JP3074734B2 - 分散製剤 - Google Patents

分散製剤

Info

Publication number
JP3074734B2
JP3074734B2 JP03518215A JP51821591A JP3074734B2 JP 3074734 B2 JP3074734 B2 JP 3074734B2 JP 03518215 A JP03518215 A JP 03518215A JP 51821591 A JP51821591 A JP 51821591A JP 3074734 B2 JP3074734 B2 JP 3074734B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amphotericin
dispersion
preparation
present
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP03518215A
Other languages
English (en)
Inventor
純造 関
博文 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shinyaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shinyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shinyaku Co Ltd filed Critical Nippon Shinyaku Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP3074734B2 publication Critical patent/JP3074734B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/7042Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings
    • A61K31/7048Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having oxygen as a ring hetero atom, e.g. leucoglucosan, hesperidin, erythromycin, nystatin, digitoxin or digoxin

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、アムホテリシンBを含有する分散製剤に関
する。
背景技術 アムホテリシンBは、開発されてから約30年を経過し
た今日でも、全身投与をすることができ、確実な効果を
期待することができる重要な抗真菌剤として汎用されて
いる。しかしこの物質は、溶血毒性、腎毒性等の重篤な
副作用が発現する欠点を有していた。
これらの副作用を軽減するため、リン脂質からなるリ
ポソーム製剤、脂質複合体製剤、又は、大豆油を少量の
リン脂質で乳化してなる脂肪乳剤製剤としてアムホテリ
シンBを投与することが行われてきた(Szoka,F.C.Jr,e
t al.,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,31,421
−429,1987.〔以下「文献1」〕、Kirsh,R,et al.,Jour
nal of Infectious Diseases,158,1065−1070,1988.
〔以下「文献2」〕、特開昭63−66123号公報〔以下
「文献3」〕、他)。
しかしながら、これら各種リボソーム製剤、脂質複合
体製剤及び脂肪乳剤製剤は、アムホテリシンBの有する
溶血毒性を軽減し、急性毒性の軽減には成功しているも
のの、臨床で最も大きな問題である腎毒性の軽減につい
てはほとんど効果がみられなかった。また、これら各種
リポソーム製剤、脂質複合体製剤及び脂肪乳剤製剤は、
高価な脂質類を大量に用いるため、経済的問題が生じる
ほか、連続投与時には他の添加物の影響に加えて高脂血
症や脂肪肝などの発生等重大な欠点を有していた。
これに比較して分散製剤は、上記欠点の原因となる脂
質を不要としていた。
アムホテリシンBの分散製剤としては、経口投与のみ
を対象としたアムホテリシンBシロップ等が知られてい
るが、補助剤として大量のグリセリン、カルボキシメチ
ルセルロース等が使用されており、希釈により容易に結
晶が沈降したり補助剤の生体への毒性が懸念される等多
くの欠点を有していた。アムホテリシンBの非経口投与
用の分散剤はこれまで存在しなかった。
アムホテリシンBを高濃度のまま投与するためには、
キャリアー(Carrier)等の他の成分に共存させる形で
はなく、アムホテリシンBを分散させただけの分散製剤
とすることが好ましい。アムホテリシンBのもつ分子レ
ベルの薬理作用機構(抗真菌作用)そのものに影響を与
えることなく、その溶血毒性及び腎毒性を軽減する必要
があった。これらの課題を解決することが本発明の目的
であった。
発明の開示 本発明は、一切の補助剤を使用することなく、アムホ
テリシンBの静脈内投与可能製剤を創成したところに大
きな特徴がある。
これまでは、静脈内投与製剤では不溶物があってはな
らないことが製剤上の常識であり(日本薬局方にはこの
旨の明記がある)、極めて難溶性のアムホテリシンBに
ついては医薬品として有効な量を投与するためには、合
成界面活性剤等の補助剤を使用するか、キャリアーに包
含させて投与する以外に方法はなかった。文献1記載の
リポソーム型又はリピッドコンプレックスとして投与す
る方法もこの考え方に沿うものであった。
ところが、アムホテリシンB自身が、生理食塩水等の
注射可能な一般に使用しうる溶媒に微細粒子として均一
に分散し、一切の補助剤を使わなくても沈降や凝集を起
こすことなく、持続的に安定に存在するという、これま
での常識を覆す驚くべき事実が判明した。本発明者らは
偶然のことからのこの事実に遭遇し、これに基づいて本
発明を完成したものである。
本発明の要旨は、アムホテリシンBの製剤の一形態と
しての液中分散製剤そのものにある。ここで液中とは水
中のことであり、液中分散製剤とは、主成分であるアム
ホテリシンBそのものが水中に持続的に安定に分散して
いる製剤であることを意味する。ここに、持続的にと
は、経時によっても変化しないことを意味し、また分散
しているとは、主として懸濁状態を意味する。
本発明の分散製剤においては、分散のための補助剤を
一切使用する必要がない。従って本発明の分散製剤に
は、分散補助剤は実質的に含有されることがない。ここ
に実質的にとは、分散を補助する目的のためにを意味す
る。
本発明の分散製剤は、後述するように、粒子径が10μ
m以下である。
本発明の分散製剤の製造にあたっては、従来から行わ
れてきた種々の分散製剤製造法をそのまま応用すること
ができる。例えば、アムホテリシンB原末をマントン−
ガウリン型等の加圧噴射式ホモジナイザー、マイクロフ
ルイダイザー、超音波ホモジナイザー等により充分に分
散又は微細化して製造する方法を使用することができ
る。マントン−ガウリン型等の加圧噴射式ホモジナイザ
ーを使用するときには、300〜1,000kg/cm2程度の圧力で
約30〜60分程度適用することができる。これにより後述
する本発明の分散製剤として十分の分散状態を得ること
ができる。
また、マイクロフルイダイザーを使用するときには、
エア圧3〜5kg/cm2程度で十分である。超音波ホモジナ
イザーを使用するときには、使用形態にもよるが、例え
ば、出力は50〜200W程度で5分〜2時間程度適用するこ
とができる。分散粒子を小さくしようとするときには出
力を上げ又は時間を長く掛ける等の方法により、所望の
粒子径をもった本発明の分散製剤を再現性良く取得する
ことができる。
これらの湿式分散を行う前にアムホテリシンB原末を
予め一般に用いられる粉砕器で粉砕しておくこともでき
る。
本発明分散製剤においては、製剤としての必要に応じ
てアムホテリシンBの濃度を決めることができる。本発
明の分散製剤の製造にあたって20%以上の濃度とすると
きにはその分散効率が低下することが判っており、アム
ホテリシンBの濃度は0.005〜20%(w/v)が好ましい。
本発明の分散製剤の形状や粒子径は、電子顕微鏡、光
散乱方式の粒子径分析装置、メンブレンフィルターによ
る濾過等により容易に確認することができる。
本発明の分散製剤粒子が、結晶のまま存在しているか
非晶質化しているかは定かではない。粉末X線回折等の
分析手段によれば、結晶構造を確認することができない
が、電子顕微鏡によれば、0.005〜10μm程度の大きさ
の粒子が存在することを確認することができる。
本発明の分散製剤は、粒子径が約10μm以下のものが
一般的である。このものは、分散補助剤を用いることな
しに液中に分散することができる、このような分散製剤
では、約1μm以下のものは遠心分離を行っても沈降す
ることがない。約0.2μm以下のものは超遠心によって
も沈降することがない。粒子径を小さくすれば、それだ
け分散安定性が増すことが判っている。
本発明の分散製剤の製造にあたっては、一般に知られ
ている生理的に受け入れられる分散補助剤又は安定化剤
を加えることもできるが、アムホテリシンBの分散安定
性のためには、これらのものは不要である。このような
ものとしては、例えば、プロピレングリコール、グリセ
リン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、デキストラ
ン、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油、ステロール類、リン脂質類、脂肪酸類、糖類等
を挙げることができる。
本発明の分散製剤には、後述するように所望に応じて
生理学的に許容される添加物を含有することができる。
このようなものとして、例えば、酸化防止剤、防腐剤、
安定化剤、等張化剤、緩衝剤等の一般に注射剤に用いら
れる添加剤及び補助物質などを加えることができる。こ
れらのものの要求量及び最適量は、その目的に応じて変
化させることができる。
以上のようにして得られる本発明の分散製剤は、必要
に応じて滅菌(例えば濾過滅菌や高圧蒸気滅菌等)し、
窒素ガスとともにアンプル中に封入することができる。
また、必要に応じて凍結乾燥や噴霧乾燥等の一般的手法
により乾燥することができる。乾燥させた本発明製剤
は、適当な溶液の添加によって復元することができる。
このように乾燥させた本発明の分散製剤もまた本発明を
構成するものである。
本発明の分散製剤は、真菌感染症やウイルス感染症等
の治療又は予防を目的としてヒト又は種々の動物の静脈
内に投与することができる。また、本発明の分散製剤
は、必要に応じて動脈内、筋肉内、髄腔内及び皮下等に
注射剤として投与することもできる。更に、本発明の分
散製剤は、点眼剤、点鼻剤、経口投与剤、吸入剤、膀胱
注入剤、外用剤又は坐剤等としても製剤化し使用するこ
とができる。この場合においても、医薬上許容される基
剤、賦形剤等の添加剤を任意の成分として挙げることが
できる。
本発明の分散製剤の投与量は、投与ルート、剤形、症
状、目的によって異なるが、分散製剤として一般に、1
〜1000ml/回で充分である。また、アムホテリシンBと
しての投与量は、成人に対して一般に1〜200mg/回で充
分である。
本発明に係る分散製剤に適応できるポリエン抗真菌抗
生物質として、アムホテリシンBのほかに、アムホテリ
シンBメチルエステル、ナイスタチン、トリコマイシ
ン、ピマリシン等を挙げることができる。
本発明の分散製剤を有効量投与したとき、腎機能に対
するアムホテリシンBのもつ障害性が全く認められず、
最大の課題であったアムホテリシンBの腎毒性の軽減問
題が解決された。またこの腎毒性軽減は、投与後の薬物
の腎への移行量でも完全に裏付けられた(試験例3)。
本発明の分散製剤は、アムホテリシンBそのものを液
中に存在させることができるため、既存技術としてのリ
ポソームや脂肪乳剤のようないったんキャリアーに溶解
させたのち液中に存在せしめる方法と比較し、製剤粒子
の存在量としては、例えば1/200程度で十分である。
本発明に係るアムホテリシンB自身は、固体の微細子
として存在するため、熱や酸化分解等に対して抵抗性を
示すことができる。
本発明によれば、アムホテリシンBの臨床上の利用価
値を著しく高めることができる。
本発明の効果は、従来の問題点を克服し、 アムホテリシンBのもつ溶血毒性のみならず、真の改
善課題であった腎毒性についても著しく軽減したこと、 病巣への薬物移行性を改善したこと、 従来添加剤として加えられていた脂質による高脂血症
や脂肪肝の発生の問題を克服したこと、 保存時の安定性を確保したこと、 製造工程を簡素化しまた高価な添加物が不要であるこ
となどにより製造コストを低減させたこと、等に集約す
ることができる。これらの効果は、本発明により初めて
成されたものである。
本発明分散製剤の構成成分は、本質的にアムホテリシ
ンBのみからなり、従来から医療現場において医療用と
して用いられてきた医療上その使用が許容される薬物で
あり、安全性の保証されない添加物を一切用いない為、
極めて安全に使用することができる。
実施をするための最良の形態 以下に本発明分散製剤の製造に関する実施例及び試験
例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 アムホテリシンB30mgに等張リン酸緩衝液を加えて10m
lに定容した後、氷冷下、超音波ホモジナイザー(ブラ
ンソン モデル185)で60分間分散し、極めて微細なア
ムホテリシンBを含有する分散製剤を得た。このもの
は、静置又は3,000rpm、10分の遠心によっても沈降する
ことがなかった。このものを常法に従い凍結乾燥し乾燥
製剤を得た。
実施例2 アムホテリシンB3gに等張リン酸緩衝液を500ml加え、
ホモミキサーで攪拌し粗分散液とする。粗分散液マント
ン−ガウリン型ホモジナイザーにより高圧分散し、きわ
めて微細なアムホテリシンBを含有する分散製剤を得
た。このものは、静置又は10,000rpm、1時間の遠心に
よっても沈降することがなかった。このものを常法に従
い凍結乾燥し乾燥製剤を得た。
実施例3 アムホテリシンB30mgに0.24Mグリセリン水溶液を加え
て10mlに定容した後、氷例下、超音波ホモジナイザー
(ブランソン モデル185)で5分間分散し、微細なア
ムホテリシンBを含有する分散製剤を得た。このもの
は、半年間静置しても沈降することがなかった。このも
のを常法に従い凍結乾燥し乾燥製剤を得た。
実施例4 アムホテリシンB2gに0.24Mグリセリン水溶液を100ml
加え、ホモミキサーで攪拌し粗乳化液とする。粗乳化液
をマイクロフルイダイザーにより高圧分散し、きわめて
微細なアムホテリシンBを含有する分散製剤を得た。こ
のものは、静置又は20,00rpm、1時間の遠心によっても
沈降することがなかった。このものを常法に従い凍結乾
燥し乾燥製剤を得た。
実施例5 アムホテリシンB1gに分散助剤として精製卵黄レシチ
ン0.1gを加え、これに10%マルトース水溶液を加えて10
mlに定容した後、超音波ホモジナイザー(ブランソン
モデル185)で60分間分散し、極めて微細なアムホテリ
シンBを含有する分散製剤を得た。このものは、静置又
は3,000rpm、10分の遠心によって沈降することがなかっ
た。このものを常法に従い凍結乾燥し乾燥製剤を得た。
実施例6 アムホテリシンB 0.3g及びジミリストイルホスファチ
ジルグリセロース0.1gを、0.24Mグリセリン水溶液で10m
lに定容した後、超音波ホモジナイザー(ブランソン
モデル185)で10分間乳化し、極めて微細なアムホテリ
シンBを含有する分散製剤を得た。このものは、静置又
は3,000rpm、10分の遠心によっても沈降することがなか
った。このものを常法に従い凍結乾燥し乾燥製剤を得
た。
本発明の分散製剤の特性詠評価試験結果を以下に記
す。
各試験においては、市販のアムホテリシンB製剤、従
来技術である各巣のアムホテリシンB含有リポソーム製
剤及び従来技術である脂肪乳剤を比較のために用いた。
各試料の詳細を以下に記す。
検体試料1:実施例1で得られた本発明分散製剤。
検体試料2:実施例3で得られた本発明分散製剤。
対照試料1:市販の注射用アムホテリシンB製剤(商品
名:ファンギゾン(登録商標)、日本スクイブ) 対照試料2:文献1に従い調製した、ジミリストイルホ
スファチジルコリン:ジミリストイルホスファチジルグ
リセロール=7:3のモル比よりなるマルチラメラリポソ
ームあるいは脂質複合体と呼ばれるものに分類されるア
ムホテリシンB含有製剤。
対照試料3:文献1に従い調製した、ジミリストイルホ
スファチジルコリン:ジミリストイルホスファチジルギ
ルセロール=7:3のモル比よりなり、超音波処理後に得
られるスモールユニラメラリポソームと分類されるアム
ホテリシンB含有リポソーム製剤。
対照試料4:文献1に従い調製した、精製卵黄レシチン
よりなり、超音波処理後に得られるスモールユニラメラ
リポソームと分類されるアムホテリシンB含有リポソー
ム製剤。
対照試料5:文献2に従い調製した、精製大豆油及び精
製卵黄レシチンよりなるアムホテリシンB含有脂肪乳
剤。
試験例1:溶血性試験 精製ラット赤血球に対する溶血作用について検体試料
1及び対照試料1について試験管内で試験した結果、対
照試料1は、極めて低濃度(0.1μg/ml以上)のアムホ
テリシンB濃度で顕著な溶血性を示したが、検体試料は
100倍以上の濃度でも全く溶血性を示さなかった。本発
明の分散製剤が、市販製剤の持つ溶血毒性を大幅に軽減
することが明白である。
試験例2:in vivo急性毒性試験 実験動物としてddY系雄性マウス(体重約20g)を用
い、各々の検体試料及び対照試料を尾静脈より静脈内投
与し、その急性毒性を評価した。結果を表1に示す。
投与1時間後の生死の判定によると検体試料は、いず
れもきわめて低毒性であった。対照試料のうち、2及び
3は溶血性に起因する毒性の低下が認められた。しか
し、対照試料1、4及び5については急性毒性の軽減は
認められなかった。
投与後72時間後の生死の判定によると検体試料は、い
ずれもきわめて低毒性であった。しかし、対照試料は、
いずれも毒性が発現し、検体試料に比べ腎毒性が著しい
ことが示された。本発明の分散製剤が、従来から知られ
ているリポソーム製剤及び脂肪乳剤製剤に比較して、投
与直後にみられる溶血毒性のみならず、特に腎毒性に起
因すると考えられる投与後72時間で評価した場合の毒性
軽減効果が顕著であることが明白である。
試験例3:腎臓中薬物量(腎への移行性) 実験動物としてSD系雄性ラット(体重約250g)を用い
各々の検体試料及び対照試料を尾静脈より静脈内投与し
た。投与量は、アムホテリシンBとして1mg/kgとした。
投与18時間後、腎臓を摘出しホモジナイズした後、腎臓
中のアムホテリシンB濃度を高速液体クロマトグラフィ
ー(H.Hosotsubo,et al.,Antimicrobal Agents and Che
motherapy,32,1103〜1105(1988)記載の条件に準じ
た)にて測定した。結果を表2に示した。
検体試料を投与した場合の腎臓中アムホテリシンB濃
度は、いずれも測定限界以下であったが、対照試料を投
与した場合は、いずれも高濃度のアムホテリシンBが検
出された。本発明の分散製剤が、従来から知られている
リポソーム製剤及び脂肪乳剤製剤に比べ、顕著な腎臓へ
の薬物移行性の改善(移行性の低下)を達成することが
明白である。
試験例4:腎機能評価 実験動物としてSD系性ラット(体重約250g)を用い各
々の検体試料及び対照試料を尾静脈より静脈内投与し
た。投与量は、アムホテリシンBとして1mg/kgとし、24
時間毎に計3回投与した。最終投与24時間後に頸静脈よ
り採血し血清を得た。腎機能の指標として用いられる血
清中尿素窒素量(BUN)を市販の測定キットを用いて測
定した結果を表3に示した。なお、コントロールとして
は生理食塩水を同様に投与して得た血清を用いた。
検体試料を投与した場合のBUN濃度は、いずれもコン
トロールと差が認められず、腎機能に全く障害は認めら
れなかった。しかし、対照試料を投与した場合は、いず
れも顕著に高いBUN濃度を示し、腎機能を障害が認めら
れた。本発明の分散製剤が、従来から知られているリポ
ソーム製剤及び脂肪乳剤製剤に比べ、腎臓機能の障害性
の顕著な改善を達成することが明白である。
試験例7:粒子径の測定 検体試料1及び検体試料2の分散粒子の粒子径につい
て、レーザー光による動的光散乱粒子径測定装置を用い
その粒子径について評価した。その結果、検体試料1の
平均粒子径は、55nmであり、1μm以上の粒子を含まな
かった。検体試料2の平均粒子径は2.5μmであった。
試験例8:in vitro抗真菌試験 サブロー培地にてカンジダ菌(C.albicans)を培養
し、各々の検体試料及び対照試料を培地に添加し、カン
ジダ菌の生育を阻止する最低アムホテリシンB濃度を求
め、各試料の抗真菌活性を評価した。表4に示したよう
に、各種試料ともきわめて微量のアムホテリシンB濃度
で、抗真菌活性を示し、カンジダ菌の生育を抑制した。
本発明の分散製剤が、アムホテリシンB自身の持つ抗真
菌活性に悪影響を全く与えず、有効で安全な薬物療法が
達成されることが明白である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/7048 A61K 9/107 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の〜の特徴を有する、アムホテリ
    シンBを主成分とする医療用薬剤。 粒子径が10μm以下である。 アムホテリシンBそのものが単独で水に持続的に分散
    している。 分散補助剤を含有していない。
JP03518215A 1990-11-16 1991-11-15 分散製剤 Expired - Lifetime JP3074734B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31205790 1990-11-16
JP2-312057 1990-11-16
PCT/JP1991/001564 WO1992008467A1 (en) 1990-11-16 1991-11-15 Dispersion preparation

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3074734B2 true JP3074734B2 (ja) 2000-08-07

Family

ID=18024709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03518215A Expired - Lifetime JP3074734B2 (ja) 1990-11-16 1991-11-15 分散製剤

Country Status (6)

Country Link
US (1) US5776904A (ja)
EP (1) EP0558750B1 (ja)
JP (1) JP3074734B2 (ja)
AT (1) ATE176155T1 (ja)
DE (1) DE69130832T2 (ja)
WO (1) WO1992008467A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6291436B1 (en) 1999-07-16 2001-09-18 International Fiber Corporation Direct action anti-mycotic
US6413537B1 (en) 2000-03-10 2002-07-02 Wisconsin Alumni Research Foundation Nystatin formulation having reduced toxicity
US8404217B2 (en) 2000-05-10 2013-03-26 Novartis Ag Formulation for pulmonary administration of antifungal agents, and associated methods of manufacture and use
CA2432319A1 (en) 2000-12-21 2002-07-18 Nektar Therapeutics Pulmonary delivery of polyene antifungal agents
KR20020062494A (ko) * 2001-01-22 2002-07-26 유봉규 단량체 폴리엔마크로리드계열 항생제를 함유한 고체분산체조성물
WO2004030677A1 (en) * 2002-10-03 2004-04-15 University Of Mississippi Compositions comprising highly purified amphotericin b
CN101442989B (zh) * 2004-06-21 2013-04-03 诺瓦帝斯公司 包括两性霉素b的组合物
US8513204B2 (en) * 2004-06-21 2013-08-20 Novartis Ag Compositions comprising amphotericin B, mehods and systems
US20080233053A1 (en) * 2005-02-07 2008-09-25 Pharmalight Inc. Method and Device for Ophthalmic Administration of Active Pharmaceutical Ingredients
EP2079306A4 (en) * 2006-10-03 2009-12-30 Accentia Biopharmaceuticals In NON-MOLECULE-BREAKING AMPHOTERICIN B FORMULATIONS AND METHOD FOR TREATING NON-INVASIVE PULSE-INDUCED MUCOSITIS

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3928570A (en) * 1971-11-29 1975-12-23 Squibb & Sons Inc Amphotericin complexes
US4002741A (en) * 1974-04-24 1977-01-11 Valter Osvaldovich Kulbakh Meglumine complex fungicidal polyene macrolide antibiotic compositions and treatment method
US4035567A (en) * 1975-10-21 1977-07-12 E. R. Squibb & Sons, Inc. Process for producing the methyl ester of amphotericin B
HU196230B (en) * 1983-12-29 1988-10-28 Chinoin Gyogyszer Es Vegyeszet Process for producing water-soluble forms of polyene antibiotics and pharmaceutics comprising such active ingredient and plant protective with antifungal effect
US5043107A (en) * 1986-08-21 1991-08-27 Vestar Research, Inc. Preparation small unilamellar vesicles including polyene antifungal antibiotics
FR2604903B1 (fr) * 1986-10-08 1989-01-13 Sopar Sa Nv Agents therapeutiques sous forme de particules submicroscopiques contre des parasitoses et compositions pharmaceutiques les contenant
US4822777A (en) * 1987-02-27 1989-04-18 Liposome Technology, Inc. Amphotericin B/cholesterol sulfate composition
US4950477A (en) * 1988-08-23 1990-08-21 Memorial Hospital For Cancer And Allied Dieseas Method of preventing and treating pulmonary infection by fungi using aerosolized polyenes

Also Published As

Publication number Publication date
DE69130832T2 (de) 1999-10-07
EP0558750A4 (en) 1993-10-20
EP0558750B1 (en) 1999-01-27
EP0558750A1 (en) 1993-09-08
US5776904A (en) 1998-07-07
DE69130832D1 (de) 1999-03-11
WO1992008467A1 (en) 1992-05-29
ATE176155T1 (de) 1999-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3626184B2 (ja) 薬剤搬送ビヒクルとしての固体脂肪ナノエマルジョン体
US5965156A (en) Amphotericin B liposome preparation
CA2442539C (en) Method and composition for solubilising a biologically active compound with low water solubility
EP0225130A2 (en) Liposome composition
JP3074734B2 (ja) 分散製剤
DK175504B1 (da) Farmaceutisk præparat indeholdende 3alfa-hydroxy-5beta-pregnan-20-on og fremstilling deraf
JP2844756B2 (ja) 脂肪乳剤
CA3018670A1 (en) Viscoelastic gel of liraglutide adapted for once-weekly or once bi-weekly administration
US20220347096A1 (en) Liposomal cannabinoids and uses thereof
JP2653245B2 (ja) 脂肪乳剤
CN105287406A (zh) 一种丙泊酚脂质体冻干制剂及其制备方法
US7053061B2 (en) Amphotercin B structured emulsion
JP3074732B2 (ja) 脂肪乳剤
JP3249583B2 (ja) リポソーム製剤
JPH04173736A (ja) 乳化剤
AU2001280084A1 (en) Amphotericin B structured emulsion
JP3074731B2 (ja) 脂肪乳剤
JPH0489430A (ja) 低血圧維持剤
JPH06256212A (ja) オーレオバシジン類のリポソーム製剤