JP2002040663A - ソルダーレジスト組成物及びその硬化物 - Google Patents

ソルダーレジスト組成物及びその硬化物

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JP2002040663A
JP2002040663A JP2000225129A JP2000225129A JP2002040663A JP 2002040663 A JP2002040663 A JP 2002040663A JP 2000225129 A JP2000225129 A JP 2000225129A JP 2000225129 A JP2000225129 A JP 2000225129A JP 2002040663 A JP2002040663 A JP 2002040663A
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resin
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cured
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Masato Yoshida
正人 吉田
Norio Kimura
紀雄 木村
Hideki Aida
秀樹 合田
Tetsuji Tono
哲二 東野
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Arakawa Chemical Industries Ltd
Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス転移点前の線熱膨張率(α1)とガラ
ス転移点後の線熱膨張率(α2)の変化の差を小さくす
ることによって、はんだ耐熱性やPCT耐性、冷熱サイ
クル耐性に優れるソルダーレジスト膜が得られると共
に、塗膜形成時にボイドやクラックなどを生じないソル
ダーレジスト組成物を提供する。 【解決手段】 ソルダーレジスト組成物は、(A)ノボ
ラックフェノール樹脂(1)とアルコキシシラン部分縮
合物(2)とを部分的に脱アルコール縮合反応させて得
られるアルコキシ基含有シラン変性フェノール樹脂、
(B)エポキシ樹脂、及び(C)溶剤を含有することを
特徴としており、好適にはさらに(D)無機フィラー及
び/又は(E)硬化触媒を含有する。該組成物から、ガ
ラス転移点前の線膨張率α1とガラス転移点後の線膨張
率α2とが(α2−α1)/α1<1.7の関係にある硬化
塗膜を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソルダーレジスト
組成物及びその硬化物に関し、さらに詳しくは、はんだ
耐熱性やPCT耐性、冷熱サイクル耐性に優れた硬化塗
膜が得られ、鉛フリーのはんだに対応可能なソルダーレ
ジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ソルダ−レジストは、プリント配線板に
電子部品をはんだ付けする際、必要な部分以外の部分へ
のはんだ付着の防止及び回路の保護を目的とするもので
ある。そのため、はんだ耐熱性や長期信頼性(プレッシ
ャークッカー試験(以下、PCTと表記する。)、冷熱
サイクル試験における耐久性)、電気絶縁性、耐溶剤
性、耐薬品性等が要求される。
【0003】近年、エレクトロニクス機器の軽薄短小化
に伴い、リードフレームと封止樹脂を用いたQFP(ク
ワッド・フラットパック・パッケージ)、SOP(スモ
ール・アウトライン・パッケージ)等と呼ばれるICパ
ッケージに代わって、ソルダーレジストを施したプリン
ト配線板と封止樹脂を用いたICパッケージが登場し
た。これら新しいパッケージは、ソルダーレジストを施
したプリント配線板の片側にボール状のはんだ等の金属
をエリア状に配し、もう片側にICチップをワイヤーボ
ンディング、バンプ等で直接接続し、封止樹脂で封止し
た構造をしており、BGA(ボール・グリッド・アレ
イ)、CSP(チップ・スケール・パッケージ)等の呼
び名で呼ばれている。これらのパッケージは、同一サイ
ズのQFP等のパッケージよりも多ピンでさらに小型化
が容易である。また実装においても、ボール状はんだの
セルフアライメント効果により低い不良率を実現し、急
速にその導入が進められている。
【0004】これらのパッケージに使用されるプリント
配線板には、エポキシ−イミダゾール硬化系の熱硬化型
ソルダーレジストインキが用いられているが、ガラス転
移点前後の線膨張率の変化が大きいため、はんだリフロ
ー時に加わる高熱によって、またパッケージの長期信頼
性試験であるPCTや冷熱サイクル試験において、ソル
ダーレジスト皮膜の剥離やクラックが生じ、絶縁信頼性
に対して著しく悪影響を及ぼすという欠点があった。こ
のようなはんだ耐熱性や長期信頼性の問題は、上記実装
技術の場合のみに限られるものではなく、一般のプリン
ト配線板のソルダーレジスト製品においても望ましくな
い。
【0005】さらに、近年、はんだに含まれる鉛が環境
や人体に有害であることから、鉛を含まない、いわゆる
鉛フリーはんだの利用が盛んに検討されている。この鉛
フリーはんだは、これまでの鉛−63%錫共晶はんだに
比べ溶融温度が高いため、はんだ付け温度も、220℃
〜230℃が標準的であったものが、290℃前後と高
いものとなつている。また、鉛フリーはんだの中には濡
れ性が悪いタイプもあり、この場合には、一般に使用さ
れているロジン系フラックスでは銅との濡れ性を充分確
保できないため、より活性の強いフラックスを使用しな
ければならない。以上のような状況から、ソルダーレジ
ストに対するはんだ耐熱性、PCT耐性、冷熱サイクル
耐性向上の要求は、一段と厳しくなってきている。
【0006】これに対し、従来、はんだ耐熱性、PCT
耐性、冷熱サイクル耐性を向上させる手段として、粒径
十数nm〜数μmのフィラーをソルダーレジストに添加
する方法が提案されている。しかし、充分な効果を得る
ためにはフィラーを多量に添加しなければならないが、
フィラーを多量に添加するとソルダーレジストの粘度及
びチキソ性が上昇しすぎるため、スクリーン印刷、カー
テンコーティグ、スプレーコーティング、ロールコーテ
ィングといった、通常用いられるソルダーレジストのコ
ーティング方法では、表面が平滑で泡(ボイド)などの
無い良好な塗膜を形成することが困難となる。また、ソ
ルダーレジスト製造時においては、粘度が高くなるほど
フィラーを均一に分散させることが難しくなるため、生
産性が低下する。
【0007】上記の方法の他に、エポキシ樹脂用硬化剤
として、フェノールノボラック樹脂中でアルコキシシラ
ンの加水分解、重縮合を行なって得られるフェノールノ
ボラック樹脂とシリカとの複合体ゾル溶液を使用するこ
とにより、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性を向上させる方
法が提案されている(特開平9−216938号公
報)。しかしながら、かかる複合体を硬化剤とするエポ
キシ樹脂硬化物では、ある程度は、はんだ耐熱性、PC
T耐性、冷熱サイクル耐性が向上するものの、硬化剤中
の水や硬化時に生じる水やメタノールに起因して、硬化
物中にボイドが発生する。また、はんだ耐熱性やPCT
耐性、冷熱サイクル耐性を一層向上させる目的でアルコ
キシシラン量を増やすと、ゾル−ゲル硬化反応により生
成するシリカが凝集し、得られる硬化物の透明性が失わ
れて白化するうえ、多量のアルコキシシランをゾル化す
るために多量の水が必要となり、その結果として硬化物
のそり、クラック等を招く。
【0008】また、エポキシ樹脂にシリコーン化合物を
反応させたシラン変性エポキシ樹脂と、硬化剤であるフ
ェノールノボラック樹脂とを組み合わせた組成物(特開
平3−201466号公報)や、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、テトラビスブロモビスフェノールA及びメ
トキシ基含有シリコーン中間体を反応させたシラン変性
エポキシ樹脂と、硬化剤であるフェノールノボラック樹
脂とを組み合わせた組成物(特開昭61−272243
号公報、特開昭61−272244号公報など)も提案
されている。しかしながら、これらシラン変性エポキシ
樹脂は、変性に使用するシリコーン化合物やメトキシ基
含有シリコーン中間体の主構成単位がジオルガノポリシ
ロキサン単位であり、しかもアルコキシ基の残存量が少
ないため、本質的にシリカを生成しがたいものである。
従って、このようなシラン変性エポキシ樹脂を含有する
組成物から得られる硬化物中には、実質的にシリカが含
有されておらず、そのためはんだ耐熱性、PCT耐性、
冷熱サイクル耐性が不充分である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記したよ
うな従来の問題点を解決すべくなされたものであり、は
んだ耐熱性、PCT耐性、冷熱サイクル耐性に優れるソ
ルダーレジスト膜が得られると共に、塗膜形成時にボイ
ドやクラックなどを生じない、新規なソルダーレジスト
組成物を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、(A)ノボラックフェノール樹脂
(1)とアルコキシシラン部分縮合物(2)とを部分的
に脱アルコール縮合反応させて得られるアルコキシ基含
有シラン変性フェノール樹脂、(B)エポキシ樹脂、及
び(C)溶剤を含有することを特徴とするソルダーレジ
スト組成物が提供される。該組成物は、さらに(D)無
機フィラー及び/又は(E)硬化触媒を含有することも
できる。さらに本発明によれば、上記樹脂組成物の硬化
物であって、ガラス転移点前の線膨張率α1とガラス転
移点後の線膨張率α2とが、(α2−α1)/α1<1.7
の関係にあることを特徴とするソルダーレジスト硬化物
が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは前記課題を解決すべ
く鋭意研究を行なった結果、エポキシ樹脂系熱硬化性樹
脂組成物において、(A)ノボラックフェノール樹脂
(1)のフェノール性水酸基の一部とアルコキシシラン
部分縮合物(2)を脱アルコール縮合反応させて得られ
る特定のアルコキシ基含有シラン変性フェノール樹脂
が、(B)エポキシ樹脂と共存する場合、その硬化物
は、ガラス転移点前の線膨張率(α1)とガラス転移点
後の線膨張率(α2)の変化の差が小さくなり、その結
果、前記目的に合致した硬化皮膜が得られることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】すなわち、本発明のソルダーレジスト組成
物において、後述するように1分子当りのSiの平均個
数が3以上のアルコキシ基含有シラン変性フェノール樹
脂は、例えば下記化学式で示されるように、ノボラック
フェノール樹脂のフェノール性水酸基の一部をアルコキ
シシラン部分縮合物(シリカ前駆体)と結合させて化学
修飾したものであり、それ自体シリカ硬化反応(自己縮
合)すると共に、残存しているフェノール性水酸基はエ
ポキシ樹脂との硬化反応(エポキシ−フェノール硬化反
応)を生起し、エポキシ樹脂の架橋部として機能する。
この熱硬化反応によって得られる硬化物中にはシリカが
存在するため、ガラス転移点前後の線膨張率の変化の差
が小さく、そのためはんだ耐熱性やPCT耐性、冷熱サ
イクル耐性に優れた硬化物が得られると共に、ボイドや
クラックなどを生じることもない。
【化1】
【0013】本発明のソルダーレジスト組成物の別の態
様においては、さらに無機フィラー(D)を含有する。
無機フィラーを添加することにより、通常、密着性向上
効果が得られる。
【0014】以下、本発明のソルダーレジスト組成物の
各構成成分について詳しく説明すると、まず、本発明に
用いるノボラックフェノール樹脂(1)は、フェノール
類とアルデヒド類を酸触媒の存在下に反応させて得られ
るものである。本発明では、ノボラックフェノール樹脂
(1)に関して格別の限定はないが、通常は平均フェノ
ール核数3〜8程度のものを使用するのが好ましい。な
お、上記のフェノール類としては、例えばフェノール、
o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、
2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5
−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシ
レノール、3,5−キシレノール、p−エチルフェノー
ル、p−イソプロピルフェノール、p−ターシャリーブ
チルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフ
ェノールなどが挙げられる。ホルムアルデヒド類として
は、ホルマリンの他、パラホルムアルデヒド、トリオキ
サン、テトラオキサン等のホルムアルデヒド発生源物質
を使用することもできる。また、酸性触媒としては従来
公知のものが使用できる。
【0015】また、本発明に用いるアルコキシシラン部
分縮合物(2)としては、例えば一般式:R1 nSi(O
24-n(式中、nは0又は1の整数を表わす。R1
炭素原子に直結した炭素数1〜8のアルキル基又はアリ
ール基を表わし、それぞれ同一でも異なっていてもよ
い。また、R2は炭素数1又は2のアルキル基を表わ
す。)で表わされるアルコキシシラン化合物を部分的に
加水分解、縮合して得られるオリゴマーを例示できる。
【0016】上記一般式で表わされるアルコキシシラン
部分縮合物(2)を構成するアルコキシシラン化合物と
しては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン
等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ
メトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イ
ソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類が例示で
きる。これらのなかでも、テトラメトキシシラン、メチ
ルトリメトキシシランから得られる部分縮合物が、脱ア
ルコール反応速度、硬化反応速度が大きいので好まし
く、またコスト面でも好ましい。
【0017】アルコキシシラン部分縮合物(2)は、上
記物質の中から1種又は2種以上を適宜選択すればよい
が、1分子当りのSiの平均個数は3〜20であること
が望ましい。Siの平均個数が3未満であると、当該縮
合物(2)中に含まれる有害なアルコキシシランモノマ
ー(例えば、テトラメトキシシラン)の量が多くなり、
ノボラックフェノール樹脂(1)との脱アルコール反応
において、副生アルコールと共にアルコキシシランモノ
マーが排出され易くなり、安全衛生面から好ましくな
い。一方、20を超えると、溶解性が悪くなり、ノボラ
ックフェノール樹脂(1)や有機溶剤に不溶化し易くな
って、ノボラックフェノール樹脂(1)との反応性が落
ちる傾向があるので好ましくない。
【0018】本発明のアルコキシ基含有シラン変性フェ
ノール樹脂(A)は、前記ノボラックフェノール樹脂
(1)と前記アルコキシシラン部分縮合物(2)との脱
アルコール縮合反応により得られる。ノボラックフェノ
ール樹脂(1)とアルコキシシラン部分縮合物(2)の
使用割合は、アルコキシシラン部分縮合物(2)のアル
コキシ基の当量/ノボラックフェノール樹脂(1)のフ
ェノール性水酸基の当量(当量比)が0.2〜10の範
囲となる割合が望ましく、好ましくは0.3〜8の範囲
である。
【0019】アルコキシ基含有シラン変性フェノール樹
脂(A)の製造は、例えば、前記各成分を仕込み、加熱
して生成するアルコールを留去しながら脱アルコール縮
合反応を行なう。反応温度は70〜150℃程度、好ま
しくは80〜110℃であり、全反応時間は2〜15時
間程度である。また、上記の脱アルコール縮合反応に際
しては、反応促進のために有機金属触媒などの従来公知
のエステル交換触媒を使用することができる。
【0020】上記反応は、ノボラックフェノール樹脂
(1)の水酸基とアルコキシシラン部分縮合物のアルコ
キシシリル部位の脱アルコール縮合反応でアルコキシ基
含有シラン変性フェノール樹脂(A)を得ることを目的
としており、従って、本反応時にアルコキシシリル部位
同士の重縮合による新たなシロキサン結合が生じること
は好ましくない。そのため、上記反応はアルコキシシリ
ル部位がゾル-ゲル硬化反応を起こさないように、実質
的に無水状態で行なうことが好ましい。また、上記反応
は溶剤中で行なうこともできる。
【0021】アルコキシ基含有シラン変性フェノール樹
脂(A)は、硬化残分が50〜90質量%、25℃のB
型粘度が1,000〜50,000mPa・sになるよ
うに溶剤を加えて調整することができる。ここで硬化残
分とは、アルコキシ基含有シラン変性フェノール樹脂
(A)を乾燥、硬化させた時の硬化物の質量%である。
溶剤としては、非プロトン性極性溶媒が好ましい。プロ
トン性溶剤では脱アルコール反応が進行しないため好ま
しくない。
【0022】非プロトン性極性溶媒としては、例えば、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチ
ルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブ
チルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類など
が挙げられ、単独で又は2種類以上の混合物として使用
することができる。これらのなかでも、、沸点が150
℃以上の非プロトン性極性溶媒が好ましい。沸点が15
0℃未満であると、レジストインキ製造工程における無
機フィラー混練時に当該溶剤の揮発が激しくなるため好
ましくない。
【0023】こうして得られたアルコキシ基含有シラン
変性フェノール樹脂(A)は、ノボラックフェノール樹
脂(1)のフェノール性水酸基がシラン変性されてなる
シラン変性フェノール樹脂を主成分とするものであり、
多数のSi原子に結合したアルコキシ基を持っているこ
とを特徴とする。このアルコキシシリル部位は、レジス
トインキ成分として塗工時に溶剤の蒸発、加熱、水分
(湿気)との反応によって、互いに結合しあって、シロ
キサン結合(Si−O−Si)を網目状に形成し、ゲル
化した微細なシリカ部位(シロキサン結合の高次網目構
造)を持つ硬化物を作る。このような高次網目構造を充
分に持った硬化物とするためには、アルコキシシラン部
分縮合物(2)のアルコキシ基とノボラックフェノール
樹脂(1)のフェノール性水酸基との脱アルコール縮合
反応によって生成されるアルコキシ基含有シラン変性フ
ェノール樹脂(A)において、アルコキシシラン部分縮
合物(2)のアルコキシ基の少なくとも30%以上、好
ましくは40%以上がアルコキシル基含有シラン変性フ
ェノール樹脂(A)中に残存していることが望ましい。
【0024】また、アルコキシ基含有シラン変性フェノ
ール樹脂(A)の硬化残分中のシリカ質量%が、シリカ
質量換算で10〜60質量%であることが好ましい。本
発明で用いるアルコキシシラン部分縮合物(2)は、ゾ
ル−ゲル硬化反応を経て、 一般式:R1 nSiO(4-n)/2 で示されるシリカへと変化させることが出来る。ここで
言う硬化残分中のシリカ質量%とは、アルコキシ基含有
シラン変性フェノール樹脂(A)のアルコキシシリル部
位がゾル−ゲル硬化反応を経て、シリカに変化(硬化)
した時のシリカ部位の質量パーセントである。アルコキ
シ基含有シラン変性フェノール樹脂(A)の硬化残分中
のシリカ質量%が10%未満であると、ソルダーレジス
ト膜中に、シリカの3次元構造が少なくなり、良好なは
んだ耐熱性やPCT耐性、冷熱サイクル耐性を得るのが
難くなる。一方、アルコキシ基含有シラン変性フェノー
ル樹脂(A)の硬化残分中のシリカ質量%が60%を超
えると、無機性が強くなり、ソルダーレジスト膜の屈曲
性が無くなる。
【0025】また、アルコキシ基含有シラン変性フェノ
ール樹脂(A)は、フェノール性水酸基の少なくとも1
つがシラン変性されたフェノール樹脂を主成分として含
むが、当該樹脂(A)中には未反応のノボラックフェノ
ール樹脂(1)や未反応のアルコキシシラン部分縮合物
(2)が含有されていてもよい。
【0026】本発明のソルダーレジスト組成物は、上記
アルコキシ基含有シラン変性フェノール樹脂(A)にエ
ポキシ樹脂(B)、溶剤(C)、好ましくはさらに無機
フィラー(D)、硬化触媒(E)を配合する。ここで
(A)〜(E)の各成分の配合比率は特に限定されない
が、ソルダーレジスト組成物からできる硬化膜中のアル
コキシ基含有シラン変性フェノール樹脂(A)由来のシ
リカ質量%が1〜20%になる様、調整して配合するの
が好ましい。この硬化膜中のシリカ質量%が1%未満で
あると、耐熱性や密着性を向上させる効果は小さく、逆
に20%を超えるとソルダーレジスト膜の屈曲性が落ち
る傾向がある。
【0027】上記のエポキシ樹脂(B)としては、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビキシ
レノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素
化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルAのノボラック型エポキシ樹脂などのグリシジルエー
テル化合物、テレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキ
サヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジ
グリシジルエステルなどのグリシジルエステル化合物、
トリグリシジルイソシアヌレート、N,N,N´,N´
−テトラグリシジルメタキシレンジアミン、N,N,N
´,N´−テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘ
キサン、N,N−ジグリシジルアニリンなどのグリシジ
ルアミン化合物などの公知慣用のエポキシ樹脂が挙げら
れる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて
用いることができる。これらのなかでも、エポキシ当量
が200〜1000のエポキシ樹脂が好ましい。エポキ
シ当量が1000を超えると、アルコキシ基含有シラン
変性フェノール樹脂(A)を含む組成物中のシリカ質量
%を高めることが困難になり、高いはんだ耐熱性やPC
T耐性、冷熱サイクル耐性が得られ難くなるので好まし
くない。一方、エポキシ当量が200未満のエポキシ樹
脂を用いた場合、架橋密度が上がりすぎて、硬化膜が脆
くなるので好ましくない。
【0028】本発明のソルダーレジスト組成物は、上記
(A)〜(E)の各成分を所定量づつ含有する混合物を
3本ロールミルなどの分散機を用いて混練りして得られ
るが、作業性を考慮して、粘度を5,000〜50,0
00mPa・sとなるように溶剤(C)を用いて希釈、
調整することが好ましい。溶剤(C)としては、アルコ
キシ基含有シラン変性フェノール樹脂(A)とエポキシ
樹脂(B)を溶解/分散することができる従来公知の各
種溶剤が使用できる。具体的には、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレ
ン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロ
ソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビ
トール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール
ジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチル
エーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸
ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセ
テート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトール
アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート等の酢酸エステル類;オクタン、デカン等
の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石
油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げ
られ、単独で又は2種類以上の混合物として使用するこ
とができる。
【0029】また無機フィラー(D)としては、従来公
知の無機フィラーが使用できる。具体的には、硫酸バリ
ウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケ
イ素、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状
シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、硫酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化ア
ルミニウム、マイカ等が挙げられ、これらの無機フィラ
ーを単独で又は2種以上配合することができる。ソルダ
ーレジス組成物中での無機フィラーの配合割合は、通
常、0.5〜30質量%であるのが好ましい。
【0030】また、本発明のソルダーレジスト組成物
は、前記のように、アルコキシ基含有シラン変性フェノ
ール樹脂(A)のエポキシ樹脂との硬化反応、アルコキ
シシリル基の加水分解、縮合反応(自己縮合)を促進さ
せるため、硬化触媒(E)を含有することができる。こ
の硬化触媒(E)としては、例えば、1,8−ジアザ−
ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレン
ジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールア
ミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルア
ミノメチル)フェノールなどの三級アミン類;2−メチ
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミ
ダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィ
ン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなど
の有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テ
トラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリ
ン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロ
ン塩や、一般のゾル−ゲル反応に用いられる酸、塩基又
は金属触媒などを挙げることができる。これらは塗膜の
要求特性に応じて単独であるいは2種類以上を組み合わ
せて使用できる。硬化触媒は、エポキシ樹脂100質量
部に対し、0.01〜5質量部の割合で使用するのが好
ましい。
【0031】本発明のソルダーレジスト組成物から得ら
れる硬化塗膜は、ガラス転移点前の線膨張率(α1)と
ガラス転移点後の線膨張率(α2)との関係が、(α2
α1)/(α1)<1.70であることが好ましく、さら
に好ましくは(α2−α1)/(α1)≦1.50であ
る。α1とα2の関係が、(α2−α1)/(α1)≧1.
70であると、充分なはんだ耐熱性やPCT耐性、冷熱
サイクル耐性が得られなくなる。また、ソルダーレジス
ト硬化物中に含まれるアルコキシ基含有シラン変性フェ
ノール樹脂(A)由来のシリカ質量%は、1〜20質量
%であることが好ましい。この硬化物中のシリカ質量%
が1%未満であると、耐熱性や密着性を向上させる効果
が小さく、逆に20%を超えるとソルダーレジスト膜の
屈曲性が落ちる傾向にある。
【0032】さらに、本発明のソルダーレジスト組成物
には、必要に応じて、フタロシアニン・グリーン、フタ
ロシアニン・ブルー、アイオジン・グリーン、ジスアゾ
イエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カー
ボンブラック、ナフタレンブラック等の着色顔料、消泡
剤、密着性付与剤、レベリング剤、シランカップリング
剤等の各種添加剤を加えることができる。なお、本発明
のソルダーレジスト組成物は、一液型とすることも二液
型とすることもできる。
【0033】本発明のソルダーレジスト組成物は、スク
リーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、
ロールコート法等の公知の塗工方法によってプリント配
線基板にコーティングされる。ソルダーレジストのパタ
ーン形成は、スクリーン印刷法ではパターン印刷するこ
とによって形成できる。その後、約120〜250℃の
温度にて加熱して、硬化させることにより、目的とする
ソルダーレジスト膜を形成することができる。また、高
解像のパターンが必要なときは、各コーティング方法で
プリント配線基板全面にソルダーレジストをコーティン
グし、約120〜250℃の温度で硬化後、炭酸ガスレ
ーザー等のレーザー光にてトリミングすることで形成す
ることができる。
【0034】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明につ
いて具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定さ
れるものでないことはもとよりである。なお、以下にお
いて「部」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基
準である。また、下記実施例において、エポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル
エポキシ(株)製「エピコート1001」75部をカル
ビトールアセテート(ダウケミカル社製「ジューキゾー
ルCA」25部に溶解して調製したワニス(以下、ワニ
スAという)を用いた。
【0035】実施例1 フェノールノボラック樹脂(平均核体数5、フェノール
性水酸基当量106g/eq)とテトラメトキシシラン
部分縮合物(1分子当りのSiの平均個数は4)とを反
応させて得たアルコキシ基含有シラン変性フェノール樹
脂(荒川化学工業(株)製「HBP−21」、硬化残分
65%のカルビトールアセテート溶液、硬化残分中のシ
リカ質量%=33%、フェノール性水酸基当量525g
/eq、25℃での粘度=21,000mPa・s、ア
ルコキシシラン部分縮合物(2)のアルコキシ基の当量
/ノボラックフェノール樹脂(1)のフェノール性水酸
基の当量(当量比)=2.00)153.8部に対し、
ワニスAを158.4部、硬化触媒(四国化成工業
(株)製「キュアゾール2PHZ」)1.2部及びカル
ビトールアセテート(ダウケミカル社製「ジューキゾー
ルCA」)9.4部を配合して予備混合後、3本ロール
ミルで混練りし、ソルダーレジスト組成物を得た。
【0036】実施例2 フェノールノボラック樹脂(平均核体数5、フェノール
性水酸基当量106g/eq)とテトラメトキシシラン
部分縮合物(1分子当りのSiの平均個数は4)とを反
応させて得たアルコキシ基含有シラン変性フェノール樹
脂(荒川化学工業(株)製「HBP−21」、硬化残分
65%のカルビトールアセテート溶液、硬化残分中のシ
リカ質量%=33%、フェノール性水酸基当量525g
/eq、25℃での粘度=21,000mPa・s、ア
ルコキシシラン部分縮合物(2)のアルコキシ基の当量
/ノボラックフェノール樹脂(1)のフェノール性水酸
基の当量(当量比)=2.00)153.8部に対し、
ワニスAを85.7部、シリカ(日本アエロジル(株)
製「AEROSIL200」)23.6部、硬化触媒
(四国化成工業(株)製「キュアゾール2PHZ」)
0.7部及びカルビトールアセテート(ダウケミカル社
製「ジューキゾールCA」)7.9部を配合して予備混
合後、3本ロールミルで混練りし、ソルダーレジスト組
成物を得た。
【0037】実施例3 フェノールノボラック樹脂(平均核体数5、フェノール
性水酸基当量106g/eq)とテトラメトキシシラン
部分縮合物(1分子当りのSiの平均個数は4)とを反
応させて得たアルコキシ基含有シラン変性フェノール樹
脂(荒川化学工業(株)製「HBP−13」、硬化残分
72%のカルビトールアセテート溶液、硬化残分中のシ
リカ質量%=40%、フェノール性水酸基当量400g
/eq、25℃での粘度=8,200mPa・s、アル
コキシシラン部分縮合物(2)のアルコキシ基の当量/
ノボラックフェノール樹脂(1)のフェノール性水酸基
の当量(当量比)=2.74)138.9部に対し、ワ
ニスAを220.4部、硬化触媒(四国化成工業(株)
製「キュアゾール2PHZ」)1.7部及びカルビトー
ルアセテート(ダウケミカル社製「ジューキゾールC
A」)10.8部を配合して予備混合後、3本ロールミ
ルで混練りし、ソルダーレジスト組成物を得た。
【0038】実施例4 フェノールノボラック樹脂(平均核体数5、フェノール
性水酸基当量106g/eq)とメチルトリメトキシシ
ラン部分縮合物(1分子当りのSiの平均個数は5)と
を反応させて得たアルコキシ基含有シラン変性フェノー
ル樹脂(荒川化学工業(株)製「HBP−26」、硬化
残分73%のカルビトールアセテート溶液、硬化残分中
のシリカ質量%=31%、フェノール性水酸基当量27
0g/eq、25℃での粘度=21,000mPa・
s、アルコキシシラン部分縮合物(2)のアルコキシ基
の当量/ノボラックフェノール樹脂(1)のフェノール
性水酸基の当量(当量比)=0.95)136.9部に
対し、ワニスAを277.2部、硬化触媒(四国化成工
業(株)製「キュアゾール2PHZ」)2.1部及びカ
ルビトールアセテート(ダウケミカル社製「ジューキゾ
ールCA」)12.5部を配合して予備混合後、3本ロ
ールミルで混練りし、ソルダーレジスト組成物を得た。
【0039】下記比較例においては、アルコキシ基含有
シラン変性フェノール樹脂の代わりに、フェノールノボ
ラック樹脂(荒川化学工業(株)製「タマノル75
8」)60部をカルビトールアセテート(ダウケミカル
社製「ジューキゾールCA」40部に溶解して調製した
ワニス(以下、ワニスBという)を用いた。 比較例1 ワニスB166.7部に対し、ワニスAを310.4
部、硬化触媒(四国化成工業(株)製「キュアゾール2
PHZ」)2.3部及びカルビトールアセテート(ダウ
ケミカル社製「ジューキゾールCA」)12.4部を配
合して予備混合後、3本ロールミルで混練りし、ソルダ
ーレジスト組成物を得た。
【0040】比較例2 ワニスB166.7部に対し、ワニスAを310.4
部、シリカ(日本アエロジル(株)製「AEROSIL
200」)59.1部、硬化触媒(四国化成工業(株)
製「キュアゾール2PHZ」)2.3部及びカルビトー
ルアセテート(ダウケミカル社製「ジューキゾールC
A」)14.2部を配合して予備混合後、3本ロールミ
ルで混練りし、ソルダーレジスト組成物を得た。
【0041】前記実施例1〜4及び比較例1、2の成分
組成を表1に示す。
【表1】
【0042】このようにして得られた実施例1〜4及び
比較例1、2の各ソルダーレジスト組成物に対して、以
下の特性について評価した。 ボイド及びクラックの確認:予め水洗・スクラブ研磨・
乾燥したプリント回路基板(厚さ1.6mm)上に実施
例1〜4及び比較例1、2の各ソルダーレジスト組成物
をスクリーン印刷法でパターン印刷し、熱風循環式乾燥
炉にて150℃で60分間硬化させた(乾燥膜厚20μ
m)。得られた硬化塗膜について、光学顕微鏡によりボ
イド又はクラック発生の有無を確認し、以下の基準で評
価した。 ○:硬化塗膜にボイド又はクラックがないもの △:硬化塗膜に若干ボイド又はクラックがあるもの ×:硬化塗膜にボイド又はクラックがあるもの
【0043】表面平滑性:予め水洗・スクラブ研磨・乾
燥したプリント回路基板(厚さ1.6mm)上に実施例
1〜4及び比較例1、2の各ソルダーレジスト組成物を
スクリーン印刷法でパターン印刷し、熱風循環式乾燥炉
にて150℃で60分間硬化させた(乾燥膜厚20μ
m)。得られた硬化塗膜ついて、表面平滑性を目視で評
価した。評価基準は以下のとおりである。 ○:硬化塗膜の表面平滑性に優れるもの △:硬化塗膜の表面平滑性が若干劣るもの ×:硬化塗膜の表面平滑性が劣るもの
【0044】はんだ耐熱性:予め水洗・スクラブ研磨・
乾燥したプリント回路基板(厚さ1.6mm)上に実施
例1〜4及び比較例1、2の各ソルダーレジスト組成物
をスクリーン印刷法でパターン印刷し、熱風循環式乾燥
炉にて150℃で60分間硬化させた。得られた硬化塗
膜にロジン系フラックスを塗布し、260℃のはんだ槽
に10秒間浸漬し、硬化塗膜の状態を以下の基準で評価
した。 ○:硬化塗膜にふくれ、剥がれ、変色がないもの △:硬化塗膜に若干ふくれ、剥がれ、変色があるもの ×:硬化塗膜にふくれ、剥がれ、変色があるもの
【0045】線膨張率(α1、α2):予め水洗・乾燥を
行なったPETフィルムに前記実施例1〜4及び比較例
1、2の各ソルダーレジスト組成物をスクリーン印刷法
で全面塗布し、熱風循環式乾燥炉にて150℃で60分
間硬化させた。これを室温まで冷却した後、PETフィ
ルムから硬化塗膜をはがし、評価サンプルを得た。この
評価サンプルの線膨張率をTMA法により測定した。得
られたガラス転移点前の線膨張率(α1)とガラス転移
点後の線膨張率(α2)より、(α2−α1)/α1を求め
た。
【0046】PCT耐性:予め水洗・スクラブ研磨・乾
燥したプリント回路基板(厚さ1.6mm)上に実施例
1〜4及び比較例1、2の各ソルダーレジスト組成物を
スクリーン印刷法でパターン印刷し、熱風循環式乾燥炉
にて150℃で60分間硬化させた(乾燥膜厚20μ
m)。得られた硬化塗膜のPCT耐性を条件121℃、
飽和50時間にて以下の基準で評価した。 ○:硬化塗膜にふくれ、剥がれ、変色がないもの △:硬化塗膜に若干ふくれ、剥がれ、変色があるもの ×:硬化塗膜にふくれ、剥がれ、変色があるもの
【0047】ヒートサイクル試験:予め水洗・スクラブ
研磨・乾燥したプリント回路基板(厚さ1.6mm)上
に実施例1〜4及び比較例1、2の各ソルダーレジスト
組成物をスクリーン印刷法でパターン印刷し、熱風循環
式乾燥炉にて150℃で60分間硬化させた(乾燥膜厚
20μm)。得られた硬化塗膜について、−55℃で1
5分、常温で10分、125℃で15分のヒートサイク
ル試験を1,000回実施し、光学顕微鏡によりソルダ
ーレジスト層におけるクラック発生の有無を確認した。 ○:硬化塗膜にふくれ、剥がれ、変色がないもの △:硬化塗膜に若干ふくれ、剥がれ、変色があるもの ×:硬化塗膜にふくれ、剥がれ、変色があるもの
【0048】得られた結果を下記表2に示す。
【表2】 表2に示す結果から明らかなように、各実施例のソルダ
ーレジスト組成物から形成された硬化塗膜は、(α2
α1)/α1<1.7の関係を満足し、はんだ耐熱性やP
CT耐性、冷熱サイクル耐性に優れていた。また、ボイ
ドやクラックのない表面平滑性に優れた硬化塗膜であっ
た。
【0049】実施例5 フェノールノボラック樹脂(平均核体数5、フェノール
性水酸基当量106g/eq)とテトラメトキシシラン
部分縮合物(1分子当りのSiの平均個数は4)とを反
応させて得たアルコキシ基含有シラン変性フェノール樹
脂(荒川化学工業(株)製「HBP−21」)153.
8部に対し、ワニスAを303.6部、硬化触媒(四国
化成工業(株)製「キュアゾール2PHZ」)2.3部
及びカルビトールアセテート(ダウケミカル社製「ジュ
ーキゾールCA」)13.8部を配合して予備混合後、
3本ロールミルで混練りし、ソルダーレジスト組成物を
得た。
【0050】実施例6 フェノールノボラック樹脂(平均核体数5、フェノール
性水酸基当量106g/eq)とテトラメトキシシラン
部分縮合物(1分子当りのSiの平均個数は4)とを反
応させて得たアルコキシ基含有シラン変性フェノール樹
脂(荒川化学工業(株)製「HBP−21」)153.
8部に対し、ワニスAを85.7部、硬化触媒(四国化
成工業(株)製「キュアゾール2PHZ」)0.7部及
びカルビトールアセテート(ダウケミカル社製「ジュー
キゾールCA」)7.9部を配合して予備混合後、3本
ロールミルで混練りし、ソルダーレジスト組成物を得
た。
【0051】前記実施例5及び6の成分組成を表3に示
す。
【表3】
【0052】このようにして得られた実施例5及び6の
各ソルダーレジスト組成物に対して、前記と同様の評価
方法により、硬化塗膜中のボイド及びクラックの有無の
確認、表面平滑性、はんだ耐熱性、線膨張率、PCT耐
性、ヒートサイクル試験の各評価を行なった。その結果
を表4に示す。
【0053】
【表4】 表4に示される結果から明らかなように、硬化膜中のシ
リカ分が多くなる程、ガラス転移点前の線膨張率
(α1)とガラス転移点後の線膨張率(α2)の変化が小
さくなることがわかる。なお、実施例6の組成物は、実
施例5の組成物よりもワニス分(エポキシ樹脂)を少な
くして、硬化膜中のシリカ分が多くなるように調整した
ものである。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のソルダー
レジスト組成物によれば、はんだ耐熱性やPCT耐性、
冷熱サイクル耐性に優れ、かつボイドやクラック等のな
い表面平滑性に優れたソルダーレジスト膜を形成するこ
とができる。また、本発明のソルダーレジスト組成物に
よれば、シロキサン結合の高次網目構造を持つ硬化物が
得られるので、塗膜の難燃性向上にも効果が期待され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 紀雄 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内 (72)発明者 合田 秀樹 大阪府大阪市城東区今福南3丁目4番33号 荒川化学工業株式会社研究所内 (72)発明者 東野 哲二 大阪府大阪市城東区今福南3丁目4番33号 荒川化学工業株式会社研究所内 Fターム(参考) 2H025 AA10 AB15 AC01 AC08 CB29 CB30 CB33 CC03 CC08 CC17 4J002 CC072 CD021 CD051 CD061 CD071 CD101 CD121 CD131 CD141 DE147 DE187 DE237 DG047 DG057 DJ017 DJ037 DJ047 DJ057 EA016 EA056 ED026 EE036 EH056 EH156 EN038 EN108 EU118 EU138 EW148 EY018 FD017 FD142 FD158 FD206 GP03 4J036 AB07 AB17 AD07 AD08 AD09 AD20 AE05 AF06 AF08 AF10 AG06 AG07 AH05 AH07 DA05 DC05 DC06 DC12 DC40 DC46 DD07 FA03 FA04 FA05 FA09 FA10 FB08 GA06 JA10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ノボラックフェノール樹脂(1)
    とアルコキシシラン部分縮合物(2)とを部分的に脱ア
    ルコール縮合反応させて得られるアルコキシ基含有シラ
    ン変性フェノール樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び
    (C)溶剤を含有することを特徴とするソルダーレジス
    ト組成物。
  2. 【請求項2】 ノボラックフェノール樹脂(1)とアル
    コキシシラン部分縮合物(2)の使用割合が、アルコキ
    シシラン部分縮合物(2)のアルコキシ基の当量/ノボ
    ラックフェノール樹脂(1)のフェノール性水酸基の当
    量(当量比)で0.2〜10の範囲にある請求項1に記
    載のソルダーレジスト組成物。
  3. 【請求項3】 アルコキシシラン部分縮合物(2)が、
    テトラアルコキシシラン部分縮合物又はアルキルトリア
    ルコキシシラン部分縮合物である請求項1又は2に記載
    のソルダーレジスト組成物。
  4. 【請求項4】 さらに(D)無機フィラーを含有する請
    求項1乃至3のいずれか1項に記載のソルダーレジスト
    組成物。
  5. 【請求項5】 さらに(E)硬化触媒を含有する請求項
    1乃至4のいずれか1項に記載のソルダーレジスト組成
    物。
  6. 【請求項6】 (A)ノボラックフェノール樹脂(1)
    とアルコキシシラン部分縮合物(2)とを脱アルコール
    縮合反応させて得られるアルコキシ基含有シラン変性フ
    ェノール樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び(C)溶剤を
    含有する樹脂組成物の硬化物であって、ガラス転移点前
    の線膨張率α1とガラス転移点後の線膨張率α2とが、
    (α2−α1)/α1<1.7の関係にあることを特徴と
    するソルダーレジスト硬化物。
  7. 【請求項7】 ソルダーレジスト組成物の硬化残分中に
    含まれるアルコキシ基含有シラン変性フェノール樹脂
    (A)由来のシリカ質量%が、1〜20質量%であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載のソルダーレジスト硬化
    物。
  8. 【請求項8】 レーザー光にてパターン形成されたもの
    である請求項6又は7に記載のソルダーレジスト硬化
    物。
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