JP3076201B2 - 画像データ伸張方式 - Google Patents

画像データ伸張方式

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高能率の圧縮符号化シ
ステムの1つの直交変換を用いた画像データの符号化復
号化システムに関するものであり、特に、符号化された
圧縮データを伸張時に高速に処理する画像データ伸張方
式に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の圧縮された画像データを伸張する
処理を図4に示す。
【0003】図4では、まず、ステップS401で圧縮
された画像データを読み込んで、S402で圧縮画像デ
ータのヘッダを解析して画像サイズ、処理するブロック
数等の画像データ伸張に必要な情報を取り出す。次にス
テップS403で圧縮された画像データの可変長符号を
1ブロック単位で復号化し、量子化された直交変換係数
を得る。ステップS404では、量子化された直交変換
係数を逆量子化して、ステップS405では逆量子化後
のデータを1ブロック分メモリに書き込み、書き込まれ
たデータを読み出す。ステップS406では読み出され
たデータに逆直交変換処理を施して、1ブロック分の画
像データを得る。以上述べた可変長符号の復号化処理
(S403)から逆直交変換処理(S406)までの処
理をヘッダ解析処理(S402)で取り出したブロック
数分繰り返し、画像書込処理(S408)で1フレーム
分の画像データをフレームメモリに書き込み、圧縮され
た画像データを伸張する。この際、可変長符号の復号化
処理(S403)では圧縮された符号ビットを複数ビッ
ト切り出して、符号表と比較し、符号表内に一致するビ
ット構成があった場合、符号表内ビット列と一対一に対
応する係数データを求める事が出来る。符号表内に一致
するビット構成がなかった場合は更に複数ビット切り出
して、符号表と比較する。その後、係数データに逆量子
化のための量子化値を掛けることによって逆直交変換の
入力データを得ることが出来る。
【0004】また、データ書込・読み出し処理(S40
5)では図5に示すブロック内のデータ構成の数字の順
序でメモリにデータを書き込み、逆直交変換で使用する
ためのデータはブロックの縦方向及び横方向の順番にデ
ータが読み出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の画像デ
ータ伸張方式では、圧縮された符号ビットを切り出して
符号毎に符号表と比較する処理を行うので多くの処理時
間を要するという問題があった。
【0006】また、符号化側でジグザグスキャンされた
ままの逆量子化後のデータを書き込むにはスキャン変換
の処理を有し、1係数単位でメモリアクセスをするた
め、マイクロプロセッサでの処理ステップ数が膨大なも
のとなり、また、メモリのアクセスも煩雑となり、多く
の処理時間を要するという問題があった。
【0007】本発明の目的は、上記問題点を解決するた
めに、高速に圧縮データの伸張処理が出来る画像データ
伸張方式を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、画像データに
直交変換を施した後、量子化及び可変長符号化処理が施
されて圧縮された画像データを伸長する際に、可変長符
復号化処理、逆量子化処理、逆直交変換処理を施し
て画像データを伸長する画像データ伸長方式において、
nビットの符号パターンが入力され、前記nビットの符
号パターンに含まれる可変長符号のうちの1つのみの可
変長符号の復号化処理及び逆量子化処理を同時に行う複
数の復号化処理部を備え、前記複数の復号化処理部は、
並列的に動作し、それらの各々は、前記nビットの符号
パターンの中から互いに異なる1の可変長符号のみを選
択しての復号化処理及び当該1の可変長符号の復号値に
所定の量子化テーブル値を乗算することによる逆量子化
処理を行い逆量子化値を出力する手段を備えることを特
徴とする。
【0009】また、逆量子化後のデータをスキャン変換
せずにメモリのアドレス順に格納し、逆直交変換時に
ータの読み出しアドレスを指定してデータを読み出し
逆直交変換を行う手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明によれば、可変長符号に対応する復号化
処理部を複数個有し、個々復号化処理部は対応する
符号パターンのみを復号し、しかも逆量子化処理も同
時に行うため少ない処理ステップで直交変換係数を復
号できるので、伸長処理全体を高速にする事が可能とな
る。
【0011】また、逆量子化後のデータを1つまたは複
数の係数同時にスキャン変換をせずにメモリのアドレス
順に格納し、逆直交変換時にデータを読み込むアドレス
を指定してデータを読み込み、逆直交変換を行うので書
き込み時のスキャン変換の処理を必要とせず高速に伸張
する事が可能となる。
【0012】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して詳細に
説明する。
【0013】図1は、本発明の1実施例を示す流れ図で
ある。本発明では、ステップS101で可変長符号化さ
れた画像データを読み込み、ステップS102で圧縮画
データのヘッダを解析して画像サイズ、処理するブロ
ック数等の画像データ伸張に必要な情報を取り出す。
【0014】次にステップS103で可変長符号1ブロ
ック単位で可変長符号の復号化及び逆量子化の処理を行
なう。ステップS104では逆量子化後のデータを1ブ
ロック分メモリに書き込み、逆直交変換で使用するため
のデータを読み出す。読み出されたデータはS105で
逆直交変換される。そして可変長符号の復号化・逆量子
化処理(S103)から逆直交変換処理(S105)ま
での処理をヘッダ解析処理(S102)で取り出したブ
ロック数分繰り返し、ステップ(S107)で1フレー
ム分の画像データをフレームメモリに書き込み、圧縮さ
れた画像データを伸張する。
【0015】この際、可変長符号の復号化・逆量子化処
理(S103)では圧縮された符号ビットを一度にnビ
ット読み込み、nビット分のデータを一度に処理するよ
うにnビットのビット構成分の処理モジュールを有して
おり、可変長符号の復号化処理の中で逆量子化処理も同
時に行う事によって高速に処理している。
【0016】以下に一度に処理する符号ビット数nを9
ビットとした場合の例を説明する。
【0017】本発明で使用した可変長符号の符号表を図
6から図8に示す。
【0018】圧縮符号から9ビット取り出した場合、取
り出した符号が、符号表に示した第1のグループから第
3のグループまでのどのグループに属するかをビットパ
ターンにより判断する事が出来る。また、第1のグルー
プに属した符号の場合は取り出した符号だけでその符号
が示す、直交変換係数値やランレングスを求める事が可
能である。
【0019】このため、取り出した9ビットの符号でジ
ャンプテーブルを引き、ビットのパターン毎に別々の処
理ルーチンを作成し、高速に可変長符号の復号を行うこ
とができる。
【0020】可変長符号化されたデータは、ブロック単
位でジグザグスキャン順に先行するゼロの係数の個数
(run)と非ゼロの量子化直交変換係数の値(lev
el)とをもとめてハフマン符号で可変長符号化されて
おり、この符号の復号には、符号のビット構成と同一の
ビット構成を符号表から検索して行っている。出現頻度
の高い符号には短い符号ビットが割り当てられており、
通常の自然画像ではほとんどのデータが9ビット以下の
符号で1対のrunとlevelを復号出来る。
【0021】このため、圧縮符号バッファから9ビット
取り出し、取り出した符号毎にそれぞれのビットに応じ
た復号化処理部を有することによって1対のrunとl
evelを高速に復号可能となる。
【0022】9ビットのビットパターンに応じてのビッ
トに応じた復号化処理部を設ける事によって9ビット以
下の符号については一度に複数の符号を処理することも
出来、また、それぞれのモジュールの中で復号されるl
evelの値は固定であるため、逆量子化の際に新たに
乗算をする必要がなく、ビットシフトと足し算だけで係
数を求められる。係数の計算は次式に示す。
【0023】係数=level(ルーチン毎に固定値)
×量子化テーブル値 =固定値(±1〜±6)×量子化テーブル値 このように、シフトと加減算で全て計算出来る。
【0024】以上の処理を行うのが図1で示した可変長
符号の復号化・逆量子化処理(S103)である。この
処理の流れの詳細を図2に示す。
【0025】1ブロックには最大64個のデータがあ
る。この復号を高速にするため、9bitの符号のパタ
ーン毎に復号化処理部を有している(図2(a))。こ
の場合、符号のパターンは9bitで考えると512通
りあるが、図2(c)に示すように符号単位で重複する
パターンが存在するため、実際に9bitでラン長とレ
ベルを表した場合、符号表から得られるパターンは17
7通りとなり、この数の復号化処理部を有すれば良い。
【0026】まず、1ブロック分の符号を復号するに
は、まず、図2(a)のs2−a1で圧縮符号列から9
ビット分のデータを読み込む。次にステップs2−a2
で読み込んだ9ビットの符号をインデックスとして各ビ
ットパターンの処理を行うためのジャンプテーブルを引
き、9ビットの処理ルーチンにジャンプする。s2−a
3で示す符号毎の処理は図2(b)に詳細に示す。
【0027】たとえば取り出した9ビットの符号が「0
01001000」であった場合、この符号をインデッ
クスとしてジャンプテーブルを引き、この符号パターン
を処理するルーチンに処理を移す。たとえばこの符号が
有効ビット数が9ビットでランレングスが3でレベルが
2であるとすれば、まず、ステップs2−b1ではru
nが3なのでブロック内の書き込みアドレスに3を足
す。次に逆量子化の計算を行なうステップs2−b2で
はレベルが2なのでブロック内書き込みアドレスに対応
するQの値を1ビット左シフトし(2を掛ける)、ブロ
ック内書き込みアドレスにデータを書き込み、ブロック
内書き込みアドレスをインクリメントする。次にステッ
プs2−b3では圧縮符号の読み込みポインタを処理し
たビット数9ビット分ずらし、図2(b)の処理を終了
する。ただし、処理した符号ではまだ、1ブロック分の
データを復号終了していないのでステップs2−a1に
処理を戻し、次の符号の復号を繰り返す。また、たとえ
ば取り出した9ビットの符号が「011011010」
であった場合、この符号列は頭から順に、「0110」
は、ランレングスが1、レベルが1で、「110」はラ
ンレングスが0、レベルが1で、「10」はブロック終
了符号であったとする。またこれらの符号長の総計が9
ビットであったとする。
【0028】この処理をするのが、符号毎の処理ルーチ
ンであり、まず、ステップs2−b1のバッファアドレ
ス計算部では最初の符号はランレングス=1なのでブロ
ック内の書き込みアドレスに1を足す。次に逆量子化の
計算s2−b2では最初の符号のレベルが1なのでブロ
ック内書き込みアドレスに対応するQの値をそのまま
(1を掛ける)ブロック内書き込みアドレスに書き込
み、アドレスをインクリメントする。また同様に2番目
の符号「110」はランレングスが0なのでアドレスは
そのままで、符号のレベルが1なのでブロック内書き込
みアドレスに対応するQの値をそのまま(1を掛ける)
ブロック内書き込みアドレスに書き込み、アドレスをイ
ンクリメントする。次にs2−b3の符号ポインタ更新
部では圧縮符号の読み込みポインタを処理したビット数
9ビット分ずらし、図2(b)の処理を終了する。ただ
し、3番目の符号「10」はブロックの終わりを示す符
号であることからこれで1ブロックの復号処理を終了
し、図2に示した1ブロックの復号処理を終了する。
【0029】このように、一度に9bitで表される有
効係数の数分の処理を行なうことによって、符号化処理
部を呼び出す回数を最小限に抑えている。
【0030】以上、詳細に説明したように、本発明によ
れば可変長符号の復号と逆量子化を同時に処理すること
によってモジュール内ではかけ算の値が固定なため、シ
フトと足し算での代用や、1の時ならそのままかけ算を
しないで処理が可能なため、従来のように係数1つづつ
に対して1回のかけ算の処理を省く事ができ、乗算器を
持たないCPUでも高速に処理が可能である。
【0031】さらにそのあとの処理は、データ書込・読
み出し処理(S104)では可変長符号の復号化・逆量
子化処理後のデータは図3(a)に示すようにスキャン
変換を行わずに、可変長符号の復号化・逆量子化処理で
求められた係数の順番で連続してメモリに格納し、逆直
交変換処理の時にメモリからの読み出しを図3(b)に
示した数字の順番で直接アドレスを指定して読み込む。
これにより、書き込み時のスキャン変換を行う必要がな
くなり、さらに、連続してメモリに書き込むため、複数
の係数を一度に書き込むことも可能となり、図5に示さ
れるような従来の書き込み、読み出し処理の場合と比べ
てメモリのアドレス計算処理がないから高速に処理する
事が可能となる。
【0032】
【0033】
【発明の効果】nビット分の符号パターンを復号化する
復号化処理部を複数個有し、1つの復号化処理部の中で
nビット分の複数の符号を復号し、しかも逆量子化処理
も同時に行うため少ない処理ステップで復号できるの
で、伸張処理全体を高速にする事が可能となる。
【0034】また、逆量子化後のデータを1つまたは複
数の係数同時にスキャン変換をせずにメモリのアドレス
順に格納し、逆直交変換時にデータを読み込むアドレス
を指定してデータを読み込み、逆直交変換を行うので書
き込み時のスキャン変換の処理を必要とせず高速に伸張
する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における処理の流れ図であ
る。
【図2】本発明の復号・逆量子化手段の処理を示す処理
の流れ図である。
【図3】本発明のデータ書込・読み出し手段でのデータ
書込・読み出し順を示す説明図である。
【図4】従来の画像再生装置における処理の流れ図であ
る。
【図5】従来のデータ書込・読み出し手段でのデータ書
込・読み出し順を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施例で用いる可変長符号の例を示
す図である。
【図7】本発明の一実施例で用いる可変長符号の例を示
す図である。
【図8】本発明の一実施例で用いる可変長符号の例を示
す図である。
【符号の説明】
S101 圧縮符号読み込み S102 ヘッダ解析処理 S103 可変長符号の復号・逆量子化処理 S104 データ書込読み出し処理 S105 逆直交変換処理 S106 1フレームの終了判定 S107 画像書込処理 S401 圧縮符号読み込み S402 ヘッダ解析処理 S403 可変長符号の復号処理 S404 逆量子化処理 S405 データ書込読み出し処理 S406 逆直交変換処理 S407 1フレームの終了判定 S408 画像書込処理

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データに直交変換を施した後、量子
    化及び可変長符号化処理が施されて圧縮された画像デー
    タを伸長する際に、可変長符号復号化処理、逆量子化
    処理、逆直交変換処理を施して画像データを伸長する画
    像データ伸長方式において、nビットの符号パターンが入力され、前記nビットの符
    号パターンに含まれる可変長符号のうちの1つのみの可
    変長符号の復号化処理及び逆量子化処理を同時に行う複
    数の復号化処理部を備え、 前記複数の復号化処理部は、並列的に動作し、それらの
    各々は、前記nビットの符号パターンの中から互いに異
    なる1の可変長符号のみを選択しての復号化処理及び当
    該1の可変長符号の復号値に所定の量子化テーブル値を
    乗算することによる逆量子化処理を行い逆量子化値を出
    力する手段を備える ことを特徴とする画像データ伸長方
    式。
  2. 【請求項2】 前記複数個の復号化処理部は、前記逆量
    子化値を、スキャン変換せずにメモリのアドレス順にメ
    モリに格納し、 前記逆直交変換処理時に、データの読み出しアドレスを
    指定することにより前記スキャン変換を行うことを特徴
    とする請求項1に記載の画像データ伸長方式。
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