JP3075202U - コンベアオーブン食品加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱気と蒸気が均一に混合して食品の表面を包
み込んで食品の水分の蒸発を抑えて調理出来、扉を上下
回動式の前開き式にし、長期間の使用によるも自重によ
るズレを生ぜず、扉の開閉がスムースで余り力を加える
必要がなく、赤外線バーナーによる焼入を効率的に行え
るようにする。 【解決手段】 調理室４とその上方に燃焼室５を配し、
調理室４内をコンベア３を貫通させる。燃焼室５内に
は、バーナー７の熱気吹き出し口に対応してファン８を
配設し、ファン８に近接し、かつ、その中心に向かって
蒸気噴出口９を対向させ、熱気と蒸気との混合熱気を調
理室４に送る通路１２を設け、コンベアの上下に通路１
２を分岐させ、その分岐通路に熱気吹き出しユニット１
３を配し、混合熱気をコンベアの上下からコンベア上の
食品１４に噴出させる。調理室４前方には、上下げ回動
の前開き式扉６を設け、扉６の上方へ回動を付勢する補
助装置を取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、蒸気を混合した熱気で食器を加熱調理するコンベアオーブンおよ び上記加熱料理した食品に焼き（焦げ）を入れる食品加熱装置に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来のコンベアオーブンは、バーナーで加熱した空気（熱気）をファンで加圧 して熱風吹き出しユニットに送り、送られた熱気を円筒状にして、コンベアベル ト上の食品に吹きかけている。 吹きかけた熱気は、食品の表面に衝突して、周囲の冷たい空気層を瞬時に吹き 飛ばし、食品の表面を熱い空気層で包み、うま味を内に閉じ込めて急速に焼き上 げる。 熱気はファンによって燃焼室に吸い込まれ、バーナーによって再び加熱されて 調理室へと循環する。

【０００３】 しかし、上記バーナーによる加熱では、熱気が周囲の空気のみならず食品表面 の水分までも飛ばしてしまうので、食品の表面が硬化してしまう。 そこで、バーナーで加熱した熱気に蒸気を混合して調理室内の食材に吹きつけ て加熱する技術が提供されている。

【０００４】 コンベアオーブンは、食品の加熱により、油や煙がオーブン内の部品装置に付 着して汚れるので、部品や内部を定期的に掃除したり、修理をしたりする必要が ある。 そこでオーブンに観音開き式または横開き式の扉を設けている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来の装置では、ファン吸込み部から離れた位置に蒸気管を設けているため、 蒸気と熱気との混合が不充分であり、この不充分な混合熱気を食品に吹きつけて いるが、混合にむらがあるため、食品への蒸気の吹き付けも均一に行われず、蒸 気による食品の表面の包み込みが充分でなく、食品の水分の蒸発を充分に抑える ことが出来ない。

【０００６】 オーブンの扉が観音開き式または横開き式であるので、オーブンの側方にスペ ースを必要とし、広い設置場所を必要とし、特に多連式の場合には横の扉と干渉 し合って全開出来ず、部品の着脱、清掃等の作業スペースが充分とれないという 問題がある。 更に、扉の支点軸が縦方向にあるために長期間の使用中には扉の自重でズレが 生じ、内部の熱気や蒸気の漏れが生じ易い等の支障が生ずるおそれがある。

【０００７】 熱気と蒸気で処理した食品の表面には焦げが少なく、表面の香ばしさやこんが りした焼色が望まれる。

【０００８】 この考案は、熱気と蒸気とが均一に混合した混合熱気が食品の表面を包み込ん で食品の水分の蒸発を抑えて調理でき、扉を下縁部を軸として支点軸を横にした 前開き式とし、長期間の使用によるも扉の自重によるズレが生ぜず、扉開閉補助 装置を取り付けて扉の開閉にあまり力を必要としないようにし、赤外線バーナー による焼き機構を併設して、熱気と蒸気による調理後の食品に効率よく焼きを入 れることの出来るコンベアオーブン食品加熱装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

調理室とその上方に燃焼室を配し、前記調理室内をコンベアを貫通配設し、前 記燃焼室内には、バーナーと、その熱風吹き出し口に対応してファンが配設され 、該ファンに近接し、かつ、ファンの中心に向かって蒸気噴出口を対向させた蒸 気パイプを配設し、前記ファンにより吸入した熱気と蒸気の混合熱気を調理室に 送り、調理室内で前記コンベアの上下に分岐した通路を設け、該分岐通路内に、 前記コンベアの回転方向に複数の熱風吹き出しユニットを配設し、前記各熱風吹 き出しユニットに対応して、前記コンベアに対向して前記分岐通路に前記混合熱 気の吹き出し口を設け、前記調理室の天井に燃焼室に通ずる開口を設け、前記調 理室の前方に開口を設け、前記開口を開閉する扉を、その下縁部を調理室の前記 開口の下部に枢止し、前記調理室外部下方と前記扉前面下部間に、扉を上方へ回 動するのを付勢する扉開閉補助装置を設けてコンベアオーブン食品加熱装置を形 成する。

【００１０】 室内を前記オーブンに貫設されたコンベアまたは、そのコンベアに連結したコ ンベアが貫き、該コンベアの上方に角度および高さ調節可能な赤外線バーナーを 複数個、前記コンベアの進行方向に配設し焼入れ機構を形成する。

【００１１】 前記コンベアオーブン装置の前後のいずれか、または前後双方に、前記焼入れ 装置を連設してなるコンベアオーブン食品加熱装置を形成する。

【００１２】

【発明の実施の形態】

この考案に係るコンベアオーブン食品加熱装置は、オーブン機構１、焼入れ機 構２とコンベア３とよりなる。

【００１３】 オーブン機構１は、調理室４の上方に燃焼室５を設け、調理室４の前面には下 縁部を軸として回動する前開き式の扉６が設けられている。

【００１４】 燃焼室５には、中央にバーナー７を設け、バーナー７の熱風吹出口の近くにフ ァン８を設ける。ファン８は対称的に設ける。

【００１５】 ファン８の近くに蒸気噴出口９を有する蒸気パイプ１０を配設する。蒸気噴出 口９は、蒸気の噴出方向をファン８の中心方向に向ける。

【００１６】 調理室４には、コンベア３が貫いて設けられている。 調理室４の上方中央に開口１１を設けて調理室４と燃焼室５とを連通させ、更 に、ファン８が吸入した熱気および蒸気を調理室４のコンベア３の上下に導く通 路１２を設ける。コンベア３の上下の通路１２はコンベア３の回転方向に設ける 。

【００１７】 コンベア３の上下の通路１２内には、複数の熱風吹き出しユニット１３を配設 し、各熱風吹き出しユニット１３に対向して通路１２に、コンベア３方向に熱風 吹き出しの開口（図示省略）を設ける。

【００１８】 オーブン機構１の作用は次の通りである。 図２および図３において、熱気および蒸気の循環を矢印で示している。白抜き の矢印は熱気を示し、黒で塗り潰した矢印は蒸気を示し、半分白抜きにした矢印 は熱気と蒸気の混合した混合熱気を示す。

【００１９】 バーナー７で、その前方の空気を加熱してその熱気をファン８で吹き込む。そ の時に同時に蒸気が蒸気噴出口９よりファン８の中心に向かって噴出され、ファ ン８で吸い込まれて前記熱気と蒸気がよく混合されて、混合熱気となり、ファン ８により通路１２に送り込まれる。

【００２０】 コンベア３の上下の通路１２に送り込まれた混合熱気は、熱風吹き出しユニッ ト１３に送り込まれ、コンベア３側の開口よりコンベア３方向に噴出する。

【００２１】 コンベア３は駆動手段（図示省略）により回転しており、前記コンベア３方向 に噴出した混合熱気はコンベア３上の食品１４にコンベア３の上下から吹き付け られ、食品１４は混合熱気で包まれ水分の蒸発を抑えながら加熱される。

【００２２】 食品１４を加熱した後の混合熱気の蒸気は殆ど食品に吸収され、残った熱気は 、調理室４の上方の開口１１から燃焼室５に還流し、再びバーナー７で加熱され ファン８で吸い込まれ蒸気と混合して通路１２へ送られ、上記作用を繰り返す。

【００２３】 コンベア３上の食品１４は、調理室４の入口（図２において左方）から出口（ 図２において右方）から出るまでに混合熱気で加熱料理されて出口から出てくる 。

【００２４】 焼入れ機構２はオーブン機構１に併設されるもので、図１においては調理室４ の食品出口側に配設されているが、食品入口側に併設してもよく、あるいは、食 品入口側および食品出口側のそれぞれに併設してもよい。

【００２５】 オーブン機構１を貫いて配設されたコンベア３に、連設したコンベア１５を焼 入れ機構２の焼入れ室１６内を貫通させ、コンベア１５の上方に、コンベア１５ の回転方向に赤外線バーナー１７を角度調整および高さ調整可能にして配列させ る。

【００２６】 図１の記号３２は、赤外線バーナー１７の高さを調整する赤外線昇降装置で、 一連の赤外線バーナー１７の横の取付け部材を縦の部材で上下させる機構である 。

【００２７】 コンベア１５の下方に、着脱式のドリップトレイ３１を設けて、食品から流下 する油を受けとり、廃棄できるようにする。

【００２８】 図中矢印は赤外線バーナー１７の赤外線速熱１８の輻射方向を示す。 コンベア１５で運ばれる焼入れをしようとする食品１４に対応して、赤外線バ ーナー１７の高さおよび角度を調整し、赤外線速熱１８で食品１４の表面に焼き 焦げを設ける。

【００２９】 オーブン機構１で調理された食品１４は、芯までが加熱されているが、食品の 水分の蒸発を抑えられて、ジューシーに調理されている。 焼入れ機構２により食品１４の表面に焦げを形成することにより、表面が少し 硬くなり、調理後時間が経過しても食品１４の内部の水分の蒸発を防ぐと共に、 食品の旨みを長時間保つことが出来、また、食品の重量や大きさの減少を抑える 。

【００３０】 調理室４の内面や部材は、食品１４の調理による油等で汚れるので、清掃する 必要がある。 そこで扉６を設けて開閉出来るようにする。

【００３１】 扉６は、蝶番、軸棒やその他公知の枢止手段１９により調理室４の前面の下縁 に枢止されており、支点軸が下縁部にあり、上下に回動して前開き式になってい る。

【００３２】 扉６が前開き式であるために開閉時に扉６の自重を手に受けるので、この荷重 を軽減するために、扉を上方へ回動するのを付勢する手段を設けるのが好ましい 。 この付勢手段の一実施例として扉開閉補助装置２０を用いるのが好ましい。

【００３３】 扉開閉補助装置２０の基体２１は、調理室４の下部に取付け、基体２１に後方 向へ棒２２を摺動可能に突設させ、棒２２にスプリング（コイルバネ）２３を嵌 め、棒２２の先端にコイルバネ２３の後端に当接するスプリング調整ナット２４ と、更にそのコイルバネ２３の後端に当接するスプリング座金２５を取付け、ロ ックナット２６で締めている。

【００３４】 基体２１には、スイングアーム２７の一端を軸止し、その中間に連結リンク２ ８の一端を軸止し、連結リンク２８の他端は棒２２の前端に軸止している。

【００３５】 扉６の前面下部にはブラケット２９を取り付け、ブラケット２９とスイングア ーム２７の先端とに連結リンク３０を軸止する。

【００３６】 扉開閉補助装置２０の作用を図５により説明する。 （Ａ）は扉６が閉じた状態を示す。扉６が起立しているので、スイングアーム ２７は、その先端が連結リンク３０で引かれて起き上がり、連結リンク２８はス イングアーム２７により押された状態で棒２２を押し、スプリング２３はスプリ ング座金２５による押圧がないので伸びている。

【００３７】 扉６を開ける場合には、扉６の上端、把手が取り付けられている時には把手を 持って、扉６を下方へ回動させる。この際扉６の上端部が調理室４の開口から離 れると、手で扉６に殆ど力を加えなくても扉６の自重で下方へ円滑に回動する。 連結リンク３０が扉６に押されスイングアーム２７は先端が下方へ押されて横に なり、連結リンク２８を引き、それにより棒２２が前方へ引かれてスプリング座 金２５により圧せられてスプリング２３が収縮する。

【００３８】 スプリング２３は常に伸びようとする力が働いていて、スイングアーム２７を 引こうとし、従って、連結リンク３０は扉６を押そうとする力が働いているので 、扉６はゆっくりと下方へ回動し、この扉６を起立させようとするスプリング２ ３の力と扉６の自重とのバランスがとれた状態で扉６は停止する。 （Ｂ）は扉６が水平に停止した状態を示す。 扉６をどの角度で停止するかはスプリング調整ナット２４とロックナット２６ の締め具合による。

【００３９】 上記力の均衡による停止状態から、手で扉６に下方向に力を加えると、扉６は 更に連結リンク３０を下方へ押すのでスイングアーム２７も下方へ回動し、棒２ ２を引いてスプリング２３を収縮させ、扉６は（Ｃ）に示すように垂下した状態 となる。

【００４０】 扉６を締める場合には、扉６を少し持ち上げると、扉６により連結リンク３０ が引かれ、スイングアーム２７が上方へ回動する。この際、連結リンク２８によ る棒２２の引き圧力が減少するので、スプリング２３は伸びる。 スプリング２３の伸びによりスイングアーム２７は引かれ、連結リンク３０は 扉６を押す状態となるので、扉６を持ち上げるのにあまり力を必要とせず（Ｃ） から（Ｂ）の状態に戻る。 （Ｂ）の状態において、更に少し力を加えて扉６を上方へ回動させると、上記 のとおりスプリング２３の力が働くので、あまり力を加えなくても扉６が上方へ 回動して（Ａ）の状態、すなわち、扉６が閉じられた状態に戻る。

【００４１】

【考案の効果】

この考案は、、熱気と蒸気とが均一に混合した混合熱気が食品の表面を包み込 んで食品の水分の蒸発を抑えて調理でき、扉を下縁部を軸として支点軸を横にし た前開き式とし、長期間の使用によるも扉の自重によるズレが生ぜず、扉開閉補 助装置を取り付けて扉の開閉にあまり力を必要とせず、赤外線バーナーによる焼 き機構を併設して、熱気と蒸気による調理後の食品に効率よく焼きを入れること の出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンベアオーブンシステムの構成説明図であ
る。

【図２】コンベアオーブンの横断面による熱気、蒸気お
よびそれらの混合熱気の循環説明図である。

【図３】コンベアオーブンの縦断面による熱気、蒸気お
よびそれらの混合熱気の循環説明図である。

【図４】アオリバランサーの構造説明図である。

【図５】扉の開閉説明図である。

【符号の説明】

１ オーブン機構 ２ 焼入れ機構 ３ コンベア ４ 調理室 ５ 燃焼室 ６ 扉 ７ バーナー ８ ファン ９ 蒸気吹出口 １０ 蒸気パイプ １１ 開口 １２ 通路 １３ 熱風吹き出しユニット １４ 食品 １５ コンベア １６ 焼入れ室 １７ 赤外線バーナー １８ 赤外線速熱 １９ 枢止手段 ２０ 扉開閉補助装置 ２１ 基体 ２２ 棒 ２３ スプリング ２４ スプリング調整ナット ２５ スプリング座金 ２６ ロックナット ２７ スイングアーム ２８ 連結リンク ２９ ブラケット ３０ 連結リンク ３１ ドリップトレイ ３２ 赤外線バーナー昇降装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 調理室とその上方に燃焼室を配し、前記
   調理室内をコンベアを貫通配設し、前記燃焼室内には、
   バーナーと、その熱風吹き出し口に対応してファンが配
   設され、該ファンに近接し、かつ、ファンの中心に向か
   って蒸気噴出口を対向させた蒸気パイプを配設し、前記
   ファンにより吸入した熱気と蒸気の混合熱気を調理室に
   送り、調理室内で前記コンベアの上下に分岐した通路を
   設け、該分岐通路内に、前記コンベアの回転方向に複数
   の熱風吹き出しユニットを配設し、前記各熱風吹き出し
   ユニットに対応して、前記コンベアに対向して前記分岐
   通路に前記混合熱気の吹き出し口を設け、前記調理室の
   天井に燃焼室に通ずる開口を設け、前記調理室の前方に
   開口を設け、前記開口を開閉する扉を、その下縁部を調
   理室の前記開口の下部に枢止し、前記調理室外部下方と
   前記扉前面下部間に、扉を上方へ回動するのを付勢する
   扉開閉補助装置を設けてなるオーブン装置と、 室内を前記オーブンに貫設されたコンベアまたは、その
   コンベアに連結したコンベアが貫き、該コンベアの上方
   に角度および高さ調節可能な赤外線バーナーを複数個、
   前記コンベアの進行方向に配設してなる焼入れ装置と
   を、 前記オーブン装置のコンベアの進行方向の前後のいずれ
   か、または前後双方に前記焼入れ装置を連設してなるコ
   ンベアオーブン食品加熱装置。
2. 【請求項２】 調理室とその上方に燃焼室を配し、前記
   調理室内をコンベアを貫通配設し、前記調理室内には、
   バーナーと、その熱風吹き出し口に対応してファンが配
   設され、該ファンに近接し、かつ、ファンの中心に向か
   って蒸気噴出口を対向させた蒸気パイプを配設し、 前記ファンにより吸入した熱気と蒸気の混合熱気を調理
   室に送り、調理室内で前記コンベアの上下に分岐した通
   路を設け、 該分岐通路内に、前記コンベアの回転方向に複数の熱風
   吹き出しユニットを配設し、前記各熱風吹き出しユニッ
   トに対応して、前記コンベアに対向して前記分岐通路に
   前記混合熱気の吹き出し口を設け、 前記調理室の天井に燃焼室に通ずる開口を設け、 前記調理室の前方に開口を設け、前記開口を開閉する扉
   を、その下縁部を調理室の前記開口の下部に枢止し、 前記調理室外部下方と前記扉前面下部間に、扉を上方へ
   回動するのを付勢する扉開閉補助装置を設けてなるコン
   ベアオーブン。