JP3075453B2 - レーザービームマーキング用材料及びそれを含むエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

レーザービームマーキング用材料及びそれを含むエポキシ樹脂組成物

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JP3075453B2
JP3075453B2 JP05205783A JP20578393A JP3075453B2 JP 3075453 B2 JP3075453 B2 JP 3075453B2 JP 05205783 A JP05205783 A JP 05205783A JP 20578393 A JP20578393 A JP 20578393A JP 3075453 B2 JP3075453 B2 JP 3075453B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザービームを吸収
してその色が黒色系の色調に熱変色するレーザービーム
マーキング用材料及びそれを含むエポキシ樹脂組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザービームを吸収してその色
が変化するレーザービームマーキング用材料としては、
各種の熱変色性化合物が提案されている(特願平1−2
22994号、特願平2−48984号、特開平3−5
2945号、特開平3−59062号、特開平3−59
063号、特開平3−59064号、特開平3−590
65号、特開平3−10884号等)。熱変色性化合物
のうち、レーザービームマーキング用材料としては、形
成したマークの視認性の点から、特に黒色系の色調に熱
変色する化合物が要望されているが、黒色系の色調に熱
変色する化合物は少なく、レーザービームマーキング用
材料として実用性あるものは、鉛化合物とシュウ酸銅が
知られている程度である。 しかし、鉛化合物は有毒性
の問題があり、その使用は余り好ましいものではない。
一方、シュウ酸銅は、変色能が小さいため、視認性の高
い鮮明なマークを得るには多量の添加を必要とし、コス
ト高になるという問題がある他、酸無水物系硬化剤を含
むエポキシ樹脂にシュウ酸銅を多量に添加した場合、そ
の組成物に増粘現象を生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、レーザービ
ームにより視認性にすぐれた黒色の色調に変色するレー
ザービームマーキング用材料を提供するとともに、それ
を配合したレーザービームによるマーキング可能な樹脂
組成物を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意を重ねた結果、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明によれば、黄色酸化鉄100重量部
とシュウ酸銅20〜500重量部との混合物からなるレ
ーザービームマーキング用材料が提供される。また、本
発明によれば、エポキシ樹脂、硬化剤、黄色酸化鉄及び
シュウ酸銅を含有し、該シュウ酸銅の含有量が、黄色酸
化鉄100重量部当り20〜500重量部の範囲にある
ことを特徴とするエポキシ樹脂組成物が提供される。
【0005】本発明で用いる黄色酸化鉄は、フェリット
イエローとも呼ばれるもので、それ自体をレーザービー
ムにより熱変色させると、赤色系の色調に熱変色するも
のであるが、その熱変色能が高いという特徴を有する。
一方、本発明で用いるシュウ酸銅は、黒色系の色調に熱
変色するが、その熱変色能は比較的小さく、視認性の良
いマークを得るには多量使用しなければならないという
問題を有する。本発明者らの研究によれば、黄色酸化鉄
とシュウ酸銅を組合せて用いるときには、熱変色能にす
ぐれ、少量のシュウ酸銅の使用によっても、黄色酸化鉄
の熱変色による赤味色の感じられない、視認性にすぐれ
た全体が黒色系の色調に熱変色するレーザービームマー
キング用材料が得られることを見出した。本発明は、こ
のような知見に基づいて完成されたものである。
【0006】シュウ酸銅としては、その平均粒径が10
μm以下、特に0.05〜5μmの範囲にあるものが用
いられるが、その粒径の小さいものの使用が好ましい。
また、黄色酸化鉄としては、その平均粒径が5μm以
下、特に0.01〜2μmの範囲にあるものが用いられ
るが、その粒径の小さいものの使用が好ましい。シュウ
酸銅と黄色酸化鉄の使用割合は、黄色酸化鉄100重量
部当り、シュウ酸銅20〜500重量部、好ましくは5
0〜200重量部の割合である。シュウ酸銅の使用割合
が前記範囲より小さくなると、熱変色の色調が黄色酸化
鉄の熱変色に起因する赤味を帯びてくるので好ましくな
い。一方、シュウ酸銅の使用割合が前記範囲より高くな
ると、材料自体の熱変色能が小さくなり、少量の材料の
使用においては、視認性にすぐれた熱変色を得ることが
困難になる。
【0007】本発明によるシュウ酸銅と黄色酸化鉄とか
らなるレーザービームマーキング用材料には、レーザー
ビーム吸収性物質を併用するのが好ましい。レーザービ
ーム吸収性物質としては、レーザービームを吸収して発
熱を生じるものであればどのようなものでも使用するこ
とができる。このようなものとしては、ピロリン酸カル
シウムや、トリフェニルホスフィン、ヘキサフルオロケ
イ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウムの他、コージュラ
イト、ゼオライト、シリカ、雲母等が挙げられる。前記
ゼオライトとしては、シリカライト、結晶性アルミノシ
リケート、結晶性アルミノメタロシリート(結晶性ア
ルミノガロシリケート、結晶性アルミノボロシリケート
等)等が挙げられる。ゼオライトは合成又は天然のもの
(例えば、ホージャサイト、モルデナイト)であること
ができる。ゼオライトの有効細孔径は、特に限定されな
いが、通常、2Å以上、好ましくは2〜10Åである。
また、ゼオライトは乾燥、未乾燥のものが使用される
が、好ましくは乾燥品である。このレーザービーム吸収
性物質は、その平均粒径が50μm以下、好ましくは
0.5〜30μmの微粒子状で用いられる。このレーザ
ービーム吸収性物質は、シュウ酸銅と黄色酸化鉄の合計
量1重量部当り、1〜20重量部、好ましくは2〜10
重量部の割合で用いられる。
【0008】本発明のレーザービームマーキング用材料
は、シュウ酸銅と黄色酸化鉄及び必要に応じてのレーザ
ービーム吸収性物質を混合することによって得ることが
できる。本発明による好ましいレーザービームマーキン
グ用材料は、レーザービーム吸収性物質の表面にシュウ
酸銅と黄色酸化鉄の混合物(以下、単に熱変色性物質と
も言う)を付着結合させたものである。この場合、シュ
ウ酸銅と黄色酸化鉄は、できるだけ微細な粒子であるこ
とが好ましく、一般には10μm以下、好ましくは5μ
m以下であり、より好ましくは0.05〜2μmであ
る。このシュウ酸銅及び黄色酸化鉄からなる熱変色性物
質は、前記レーザービーム吸収性物質の表面に付着結合
するように、レーザービーム吸収性物質より小さな微粒
子であることが必要で、その粒径比(B/A)(A:熱
変色性物質の平均粒径、B:レーザー吸収性物質の平均
粒径)が5以上、好ましくは10〜1000の範囲に規
定するのが良い。
【0009】本発明によるレーザービーム吸収性物質の
表面上に熱変色性物質を付着結合させたレーザービーム
用材料を製造する方法としては、熱変色性物質をレーザ
ービーム用吸収性物質の表面に付着結させ得る方法であ
ればどのような方法でも使用することができる。このよ
うな方法としては、例えば、以下に示すような各種の方
法を挙げることができる。 (乾式混合)熱変色性物質とレーザービーム用吸収物質
を撹拌機内で撹拌混合する方法である。撹拌機として
は、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル
型撹拌機、自動乳ばち、ハイブリダイザー、メカノフュ
ージョンシステム等の各種のものが用いられる。 (湿式混合法)液体中で熱変色性物質とレーザービーム
吸収性物質を撹拌混合し、得られた混合物を乾燥する方
法である。液体としては、熱変色性物質及びレーザービ
ーム吸収性物質に対して実質的溶解性を示さないものが
用いられる。 (含浸法)レーザービーム吸収性物質に熱変色性物質を
溶媒に溶解させた溶液を含浸させ、乾燥する方法であ
る。 (スプレードライ法)レーザービーム吸収性物質と、熱
変色性物質分散液とを加熱雰囲気中にスプレーし、レー
ザービーム吸収性物質の表面に熱変色性物質の微粒子を
付着させる方法である。
【0010】本発明のレーザービームマーキング用材料
は、レーザービームによりマーキングし得る樹脂成形品
を得るために、成形用樹脂組成物に配合することができ
る。この場合、樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、感光性樹脂等の各種の樹脂が包含され、特に制約
されない。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフ
ィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、
ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ
スルホン系樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂として
は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレ
イミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等
が挙げられる。感光性樹脂としては、光分解型、光二量
化型、光重合型等の各種のものが挙げられる。
【0011】成形用樹脂に対する熱変色性物質の配合量
は、全組成物中、0.5〜25重量%、好ましくは1〜
10重量%の割合である。また、この成形用樹脂組成物
に対しては、慣用の補助添加剤、例えば、着色剤や充填
剤を配合することができる。着色剤としては、熱変色性
を示すもの、熱変色性を示さないもの、熱により分解す
るもの等の各種のものを用いることができる。充填剤と
して有機系及び無機系の各種のものを用いることができ
る。
【0012】本発明のレーザービームマーキング用材料
は、レーザービームによりマーキングし得る塗膜を得る
ために、コーティング組成物に配合することができる。
コーティング組成物としては、従来公知の各種のもの、
例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、感光性樹脂等の
各種樹脂を塗膜材料とするものを用いることができる。
また、塗布材料として、セラミック前駆体、例えば、水
ガラスや、金属酸化物のゾル又はゲルを用いるもの等が
挙げられる。コーティング組成物に対する熱変色性物質
の配合量は、全組成物中、0.5〜25重量%、好まし
くは1〜10重量%である。
【0013】本発明によるレーザービームマーキング用
材料は、好ましくはエポキシ樹脂組成物に配合され、レ
ーザービームマーキング可能な成形用材料やコーティン
グ材料として用いられる。シュウ酸銅及び黄色酸化鉄
は、あらかじめ混合した混合物の形で配合するのが好ま
しいが、場合によっては、それらを単独で配合すること
もできる。
【0014】エポキシ樹脂としては、常温で液状又は固
体状を示すものであればよく、従来公知のものを用いる
ことができる。このようなものとしては、例えば、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型又はクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、水添ビス
フェノールA型もしくはAD型エポキシ樹脂、プロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリト
ールポリグリシジルエーテルなどの脂肪族系エポキシ樹
脂、脂肪族もしくは芳香族カルボン酸とエピクロルヒド
リンとから得られるエポキシ樹脂、脂肪族若しくは芳香
族アミンとエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ
樹脂、複素環エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹
脂、エポキシ変性樹脂、ブロム化エポキシ樹脂等をあげ
ることができる。エポキシ樹脂には、必要に応じて、熱
可塑性樹脂を配合することができる。
【0015】前記エポキシ樹脂用の硬化剤としては、酸
無水物が好ましく使用される。酸無水物としては、脂肪
族系及び芳香族系の酸無水物が使用されるが、好ましく
は芳香族系酸無水物が使用される。酸無水物の具体例と
しては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、
無水ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール−ア
ンヒドロトリメリテート、グリセロール−トリスアンヒ
ドロトリメリテート、5−(2,5−ジオキソテトラヒ
ドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水
物、4,4′−オキシジフタル酸無水物等をあげること
ができる。また、硬化剤としては、前記した酸無水物の
他、他の硬化剤を用いることができる。このような硬化
剤としては、例えば、メルカプタン系、アミン系、ポリ
アミド系、ホウ素系、ジシアンジアミド系、ヒドラジド
系、イミダゾール系、フェノール系、アミンイミド系等
の硬化剤を挙げることができるが、好ましくはフェノー
ル樹脂が用いられる。硬化剤の使用割合は、エポキシ樹
脂のエポキシ当量当り、官能基の当量で0.5〜1.5
当量、好ましくは0.7〜1.2当量の割合である。
【0016】硬化剤として酸無水物を用いる場合、フェ
ノール樹脂を併用するのが好ましい。このような、好ま
しく併用されるフェノール樹脂は、フェノール類とホル
ムアルデヒドより合成される、1分子中にOH基を2個
以上含むものである。このようなものとしては、フェノ
ールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、t−
ブチルフェノールノボラック樹脂、オクチルフェノール
ノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂、ビ
スフェノールノボラック樹脂等がある。また、フェノー
ル樹脂は、前記各種フェノール樹脂の混合物であっても
よいし、その製造に際し、フェノールと他のフェノール
類、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、t
−ブチルフェノール、ノニルフェノール等の1種又は2
種以上との混合フェノール類を原料とし、これにホルム
アルデヒドを反応させたものであってもよい。本発明で
用いる酸無水物は、これをあらかじめフェノール樹脂と
溶融混練し、フェノール樹脂中に混入しておいてもよ
い。
【0017】エポキシ樹脂組成物には、必要に応じ、硬
化促進剤を配合することができる。硬化促進剤として
は、従来からエポキシ樹脂に用いられている各種のもの
を使用することができる。具体的には、トリエチルアミ
ン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジ
メチルアニリンなどの第3級アミン:2−メチルイミダ
ゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化
合物;イミダゾール化合物のトリアジン塩、シアノエチ
ル塩、シアノエチルトリメリット酸塩等のイミダゾール
化合物の各種塩類;酢酸亜鉛、酢酸ナトリウムなどの金
属系化合物;テトラアンモニウムブロマイド等の第4級
アンモニウム塩の他、アミド化合物、過酸化物、アゾ化
合物、シアネート化合物、イソシアネート化合物、トリ
フェニルホスフィン、DBUのフェノールノボラック塩
等をあげることができる。硬化促進剤の使用量は、エポ
キシ樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部、
好ましくは0.1〜5.0重量部である。
【0018】エポキシ樹脂組成物には、前記成分の他、
必要に応じ、さらに、ヘキサブロムベンゼン、三酸化ア
ンチモン、テトラブロモビスフェノールA等の難燃剤;
ジルコアルミニウム系、シラン系、チタン系の各種カッ
プリング剤や、アクリル酸エステルオリゴマーからなる
レベリング剤、ブチラール樹脂、ゴム成分(CTBN、
NBR等)、ポリエステル樹脂等を適量含有することが
できる。
【0019】エポキシ樹脂組成物に対するシュウ酸銅の
配合量は、全組成物中0.5〜25重量%、好ましくは
1〜10重量%である。シュウ酸銅の配合量が前記範囲
を超えると、そのエポキシ樹脂組成物には増粘現象が見
られるようになる。この増粘現象は、常温で液状のエポ
キシ樹脂組成物では、組成物の粘度上昇として現われ、
一方、固体状のエポキシ樹脂組成物では、溶融粘度の上
昇として現われる。そして、このような増粘現象は、組
成物の作業性を損うとともに、硬化条件に影響を与え、
得られる硬化物の物性の悪化原因となる。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物は、固体状又
は液体状で、成形材料や塗装材料として使用される。成
形材料として用いる場合、その成形方法としては、トラ
ンスファー成形法、射出成形法、圧縮成形法、注型成形
法、ディッピング成形法等が挙げられる。また、塗装材
料として用いる場合、その塗装方法として、流動浸漬
法、静電スプレー法、はけ塗り法等が挙げられる。本発
明の組成物を液状エポキシ樹脂組成物として用いる場
合、エポキシ樹脂、充填剤、熱変色性物質、その他の添
加成分からなる混合液と、硬化剤及び硬化促進剤からな
る混合液を作り、使用に際し、両者を混合して液状エポ
キシ樹脂組成物とし、成形材料や塗装材料として用い
る。
【0021】本発明の熱変色性物質を含む樹脂組成物か
ら得られる成形物や塗装物に対しては、レーザービーム
により、成形品表面や塗装物表面に、その表面色とは異
なった鮮明な黒色系の色調の画像あるいはマークを形成
することができる。レーザーマーキング対象となる物品
の具体例としては、例えば、表面樹脂塗装されたコンデ
ンサー、抵抗、ダイオード、IC等の電子・電気部品の
他、封止用の樹脂ケーシング等の各種のものが挙げられ
る。レーザービームとしては、波長10〜11μmの波
長、とりわけ波長10.6μmを主波長として含む近赤
外線が用いられる。このようなレーザービームマーキン
グ発生装置としては、炭酸ガスレーザービームマーキン
グ発生装置を初めとし、YAGレーザー発生装置等の従
来公知の各種のものが用いられる。
【0022】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0023】実施例1 熱変色性化合物及びレーザービーム吸収性物質として下
記のものを用いた。 (i)シュウ酸銅 平均粒径:1.0μm、淡青色 (ii)黄色酸化鉄(FeOOH) 利根産業社製、「マピコタンYP−100N」、 平均粒径:0.2〜1.0μm、黄橙色 (iii)コージュライト 丸ス釉薬合資会社製、「合成コージュライトSS−20
0」、 平均粒径:10μm、白色
【0024】前記のコージュライト50重量部に対し、
表1に示す混合比のシュウ酸銅と黄色酸化鉄の混合物5
0重量部を混合し、これをボールミルで1時間緊密に混
合した。次に、このようにして得られた混合物を圧縮成
形して直径16mm、厚さ1.0mmの円形ペレットを
作成し、このペレット表面上に、炭酸ガスレーザー発生
装置(ウシオ電社製、TEA COレーザー、ユニ
マーク400の4J(ジュール)型)を用いて、レーザ
ービームを1回又は5回照射し、線幅0.2mmの文字
をマーキングした。
【0025】前記のようにしてマーキングされた文字の
鮮明さを目視により以下の基準で評価した。その結果を
表1に示す。 (評価基準) ◎:非常に鮮明 ○:鮮明 △:やや不鮮明 ×:不鮮明
【0026】
【表1】
【0027】実施例2 表2に示した成分組成(重量部)の液状エポキシ樹脂組
成物を、アルミニウム金属片(縦:50mm、横:50
mm、厚さ:1.5mm)の表面に厚さ0.5mmに塗
布し、100℃で3時間加熱して硬化樹脂膜を形成し
た。次に、この硬化樹脂膜を有する試料の表面に対して
波長10.6μmを主波長とするレーザービームを照射
して文字をマーキングした。この場合、使用したレーザ
ービームマーキング装置はTEA CO2レーザー、ユ
ニマーク400の4J(ジュール)型(ウシオ電気社
製)であった。また、この場合に形成した文字マークの
線の太さは0.2mmであった。
【0028】前記のようにしてマークを付した試料につ
いて、その変色性を、下記基準で評価した。 (変色性) ×:変色性悪い △:変色性ややわるい。 ○:普通の変色性 ◎:変色性非常に良好 また、前記組成物について、増粘現象を生じるか否かを
以下のようにして調べた。 (増粘現象) (1)方法 表2に示した成分の配合直後の組成物について、その2
5℃における粘度をブルックフィールド粘度計を用いて
測定するとともに、各組成物の粘度を表2の試験No.
1のそれと比較し、熱変色性物質の添加による増粘現象
の有無を以下の基準で評価した。 (2)評価基準 A:無し B:極くわずか有り C:有り D:非常に有り
【0029】なお、以下の表において示した物質の具体
的内容は次の通りである。 (1)エピコート828:ビスフェノールA型エポキシ
樹脂(油化シェルエポキシ社製) (2)MeTHPA:メチルテトラヒドロ無水フタル酸 (3)BDMA :ベンジルジメチルアミン (4)シリカ :「クリスタライトA−1」((株)
龍森)、平均粒子径:12μm、白色 (5)ケイ酸ジルコニア:平均粒径:2μm、白色 (6)ゼオライト:細孔径:4Å、平均粒子径:10μ
m(ユニオン昭和株式会社製)、白色
【0030】
【表2】
【0031】実施例3 表3に示す成分組成(重量部)の粉体状エポキシ樹脂組
成物を調製し、この粉体組成物を、実施例2で示したア
ルミニウム金属片の表面に厚さ0.5mmに粉体塗装
し、100℃で3時間加熱して硬化樹脂膜を形成した。
次に、この硬化樹脂膜を有する試料の表面に対して、実
施例2と同様にしてレーザービームを照射して文字をマ
ーキングし、その文字マークを付した試料について、そ
の変色性を実施例2と同様にして評価した。その結果を
表3に示す。
【0032】なお、表3に新しく示した符号の具体的内
容は以下の通りである。 (1)エピコート1004:ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ社製) (2)BTDA:ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水
物 (3)DICY:ジシアンジアミド
【0033】また、前記組成物について、増粘現象を生
じるか否かを以下のようにして調べた。 (1)方法 表3に示した組成物1gを85kgf/cm2の圧力で
直径16mmの錠剤に成形した。この錠剤をスライドガ
ラス上で140℃、10分間で加熱硬化し、硬化した直
後の直径を測定し、以下の式から溶融流れ率を測定する
とともに、その溶融流れ率を表3の試験No.1の組成
物のそれと比較し、熱変色性物質の添加による溶融時の
増粘現象の有無を以下に示す基準で評価した。 (2)評価基準 A:無し B:極くわずか有り C:有り D:非常にあり
【0034】
【表3】
【0035】実施例4 エピコート1004:100重量部、シリカ:80重量
部、コージュライト:20重量部、BTDA:14.8
重量部、DICY:0.1重量部及び表4、表5に示す
重量部の黄色酸化鉄とシュウ酸銅からなる粉体エポキシ
樹脂組成物を用い、実施例3と同様にして実験を行っ
た。その結果を表4及び表5に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【発明の効果】本発明のレーザービームマーキング用材
料は、黒色系の色調に熱変色するもので、その熱変色能
は高く、少量の使用においても、視認性にすぐれた鮮明
な色に熱変色する。本発明のレーザービームマーキング
用材料を含むエポキシ樹脂組成物から得られる成形品及
び塗膜は、これにレーザービームを照射することにより
容易に黒色系の色調のマーキングすることができる。し
かも、この場合、そのレーザービームマーキング用材料
は、少ない量の配合において、視認性にすぐれた鮮明な
マークを形成することができる。また、このような少量
の配合量により、エポキシ樹脂組成物における増粘現象
の発生等を防止することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−227112(JP,A) 特開 平6−166802(JP,A) 特開 平4−183743(JP,A) 特開 平4−28758(JP,A) 特開 平3−52945(JP,A) 特開 平4−28759(JP,A) 特開 昭60−155493(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 63/00 - 63/10 B41M 5/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黄色酸化鉄100重量部とシュウ酸銅2
    0〜500重量部との混合物からなるレーザービームマ
    ーキング用材料。
  2. 【請求項2】 レーザービーム吸収性物質を含む請求項
    1の材料。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂、硬化剤、黄色酸化鉄及び
    シュウ酸銅を含有し、該シュウ酸銅の含有量が、黄色酸
    化鉄100重量部当り20〜500重量部の範囲にある
    ことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 レーザービーム吸収性物質を含む請求項
    3の組成物。
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