JP3075343U - 自転車リム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】排水効果及び制動機能を向上させた自転車リム
を提供する。 【解決手段】ブレーキパッド(4,6)を具えた自転車に取
付けられて、両側面がそれぞれフランジ部(31,52,71)に
形成されて該ブレーキパッド(4,6)の挟持抵触摩擦から
減速される自転車リム(3,5,7)において、上記リム(3,5,
7)両側のフランジ部(31,52,71)に多数の半径方向の凹溝
(32,51,721,722)を設けて、それぞれ凹溝(32,51,721,72
2)の端縁が外部へ通じるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、自転車リムに係り、特にブレーキパッドが挟持摩擦する両側フラン ジ部に多数の半径方向の凹溝を設けて、排水効果及び制動機能が向上された自転 車リムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

因みに、快適な速度、軽やかな体型、高い強度、優れた性能などの効果を求め て、業界では自転車の研究開発に励んでいるが、本出願者もその例に漏れず、制 動機能の向上が可能な自転車リムの台湾新型専利出願公告第265699号を提案して おり、図６及び図７に示すのがその立体図及び横断面図であり、これらに図示の 如く、該リム１はアルミ合金を押出し成型などにより所定断面の棒材に形成して 、更に両端を対向接合して真円環状に形成し、しかる後に全体を陽極酸化処理ま たは陽極皮膜処理を経て該リム１表面を保護する処理を施す。該リム１は横断面 がほぼU字形状を呈する枠体であって、そのリム中心寄りの内側部位にスポーク を装設するためのウェブ部11を具え、該ウェブ部11の両側に外周向きに屈曲延伸 する両フランジ部12を形成して、該両フランジ部12とウェブ部11により開口外向 きの凹み空間部13を囲い、該凹み空間部13内にタイヤを嵌設する。該自転車は尚 も該両フランジ部12を外側から挟持当接するブレーキパッド２を具えて、該両フ ランジ部12とで摩擦ブレーキ作用を達成できる。該リム１両側のフランジ部12の 外側表面には該リム１の円心に対して同心円状等間隔の複数のリング溝14が形成 されており、制動時に、ブレーキパッド２自体の弾性及び該フランジ部12との挟 持抵触による摩擦から、一部ブレーキパッド２が該リング溝14内にめり込んでブ レーキパッド２とフランジ部12の接触がより密着し、制動効果をより向上させる ことができるようになっている。

【０００３】 上記から分るように、該従来例の自転車リムはフランジ部12にそれぞれ複数の リング溝14を設けているので、ブレーキパッド２とリム１との間の摩擦力を強化 して、ブレーキ機能を向上させ得るのであるが、雨天の湿った環境で乗ると、該 リム１が濡れて、該リング溝14内に徐々に滲入した水が該リング溝14内に溜り、 制動時に、該ブレーキパッド２と該リング溝14との間に潤滑作用がある水膜を形 成して、該ブレーキパッド2とリング溝14の接触摩擦力が低下し、ブレーキ効果 が低下し、ブレーキが失効すると共に甚だしくなるとスリップする事態が生ずる 可能性がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の自転車リムの制動機能における問題点に鑑み、本考案は、排水効果 及び制動機能を向上させた自転車リムを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、ブレーキパッドを具えた自転車に取付け られて、両側がそれぞれフランジ部に形成されて該ブレーキパッドの挟持接触摩 擦から減速される自転車リムにおいて、 上記リム両側のフランジ部に多数の半径方向沿いの凹溝を設けて、それぞれ凹 溝の端縁がフランジ部両辺で外部へ通じるように構成される。

【０００６】 そして、上記各凹溝を直線状、或いはそれぞれ中央部が上下両側から前方へ張 出す弓形状に設けたり、上記多数の凹溝に換えて多数の凹溝グループを形成し、 各凹溝グループがそれぞれ両凹溝により組み立てられて、各凹溝グループの両凹 溝はそれぞれ中央部が上下両側から張出す円弧形状を呈し、且つ両凹溝の円弧向 きが相反して、互いに二個所で交叉するようにすると一層好ましい。

【０００７】 上記のように構成された本考案は、ブレーキをかけると、ブレーキパッドがリ ムの両側フランジ部を挟持して、ブレーキパッド自体の弾性により一部ブレーキ パッドが凹溝内にめり込み、ブレーキパッドとフランジ部との接触面積が大きく なると共に、該ブレーキパッドの凹溝内にめり込んだ部分が該リムの回転前進の 摩擦を増やして、該リムの回転を摩擦制止し、これにより大幅にブレーキ効果を 向上させることができる。

【０００８】 一方、雨天や湿った環境において、該凹溝に浸入した水はリムの回転前進に随 って遠心力から径向きに外部へ飛ばされて流出し、凹溝内に滞留することなく、 優れた排水性を具えて、制動時に該ブレーキパッドが両フランジ部を締付け挟持 でき、スリップ現象などが生じない。また、該リムがブレーキパッドの長期の挟 持接触摩擦から、そのフランジ部がだんだんと摩耗されると、該凹溝がリム摩耗 の警告線ともなって、リムの取換えを警告するように図ることもできる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案を実施の形態に基づいて具体的に説明するが、本考案はこの例だ けに限定されるものではない。

【００１０】 図１及び図２に示すのは本考案の制動機能向上可能な自転車リムにおける比較 的好ましい第1の実施形態であり、そのリム３は自転車に取付けて適用すること ができ、該自転車はブレーキパッド４を具えた制動機構を設けられて、制動時に 該ブレーキパッド４が該リム３の両側面を挟持接触して摩擦を生じ、該リム３は 横断面がU字形状を呈する枠体であって、アルミ合金を押出し加工して成型され 、該リム３は両側面にそれぞれフランジ部31を形成して、該ブレーキパッド４が 該フランジ部31の外側表面を挟持接触して摩擦により該リム３の回転を減速乃至 停止させるのである。

【００１１】 そして図２及び図３に示す如く、その特徴として、該リム３のフランジ部31に 多数の等間隔の半径方向凹溝32を設けて、各凹溝32を直線状に形成し、且つ各凹 溝32の端縁をフランジ部31の両辺で外部へ通じるように形成する。該リム３のそ れぞれ凹溝32はプレス鍛造で設けてもよく、或いはCNCコンピュータ制御旋盤で 形成してもよく、簡単容易に仕上げることができる。

【００１２】 図２及び図３で示すように、該自転車にブレーキをかけると、該ブレーキパッ ド４が該リム３の両側フランジ部31を締付け挟持して、該ブレーキパッド４自体 の弾性により一部ブレーキパッド４が凹溝32内にめり込み、ブレーキパッド４と フランジ部31との間の接触面積を増大できると共に、該ブレーキパッド４の凹溝 32内にめり込んだ部分41が該リム３の回転前進の摩擦を増やして、該リム３の回 転を摩擦制止し、これにより大幅にブレーキ効果を向上させることができる。

【００１３】 そして、雨天や湿った環境において、該凹溝32に浸入した水はリムの回転前進 に随って遠心力から径向きに外部へ弾き飛ばされて流出し、凹溝32内に滞留する ことなく、優れた排水性を具えて、ブレーキ時に該ブレーキパッド４が両フラン ジ部31を挟着固持でき、スリップなどのブレーキ無効の現象が生じない。尚、該 リム３がブレーキパッド４の長期の挟持接触摩擦から、そのフランジ部31がだん だんと摩耗すると、該凹溝32がリム摩耗の警告線となって、該フランジ部31の該 凹溝32が平面になるまで摩耗すれば、リム３の取換えを警告するように図ること ができる。

【００１４】 図４に示すのは、本考案における比較的好ましい第２の実施形態であり、本実 施形態の構造はほぼ上記第1の実施形態と同様であるが、そのリム５上の凹溝51 の構造で若干異なり、各凹溝51はそれぞれ中央部が同一向きに上下両側から前方 へ張出す円弧状を呈して、上記第1の実施形態と同様な排水効果を具えていると 同時に、その両側へ抛出する円弧線状の凹溝51から排水がより有利になり、排水 性に優れて、且つブレーキ時に、該ブレーキパッド６が凹溝51内にめり込んで当 接係止する際は、ブレーキパッド６がリム5両側を挟持して停止させるまでの僅 かの時間帯に、凹溝51が漸次ブレーキパッド６の挟持区域へ滑り込んで、部分ブ レーキパッド６がスムーズに凹溝51中央部から両側へとめり込むので、ブレーキ 摩擦効果を均一にスムーズにフランジ部52上に分布させることができ、間欠的な 跳躍現象が生ずることがない。

【００１５】 図５に示すのは、本考案における比較的好ましい第3の実施形態で、リム７の フランジ部71上の凹溝をそれぞれ両凹溝で組合せた凹溝グループ72に形成して、 各凹溝グループ72の両凹溝721,722はそれぞれ中央部が上下両側から張出す円弧 形状を呈し、且つ両凹溝721,722の円弧向きが相反して、互いに二個所で交叉し 、したがって、上記第2の実施形態における各種効果を具えていると共に、該凹溝 グループ72の両凹溝721,722の逆向き対称から、リム７を取付ける際に方向の制 限がなく、車体に取付けるのが比較的便利である。

【００１６】

【考案の効果】

上記のように本考案は、リム両側のブレーキパッドが挟持摩擦接触するフラン ジ部に、多数の両端縁が外部へ通じる半径方向の凹溝を設けているので、ブレー キ効果及び排水効果を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案における比較的好ましい第1の実施形態
の立体図。

【図２】上記第1の実施形態とブレーキパッド間の使用
状態を示す断面図。

【図３】上記第1の実施形態の部分拡大図。

【図４】本考案における比較的好ましい第２の実施形態
の部分拡大図。

【図５】本考案における比較的好ましい第3の実施形態
の部分拡大図。

【図６】従来例の制動機能向上可能な自転車リムの立体
図。

【図７】上記従来例のリムとブレーキパッド間の使用状
態を示す断面図。

【符号の説明】

3,5,7：リム 31,52,71：フラ
ンジ部 32,51,721,722：凹溝 4,6：ブレーキ
パッド 41：ブレーキパッドの凹溝内にめり込んだ部分 72：凹溝グループ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブレーキパッドを具えた自転車に取り付
   けられて、両側がそれぞれフランジ部に形成されて該ブ
   レーキパッドの挟持接触摩擦から減速される自転車リム
   において、 上記リム両側のフランジ部に多数の半径方向沿いの凹溝
   を設けて、それぞれ凹溝の端縁がフランジ部両辺で外部
   へ通じるようにしてなる自転車リム。
2. 【請求項２】 上記各凹溝を直線状に設けてなる請求項
   １に記載の自転車リム。
3. 【請求項３】 上記各凹溝を中央部が上下両側から前方
   へ張出す弓形状に設けてなる請求項１に記載の自転車リ
   ム。
4. 【請求項４】 上記多数の凹溝に換えて多数の凹溝グル
   ープを形成し、各凹溝グループがそれぞれ両凹溝により
   組立てられて、各凹溝グループの両凹溝はそれぞれ中央
   部が上下両側から張出す円弧形状を呈し、且つ両凹溝の
   円弧向きが相反して、互いに二個所で交叉するようにし
   てなる請求項1に記載の自転車リム。