JPH04173736A - 乳化剤 - Google Patents

乳化剤

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JPH04173736A
JPH04173736A JP30163890A JP30163890A JPH04173736A JP H04173736 A JPH04173736 A JP H04173736A JP 30163890 A JP30163890 A JP 30163890A JP 30163890 A JP30163890 A JP 30163890A JP H04173736 A JPH04173736 A JP H04173736A
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JP
Japan
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amphotericin
emulsion
emulsifier
present
drug
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JP30163890A
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English (en)
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Junzo Seki
関 純造
Shuji Yamane
山根 周二
Koichi Ushimaru
牛丸 紘一
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Nippon Shinyaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shinyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は、ポリエン抗真菌抗生物質を含有したリン脂質
からなる乳化剤及びその凍結乾燥製剤に関する。詳しく
は、本発明は、乳剤粒子の平均粒子径が5ron以上1
100nm未満の範囲であることを特徴とするポリエン
抗真菌抗生物質を含有したリン脂質からなる改良乳化剤
及びその凍結乾燥製剤に関する。
[従来の技術] アムホテリシン已に代表されるポリエン抗真菌抗生物質
は、開発されてから約30年を経過した今日においても
、全身投与でき、確実な効果が期待される重要な抗真菌
剤である。しかし、その臨床使用は、溶血毒性や腎毒性
といった重篤な副作用により著しく制限され、十分な薬
物療法を行うことができない難点を有していた。また、
製剤学的にみても現在市販のアムホテリシンB注射剤は
、デオキシコール酸ナトリウムという刺激性・溶血性を
有する界面活性剤を用いたものであり、改善が望まれて
いた。
これらの副作用の軽減を目的として、リン脂質からなる
リポソーム製剤、又は大豆油を少量のリン脂質で乳化し
てなる脂肪乳剤製剤としてアムホテリシンBを投与する
ことが行われてきた(Szoka。
F、 C,Jr、 et al、、^ntimicro
bialAgents andChemotherap
y、 31.421−429.1987. C以下「文
献1」〕、に1rsh、 R,at al、 Jour
nal of Infectious口1seases
、 15fl、 1065−107G、 1988. 
 C以下「文献2」〕、〕開開昭63−66123号公
報以下「文献3」〕、他)。
しかしながら、これら各種リポソーム製剤、脂質複合体
製剤及び脂肪乳剤製剤は、アムホテリシンBの有する溶
血毒性を軽減し、急性毒件の軽減には成功しているもの
の、臨床で最も大きな問題である腎毒性の軽減について
はほとんど効果がみられないという大きな欠点を有して
いた。また、これら各種リポソーム製剤、脂質複合体製
剤及び脂肪乳剤製剤は、感染部位に集合しているマクロ
ファージ等に対して被賞食性を有することを特徴とする
が、全身レベルで評価した際、投与した薬物の大半が肝
臓や膵臓に代表される細網内皮系細胞に賞食を受は移行
し、感染部位への真の薬物移行性が必ずしも高くないと
いう欠点を有していた。
一方、製剤の製造及び安定性に係る観点からも、リポソ
ーム製剤は工業上その大量生産方法に課題を有し、凝集
等による粒子形の増大等という点で保存安定性にも大き
な欠点を有していた。また、従来より栄養輸液として臨
床で用いられてきた脂肪乳剤が種々の薬物の注射用剤形
として応用され、その有用性が知られているが、ポリエ
ン抗真菌抗生物質への応用は、この薬物が両親媒性であ
り、大豆油への溶解性が低いことなどの理由により、乳
剤の製造及び安定性上に大きな欠点を有し、この課題を
克服することが困難であった。
[発明が解決しようとする課題] 通常、投与された薬物は、その薬物分子の持つ固有の性
質により生体内を移動分布する。そしてその一部が作用
部位に到達し薬効を発現する。このとき薬効発現に必要
な部位にのみ薬物が集中することが好ましいが、一般に
は身体全体に薬物は広く分布し、不要な部位にも薬物が
移動する。時にこれが副作用の原因となる。従って、薬
物の体内動態を改善することの重要性及び必要性が生じ
る。
そこで、本発明者らは、上記の事情に鑑み、ポリエン抗
真菌抗生物質のもつ分子レベルの薬理作用機構(抗真菌
作用)そのものに影響を与えることなく、その溶血毒性
及び腎毒性を軽減することができ、加えて感染部位への
薬物移行性にも優れた投与剤形を提供することを目的と
した。特に、臨床の場で最も大きな真の問題であるアム
ホテリシンBの腎毒性を軽減し、重篤な腎障害誘発の懸
念を有することなく安全に有効量を投与できる製剤を提
供することが重要である。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下に示す医薬
組成物によって、上記目的を達成できることを見出し、
ようやく本発明を完成するに到った。
本発明の要旨は、医薬組成物として、ポリエン抗真菌抗
生物質0.005〜5%(w/v)、リン脂質0.5〜
25%(w/v)、及び適当量の水を必須構成成分とし
、乳剤粒子の平均粒子径が5nm以上1100nm未満
の範囲であることを特徴とするポリエン抗真菌抗生物質
を含有した乳化剤である。
本発明に係るポリエン抗真菌抗生物質含有乳化剤(以下
、「本発明乳化剤」という)は、従来から知られている
リポソーム製剤又は脂肪乳剤に対しその含量比率及び乳
剤粒子の粒子径において特徴を有している。
そして、上記特徴により、後述するような従来のリポソ
ーム製剤及び脂肪乳剤では得ることができなかった効果
が得られたということは、本発明者らが本発明によって
初めて明らかにしたものである。
以下、本発明を詳述する。
本発明乳化剤は、安定な乳剤としての形態を有し、1μ
m以上の乳剤粒子を含まない。その平均粒子径は、5n
m以上1100n未満の範囲内にあることが細網内皮系
による取り込み回避のため好ましい。また、特に70n
m以下がより好ましい。これは、真菌感染等に起因する
炎症反応により血管透過性の亢進した部位で血管内から
病巣組織内に容易に漏出するからである。このようにし
て感染部位で選択的に、血管より多くの本発明乳剤粒子
が漏出し、病変組織内に移行する。これと同時に、この
乳剤粒子に包含されている薬物も病巣内に移行する。こ
れにより、薬物が容易にそして選択的に病巣部に移行す
るから、病巣部位での薬物濃度が高まりその効果を増大
させることができる。このことは、従来のものより少量
の薬物投与で同等以上の薬理学的効果が得られることに
つながる。
また、ポリエン抗真菌抗生物質として、例えば、アムホ
テリシンBを含有する本発明乳化剤を有効量投与した場
合、後述する試験例で明らかなように、腎機能に対する
アムホテリシンBのもつ障害性が全く認められず、最大
の課題であったアムホテリシンBの腎毒性の軽減問題が
解決することが確認され、この腎毒性軽減は、投与後の
薬物の腎への移行量でも完全に裏付けられた(試験例3
)。
即ち、本発明乳化剤を用いた場合、アムホテリシンBの
腎への移行量をきわめて僅かにすることができ、その結
果、腎障害を軽減することができた。
このように、ポリエン抗真菌抗生物質の投与剤形として
微粒子化した安定な乳剤粒子を用いることにより、上述
のような非常に有用な効果が得られるばかりでなく、細
網内皮系組織等による非特異的な薬物の取り込みが抑制
されることなどから、薬物の血中濃度が持続する効果を
も得ることができた(試験例5)。
更に、アムホテリシンB等のポリエン抗真菌抗生物質は
、比較的不安定な薬物であり、水溶液中で徐々に分解さ
れることが知られている。しかし本発明によれば、アム
ホテリシンB等は、リン脂質に乳化された状態にあるた
め、周囲の環境から遮断された状態で存在するので、酵
素的又は非酵素的な分解を抑制することができ、薬物の
安定性についても改善されることが明らかとなった。
前述のように、本発明に係る乳剤粒子は、従来技術であ
るリポソームや大豆油と卵黄レシチンからなる高カロリ
ー輸液を応用した従来型脂肪乳剤に比べ、乳剤粒子の粒
子径がきわめて微細である点において特徴的である。従
来、ポリエン抗真菌抗生物質を含有した安定な微粒子乳
化剤は困難であったが、前記のように薬物含量及び乳化
剤としてリン脂質を用いて高圧微細乳化を行うことによ
り達成され、このことにより、本発明において初めてポ
リエン抗真菌抗生物質を含有した安定な微粒子乳化剤が
得られた。
本発明乳化剤における乳剤粒子の微粒子化及びポリエン
抗真菌抗生物質を安定に含有するためには、ポリエン抗
真菌抗生物質0.005〜5%(W/V)、リン脂質0
.5〜25%(W/V)を用いることが必要である。5
%を越える量のポリエン抗真菌抗生物質や0.5%未満
のリン脂質を用いた場合は、粗大粒子の混入が避けられ
ず、薬物を含有した安定な乳剤とすることができない。
安定な微細乳剤化のみならず、ポリエン抗真菌抗生物質
を安定に乳剤粒子中に保持するためにも上記の構成比が
望ましい。
上記の成分構成により、安定な微粒子化乳剤が得られ、
このものがきわめて優れた特徴を有する乳化剤であり、
新規なポリエン抗真菌抗生物質製剤として利用できるこ
とを、本発明者らが、本発明により初めて明らかにした
ここに、リン脂質としては、例えば、卵黄、大豆、牛、
豚等由来のリン脂質、又は純若しくは半合成的に得られ
るリン脂質を挙げることができる。
即ち、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノー
ルアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノ
シトール、ホスファチジルグリセロール等を挙げること
ができる。例えば、卵黄ホスファチジルコリン、大豆ホ
スファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコ
リン、シミリストイルホスファチジルコリン、ジステア
ロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチ
ジルコリン、ジステアロイルホスファチジルグリセロー
ル、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、シミ
リストイルホスファチジルグリセロール等を挙げること
ができる。それらの水素添加物も用いることができる。
なかでも好ましい代表例として、精製卵黄レシチンを挙
げることができる。
また、乳剤粒子に表面荷電を賦与するためにステアリル
アミン、ジセチルホスフェート、ホスファチジン酸、ホ
スファチジルグリセロール等の荷電を有する脂質をも用
いることができる。
本発明乳化剤及びこれを使用した製剤の製造にあたって
は、従来から行われてきた種々の乳剤製造法をそのまま
応用することができる。例えば、薬物を含めた全構成成
分をマントンーガウリン型等の加圧噴射式ホモジナイザ
ー、マイクロフルイダイザー、超音波ホモジナイザー等
により充分に微細化して形成せしめる方法が一般的であ
る。この時、一般に知られる乳化補助剤または安定化剤
として生理的に受は入れられるステロール類、脂肪酸あ
るいはそれらの誘導体等を加えることもできる。これら
の代表例としては、コレステロール、オレイン酸等を挙
げることができる。
本発明乳化剤の形状や粒子径は、電子顕微鏡、光散乱方
式の粒子径分析装置、メンブレンフィルターによる濾過
等により容易に確認することができる。
本発明乳化剤の製剤の任意の成分として、一般に注射剤
に用いられる添加剤及び補助物質などを挙げることがで
きる。例えば、酸化防止剤、防腐剤、安定化剤、等張化
剤、緩衝剤等を挙げることができる。これらの添加剤、
補助物質等の要求量及び最適量は、その目的に応じて変
化させることができる。
上記のようにして得られる本発明乳化剤は、必要に応じ
て滅菌(例えば濾過滅菌や高圧蒸気滅菌等)し、窒素ガ
スと共にアンプル中に封入することができる。また、必
要に応じて凍結乾燥することもできる。凍結乾燥させた
本発明乳化剤は、適当な溶液の添加によって復元するこ
とが容易である。
本発明乳化剤よりなる製剤は、真菌感染症やウィルス感
染症等の治療又は予防を目的としてヒト又は種々の動物
の静脈内に投与するのが一般的である。この場合、乳剤
粒子の粒子径等の管理を十分に行う必要がある。なぜな
らば、一般に1μm以上の粒子が混在すると、種々の毒
性発現が知られているからである。また本発明乳化剤よ
りなる製剤は、必要に応じて従来品同様、動脈内、筋肉
内、髄腔内及び皮下等に注射剤として投与することもで
きる。更に、本発明乳化剤は、点眼剤、点鼻剤、経口投
与剤、吸入剤、膀胱注入剤、外用剤又は半開等としても
製剤化し使用することができる。この場合においても、
医薬上許容される基剤、賦形剤等の添加剤を任意の成分
として用いることができる。
本発明乳化剤よりなる製剤の投与量は、投与ルート、剤
形、症状、目的によって異なるが、乳剤として一般に、
1〜100(7/回である。また、アムホテリシンBと
しての投与量は、成人に対して一般に1〜200■/回
である。
本発明乳化剤に適応できるポリエン抗真菌抗生物質とし
て、アムホテリシンBのほかに、アムホテリシンBメチ
ルエステル、ナイスクチン、トリコマイシン、ピマリシ
ン等を挙げることができる。
[効果コ 本発明によれば、ポリエン抗真菌抗生物質(特に、アム
ホテリシンB)の臨床上の利用価値を著しく高めること
ができる。本発明の効果は、従来の問題点を克服し、 ■アムホテリシンBのもつ溶血毒性のみならず、真の改
善課題であった腎毒性についても著しく軽減したこと、 ■病巣への薬物移行性を改善したこと、■細網内皮系に
よる取り込みを抑制したこと、■包含する薬物の血中濃
度の持続を可能としたこと、 ■保存時の安定性を確保したこと、 ■製造コストを低減させたこと、 等に集約することができる。これらの効果は、本発明に
より初めて成されたものである。
本発明乳化剤の構成成分は、従来から医療現場において
医療用として用いられてきた医療上許容される脂質を主
とするため、極めて安全に使用することができることも
特徴として挙げることもできる。
(以下次頁) [実施例で 以下に、例として、本発明に係るアムホテリシンB含有
乳化剤の製造に関する実施例及び試験例を挙げて本発明
を更に詳しく説明するが、本発明がこれらのみに限定さ
れるものではないことは明白である。
製造例1 アムホテリシン83■及び精製卵黄レシチン0.5gを
クロロホルム/メタノール(1/1. v/v) a液
10〇−中で混合溶解した後、ロータリーエバポレータ
ーで減圧下溶媒を完全に除去する。これに、等張リン酸
緩衝液を8mI!加え、ホモジナイザーで攪拌し粗乳化
液とする。等張リン酸緩衝液を加えて10m1に定容し
た後、水冷下、超音波ホモジナイザー(ブランソン モ
デル185)で60分間乳化し極めて微細なアムホテリ
シンBを含有する乳化剤を得た。このものを常法に従い
凍結乾燥し乾燥製剤を得た。
製造例2 アム不テリシン83gおよび精製卵黄レシチン15gを
約60℃で加温混合し、これに、等張リン酸緩衝液を5
00m1加え、ホモミキサーで攪拌し粗乳化液とする。
粗乳化液をマントン−ガラリン型ホモジナイザーにより
高圧乳化し、きわめて微細な了ムホテリシンBを含有す
る乳化剤を得た。このものを常法に従い凍結乾燥し乾燥
製剤を得た。
製造例3 アムホテリシンB30■及び精製卵黄レシチン0.5g
をクロロホルム/メタノール(1/1. v/v)混液
100−中で混合溶解した後、ロータリーエバポレータ
ーで減圧下溶媒を完全に除去する。これに、0、24M
グリセリン水溶液8艷を加え、ホモジナイザーで攪拌し
粗乳化液とする。そして、0.24Mグリセリン水溶液
を加えて10rnlに定容した後、水冷下、超音波ホモ
ジナイザー(プランソン モデル185)で60分間乳
化して極めて微細なアムホテリシンBを含有する乳化剤
を得た。このものを常法に従い凍結乾燥し乾燥製剤を得
た。
製造例4 アムホテリシン82g精製卵黄レシチン30gを約60
℃で加温混合し、これに、0.24Mグリセリン水溶液
を100m1加え、ホモミキサーで攪拌し粗乳化液とす
る。粗乳化液をマイクロフルイダイザーにより高圧乳化
し、きわめて微細なアムホテリシンBを含有する乳化剤
を得た。このものを常法に従い凍結乾燥し乾燥製剤を得
た。
製造例5 アムホテリシンB1mg及び精製卵黄レシチン0.5g
をクロロホルム/メタノール<1/1. v/v)混液
100mf!中で混合溶解した後、ロータリーエバポレ
ーターで減圧下溶媒を完全に除去する。これに、0、2
4Mグリセリン水溶液8−を加え、ホモジナイザーで攪
拌し粗乳化液とする。そして、0.24Mグリセリン水
溶液を加えて10−に定容した後、超音波ホモジナイザ
ー(プランソン モデル185)で60分間乳化して極
めて微細なアムホテリシンBを含有する乳化剤を得た。
このものを常法に従い凍結乾燥し乾燥製剤を得た。
製造例6 アムホテリシン33■及び精製卵黄レシチン0.4g1
シミリストイルホスフアチジルグリセロール0.1gを
クロロホルム/メタノール(1/1. v/v)混液1
00m1!中で混合溶解した後、ロータリーエバポレー
ターで減圧下溶媒を完全に除去する。これに、0、24
Mグリセリン水溶液8m1l!を加え、ホモジナイザー
で攪拌し粗乳化液とする。そして、0.24Mグリセリ
ン水溶液を加えて10m1に定容した後、超音波ホモジ
ナイザー(ブランソン モデル185)で60分間乳化
して極めて微細なアムホテリシンBを含有する乳化剤を
得た。このものを常法に従い凍結乾燥し乾燥製剤を得た
。製造例7 アムホテリシン83■及び水素添加卵黄レシチン0.4
.、コレステロール0.1gをクロロホルム/メタノー
ル(1/1. V/V)混液100−中で混合溶解した
後、ロータリーエバポレーターで減圧下溶媒を完全に除
去する。これに、9%ラクトース水溶液8−を加え、ホ
モジナイザーで攪拌し粗乳化液とする。そして、9%ラ
クトース水溶液を加えて1〇−に定容した後、超音波ホ
モジナイザー(プランソン モデル185)で60分間
乳化し極めて微細なアムホテリシンBを含有する乳化剤
を得た。このものを常法に従い凍結乾燥し乾燥製剤を得
た。
製造例8 製造例1.5および6で得られたアムホテリシンB含有
乳化剤にアルブミン0.5gを加え、その後凍結乾燥処
理を行い、乾燥製剤を得た。
本発明のアムホテリシンB含有乳化剤の特性評価試験結
果を以下に記す。
各試験においては、市販のアムホテリシンB製剤、従来
技術である各種のアムホテリシンB含有リポソーム製剤
および従来技術である脂肪乳剤を比較のために用いた。
各試料の詳細を以下に記す。
検体試料1:製造例1で得られた本発明のアムホテリシ
ンB含有乳化剤。
検体試料2:製造例3で得られた本発明のアムホテリシ
ンB含有乳化剤。
対照試料1:市販の注射用アムホテリシンB製剤(商品
名:ファンギゾン(登録部s)、日本スクイブ) 対照試料2:参考文献1に従い調製した、シミリストイ
ルホスファチジルコリンニジミリストイルホスファチジ
ルグリセロール=7:3のモル比よりなるマルチラメラ
リポソームあるいは脂質複合体と呼ばれるものに分類さ
れるアムホテリシンB含有製剤。
対照試料3:文献1に従い調製した、シミIJストイル
ホスファチジルコリン;シミリストイルホスファチジル
グリセロール=7:3のモル比よりなり、超音波処理後
に得られるスモールユニラメラリポソームと分類される
アムホテリシンB含有リポソーム製剤。
対照試料4:文献1に従い調製した、精製卵黄レシチン
よりなり、超音波処理後に得られるスモールユニラメラ
リポソームと分類されるアムホテリシンB含有リポソー
ム製剤。
対照試料5:文献2に従い調製した、精製大豆油及び精
製卵黄レシチンよりなるアムホテリシンB含有脂肪乳剤
試験例1:溶血性試験 精製ラット赤血球に対する溶血作用について検体試料1
及び対照試料1について試験管内で試験した結果、対照
試料1は、極めて低濃度(0,1μg/ml!以上)の
アムホテリシンB濃度で顕著な溶血性を示したが、検体
試料は100倍以上の濃度でもほとんど溶血性を示さな
かった。
即ち、本発明のアムホテリシンB含有乳化剤は従来知ら
れるリポソーム製剤及び脂肪乳剤製剤と同様にアムホテ
リシンB自身の持つ溶血毒性を大幅に軽減することが明
らかとなった。
試験例2 : in vivo急性毒性試験実験動物と
してddY系雄性マウス(体重約20g)を用い、各々
の検体試料及び対照試料を尾静脈より静脈内投与し、そ
の急性毒性を評価した。
投与1時間後の判定によると検体試料はいずれもきわめ
て低毒性であった。対照試料のうち、2及び3は溶血性
に起因する毒性の低下が認められた。しかし、対照試料
1.4及び5については急性毒性の軽減は認められなか
った。
投与後72時間後の判定によると検体試料はいずれもき
わめて低毒性であった。しかし、対照試料はいずれも毒
性が発現し、検体試料に比べ腎毒性が著しいことが示さ
れた。
即ち、本発明のアムホテリシンB含有乳化剤は、従来知
られているリポソーム製剤及び脂肪乳剤製剤に比較して
、投与直後にみられる溶血毒性のみならず、特に腎毒性
に起因すると考えられる投与後72時間で評価した場合
の毒性軽減効果が顕著であることが示された。
試験例3:腎臓中薬物量(腎への移行性)実験動物とし
てSD系雌雄性ラット体重約250g)を用い各々の検
体試料及び対照試料を尾静脈より静脈内投与した。投与
量はアムホテリシンBとして1■/kgとした。投与1
8時間後、腎臓を摘出し、ホモジナイズした後、腎臓中
のアムホテリシンBfi度を高速液体クロマトグラフィ
ーにて測定した。その結果を、表1に示した。
検体試料を投与した場合の腎臓中アムホテリシンBA度
は、いずれも狗定限界以下であったが、対照試料を投与
した場合は、いずれも高濃度のアムホテリシンBが検出
された。
即ち、本発明のアムホテリシンB含有乳化剤は、従来知
られているリポソーム製剤及び脂肪乳剤製剤に比べ、顕
著な腎臓への薬物移行性の改善(移行性の低下)を達成
することが示された。
表1:アムホテリシンBの腎移行量 試験例4:腎機能評価 実験動物としてSD系雄件ラット (体重的250g)
を用い各々の検体試料及び対照試料を尾静脈より静脈内
投与した。投与量はアムホテリシンBとして1■/kg
とし、24時間毎に計3回投与した。
最終投与24時間後に頚静脈より採血し血清を得た。
腎機能の指標として用いられる血清中尿素窒素量(BU
N)を市販の測定キットを用いて測定した結果を表2に
示した。なあ、コントロールとして生理食塩水を同様に
投与して得た血清を用いた。
(以下次頁) 表2=腎機能の血清生化学的評価 検体試料を投与した場合のBUNa度は、いずれもコン
トロールと差が認められず、腎機能に全く障害は認めら
れなかった。しかし、対照試料を投与した場合は、いず
れも顕著に高いBUN濃度を示し、腎機能の障害が認め
られた。
即ち、本発明のアムホテリシンB含有乳化剤は、従来知
られているリポソーム製剤及び脂肪乳剤製剤に比べ、腎
臓機能の障害性の顕著な改善を達成することが示された
試験例5:血中濃度推移 実験動物としてSD系雌雄性ラット体重的250g)を
用い各々の検体試料及び対照試料を尾静脈より静脈内投
与した。投与量はアムホテリシンBとして1■/kgと
した。投与後、各時間において頚静脈より少量採血し血
漿を得た。血漿中のアムホテリシンB濃度は高速液体ク
ロマトグラフィー(文献: H,Ho5otsubo、
 et a11Antimicrobial^gent
s and ChemotherapL 32 、11
03〜1105(198B)記載の条件に準じた)にて
測定した。その結果を図1に示した。
いずれの検体試料を投与した場合も、その血漿中アムホ
テリシンB濃度推移は、いずれの対照試料よりも高いこ
とが示された。一方、いずれの対照試料を投与した場合
も、速やかに血漿中濃度が低下した。
即ち、本発明のアムホテリシンB含有乳化剤は、従来知
られているリポソーム製剤及び脂肪乳剤製剤に比べ、T
ムホテリシンBの顕著な血中濃度の持続が達成されるこ
とが示された。
試験例6:炎症部位への薬物移行性 真菌等に感染した部位は炎症反応を起こすことが知られ
ているので、そのモデル系として、実験的炎症部位への
薬物移行性について評価した。
実験動物としてSD系雌雄性ラット体重約250g)を
用い、胸腔内に2%λ−カラゲニン0.1−を投与し、
実験的胸膜炎を作製した。2.5時間後、各々の検体試
料及び対照試料を尾静脈より静脈内投与した。投与量は
アムホテリシンBとして1■/kgとした。投与後、各
時間において腹部大動脈より放血致死せしめ、胸腔内に
漏出している浸出液を得た。浸出液中のアムホテリシン
B1度は高速液体クロマトグラフィーにて測定した。
いずれの検体試料を投与した場合も、その浸出液中アム
ホテリシンBl1度推移は、いずれの対照試料よりも高
いことが示された。
即ち、本発明のアムホテリシンB含有乳化剤は、従来知
られているリポソーム製剤及び脂肪乳剤製剤に比べ、顕
著な炎症部位(感染部位)への集積性を有し、より有効
で安全な薬物療法が達成されることが示された。
試験例7:粒子径の測定 検体試料1及び検体試料2の乳剤粒子の粒子径について
、レーザー光による動的光散乱粒子径測定装置を用いそ
の粒子径について評価した。
その結果、粒子径は、5nm以上1100n未満であり
、1μm以上の粒子を含まなかった。
即ち、本発明のアムホテリシンB含有乳化剤は、きわめ
て微細で、均一な乳剤粒子よりなり、静脈内に投与する
際、毒性上問題となる1μm以上の粒子をも含まないの
で、有効で安全な薬物療法が達成されることが示された
試験例8 : in vitro抗真菌試験サブロー培
地にてカンジダ菌(C,Albjcans)を培養し、
各々の検体試料及び対照試料を培地に添加し、カンジダ
菌の生育を阻止する最低アムホテリシンBfi度を求め
、各試料の抗真菌活性を評価した。その結果を表3に示
した。各種試料ともきわめて微量のアムホテリシンBa
度で、抗真菌活性を示し、カンジダ菌の生育を抑制した
即ち、本発明のアムホテリシンB含有乳化剤は、アムホ
テリシンB自身の持つ抗真菌活性に悪影響を全く与えず
、有効で安全な薬物療法が達成されることが示された。
表3:抗真菌活性(in vitro)
【図面の簡単な説明】
図1は、各検体試料または各対照試料をラットに投与し
た後の血漿中アムホテリシンBの濃度推移を示している
。横軸は各試料投与後の時間(時間)経過を、縦軸は血
漿中アムホテリシンBの濃度(μg /miりをそれぞ
れ表している。○印線は検体試料1の場合を、・印線は
検体試料2の場合を、■印線は対照試料1の場合を、ム
印線は対照試料2の場合を、Δ印線は対照試料5の場合
を、それぞれ示している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)医薬組成物として、ポリエン抗真菌抗生物質0.
    005〜5%(w/v)、リン脂質0.5〜25%(w
    /v)及び適当量の水を必須構成成分とし、乳剤粒子の
    平均粒子径が5nm以上100nm未満の範囲であるこ
    とを特徴とするポリエン抗真菌抗生物質を含有した乳化
    剤、及びその凍結乾燥製剤。
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