JP3074905B2 - 情報布帛の製造方法 - Google Patents
情報布帛の製造方法Info
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- JP3074905B2 JP3074905B2 JP04044954A JP4495492A JP3074905B2 JP 3074905 B2 JP3074905 B2 JP 3074905B2 JP 04044954 A JP04044954 A JP 04044954A JP 4495492 A JP4495492 A JP 4495492A JP 3074905 B2 JP3074905 B2 JP 3074905B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、布帛に文字あるいは画
像あるいは識別マーク等を印刷する印刷法に関し、該印
刷法を用いた情報布帛の製造方法に関するものである。
像あるいは識別マーク等を印刷する印刷法に関し、該印
刷法を用いた情報布帛の製造方法に関するものである。
【0002】なお、本発明で言う布帛とは、絹や木綿等
の天然繊維、ポリエステル系やポリアミド系やポリアク
リロニトリル系等の合成繊維、セルロース系やタンパク
質系の再生繊維あるいは半合成繊維等からなる織物、編
み物、不織布等を指す。
の天然繊維、ポリエステル系やポリアミド系やポリアク
リロニトリル系等の合成繊維、セルロース系やタンパク
質系の再生繊維あるいは半合成繊維等からなる織物、編
み物、不織布等を指す。
【0003】
【従来の技術】布帛に文字あるいは画像あるいは識別マ
ーク等の情報を記録するに当たり、それらの良好な堅牢
性、耐洗濯性および耐摩擦性等を考慮してその記録方法
を選択すると、従来からの記録法としては、染料を用い
た捺染による方法が主体であった。しかしながら、画像
の変更に対する融通性は極めて乏しく、原版をそれぞれ
新規に作製しなければならず、例えば一回記録するごと
に数字が変わる連番を印刷する場合のように、少量多品
種で情報布帛を生産する場合には、全く使いものになら
ないと言っても過言ではない。
ーク等の情報を記録するに当たり、それらの良好な堅牢
性、耐洗濯性および耐摩擦性等を考慮してその記録方法
を選択すると、従来からの記録法としては、染料を用い
た捺染による方法が主体であった。しかしながら、画像
の変更に対する融通性は極めて乏しく、原版をそれぞれ
新規に作製しなければならず、例えば一回記録するごと
に数字が変わる連番を印刷する場合のように、少量多品
種で情報布帛を生産する場合には、全く使いものになら
ないと言っても過言ではない。
【0004】上述のような問題点を改善し、融通性・即
時印刷性を有するインクジェット染色が注目され始めて
いる。この方法の基本的なプロセスは、以下に示すよう
に4段階よりなる。
時印刷性を有するインクジェット染色が注目され始めて
いる。この方法の基本的なプロセスは、以下に示すよう
に4段階よりなる。
【0005】(1)布帛に滲み防止処理を施す。(2)
インクジェットプリンター等を用いて染料を主体とする
インクで仮画像を布帛上に形成せしめる。(3)加熱処
理等によって仮画像を形成する染料を布帛の繊維内に浸
透・拡散せしめて染着せしめる。(4)還元洗浄等によ
り過剰の染料を除去する。
インクジェットプリンター等を用いて染料を主体とする
インクで仮画像を布帛上に形成せしめる。(3)加熱処
理等によって仮画像を形成する染料を布帛の繊維内に浸
透・拡散せしめて染着せしめる。(4)還元洗浄等によ
り過剰の染料を除去する。
【0006】上記の4段階のプロセス中、3段階目の加
熱処理には、蒸熱処理や乾熱処理等の如く気体を媒体と
して加熱する方法や、熱ローラーや熱プレス機を用いて
直接加熱する方法がある。後者の熱プレス法は、前者に
比べて、熱の伝導効率が高く、しかも加熱処理を行う装
置を簡単化・小型化できるなどのメリットを有する。し
かしながら、熱ローラーや熱プレス機を連続使用する
と、布帛の画像形成面と接触する熱ローラーや熱プレス
機のプレス面に染料が移行し、さらに逆に布帛が汚染さ
れてしまうという重大な問題点を有していた。
熱処理には、蒸熱処理や乾熱処理等の如く気体を媒体と
して加熱する方法や、熱ローラーや熱プレス機を用いて
直接加熱する方法がある。後者の熱プレス法は、前者に
比べて、熱の伝導効率が高く、しかも加熱処理を行う装
置を簡単化・小型化できるなどのメリットを有する。し
かしながら、熱ローラーや熱プレス機を連続使用する
と、布帛の画像形成面と接触する熱ローラーや熱プレス
機のプレス面に染料が移行し、さらに逆に布帛が汚染さ
れてしまうという重大な問題点を有していた。
【0007】この問題は、インクジェット染色に限ら
ず、例えば、インクジェット染色と同様に、融通性・即
時印刷性を有する布帛への染料を用いた印刷技術であ
る、染料を含有して成る熱転写インクリボンを用いて熱
転写印刷を行ない仮画像を布帛上に形成させ、しかる後
に、加熱処理等によって該仮画像を形成する染料を布帛
を形成する繊維に染着させる技術(本発明では、以下、
この技術を特殊熱転写染色という)についても同様であ
る。すなわち、この特殊熱転写染色は、上述のインクジ
ェット染色の第1段階である布帛に滲み防止処理を施す
必要こそないが、第3段階および第4段階は実質的に同
様の操作が行なわれる。したがって、特殊熱転写染色に
おいても、インクジェット染色で指摘したのと同様に、
布帛への逆転写の問題がある。
ず、例えば、インクジェット染色と同様に、融通性・即
時印刷性を有する布帛への染料を用いた印刷技術であ
る、染料を含有して成る熱転写インクリボンを用いて熱
転写印刷を行ない仮画像を布帛上に形成させ、しかる後
に、加熱処理等によって該仮画像を形成する染料を布帛
を形成する繊維に染着させる技術(本発明では、以下、
この技術を特殊熱転写染色という)についても同様であ
る。すなわち、この特殊熱転写染色は、上述のインクジ
ェット染色の第1段階である布帛に滲み防止処理を施す
必要こそないが、第3段階および第4段階は実質的に同
様の操作が行なわれる。したがって、特殊熱転写染色に
おいても、インクジェット染色で指摘したのと同様に、
布帛への逆転写の問題がある。
【0008】また、加熱処理の方法として蒸熱処理機や
乾熱処理機を用いたとしても、昇華性の染料が用いられ
た場合、長期にわたって蒸熱処理機や乾熱処理機を使用
すると、装置内部が染料で汚染される可能性があり、特
に、昇華性の高い染料が用いられたり、装置が小型化さ
れたりすればするほどその可能性は高まるという問題が
あった。
乾熱処理機を用いたとしても、昇華性の染料が用いられ
た場合、長期にわたって蒸熱処理機や乾熱処理機を使用
すると、装置内部が染料で汚染される可能性があり、特
に、昇華性の高い染料が用いられたり、装置が小型化さ
れたりすればするほどその可能性は高まるという問題が
あった。
【0009】以上のような問題に対して、プレス面と布
帛との間に高分子フィルム等のシートを挟むことにより
対処するという考え方がある。すなわち、高分子フィル
ムの布帛との良好な密着性を利用して加熱処理によって
染着しきれない過剰染料を除去することを主たる目的と
した考え方である。ただ、本来ならば布帛に染着するは
ずの染料までをも除去するために、画像が薄くなるとい
う懸念が持たれる。
帛との間に高分子フィルム等のシートを挟むことにより
対処するという考え方がある。すなわち、高分子フィル
ムの布帛との良好な密着性を利用して加熱処理によって
染着しきれない過剰染料を除去することを主たる目的と
した考え方である。ただ、本来ならば布帛に染着するは
ずの染料までをも除去するために、画像が薄くなるとい
う懸念が持たれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した問題点を解決し、布帛へのインクジェット染色およ
び特殊熱転写染色の加熱処理プロセスにおいて熱ローラ
ーや熱プレス機を用いた場合、プレス面に布帛の染料が
移行するのを防ぎ、熱ローラーや熱プレス機の連続使用
を可能とすること、蒸熱処理機や乾熱処理機を用いた場
合においても、装置内部の染料による汚染を防ぐこと、
および染料を効率良く染着させるにある。
した問題点を解決し、布帛へのインクジェット染色およ
び特殊熱転写染色の加熱処理プロセスにおいて熱ローラ
ーや熱プレス機を用いた場合、プレス面に布帛の染料が
移行するのを防ぎ、熱ローラーや熱プレス機の連続使用
を可能とすること、蒸熱処理機や乾熱処理機を用いた場
合においても、装置内部の染料による汚染を防ぐこと、
および染料を効率良く染着させるにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明の情報布帛の製造方法は、染料を主体とするイン
クによって織物または編み物または不織布(A)上に文
字あるいは画像あるいは識別マーク等の画像を仮形成せ
しめた後、少なくとも該織物または編み物または不織布
(A)の画像形成面に、前記染料と親和性の低い織物ま
たは編み物または不織布または紙(B)を重ね、ドライ
プロセスの加熱処理によって上記仮画像を形成する染料
を前記織物または編み物または不織布(A)を構成する
繊維内に浸透・拡散せしめて染着せしめることを特徴と
する。
本発明の情報布帛の製造方法は、染料を主体とするイン
クによって織物または編み物または不織布(A)上に文
字あるいは画像あるいは識別マーク等の画像を仮形成せ
しめた後、少なくとも該織物または編み物または不織布
(A)の画像形成面に、前記染料と親和性の低い織物ま
たは編み物または不織布または紙(B)を重ね、ドライ
プロセスの加熱処理によって上記仮画像を形成する染料
を前記織物または編み物または不織布(A)を構成する
繊維内に浸透・拡散せしめて染着せしめることを特徴と
する。
【0012】なお、本発明で言う情報布帛とは、文字あ
るいは画像あるいは識別マーク等の人間もしくは機械等
が意味のあるものとして認識する情報が記録されて成る
織物または編み物または不織布を指す。また、本発明で
言う識別マークとは、バーコード、二次元コード、OCR
(Optical Character Recognition )等に記号化された
ものであって、それらに応じた任意の読み取り装置によ
って光学的に読み取り処理可能なものであれば、規格は
特に限定されるものではない。
るいは画像あるいは識別マーク等の人間もしくは機械等
が意味のあるものとして認識する情報が記録されて成る
織物または編み物または不織布を指す。また、本発明で
言う識別マークとは、バーコード、二次元コード、OCR
(Optical Character Recognition )等に記号化された
ものであって、それらに応じた任意の読み取り装置によ
って光学的に読み取り処理可能なものであれば、規格は
特に限定されるものではない。
【0013】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明は、染料を主体とするインクによっ
て織物または編み物または不織布(A)上に文字あるい
は画像あるいは識別マーク等の画像を仮形成せしめた
後、少なくとも該織物または編み物または不織布(A)
の画像形成面に、前記染料と親和性の低い織物または編
み物または不織布または紙(B)を重ね、ドライプロセ
スの加熱処理によって上記仮画像を形成する染料を前記
織物または編み物または不織布(A)を構成する繊維内
に浸透・拡散せしめて染着せしめることを特徴とする。
て織物または編み物または不織布(A)上に文字あるい
は画像あるいは識別マーク等の画像を仮形成せしめた
後、少なくとも該織物または編み物または不織布(A)
の画像形成面に、前記染料と親和性の低い織物または編
み物または不織布または紙(B)を重ね、ドライプロセ
スの加熱処理によって上記仮画像を形成する染料を前記
織物または編み物または不織布(A)を構成する繊維内
に浸透・拡散せしめて染着せしめることを特徴とする。
【0015】すなわち、上記インクジェット染色および
特殊熱転写染色のプロセス中の加熱処理において、熱ロ
ーラーや熱プレス機を用いた場合には、プレス面と仮画
像が形成されている布帛(A)面とが直接接触すること
がないように、両者の間に織物または編み物または不織
布または紙(B)を挟むのである。これによって、プレ
ス面への染料の移行が防げることになる。また、蒸熱処
理機や乾熱処理機を用いた場合には、染料の装置内部へ
の飛散を防ぐことができる。
特殊熱転写染色のプロセス中の加熱処理において、熱ロ
ーラーや熱プレス機を用いた場合には、プレス面と仮画
像が形成されている布帛(A)面とが直接接触すること
がないように、両者の間に織物または編み物または不織
布または紙(B)を挟むのである。これによって、プレ
ス面への染料の移行が防げることになる。また、蒸熱処
理機や乾熱処理機を用いた場合には、染料の装置内部へ
の飛散を防ぐことができる。
【0016】そのような染料の移行や、装置内部への飛
散を防ぐものとして、織物または編み物または不織布ま
たは紙(B)以外に、前述した高分子フィルム(高分子
フィルムシート)を用いることも考えられるが、これ
は、高分子フィルムとの良好な密着性を利用して、加熱
処理によって染着しきれない過剰染料を除去することが
主たる目的である。したがって、適切量の染料によって
仮画像を形成させれば、過剰染料を除去する必要がなく
なるのであって、染料の染着効率という観点から見れ
ば、必ずしも好ましいとは言えない方法である。この点
に鑑みた場合、本発明の織物または編み物または不織布
または紙(B)を用いることは、高分子フィルムとは異
なる下記のような特徴を有すること、もしくはそのよう
な特徴を有し得ることから非常に重要となるのである。
織物または編み物または不織布または紙(B)を用いる
ことが特に重要なのである。
散を防ぐものとして、織物または編み物または不織布ま
たは紙(B)以外に、前述した高分子フィルム(高分子
フィルムシート)を用いることも考えられるが、これ
は、高分子フィルムとの良好な密着性を利用して、加熱
処理によって染着しきれない過剰染料を除去することが
主たる目的である。したがって、適切量の染料によって
仮画像を形成させれば、過剰染料を除去する必要がなく
なるのであって、染料の染着効率という観点から見れ
ば、必ずしも好ましいとは言えない方法である。この点
に鑑みた場合、本発明の織物または編み物または不織布
または紙(B)を用いることは、高分子フィルムとは異
なる下記のような特徴を有すること、もしくはそのよう
な特徴を有し得ることから非常に重要となるのである。
織物または編み物または不織布または紙(B)を用いる
ことが特に重要なのである。
【0017】本発明で用いられる織物または編み物また
は不織布または紙(B)の組成等は、特に限定されない
が、染料が該織物または編み物または不織布または紙
(B)に吸収されると、インクジェット染色または特殊
熱転写染色する布帛(A)の染色効率が低下するので、
染料と親和性が低いものが好ましく、該織物または編み
物または不織布または紙(B)を構成する繊維が緻密な
表面および/またはバルクを有するものや分子の結晶化
度の高いものが特に好ましく用いられる。木綿、麻、レ
ーヨン、ポリノジック、キュプラ等のセルロース系繊
維、及びパルプ等から作製される紙等の如く、セルロー
ス系化合物からなる織物または編み物または不織布また
は紙(B)も好ましく用いられ、特に、インクジェット
染色または特殊熱転写染色する布帛(A)がポリエステ
ル系繊維からなり、染料が昇華性を有する分散染料の場
合には非常に好ましく用いられる。また、織物または編
み物または不織布または紙(B)を逐次交換するのは特
に好ましい。工業的観点から見れば、紙は安価なので非
常に好ましい。
は不織布または紙(B)の組成等は、特に限定されない
が、染料が該織物または編み物または不織布または紙
(B)に吸収されると、インクジェット染色または特殊
熱転写染色する布帛(A)の染色効率が低下するので、
染料と親和性が低いものが好ましく、該織物または編み
物または不織布または紙(B)を構成する繊維が緻密な
表面および/またはバルクを有するものや分子の結晶化
度の高いものが特に好ましく用いられる。木綿、麻、レ
ーヨン、ポリノジック、キュプラ等のセルロース系繊
維、及びパルプ等から作製される紙等の如く、セルロー
ス系化合物からなる織物または編み物または不織布また
は紙(B)も好ましく用いられ、特に、インクジェット
染色または特殊熱転写染色する布帛(A)がポリエステ
ル系繊維からなり、染料が昇華性を有する分散染料の場
合には非常に好ましく用いられる。また、織物または編
み物または不織布または紙(B)を逐次交換するのは特
に好ましい。工業的観点から見れば、紙は安価なので非
常に好ましい。
【0018】また、織物または編み物または不織布また
は紙(B)を構成する繊維の繊度は、特に限定されるも
のではないが、下記の布帛(A)に好ましく用いられる
極細繊維よりも、1デニール以上の最も普及している通
常の繊維で十分であり、むしろ、その方が該織物または
編み物または不織布または紙(B)に仮画像を形成する
染料が吸収され難くなるので好ましい。
は紙(B)を構成する繊維の繊度は、特に限定されるも
のではないが、下記の布帛(A)に好ましく用いられる
極細繊維よりも、1デニール以上の最も普及している通
常の繊維で十分であり、むしろ、その方が該織物または
編み物または不織布または紙(B)に仮画像を形成する
染料が吸収され難くなるので好ましい。
【0019】該織物または編み物または不織布または紙
(B)の厚みは、特に限定されるものではないが、あま
りに厚いものを用いると、加熱処理において、仮画像形
成面に熱が伝わり難くなるので好ましくない。逆に、あ
まりに薄いものを用いると、該織物または編み物または
不織布または紙(B)を通して染料が熱ローラーやプレ
ス機等のプレス面に移行する可能性があるので好ましく
ない。かかる点から、1μm以上500μm以下のもの
が好ましく、特に、50μm以上300μm以下のもの
が好ましく用いられる。
(B)の厚みは、特に限定されるものではないが、あま
りに厚いものを用いると、加熱処理において、仮画像形
成面に熱が伝わり難くなるので好ましくない。逆に、あ
まりに薄いものを用いると、該織物または編み物または
不織布または紙(B)を通して染料が熱ローラーやプレ
ス機等のプレス面に移行する可能性があるので好ましく
ない。かかる点から、1μm以上500μm以下のもの
が好ましく、特に、50μm以上300μm以下のもの
が好ましく用いられる。
【0020】本発明に用いられる布帛(A)としては、
特に限定されるものではなく、いかなる組成の繊維から
なるものでも、いかなる繊維繊度であっても構わない
が、該布帛としてポリエステル系繊維からなるものが好
ましく、特に単繊維繊度が0.0001デニール以上1
デニール以下の極細繊維から主としてなる布帛を用いた
場合、該布帛は表面平滑性に優れており、印刷時に非常
に鮮明な画像が得られるので好ましい。また、極細繊維
からなり、かつ該極細繊維がポリアミド繊維及びポリエ
ステル繊維の2種類の繊維からなり、よく混繊された状
態の布帛は、緻密な表面、ひいては平滑性に優れた表面
を有するので好ましい。また、布帛表面に高速の流体流
処理(ウォータージェットパンチ)を施し、極細繊維ど
うしを開繊および/または交絡せしめ、表面を緻密化す
るのも好ましい方法である。かかる処理により、布帛の
形状安定性も著しく向上する。さらに、カレンダー加工
も表面平滑性の向上や繊維の交絡による寸法安定性につ
ながるものであり非常に好ましい。それら極細繊維を製
造する方法は特に限定されるものではなく、従来から知
られている各種の極細繊維の製造技術等をそのまま利用
することができる。
特に限定されるものではなく、いかなる組成の繊維から
なるものでも、いかなる繊維繊度であっても構わない
が、該布帛としてポリエステル系繊維からなるものが好
ましく、特に単繊維繊度が0.0001デニール以上1
デニール以下の極細繊維から主としてなる布帛を用いた
場合、該布帛は表面平滑性に優れており、印刷時に非常
に鮮明な画像が得られるので好ましい。また、極細繊維
からなり、かつ該極細繊維がポリアミド繊維及びポリエ
ステル繊維の2種類の繊維からなり、よく混繊された状
態の布帛は、緻密な表面、ひいては平滑性に優れた表面
を有するので好ましい。また、布帛表面に高速の流体流
処理(ウォータージェットパンチ)を施し、極細繊維ど
うしを開繊および/または交絡せしめ、表面を緻密化す
るのも好ましい方法である。かかる処理により、布帛の
形状安定性も著しく向上する。さらに、カレンダー加工
も表面平滑性の向上や繊維の交絡による寸法安定性につ
ながるものであり非常に好ましい。それら極細繊維を製
造する方法は特に限定されるものではなく、従来から知
られている各種の極細繊維の製造技術等をそのまま利用
することができる。
【0021】また、その断面形状は、円形に限られるも
のではなく、三角、四角、楕円あるいは多角形等の中い
ずれの形状のものであっても構わない。むしろ、偏平率
の大きな楕円形状のものや、矩形状断面形状のもの等
は、同一単繊維繊度で比較した場合、表面の平滑性が向
上し、より好ましい形状と言える。
のではなく、三角、四角、楕円あるいは多角形等の中い
ずれの形状のものであっても構わない。むしろ、偏平率
の大きな楕円形状のものや、矩形状断面形状のもの等
は、同一単繊維繊度で比較した場合、表面の平滑性が向
上し、より好ましい形状と言える。
【0022】本発明に用いられる染料としては、分散染
料や塩基性染料等、特に種類は限定されるものではない
が、昇華性であって昇華温度が180℃以上300℃以
下であるものが好ましく、200℃以上250℃以下で
あるものがより好ましい。要は昇華堅牢性の高い染料を
用いるのが好ましい。また、布帛の種類に応じて適した
染料を用いるのが好ましく、布帛を構成する繊維がポリ
エステル系繊維であれば分散染料が好ましく用いられ
る。ただし、これらに限定されることなく用いても構わ
ない。なお、本発明で言う昇華温度とは、昇華性染料の
蒸気圧(昇華圧)が外圧に等しくなる温度を指す。
料や塩基性染料等、特に種類は限定されるものではない
が、昇華性であって昇華温度が180℃以上300℃以
下であるものが好ましく、200℃以上250℃以下で
あるものがより好ましい。要は昇華堅牢性の高い染料を
用いるのが好ましい。また、布帛の種類に応じて適した
染料を用いるのが好ましく、布帛を構成する繊維がポリ
エステル系繊維であれば分散染料が好ましく用いられ
る。ただし、これらに限定されることなく用いても構わ
ない。なお、本発明で言う昇華温度とは、昇華性染料の
蒸気圧(昇華圧)が外圧に等しくなる温度を指す。
【0023】本発明に用いられる染色方法は、主として
上記のインクジェット染色および特殊熱転写染色である
が、これらに限定されることなく、上記の如き染料が用
いられ、該染料を主体とするインクによって布帛上に仮
画像を形成した後に加熱処理等を行なうことによって染
色する方法であれば、好ましく用いられるものである。
上記のインクジェット染色および特殊熱転写染色である
が、これらに限定されることなく、上記の如き染料が用
いられ、該染料を主体とするインクによって布帛上に仮
画像を形成した後に加熱処理等を行なうことによって染
色する方法であれば、好ましく用いられるものである。
【0024】本発明の加熱処理方法としては、本発明の
目的上、完全ドライプロセスであれは、連続処理であっ
てもバッチ式処理であっても構わない。また、オーブン
のように空気等の気体媒体中で加熱しても構わないが、
熱ローラーや熱プレス等の加熱体によって直接加熱する
のが効果的であって好ましい。加熱温度や加熱時間は、
染料の種類およびその昇華温度に応じて適宜選択するの
が好ましい。たとえば、CI Disperse Bl
ue 207分散染料などのものでは、180℃〜22
0℃で数10秒から数分程度加熱するのが好ましい。こ
のような加熱処理条件で済むことは、布帛特性を損なう
こともなく、また、既存の設備を使用することもできる
もので好ましいのである。
目的上、完全ドライプロセスであれは、連続処理であっ
てもバッチ式処理であっても構わない。また、オーブン
のように空気等の気体媒体中で加熱しても構わないが、
熱ローラーや熱プレス等の加熱体によって直接加熱する
のが効果的であって好ましい。加熱温度や加熱時間は、
染料の種類およびその昇華温度に応じて適宜選択するの
が好ましい。たとえば、CI Disperse Bl
ue 207分散染料などのものでは、180℃〜22
0℃で数10秒から数分程度加熱するのが好ましい。こ
のような加熱処理条件で済むことは、布帛特性を損なう
こともなく、また、既存の設備を使用することもできる
もので好ましいのである。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。なお、本発明の有効性や権利の範囲はこれに
よって限定されたり制限を受けるものではない。
説明する。なお、本発明の有効性や権利の範囲はこれに
よって限定されたり制限を受けるものではない。
【0026】実施例1 先ず、0.06デニールの極細ポリエステルフィラメン
ト繊維から成る高密度布帛にウォータージェットパンチ
処理を施した後、カレンダー処理を施して、表面が平滑
かつ緻密な記録体を得た。
ト繊維から成る高密度布帛にウォータージェットパンチ
処理を施した後、カレンダー処理を施して、表面が平滑
かつ緻密な記録体を得た。
【0027】次に、この布帛に滲み防止処理を施した
後、インクジェットプリンターを用いて昇華温度の高い
染料を主体とするインクでバーコードを印刷した。
後、インクジェットプリンターを用いて昇華温度の高い
染料を主体とするインクでバーコードを印刷した。
【0028】上記操作によってバーコードの仮画像が形
成された布帛表面に、厚さ90μmの上質紙を重ね、1
80℃にて1分間熱プレスを行ない、仮画像中の染料を
布帛を構成する繊維に移行させた。
成された布帛表面に、厚さ90μmの上質紙を重ね、1
80℃にて1分間熱プレスを行ない、仮画像中の染料を
布帛を構成する繊維に移行させた。
【0029】上記の一連の操作を繰り返して行なった
が、熱プレス機のプレス面への染料の移行は認められ
ず、従って、布帛への逆転写も起こらなかった。
が、熱プレス機のプレス面への染料の移行は認められ
ず、従って、布帛への逆転写も起こらなかった。
【0030】また、上質紙にはほとんど染料が移行して
おらず、効率の良い染着が行なわれたことが確認され
た。
おらず、効率の良い染着が行なわれたことが確認され
た。
【0031】比較として、上記上質紙を重ねずに熱プレ
スを繰り返すと、プレス機のプレス面に染料が移行し記
録体に逆転写され本発明の重要性を確認できた。
スを繰り返すと、プレス機のプレス面に染料が移行し記
録体に逆転写され本発明の重要性を確認できた。
【0032】実施例2 先ず、実施例1と同じ記録体を作製し、9cm×9cm
に切り出した。
に切り出した。
【0033】次に、この布帛に滲み防止処理を施した
後、インクジェットプリンターを用い、実質的に1成分
の青系の昇華温度の高い染料を主体とするインクで、布
帛一面にいわゆるベタ青印刷した。
後、インクジェットプリンターを用い、実質的に1成分
の青系の昇華温度の高い染料を主体とするインクで、布
帛一面にいわゆるベタ青印刷した。
【0034】上記操作によってベタ青の仮画像が形成さ
れた布帛表面に、厚さ90μmの上質紙を重ね、10c
m×10cm×2cmの180℃の水蒸気で満たされる
ようになっているチャンバーに入れ、1分間蒸熱処理を
行なった。
れた布帛表面に、厚さ90μmの上質紙を重ね、10c
m×10cm×2cmの180℃の水蒸気で満たされる
ようになっているチャンバーに入れ、1分間蒸熱処理を
行なった。
【0035】上記の一連の操作を100回行なったが、
チャンバーの内壁に汚染は認められなかった。
チャンバーの内壁に汚染は認められなかった。
【0036】比較として、上記上質紙を重ねずに蒸熱処
理を100回行なった結果、チャンバーの内壁が僅かに
青く汚染されていることを確認した。
理を100回行なった結果、チャンバーの内壁が僅かに
青く汚染されていることを確認した。
【0037】比較例1 上記実施例1における厚さ90μmの上質紙を、厚さ1
30μmのポリエステルフィルムに置き換えて、実施例
1と同様に操作を行なった。
30μmのポリエステルフィルムに置き換えて、実施例
1と同様に操作を行なった。
【0038】その結果、該フィルムに仮画像を形成して
いる染料の一部が移行し、得られた染着画像は実施例1
に比較してやや薄い画像であった。
いる染料の一部が移行し、得られた染着画像は実施例1
に比較してやや薄い画像であった。
【0039】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、布帛への
インクジェット染色および特殊熱転写染色の加熱処理プ
ロセスにおいて、熱ローラーや熱プレス機を繰り返して
用いた場合のプレス面への布帛の染料の移行及び布帛へ
の再移行を防ぎ、熱ローラーや熱プレス機の連続使用を
可能とすること、蒸熱処理機や乾熱処理機を用いた場合
においても、装置内部の染料による汚染を防ぐこと、お
よび染料を効率良く染着させることができる。
インクジェット染色および特殊熱転写染色の加熱処理プ
ロセスにおいて、熱ローラーや熱プレス機を繰り返して
用いた場合のプレス面への布帛の染料の移行及び布帛へ
の再移行を防ぎ、熱ローラーや熱プレス機の連続使用を
可能とすること、蒸熱処理機や乾熱処理機を用いた場合
においても、装置内部の染料による汚染を防ぐこと、お
よび染料を効率良く染着させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−68372(JP,A) 特開 平3−76863(JP,A) 特開 昭47−39785(JP,A) 特開 昭54−18975(JP,A) 特開 昭50−95587(JP,A) 特開 平5−247837(JP,A) 特公 昭43−1226(JP,B1) 特公 昭39−3336(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06H 1/00 - 7/24 D06B 1/00 - 23/30 D06C 3/00 - 29/00 D06P 1/00 - 7/00
Claims (3)
- 【請求項1】染料を主体とするインクによって織物また
は編み物または不織布(A)上に文字あるいは画像ある
いは識別マーク等の画像を仮形成せしめた後、少なくと
も該織物または編み物または不織布(A)の画像形成面
に、前記染料と親和性の低い織物または編み物または不
織布または紙(B)を重ね、ドライプロセスの加熱処理
によって上記仮画像を形成する染料を前記織物または編
み物または不織布(A)を構成する繊維内に浸透・拡散
せしめて染着せしめることを特徴とする情報布帛の製造
方法。 - 【請求項2】織物または編み物または不織布(A)がポ
リエステル系繊維からなることを特徴とする請求項1記
載の情報布帛の製造方法。 - 【請求項3】織物または編み物または不織布または紙
(B)が主としてセルロース系化合物からなることを特
徴とする請求項1または2記載の情報布帛の製造方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04044954A JP3074905B2 (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | 情報布帛の製造方法 |
EP92924014A EP0568709B1 (en) | 1991-11-26 | 1992-11-26 | Fibrous sheet carrying information, method of manufacturing same and apparatus thereof |
PCT/JP1992/001545 WO1993011294A1 (fr) | 1991-11-26 | 1992-11-26 | Nappe de fibres portant des informations et procede et appareil de fabrication associes |
CA002100744A CA2100744A1 (en) | 1991-11-26 | 1992-11-26 | Fibrous sheet carrying information, method of manufacturing same and apparatus thereof |
KR1019930702182A KR970007953B1 (ko) | 1991-11-26 | 1992-11-26 | 정보가 부여된 섬유시이트, 그 제조방법 및 그 제조장치 |
DE69227241T DE69227241T2 (de) | 1991-11-26 | 1992-11-26 | Blatt aus fasermaterial als informationsträger, verfahren und apparat zu dessen herstellung |
US08/087,674 US5895505A (en) | 1991-11-26 | 1992-11-26 | Dry process for preparing information-bearing fibrous sheets by heat transfer printing |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04044954A JP3074905B2 (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | 情報布帛の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05247838A JPH05247838A (ja) | 1993-09-24 |
JP3074905B2 true JP3074905B2 (ja) | 2000-08-07 |
Family
ID=12705883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04044954A Expired - Fee Related JP3074905B2 (ja) | 1991-11-26 | 1992-03-02 | 情報布帛の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3074905B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010214636A (ja) | 2009-03-13 | 2010-09-30 | E I Du Pont De Nemours & Co | 光学的読み取り情報を備える印刷物 |
-
1992
- 1992-03-02 JP JP04044954A patent/JP3074905B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05247838A (ja) | 1993-09-24 |
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