JP2945948B2 - 半導体膜作製方法 - Google Patents
半導体膜作製方法Info
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Description
デバイスに応用できる高品質な半導体膜を作製する方法
に関する。
としてはスパッタ法が知られているが実用に耐える電気
的特性を有する半導体膜を得ることができなかった。例
えばI型半導体を作製使用とする場合、ターゲット中に
酸素やPまたはN型の導電型を付与する公知のIII
価,V価の不純物が多量に存在しているので良質なI型
半導体膜をスパッタ法によって得ることはできなかっ
た。
型の半導体膜を得る方法としては、例えば一導電型の珪
素膜を得ようとするならば単結晶シリコンに一導電型を
付与する不純物を添加したターゲットを用いて、アルゴ
ンのみを用いた雰囲気中においてスパッタリングをする
か、PまたはN型を付与する不純物が添加されていない
単結晶シリコンターゲットを用いて一導電型付与する元
素を含んだ反応ガス(例えばフォスヒン)を添加したア
ルゴン雰囲気中でスパッタリングをするのが公知の方法
であると考えられている。しかし従来の方法においては
10−5(Ωcm)−1以上の導電率を有する一導電型
の半導体であるPまたはN型の半導体膜を得ることがで
きなかった。これはPまたはN型の導電型を付与する不
純物が半導体中で置換してドナーまたはアクセプターと
ならないからである。
でき、生産性にも優れたスパッタ法を用いて良質な半導
体膜、例えばI型半導体そして導電率の高い一導電型を
有する半導体膜を作製することを発明の課題とする。
アルゴンのごとき不活性雰囲気中の水素の分圧比が好ま
しくは30%以上である雰囲気中でスパッタリングによ
って半導体膜を作製する方法であって、基板を絶縁状態
すなわちフローティングの状態とする方法と、基板とタ
ーゲットの距離を十cm以上離してスパッタリングによ
って半導体膜を作製することを特徴とする半導体作製方
法である。基板をフローティングとするのは、基板をア
ース電位とした場合に生じる基板に対するイオンの衝撃
を防ぐためである。基板とターゲットの距離をできるだ
け離すのは水素を含んだ不活性雰囲気中におけるスパッ
タリングによって得られた半導体膜は、スパッタ時にお
いて水素が多量に存在している雰囲気において、ターゲ
ットから飛び出しターゲットを構成している原子のクラ
スタが水素プラズマ中を飛翔する間にクラスタの不対結
合手を水素によって中和されやすくするためである。こ
のクラスタは基板に到達し、水素を介して他のクラスタ
と結合する。よって不対結合手が水素によって中和され
たクラスタがターゲットから基板に到達する際におい
て、成膜時における水素の分圧比が大きい場合、クラス
タが水素原子と頻繁に衝突するので珪素クラスタの不対
結合手が少なくなり珪素クラスタの水素を介した結合が
より密になり緻密な半導体膜(例えば珪素膜)を得るこ
とができる。
中の水素分圧比を80%以上と大きくした場合、成膜レ
ートが極めて悪くなりスパッタ法の特徴である生産性の
良さを生かすことができなかった。また水素の分圧比を
30%程度とした場合には、実用的な成膜レートが得ら
れるとともにある程度の膜の特性が得られた。このこと
は図2のスパッタ時の水素分圧と成膜された真性の珪素
半導体膜のラマンスペクトルの関係を示した図をみれば
わかる。水素分圧が30%以上であれば結晶性を示すピ
ークが鋭く出ていることがわかる。この図より単結晶の
珪素のピーク521cm−1より低周波側にシフトした
ピークが観察される。この521cm−1より低周波側
にシフトしたピークは、弱い格子歪みを有した結晶性の
状態を示している。またその見掛け上の粒径は半値巾か
ら計算すると、50〜500Åとマイクロクリスタルの
ようになっているが、実際はこの結晶性の高い領域は多
数あってクラスタ構造を有し、その各クラスタ間は互い
に珪素同志で結合(アンカリング)がされたセミアモル
ファス構造の被膜を形成していることかわかる。なおこ
の図2に示されたラマンスペクトルを示した半導体膜
は、単結晶シリコンターゲットを用い基板温度150
℃、成膜圧力0.5pa、基板とターゲットの距離は8
0mmである。また成膜雰囲気はアルゴンと水素の混合
雰囲気で、RF出力は400Wで成膜した膜である。
応半導体膜として用いることができるのであるが、水素
分圧が高い条件で成膜した半導体膜を絶縁ゲイト型電界
効果トランジスタのチャネル形成領域に用いた場合、図
3に示すようにキャリアの移動度が水素分圧比(PH/
PTOTAL)が高い場合の半導体膜を用いた方が高い
ことがわかっている。この図3に示す絶縁ゲイト型電界
効果トランジスタのチャネル形成領域に用いた半導体膜
は図2にそのラマンスペクトルを示した珪素半導体を用
いたものである。
ッタされたターゲットを構成しているクラスタとの衝突
を高めるためにターゲットと基板の距離を長くすること
によって、30%程度の低い水素分圧であっても高い水
素分圧時に得られる膜質と同等の膜質を得ようとするも
のである。
している元素からなるクラスタの基板面における運動エ
ネルギーを小さくすることができるので、基板にたいす
る前記クラスタのスパッタリングを防ぐことができ、基
板を電気的にフローティングにすることと合わせて、ス
パッタ衝撃による損傷のない良質な半導体膜を得るのに
効果があった。イオンのスパッタリングによって基板が
損傷してしまうことを防ぐためには、基板とターゲット
の距離を大きくとる方法以外に投入RFパワーを小さく
する方法があるが、この場合は基板とターゲット間の距
離がとれないので水素分圧を高くしなければならないの
で、RFパワーを小さいことと水素分圧が高いことの相
乗効果で一層成膜レートが下がってしまい実用上問題が
あった。
層を得るのであれば、PまたはN型の導電型を付与する
元素であるIII価またはV価の元素が好ましくは1×
1017cm−3以上添加された単結晶または多結晶の
半導体ターゲットを用いることができる。この成膜の
際、基板の温度を200℃以下とすることによって導電
率が低く、結晶性の高いPまたはN型の一導電型を有す
る半導体膜を作製することができる。
の成膜温度(基板温度)において、単結晶または多結晶
のシリコンターゲットに導電率が100(Ωcm)−1
〜0.1(Ωcm)−1となるように一導電型を付与す
る不純物であるIII価またはV価の元素を添加したタ
ーゲットを用いて、水素を含む雰囲気中においてスパッ
タリングによって成膜を行い、かつこのスパッタリング
の際に基板温度を200℃以下好ましくは150℃以下
とすることによって10−2(Ωcm)−1以上の導電
率を有するPまたはN型の半導体層を得ることができ
る。
半導体に適用できることはいうまでもない。例えば、一
導電型を付与する不純物(例えばボロン、リン等のII
I価、V価の元素)が添加されたシリコン(珪素)とゲ
ルマニウムのターゲットを同時に用いることによって、
一導電型を有するSixGe1−x(0≦X≦1)の半
導体膜を得ることができる。この場合、それぞれのター
ゲットの面積を変えることで、半導体膜の組成比を変え
ることができるという別の特徴を有する。この思想によ
れば、さらに複数のターゲットを同時に用いることでさ
らに複雑な組成比を有する半導体膜を得るこができる。
Fスッパッタ装置を用いてN型珪素半導体膜をガラス基
板上に酸化珪素膜を1000Åの厚さに設けた上に30
0℃以下の成膜条件で半導体膜を作製するものである。
タ装置について説明する。図1において、(12)は基
板、(13)のは必要に応じて回転することのでき、電
気的のフローティング状態にあるホルダー、(14)は
基板加熱用のヒーター、(15)はガス導入系、(1
7)はガス導入系のバルブ、(18)はガス供給系例え
ば水素が充填されたボンベである。この第1図において
は一種類のガス供給系しか記載されていないが、その他
必要に応じてアルゴン、フォスヒン、ジボラン、窒素等
のガス供給系を備えてもよく、この際ガス導入系を複数
設け同時に反応室内にガスを導入できるようにしてもよ
い。また、(19)は高周波電源(13.56MHz)
であり、(20)は高周波マッチング装置であり、(2
1)は必要に応じて回転する永久磁石(22)を円形上
に設けたマグネトロン部分である。
された原子やクラスタ、イオン等)が基板に到達しない
ようにするためのシャッターである。このシャッター
(23)はスパッタリング開始直後に不純物がスパッタ
粒子となって基板に到達するのを防ぐものであるが、必
要に応じてスパッタ粒子が被形成面に到達しないように
用いることができる。(24)はターゲットである。タ
ーゲットは必要に応じて不純物元素例えばリン、ボロ
ン、弗素その他ハロゲン元素等を混入させることにより
不純物がドーピングされた薄膜を成膜することができ
る。(25)はガス排気系であり、(26)はターボ分
子ポンプ、(27)は油回転ポンプである。また(2
8),(29)は排気系のバルブである。さらに(3
4)にはさらに高い高真空状態や特定の不純物を排気す
るためにクライオポンプ31、回転ポンプ(33)を備
えた排気系(34)を備えている。なお(30),(3
3)はこの排気系(34)のバルブである。
系(34)は主として、成膜前の高真空排気に用いら
れ、10−10Torr程度まで反応容器内を排気で
き、反応容器内に吸着している気体や分子を排気するこ
とができる。特に成膜前の高真空排気は膜中に含まれる
酸素、炭素、窒素の不純物量を減らすことに対して有効
である。
はヒーター(14)によって行ったが、赤外線ランプで
行ってもよい。
を付与する不純物であるアンチモンが添加された抵抗率
ρ=0.60Ωcmである溶融シリコンターゲットを用
いたが、他の一導電型を付与する不純物例えばN型であ
ればV価元素である公知のP、As、Sb、P形であれ
ばIII価元素である公知のBを用いることができるこ
とはいうまでもない。またターゲットの導電率を熱アニ
ール等の方法でできるだけ高くすることは効果がある。
さらにターゲット中の導電型に寄与する以外の不純物、
例えば炭素、酸素、窒素等は2×1018/cm3以下
がよい。成膜条件は、水素とアルゴンの混合雰囲気中に
おいて、水素分圧をパラメータとし、成膜温度150
℃、圧力0.5pa、RFパワー400Wで、基板とタ
ーゲットの距離は100mmである。また基板は電気的
にフローティングとした。珪素半導体膜は、膜厚200
0Åの厚さにガラス基板上に成膜した。
型半導体膜の導電率σ(Ωcm)−1と成膜時の雰囲気
中における水素の分圧比%との関係を示す。この図を見
ると、スパッタリング時における水素分圧が30%以上
でσ=10−2(Ωcm)−1以上の値が得られている
ことがわかる。この図からも水素分圧は可能な限りる高
い方が良いことがわかる。
時の水素分圧比の違いによるラマンスペクトルを示す。
この図からも水素分圧比(PH/PT)が30%以上で
極めて結晶性の単結晶シリコンのスペクトルである52
1cm−1の波数よりも低いところに鋭いピークが出て
いることがわかる。このように150℃という低い成膜
温度(基板温度)で図5に示されるような高い結晶性を
示す半導体膜が得られることは本発明の大きな特徴であ
る。このことは一般に200℃以下のプロセスであれば
安価な大面積ガラス基板を用いることができるという点
を考えれば明らかである。
値を得ることができば、絶縁ゲイト型電界効果トランジ
スタのソース、ドレイン領域として十分に実用になる。
このことを考えると、水素が添加された不活性雰囲気中
におけるスパッタリングによって得られた一導電型を有
する珪素膜(この場合はN型珪素膜)は大面積に成膜す
ることができるので、従来の不純物イオンドーピング等
に比べ、経済性を備えると同時に電気的特性に優れた一
導電型を有する半導体膜であるといえる。
導電率がターゲットの導電率の1/100〜1/3の
値、すなわち0.1(Ωcm)−1以上の導電率を有す
るP型またはN型の半導体を得ることができることは有
用である。
イオンのスッパッタリングの影響を小さくするために基
板(一般的にはガラス基板、シリコン基板等が用いられ
る)を電気的にフローティングとする。本実施例におい
ては基板ホルダー(13)をフローティングとした。こ
こで、基板をアース電位すなわち基板ホルダー(13)
をアース電位とすると成膜される半導体膜がイオンのス
パッタ効果によって叩かれるのでサンプルによってXR
D強度に大きくばらつきがでたり、この半導体膜を使用
したデバイスの再現性が著しく悪くなった。
半分とすると図4(B)のように低い導電率しか得られ
なかった。すなわち基板とターゲットの距離は100m
m以上であることが望ましいことになる。
活性雰囲気中においてスパッタリングによって半導体膜
の成膜を行なうに際して、高い水素分圧の場合と同様の
膜質を低い水素分圧におけるスパッタリングによって得
ようとする場合、その高い水素分圧の場合における基板
とターゲットの距離より、低い水素分圧でスパッタリン
グを行なう場合のターゲットと基板の距離を長くすれば
よいのである。
れたターゲットを用いてN型の珪素半導体膜を基板上に
作製したが、スパッタリング成膜に用いるターゲットに
は、N型の導電型を付与する不純物であれば、リン
(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)等のV価の
元素を、P型の導電体を付与する不純物であればボロン
(B)、アルミ(Al)等のIII価の元素が添加され
た単結晶または多結晶シリコンターゲットを用いること
ができる。また単結晶または多結晶の半導体ターゲット
としては、珪素すなわちシリコンを用いるのみでなく成
膜される半導体膜によって、Ge、Se、や化合物半導
体例えばガリウム砒素、ガリウムアンチモン等を用いて
もよい。
を有する半導体膜に700℃以下の温度で熱アニールを
行ってもよい。
一導電型を有する半導体膜を熱アニールすることによっ
て得ていた10−2(Ωcm)−1以上の導電率を低温
(150℃以下)でスパッタリングすることによって得
ることができることは、本発明の大きな特徴である。こ
のことは、図5に示す成膜直後のアニールしていない本
発明方法によって得たN型半導体膜のラマンスペクトル
をみれば明らかである。図5を見ると、水素の分圧が5
0%の雰囲気中におけるスパッタリングによって得たN
型半導体膜のラマンスペクトルは、単結晶珪素(c−S
i)のピークである521cm−1より波数が低いとこ
ろに結晶性を示すピークが表れていることがわかる。
ロン型RFスパッタ装置に示されている排気系(34)
に備えられているクライオポンプを用いることによって
特定の不純物例えば酸素、炭素、窒素を選択的に排気す
ることは、スパッタ成膜される半導体膜の膜質を高める
ために大きな効果がある。例えば一導電型を付与する不
純物が添加されたPまたはN型の半導体膜の膜中にアク
セプターまたはドナーとして寄与する不純物以外に酸
素、炭素、窒素の不純物が存在すると、その半導体膜を
用いてデバイスを作製した時のデバイスの性能に悪い影
響を与える。例えば太陽電池を構成する半導体層に酸素
元素が混入すると変換効率や耐久性の劣化を招くことが
ある。よってこれら酸素、炭素、窒素等の不純物を効率
よく排気することによって、半導体膜に対する悪影響を
防止することができる。
パッタ装置に備えられている吸着ポンプであるクライオ
ポンプを用いることによって酸素、炭素、窒素等の不純
物からなる分子を効率よく排気することができる。例え
ば本実施例において、ターボ分子ポンプが備えられてい
る排気系(25)のみを用いて成膜を行った場合、形成
された膜中に含まれる酸素濃度はSIMS(二次イオン
質量分析)法によると、3×1019 cm −3 程度であ
ったが、同じ成膜圧力でもクライオポンプが備えられた
排気系(34)を併用することによって形成された膜中
に含まれる酸素濃度は6×1018 cm −3 とすること
ができた。また形成された被膜中の炭素濃度は3×10
16cm−3を得ることができ、水素は4×1020c
m−3であり、珪素4×1022cm−3として比較す
ると1原子%であった。
の比較的高い成膜圧力がよいことがデータとして得られ
ており(図6)、超高真空状態での成膜を行うのは不適
格である。よって、前述したように酸素、炭素、窒素を
吸着分子として排気することのできるクライオポンプの
使用は顕著な効果を有する。さらに本発明においてはア
ルゴンのごとき不活性気体と水素の混合雰囲気中におい
て、スパッタリングによって成膜をするので、最も問題
となる不純物である酸素が水素と結合して分子となって
反応空間内に存在する。よって前述のごとくクライオポ
ンプを用いると効率よくこの酸素と水素から成る分子を
排気することができる。さらに本発明の構成のようにP
型またはN型の導電型に寄与する不純物(例えばリン、
アンチモン)を含有しなければならない半導体膜を形成
する場合、反応ガスを用いたCVD法等の気相成長法に
おいては、気相中に導電型に寄与する不純物を添加せね
ばならないので、必然的に不要な不純物が混入してしま
う問題がある。このような問題を解決する方法としては
極めて純度の高い反応ガスを用いて特殊な反応炉を用い
る方法があるが、コストの問題と生産性の悪さが問題と
なる。
分子ポンプ、クライオポンプを併用し、反応ガスを用い
ない水素を含有した不活性雰囲気中におけるスパッタリ
ングによって半導体膜、とくに一導電型を付与するII
I価、V価の元素を含んだ半導体膜を作製する方法は、
成膜される半導体膜中の不要な不純物である酸素、炭
素、窒素を効率よくに排気でき、しかも究めて低コスト
で生産性に優れた方法であるといえる。
導体膜に700℃以下の温度で熱アニールを行ってもよ
い。
晶、多結晶の半導体ターゲットを用い、そのターゲット
中にP型またはN型の導電型を付与する不純物であるI
II価またはV価の不純物を100%イオン化した状
態、すなわち完全にIII価またはV価の不純物をアク
セプタまたはドナーとして置換せしめているので、この
ターゲットを水素を含む雰囲気中においてスパッタリン
グすることによって、前記不純物がその内部でアクセプ
タまたはドナーとして置換されているクラスタが基板に
向かって飛翔し水素プラズマによって不対結合手を中和
しつつ基板に到達するので、スパッタリングによって成
膜される半導体膜中における前記III価またはV価の
不純物が高いイオン化率を有し、これら不純物がアクセ
プタまたはドナーとして置換せしめ、イオン化率を高め
ることができた。
半導体に適用できることはいうまでもない。例えば、一
導電型を付与する不純物が添加されたシリコン(珪素)
とゲルマニウムのターゲットを同時に用いることによっ
て、一導電型を有するSixGe1−Xの半導体膜を得
ることができる。この場合、それぞれのターゲットの面
積を変えることで、半導体膜の組成比を変えることがで
きる。この思想によれば、さらに複数のターゲットを同
時に用いることでさらに複雑な組成比を有する半導体膜
を得るこができる。
気中にハロゲン元素を添加し、水素と同様にスパッタ原
子のクラスタの不対結合手を中和するためにNF3等を
0.1〜10%程度添加してもよい。
Fスパッタ装置を用いてボロン(B)が添加されたP型
のSiXGe1−Xの半導体膜を得たものである。本実
施例においては、マグネトロン型RFスパッタ装置を用
いて圧力2.5pa、RFパワー200W、基板温度1
00℃、基板とターゲットの距離は90mmで、水素分
圧比80%の水素とアルゴンの混合雰囲気下においてス
パッタリングを行い、その後600℃、72時間の熱ア
ニールを行ったN型のSiXGe1−X半導体膜であ
る。なおシリコン、ゲルマニウムの単結晶ターゲットは
リンが1×1017cm−3以上含まれた溶融基板を同
面積づつ複数分散して配置し、さらに基板側を遊星回転
によって回転させることによって基板上に形成されるN
型のSiXGe1−X半導体膜の均一性を高めた。
ニウムの単結晶ターゲット中のボロンがアクセプターと
して置換されているので、本発明の特徴であるターゲッ
トの導電率の1/100〜1/3の導電率を有するP型
の半導体を作製することができる。
発明者の行った図6(A)に示す実験結果に基づくもの
である。図6は成膜後に600℃、72時間の熱アニー
ルを行ったN型の珪素半導体膜の成膜時の圧力とXRD
強度(INTENSITY)との関係を示したものであ
る。図6のデータが得られた成膜条件は、単結晶または
多結晶のシリコンターゲット中にリンをターゲットの抵
抗率が2〜3KΩcmになるように添加したものを用
い、成膜温度は150℃、RFパワーは400W、雰囲
気は水素分圧比(PH/PT)が30%の水素とアルゴ
ンの混合雰囲気中である。また基板とターゲットの距離
は120mmである。
0℃、72時間の熱アニールを行ったものである。図6
(A)より反応圧力は2.5pa程度の方が、高い結晶
性を示していることがわかる。しかし、基板とターゲッ
トの距離を60mmとすると(B)に示すようにその膜
の結晶性は低くなってしまった。これはターゲットを構
成する原子からなるクラスタが基板に到達し被膜を形成
するのと同時にスパッタ効果も起こしてしまった結果、
基板上において半導体膜となるべきクラスタがダメージ
を受け出来上がった薄膜の膜質に悪い影響を与えてしま
ったためである。さらに基板ホルダー(13)を電気的
にフローティングすなわち周囲から絶縁した。
示す実験結果に基づくものである。図7に示されるデー
タは、前記図6において示される作製条件と同様な条件
において、成膜圧力を0.5paとした場合における成
膜時の投入パワーとXRDの強度(INTENSIT
Y)との関係をしめしたものである。図7よりスパッタ
リング時の投入パワーは200W程度の比較的低い値の
方が半導体膜の結晶性が高いことがわかる。この結果も
投入パワーを大きくすると基板に対するスパッタ効果が
生じてスパッタ膜に対して悪い影響があることを示して
いる。また基板とターゲットの距離が120mmであっ
ても基板ホルダーを電気的にフローティング即ち基板を
フローティングにしない場合もイオンのスパッタ効果に
よって成膜される半導体膜が損傷を受けてしまいよくな
かった。
したのは、本発明の構成である200℃以下の基板温度
で成膜することによって、膜質を高めた効果を示す図8
に示す実験結果に基づくものである。図8に示されるデ
ータは図6(A)に示される場合と同様な作製条件にお
いて、基板温度と得られた膜のXRD強度の関係を示し
たものである。この図8を見ると、成膜温度(この場合
は基板温度)は100℃以上では、熱アニール後の膜の
結晶性が低くなるのに対して、100℃以下で成膜した
場合は、熱アニール後の膜の結晶性が高いことがわか
る。図8において示される傾向は以下のモデルによって
説明することができる。本実施例におけるスパッタリン
グによって得られる珪素膜は、スパッタ時において水素
が多量に存在している雰囲気において、スパッタリング
されるので、ターゲットを構成する元素は、原子が数十
から数十万のクラスタとなってターゲットから飛び出し
クラスタが水素プラズマ中を飛翔する間にクラスタの不
対結合手が水素によって中和され、このクラスタは基板
に到達する。この際、ターゲット中において、P型また
はN型の導電型を付与する不純物は、アクセプタまたは
ドナーとして作用しているので、前記基板に向かって飛
翔中のクラスタ中においてもアクセプタまたはドナーと
なっている。そのためこのクラスタが基板に到達し珪素
膜を形成した場合、前記P型またはN型の導電型を付与
する不純物は、アクセプタまたはドナーとしてスパッタ
リングによって成膜された膜中において作用するという
特徴を有する。
スタがターゲットから基板に到達する際において、成膜
時の温度が高いと珪素クラスタの不対結合手を中和して
いる水素が離れてしまい基板上において、クラスタ同士
が結合することができず秩序を構成することができな
い。従って200度以上の雰囲気中において成膜された
珪素膜を熱アニールした場合、より秩序性の高い状態に
なろうとすることができず結果としてXRD強度がでな
いのである。これに対して、成膜時の温度が低い場合に
は前記スパッタリングされた粒子である珪素のクラスタ
が基板上において、水素を介して結合する。その結果比
較的高い秩序状態が実現される。この膜を450度から
700度の温度で熱アニールすることによって水素を介
して結合している珪素クラスタが珪素原子同士の結合に
なり、より高い秩序秩序状態に移行し、存在する珪素に
より互いの結合がなされるため、珪素同志は互いにひっ
ぱりあう。結晶としてもレーザラマン分光により測定す
ると、図2に示すように単結晶の珪素のピーク521c
m−1より低周波側にシフトしたピークが観察される。
この521cm−1より低周波側にシフトしたピーク
は、弱い格子歪みを有した結晶性の状態を示している。
またその見掛け上の粒径は半値巾から計算すると、50
〜500Åとマイクロクリスタルのようになっている
が、実際はこの結晶性の高い領域は多数あってクラスタ
構造を有し、その各クラスタ間が互いに珪素同志で結合
(アンカリング)がされたセミアモルファス構造の被膜
を形成させることができる。したがって成膜温度の低い
状態(150℃以下の雰囲気)のスパッタリングによっ
て得られた珪素膜はその秩序性が熱アニールによってさ
らに助長れるのに対して、基板温度の高い状態で成膜さ
れた膜は前述の通り初めから秩序性を有せず熱アニール
しても各クラスタ間が互いに珪素同志で結合(アンカリ
ング)がされたセミアモルファス構造の被膜を形成させ
ることができず、XRDのピークもほとんどでないので
ある。
雰囲気中において、半導体膜例えば一導電型を付与する
不純物を添加したターゲットを用いたスパッタリングに
よって一導電型を有する半導体膜を作製する際には、ス
パッタ時における基板温度を200℃以下好ましくは1
50℃以下にすることよいことが結論できる。
スパッタされた珪素のクラスタが雰囲気中の水素によっ
て結合し、さらに熱アニールによって珪素クラスタ同士
の結合を形成するため、熱アニールを行ってもその結晶
性が保存、助長されるためである。
高くすることで、スパッタ膜の導電率を高くすることが
できる。これは、前述したようにターゲット中において
アクセプターまたはドナーとなった不純物は、水素を含
む雰囲気中におけるスパッタリングにおいて成膜された
膜中で、高いイオン化率で存在し、アクセプターまたは
ドナーとして置換されるため、ターゲットの導電率の1
/100〜1/3という高い導電率を有するPまたはN
形の半導体膜を得ることができるからである。
て、SiXC1−X、(0≦X≦1)のリンが混入した
N型半導体膜を得たものである。本実施例においては、
珪素と炭素のターゲットを細かく分散して配置し、かつ
その量を変えることで化学量論比を換えることができ
る。この場合、作製される膜の均一度を増すためにター
ゲットまたは基板を回転させた。
は、一導電型を半導体に対し付与する元素であるアンチ
モン、リン、ボロン等が添加されたターゲットを用いた
が、これら不純物が添加されていないSi、Ge、Si
X、Ge1−X、SiXC1−X(0≦X≦1)等のタ
ーゲットを用いて、ノンドープの真正半導体I型半導体
であるSi、Ge、SiX、Ge1−X、SiXC
1−X(0≦X≦1)等の半導体膜を作製してもよいこ
とはいうまでもない。
おけるスパッタリングによる半導体膜の作製方法であっ
て、基板を周囲から絶縁されたフローティングの状態と
し、さらに成膜雰囲気中における炭素、窒素、酸素の濃
度を実施例1において述べたようにクライオポンプとタ
ーボ分子ポンプを用いることにより1×1019cm
−3以下とし、さらにPまたはN型の導電型を付与する
不純物の濃度が1×1017cm−3以下であり、また
酸素濃度が1×1017cm−3 以下である単結晶ま
たは多結晶ターゲットを用いてI型半導体を得るもので
ある。
気中において、水素の分圧を30%とし、成膜圧力は
0.5pa、RFパワー250W、基板温度150℃、
の成膜条件で図1に示すRFスパッタ装置を用いてスパ
ッタリングを行なった。
膜は、図5に示すの同様なラマンスペクトルを示し、本
発明の特徴である低温(300℃以下)で良質なセミア
モルファスまたはマイクロクリスタル半導体を得ること
ができた。このI型の珪素半導体を用いてNチャネル型
絶縁ゲイト型電界効果トランジスタを作製すると移動度
が40.1cm2/Vを得ることができた。
ローティングにすることで高品質な半導体膜を得ること
ができ、また基板とターゲットの距離を離すことで、高
品質な半導体膜を得ることができた。
タ装置を示す。
ペクトルを示す。
縁ゲイト型電界効果トランジスタ度の移動度(μ)と半
導体膜成膜時の水素分圧比の関係を示す。
半導体膜の成膜時の水素分圧の関係を示す。
マンスペクトルを示す。
と膜のXRD強度の関係を示す。
おける投入パワーと膜のXRD強度の関係を示す。
おける基板温度(成膜温度)と膜のXRD強度の関係を
示す。
Claims (3)
- 【請求項1】水素を含む雰囲気中でスパッタリングによ
り基板上に半導体膜を作製する方法において、前記水素の分圧を全圧の30%以上とし 、前記 基板を周囲から絶縁されたフローティングの状態と
することを特徴とする半導体膜作製方法。 - 【請求項2】 水素を含む雰囲気中でスパッタリングによ
り基板上に半導体膜を作製する方法において、前記水素の分圧を全圧の30%以上とし 、前記 基板とターゲットとの距離を100mm以上離した
状態とし、前記基板を周囲から絶縁されたフローティングの状態と
す ることを特徴とする半導体膜作製方法。 - 【請求項3】請求項1または請求項2において、 前記基板の温度を200℃以下で反動阿智膜を作製する
ことを特徴とする半導体膜作製方法。
Priority Applications (1)
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JP2418591A JP2945948B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 半導体膜作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2418591A JP2945948B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 半導体膜作製方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH04225219A JPH04225219A (ja) | 1992-08-14 |
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ID=18526400
Family Applications (1)
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-
1990
- 1990-12-26 JP JP2418591A patent/JP2945948B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH04225219A (ja) | 1992-08-14 |
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