JP3076382B2 - 半導体膜作製方法 - Google Patents

半導体膜作製方法

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JP3076382B2 JP02418295A JP41829590A JP3076382B2 JP 3076382 B2 JP3076382 B2 JP 3076382B2 JP 02418295 A JP02418295 A JP 02418295A JP 41829590 A JP41829590 A JP 41829590A JP 3076382 B2 JP3076382 B2 JP 3076382B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温工程によってN型
またはP型の半導体すなわち一導電型を有する半導体膜
を得る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低温工程によって、一導電型を有する半
導体を得る方法としては、イオン打ち込み法によるも
の、スパッタ法によるもの等が知られている。
【0003】しかしながらイオン打ち込み法による方法
は、生産性において問題があり、またスパッタ法による
方法は、200℃以下の低温で行え、しかも生産性にも
優れるという特徴を備えるが、成膜された半導体膜の電
気的特性が低く(例えばスパッタによって得た半導体膜
を用いて作ったデバイスの電気的特性が低い)実用にな
らなかった。
【0004】従来スパッタ法によってP型またはN型の
半導体膜を得る方法としては、例えば一導電型の珪素膜
を得ようとするならば単結晶シリコンに一導電型を付与
する不純物を添加したターゲットを用いて、アルゴンの
みを用いた雰囲気中においてスパッタリングをするか、
P型またはN型を付与する不純物が添加されていない単
結晶シリコンターゲットを用いて一導電型付与する元素
を含んだ反応ガス(例えばフォスヒン)を添加したアル
ゴン雰囲気中でスパッタリングをするのが公知の方法で
あると考えられている。しかし従来の方法においては1
−5(Ωcm)−1以上の導電率を有するP型または
N型の半導体膜を得ることができなかった。これはP型
またはN型の導電型を付与する不純物が半導体中で置換
してドナーまたはアクセプターとならないからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温で成膜
でき、生産性にも優れたスパッタ法を用いて導電率の高
い一導電型を有する半導体膜を作製することを発明の課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、水素を含んだ
アルゴンのごとき不活性雰囲気中の水素の分圧比が30
%以上である雰囲気中で、P型またはN型の一導電型を
付与する元素であるIII価またはIV価の元素が好ま
しくは1×1017cm−3以上添加された単結晶また
は多結晶の半導体ターゲットを用いたスパッタリングに
よる成膜を行なうことによって、P型またはN型の一導
電型を有する半導体膜を作製することを特徴とする半導
体の作製方法である。
【0007】本発明の特徴は、300℃以下の成膜温度
(基板温度)において、単結晶または多結晶のシリコン
ターゲットに導電率が100(Ωcm)−1〜0.1
(Ωcm)−1となるように一導電型を付与する不純物
であるIII価またはIV価の元素を添加したターゲッ
トを用いて、水素を含む雰囲気中においてスパッタリン
グによって成膜を行い、このスパッタリングによって得
られた膜の導電率をターゲットの導電率の1/100〜
1/3の値、すなわち0.1(Ωcm)−1以上の導電
率を有するN型またはP型の半導体を得ることにある。
【0008】また本発明の構成において、基板は接地
(アース)されていてもよいが、基板に対するイオンの
スッパッタリングの影響を小さくするために基板(一般
的にはガラス基板、シリコン基板等が用いられる)を電
気的にフローティング、すなわち周囲から絶縁状態にす
るとよい。
【0009】水素の分圧比が30%以上である雰囲気中
において、スパッタリングを行なうのは、水素分圧が3
0%以上である雰囲気中でのスパッタリングによって得
られた一導電型を有する半導体の導電率が10−2(Ω
cm)−1以上得られるという実験事実に基づくもので
ある。
【0010】スパッタリング成膜に用いるターゲットは
珪素半導体膜を形成するのであれば、N導電型を付与す
る不純物であれば、リン(P)、砒素(As)、アンチ
モン(Sb)、P型の導電体を付与する不純物であれば
ボロン(B)、アルミ(Al)等が添加された単結晶ま
たは多結晶シリコンターゲットを用いることができる。
また単結晶または多結晶の半導体ターゲットとしては、
珪素すなわちシリコンを用いるのみでなく成膜される半
導体膜によって、Ge、Se、や化合物半導体例えばガ
リウムひそ、ガリウムアンチモン等を用いてもよい。
【0011】本発明の構成において、成膜後の一導電型
を有する半導体膜に700℃以下の温度で熱アニールを
行ってもよい。
【0012】しかしながら本発明の構成をとることによ
って、従来はスパッタ法やCVD法によって得た一導電
型を有する半導体膜を熱アニールすることによって得て
いた10−2(Ωcm)−1以上の導電率を低温(15
0℃以下)でスパッタリングすることによって得ること
ができることは大きな特徴である。このことは、図3に
示す成膜直後のアニールしていない本発明方法によって
得たN型半導体膜のラマンスペクトルをみれば明らかで
ある。図3を見ると、水素の分圧が50%の雰囲気中に
おけるスパッタリングによって得たN型半導体膜のラマ
ンスペクトルは、単結晶珪素(c−Si)のピークであ
る521cm−1より波数が低いところに結晶性を示す
ピークが表れていることがわかる。
【0013】本発明の構成は、珪素半導体に限らず他の
半導体に適用できることはいうまでもない。例えば、一
導電型を付与する不純物(例えばボロン、リン)が添加
されたシリコン(珪素)とゲルマニウムのターゲットを
同時に用いることによって、一導電型を有するSi
1−xの半導体膜を得ることができる。この場合、そ
れぞれのターゲットの面積を変えることで、半導体膜の
組成比を変えることができるという別の特徴を有する。
この思想によれば、さらに複数のターゲットを同時に用
いることでさらに複雑な組成比を有する半導体膜を得る
こができる。
【0014】
【実施例1】本実施例は、図1に示すマグネトロン型R
F即スッパッタ装置を用いてN型珪素半導体膜を作製す
るものである。以下図1に示すマグネトロン型RFスパ
ッタ装置について説明する。以下図1のマグネトロン型
RFスパッタ装置の概略を説明する。
【0015】図1において、(12)は基板、(13)
は必要に応じて回転することのできるホルダー、(1
4)は基板加熱用のヒーター、(15)はガス導入系、
(17)はガス導入系のバルブ、(18)はガス供給系
例えば水素が充填されたボンベである。この第1図にお
いては一種類のガス供給系しか記載されていないが、そ
の他必要に応じてアルゴン、フォスヒン、ジボラン、窒
素等のガス供給系を備えてもよく、この際ガス導入系を
複数設け同時に反応室内にガスを導入できるようにして
もよい。また、(19)は高周波電源(13.56MH
z)であり、(20)は高周波マッチング装置であり、
(21)は必要に応じて回転する永久磁石(22)を円
形上に設けたマグネトロン部分である。
【0016】さらに(23)はスパッタ粒子(スパッタ
された原子やクラスタ、イオン等)が基板に到達しない
ようにするためのシャッターである。このシャッター
(23)はスパッタリング開始直後に不純物がスパッタ
粒子となって基板に到達するのを防ぐものであるが、必
要に応じてスパッタ粒子が被形成面に到達しないように
用いることができる。(24)はターゲットである。タ
ーゲットは必要に応じて不純物元素例えばリン、ボロ
ン、弗素を混入させることにより不純物がドーピングさ
れた薄膜を成膜をすることができる。(25)はガス排
気系であり、(26)はターボ分子ポンプ、(27)は
油回転ポンプである。また(28),(29)は排気系
のバルブである。さらに(34)はさらに高い高真空状
態や特定の不純物を排気するためにクライオポンプ(3
1)、回転ポンプ(33)を備えた排気系(34)を備
えている。なお(30),(33)はこの排気系(3
4)のバルブである。
【0017】このうちクライオポンプが設けられた排気
系(34)は主として、成膜前の高真空排気に用いら
れ、10−10Torr程度まで反応紙湯を排気でき、
反応室内に吸着している気体や分子を排気することがで
きる。特に成膜前の高真空排気は膜中に含まれる酸素、
炭素、窒素の不純物量を減らすことに対して有効であ
る。本実施例においては、基板(12)の加熱はヒータ
ー(14)によって行ったが、赤外線ランプで行っても
よい。
【0018】本実施例において、ターゲットは一導電型
を付与する不純物であるアンチモンが添加された抵抗率
ρ=0.60Ωcmである溶融シリコンターゲットを用
いたが、他の一導電型を付与する不純物例えばN型であ
ればAs、Sb、P形であればBを用いることができる
ことはいうまでもない。またターゲットの導電率を熱ア
ニール等の方法でできるだけ高くすることは効果があ
る。成膜条件は、水素とアルゴンの混合雰囲気中におい
て、水素分圧をパラメータとし、成膜温度150℃、圧
力0.5pa、RFパワー400Wで、膜厚2000Å
の厚さに成膜した。
【0019】図2に本実施例によって得られたN型半導
体膜の導電率σ(Ωcm)−1と成膜時の雰囲気中にお
ける水素の体積%との関係を示す。第2図を見ると、ス
パッタリング時における水素分圧が30%以上でσ=1
−2(Ωcm)−1以上の値が得られていることがわ
かる。
【0020】また図3に本実施例において得られたラマ
ンスペクトルを示す。図中に示すように水素分圧P
全圧であるPに対して大きくすると単結晶性珪素のピ
ークである521cm−1より低いところに鋭いピーク
が生じることがわかる。
【0021】一般にσ=10−1(Ωcm)−1以上の
値を得ることができば、絶縁ゲイト型電界効果トランジ
スタのソース、ドレイン領域として十分に実用になる。
このことを考えると、本発明である水素が添加された不
活性雰囲気中におけるスパッタリングによって得られた
一導電型を有する珪素膜(この場合はN型珪素膜)は大
面積に成膜することができるので、従来の不純物イオン
ドーピング等に比べ、経済性を備えると同時に電気的特
性に優れた一導電型を有する半導体膜であるといえる。
【0022】本発明の構成においては、これらの方法に
よって形成された被膜は、酸素が7×1019cm−3
以下、好ましくは1×1019cm−3以下の濃度であ
ることが好ましい。例えばSIMS(二次イオン質量分
析)法における不純物として酸素が8×1018cm
−3、炭素3×1016cm−3を得た。また水素は4
×1020cm−3であり、珪素4×1022cm−3
として比較すると1原子%であった。
【0023】本実施例においては、図1に示すマグネト
ロン型RFスパッタ装置に示されている排気系(34)
に備えられているクライオポンプを用いることによって
特定の不純物例えば酸素、炭素、窒素を選択的に排気す
ることは、スパッタ成膜される半導体膜の膜質を高める
ために大きな効果がある。例えば一導電型を付与する不
純物が添加されたP型またはN型の半導体膜の膜中にア
クセプターまたはドナーとして寄与する不純物以外に酸
素、炭素、窒素の不純物が存在すると、その半導体膜を
用いてデバイスを作製した時のデバイスの性能に悪い影
響を与える。例えば太陽電池を構成する半導体層に酸素
元素が混入すると変換効率や耐久性の劣化を招くことが
ある。よってこれら酸素、炭素、窒素等の不純物を効率
よく排気することによって、半導体膜にたいする悪影響
を防止することができる。
【0024】本実施例において用いた図1に示されるス
パッタ装置に備えられている吸着ポンプであるクライオ
ポンプを用いることによって酸素、炭素、窒素等の不純
物からなる分子を効率よく排気することができる。例え
ば本実施例において、ターボ分子ポンプが備えられてい
る排気系(25)のみを用いて成膜を行った場合、形成
された膜中に含まれる酸素濃度はSIMS(二次イオン
質量分析)法によると、3×1019cm−3程度であ
ったが、同じ成膜圧力でもクライオポンプが備えられた
排気系(34)を併用することによって形成された膜中
に含まれる酸素濃度は6×1018cm−3とすること
ができた。また形成された被膜中の炭素濃度は3×10
16cm−3を得ることができ、水素は4×1020
−3であり、珪素4×1022cm−3として比較す
ると1原子%であった。
【0025】本発明の構成においては、2.5pa程度
の比較的高い成膜圧力がよいことがデータとして得られ
ているので、超高真空状態での成膜を行うのは不適格で
ある。よって、前述したように酸素、炭素、窒素を吸着
分子として排気することのできるクライオポンプの使用
は顕著な効果を有する。さらに本発明においてはアルゴ
ンのごとき不活性気体と水素の混合雰囲気中において、
スパッタリングによって成膜をするので、最も問題とな
る不純物である酸素が水素と結合して分子となって反応
空間内に存在する。よって前述のごとくクライオポンプ
を用いると効率よくこの酸素と水素から成る分子を排気
することができる。さらに本発明の構成のようにP型ま
たはN型の導電型に寄与する不純物(例えばリン、アン
チモン)を含有しなければならない半導体膜を形成する
場合、反応ガスを用いたCVD法等の気相成長法におい
ては、気相中に導電型に寄与する不純物を添加せねばな
らないので、必然的に不要な不純物が混入してしまう問
題がある。このような問題を解決する方法としては極め
て純度の高い反応ガスを用いて特殊な反応炉を用いる方
法があるが、コストの問題と生産性の悪さが問題とな
る。
【0026】以上のことより本実施例のように、ターボ
分子ポンプ、クライオポンプを併用し、反応ガスを用い
ない水素を含有した不活性雰囲気中におけるスパッタリ
ングによって半導体膜、とくに一導電型を付与するII
I価、V価の元素を含んだ半導体膜を作製する方法は、
成膜される半導体膜中の不要な不純物である酸素、炭
素、窒素を効率よくに排気でき、しかも究めて低コスト
で生産性に優れた方法であるといえる。
【0027】本発明の構成において、成膜後のN型の半
導体膜に700℃以下の温度で熱アニールを行ってもよ
い。しかし成膜温度が200℃以上になると結晶性が悪
くなるので、スパッタリング時における成膜温度は20
0℃以下好ましくは100℃以下がよい。このことは図
4をみれば明らかである。図4は本実施例において、水
素分圧が50%の条件において、成膜後600℃で72
時間の熱アニールを行った膜のXRD強度と成膜温度の
関係を示したものである。この図を見ると200℃付近
の温度で成膜した膜の結晶性はほとんどないことがわか
る。
【0028】図4において示される傾向は以下のモデル
によって説明することができる。本実施例におけるスパ
ッタリングによって得られる珪素膜は、スパッタ時にお
いて水素が多量に存在している雰囲気において、スパッ
タリングされるので、ターゲットを構成する元素は、原
子が数十から数十万のクラスタとなってターゲットから
飛び出しクラスタが水素プラズマ中を飛翔する間にクラ
スタの不対結合手が水素によって中和され、このクラス
タは基板に到達する。この際、ターゲット中において、
P型またはN型の導電型を付与する不純物は、アクセプ
タまたはドナーとして作用しているので、前記基板に向
かって飛翔中のクラスタ中においてもアクセプタまたは
ドナーとなっている。そのためこのクラスタが基板に到
達し珪素膜を形成した場合、前記P型またはN型の導電
型を付与する不純物は、アクセプタまたはドナーとして
スパッタリングによって成膜された膜中において作用す
るという特徴を有する。不対結合手が水素によって中和
されたクラスタがターゲットから基板に到達する際にお
いて、成膜時の温度が高いと珪素クラスタの不対結合手
を中和している水素が離れてしまい基板上において、ク
ラスタ同士が結合することができず秩序を構成すること
ができない。従って200度以上の雰囲気中いおいて成
膜された珪素膜を熱アニールした場合、より秩序性の高
い状態になろうとすることができず結果としてXRD強
度がでないのである。これに対して、成膜時の温度が低
い場合には前記スパッタリングされた粒子である珪素の
クラスタが基板上において、水素を介して結合する。そ
の結果比較的高い秩序状態が実現される。この膜を45
0度から700度の温度で熱アニールすることによって
水素を介して結合している珪素クラスタが珪素原子同士
の結合になり、より高い秩序秩序状態に移行し、存在す
る珪素により互いの結合がなされるため、珪素同志は互
いにひっぱりあう。結晶としてもレーザラマン分光によ
り測定すると、単結晶の珪素のピーク521cm−1
り低周波側にシフトしたピークが観察される。この52
1cm−1より低周波側にシフトしたピークは、弱い格
子歪みを有した結晶性の状態を示している。またその見
掛け上の粒径は半値巾から計算すると、50〜500Å
とマイクロクリスタルのようになっているが、実際はこ
の結晶性の高い領域は多数あってクラスタ構造を有し、
その各クラスタ間は互いに珪素同志で結合(アンカリン
グ)がされたセミアモルファス構造の被膜を形成させる
ことがでる。したがって成膜温度の低い状態(150℃
以下の雰囲気)のスパッタリングによって得られた珪素
膜はその秩序性が熱アニールによってさらに助長れるの
に対して、基板温度の高い状態で成膜された膜は前述の
通り初めから秩序性を有せず熱アニールしても各クラス
タ間が互いに珪素同志で結合(アンカリング)がされた
セミアモルファス構造の被膜を形成させることができ
ず、XRDのピークもほとんどでないのである。
【0029】本発明のおいては、ターゲットとして単結
晶、多結晶の半導体ターゲットを用い、そのターゲット
中にP型またはN型の導電型を付与する不純物であるI
II価またはV価の不純物を100%イオン化した状
態、すなわち完全にIII価またはV価の不純物をアク
セプタまたはドナーとして置換せしめ、このターゲット
を水素を含む雰囲気中においてスパッタリングすること
によって前記不純物がその内部でアクセプタまたはドナ
ーとして置換されているクラスタが基板に向かって飛翔
し水素プラズマによって不対結合主を中和しつつ基板に
到達するので、スパッタリングによって成膜される半導
体膜中における前記III価またはIV価の不純物が高
いイオン化率を有し、これら不純物がアクセプタまたは
ドナーとして置換せしめ、イオン化率を高めることがで
きた。
【0030】本発明の構成は、珪素半導体に限らず他の
半導体に適用できることはいうまでもない。例えば、一
導電型を付与する不純物が添加されたシリコン(珪素)
とゲルマニウムのターゲットを同時に用いることによっ
て、一導電型を有するSiGe1−xの半導体膜を得
ることができる。この場合、それぞれのターゲットの面
積を変えることで、半導体膜の組成比を変えることがで
きる。この思想によれば、さらに複数のターゲットを同
時に用いることでさらに複雑な組成比を有する半導体膜
を得るこができる。
【0031】またスパッタリング時において、その雰囲
気中にハロゲン元素を添加し、水素と同様にスパッタ原
子のクラスタの不対結合手を中和するためにNF等を
0.1〜10%程度添加してもよい。
【0032】
【実施例2】本実施例は、図1に示すマグネトロン型R
Fスパッタ装置を用いてボロン(B)が添加されたP型
のSiGe1−xの半導体膜を得たものである。本実
施例においては、マグネトロン型RFスパッタ装置を用
いて圧力2.5pa、RFパワー200W、基板温度1
00℃で、水素分圧比80%の水素とアルゴンの混合雰
囲気下においてスパッタリングを行い、その後600
℃、7272時間の熱アニールを行ったN型のSi
1−x半導体膜である。なおシリコン、ゲルマニウム
の単結晶ターゲットはリンが1×1017cm−3以上
含まれた溶融基板を同面積づつ複数分散して配置し、さ
らに基板側を遊星回転によって回転させることによって
基板上に形成されるN型のSiGe1−x半導体膜の
均一性を高めた。
【0033】本実施例においてもシリコンおよびゲルマ
ニウムの単結晶ターゲット中のリンがドナーとして置換
されているので、本発明の特徴であるターゲットの導電
率の1/100〜1/3の導電率を有するP型の半導体
を作製することができる。
【0034】反応圧力を2.5paと高くしたのは、本
発明者の行った図5に示す実験結果に基づくものであ
る。図5は成膜後に600℃、72時間の熱アニールを
行ったN型の珪素半導体膜の成膜時の圧力とXRD強度
(ITENSITY)との関係を示したものである。図
5のデータが得られた成膜条件は、単結晶または多結晶
のシリコンターゲット中にリンをターゲットの抵抗率が
2〜3KΩcmになるように添加したものを用い、成膜
温度は150℃、RFパワーは400W、雰囲気は水素
分圧比(P/P)が30%の水素とアルゴンの混合
雰囲気中である。そして成膜後不活性雰囲気中において
600℃、72時間の熱アニールを行ったものである。
図5より反応圧力は2.5pa程度がよいことがわか
る。
【0035】RFパワーを200Wとしたのは、図6に
示す実験結果に基づくものである。図6に示されるデー
タは、前記図5において示される作製条件と同様な条件
において、成膜圧力を0.5paとした場合における成
膜時の投入パワーとXRDの強度(ITENSITY)
との関係をしめしたものである。図5よりスパッタリン
グ時の投入パワーは200W程度の比較的低い値がよい
ことがわかる。
【0036】本実施例において、基板温度を100℃と
したのは、図4に示す実験結果に基づくものである。図
4に示されるデータは図5に示される場合と同様な作製
条件において、基板温度と得られた膜のXRD強度の関
係を示したものである。この図4を見ると、成膜温度
(この場合は基板温度)は100℃以上では、熱アニー
ル後の膜の結晶性が低くなるのに対して、100℃以下
で成膜した場合は、熱アニール後の膜の結晶性が高いこ
とがわかる。これは前述したように、低温で成膜すると
スパッタされた珪素のクラスタが雰囲気中の水素によっ
て結合し、さらに熱アニールによって珪素クラスタ同士
の結合を形成するため、熱アニールを行ってもその結晶
性が保存、助長されるためである。
【0037】本実施例においてもターゲットの導電率を
高くすることで、スパッタ膜の導電率を高くすることが
できる。これは、前述したようにターゲット中において
アクセプターまたはドナーとなった不純物は、水素を含
む雰囲気中におけるスパッタリングにおいて成膜された
膜中で、高いイオン化率で存在し、アクセプターまたは
ドナーとして置換されるため、ターゲットの導電率の1
/100〜1/3という高い導電率を有するPまたはN
型の半導体膜を得ることができるからである。
【0038】
【実施例3】本実施例は、実施例2と同様な条件によっ
て、Si1−x、(0≦X≦1)のリンが混入した
N型半導体膜を得たものである。本実施例においては、
珪素と炭素のターゲットを細かく分散して配置し、かつ
その量を変えることで化学量論比をかえることができ
る。この場合、作製される膜の均一度を増すためにター
ゲットまたは基板を回転させた。
【0039】なお本明細書中における実施例において
は、一導電型を半導体に対し付与する元素であるリン、
ボロン等が添加されたターゲットを用いたが、これら不
純物が添加されていないSi、Ge、Six Ge1-X (0<x<
1)、Six C1-X 0≦x1)、等のターゲットを用い
て、Si、Ge、Six Ge1-X (0<x<1)、Six C1-X(0
≦x1)等の半導体膜を作製してもよいことはいうま
でもない。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、本発明の構成である、
半導体ターゲットを用い、水素の分圧を、前記水素を含
む不活性雰囲気の全圧に対して30%以上とした不活性
雰囲気中において、スパッタリングを行うことによっ
て、酸素濃度が7×10 19 cm -3 以下、または炭素濃度が
3×10 16 cm -3 以下で、導電率の高い半導体膜を得るこ
とができた。 本発明によれば、本発明の構成である、一
導電型を有する不純物を添加した半導体ターゲットを用
い、水素を含む不活性雰囲気中の水素の分圧が30%以
上の雰囲気中において、スパッタリングを行うことによ
って導電率の高い一導電型を有する半導体膜を得ること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実現するために用いたスパッタ
装置を示す。
【図2】本発明の方法によって得られたN型珪素半導体
膜の導電率と成膜時の水素分圧の関係を示す。
【図3】本発明の方法によって得られたN型珪素半導体
膜のラマンスペクトルを示す。
【図4】本発明の方法によって得られたN型珪素半導体
膜の成膜温度とXRD強度の関係を示す。
【図5】本発明の方法によって得られたN型珪素半導体
膜の成膜圧力とXRD強度の関係を示す。
【図6】本発明の方法によって得られたN型珪素半導体
膜の成膜時における投入RFパワーとXRD強度の関係
を示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−109325(JP,A) 特開 昭63−312962(JP,A) 特開 昭59−35488(JP,A) 特開 昭60−27122(JP,A) 特開 平1−183112(JP,A) 特開 昭60−180117(JP,A) 特開 昭58−180072(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/203,21/363 C23C 14/00 - 14/58

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素を含む不活性雰囲気中において、半導
    体ターゲットをスパッタリングし、基板上に酸素濃度が
    7×1019cm-3以下、または炭素濃度が3×1016cm-3
    以下の半導体膜を作製する方法において、 前記基板を周囲から絶縁されたフローティングの状態と
    し、 前記水素の分圧を、前記水素を含む不活性雰囲気の全圧
    に対して30%以上とする ことを特徴とする半導体膜作
    製方法。
  2. 【請求項2】水素を含む不活性雰囲気中において、一導
    電型を付与する元素が添加された半導体ターゲットをス
    パッタリングし、基板上に一導電型を有し、酸素濃度が
    7×1019cm-3以下、または炭素濃度が3×1016cm-3
    以下の半導体膜を作製する方法において、 前記基板を周囲から絶縁されたフローティングの状態と
    し、 前記水素の分圧を、前記水素を含む不活性雰囲気の全圧
    に対して30%以上とする ことを特徴とする半導体膜作
    製方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2における前記半導
    体膜を作製するスパッタ装置において、 排気手段としてターボ分子ポンプを用いることを特徴と
    する半導体膜作製方法。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2における前記半導
    体膜を作製するスパッタ装置において、 排気手段としてターボ分子ポンプおよびクライオポンプ
    用いることを特徴とする半導体膜作製方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか一において、前
    記半導体ターゲットとして単結晶または多結晶のSi、
    Ge、SixGe1-x(01)または、Six
    1- x(0≦x1)を用いることを特徴とする半導体膜
    作製方法。
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