JPH05214681A - 合成樹脂織布又は不織布の両面染色方法 - Google Patents

合成樹脂織布又は不織布の両面染色方法

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JPH05214681A
JPH05214681A JP4260218A JP26021892A JPH05214681A JP H05214681 A JPH05214681 A JP H05214681A JP 4260218 A JP4260218 A JP 4260218A JP 26021892 A JP26021892 A JP 26021892A JP H05214681 A JPH05214681 A JP H05214681A
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fiber
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Yoshiji Murakami
賛二 村上
Toshitaka Sato
利隆 佐藤
Kazuo Yamada
一男 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アクリル系繊維、ポリエステル系繊維を用いた
合成樹脂織布又は不織布の少なくとも表裏両面の全面
を、染色液に浸漬して染色した後、その片面、又は両面
を、加熱昇華転写方式にて染色することにより、染色止
め剤を用いず、織布又は不織布の表裏両面を異なる色合
いや模様に染色することを目的とする。 【構成】アクリル系繊維若しくはポリエステル系繊維を
用いた合成樹脂織布又は不織布Aを、分散染料を用いた
染料液3に浸漬して表裏全面を染色して引き上げ乾燥し
た後に、染色された前記織布又は不織布の片面、若しく
は両面に昇華転写紙Bを用いて加熱昇華転写して染色す
ることを特徴とする合成樹脂織布又は不織布の両面染色
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクリル系繊維、又は
ポリエステル系繊維を用いた合成樹脂織布又は不織布の
両面染色方法である。
【0002】
【従来の技術】従来のアクリル系繊維を用いた合成樹脂
織布又は不織布の染色方法としては、アクリル系繊維に
対して良好な染着力を示すカチオン染料液を用いて浸漬
方式にて染色する方法が広く知られている。
【0003】例えば、上記アクリル系繊維織布の表裏い
ずれか一方面のみを染色する場合、他方面の全面に予め
染色液による染着を防ぐための染色レジスト剤(染色止
め剤)を施した後、カチオン染料液に表裏全面を浸漬し
て染色し、後に他方面の染色止め剤を取り除くことによ
って、一方面のみを染色している。
【0004】一方、上記アクリル系繊維織布の表裏両面
を、異なる色合いや異なる模様に染色する場合は、上記
織布の染色された一方面全面、若しくは該一方面全面と
染色されていない他方面の染色すべきでない部分とに、
染色止め剤にて染色防止を施した後、前記一方面のみを
染色した染色液とは異なる色合いのカチオン染料液、あ
るいはその他塩基性染料液などの染料液に浸漬して染色
し、その後、染色止め剤を取り除くことによって表裏に
それぞれ異なる色合いや模様のある染色を施すものであ
る。
【0005】又、例えば、従来のアクリル系繊維やポリ
エステル系繊維を用いた合成樹脂織布又は不織布の染色
方法として、織布又は不織布の全面を分散染料液に浸漬
して染色した後に、その染着した染料を、190℃〜2
20℃前後の温度で加熱してそれら織布又は不織布の繊
維に定着させるサーモゾル染色方法が公知である。
【0006】このサーモゾル染色方法を用いて、ポリエ
ステル系繊維等の合成樹脂織布の表裏いずれか一方面の
みを染色する場合は、他方面の全面に予め染色液による
染着を防ぐための染色レジスト剤(染色止め剤)を施し
た後、分散染料液に該繊維織布を浸漬して染色して引き
上げ、自然乾燥、若しくは100℃以下の温度で乾燥し
た後に、他方面の染色止め剤を取り除き、190℃〜2
20℃前後の温度で繊維を加熱して、染料を繊維に定着
することにより一方面のみを、所望の色合いや模様に染
色している。
【0007】一方、上記サールゾル染色方法を用いて、
ポリエステル系繊維等の織布の表裏両面を、異なる色合
いや異なる模様に染色する場合は、上記繊維織布の染色
された一方面全面、若しくは該一方面全面と他方面の染
色すべきでない部分とに、染色止め剤にて染色防止を施
した後、前記一方面のみを染色した染色液とは異なる色
合いの分散染料液に浸漬して染色し、その後、染色止め
剤を取り除き、染着された染料を、190℃〜220℃
前後の温度で繊維に定着することによって、織布の表裏
をそれぞれ異なる色合いや模様に染色している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記アクリル系繊維を
用いた合成樹脂織布又は不織布の表裏を異なる色合いや
模様に染色する場合では、その織布の一方面のみをカチ
オン染料を用いて浸漬方式にて染色した後に、該織布の
染色された一方面に、染色止め剤を全面に塗布する必要
があり、染色止め作業にかなりの時間と労力を必要とし
ている。
【0009】又、上記アクリル系繊維やポリエステル系
繊維を用いた合成樹脂織布又は不織布の表裏を異なる色
合いや模様に染色する場合は、繊維織布の一方面のみを
分散染料を用いてサーモゾル染色方式にて染色した後
に、染色した一方面の全面に染色止め剤を塗布する必要
があり、染色止め作業にかなりの時間と労力を必要とし
ている。
【0010】本発明は、アクリル系繊維、ポリエステル
系繊維を用いた合成樹脂織布又は不織布の少なくとも表
裏両面の全面を、染色液に浸漬して染色した後、その片
面、又は両面を、加熱昇華転写方式にて染色することに
より、染色止め剤を用いず、織布又は不織布の表裏両面
を異なる色合いや模様に染色することを目的とするもの
であり、サーモゾル染色方法を用いて染料定着させて染
色した場合には、特にその染料定着用熱源を加熱昇華転
写の熱源に併用できるようにすることを目的とするもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
アクリル系繊維を用いた合成樹脂織布又は不織布を、カ
チオン染料を用いた染料液に浸漬して、該織布又は不織
布の表裏全面を染色した後、染色された前記織布又は不
織布の片面、若しくは両面に昇華性染料により加熱昇華
転写方式にて染色することを特徴とする合成樹脂織布又
は不織布の両面染色方法である。
【0012】又、本発明の第2の発明は、アクリル系繊
維若しくはポリエステル系繊維を用いた合成樹脂織布又
は不織布を、分散染料を用いた染料液に浸漬して表裏全
面を染色して引き上げ乾燥した後に、温度190℃〜2
20℃、30秒〜60秒間加熱して繊維に染料を定着さ
せ、染色された前記織布又は不織布の片面、若しくは両
面に昇華性染料により加熱昇華転写方式にて染色するこ
とを特徴とする合成樹脂織布又は不織布の両面染色方法
である。
【0013】
【実施例】本発明の第1の発明を以下に詳細に説明すれ
ば、アクリル系繊維とは、アクリル樹脂を用いた繊維、
又はアクリル樹脂を主体とする樹脂を用いた繊維、又
は、アクリル樹脂を用いた繊維若しくはアクリル樹脂を
主体とする樹脂を用いた繊維を主体として、それにそれ
とは異なる樹脂を用いた繊維を混合して得られる繊維で
ある。
【0014】図1(a)〜(e)は、本発明の第1の発
明における染色工程を説明する側断面図であり、図1
(a)に示すように、これらの繊維を用いて紡糸した縦
糸1と横糸2とを織布加工して得られるアクリル系繊維
織布Aを、図1(b)に示すカチオン染料液3を貯留す
る染料液槽6内の染料液3に浸漬して、織布Aの表裏両
面の全面を染色する。
【0015】前記カチオン染料液3としては、例えば、
ポリメチン系、アゾ系、アゾメチン系、アントラキノン
系、トリフェニルメタン系などの塩基性染料及び改質塩
基性染料、又は、トリフェニルメタン染料、シアニン染
料(蛍光性カチオン染料)、複素環式染料などのカチオ
ン染料のうちのいずれかの染料を溶解した水溶液に、適
宜pH調整剤(酸性)と、少量の電解質液、界面活性剤
などを添加したものである。
【0016】続いて、前記アクリル系繊維織布Aを、染
料液3より引き上げて、自然乾燥、又は、適宜乾燥条件
(例えば、乾燥温度25℃〜90℃、乾燥時間3分〜6
0分)にて乾燥することによって、図1(c)に示すよ
うに、カチオン染料により染色された染着縦糸11と染
着横糸12による表裏両面の全面がカチオン染料により
染色されたアクリル系繊維織布が得られる。
【0017】次に、カチオン染料によって染色されたア
クリル系繊維織布Aの表裏いずれか一方面(例えば表
側)の全面、若しくは部分に、図1(d)に示すよう
に、昇華転写紙Bの昇華性染料インキ層5側を重ね合わ
せる。
【0018】前記昇華転写紙Bは、アクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリエチレンテレフタレート樹脂など熱可塑性樹
脂、あるいは未硬化のウレタン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂など熱硬化性樹脂、あるいはこれらのプレンド樹
脂と溶剤とを混合溶解した樹脂ベヒクルに、昇華性染料
(アゾ系、アントラキノン系、ジフェニルアミン系、ナ
フトキノン系などの分散染料)を混練して得られた昇華
性染料インキを用いて、転写用基材シート4上に、ベタ
状、あるいは所望パターン状に、グラビア印刷などによ
って印刷形成した昇華性インキ層5を備えたものであ
り、該昇華転写紙Bをアクリル系繊維織布Aの一方面
(例えば表側)に重ね合わせた後、加熱又は加熱加圧し
て、図1(e)、該アクリル系繊維織布A(カチオン染
料によって表裏全面染色されている)の片面に昇華転写
された転写絵柄7を形成するものである。
【0019】なお、前記アクリル系繊維織布Aは、アク
リル系繊維を紡糸した縦糸1と横糸2にて織布加工した
ものであるが、本発明においては、前記アクリル系繊維
織布Aは、アクリル系繊維を不織布加工したものであっ
てもよく、又、例えばアクリル系繊維による糸を主体と
して、アクリル系繊維以外の樹脂繊維による糸をそれに
混在させて織布したものであってもよい。
【0020】又、本発明においては、前記昇華転写され
る昇華転写絵柄7としては、絵柄のない部分パターン着
色、あるいは全面着色であってもよい。
【0021】次に本発明の第2の発明を、以下に詳細に
説明すれば、アクリル系繊維とは、アクリル樹脂を用い
た繊維、又はアクリル樹脂を主体とする樹脂を用いた繊
維、又は、アクリル樹脂を用いた繊維若しくはアクリル
樹脂を主体とする樹脂を用いた繊維を主体として、それ
にそれとは異なる樹脂を用いた繊維を混合して得られる
繊維である。
【0022】ポリエステル系繊維とは、ポリエステル樹
脂を用いた繊維、又はポリエステル樹脂を主体とする樹
脂を用いた繊維、又は、ポリエステル樹脂を用いた繊維
若しくはポリエステル樹脂を主体とする樹脂を用いた繊
維を主体として、それにそれとは異なる樹脂を用いた繊
維を混合して得られる繊維である。
【0023】本発明の第2の発明における染色工程を、
図1(a)〜(e)の側断面図に従って詳細に説明すれ
ば、図1(a)に示すように、これらの繊維を用いて紡
糸した縦糸1と横糸2とを織布加工して得られるアクリ
ル系繊維織布、又は、ポリエステル系繊維織布A(以下
繊維織布Aと云う)を、図1(b)に示す分散染料液3
を貯留する染料液槽6内の染料液3に浸漬して、織布A
の表裏両面の全面を染色する。
【0024】前記分散染料液3としては、例えば、ポリ
メチン系、アゾ系、アゾメチン系、アントラキノン系、
トリフェニルメタン系などの塩基性染料及び改質塩基性
染料、又は、トリフェニルメタン染料、シアニン染料
(蛍光性カチオン染料)、複素環式染料などの分散染料
のうちのいずれかの染料を溶解した水溶液に、適宜pH
調整剤(酸性)と、少量の電解質液、界面活性剤などを
添加したものである。
【0025】続いて、前記繊維織布Aを染料液3より引
き上げて、自然乾燥、適宜乾燥条件(例えば、乾燥温度
25℃〜90℃、乾燥時間3分〜60分)にて乾燥する
ことによって、図1(c)に示すように、分散染料によ
り染色された染着縦糸11と染着横糸12による表裏両
面の全面が分散染料により染色された繊維織布Aが得ら
れる。
【0026】続いて、乾燥させた繊維織布Aの表裏いず
れか一方面(例えば表側)に、図1(d)に示すよう
に、昇華転写紙Bの昇華性染料インキ層5側を重ね合わ
せ、加熱板、加熱シリンダー、加熱ドラム等の適宜加熱
手段を用いて、その重ね合わせ面を、190℃〜220
℃程度の温度にて約30秒〜60秒間加熱して、繊維織
布Aの表裏全面に染着した染料を繊維に定着させ、サー
モゾル染色操作を行うと同時に、前記加熱条件にて、図
1(e)に示すように、アクリル系繊維、又はポリエス
テル系繊維の繊維織布A(分散染料によって表裏全面染
色されている)片面に、昇華性インキ層5による転写絵
柄7を昇華転写するものである。
【0027】図2(a)〜(c)は、本発明の第2の発
明においてサーモゾル染色方法と加熱昇華転写方法とを
併用した染色工程の一実施例を説明する側面図である。
【0028】図2(a)、所望長さの長尺状のアクリル
系繊維織布又は不織布、あるいはポリエステル系繊維織
布又は不織布Aを、分散染料液槽21内に供給して、分
散染料液8に浸漬して、該織布又は不織布Aの表裏全面
を染色した後、対向する一対の絞りロール22間に導入
して、付着する染料液を所定の絞り度にて絞り、中間乾
燥手段23(加熱エアーブロアなど加熱部を備えた70
℃程度の加熱用チャンバーなど)に導入してある程度の
乾燥処理をした後、該織布又は不織布Aをストッカー2
4に排出する。
【0029】続いて、図2(b)、ストッカー24に排
出された前記表裏全面を染色した織布、又は不織布A
を、200℃程度の加熱チャンバー、あるいは200℃
程度の加熱ドラムを備えた加熱処理手段25(加熱昇華
転写装置でもよい)の回転する加熱ドラム26に巻付け
ながら送行して加熱乾燥させ、染着した染料を固着して
サーモゾル処理を行なって、ストッカー27に排出す
る。
【0030】続いて図2(c)、ストッカー27よりサ
ーモゾル処理したアクリル系繊維、ポリエステル系繊維
の織布又は不織布Aを、その片面に昇華転写紙Bを重ね
合わせながら加熱昇華転写装置28の回転する加熱転写
ドラム29(ドラム表面温度200℃〜220℃程度)
に巻付けて加熱しながら送行して、該織布又は不織布A
の片面に昇華転写紙Bの絵柄、彩色を転写し、その後、
昇華転写紙Bは剥離して、該織布又は不織布Aをストッ
カー30に排出する。
【0031】図3(a)〜(b)は、サーモゾル染色方
法と加熱昇華転写方法とを併用した本発明の第2の発明
における他の実施例の染色工程を説明する側面図であ
る。
【0032】図3(a)、所望長さの長尺状のアクリル
系繊維織布又は不織布、あるいはポリエステル系繊維織
布又は不織布Aを、分散染料液槽21内に供給して、分
散染料液8に浸漬して、該織布又は不織布Aの表裏全面
を染色した後、対向する一対の絞りロール22間に導入
して、付着する染料液を所定の絞り度にて絞り、中間乾
燥手段23(加熱エアーブロアなど加熱部を備えた70
℃程度の加熱用チャンバーなど)に導入してある程度の
乾燥処理をした後、該織布又は不織布Aをストッカー2
4に排出する。
【0033】続いて、図3(b)、ストッカー24に排
出された前記表裏全面を染色した織布、又は不織布A
を、その片面に昇華転写紙Bを重ね合わせながら加熱昇
華転写装置28の回転する加熱転写ドラム29(ドラム
表面温度200℃〜220℃程度)に巻付けて加熱しな
がら送行して、加熱乾燥することにより、該織布又は不
織布Aに染着した染料を固着してサーモゾル処理を行な
うと同時に、該織布又は不織布Aの片面に昇華転写紙B
の絵柄、彩色を転写し、その後、昇華転写紙Bを剥離し
て、該織布又は不織布Aをストッカー30に排出する。
【0034】図4は、サーモゾル染色方法と加熱昇華転
写方法とを併用した本発明の第2の発明におけるその他
の実施例の染色工程を説明する側面図である。
【0035】図4、所望長さの長尺状のアクリル系繊維
織布又は不織布、あるいはポリエステル系繊維織布又は
不織布Aを、分散染料液槽21内に供給して、分散染料
液8に浸漬して該織布又は不織布Aの表裏全面を染色し
た後、対向する一対の絞りロール22間に導入して、付
着する染料液を所定の絞り度にて絞り、中間乾燥手段2
3(加熱エアーブロアなど加熱部を備えた70℃程度の
加熱用チャンバーなど)に導入してある程度の乾燥処理
をして排出し、排出された表裏全面を染色した前記織布
又は不織布Aの片面に、昇華転写紙Bを重ね合わせなが
ら加熱昇華転写装置28の回転する加熱転写ドラム29
(ドラム表面温度200℃〜220℃程度)に巻付けて
加熱しながら送行して、加熱乾燥することにより、該織
布又は不織布Aに染着した染料を固着してサーモゾル処
理を行なうと同時に、該織布又は不織布Aの片面に昇華
転写紙Bの絵柄、彩色を転写し、その後、昇華転写紙B
を剥離して、該織布又は不織布Aをストッカー30に排
出する。
【0036】なお、前記昇華転写紙Bは、転写用基材シ
ート4に、ベタ状あるいは所望パターン状にグラビア印
刷方式などによって印刷された昇華性インキ層5が施さ
れたものであリ、使用する昇華性インキは、アクリル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの熱可
塑性樹脂、あるいは未硬化のウレタン樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂など熱硬化性樹脂、あるいはこれらのプレ
ンド樹脂と溶剤とを混合溶解した樹脂ベヒクルに、昇華
性染料(アゾ系、アントラキノン系、ジフェニルアミン
系、ナフトキノン系などの分散染料)を混練したもので
ある。
【0037】以下に、具体的実施例に従って説明する。 <実施例1>アクリル繊維の織布を、カチオン染料液に
全面浸漬し、温度50℃前後にて、20分間乾燥した
後、昇華転写紙を重ね合わせて、温度220℃にて、4
0秒間加熱して加熱昇華転写を行い、アクリル繊維織布
の表裏両面に、染色止め剤を用いずに、異なる色合いと
模様を染色した。
【0038】<実施例2>アクリル繊維又はポリエステ
ル繊維の織布を、分散染料を用いた40℃の染料液に全
面浸漬して約60%の絞り量にて引き上げ、温度70℃
にて、5分間、中間乾燥した後、温度200℃にて、5
0秒間加熱してサーモゾル操作をおこなって、織布の表
裏全面に染着している染料を定着する。続いて、表裏全
面に染料定着させた織布の一方面に昇華転写紙を重ね合
わせ、温度220℃、40秒間、加熱昇華転写を行い、
繊維織布の表裏に、染色止め剤を用いずに、異なる色合
いと模様を染色した。(図2参照)
【0039】<実施例3>アクリル繊維又はポリエステ
ル繊維の織布を、分散染料を用いた40℃の染料液に全
面浸漬して約60%の絞り量にて引き上げ、温度75℃
にて、5分間、中間乾燥した後、織布の一方面に昇華転
写紙を重ね合わせ、温度190℃〜220℃にて、30
秒間加熱して、サーモゾル操作を行い、織布の表裏全面
に染着している染料を定着すると同時に、その定着加熱
温度と加熱時間にて、織布に加熱昇華転写を行い、繊維
織布の表裏に、染色止め剤を用いずに、異なる色合いと
模様を染色した。(図3参照)
【0040】
【作用】本発明の合成樹脂織布又は不織布の両面染色方
法は、アクリル系、若しくはポリエステル系繊維織布又
は不織布の表裏両面を染色する方法であり、第1の発明
においては、アクリル系繊維織布又は不織布の表裏全面
を、該アクリル系繊維に染着し易いカチオン染料液に浸
漬して浸漬方式にて染色するので、カチオン染料を用い
て表裏染着されたアクリル繊維織布の個々の繊維表面に
は染料が十分に吸着して染着力が良好であり、繊維表面
や繊維間に染料が中途半端に染着することがなく、染料
は繊維内部に良好に染着されて、繊維に目詰まりのない
両面染色が得られ、その目詰まりのない繊維の片面に昇
華転写にて絵柄や彩色を施すので、目詰まりのない織布
繊維間には、昇華転写方式による昇華染料ガス成分の浸
透が良好に進行して、鮮やかで濃度のある良好な昇華転
写による絵柄、彩色柄が得られ、よって、一方面にカチ
オン染料による染色、他方面にカチオン染料による染色
地の上に昇華転写による絵柄、彩色を施したアクリル系
繊維織布が得られ、表裏で異なる絵柄、彩色のある織
布、不織布が得られる。
【0041】第2の発明、及び第3の発明においては、
アクリル系繊維、ポリエステル系繊維の織布又は不織布
を、分散染料を用いた染料液に全面浸漬して引き上げて
繊維の表裏全面を染色して中間乾燥した後に、高温加熱
によるサーモゾル操作を行い、あるいはサーモゾル操作
と並行して、繊維の片面に昇華転写にて絵柄や彩色を施
すので、サーモゾル操作によって染料が良好に定着した
状態の繊維に対して昇華転写を行なうことができ、昇華
転写方式による昇華染料ガス成分の浸透が良好に進行し
て、鮮やかで濃度のある良好な昇華転写による絵柄、彩
色柄が得られ、よって、一方面に分散染料による染色、
他方面に分散染料による染色地の上に昇華転写による絵
柄、彩色を施したアクリル系繊維、ポリエステル系繊維
の織布又は不織布が得られ、表裏で異なる絵柄、彩色の
ある織布、不織布が得られる。
【0042】又、第1の発明、第2の発明、第3の発明
によれば、一方面のみに浸漬染色する場合の面倒な染色
止め操作を必要とせず、表裏で異なる色相の染色を持つ
アクリル系繊維、ポリエステル系繊維の織布又は不織布
を製造する場合に、特に能率的に製造できる長所があ
る。
【0043】
【発明の効果】本発明の合成樹脂織布又は不織布の両面
染色方法は、該織布、不織布の表裏で異なる絵柄、彩
色、色相の染色を施す場合に顕著な効果を発揮するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1の発明、第2の発明の染色
工程を示し、染色前の織布の概要側断面図である。
(b)本発明の第1の発明、第2の発明の染色工程を示
し、織布を染料液に浸漬した状態を説明する側断面図で
ある。(c)本発明の第1の発明、第2の発明の染色工
程を示し、織布を表裏両面より染料にて染着した状態を
説明する側断面図である。(d)本発明の第1の発明、
第2の発明の染色工程を示し、染料にて染着した織布の
一方面に昇華転写紙を重ね合わせた状態を説明する側断
面図である。(e)本発明の第1の発明、第2の発明の
染色工程を示し、染料にて染着した織布の一方面に昇華
転写絵柄を施した状態を説明する側断面図である。
【図2】(a)本発明の第2の発明の一実施例における
浸漬工程と中間乾燥工程を説明する概要側面図である。
(b)本発明の第2の発明の一実施例における加熱乾燥
によるサーモゾル工程を説明する概要側面図である。
(c)本発明の第2の発明の一実施例における加熱昇華
転写工程を説明する概要側面図である。
【図3】(a)本発明の第2の発明の他の実施例におけ
る浸漬工程と中間乾燥工程を説明する概要側面図であ
る。(b)本発明の第2の発明の他の実施例における加
熱昇華転写工程を説明する概要側面図である。
【図4】本発明の第2の発明のその他の実施例における
染色工程を説明する概要側面図である。
【符号の説明】
1…アクリル系繊維織布の縦糸 2…アクリル系繊維織
布の横糸 3…カチオン染料液 4…昇華転写用基材シ
ート 5…昇華性インキ層 6…染料液槽 7…昇華転
写絵柄 8…染料液 11…カチオン染料にて染着され
た縦糸 12…カチオン染料にて染着された横糸 A…
アクリル系繊維織布 B…昇華転写紙 21…染料液槽 22…絞りロール 23…中間乾燥手
段 24…ストッカー 25…加熱乾燥手段 26…加熱ドラム 27…ストッ
カー 28…加熱昇華転写装置 29…加熱昇華転写ド
ラム 30…ストッカー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06Q 1/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル系繊維を用いた合成樹脂織布又は
    不織布を、カチオン染料を用いた染料液に浸漬して、該
    織布又は不織布の表裏全面を染色した後、染色された前
    記織布又は不織布の片面、若しくは両面に昇華性染料に
    より加熱昇華転写方式にて染色することを特徴とする合
    成樹脂織布又は不織布の両面染色方法。
  2. 【請求項2】前記カチオン染料が、蛍光染料である請求
    項1に記載の合成樹脂織布又は不織布の両面染色方法。
  3. 【請求項3】アクリル系繊維若しくはポリエステル系繊
    維を用いた合成樹脂織布又は不織布を、分散染料を用い
    た染料液に浸漬して表裏全面を染色して引き上げ乾燥し
    た後に、温度190℃〜220℃、30秒〜60秒間加
    熱して、繊維に染料を定着させ、染色された前記織布又
    は不織布の片面、若しくは両面に昇華性染料により加熱
    昇華転写方式にて染色することを特徴とする合成樹脂織
    布又は不織布の両面染色方法。
  4. 【請求項4】前記分散染料が、蛍光染料である請求項3
    に記載の合成樹脂繊維織布又は不織布の両面染色方法。
JP4260218A 1991-10-28 1992-09-29 合成樹脂織布又は不織布の両面染色方法 Pending JPH05214681A (ja)

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