JP3076198B2 - ガス発生装置 - Google Patents

ガス発生装置

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JP3076198B2
JP3076198B2 JP06104474A JP10447494A JP3076198B2 JP 3076198 B2 JP3076198 B2 JP 3076198B2 JP 06104474 A JP06104474 A JP 06104474A JP 10447494 A JP10447494 A JP 10447494A JP 3076198 B2 JP3076198 B2 JP 3076198B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,電解質を用いて水又は
水溶液からガス(水素,酸素,塩素ガス等)を発生させ
るガス発生装置に関するものであり,特に凍結による不
具合を防止するガス発生装置に関する。
【0002】
【従来技術】水素を燃料とする自動車が各種提案されて
いる。そして,簡便に水素が得られる方法として,固体
高分子(SPE=SolidPolymer Elec
trolyte)を電解質とするSPE水素発生器があ
る。該SPE水素発生器は水を原料とし水素と同時に酸
素を発生する。
【0003】
【解決しようとする課題】上記SPE水素発生器は,原
料に純水を用いているため0℃以下の環境では,水が凍
結するという不具合がある。なお,電解セル槽が運転し
ている間はセルの発熱もあり水の凍結は起こりにくく,
また車載用の水素発生器ではエンジンも作動するからエ
ンジンの作動中は凍結も起こりにくい。しかし,水素発
生器を低温下で長期に休止すると凍結に伴う不具合が発
生する。
【0004】凍結に伴う第1の問題点は,水素発生装置
の性能低下である。SPE水電解水素発生装置は,SP
E膜(電解質)の両側に配した電極の外側を多孔質の集
電体で挟んで集電を取る構造となっている。そして,良
好な水電解特性を得るためにはこの集電体が電極に良く
密着して低抵抗であることが重要である。もし,この水
素発生装置内で水が凍結すると,氷生成に基づく体積膨
張により集電体が圧迫を受け変形し,電極との接触を十
分保てなくなり,電解特性が低下する(抵抗増に基づき
電解電圧が上昇する)。
【0005】第2の問題点は水素発生装置の破壊があ
る。水素発生装置では直接高圧(2〜5kg/cm2
の水素を発生させる訳であるが,水素発生装置内で水が
凍ると体積膨張によりシール部分が不良となり高圧の水
素を得ることが困難となり,ひどい場合には電解装置自
体を破壊することになる。
【0006】また,凍結時に水素発生装置自体が壊れな
くとも,凍結状態のまま電解を行なうと電極部分で生成
したガスの行き場がなくなり局部的にガス圧が上昇し,
この時に水素発生器電極を破損する可能性がある。な
お,電解セル槽から水を排出する手段として液体ポンプ
を用いる方法が考えられるが,液体ポンプを用いる場合
には水排出時にポンプ内の水を完全に排出しなければな
らないという問題がある。
【0007】もし,ポンプ内に水が残存するとポンプ内
で水が凍結しポンプが破損したり,再稼働時にポンプが
動かなくなったりする危険があるからである。しかしな
から,通常の運転操作だけで液体ポンプの水を全く残ら
ないようにすることは困難である。また,通常の液体ポ
ンプは完全に水を抜いてしまうと再起動が困難であり,
呼び水を供給するなどの煩わしさが伴うことになる。
【0008】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みて,
水(又は水溶液)を原料とするガス発生装置であって,
水(又は水溶液)の凍結による不具合を防止することの
できるガス発生装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】本願の第1発明は,水又は水溶液を
電気分解してガスを発生させるガス発生装置であって,
ガスを発生させるための電解セル槽と,該電解セル槽の
水温を測定する温度測定手段と,上記電解セル槽の水を
排出し排出状態に保持する水排出手段と,上記温度測定
手段の出力信号を受信し該水排出手段を操作し,電解セ
ル槽中の残留水量を検知して水排出手段を操作する制御
手段とを有しており,上記水排出手段は,発生ガスを正
圧状態に貯えるガス貯溜部と,該ガス貯溜部を電解セル
槽に連結する第1連結部材と,大気等への開放手段を備
えた水貯溜部と,該水貯溜部を電解セル槽に連結する第
2連結部材とを有しており,上記制御手段は電解セル槽
の水温が所定値T1 以下になった場合に,第1,第2連
結部材を開操作すると共に水貯溜部の開放手段を操作し
て水貯溜部を大気等に開放し,電解セル槽の水を水貯溜
部に排出させた後,第2連結部材を閉操作する機構を有
することを特徴とするガス発生装置にある。
【0010】本発明において最も注目すべきことは,電
解セル槽で発生するガスを貯えるガス貯溜部と,大気等
に開放可能な水貯溜部とを有すると共に上記第1,第2
連結部材を有することであり,また制御手段は下記のよ
うな制御動作を行なうことである。即ち,制御手段は,
電解セル槽の水温が所定値T1 ,即ち水が凍結する恐れ
のある温度になった場合,第1,第2連結部材を開操作
すると共に水貯溜部を大気等に開放し,電解セル槽の水
を流出させた後,第2連結部材を閉操作する。
【0011】なお,水貯溜部は通常運転時に電解セル槽
に水を供給する水タンクを利用することができるし(実
施例1,図1参照),該水タンクと別個に設けてもよい
(実施例2,図2参照)。また,ガス貯溜部は上記水タ
ンクの空部を利用することができるし(実施例2,図
2,符号122参照),水タンクとは別個の部材として
構成することもできる。
【0012】一方,上記連結部材は通常用いられるよう
な開閉弁と配管部材とによって構成することができる。
なお,上記において,水貯溜部が開放される「大気等」
とは,通常は実現が容易な大気であるが,大気に限られ
るものではなくガス貯溜部の圧力に対して相対的に低圧
のフィールドに開放することができればよく,開放され
るフィールドは,より低圧であることが効果的である。
【0013】温度測定手段即ち電解セルの水温を測定す
る方法としては,通常の温度センサ(熱電対,抵抗温度
計,サーミスタなど)を電解セル部分,水タンク,水配
管などに設置して行なうことができる。この他,バイメ
タルなど温度に応じて変形する温度アクチエータを電解
セル部分など上記の場所に設置し,温度変化に基づく該
温度アクチエータの変化で直接接点のオン/オフを制御
して制御手段と一体化することもできる。なお,上記所
定値(設定値)T1 は,水の凍結温度そのものの値とす
るのではなく,水排出制御の遅れ時間などを考慮して実
際上凍結が発生しないような値とする。
【0014】なお,上記構成に加えて,ガス貯溜部と水
貯溜部とを連結する第3連結部材と水貯溜部及び電解セ
ル槽を大気圧等に開放する第1,第2開放弁を設け,制
御手段は,電解セル槽の水温が上記T1 よりも大きい所
定値T2 以上,即ち水が凍結する恐れがない状態に復帰
した場合に,第1開放弁及び第1連結部材を閉操作する
と共に第2開放弁,第2連結部材及び第3連結部材を開
操作することが好ましい。
【0015】詳細を後述するように,制御手段の上記操
作によって,水貯溜部に貯えられた水は再び電解セル槽
に供給されるから,ガス発生装置の運転を再開すること
が可能となるからである。なお,電解セル槽の水を排出
する前記の水排出操作の場合には,第3連結部材及び第
2開放弁は閉操作する必要がある。第3連結部材及び第
2開放弁が開いていれば,電解セル槽から水貯溜部へ水
を排出するガスの流れが生じなくなるからである。
【0016】また,電解セル槽に対して水を再供給する
ための他の方法として,水貯溜部を電解セル槽より高位
置に配置し,制御手段は電解セル槽の水温が所定値T2
以上に復帰した場合等に,上記第2連結部材を開くと共
に第1連結部材を閉操作することが好ましい。水貯溜部
は電解セル槽よりも高位置に配置されているから,水貯
溜部は水貯溜部より電解セル槽に降下し水貯溜部の水を
電解セル槽に再供給することができるからである。
【0017】また,更に電解セル槽に水を再供給する別
の方法としては,エンジンの負圧を利用する方法があ
る。この方法については,後述する第3発明で述べる。
なお上記所定値T2 は制御のハンチング等を回避するた
めに,上記所定値T1より若干大きめにすることが好ま
しい(T2 >T1 )。
【0018】本願の第2発明は,水又は水溶液を電気分
解してガスを発生させるガス発生装置であって,ガスを
発生させるための電解セル槽と,該電解セル槽中の水温
を測定する温度測定手段と,上記電解セル槽の水を排出
し排出状態に保持する水排出手段と,該水排出手段から
電解セル槽に水を再供給する水再供給手段と,上記温度
測定手段の出力信号を受信し上記水排出手段及び水再供
給手段を操作し,電解セル槽中の残留水量を検知して水
排出手段を操作する制御手段とを有しており,上記水排
出手段は,上記電解セル槽よりも低位置に配置された水
貯溜部と,該水貯溜部を電解セル槽に連結する第2連結
部材とを有しており,上記水再供給手段は,発生ガスを
正圧状態に貯えるガス貯溜部と,該ガス貯溜部を上記水
貯溜部に連結する第3連結部材を有すると共に電解セル
槽を大気等に開放する開放手段を有しており,上記制御
手段は,電解セル槽の水温が所定値T1 以下になった場
合に,上記第3連結部材を閉操作すると共に第2連結部
材を開操作し,一方,電解セル槽の水温が上記T1 より
も大きい所定値T2 以上となった場合には,第2,第3
連結部材を開操作すると共に水再供給手段の開放手段を
操作して電解セル槽を大気等に開放し,電解セル槽に水
が再供給された後に第2連結部材を閉操作する機構を有
することを特徴とするガス発生装置にある。
【0019】第2発明において最も注目すべきことの第
1点は,水排出手段を構成する水貯溜部は電解セル槽よ
り低位置に配置されており,水貯溜部を電解セル槽に連
結する第2連結部材を有することであり,更に水再供給
手段としてガス貯溜部を水貯溜部に連絡する第3連結部
材を有すると共に電解セル槽は大気等に開放可能である
ことである。
【0020】そして,最も注目すべきことの第2点は,
制御手段は,電解セル槽の水温が所定値T1 以下,即ち
水が凍結する恐れのある温度以下になった場合に,第3
連結部材を閉じると共に第2連結部材を開操作し,一
方,電解セル槽の水温が所定値T2 ,即ち水が凍結する
恐れがない温度に復帰した場合には,第2,第3連結部
材を開操作すると共に電解セル槽を大気等に開放し,電
解セル槽に水が再供給された後に第2連結部材を閉操作
することである。
【0021】本願の第3発明は,水又は水溶液を電気分
解してガス(水素及び酸素)を発生させるガス発生装置
であって,ガスを発生させるための電解セル槽と,該電
解セル槽の水温を測定する温度測定手段と,上記電解セ
ル槽の水を排出し排出状態に保持する水排出手段と,上
記温度測定手段の出力信号に基づいて該水排出手段を操
作し,電解セル槽中の残留水量を検知して水排出手段を
操作する制御手段とを有しており,上記水排出手段は,
水貯溜部と,該水貯溜部を電解セル槽に連結する第2連
結部材と,該水貯溜部をエンジンの吸気側に連結する第
4連結部材とを有しており,上記制御手段は,電解セル
槽の水温が所定値T1 以下になった場合に,上記第2,
第4連結部材を開操作し,電解セル槽から水を排出した
後,上記第2,第4連結部材を閉操作する機構を有する
ことを特徴とするガス発生装置にある。
【0022】第3発明において最も注目すべきこの第1
点は,水排出手段が水貯溜部を有しており,水貯溜部を
電解セル槽に連結する第2連結部材と,水貯溜部をエン
ジンの吸気側に連結する第4連結部材とを有することで
ある。そして,最も注目すべきことの第2点は,制御手
段は電解セル槽の水温が所定値T1 ,即ち水が凍結する
恐れのある温度になった場合,あるいは運転を長期に停
止する場合等に,第2,第4連結部材を開操作すること
であり,電解セル槽から水を排出した後第2,第4連結
部材を閉操作することである。
【0023】なお,上記構成に加えて,電解セル槽の酸
素をエンジンの吸気側に連結する第5連結部材を設ける
ことが好ましい。そうすると制御手段は,電解セル槽の
水温が所定値T2 (T1 よりも大きい)以上,即ち水の
凍結の恐れのない温度以上に復帰した場合に,第4連結
部材を閉操作すると共に第2,第5連結部材を開操作す
ることにより水貯溜部の水を電解セル槽に再供給するこ
とができるからである。
【0024】即ち,第4連結部材を閉じ第2,第5連結
部材を開ければ,水貯溜部と電解セル槽並びに電解セル
槽とエンジンの負圧部とが直列に連結されるから,エン
ジンの負圧により水貯溜部の水が電解セル槽に吸引され
る。なお,第2,第4連結部材を開操作し電解セル槽か
ら水を排出する操作の場合には第5連結部材は閉操作す
る。
【0025】あるいは,電解セル槽に対して水を再供給
するために,水貯溜部を電解セル槽より高位置に配置す
ることが好ましい。また,更に電解セル槽に水を再供給
する別法としては,発生ガス圧力を用いる方法があり,
その詳細については,第1発明で述べた通りである。こ
のように構成し,電解セル槽の水温が所定値T2 以上と
なった場合に,制御手段が第4連結部材を閉操作すると
共に第2連結部材を開操作することにより,水貯溜部の
水を電解セル槽に降下させて再供給することができるか
らである。
【0026】本願の第4発明は,水又は水溶液を電気分
解してガス(水素又は酸素)を発生させるガス発生装置
であって,ガスを発生させるための電解セル槽と,該電
解セル槽中の水温を測定する温度測定手段と,上記電解
セル槽の水を排出し排出状態に保持する水排出手段と,
該水排出手段から電解セル槽に水を再供給する水再供給
手段と,上記温度測定手段の出力信号を受信し上記水排
出手段及び水再供給手段を操作する制御手段とを有して
おり,上記水排出手段は,上記電解セルより低位置に配
置された水貯溜部と,該水貯溜部を電解セル槽に連結す
る第2連結部材とを有しており,また,上記水再供給手
段は,電解セルの酸素発生部をエンジンの吸気側に連結
する第5連結部材を有しており,上記制御手段は,電解
セル槽の水温が所定値T1 以下になった場合に,上記第
5連結部材を閉操作すると共に上記第2連結部材を開操
作し電解セル槽の水を水貯溜部に排出し,一方,電解セ
ルの水温が所定値T2 (T1 よりも大きい)以上になっ
た場合に,上記第2,第5連結部材を開操作し水貯溜部
の水を電解セルに再供給する機構を有することを特徴と
するガス発生装置にある。
【0027】本発明において最も注目すべきことの第1
点は,水貯溜部が電解セル槽より低位置に配置されてい
ると共に両者を連結する第2連結部材が設けられてお
り,また,電解セル槽の酸素発生部をエンジンの吸気側
に連結する第5連結部材が設けられていることである。
そして,最も注目すべきことの第2点は,制御手段は,
電解セル槽の水温が所定値T1 以下になった場合等に,
第5連結部材を閉操作すると共に第2連結部材を開操作
し,一方,電解セル槽の水温が所定値T2 以上に復帰し
た場合等に,上記第2,第5連結部材を開操作すること
である。
【0028】本願の第5発明は,水又は水溶液を電気分
解してガスを発生させるガス発生装置であって,ガスを
発生させる電解セル槽と,電解セルの抵抗を測定する抵
抗測定手段と,該抵抗測定手段の出力信号を受信する制
御手段とを有しており,該制御手段は,電解セルの抵抗
値の変化から電解セル槽の凍結開始を判断し,凍結前に
電解セル槽の作動を停止する機構を有することを特徴と
するガス発生装置にある。
【0029】本発明において最も注目すべきことは,電
解セルの抵抗を測定する抵抗測定手段を有すると共に抵
抗測定手段の出力信号は制御手段に入力されており,制
御手段は電解セルの抵抗値の変化から電解セル槽の凍結
状況を判断し凍結前に電解セル槽の作動を停止すること
である。
【0030】電解セルの抵抗測定手段は,例えば,次の
ように構成する。電解セルには,電極が取付けられ電解
電流が流せるようになっている。そこで,この電極端子
に電圧測定の端子を設ければ所定の電流印加時の電圧を
測定することは容易である。
【0031】そして電解電流には,所定の電極で所定の
ガスだけを発生させるため,直流が用いられる。この直
流電流印加時の電解セルの電圧は,所定のガスを発生さ
せるのに必要な理論電圧に,ガス発生の電極反応による
過電圧及び電解セルの抵抗分が加算された値となる。理
論電圧は電解電流値に関わらず一定であり,ガスの発生
の電極過電圧も極く小さい電解電流域(大略100mA
/cm2 以下)を除けば電流密度に依らず大略一定であ
る。
【0032】そのため,電流密度を変えたときの電圧変
化は電解質の抵抗に大略比例する。そこで,電解電流密
度を変えて,それぞれの時の電解電圧を求め,電解電流
値に対する電解電圧の変化(傾き)を計算する手段を設
ければ電解セル抵抗が求められる。
【0033】また,交流を電解セルに印加し,この時の
電圧変化を測定して抵抗を計測する交流抵抗測定法を用
いれば,電解セルの抵抗は即座に求められる。交流印加
時には,上記理論電圧及び電極反応の過電圧は存在しな
いからである。この交流抵抗測定は電解休止時間に行な
うことも可能であるし,電解電流に交流成分を重畳する
事でも可能である。
【0034】SPE電解セルの場合には,後述のように
凍結によりSPE電解セル抵抗は2桁以上も変化するこ
とから,電解電圧そのものをモニターし,通常の電解電
圧と比較することでも対処可能である。即ち,SPE水
電解セルでは通常200mA/cm2 〜1000mA/
cm2程度までの電流密度で運転を行なうが,このとき
の電解電圧は大略2V〜2.5V程度である。そして凍
結していない通常の場合,電解セルの抵抗は400mΩ
/cm2 程度の値であるため,電解電圧に及ぼす電解セ
ルの抵抗分は0.08V〜0.4V程度である。
【0035】これに対して,電解セルが凍結すると電解
セル抵抗は2桁以上高くなるので40Ω/cm2 以上と
なり,同じだけ電解電流を流すとすれば電解電圧に及ぼ
す電解セル抵抗分は8V〜40Vもあることになる。そ
のため,200mA/cm2で電解を行なうとすれば1
0V以上,1000mA/cm2 で電解を行なうとすれ
ば42V以上の電圧が必要となる。即ち,電流を制御し
電解を行なわせる場合には端子電圧の増加で電解セル抵
抗増加が把握できる。また,定電圧で電解を行なう場合
には,上述のように凍結で抵抗が2桁増加することから
電解電流値は2桁低下するため,この電流値をモニター
することで電解セル抵抗増加が把握できる。
【0036】本願の第6発明は,水又は水溶液を電気分
解してガスを発生させるガス発生装置であって,ガスを
発生させる電解セル槽と,電解セルの抵抗を測定するた
めの抵抗測定手段と,電解セル槽に熱を供給する凍結防
止手段と,上記抵抗測定手段の出力信号を受信し該凍結
防止手段を操作する制御手段とを有しており,該制御手
段は,電解セルの抵抗値の変化から電解セル槽の凍結状
況を判断し,上記凍結防止手段を作動させる機構を有す
ることを特徴とするガス発生装置にある。
【0037】本発明において最も注目すべきことは,電
解セルの抵抗を測定する抵抗測定手段と,電解セル槽に
熱を供給する凍結防止手段を有すると共に,抵抗測定手
段の出力信号から電解セル槽の凍結状況を判断し,凍結
防止手段を作動させる制御手段を有することである。抵
抗測定手段の構成方法については,第5発明と同様であ
る。
【0038】凍結防止手段は,例えば次のように構成す
る。例えば,電解セル,配管及び水タンク等凍結防止し
たい部分にヒータを設置しておき,電解セル抵抗のモニ
ターにより制御手段が凍結を感知した場合には電解電流
をヒータ側に切り換えることでヒータに電流を流す。も
しくは電解電流を止め別途電源によりヒータに通電を行
なう。または,電解電流はそのままとし,新たな電流を
ヒータに流すことも可能である。
【0039】また,自動車に搭載して用いるガス発生装
置の場合には,その他の熱源として冷却水,フーエルリ
ターン及び排気熱がある。いずれも,凍結防止したい部
分に熱源の熱が伝わるようにジャケット,配管等を設置
し,これらの熱源の熱で電解セルを加温できる構造とす
る。そして,通常は,熱源の流体(冷却水,フーエルリ
ターンの燃料及び排気)を水電解セルの凍結防止部分に
流さないが,凍結検知の信号が入ったら流路を切り換え
て,これら熱源の熱媒体が電解セルジャケット部分を流
れるようにする。
【0040】
【作用及び効果】初めに第1発明の作用効果について述
べる。本発明のガス発生装置は温度測定手段により電解
セル槽の水温を測定することができる。そして,制御手
段は,上記温度測定手段で測定した電解セル槽の水温が
所定値T1 以下になった場合に,第1,第2連結部材を
開操作し,ガス貯溜部と電解セル槽並びに電解セル槽と
水貯溜部を直列に連結すると共に水貯溜部を大気等に開
放する。そしてガス貯溜部のガス圧により電解セル槽の
水を水貯溜部に圧送し排出する。
【0041】即ち,第1,第2連結部材によりガス貯溜
部と電解セル槽と水貯溜部とは連通状態となり,一方水
貯溜部は大気等に開放されているから,ガス貯溜部のガ
ス圧により電解セル槽の水は流動し,水貯溜部に流出す
る。なお,上記所定値T1 は,水の排出制御の遅れ時間
等の要素を考慮して定めた水の凍結開始温度である(以
下に述べる第2〜第4発明についても同じ)。
【0042】従って,ガス発生装置は水が凍結する前に
電解セル槽から水を排出することができる。そして,水
を排出した後には第2連結部材を閉止するから,水の逆
流を抑止することができる。そして,水排出手段は,発
生ガスのガス圧を駆動源としており,液体ポンプなど凍
結の恐れのある駆動部材を用いていない。また,発生ガ
スを正圧状態に貯えるガス貯溜部と弁部材(連結部材)
等によって構成し,別個の動力源等を用いないから,構
成は簡素である。
【0043】上記のように,本発明によれば,水又は水
溶液を原料とするガス発生装置であって,液体ポンプな
どの別動力による駆動部材を用いない簡素な構成の凍結
防止手段付きガス発生装置を提供することができる。な
お,前記のように,上記構成に加えてガス貯溜部と水貯
溜部とを連結する第3連結部材と,水貯溜部を大気等に
開放する第1開放弁と,電解セル槽を大気等に開放する
第2開放弁を設け,電解セル槽水温が所定値T2 以上に
復帰した場合に,第1開放弁及び第1連結部材を閉じ第
2開放弁,第2連結部材及び第3連結部材を開くことに
より,水を電解セル槽に再供給することができる。
【0044】即ち,ガス貯溜部と水貯溜部間並びに水貯
溜部と電解セル槽間が直列に連結され,電解セル槽が大
気等に開放されるから,ガス貯溜部のガス圧により水貯
溜部の水が電解セル槽に流入する。また,前記のよう
に,他の方法として,水貯溜部を電解セル槽より高位置
に配置し,第1連結部材を閉じ第2連結部材を開くこと
により水貯溜部の水を電解セル槽に降下させ再供給する
ようにすることもできる。
【0045】次に第2発明の作用効果について述べる。
本発明のガス発生装置は,重力の作用により水を排出
し,発生ガスのガス圧により水を再供給するようにした
ガス発生装置である。即ち,水貯溜部は電解セル槽より
も低位置に配置されているから,第2連結部材を開操作
し第3連結部材を閉操作すれば,電解セル槽の水は水貯
溜部に降下し,排出される。そして,上記操作は,電解
セル槽の水が所定値T1 以下になったとき実施されるか
ら,電解セル槽の凍結を事前に抑止することができる。
【0046】一方,第2,第3連結部材を開操作し電解
セル槽を大気等に開放すれば,ガス貯溜部と水貯溜部並
びに水貯溜部と電解セル槽が直列に連結され,電解セル
槽は大気等に開放されるから,ガス貯溜部のガス圧によ
り水貯溜部の水は電解セル槽に送出される。
【0047】そして,上記操作は,電解セル槽の水が所
定値T2 以上に復帰した場合に行なわれるから,電解セ
ル槽の凍結の恐れがなくなった場合に,自動的に水貯溜
部の水が電解セル槽に再供給される。その他について
は,第1発明と同様であり,本発明によれば液体ポンプ
などの別動力による駆動部材を用いない簡素な構成の凍
結防止手段付きガス発生装置を提供することができる。
【0048】次に第3発明の作用効果について述べる。
本発明は,エンジンの負圧を利用して水を排出するよう
にしたガス発生装置である。即ち,第2,第4連結部材
を開操作すれば,電解セル槽と水貯溜部並びに水貯溜部
とエンジンの負圧部(吸気側)とが直列に連結され,エ
ンジンの負圧により電解セル槽の水は水貯溜部に流出す
る。
【0049】そして,上記第2,第4連結部材の開操作
は,電解セル槽の水が所定値T1 以下になったとき実施
されるから,電解セル槽の凍結を事前に抑止することが
できる。そして,電解セル槽から水を排出した後,第
2,第4連結部材を閉じれば,水は水貯溜部内に貯えら
れ電解セル槽に逆流することはない。その他について
は,第1発明と同様であり,本発明によれば,液体ポン
プなどの別動力による駆動部材を用いない簡素な構成の
凍結防止手段付きガス発生装置を提供することができ
る。
【0050】次に第4発明の作用効果について述べる。
第4発明のガス発生装置は,重力の作用により電解セル
槽の水を排出し,エンジンの負圧を利用して電解セル槽
に水を再供給するガス発生装置である。即ち,電解セル
槽の水温が所定値T1 以下になった場合には,第5連結
部材を閉じ第2連結部材を開く。そうすると水貯溜部は
電解セル槽より下方に位置するから水は電解セル槽から
水貯溜部に降下する。
【0051】一方,電解セル槽の水温が所定値T2 以上
に復帰した場合には,第2連結部材及び第5連結部材を
開操作する。その結果,水貯溜部と電解セル槽並びに電
解セル槽の酸素発生部とエンジンの負圧部(吸気側)と
が直列に連結され,エンジンの負圧によって水貯溜部の
水は電解セル槽に吸引される。
【0052】その他については第2発明と同様であり,
本発明によれば,液体ポンプなどの別動力による駆動部
材を用いない簡素な構成の凍結防止手段を有するガス発
生装置を提供することができる。
【0053】次に第5発明の作用効果について述べる。
制御手段は,電解セルの抵抗を測定して,電解セルの凍
結開始を検知することができる。その理由は次の通りで
ある。電解セルの抵抗は通常運転時においても集電体の
接触状態の変化や不純物による汚染等で多少変化する。
しかし,その変化はせいぜい2倍程度である。これに対
して凍結によるSPE等の電解セル抵抗の変化は2桁以
上もある。そこで,電解セルの抵抗をモニターして電解
セルの凍結をモニターすることができる。例えば,通常
抵抗より1桁以上増加した場合を凍結検知抵抗とするこ
とができる。
【0054】また,定電流で電解を行なう場合には電解
電圧値は電解セル抵抗の増加に伴って5〜15倍に変化
する。そこで,例えば所定電流を流すのに要する電圧が
通常の数倍(2倍〜5倍)に変化した時を凍結の基準と
しても良い。また,定電圧で電解を行なう場合には上述
のように凍結で抵抗が急増するため,電解電流値が2桁
以上小さくなる。そこで,定電圧モードで電解を行なう
場合には電流値をモニターしておき,この電解電流値が
例えば所定の値より1桁小さくなったときを検知し,凍
結を知ることができる。
【0055】上記のようにして,電解セルの凍結開始を
判断すると,制御手段は,電解セル槽の作動を停止す
る。電解セル槽を停止すれば,ガスの発生も停止するか
ら,電解セル槽が破損するのを防止することができる。
前記のように,凍結状態のまま通電しガスを発生させる
と,行き場を失ったガスの過大圧力により電解セル槽が
破損する恐れがあるからである。
【0056】上記のように,本発明によれば,水又は水
溶液を原料とするガス発生装置であって,液体ポンプな
どの別動力による駆動部材を用いない簡素な構成によっ
て凍結の不具合を防止することのできるガス発生装置を
提供することができる。
【0057】次に本願の第6発明の作用効果について述
べる。本発明のガス発生装置は,前記第5発明のガス発
生装置において,制御手段は電解セル槽の凍結を検知し
たとき装置の作動を停止させるのではなく,凍結防止手
段を操作する。そして凍結防止手段は電解セル槽に熱を
供給することができるから,ガス発生装置の凍結を回避
することができる。そして,凍結防止手段の熱源に,冷
却水,フュエルリターン,排気ガスなどを利用すれば,
別個の動力源は不要である。その他については,第5発
明のガス発生装置と同様である。上記のように,本発明
によれば,水又は水溶液を原料とするガス発生装置であ
って,水又は水溶液の凍結を防止することのできるガス
発生装置を提供することができる。
【0058】
【実施例】
実施例1 第1発明(請求項2)の実施例にかかるガス発生装置に
つき,図1を用いて説明する。本例は,図1に示すよう
に,水80を分解してガス(水素81及び酸素82)を
発生させるガス発生装置1であって,ガス81,82を
発生させるための電解セル槽11と,電解セル槽11の
水温測定する温度測定手段41と,電解セル槽11の水
を排出し排出状態に保持する水排出手段と,上記温度測
定手段41の出力信号を受信し,水排出手段を操作する
制御手段40とを有する。
【0059】水排出手段は,発生ガスの水素81を高圧
状態に貯えるガス貯溜部121(水素タンク16)と,
ガス貯溜部121を電解セル槽11に連結する第1連結
部材311,水貯溜部131と,水貯溜部131を電解
セル槽11に連結する第2連結部材321と,水貯溜部
131を大気等に開放又は閉止する第1開放弁361と
を有する。
【0060】また,ガス貯溜部121と水貯溜部131
とを連結する第3連結部材331を有すると共に電解セ
ル槽11を大気に開放する第2開放弁371を有する。
そして,制御手段40は,電解セル槽11の水温が所定
値T1 以下になった場合に,第3連結部材331及び第
2開放弁371を閉操作すると共に第1,第2連結部材
311,321及び第1開放弁361を開操作し,電解
セル槽11の水80を水貯溜部131に流出させ,その
後第2連結部材321を閉操作する。
【0061】そして,制御手段40は電解セル槽11の
水温が所定値T2 以上に復帰した場合に,第1開放弁3
61及び第1連結部材311を閉操作すると共に第2開
放弁371,第2連結部材321,第3連結部材331
を開操作して,水貯溜部131から電解セル槽11に水
80を再供給する。
【0062】電解セル槽11は,電解質である固定高分
子(SPE)の両側に電極を配し,該電極の外側を多孔
質の集電体で挟持した反応槽である。そして,上記電極
に対して図示しない直流電源から電力を供給する。電解
セル槽11の水素発生部112は,逆止弁381を介し
てガス貯溜部121に連結されており,ガス貯溜部12
1には水素81が貯えられる。
【0063】またガス貯溜部121(水素タンク16)
は,開閉弁382を介して,図示しない水素消費部に水
素81を供給する。水貯溜部131は通常時に電解セル
槽11に水80を供給する水タンク15によって兼用さ
れており,電解セル槽11よりも高位置に配置されてい
る。水貯溜部131は,第1開放弁361を介して大気
に開放されたバッファタンク141に連結されている。
各連結部材311,321,331及び開放弁361,
371は電磁弁であり,制御手段40に接続され制御手
段40は電子式の制御装置である。
【0064】次に本例のガス発生装置1の作用効果につ
いて述べる。通常運転時には,制御手段40は,第1連
結部材311,第3連結部材331を閉じ,第2連結部
材321,第1,第2開放弁361,371を開弁す
る。水貯溜部131は,電解セル槽11の上方にあり,
水貯溜部131の空部と電解セル槽11の酸素発生部1
13はバッファタンク141を経て大気に開放されてい
るから,水80は重力により電解セル槽11に流入し,
酸素82は大気に放出される。
【0065】そして,酸素82のエアリフト作用で一部
の水は第1,第2開放弁361,371を経て水貯溜部
131に還流される。一方,電解セル槽11で発生した
水素81は,ガス貯溜部121に流入しガス貯溜部12
1は高圧の水素81で満たされる。
【0066】次に,温度測定手段41の出力信号が所定
値T1 (例えば2〜5℃)に相当する値以上となると,
制御手段40は第3連結部材331及び第2開放弁37
1を閉じた後,第1,第2連結部材311,321及び
第1開放弁361を開路する。するとガス貯溜部121
の高圧水素81が電解セル槽11の水80を押し出し,
第2連結部材321を通って水貯溜部131に水80を
流入させる。そして,水80が電解セル槽11から排出
された後,第2連結部材321を閉じ,この水排出状態
を保持する。
【0067】そして,温度測定手段41の出力信号が所
定値T2 に相当する値以上になると,制御手段40は開
閉弁382,第1連結部材311,第1開放弁361を
閉路し,第2,第3連結部材321,331,及び第2
開放弁371を開路する。そうするとガス貯溜部121
の水素81のガス圧は,第3連結部材331を経て水貯
溜部131の空部に加わり,水80を電解セル槽11に
押し出す。
【0068】そして必要な量の水を供給した後,第1,
第3連結部材311,331を閉じ,第2連結部材32
1及び第1,第2開放弁361,371を開路すれば,
通常運転状態に復元する。なお,上記において,再給水
する水量の制御は,例えば,弁331,321,371
の操作時間によって行なう方法の他,電解セル槽11に
水位センサ等を設けることによって行なうことができ
る。
【0069】上記のように,本例によれば,電解セル槽
11の凍結前の低温(T1 )で,電解セル槽11の水8
0を自動的に排出し,凍結の恐れのなくなった温度T2
で水80を再び電解セル槽11に供給し,安全に運転を
継続することができる。そして,水80の排出及び再給
水の動力は,発生した水素ガス81の圧力を利用し,別
動力を用いない簡素な構成とすることができる。上記の
ように,本例によれば,水を原料とするガス発生装置で
あって,水の凍結による不具合を防止することのできる
ガス発生装置を提供することができる。
【0070】実施例2 本例は,発生した酸素のガス圧を利用すると共に水貯溜
部を水タンクと別個に設けたもう1つの第1発明(請求
項2)の実施例である。本例は,図2に示すように,水
80を分解して水素81及び酸素82を発生させるガス
発生装置1であって,ガス81,82を発生させるため
の電解セル槽11と,電解セル槽11の水温を測定する
温度測定手段41と,電解セル槽11の水80を排出し
排出状態に保持する水排出手段と,温度測定手段41の
出力信号を受信し水排出手段を操作する制御手段40と
を有する。
【0071】上記水排出手段は,酸素82を高圧状態に
貯えるガス貯溜部122と,ガス貯溜部122を電解セ
ル槽11に連結する第1連結部材312と,水貯溜部1
32と,水貯溜部132を電解セル槽11に連結する第
2連結部材322と,水貯溜部132を大気に開放又は
遮断する第1開放弁362とを有する。またガス貯溜部
122と水貯溜部132とを連結する第3連結部材33
2を有すると共に電解セル槽11を大気に開放する第2
開放弁372を有する。
【0072】そして,制御手段40は,電解セル槽11
の水温が所定値T1 以下になった場合に,電解セル槽1
1と水タンク15の底部との間の第2開閉弁383,第
2開放弁372及び第3連結部材332を閉操作し,第
1,第2連結部材312,322及び第1開放弁362
を開操作し,電解セル槽11の水80を水貯溜部132
に流出させ,その後第2連結部材322を閉操作する。
また,制御手段40は,電解セル槽11の水温が所定値
2 以上になった場合に,第1開放弁362及び第1連
結部材312を閉操作すると共に第2開放弁372及び
第2,第3連結部材322,332を開操作して,水貯
溜部132から電解セル槽11に水80を再供給する。
また,水タンク15は,電解セル槽11より高い位置に
配置されている。
【0073】通常運転時には,第2,第3連結部材32
2,332,第2開放弁372を閉じ,第2開閉弁38
3,第1連結部材312を開路する。その結果,水80
は水タンク15から電解セル槽11に流下する。そし
て,電解セル槽11で発生した酸素82は水タンク15
の上部のガス貯溜部122に貯えられ,酸素82のエア
リフト作用で一部の水は水タンク15に戻る。第1開閉
弁382は,水素の利用状況に応じて適宜開閉される。
【0074】電解セル槽11の水80が所定値T1 以下
となると,制御手段40は,第2開放弁372,第2開
閉弁383,及び第3連結部材332を閉じ,第1連結
部材312,第2連結部材322及び第1開放弁362
を開路する。すると,ガス貯溜部122の酸素82の圧
力のため電解セル槽11の水80は,第2連結部材32
2を通って水貯溜部132に押し出される。そして電解
セル槽11から水80が排出された時点で第2連結部材
322を閉じれば,電解セル槽11は水を排出した状態
に保持される。
【0075】その後,電解セル槽11の水温が所定値T
2 になると,制御手段40は,第2開閉弁383,第1
連結部材312,及び第1開放弁362を閉じ,第2,
第3連結部材322,332及び第2開放弁372を開
路する。すると,ガス貯溜部122の酸素81の圧力が
第3連結部材332を経て水貯溜部132に働き,押圧
された水80は第2連結部材322を経て電解セル槽1
1に流入する。
【0076】そして,再給水が完了した後,第1開閉弁
382,第2,第3連結部材322,332,第2開放
弁372を閉じ,第2開放弁383,第1連結部材31
2を開路すれば,通常運転に戻る。その他については,
実施例1と同様である。
【0077】実施例3 本例は,排水に水素のガス圧を利用すると共に再給水に
重力を利用する第1発明(請求項3)にかかるガス発生
装置のもう1つの実施例である。即ち本例は図3に示す
ように,水貯溜部131を兼ねる水タンク15は電解セ
ル槽11より高位置に配置され,水貯溜部131は開口
(酸素放出口)151により大気圧に開放されている。
【0078】また水素81を貯えるガス貯溜部121
(水素タンク16)を電解セル槽11に連結する第1連
結部材311と,水貯溜部131を電解セル槽に連結す
る第2連結部材321とを有する。そして水素消費部と
ガス貯溜部121との間に介設された第1開閉弁382
と,電解セル槽11の酸素発生部113と大気とを結ぶ
ことのできる管路に挿入された第2開放弁372とを有
する。
【0079】そして,制御手段40は,通常運転時には
第1連結部材311を閉じ第2連結部材321及び第2
開放弁372を開き,高所にある水タンク15から電解
セル槽11に水を降下させる。そして,電解セル槽11
の水温が所定値T1 以下になると,制御手段40は第2
開放弁372を閉じると共に第1,第2連結部材31
1,321を開路し,ガス貯溜部121の水素81の圧
力で電解セル槽11の水80を水タンク15に戻す。水
が水貯溜部に戻されたなら,第2連結部材321を閉じ
れば水は電解セル槽11から排出された状態に保たれ
る。
【0080】そして,電解セル槽11の水温が所定値T
2 になった場合には,制御手段40は再び第1連結部材
311を閉じ第2連結部材321及び第2開放弁372
を開き水タンク15から電解セル槽11に水を降下させ
運転を再開する。その他については,実施例1と同様で
ある。
【0081】実施例4 本例は,実施例2において水素のガス圧に替えて酸素の
ガス圧を利用する第1発明(請求項3)のもう1つの実
施例である。即ち,本例は,図4に示すように,水4タ
ンク15と水貯溜部132とは電解セル槽11より高位
置に配置され,水貯溜部132は開口135により大気
に開放されている。また,酸素82を貯えるガス貯溜部
122は,水タンク15の上部に形成されている。
【0082】通常運転時には,制御手段40は,第2連
結部材322,及び第2開放弁372を閉じると共に第
1連結部材312及び第2開閉弁383を開路し,水タ
ンク15から電解セル槽11に水80を供給する。そし
て,水温が所定値T1 以下になると,制御手段40は第
2開閉弁383及び第2開放弁372を閉じると共に第
1,第2連結部材312,322を開路し,ガス貯溜部
122の酸素82のガス圧により電解セル槽11の水8
0を水貯溜部132に押し出す。電解セル槽11の水が
水貯溜部132に移った時点で第2連結部材322を閉
じれば,電解セル槽11は排出状態に保たれる。
【0083】また,水温が所定値T2 以上になった場合
には,第2開閉弁383及び第1連結部材312を閉じ
ると共に第2連結部材322及び第2開放弁372を開
路し,高位置にある水貯溜部132から電解セル槽11
に水80を降下させ,水80が電解セル槽11に再供給
された段階で上記の通常運転状態に復元させる。その他
は実施例2と同様である。
【0084】実施例5 本例は,水の排水に重力を利用すると共に再給水に水素
のガス圧を利用する第2発明(請求項4)の実施例であ
る。本例は,図5に示すように,電解セル槽11と,温
度測定手段41と,電解セル槽11の水を排出する水排
出手段と,電解セル槽11に水を再供給する水再供給手
段と,制御手段40とを有するガス発生装置1である。
【0085】上記水排出手段は,電解セル槽11よりも
低位置に配置された水貯溜部133と,水貯溜部133
を電解セル槽11に連結する第2連結部材323を有し
ており,上記水再供給手段は,水素81を高圧状態に貯
えるガス貯溜部121(水素タンク16)と,ガス貯溜
部121を水貯溜部133に連結する第3連結部材33
3を有すると共に電解セル槽11の空部(酸素発生部1
13)は水タンク15の上部から大気に開放されてい
る。
【0086】また,通常運転時に電解セル槽11に水8
0を供給する水タンク15が電解セル槽11より高位置
に配置されており,水タンク15の上部は開口(酸素放
出口)151により大気に開放されていると共に電解セ
ル槽11の酸素発生部113に連通している。そして,
水タンク15の底部と電解セル槽11とを結ぶ水管路に
は第2開閉弁383が設けられている。
【0087】通常運転時には,制御手段40は,第2,
第3連結部材323,333を閉じると共に第2開閉弁
383を開路し,高位置にある水タンク15から電解セ
ル槽11に水を供給する。そして,水温が所定値T1
下になった場合には制御手段40は,第3連結部材33
3及び第2開閉弁383を閉じると共に第2連結部材3
23を開路し,低位置にある水貯溜部133に電解セル
槽11から水80を降下させる。
【0088】その後水温が所定値T2 以上となった場合
には,第2開閉弁383を閉じると共に第2,第3連結
部材323,333を開路し,ガス貯溜部121の水素
81のガス圧により水貯溜部133の水80を電解セル
槽11に圧送する。そして水貯溜部133の水を電解セ
ル槽11に再供給した後,上記の通常運転状態に再び切
り替える。その他については,実施例1と同様である。
【0089】実施例6 本例は,実施例5において,水素のガス圧に替えて酸素
のガス圧を利用する第2発明(請求項4)のもう1つの
実施例である。本例は,図6に示すように,電解セル槽
11と,温度測定手段41と,電解セル槽11の水を排
出する水排出手段と,電解セル槽11に水を再供給する
水再供給手段と,制御手段40とを有するガス発生装置
1である。
【0090】上記水排出手段は,電解セル槽11よりも
低位置に配置された水貯溜部133と,水貯溜部133
を電解セル槽11に連結する第2連結部材323とを有
しており,上記水再供給手段は,酸素82を高圧状態に
貯えるガス貯溜部122と,ガス貯溜部122を水貯溜
部133に連結する第3連結部材333とを有すると共
に,電解セル槽11の酸素発生部113を大気に開放す
る第2開放弁372を有している。
【0091】また,通常運転時に電解セル槽11に水8
0を供給する水タンク15が電解セル槽11より高位置
に配置されており,水タンク15の上部は前記ガス貯溜
部122となっている。そして,ガス貯溜部122と電
解セル槽11とを結ぶ水管路には第2開閉弁383が配
設され,ガス貯溜部122と電解セル槽11の酸素発生
部113とを結ぶ酸素通路には第1連結部材312が配
設されている。
【0092】通常運転時には,制御手段40は,第2,
第3連結部材323,333及び第2開放弁372を閉
じると共に第1連結部材312及び第2開閉弁383を
開路し,高位置にある水タンク15から電解セル槽11
に水80を供給する。そして,水温が所定値T1 以下に
なると,第1,第3連結部材312,333及び第2開
閉弁383を閉じると共に第2開放弁372及び第2連
結部材323を開路し,電解セル槽11の水80を水貯
溜部133に降下させる。
【0093】また,水温が所定値T2 以上になった場合
には,制御手段40は,第1連結部材312及び第2開
閉弁383を閉じると共に第2開放弁372及び第2,
第3連結部材323,333を開路し,ガス貯溜部12
2の酸素82のガス圧により水貯溜部133の水80を
電解セル槽11に圧送する。そして電解セル槽11に水
が再供給された時点で,上記通常運転状態に再び切り替
える。その他については実施例1と同様である。
【0094】実施例7 本例は,エンジンの負圧を利用して電解セル槽の水を排
出及び再供給する第3発明(請求項6)にかかるガス発
生装置の実施例である。本例は,図7に示すように,電
解セル槽11と,温度測定手段41と,電解セル槽11
より高位置に配置された水貯溜部131(水タンク1
5)と,水貯溜部131を電解セル槽11に連結する第
2連結部材321と,水貯溜部131の空部をエンジン
17の吸気側に連結する第4連結部材341と,電解セ
ル槽11の酸素発生部113をエンジン17の吸気側に
連結する第5連結部材351と,制御手段40とを有す
るガス発生装置1である。
【0095】また,水貯溜部131の空部を大気に開放
する第1開放弁363と,電解セル槽11の酸素発生部
113を大気に開放するための第2開放弁373とが配
設されている。そして,電解セル槽11の酸素発生部1
13と水貯溜部131の上部を結ぶ酸素通路には第2開
閉弁383が配設されている。
【0096】そして,通常運転時には,制御手段40
は,第4,第5連結部材341,351及び第2開放弁
373を閉じると共に,第2連結部材321,第1開放
弁363及び第2開閉弁383を開路する。そうする
と,高位置にある水貯溜部131から電解セル槽11に
水80が供給される。また酸素82は第2開閉弁383
と第1開放弁363を経て大気に放出される。
【0097】そして,電解セル槽11の水温が所定値T
1 以下になると,制御手段40は,第2開閉弁383,
第1開放弁363及び第5連結部材351を閉じると共
に,第2,第4連結部材321,341,及び第2開放
弁373を開路する。そうすると,電解セル槽11の水
80は,エンジン17の負圧により吸引され水貯溜部1
31に流入する。そして排出が完了した段階で第2連結
部材321を閉路する。
【0098】また,電解セル槽11の水温が所定値T2
以上となった場合には,制御手段40は,第2開閉弁3
83,第4連結部材341,及び第2開放弁373を閉
じると共に第2,第5連結部材321,351及び第1
開放弁363を開路する。そうすると電解セル槽11の
酸素82がエンジン17の負圧に吸引されるため水貯溜
部131の水80は第2連結部材321を経て電解セル
槽11に流入する。そして,再給水が完了した段階で制
御手段40は,上記通常運転の状態に復元操作を行な
う。その他については実施例1と同様である。
【0099】実施例8 本例は,エンジンの負圧により排水すると共に重力を利
用して再給水を行なう第3発明(請求項7)にかかるガ
ス発生装置の実施例である。本例は,図8に示すよう
に,電解セル槽11と,温度検出手段41と,電解セル
槽11より高位置に配置された水貯溜部131と,水貯
溜部131を電解セル槽11に連結する第2連結部材3
21と,水貯溜部131をエンジン17の吸気側に連結
する第4連結部材341と,制御手段40とを有するガ
ス発生装置1である。
【0100】また,電解セル槽11の酸素発生部113
を水貯溜部131の上部に連結する酸素通路には第2開
閉弁383が配設されており,更に電解セル槽11の酸
素発生部113を大気に開放する第2開放弁373と,
水貯溜部131の上部を大気に開放する第1開放弁36
3が配設されている。
【0101】通常運転時には,制御手段40は,第4連
結部材341及び第2開放弁373を閉じると共に第1
開放弁363,第2開閉弁383及び第2連結部材32
1を開路し,水貯溜部131の水80は重力の作用によ
り電解セル槽11に流入する。そして,電解セル槽11
の水温が所定値T1 以下になると制御手段40は,第1
開放弁363及び第2開閉弁383を閉じると共に第
2,第4連結部材321,341及び第2開放弁373
を開路する。
【0102】そうするとエンジン17の負圧に吸引され
て電解セル槽11の水80は第2連結部材321を経て
水貯溜部131に流入する。そして,制御手段40は,
電解セル槽11の水が排出された段階で第2連結部材3
21を閉路する。そして,電解セル槽11の水温が所定
値T2 になった場合には,制御手段40は,第4連結部
材341及び第2開放弁373を閉じると共に第1開放
弁363,第2開閉弁383及び第2連結部材321を
開路し,通常の運転状態に戻す。その他については実施
例1と同様である。
【0103】実施例9 本例は,電解セル槽の水の排出に重力を利用すると共に
電解セル槽に対する再給水にエンジンの負圧を利用する
第4発明(請求項8)にかかるガス発生装置の実施例で
ある。本例は,図9に示すように,電解セル槽11と,
温度測定手段41と,電解セル槽11より低位置に配置
された水貯溜部133と,水貯溜部133を電解セル槽
11に連結する第2連結部材323と,電解セル槽11
の酸素発生部113をエンジン17の吸気側に連結する
第5連結部材351と,制御手段40とを有するガス発
生装置1である。
【0104】また,水貯溜部133の他に通常時に電解
セル槽11に水を供給する水タンク15が電解セル槽1
1より高位置に配置されている。そして水タンク15の
上部は,第2開閉弁383を介して電解セル槽11の酸
素発生部113に連通すると共に大気に開放された酸素
放出口(開口)151を有している。また,水タンク1
5の底部は,第1連結部材312を介して電解セル槽1
1に連通している。
【0105】通常運転時においては,制御手段40は,
第2,第5連結部材323,351を閉じると共に第2
開閉弁383及び第1連結部材312を開路し,水タン
ク15の水80を重力の作用によって電解セル槽11に
供給する。そして,電解セル槽11の水温が所定値T1
以下になると,制御手段40は,第1,第5連結部材3
12,351を閉じると共に第2連結部材323及び第
2開閉弁383を開路し,電解セル槽11の水80を重
力の作用により水貯溜部133に降下させる。
【0106】そして,電解セル槽11の水温が所定値T
2 以上になった場合には,第1連結部材312及び第2
開閉弁383を閉じると共に第2,第5連結部材32
3,351を開路する。そうすると電解セル槽11の酸
素82はエンジン17の負圧に吸引されて流出し,水貯
溜部133の水80も吸引されて電解セル槽11に流入
する。そして水貯溜部133の水80が電解セル槽11
に再供給された段階で,第2連結部材323を閉路す
る。その後,制御手段40は通常運転の状態に復元させ
て運転を再開する。その他については,実施例1と同様
である。
【0107】実施例10 本例は,図10に示すように,水80を分解して水素8
1及び酸素82を発生させるガス発生装置1であって,
ガス81,82を発生させるための電解セル槽110
と,電解セル(SPE)111の抵抗を測定する抵抗測
定手段42と,抵抗測定手段42の出力信号を受信する
制御手段40とを有する。
【0108】制御手段40は,電解セル111の抵抗値
の変化から電解セル槽110の凍結開始を予測し,凍結
防止手段としてのヒータ43を作動させる。なお,図1
0において,実線は流体路を,破線は電気配線を示す。
【0109】電解セル槽110は,水タンク15の底部
に連結されており,電解セル槽110の水素発生部11
2は水素タンク16に,酸素発生部113は水タンク1
5の上部に連結されている。同図において符号381
は,水素81の逆流を防止する逆止弁であり,符号44
は電源装置である。また,電解セル槽110のSPE1
11の周囲はヒータ43で被われており,ヒータ43は
制御手段40に接続されている。
【0110】抵抗測定手段42は,SPE111の抵抗
を測定しその出力値Rを制御手段40に出力する。制御
手段40は,抵抗値Rが所定値(設定値)R1 を越えた
場合には,SPE111への通電を停止し,ヒータ43
に通電し,電解セル槽110の凍結を防止する。
【0111】そして,SPE111の抵抗が所定値R2
(R2 <R1 )以下になれば,ヒータ43への通電を停
止し,再びSPE111に通電し,ガス発生装置1を作
動させる。本例においては,上記所定値R1 は,通常値
の10倍に設定し,所定値R2 は4倍とした。
【0112】本例によれば,電解セル槽110が凍結を
開始し,SPE111の抵抗値Rが急増(R>R1 )す
れば,直ちにヒータ43に通電するから,電解セル槽1
10の凍結を防止することができる。また,凍結の恐れ
がなくなれば,(R≦R2 ),自動的に運転を再開する
ことができる。
【0113】実施例11 本例は,図11に示すように,実施例10において凍結
防止手段としてエンジンラジエータ18の冷却水83を
利用したジャケット45を使用したもう1つの実施例で
ある。即ち,電解セル槽110の周囲はジャケット45
によって被われており,ジャケット45は制御弁39を
介してエンジンラジエータ18に連結されている。
【0114】そして制御弁39を開路すれば,ラジエー
タ18の冷却水83がジャケット45に流入する。そし
て,制御弁39は電磁弁であり,制御手段40に接続さ
れている。制御手段40は,抵抗測定手段42の測定抵
抗値Rが所定値R1 を越えた場合に,制御弁39を開操
作し,冷却水83をジャケット45に流入させ電解セル
槽110の凍結を防止する。そして,抵抗値Rが所定値
2 以下となったとき,再び通常運転に復帰させる。そ
の他については,実施例10と同様である。
【0115】実施例12 本例は,実施例11において,ジャケット45の熱源と
して冷却水に替えてフーエルリターンを利用するもう1
つの実施例である。EFI(Electronic F
uel Injection)エンジン搭載車では,燃
料噴射系に供給した燃料のうち過剰の燃料を燃料タンク
に戻す。このリターン燃料は,80℃近い温度となるの
で,このリターン燃料を熱源として利用することができ
る。その他については実施例11と同様である。
【0116】実施例13 本例は,実施例11において,ジャケット45の熱源を
エンジンの排気としたもう1つの実施例である。エンジ
ン排気は,100℃近い高温であるので,ジャケット4
5の良好な熱源として利用することができる。その他に
ついては実施例11と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のガス発生装置のシステム構成図。
【図2】実施例2のガス発生装置のシステム構成図。
【図3】実施例3のガス発生装置のシステム構成図。
【図4】実施例4のガス発生装置のシステム構成図。
【図5】実施例5のガス発生装置のシステム構成図。
【図6】実施例6のガス発生装置のシステム構成図。
【図7】実施例7のガス発生装置のシステム構成図。
【図8】実施例8のガス発生装置のシステム構成図。
【図9】実施例9のガス発生装置のシステム構成図。
【図10】実施例10のガス発生装置のシステム構成
図。
【図11】実施例11のガス発生装置のシステム構成
図。
【符号の説明】
1...ガス発生装置, 11...電解セル槽, 40...制御手段, 41...温度測定手段, 80...水, 81...水素, 82...酸素,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 勝司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大島 雄次郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 松下 宗一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−99707(JP,A) 特開 昭51−73975(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水又は水溶液を電気分解してガスを発生
    させるガス発生装置であって,ガスを発生させるための
    電解セル槽と,該電解セル槽の水温を測定する温度測定
    手段と,上記電解セル槽の水を排出し排出状態に保持す
    る水排出手段と,上記温度測定手段の出力信号を受信し
    該水排出手段を操作し,電解セル槽中の残留水量を検知
    して水排出手段を操作する制御手段とを有しており,上
    記水排出手段は,発生ガスを正圧状態に貯えるガス貯溜
    部と,該ガス貯溜部を電解セル槽に連結する第1連結部
    材と,大気等への開放手段を備えた水貯溜部と,該水貯
    溜部を電解セル槽に連結する第2連結部材とを有してお
    り,上記制御手段は電解セル槽の水温が所定値T1 以下
    になった場合に,第1,第2連結部材を開操作すると共
    に水貯溜部の開放手段を操作して水貯溜部を大気等に開
    放し,電解セル槽の水を水貯溜部に排出させた後,第2
    連結部材を閉操作する機構を有することを特徴とするガ
    ス発生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記ガス発生装置
    は,上記ガス貯溜部と水貯溜部とを連結する第3連結部
    材を有すると共に水貯溜部及び電解セル槽を大気等に開
    放,遮断する第1,第2開放弁を有しており,上記制御
    手段は,電解セル槽の水温が上記T1 よりも大きい所定
    値T2 以上になった場合に,第1開放弁及び第1連結部
    材を閉操作すると共に第2開放弁及び第2,第3連結部
    材を開操作して上記水貯溜部から電解セル槽に水を再供
    給し,一方,電解セル槽の水温が所定値T1 以下となっ
    た場合には,前記のように第1,第2連結部材を開操作
    し,第3連結部材及び第2開放弁を閉操作して電解セル
    槽から水貯溜部に水を排出させる機構を有することを特
    徴とするガス発生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において,上記水貯溜部は,電
    解セル槽より高位置に配置されており,上記制御手段
    は,電解セル槽の水温が上記T1 よりも大きい所定値T
    2 以上になった場合に,上記第2連結部材を開操作する
    と共に上記第1連結部材を閉操作し,水貯溜部の水を電
    解セル槽に降下させる機構を有することを特徴とするガ
    ス発生装置。
  4. 【請求項4】 水又は水溶液を電気分解してガスを発生
    させるガス発生装置であって,ガスを発生させるための
    電解セル槽と,該電解セル槽中の水温を測定する温度測
    定手段と,上記電解セル槽の水を排出し排出状態に保持
    する水排出手段と,該水排出手段から電解セル槽に水を
    再供給する水再供給手段と,上記温度測定手段の出力信
    号を受信し上記水排出手段及び水再供給手段を操作し,
    電解セル槽中の残留水量を検知して水排出手段を操作す
    る制御手段とを有しており,上記水排出手段は,上記電
    解セル槽よりも低位置に配置された水貯溜部と,該水貯
    溜部を電解セル槽に連結する第2連結部材とを有してお
    り,上記水再供給手段は,発生ガスを正圧状態に貯える
    ガス貯溜部と,該ガス貯溜部を上記水貯溜部に連結する
    第3連結部材を有すると共に電解セル槽を大気等に開放
    する開放手段を有しており,上記制御手段は,電解セル
    槽の水温が所定値T1 以下になった場合に,上記第3連
    結部材を閉操作すると共に第2連結部材を開操作し,一
    方,電解セル槽の水温が上記T1 よりも大きい所定値T
    2 以上となった場合には,第2,第3連結部材を開操作
    すると共に水再供給手段の開放手段を操作して電解セル
    槽を大気等に開放し,電解セル槽に水が再供給された後
    に第2連結部材を閉操作する機構を有することを特徴と
    するガス発生装置。
  5. 【請求項5】 水又は水溶液を電気分解してガスを発生
    させるガス発生装置であって,ガスを発生させるための
    電解セル槽と,該電解セル槽の水温を測定する温度測定
    手段と,上記電解セル槽の水を排出し排出状態に保持す
    る水排出手段と,上記温度測定手段の出力信号に基づい
    て該水排出手段を操作し,電解セル槽中の残留水量を検
    知して水排出手段を操作する制御手段とを有しており,
    上記水排出手段は,水貯溜部と,該水貯溜部を電解セル
    槽に連結する第2連結部材と,該水貯溜部をエンジンの
    吸気側に連結する第4連結部材とを有しており,上記制
    御手段は,電解セル槽の水温が所定値T1 以下になった
    場合に,上記第2,第4連結部材を開操作し,電解セル
    槽から水を排出した後,上記第2,第4連結部材を閉操
    作する機構を有することを特徴とするガス発生装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において,上記ガス発生装置
    は,電解セル槽の酸素発生部を上記エンジンの吸気側に
    連結する第5連結部材を有しており,上記制御手段は,
    電解セル槽の水温が上記T1 よりも大きい所定値T2
    上になった場合に,上記第4連結部材を閉操作すると共
    に第2,第5連結部材を開操作して,上記水貯溜部の水
    を電解セル槽に再供給し,一方,電解セル槽の水温が所
    定値T1 以下となった場合には,前記のように,第2,
    第4連結部材を開操作し,上記第5連結部材を閉操作し
    て電解セル槽から水貯溜部に水を排出する機構を有する
    ことを特徴とするガス発生装置。
  7. 【請求項7】 請求項5において,上記水貯溜部は,電
    解セル槽より高位置に配置されており,上記制御手段
    は,電解セル槽の水温が上記T1 よりも大きい所定値T
    2 以上になった場合等に,上記第4連結部材を閉操作す
    ると共に第2連結部材を開操作し,上記水貯溜部の水を
    電解セル槽に再供給する機構を有することを特徴とする
    ガス発生装置。
  8. 【請求項8】 水又は水溶液を電気分解してガスを発生
    させるガス発生装置であって,ガスを発生させるための
    電解セル槽と,該電解セル槽中の水温を測定する温度測
    定手段と,上記電解セル槽の水を排出し排出状態に保持
    する水排出手段と,該水排出手段から電解セル槽に水を
    再供給する水再供給手段と,上記温度測定手段の出力信
    号を受信し上記水排出手段及び水再供給手段を操作する
    制御手段とを有しており,上記水排出手段は,上記電解
    セルより低位置に配置された水貯溜部と,該水貯溜部を
    電解セル槽に連結する第2連結部材とを有しており,ま
    た,上記水再供給手段は,電解セルの酸素発生部をエン
    ジンの吸気側に連結する第5連結部材を有しており,上
    記制御手段は,電解セル槽の水温が所定値T1 以下にな
    った場合に,上記第5連結部材を閉操作すると共に上記
    第2連結部材を開操作し電解セル槽の水を水貯溜部に排
    出し,一方,電解セルの水温が上記T1 よりも大きい所
    定値T2 以上になった場合に,上記第2,第5連結部材
    を開操作し水貯溜部の水を電解セルに再供給する機構を
    有することを特徴とするガス発生装置。
  9. 【請求項9】 水又は水溶液を分解してガスを発生させ
    るガス発生装置であって,ガスを発生させる電解セル槽
    と,電解セルの抵抗を測定する抵抗測定手段と,該抵抗
    測定手段の出力信号を受信する制御手段とを有してお
    り,該制御手段は,電解セルの抵抗値の変化から電解セ
    ル槽の凍結開始を判断し,凍結前に電解セル槽の作動を
    停止する機構を有することを特徴とするガス発生装置。
  10. 【請求項10】 水又は水溶液を分解してガスを発生さ
    せるガス発生装置であって,ガスを発生させる電解セル
    槽と,電解セルの抵抗を測定するための抵抗測定手段
    と,電解セル槽に熱を供給する凍結防止手段と,上記抵
    抗測定手段の出力信号を受信し該凍結防止手段を操作す
    る制御手段とを有しており,該制御手段は,電解セルの
    抵抗値の変化から電解セル槽の凍結状況を判断し,上記
    凍結防止手段を作動させる機構を有することを特徴とす
    るガス発生装置。
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