図16及び図17に示すように、簡単に行える。
まず、この回動部材80の略中央には、図15にも示し
たように、長方形状の取付穴82が形成してあり、この
取付穴82内に嵌合されるべき長方形状の取付部44
が、図12及び図13に示したように、回転軸40の上
端に一体的に形成してある。そして、この回動部材80
の回転軸40に対する固定時においては、図16に示し
たような状態に位置しており、回動部材80の取付穴8
2に近接した部分の上面には押圧脚47が当接して回動
部材80を取付部44上に押圧している。
【0054】すなわち、回動部材80の回転軸40上端
に対する固定時においては、図16の(イ)に示したよ
うに、回転軸40側の取付部44と各押圧脚47との挟
持によってその上下方向の動きが規制されているのであ
り、図16の(ロ)に示したように、回動部材80側の
長方形状の取付穴82内に回転軸40側の取付部44が
嵌合されていることにより、両者の相対回転が規制され
ているのである。
【0055】そこで、回動部材80を交換する場合に
は、押圧ハンドル48を操作することによって、図17
に示したように、各押圧脚47の下端が回転軸40側の
取付部44上になるようにして、各押圧脚47による回
動部材80の押圧を解除する。回動部材80は、取付部
44に単に嵌合されているだけであり、その上面を押圧
していた各押圧脚47が図17の(ロ)に示したように
退避すれば、図17の(イ)に示したように、各押圧脚
47の外周を通して回転軸40の上端から簡単に外せる
のである。別の回動部材80は、以上の操作とは逆の操
作によって、回転軸40の上端部に固定されることは言
うまでもない。
【0056】以上の通りであるから、この請求項2に係
る縁縫装置100では、請求項1に係るそれと同様の作
用・機能を発揮する他、回転軸40に対する押圧板30
と回動部材80との固定を必要な方向性を以って確実に
行えるだけでなく、これら押圧板30及び回動部材80
の交換を非常に簡単に行えるのである。このことによっ
ても、当該縁縫装置100の汎用性は高いものとなって
いるのである。
【0057】
【発明の実施の形態】次に、上記各発明を、図面に示し
た実施の形態である縁縫装置100について説明する
が、この実施形態に係る縁縫装置100は、請求項1及
び請求項2の両発明を実質的に含むものであるため、以
下では、この実施形態に係る縁縫装置100についての
説明を中心にして行うこととする。
【0058】この縁縫装置100は、図1〜図4に示す
ように、その機枠10に水平状に支持されて単布製品と
なる前の被加工材Wを支持する縫製台20と、この縫製
台20上の被加工材Wを押圧保持すべく完成後の単布製
品と相似形に形成した押圧板30と、この押圧板30に
よって押圧されながら縫製台20上を送られてきた被加
工材Wの縁縫いを行うミシン200とを備えたものであ
る。そして、この縁縫装置100においては、図1及び
図2の図示左側部分(押圧板30の後退端)において、
単布製品とするための被加工材Wが、裁断装置300に
よって縫製台20上に搬入されてくるのであり、図示右
側の手前側にあるミシン200のミシン針210、及び
これに近接した図示しないハサミによって、被加工材W
の周囲のトリミングと縁縫い加工がなされた後、さらに
図示右方の排出位置に単布製品として搬出されるもので
ある。
【0059】なお、本実施形態の縁縫装置100では、
図1、図2、図4及び図5に示したように、縫製台20
の上流側、すなわち図1の図示左側に、後述する裁断装
置300が配置してあり、この裁断装置300によって
長尺な原反から被加工材Wを所定形状に裁断し、これを
後述する加工布送り板350によって押圧板30側に送
り込むようにしている。すなわち、裁断装置300によ
って裁断された被加工材Wは、図4の図示左側に位置す
る加工布送り板350の下方まで引き出されるのであ
り、この被加工材Wは加工布送り板350によって縫製
台20上に押圧される。そして、この加工布送り板35
0が図4の図示中央に示した位置までそのまま移動した
後、例えば図5に示したように上動して被加工材Wを解
放して再び現位置(図4の図示左側に示した位置)に復
帰するのである。
【0060】換言すれば、裁断装置300によって裁断
された被加工材Wは、加工布送り板350によって縫製
台20の略中央にまで搬送されるのであり、この縫製台
20の略中央で押圧板30側に受け渡されるのである。
従って、本実施形態の縁縫装置100においては、案内
レール90に形成してある回動部材80のための案内溝
90bは、図7に示したように、案内レール90の右側
半分だけあれば十分なものとなっているのである。
【0061】本実施形態の縫製台20は、図1あるいは
図3等に示したように、縁縫装置100全体の外郭を構
成する機枠10の略中間位置に水平状に支持されるもの
であり、この縫製台20は、被加工材Wを受承すること
は当然として、図1に示したように、ミシン200を支
持しているものである。なお、このミシン200は、そ
のミシン針210の近傍に、前述した被加工材Wのトリ
ミングを行うハサミ(図示しない)を有しているもので
ある。また、このミシン200においては、ハサミの他
に、トリミングした被加工材Wの周囲に縫いつけられる
バイヤステープや縁布等のための供給装置が配置される
こともある。
【0062】本実施形態の縁縫装置100では、図1〜
図3等に示したように、この裁断装置300とミシン2
00との間にラベル投入部360が設けてある。このラ
ベル投入部360は、縫製台20上の被加工材Wと押圧
板30との間に、タオルやハンカチ等の縁に縫いつけら
れるべき製品名や製造者名を記した小さなラベルを投入
するものであるが、その場合には、押圧板30は被加工
材Wからラベル投入に必要な寸法だけ持ち上げられるよ
うになっている。そして、このラベル投入部360によ
って被加工材Wと押圧板30との間に入れられたラベル
は、ミシン200による縁縫い時に単布製品に縫い込ま
れるのである。
【0063】被加工材Wを縫製台20上に押圧する押圧
板30は、図2及び図4に示したようなものであり、具
体的には図15または図26等に示したような形状を有
しているものである。すなわち、この押圧板30は、被
加工材Wを縫製台20上に押圧するに際して、その周囲
から被加工材Wの一部を露出させて、この露出した部分
の被加工材Wに対して、上記のミシン200による裁断
及び縁縫いを許容しながら被加工材Wの縫製台20上に
対する保持を可能にするものである。従って、この押圧
板30は、図26に示したように、完成されるべき単布
製品と相似形のものであり、外形が単布製品より僅かに
小さいものとなっている。
【0064】この押圧板30の形状としては、図26の
(イ)に示したような矩形(正方形や長方形等の四角
形)のものである場合に限らず、例えば図26の(ロ)
に示したような六角形のものであったり、図26の
(ハ)に示したような三角形のものであったりしてもよ
いものである。すなわち、ハンカチ等の布製品の形状に
応じた多角形状のものであってもよいことは、前述した
通りである。
【0065】この押圧板30は、図1あるいは図3等に
示したように、回転軸40の下端に取り付けられるもの
であり、この回転軸40は、支持装置50を介して案内
梁60上に支持されるものである。回転軸40は、図1
2及び図13に示したように、その下端部に、上述した
押圧板30を交換可能に支持するための結合板45を有
しており、その上端部には、側面に複数(本実施形態で
は2本)の切欠を有した板状の連結案内部材43が一体
化してある。また、この回転軸40の略中央部にはピス
トン部42が形成してあり、この回転軸40は、次に説
明する支持装置50の一部をシリンダとしたとき、この
シリンダ内に収納されるピストンとなるものである。
【0066】回転軸40の上部外周には、図12及び図
13に示したように、回動部材80のための取付部44
が一体化してあり、この取付部44の中央を通して回転
軸40の上端が突出していて、この回転軸40の上端に
上述した連結案内部材43が一体化してある。取付部4
4は、図16及び図17に示したように、回動部材80
の中央に形成した長方形状の取付穴82内に部分的に嵌
合するとともに、回動部材80の下面を支承するもので
あり、例えば、図16の(ロ)の図示上下方向の中心線
と、次に述べる結合板45のスライド方向の中心線と
は、回転軸40の上下方向からみたとき、同一位置とな
るようにしてある。
【0067】結合板45は、図12及び図13に示した
ように、回転軸40の下端に一体的に取付けた長方形状
のものであり、この結合板45が押圧板30側の連結部
材32に形成してあるアリ溝32a内に、図12の図示
左方から差し込まれることになるものである。この結合
板45には、特に図12に示したように、ハンドル46
aによって引き上げられるストッパ46が設けてあり、
このストッパ46は、図示しないスプリング等によっ
て、押圧板30側の係止穴32bに常に付勢された状態
で係合するように構成してある。
【0068】以上のような回転軸40の下端側の結合板
45に係合されるべき押圧板30には、その全ての形態
のものについて同じ大きさ・形状の連結部材32が形成
してある。この連結部材32は、図13にも示したよう
に、回転軸40側の回動部材80を包み込むアリ溝32
aを有していて、その一部には、図12に示したよう
に、結合板45側のストッパ46の下端が係合する係止
穴32bが形成してあるものである。
【0069】支持装置50は、図12及び図13に示し
たように、案内梁60上を水平に移動される垂直方向の
支持筒51と、この支持筒51内に回転自在に収納され
てその内部に回転軸40を上下動可能に案内するシリン
ダ部材53と、このシリンダ部材53と回転軸40との
間に形成した上下2つの流体圧室54・55と、これら
各流体圧室54・55内に対する圧力流体の支持筒51
外からの出入を可能にする流体ポートとを備えたもので
ある。
【0070】また、この支持装置50は、案内梁60に
対して水平方向に移動自在にされるものであるから、図
13に示したように、その支持を行うための水平案内ブ
ロック52が支持筒51の一部に一体的に設けてある。
この水平案内ブロック52には、水平方向の案内溝が形
成してあって、この案内溝内に案内梁60側の案内レー
ル61が組み付けられるのである。すなわち、この支持
装置50は、図14に示したように、水平状態に位置す
る案内梁60の案内レール61に対して、図示左右方向
に移動自在に組み付けられるのであり、この支持装置5
0の案内梁60に対する組付けを行っているのが水平案
内ブロック52なのである。
【0071】そして、支持装置50の支持筒51および
その内側のシリンダ部材53に対しては、上下の流体ポ
ート及び流体ポートがそれぞれ形成してあり、各流体ポ
ートは、シリンダ部材53と回転軸40との間に形成し
てあった第1及び第2流体圧室54・55にそれぞれ対
向して開口させたものである。勿論、各流体ポートに
は、圧縮空気等の圧力流体を供給するためのホースが接
続されるものである。これにより、この支持装置50
は、ピストン部42を有した回転軸40を上下動可能に
支持することになるのである。
【0072】さらに、この支持装置50を構成している
シリンダ部材53の上端部側には、図12等に示したよ
うに、後述する回動部材80が水平状に連結されるので
あり、また、このシリンダ部材53の上端には、回転軸
40側の各切欠内に係合する複数の案内支柱56が立設
してある。これら各案内支柱56は、当該シリンダ部材
53に対して、回転軸40を回転不能に支持するもので
あるとともに、シリンダ部材53に対する回転軸40の
上下方向の移動を許容するものである。
【0073】案内梁60は、図3及び図4に示したよう
に、その後端部を機枠10に片持ち支持させたものであ
り、その案内レール61が被加工材Wの搬入方向に対し
て直交する方向に位置した状態で、機枠10に対して、
被加工材Wの搬入方向と平行な方向に案内駆動されるも
のである。この案内梁60の駆動は、機枠10の一部に
設けた駆動装置70により回転駆動されるボールネジ軸
72によってなされるものである。
【0074】本実施形態における駆動装置70は、駆動
モータ71によって駆動力を生じさせるものであるが、
この駆動モータ71による正または逆方向の回転力は、
図示を省略した減速歯車等を介してボールネジ軸72に
伝達されるようにしてある。このボールネジ軸72は、
案内梁60の一部に形成したボールネジ受部に螺合させ
たものであり、このボールネジ軸72が回転されること
により、案内梁60の前進または後退を行なうものであ
る。
【0075】シリンダ部材53の上端に交換可能に連結
してある回動部材80は、図4あるいは図26に示した
ように、ハンカチ等の製品の隅角部の数に対応するアー
ム80aを有するものであり、各アーム80aの先端下
面には、案内ローラ81が設けてある。これらの各案内
ローラ81は、機枠10の上端前部を構成する案内レー
ル90の案内溝90b内に係合されるものである。な
お、この回動部材80の形状は、図26に示したよう
に、完成後の布製品の形状に応じたものであることは、
前述した押圧板30の場合と同様であり、そのように変
更できるものである。
【0076】また、案内レール90は、図6及び図7に
示したような長さと形状を有するものであり、図7及び
図9に示したように、ミシン200におけるミシン針2
10の直上に設けられて、案内ローラ81の1つを係止
させるストッパ91と、このストッパ91に係止された
案内ローラ81の直前の案内ローラ81を外方に送り出
すべく当該案内レール90に形成した送出口92と、ス
トッパ91に係止された案内ローラ81の直後の案内ロ
ーラ81を内部に案内する案内部材94及び送込口93
とを備えているものである。また、この案内レール90
は、図6及び図7の左右両側に示した機枠10上のレー
ル駆動装置400によって、図7の図示上下方向に、機
枠10と平行に移動可能に組付けたものであり、ミシン
200による糸処理時、押圧板30の元位置に対する復
帰時、あるいは角縫いまたは丸縫いの差違による調整時
に、当該案内レール90は図7の図示上方等に機枠10
に対して平行移動されるものである。
【0077】さらに、この案内レール90においては、
図10に示したように、その送出口92を開閉装置90
aのゲート部材95によって開閉自在に覆うとともに、
このゲート部材95の支持軸より外方に連結した開閉用
流体圧シリンダ97aを備えたものとしてある。そし
て、この案内レール90においては、図11に示したよ
うに、その送込口93を、案内レール90側に揺動可能
に支持した案内部材94の前端94aによって開閉自在
に覆うとともに、この案内部材94の前端94aが送込
口93を常に閉じるように、スプリング98によって付
勢するようにしてある。
【0078】これらの送出口92や送込口93は、図7
及び図20に示したように、案内レール90の案内溝9
0b方向に沿って十分長いものとしてある。具体的に
は、種々な大きさの回動部材80側の各案内ローラ81
間の寸法と、案内溝90b内のストッパ91からの送出
口92または送込口93の寸法とが同じになり係るよう
に十分長くしてあるのであり、これにより、回動部材8
0の大きさが変化しても、その各案内ローラ81の案内
溝90b内に対する送込と送出を十分行えるようにして
ある。
【0079】さて、本実施形態の縁縫装置100におい
ては、縫製台20の図1及び図2の図示左方部分、つま
り、押圧板30の前進端に、裁断装置300が設けてあ
る。この裁断装置300は、当該縁縫装置100の左側
背面に設けた原反送り部を有している。この原反送り部
は、長尺な原反を裁断装置300側に案内するもので、
その一部には、所定寸法送り出された原反の後部を挟持
する挟持部が設けてある。被加工材Wとされる原反の一
部には、例えば、単布製品がタオルである場合、タオル
となるべきパイル織り部分と、これらのパイル織り部分
を区別しながら連続させる平織り部分とが存在している
のであるが、挟持部は、この平織り部分を挟持して次の
パイル織り部分の通過を困難にするものであり、これに
より、原反の被加工材Wとなるべき単位毎の送りを制御
するものとなっている。
【0080】原反の挟持部からの縫製台20上への引き
込みは、図1等に示した移送部340によって行うので
あるが、所定寸法引き込まれた原反は裁断しなければな
らない。この裁断を行うのが、当該縁縫装置100の機
枠10背面側に設けたカッター部なのである。また、移
送部340は、その前端に原反の端部を挟持するつまみ
部を有しているもので、このつまみ部によって端部をつ
まんで、原反を縫製台20上に引き込むものである。勿
論、この移送部340は、図1の左端に示した往復動シ
リンダ342によって縫製台20上を往復動されるもの
であり、この往復動シリンダ342の往復動は、上述し
た挟持部やカッター部等と連動されるものであることは
いうまでもない。
【0081】裁断装置300によって原反から所定寸法
のものに裁断された被加工材Wは、上記の移送部340
によって引き出されて縫製台20の左側上に載置される
のであるが、その上方にはこれを縫製台20上に押圧す
る加工布送り板350が、図5に示したように待機して
いる。この加工布送り板350は、その板上下シリンダ
351によって支持梁352に対して支持されるととも
に、この板上下シリンダ351の作動によって上下動す
るものであり、下動したときには被加工材Wを縫製台2
0上に押圧するものである。
【0082】また、この加工布送り板350を支持して
いる支持梁352は、図4に示したように、機枠10の
後部側に回動部材80のための案内レール90と平行に
配置した案内レール353に支持されており、この支持
梁352は梁送りシリンダ354のピストンロッドに連
結してある。この梁送りシリンダ354は、そのシリン
ダを機枠10に固定したもので、図示しないエア供給源
を含む制御装置に接続してあり、これにより駆動制御で
きるようにしてある。
【0083】以上の結果、加工布送り板350は、図4
の図示左側に示した元位置から、図4の図示中央までの
間を梁送りシリンダ354の作動によって往復動するも
のであり、各移動端において板上下シリンダ351によ
る上下動をなすものである。これを被加工材Wの動きに
従って説明すると、元位置上方にあった加工布送り板3
50により、裁断装置300によって裁断された被加工
材Wを縫製台20上に押圧するとともに、そのままの状
態で梁送りシリンダ354が作動することにより、被加
工材Wは図4の図示左方から中央に送り込まれる。その
後、板上下シリンダ351の作動によって加工布送り板
350が上昇して被加工材Wの押圧を解くとともに、梁
送りシリンダ354が作動されて、当該加工布送り板3
50は元位置に復帰して次の被加工材Wのために待機す
るのである。
【0084】なお、本実施形態の縁縫装置100におい
ては、この裁断装置300とミシン200との間にラベ
ル投入部260が設けてある。このラベル投入部360
は、縫製台20上の被加工材Wと押圧板30との間に、
タオルやハンカチ等の縁に縫いつけられるべき製品名や
製造者名を記した小さなラベルを投入するものである
が、その場合には、押圧板30は被加工材Wからラベル
投入に必要な寸法だけ持ち上げられる。そして、このラ
ベル投入部360によって被加工材Wと押圧板30との
間に入れられたラベルは、ミシン200による縁縫い時
に単布製品に縫い込まれるのである。
【0085】そして、本発明に係る縁縫装置100で
は、回動部材80の各案内ローラ81を案内する案内レ
ール90を機枠10に対して平行移動できるようにして
あるが、その平行移動を行うのが、前述したレール駆動
装置400なのである。このレール駆動装置400は、
図6に示したように、機枠10の左右両側に配置したレ
ール410を有しているものであり、このレール410
上には、案内レール90の左右両端を支持しているレー
ル台411が、図7及び図8に示したように、図7の図
示上下方向に移動可能に組付けてある。
【0086】各レール台411には、図8に示したよう
に、糸処理シリンダ413及び退避シリンダ414が順
に連結してあり、退避シリンダ414は、レール410
上を移動可能にした別のレール台411上に固定した支
持板412に連結してある。この支持板412には角丸
調整軸415が螺合させてあって、この角丸調整軸41
5の回転量に応じて、支持板412がレール410上を
移動するようにしてある。角丸調整軸415は、図7に
示したように、機枠10の左右両側にそれぞれ配置して
あるが、これら各角丸調整軸415はその間に配置した
同期軸416によって同期して回転するようにしてあ
る。従って、各支持板412は、同期軸416の軸ハン
ドル417による回転量に応じて各レール410上を同
じ量だけ進退することになり、これにより、案内レール
90が機枠10に対して平行に位置調整されることにな
るものである。
【0087】上記実施形態では、同期軸416を軸ハン
ドル417の回動操作によって回動させるようにしてい
るが、これは、使用される回動部材80の大きさと、角
縫いをするか丸縫いをするかの場合とに応じて、押圧板
30と針位置220との位置を目で確認しながら、手動
操作によって簡単に行えるようにするためである。勿
論、同期軸416の回動操作は、数値制御された駆動モ
ータ等の手段によって行うように実施してもよい。
【0088】以上の、軸ハンドル417の操作による案
内レール90の位置調整は、糸処理シリンダ413及び
退避シリンダ414とは無関係になされるのであるが、
これら糸処理シリンダ413及び退避シリンダ414は
次のような場合に作動するものである。すなわち、まず
糸処理シリンダ413は、被加工材Wの縁縫いが完了し
た時点で糸処理を行い易くするために、案内レール90
を図8の図示右方に引き込むものである。換言すれば、
縁縫い終了時点では、被加工材Wとミシン針210とは
同じ位置にあって、そのままでは終了時の糸処理が行え
ないので、糸処理シリンダ413により被加工材Wとミ
シン針210とを引き離して、糸処理を行えるようにし
ているのである。
【0089】これに対して退避シリンダ414は、縁縫
い作業が終わった押圧板30が、次の被加工材Wを受取
に行く際に作動するものであり、その際には案内レール
90を前述した糸処理シリンダ413の場より大きく引
き込むものである。このようにすることにより、元位置
に復帰しようとする押圧板30がミシン200と干渉し
ないようにして、縁縫装置100全体の安全性を確保す
るものである。
【0090】ところで、単布製品の各隅角部が丸味をお
びたものであって、その丸い隅角部の縁縫いを行う場合
には、押圧板30によって回転される被加工材Wの隅角
部には、ミシン300の押え金による押圧力によってシ
ワができ易く、きれいな縁縫いが行えないことがある
が、その場合には、次の2つの操作を行うようにすると
よい。
【0091】第1の操作は、例えば押圧板30によって
被加工材Wが回動し始める直前に、ミシン300の押え
金を僅かに浮かせることである。この押え金の浮かせ量
は、被加工材Wの厚さによって異なることがあるが、押
え金による押圧力を弱くするためであるから、略2〜3
mm程度上昇させるとよい。第2の操作は、押え金が上
昇すると同時に、押え金の近傍から被加工材Wの表面に
エアを吹き付けることである。このエアの吹き付けの方
向は、被加工材Wの回動によってシワができるのを防止
するのが目的であるから、被加工材Wの回動方向と同じ
方向である。以上の2つの操作を行えば、押圧板30に
よって回動される被加工材Wの各隅角部に生じるシワは
伸ばされるから、縁縫いは完全な状態で行われることに
なるのである。
【0092】本実施形態の縁縫装置100では、縁縫い
がなされて完成された単布製品を、図18及び図19に
示したように、その図示右側に設けた製品搬送装置50
0によって機外に搬出するようにしている。この製品搬
送装置500は、縫製台20の後端側にある単布製品の
端部を、前後動装置511により往復動するつかみ装置
510によってつかみ、それを昇降台514上に順次積
み重ねるようにしたものである。
【0093】ところで、つかみ装置510によって縫製
台20上に載置されている単布製品の端部つかむために
は、このつかみ装置510の少なくとも下側部分が通過
する部分が縫製台20側になければならない。そこで、
本実施形態の縁縫装置100では、図19にも示したよ
うに、その縫製台20の右端部につかみ装置510が通
過し得る挿入溝23が複数形成してある。これらの挿入
溝23の左端側は、小さい単布製品の端部もつかめるよ
うに、大きな被加工材Wの押圧を行う押圧板30の回動
範囲内に出したものとしてある。
【0094】このように、押圧板30の回動範囲内に各
挿入溝23が延在していると、その押圧板30の回動の
際に各挿入溝23が段差となって異音の発生等の障害を
生ずる可能性があるから、本実施形態では、各挿入溝2
3の図示左側部部内に上下板513を上下動可能に収納
して、大きな被加工材Wの加工を行う際にはこの上下板
513を縫製台20下に設けた上下シリンダ513aに
よって上昇させ、これらの上下板513の上面と縫製台
20とが同一になるようにし、押圧板30の円滑な回転
が行えるようにしてある。勿論、このつかみ装置510
は、図18に示したつかみ駆動機512によって駆動さ
れるものである。
【0095】さて、単布製品は、つかみ装置510によ
って当該縁縫装置100の外側に引き出されて昇降台5
14上に順次積み重ねられるのであるが、当該単布製品
が既に引き出されている単布製品上を引きずられると、
この前の単布製品の位置ズレを生じてしまうから、本実
施形態の製品搬送装置500では、図18に示したよう
に、一旦一時載置板515上に引き出しておいて、この
一時載置板515を引き込ませることにより順次積み重
ねるようにしている。すなわち、この製品搬送装置50
0では、縫製台20の後端と後退したつかみ装置510
との間に、このつかみ装置510の往復動方向と直交す
る方向に進退される一時載置板515を有しているので
あり、この一時載置板515は、つかみ装置510の往
復動路の下方に配置してあって、つかみ装置510の動
きとは干渉しないようにしてある。
【0096】なお、単布製品が順次積み重ねられる昇降
台514は、単布製品の量に応じて順に降下していくも
のであり、単布製品が積み重ねられるべき上面が略一定
の位置となるうように制御されているものである。
【0097】
【発明の効果】以上詳述した通り、まず請求項1に係る
発明においては、上記実施形態にて例示した如く、「機
枠10に水平状に支持された縫製台20上の被加工材W
を押圧する押圧板30と、この押圧板30と一体的な回
転軸40を支持する案内梁60と、この案内梁60を移
動させる駆動装置70と、押圧板30と回転軸40を介
して一体化される回動部材80と、この回動部材80に
設けた複数の案内ローラ81を案内すべく機枠10に設
けた案内レール90と、押圧板30にて押圧された被加
工材Wの縁縫いを行うミシン200とを備えて、被加工
材Wを押圧している押圧板30及びこれと一体的な回動
部材80の前後動及び所定角度の回転を、駆動装置70
による案内梁60の往復動のみによって行えるようにし
た縁縫装置100であって、案内レール90を機枠10
に対して平行移動可能に組付けることにより、各被加工
材Wの隅角部を角縫いする際の、当該案内レール90の
案内溝90bのミシン200の針位置より外側への配置
と、各被加工材Wの隅角部を丸縫いする際の、案内溝9
0bの針位置より内側への配置との選択を自由に行える
ようにするとともに、回動部材80と一体的に元位置に
復帰する際に、押圧板30がミシン200から退避でき
るようにし、案内レール90内のストッパ91に係合し
ている案内ローラ81とその前後の案内ローラ81との
間隔の変化に応じて、各案内ローラ81の案内溝90b
からの送出及び送込を行えるようにすべく、案内レール
90の送出口92及び送込口93の大きさを十分なもの
として、回動部材80及び押圧板30を回転軸40に対
して交換自在としたこと」にその特徴があり、これによ
り、種々な形態の単布製品等の縁縫い作業を高速で行う
ことができて汎用性が高く、しかも装置全体の構成を非
常に簡略化することができ、結果として単布製品等の縁
縫いに対するコスト軽減を図ることができる縁縫装置1
00を提供することができる。
【0098】また、請求項2に係る発明においては、上
記請求項1に係る縁縫装置100について、「押圧板3
0を回転軸40の下端に対して水平方向に抜差自在に取
付けるとともに、回転軸40の上部に角形の取付部44
を形成して、この取付部44に回動部材80の中心に形
成した取付穴82を挿通するようにし、この回動部材8
0を取付部44側に押圧して固定して、当該回動部材8
0及び押圧板30の回転軸40側に対する取付けを一定
方向で行えるようにしたこと」にその特徴があり、これ
により、上記請求項1に係る発明の目的をより一層確実
に達成することができ、単布製品の形態に応じた縁縫い
作業の変更を非常に簡単にできるようにして、単布製品
の縁縫作業時間を短縮することのできる縁縫装置100
を提供することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る縁縫装置の概略正面図である。
【図2】 同縁縫装置の縫製台上の状態を概略的に示す
平面図である。
【図3】 同縁縫装置の概略右側面図である。
【図4】 同縁縫装置の回動部材、これを支持している
回転軸の案内梁、駆動装置、及び加工布送り板のための
梁送りシリンダとの関係を概略的に示した平面図であ
る。
【図5】 同縁縫装置の加工布送り板と板上下シリンダ
との関係を概略的に示した側面図である。
【図6】 同縁縫装置を構成している案内レールの状態
を中心に示した正面図である。
【図7】 同案内レールとレール駆動装置との関連を示
す平面図である。
【図8】 同右側側面図である。
【図9】 図6中の1−1線に沿ってみた部分拡大断面
図である。
【図10】 案内レールに形成してある送出口の構造を
示す部分拡大断面図である。
【図11】 案内レールに形成してある送込口の構造を
示す部分拡大断面図であり、(イ)は案内ローラが案内
溝内に入る時、(ロ)は案内ローラが案内溝内に入った
ときをそれぞれ示している。
【図12】 押圧板と回動部材とを連結している回転軸
の周囲の構造を示す一部破断拡大正面図である。
【図13】 同回転軸を示す一部破断拡大側面図であ
る。
【図14】 案内レールの案内溝とミシン針との位置関
係を示す縁縫装置の概略側面図である。
【図15】 形状の違い、被加工材及び針位置との関係
を示す回動部材の平面図である。
【図16】 回転軸側の押圧脚と、これによって固定さ
れた回動部材との関係を示すもので、(イ)は部分拡大
断面図、(ロ)は回動部材の中央部分の平面図である。
【図17】 押圧脚による固定が解かれたときの回動部
材を示すもので、(イ)はその部分拡大断面図、(ロ)
は回動部材の部分平面図である。
【図18】 本発明の縁縫装置に製品搬送装置を付設し
たときの部分正面図である。
【図19】 図18の製品搬送装置と機枠との関係を示
す部分拡大平面図である。
【図20】 回動部材の案内レールに対する各案内ロー
ラによる案内状態を概略的に示す平面図である。
【図21】 角縫いをするときの回動部材と被加工材と
の関係を順を追って示した平面図である。
【図22】 図21に示した押圧板がミシン針に対して
どう動いて角縫いするかを示した部分拡大平面図であ
る。
【図23】 丸縫いするときの回動部材と被加工材との
関係を順を追って示した平面図である。
【図24】 図23に示した押圧板がミシン針に対して
どう動いて丸縫いするかを示した部分拡大平面図であ
る。
【図25】 角縫い及び丸縫いの具体例を示すもので、
(イ)は正方形の製品に角縫いをしたもの、(ロ)は同
製品に丸縫いしたもの、(ハ)は長方形の製品に角縫い
をしたもの、(ニ)は同製品に丸縫いしたものをそれぞ
れ示している。
【図26】 本発明の縁縫装置によって縁縫いが形成さ
れる単布製品の他の例を示した平面図である。
【図27】 従来の縁縫装置を示す平面図である。
【図28】 従来の別の縁縫装置を示すもので、(イ)
は正面図、(ロ)はカム部材の拡大平面図、(ハ)は被
加工材の動きを段階を追って示した平面図である。
【符号の説明】
100 縁縫装置 10 機枠 12 弾性ストッパ 16 圧縮スプリング 17 スイッチ 20 縫製台 21 ミシン台 23 挿入溝 30 押圧板 31 スプリング 32 連結部材 32a アリ溝 32b 係止穴 40 回転軸 41 押圧板取付部 42 ピストン部 43 連結案内部材 44 取付部 45 結合板 46 ストッパ 46a ハンドル 47 押圧脚 48 押圧ハンドル 50 支持装置 51 支持筒 53 シリンダ部材 60 案内梁 61 案内レール 70 駆動装置 72 ボールネジ軸 80 回動部材 80a アーム 81 案内ローラ 82 取付穴 90 案内レール 91 ストッパ 92 送出口 93 送込口 94 案内部材 94a 前端 95 ゲート部材 96 開閉シリンダ 97a 開閉用流体圧シリンダ 98 引張スプリング 200 ミシン 210 ミシン針 220 針位置 300 裁断装置 340 移送部 350 加工布送り板 351 板上下シリンダ 352 支持梁 353 案内レール 354 梁送りシリンダ 360 ラベル投入部 400 レール駆動装置 410 レール 411 レール台 412 支持板 413 糸処理シリンダ 414 退避シリンダ 415 角丸調整軸 416 同期軸 417 軸ハンドル 500 製品搬送装置 510 つかみ装置 511 前後動装置 512 つかみ駆動機 513 上下板 513a 上下シリンダ 514 昇降台 515 一時載置板 W 被加工材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−26480(JP,A) 特開 平4−189388(JP,A) 特開 平7−124357(JP,A) 特開 平7−171281(JP,A) 特開 平9−155085(JP,A) 特許2716343(JP,B2) 特許2733028(JP,B2) 特公 平6−83751(JP,B2) 実公 平3−6290(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05B 35/00 - 35/12 D05B 21/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機枠に水平状に支持された縫製台上の被
    加工材を押圧する押圧板と、この押圧板と一体的な回転
    軸を支持する案内梁と、この案内梁を移動させる駆動装
    置と、前記押圧板と回転軸を介して一体化される回動部
    材と、この回動部材に設けた複数の案内ローラを案内す
    べく前記機枠に設けた案内レールと、前記押圧板にて押
    圧された被加工材の縁縫いを行うミシンとを備えて、前
    記被加工材を押圧している押圧板及びこれと一体的な回
    動部材の前後動及び所定角度の回転を、前記駆動装置に
    よる前記案内梁の往復動のみによって行えるようにした
    縁縫装置であって、 前記案内レールを前記機枠に対して平行移動可能に組付
    けることにより、各被加工材の隅角部を角縫いする際
    の、当該案内レールの案内溝の前記ミシンの針位置より
    外側への配置と、各被加工材の隅角部を丸縫いする際
    の、前記案内溝の針位置より内側への配置との選択を自
    由に行えるようにするとともに、前記回動部材と一体的
    に元位置に復帰する際に、前記押圧板が前記ミシンから
    退避できるようにし、 前記案内レール内のストッパに係合している案内ローラ
    とその前後の案内ローラとの間隔の変化に応じて、各案
    内ローラの前記案内溝からの送出及び送込を行えるよう
    にすべく、前記案内レールの送出口及び送込口の大きさ
    を十分なものとして、 前記回動部材及び押圧板を前記回転軸に対して交換自在
    としたことを特徴とする単布製品のための縁縫装置。
  2. 【請求項2】 前記押圧板を前記回転軸の下端に対して
    水平方向に抜差自在に取付けるとともに、 前記回転軸の上部に角形の取付部を形成して、この取付
    部に前記回動部材の中心に形成した取付穴を挿通するよ
    うにし、この回動部材を前記取付部側に押圧して固定し
    て、 当該回動部材及び前記押圧板の回転軸側に対する取付け
    を一定方向で行えるようにしたことを特徴とする請求項
    1に記載の単布製品のための縁縫装置。
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