JP3074013B2 - エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JP3074013B2 JP02307229A JP30722990A JP3074013B2 JP 3074013 B2 JP3074013 B2 JP 3074013B2 JP 02307229 A JP02307229 A JP 02307229A JP 30722990 A JP30722990 A JP 30722990A JP 3074013 B2 JP3074013 B2 JP 3074013B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、特に電子部品の封止または積層用の材料と
して有用なエポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関す
る。
[従来の技術] 一般にエポキシ樹脂は、接着性、耐薬品性、電気特
性、機械特性、耐熱性に優れているため接着剤、塗料、
電気絶縁材料などに幅広く用いられている。中でも電気
電子部品の分野では、従来エポキシ樹脂が電気絶縁材料
として多く用いられている。例えばICの封止剤としてエ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂を主成分とした
樹脂組成物が使用されており、エポキシ樹脂としては耐
熱性に優れた硬化物を与えるクレゾールノボラックのエ
ポキシ樹脂が多く使用されている。
[発明が解決しようとする課題] 近年の電子材料の発展に伴うICの高密度、高集積化
は、特に封止剤に対してより一層の耐熱性さらに低吸水
を要求するようになった。とりわけ高密度実装における
ハンダ浴浸漬という過酷な条件は硬化物に対して高耐
熱、低吸水率化という要求をますます強めている。しか
し、従来の組成物において、エポキシ樹脂として一般に
用いられているクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を
用いた場合、耐熱性においてハンダ浴浸漬といった過酷
な条件に問題なく耐えられる硬化物は得られていない。
また、耐熱性を有する硬化物を与えるとして提案されて
いる、特開昭63−264622号公報記載のフェノール性水酸
基を有する芳香族アルデヒドとフェノール類を縮合して
得られるポルフェノールをエポキシ化したポリエポキシ
化合物などでは、その硬化物は、吸水率の面でクレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂の硬化物には及ばない。
さらに、特開昭62−20206号公報には、1−ナフトー
ルとホルムアルデヒドの縮合物のポリグリンジルエーテ
ルが提案されているがこれは、硬化物の耐熱性の向上は
認められるものの、軟化点の上昇、あるいは、溶融粘度
の上昇がみられ作業性を損なうという欠点を有する。一
方、硬化剤として一般に使用されているフェノールノボ
ラック樹脂は耐熱性の面で未だ不十分であり、低分子量
体(2核体フェノールノボラック)を少なくする試みな
どがなされているものの、ますます過酷になっていく条
件下(例えば、ハンダ浴浸漬)には、満足な結果をもた
らしていない。
そこで耐熱性、低吸水率性の硬化物を与え、更に良好
な作業性を兼ね備えた樹脂の開発が待ち望まれている。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前述の課題を解決するために鋭意検討し
た結果、ナフトール環を導入した特定の構造の樹脂を使
用することによりその硬化物の耐熱性と低吸水率化を同
時に実現することができ、しかも作業性が良好であるこ
とを見いだし本発明を完成させるに至った。即ち、本発
明は、 (1)(a)工ポキシ樹脂と(b)硬化剤としての式
(VII) (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9
R′、R′、R′、R′、R′、R′は夫
々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ア
リール基またはハロゲン原子を示す。)で表される化合
物を含むフェノール類ノボラック型樹脂とを含んでなる
エポキシ樹脂組成物、 (2)(a)成分が式(VI) (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9
R′、R′、R′、R′、R′、R′は夫
々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ア
リール基またはハロゲン原子を示す。)で表される化合
物を含むフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂である
上記(1)記載のエポキシ樹脂組成物、 (3)硬化促進剤を含む上記(1)又は(2)記載のエ
ポキシ樹脂組成物、 (4)(b)成分が式(VIII) (式中、R1、R2、R3は夫々独立して、水素原子、炭素数
1〜4のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を示
す)で表される化合物と式(IX) (式中、R4、R5、R6、R7、R8、R9は夫々独立して水素原
子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基又はハロゲ
ン原子を示す)で表されるナフトール類とを反応させて
得られるものである上記(1)〜(3)のいずれか1項
に記載のエポキシ樹脂組成物、 (5)(a)成分が上記(4)記載の(b)成分を更に
エピハロヒドリン化合物と反応させて得られるものであ
る上記(2)〜(4)のいずれか1項に記載のエポキシ
樹脂組成物、 (6)上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のエポ
キシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物 に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における前記式(VI)〜(IX)及び後述する式
(III)、(V)、(X)においてR、R1〜R9、R13、R
14及びR′〜R′として、炭素数1〜4のアルキル
基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチ
ル基、s−ブチル基が挙げられ、特にメチル基、t−ブ
チル基が好ましい。アリール基としては、フェニル基、
4−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基等が挙げ
られるが、特にフェニル基が好ましい。ハロゲン原子と
しては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子
等が挙げられるが、特に塩素原子が好ましい。また、前
記式(VII)で表される化合物を含むフェノール類ノボ
ラック型樹脂のうち、下記式(III) (式中、R13は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
又はハロゲン原子を示し、R14は水素原子又は炭素数1
〜4のアルキル基を示す) で表される化合物を含む樹脂が好ましい。
また、前記式(VI)で表される化合物を含むエポキシ
樹脂のうち、下記式(V) (式中、R13は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基
又はハロゲン原子を示し、R14は水素原子又は炭素数1
〜4のアルキル基を示す) で表される化合物を含むエポキシ樹脂が好ましい。
本発明において用いる式(VII)の化合物を含んでな
る樹脂は、次のようにして製造することができる。即
ち、式(VIII)が表される化合物と式(IX)で表される
ナフトール類とを酸触媒の存在下に脱水縮合させること
により製造できる。
用いうる式(VIII)で表されるジメチロール化合物の
具体例としては、2−メチルフェノールジメチロール化
合物、4−メチルフェノールジメチロール化合物、2,3
−ジメチルフェノールジメチロール化合物、2,5−ジメ
チルフェノールジメチロール化合物、3,4−ジメチルフ
ェノールジメチロール化合物、2,3,5−トリメチルフェ
ノールジメチロール化合物、4−エチルフェノールジメ
チロール化合物、4−n−プロピルフェノールジメチロ
ール化合物、4−i−プロピルフェノールジメチロール
化合物、4−n−ブチルフェノールジメチロール化合
物、4−s−ブチルフェノールジメチロール化合物、4
−t−ブチルフェノールジメチロール化合物等の1置換
〜3置換のアルキルフェノールジメチロール化合物、2
−フェニルフェノールジメチロール化合物、4−フェニ
ルフェノールジメチロール化合物、または、4−フルオ
ロフェノールジメチロール化合物、4−クロロフェノー
ルジメチロール化合物、4−ブロモフェノールジメチロ
ール化合物などのハロゲン置換フェノールジメチロール
化合物、あるいは2−クロル−3−メチルフェノールジ
メチロール化合物などが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。また、式(IX)で表されるナフトー
ル類としては1−ナフトール、2−ナフトール、1−メ
チル−2−ナフトール、2−メチル−1−ナフトールな
どが挙げられナフトール環の5、6、7、8位に置換基
を導入しても構わない。以上のうち、ジメチロール化合
物としては、式(X) (式中Rは炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基又は
ハロゲン原子を示す)で表される4−位置換フェノール
のジメチロール化合物が好ましい。中でも4−メチルフ
ェノールジメチロール化合物が好ましい。また、ナフト
ール類としては、特に1−ナフトール、2−メチル−1
−ナフトール類が好ましい。用いうる酸触媒の具体例と
しては、塩酸、硫酸、リン酸、P−トルエンスルホン
酸、しゅう酸等が挙げられる。酸触媒は通常式(VIII)
で表される化合物の0.1〜30重量%用いる。また、ナフ
トール類は式(VIII)で表される化合物に対して通常2
〜15モル倍用いる。反応は、無溶媒でも、ベンゼン、ト
ルエン、メチルイソブチルケトン等の溶媒中でも行うこ
とができる。反応温度は、通常20〜150℃である。反応
終了後、使用した触媒を水洗等により除去し、溶媒及び
過剰のナフトール類を減圧下に留去することにより目的
の式(VII)で表される化合物を含むフェノール類ノボ
ラック型樹脂が得られる。このようにして得られるフェ
ノール類ノボラック型樹脂は、式(VII)で表される化
合物を30重量%以上含むのが好ましく、特に35重量%以
上含むのが好ましい。次に、このようにして得られた式
(VII)が表されるフェノール類ノボラック型化合物を
含むフェノール類ノボラック型樹脂に式(XI) (式中、Xはハロゲン原子を表す) で表されるエピハロヒドリン化合物を塩基性化合物の存
在下で反応させることにより、式(VI)で表される化合
物を含むフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂が容易
に得られる。前記式(XI)において、Xで表されるハロ
ゲン原子としてCl、Br、I等が挙げられ、式(XI)の化
合物としては、具体的には、エピクロルヒドリン、エピ
ブロムヒドリン、エピヨードヒドリン等が挙げられ、こ
れらの混合物を用いることもできるが工業的にはエピク
ロルヒドリンが好適に使用される。
式(VII)で表される化合物を含むフェノール類ノボ
ラック型樹脂とエピハロヒドリン化合物の反応は公知の
方法により行うことが出来る。
例えば、式(VII)で表される化合物を含むフェノー
ル類ノボラック型樹脂と、その水酸基当量に対して過剰
モル量のエピハロヒドリン化合物とを、テトラメチルア
ンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミ
ド、トリエチルアンモニウムクロリドなどの第4級アン
モニウム塩または水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ金属水酸化物などの存在下で反応させ、第
4級アンモニウム塩などを用いた場合は開環付加反応の
段階で反応がとまるので次いで上記アルカリ金属水酸化
物を備えて加えて閉環反応させる。また、最初からアル
カリ金属水酸化物を加えて反応する場合は、開環付加反
応および閉環反応を一気に行わせる。エピハロヒドリン
化合物の使用割合は、式(VII)で表される化合物を含
むフェノール類ノボラック型樹脂の水酸基当量1に対し
通常1〜50モル、好ましくは3〜15モルである。又、こ
の際、反応を円滑に行なわせる為、メタノールなどのア
ルコール類、あるいはアセトン又はジメチルスルホキシ
ド、ジメチルスルホン、ジメチルホルムアミドなどの非
プロトン性極性溶媒を用いることができ、特にジメチル
スルホキシドを用いることは好ましい。アルカリ金属水
酸化物の使用量は、式(VII)で表される化合物を含む
フェノールノボラック型樹脂の水酸基当量1に対して通
常0.8〜1.5モル、好ましくは0.9〜1.3モルであり、第4
級アンモニウム塩を使用する場合その使用量は、式(VI
I)で表される化合物を含むフェノール類ノボラック型
樹脂の水酸基当量1に対して通常0.001〜1モル、好ま
しくは0.005〜0.5モルである。反応温度は通常30〜130
℃、好ましくは40〜120℃である。また反応で生成した
水を反応系外に除去しながら反応を進行させることもで
きる。反応終了後副生した塩を、水洗、ろ過等により除
去し過剰のエピハロヒドリンを留去することにより、式
(VI)で表される化合物を含むフェノール類ノボラック
型エポキシ樹脂が得られる。このようにして得られるフ
ェノール類ノボラック型エポキシ樹脂は、式(VI)で表
される化合物を30重量%以上含むのが好ましく、特に35
重量%以上含むのが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は硬化剤として前記のよ
うにして得られた式(VII)で表される化合物を含むフ
ェノール類ノボラック型樹脂(以下、単に本発明のフェ
ノール類ノボラック型樹脂という)を含有する。本発明
のエポキシ樹脂組成物において、本発明のフェノール類
ノボラック型樹脂は単独で又は他の硬化剤と併用して使
用することができる。併用する場合、本発明のフェノー
ル類ノボラック型樹脂の全硬化剤中に占める割合は30重
量%以上が好ましく、特に50重量%以上が好ましい。本
発明のフェノール類ノボラック型樹脂と併されうる他の
硬化剤の具体例としては、脂肪族ポリアミン、芳香族ポ
リアミン、ポリアミドポリアミン等のポリアミン系硬化
剤、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒド
ロフタル酸等の酸無水物系硬化剤、フェノールノボラッ
ク、クレゾールノボラック等のフェノール系硬化剤、三
フッ化ホウ素等のルイス酸又はそれらの塩類、ジシアン
ジアミド類等の硬化剤等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2
種以上併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、(b)硬化剤
の使用量は、(a)エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に
対して0.5〜1.5当量が好ましく、特に0.6〜1.2当量が好
ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物における(a)エポキシ
樹脂としては、前記式(VI)で表される化合物を含むフ
ェノール類ノボラック型エポキシ樹脂(以下、単に本発
明のフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂という)、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環
式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げら
れる。
また、(a)成分としては、ノボラック型エポキシ樹
脂が耐熱性の点で有利である。たとえば、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、本発明のフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂が
などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、これらエポ
キシ樹脂のうち本発明のエポキシ樹脂を使用するのが好
ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、(a)成分は
1種又は2種以上を混合して使用することができるが、
2種以上を併用する場合で本発明のフェノール類ノボラ
ック型エポキシ樹脂を含有する場合、本発明のフェノー
ル類ノボラック型エポキシ樹脂の全エポキシ樹脂中に占
める割合は30重量%以上が好ましく、特に50重量%以上
が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要により硬化促進
剤を含有する。
用いうる硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイ
ミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール
系化合物、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール等
の第3アミン系化合物、トリフェニルホスフィン等のホ
スフイン化合物等が挙げられ、公知の種々の硬化促進剤
が使用でき、特に限定されるものではない。硬化促進剤
の使用量はエポキシ樹脂(a)100重量部に対して通常
0.01〜15重量部、好ましくは、0.1〜10重量部である。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、更に必要に応じて
公知の添加剤を配合することができ、添加剤としては、
例えばシリカ、アルミナ、タルク、ガラス繊維等の無機
充填剤、シランカップリング剤のような充填剤の表面処
理剤、離型剤、顔料等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合
することにより得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、通常130〜170℃で30
〜300秒かけて予備硬化し、さらに150〜200℃で2〜8
時間かけて後硬化することにより充分な硬化反応が進行
し、本発明の硬化物が得られる。こうして得られた硬化
物は耐熱性を保持しながら、低吸水性を有している。
このように、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物
は、高耐熱、低吸水性の二つの特性を兼ね備えた優れた
性能を有する。従って、本発明のエポキシ樹脂組成物
は、耐熱性、低吸水性の要求される広範な分野、具体的
には、絶縁材料、積層板、封止材料等あらゆる電気電子
材料として有用である。又、成型材料、複合材料等の分
野にも用いることができる。
また、エポキシ樹脂成分、硬化剤成分の両方に本発明
のフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂及びフェノー
ル類ノボラック型樹脂を用いることによりその効果は倍
増する。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の必須成分である
樹脂はナフトール環を有するにもかかわらず軟化点で低
く抑えられているためトランスファー成型等、従来通り
の手法を用いることができる。
[実施例] 以下に実施例及び合成例を挙げて本発明を説明する。
合成例1. 4−メチルフェノール162g(1.5モル)、パラホルム
アルデヒド90g(3モル)及び水100mlを温度計、冷却
管、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコに仕込
み、窒素を吸込みながら攪拌した。室温下、15%水酸化
ナトリウム水溶液120g(水酸化ナトリウムとして0.45モ
ル)を発熱に注意しながら液温が50℃を越えないように
ゆっくり滴下した。その後、水浴中で50℃まで加熱し、
10時間反応した。反応終了後、水300mlを加え室温まで
冷却し発熱に注意しながら、10%塩酸水溶液で中和し、
その後、析出した結晶を濾取した。濾液のpHが6〜7に
なるまで洗浄し、減圧下(10mmHg)50℃で乾燥し、白色
結晶の4−メチルフェノールジメチロール化合物(AM)
(式(X)においてRがメチル基の化合物)202gを得
た。こうして得られた白色結晶の4−メチルフェノール
ジメチロール化合物(AM)168gを温度計、攪拌機を備え
たガラス容器に仕込み、さらに1−ナフトール1008g及
びメチルイソブチケトン1500mlを加えて窒素雰囲気下に
室温で攪拌した。次いで、p−トルエンスルホン酸1.7g
を発熱に注意し、液温が50℃を越えないよう徐々に添加
した。
添加後、油浴上で50℃まで加温し2時間反応させた
後、分液ロートに移し水洗した。洗浄水が中性を示すま
で水洗後、有機層から溶媒及び未反応物を減圧下に除去
し、フェノール類ノボラック型樹脂(A−1)370gを得
た。生成物(A−1)の軟化温度(JIS K2425環球法)
は112℃で水酸基当量(g/mol)は138であった。
合成例2. 合成例1において1−ナフトールの使用量を576gとし
た以外は合成例1と同様の操作により生成物(A−2)
368gを得た。生成物(A−2)の軟化温度は117℃で水
酸基当量は137であった。
合成例3. 合成例1において1−ナフトールの使用量を432gとし
た以外は合成例1と同様の操作により生成物(A−3)
365gを得た。生成物(A−3)の軟化温度は118℃で水
酸基当量は137であった。
合成例4. 合成例1において1−ナフトール1008gの代わりに2
−ナフトール1008gとした以外は合成例1と同様の操作
により生成物(A−4)371gを得た。生成物(A−4)
の軟化温度は113℃で水酸基当量は138であった。
合成例5. 4−t−ブチルフェノール222g(1.5モル)、パラホ
ルムアルデヒド90g(3モル)及び水100mlを温度計、冷
却管、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコに仕
込み、窒素を吹き込みながら攪拌した。室温下、15%水
酸化ナトリウム水溶液120g(水酸化ナトリウムとして0.
45モル)を発熱に注意しながら液温が50℃を越えないよ
うにゆっくり滴下した。その後、水浴中で50℃にて10時
間反応した。反応終了後、水300mlを加え室温まで冷却
し発熱に注意しながら10%塩酸水溶液で中和した。クロ
ロホルムを500ml加えて油層を分離し、水−メタノール
溶液(水:メタノール=80/20(重量%))にて洗浄
し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。続いて、減
圧下にクロロホルムを除去し、黄緑色の粘りけのある液
状の4−t−ブチルフェノールジメチロール化合物(A
B)(式(X)においてRがt−ブチル基の化合物)256
g(純度82%)を得た。こうして得られた4−t−ブチ
ルフェノールジメチロール化合物(AB)254gを温度計、
攪拌機をつけたガラス容器に仕込み、さらに1−ナフト
ール576g及びメチルイソブチルケトン1500mlを加えて窒
素雰囲気下に室温で攪拌した。次いで、p−トルエンス
ルホン酸1.7gを発熱に注意し、液温が50℃を越えないよ
うに徐々に添加した。添加後、湯浴中50℃にて2時間反
応させた後、分液ロートに移し水洗した。洗浄水が中性
を示すまで水洗後、有機層から溶媒及び未反応物を減圧
下に除去し、フェノール類ノボラック型樹脂(A−5)
414gを得た。生成物(A−5)の軟化温度(JIS K2425
環球式)は121℃で水酸基当量(g/mol)は151であっ
た。
合成例6. 合成例5において1−ナフトールの代わりに2−ナフ
トール576gを使用した以外は、合成例5と同様の操作に
より生成物(A−6)を420g得た。生成物(A−6)の
軟化温度は126℃で水酸基当量は152であった。
合成例7. 4−クロロフェノール193g(1.5モル)、パラホルム
アルデヒド90g(3モル)及び水100mlを温度計、冷却
管、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコに仕込
み、窒素を吹き込みながら攪拌した。室温下、15%水酸
化ナトリウム水溶液120g(水酸化ナトリウムとして0.45
モル)を発熱に注意しながら液温が50℃を越えないよう
にゆっくり滴下した。その後、水浴中で50℃にて10時間
反応した。反応終了後、水300mlを加え室温まで冷却し
発熱に注意しながら10%塩酸水溶液で中和した。その
後、析出した結晶を濾取し、濾液のpHが6〜7になるま
で洗浄し、減圧下(10mmHg)50℃で乾燥し白色結晶の4
−クロロフェノールジメチロール化合物(AC)(式
(X)においてRがClの化合物)226gを得た。こうして
得られた4−クロロフェノールジメチロール化合物(A
C)189gを温度計、攪拌機をつけたガラス容器に仕込
み、さらに1−ナフトール576g及びメチルイソブチルケ
トン1500mlを加えて窒素雰囲気下に室温で攪拌した。次
いで、p−トルエンルホン酸1.7gを発熱に注意し、液温
が50℃を越えないように徐々に添加した。添加後、湯浴
中50℃にて2時間反応させた後、分液ロートに移し水洗
した。洗浄水が中性を示すまで水洗後、有機層から溶媒
及び未反応物を減圧下に除去し、フェノール類ノボラッ
ク型樹脂(A−7)388gを得た。生成物(A−7)の軟
化温度(JIS K2425環球式)は118℃で水酸基当量(g/mo
l)は142であった。
合成例8. 合成例7において1−ナフトールの代わりに2−ナフ
トール576gを用いた以外は合成例7と同様の操作により
生成物(A−8)380gを得た。得られた生成物(A−
8)の軟化温度は120℃で水酸基当量は144であった。
合成例9. 4−フェニルフェノール255g(1.5モル)、パラホル
ムアルデヒド90℃(3モル)及び水100mlを温度計、冷
却管、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコに仕
込み、窒素を吸込みながら攪拌した。室温下、15%水酸
化ナトリウム水溶液120g(水酸化ナトリウムとして0.45
モル)を発熱に注意しながら、液温が50℃を越えないよ
うにゆっくり滴下した。その後、水浴中で50℃まで加熱
し、20時間反応した。反応終了後、水300mlを加え室温
まで冷却し、発熱に注意しながら、10%塩酸水溶液で中
和した。これにクロロホルム500mlを加えて油層を分離
し、水−メタノール水溶液[水:メタノール=80:20
(重量%)]にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて
乾燥した。続いて、減圧下にクロロホルムを除去し、黄
色の粘稠液体状の4−フェニルフェノールジメチロール
化合物(AP)(式(X)においてRがフェニル基の化合
物)305g(純度78%)を得た。
こうして得られた4−フェニルフェノールジメチロー
ル化合物(AP)295gを温度計、攪拌機を備えたガラス容
器に仕込み、さらに1−ナフトール576g及びメチルイソ
ブチルケトン1500mlを加えて窒素雰囲気下に室温で攪拌
した。次いで、p−トルエンスルホン酸1.7gを発熱に注
意し、液温が50℃を越えないように徐々に添加した。添
加後、油浴中で50℃まで加温し2時間反応させた後、分
液ロートに移し水洗した。洗浄水が中性を示すまで水洗
後、有機層から溶媒及び未反応物を減圧下に除去し、フ
ェノール類ノボラック型樹脂(A−9)415gを得た。生
成物(A−9)の軟化温度(JIS K2425環球法)は128℃
で水酸基当量(g/mol)は159であった。
合成例10. 合成例9において1−ナフトールの代わりに2−ナフ
トール576gを用いた以外は合成例9と同様の操作により
生成物(A−10)420gを得た。生成物(A−10)の軟化
温度は131℃で水酸基当量は159であった。
合成例11. 合成例1において得られた4−メチルフェノールジメ
チロール化合物(式(X)においてRがメチル基の化合
物)(AM)168gを温度計、攪拌機を備えたガラス容器に
仕込み、さらに2−メチル−1−ナフトール632g、メチ
ルイソブチルケトン1500mlを加えて窒素雰囲気下に室温
で撹拌した。次いで、p−トルエンスルホン酸1.7gを発
熱に注意し液温が50℃を越えないように徐々に添加し
た。添加後、油浴中で50℃まで加温し、2時間反応させ
た後、有機層から溶媒及び未反応物を減圧下に除去し、
フェノール類ノボラック型樹脂(A−11)390gを得た。
生成物(A−11)の軟化温度は107℃で水酸基当量は147
(g/mol)であった。
分析例 合成例1〜11で得られた生成物(A−1)〜(A−1
1)について、各々GPC分析を行い、式(III)で表され
る化合物のものと思われるピークを分取し、マススペク
トル(FAB−MS)によって分析した。その結果、生成物
(A−1)〜(A−4)についてはM+420、生成物(A
−5)及び(A−6)についてはM+460、生成物(A−
7)及び(A−8)についてはM+440(442)、生成物
(A−9)及び(A−10)についてはM+482、生成物
(A−11)についてはM11448が各々得られた。従って、
合成例1〜11で得られた生成物(A−1)〜(A−11)
中には、各々第1表に示すような含有量で式(III)に
よって表される化合物が含まれることが確認された。
なお、GPC分析条件は次の通り。
GPC装置:島津製作所 (カラム:TSK−G−3000XL(1本)+ TSK−G−2000XL(2本)) 溶媒:テトラヒドロフラン 1ml/min. 検出:UV(254nm) 実施例1〜12 硬化剤として合成例1〜11で得られた生成物(A−
1)〜(A−11)を、エポキシ樹脂としてクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂またはビスフェノールA型エポ
キシ樹脂を、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール
を用い、これらを第2表に示す割合で配合して得た組成
物を70〜80℃で15分間ロール混練し、これを冷却、粉
砕、ダブレット化し、更にトランスファー成型機により
成型後、160℃で2時間予備硬化し、180℃で8時間ポス
トキュアを行なって硬化物(試験片)を得た。この硬化
物のガラス転移温度(Tg)、熱変形温度(HDT)及び吸
水率を次の条件で測定した。
ガラス転移温度 熱機械測定装置(TMA):真空理工(株) TM−7000 昇温速度:2℃/min. 熱変形温度 JIS K7207に規定された条件 吸水率 試験片として直径5cm×厚み3mmの円盤型の硬化物を用
いて、100℃の水中で50時間煮沸し、その前後の重量変
化より算出した(%)。
なお、使用したエポキシ樹脂は次の通り。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 EOCN1020(日本化薬(株)製) エポキシ当量(g/mol)200 軟化温度65℃ ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エポミックR−301(三井石油化学エポキシ
(株)製) エポキシ当量(g/mol)470 軟化温度68℃ 硬化物の評価結果を第2表に示した。
比較例1〜2. 第2表に示す割合で市販の硬化剤とエポキシ樹脂と硬
化促進剤を配合した以外は実施例1〜12と同様の操作に
より硬化物の評価を行なった。評価結果を第2表に示し
た。尚、配合した市販の硬化剤は次のとおり。
フェノールノボラック樹脂(日本化薬(株)製) 水酸基当量(g/mol)106 軟化温度85℃ 合成例12. 温度計、攪拌装置、滴下ロート及び生成水分離装置を
備えた1Lの反応器に、合成例1で得た生成物(A−1)
(水酸基当量(g/mol)138)138g及びエピクロルヒドリ
ン460gを仕込み窒素置換を行った後、48%水酸化ナトリ
ウム水溶液85gを5時間かけて滴下した。滴下中は反応
温度60℃、圧力100〜150mmHgの条件下に生成水及び水酸
化ナトリウム水溶液の水をエピクロルヒドリンとの共沸
により連続的に反応系外に除去し、エピクロルヒドリン
は系内に戻した。
ついで過剰の未反応エピクロルヒドリンを減圧下に回
収した後、メチルイソブチルケトン500mlを加え100mlの
水で水層が中性を示すまで洗浄した。メチルイソブチル
ケトン層からメチルイソブチルケトンを減圧下に除去
し、更にメチルイソブチルケトン400gを加え残留物を溶
解した。得られたメチルイソブチルケトン溶液に20%水
酸化ナトリウム溶液20gを加え反応温度70℃で2時間反
応した。反応終了後、水で水層が中性を示すまで洗浄を
くり返した。ついで、メチルイソブチルケトン層からメ
チルイソブチルケトンを減圧下に除去し、淡黄色の固体
状の生成物(B−1)170gを得た。生成物(B−1)の
軟化温度(JIS K2425)は75℃でエポキシ当量(g/mol)
は213であった。
又、生成物(B−1)を前記分析例と同様にしてGPC
分析したところ、生成物(B−1)中の式(V)で表さ
れるフェノール類ノボラック型エポキシ化合物の含有量
は57重量%であった。
生成物(B−1)はそのマススペクトル(FAB−MS)
でM+588が得られたことにより次の構造を有する化合物
が上記含有量で含まれる樹脂であることを確認した。
合成例13. 温度計、攪拌装置、及び滴下ロートを備えた1Lの反応
器に、合成例1で得た生成物(A−1)(水酸基当量
(g/mol)138)138g、エピクロルヒドリン460g及びジメ
チルスルホキシド230gを仕込み窒素置換を行った後、30
℃の水浴中にて水酸化ナトリウム40gを徐々に加えた。
発熱に注意しながら30℃にて5時間、50℃にて2時間、
さらに70℃にて1時間反応を行った。ついで水を加えて
水層が中性を示すまで洗浄した。その後油層からエピク
ロルヒドリン及びジメチルスルホキシドを減圧下に除去
した。その後メチルイソブチルケトンを400g加え再溶解
した。得られたメチルイソブチルケトン溶液に20%水酸
化ナトリウム溶液20gを加え反応温度70℃で2時間反応
した。反応終了後、水で洗浄を繰り返しメチルイソブチ
ルケトン層からメチルイソブチルケトンを減圧下に除去
し黄色固体状の生成物(B−2)167gを得た。生成物
(B−2)の軟化温度は77℃でエポキシ当量(g/mol)
は212であった。又、合成例12と同様のGPC分析の結果、
生成物(B−2)中の式(V)で表されるフェノール類
ノボラック型エポキシ化合物の含有量は59重量%であっ
た。生成物(B−2)はそのマススペクトル(FAB−M
S)でM+588が得られたことにより、合成例12に示した構
造式を有する化合物が、上記含有量で含まれる樹脂であ
ることを確認した。
合成例14. 生成物(A−1)の代わりに合成例2で得た生成物
(A−2)(水酸基当量(g/mol)137)137gを用いた以
外は合成例12と同様にして反応を行ない生成物(B−
3)172gを得た。生成物(B−3)の軟化温度は89℃で
エポキシ当量(g/mol)は215であった。又、合成例12と
同様の分析の結果、生成物(B−3)中の式(V)で表
されるフェノール類ノボラック型エポキシ化合物の含有
量は37重量%であった。生成物(B−3)はそのマスス
ペクトル(FAB−MS)で、M+588が得られたことにより、
合成例12に示した構造式を有する化合物が、上記含有量
で含まれる樹脂であることを確認した。
合成例15. 生成物(A−1)の代わりに合成例3で得た生成物
(A−3)(水酸基当量(g/mol)137)137gを用いた以
外は合成例12と同様にして反応を行ない、生成物(B−
4)170gを得た。生成物(B−4)の軟化温度は92℃で
エポキシ当量(g/mol)は212であった。合成例12と同様
の分析結果、生成物(B−4)中の式(V)で表される
フェノール類ノボラック型エポキシ化合物の含有量は32
重量%であった。生成物(B−4)はマススペクトル
(FAB−MS)でM+588が得られたことにより、合成例12に
示した構造式を有する化合物が、上記含有量で含まれる
樹脂であることを確認した。
合成例16. 生成物(A−1)の代わりに合成例4で得た生成物
(A−4)(水酸基当量(g/mol)138)138gを用いた以
外は合成例12と同様にして反応を行い生成物(B−5)
169gを得た。生成物(B−5)の軟化温度は76℃でエポ
キシ当量(g/mol)は214であった。合成例12と同様の分
析の結果、生成物(B−5)中の式(V)で表されるフ
ェノール類ノボラック型エポキシ化合物の含有量は55重
量%であつた。生成物(B−5)はそのマススペクトル
(FAB−MS)でM+588が得られたことにより、合成例12に
示した構造式を有する化合物(但し、ナフタレン核に対
するエポキシ基の結合位置は2−位である)が、上記含
有量で含まれる樹脂であることを確認した。
合成例17. 生成物(A−1)の代わりに合成例5で得た生成物
(A−5)(水酸基当量(g/mol)151)151gを用いた以
外は合成例12と同様にして反応を行ない生成物(B−
6)186gを得た。生成物(B−6)の軟化温度は89℃で
エポキシ当量(g/mol)は240であった。又、合成例12と
同様の分析の結果、生成物(B−6)中の式(V)で表
されるフェノール類ノボラック型エポキシ化合物の含有
量は35重量%であった。生成物(B−6)はそのマスス
ペクトル(FAB−MS)でM+628が得られたことにより、次
の構造を有する化合物が、上記含有量で含まれる樹脂で
あることを確認した。
合成例18. 生成物(A−1)の代わりに合成例6で得た生成物
(A−6)(水酸基当量(g/mol)152)152gを用いた以
外は合成例12と同様にして反応を行ない生成物(B−
7)188gを得た。生成物(B−7)の軟化温度は92℃で
エポキシ当量(g/mol)は238であった。又、合成例12と
同様の分析の結果、生成物(B−7)中の式(V)で表
されるフェノール類ノボラック型エポキシ化合物の含有
量は38重量%であった。生成物(B−7)はそのマスス
ペクトル(FAB−MS)でM+628が得られたことにより、合
成例17に示した構造式を有する化合物(但し、ナフタレ
ン核に対するエポキシ基の結合位置は2−位である)
が、上記含有量で含まれる樹脂であることを確認した。
合成例19 生成物(A−1)の代わりに合成例7で得た生成物
(A−7)(水酸基当量(g/mol)142)142gを用いた以
外は合成例12と同様にして反応を行ない生成物(B−
8)176gを得た。生成物(B−8)の軟化温度は95℃で
エポキシ当量(g/mol)は230であった。又、合成例12と
同様の分析の結果、生成物(B−8)中の式(V)で表
されるフェノール類ノボラック型エポキシ化合物の含有
量は37重量%であった。生成物(B−8)はそのマスス
ペクトル(FAB−MS)でM+608及び610が得られたことに
より、次の構造を有する化合物が、上記含有量で含まれ
る樹脂であることを確認した。
合成例20. 生成物(A−1)の代わりに合成例8で得た生成物
(A−8)(水酸基当量(g/mol)144)144gを用いた以
外は合成例12と同様にして反応を行ない生成物(B−
9)180gを得た。生成物(B−9)の軟化温度は96℃で
エポキシ当量(g/mol)は232であった。又、合成例12と
同様の分析の結果、生成物(B−9)中の式(V)で表
されるフェノール類ノボラック型エポキシ化合物の含有
量は38重量%であった。生成物(B−9)はそのマスス
ペクトル(FAB−MS)でM+608及び610が得られたことに
より、合成例19に示した構造式を有する化合物(但し、
ナフタレン核に対するエポキシ基の結合位置は2−位で
ある)が、上記含有量で含まれる樹脂であることを確認
した。
合成例21. 生成物(A−1)の代わりに合成例9で得た生成物
(A−9)(水酸基当量(g/mol)159)159gを用いた以
外は合成例12と同様にして反応を行ない生成物(B−1
0)194gを得た。生成物(B−10)の軟化温度は95℃で
エポキシ当量(g/mol)は233であった。又、合成例12と
同様の分析の結果、生成物(B−10)中の式(V)で表
されるフェノール類ノボラック型エポキシ化合物の含有
量は42重量%であった。生成物(B−10)はそのマスス
ペクトル(FAB−MS)でM+650が得られたことにより、次
の構造を有する化合物が、上記含有量で含まれる樹脂で
あることを確認した。
合成例22. 生成物(A−1)の代わりに合成例10で得た生成物
(A−10)(水酸基当量(g/mol)159)159gを用いた以
外は合成例12と同様にして反応を行ない生成物(B−1
1)190gを得た。生成物(B−11)の軟化温度は97℃で
エポキシ当量(g/mol)は230であった。又、合成例12と
同様の分析の結果、生成物(B−11)中の式(V)で表
されるフェノール類ノボラック型エポキシ化合物の含有
量は43重量%であった。生成物(B−11)はそのマスス
ペクトル(FAB−MS)でM+650が得られたことにより、合
成例21を示した構造を有する化合物(但し、ナフタレン
核に対するエポキシ基の結合位置は2−位である)が、
上記含有量で含まれる樹脂であることを確認した。
合成例23. 生成物(A−1)の代わりに合成例11で得た生成物
(A−11)(水酸基当量(g/mol)147)147gを用いた以
外は合成例13と同様にして反応を行ない生成物(B−1
2)179gを得た。生成物(B−12)の軟化温度は83℃で
エポキシ当量(g/mol)は218であった。又、合成例12と
同様の分析の結果、生成物(B−12)中の式(V)で表
されるフェノール類ノボラック型エポキシ化合物の含有
量は52重量%であった。生成物(B−12)はそのマスス
ペクトル(FAB−MS)でM+616が得られたことにより、次
の構造を有する化合物が上記含有率で含まれる樹脂であ
ることを確認した。
実施例13〜26. 第3表に示す割合で合成例1〜11で得られた生成物
(A−1)〜(A−11)を硬化剤とし、合成例12〜23で
得られた生成物(B−1)〜(B−12)をエポキシ樹脂
とし、硬化促進剤に2−メチルイミダゾールを用い、こ
れらを第3表に示す割合で配合し、以下実施例1〜12と
同様にして試験を行った。硬化物の評価結果を第3表に
示した。
比較例3及び4. 第3表に示す割合で硬化剤としてフェノールノボラッ
ク樹脂(H−1)を、エポキシ樹脂としてクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂(EOCN1020)または芳香族アル
デヒドとフェノールを縮合して得られるポリフェノール
のポリエポキシ化合物(EPPN502)を、硬化促進剤とし
て2−メチルイミダゾールを用い、実施例1〜12と同様
に試験を行い、硬化物の評価を行なった。評価結果を第
3表に示した。
尚、上記(H−1)、(EOCN1020)、(EPPN502)は
以下の通り。
H−1:日本化薬(株)製、フェノールノボラック樹脂 軟化温度85℃ 水酸基当量(g/mol)106 EOCN1020 :日本化薬(株)製、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂 軟化温度65℃ エポキシ当量(g/mol)200 EPPN502 :日本化薬(株)製、ポリエポキシ化合物 軟化温度70℃ エポキシ当量(g/mol)168 実施例27〜36. 第4表に示す割合でフェノールノボラック(日本化薬
(株)製、軟化温度85℃、水酸基当量(g/mol)105)と
合成例12、14及び16〜23で得られた生成物(B−1)、
(B−3)、(B−5)〜(B−12)と2−メチルイミ
ダゾールを配合し、以下実施例1〜12と同様に試験を行
ない、得られた硬化物の評価結果を第4表に示した。
比較例5及び6. 生成物(B−1)、(B−3)、(B−5)〜(B−
12)の代りに第4表に示す割合で次の参考例1で得られ
た生成物(D−1)又は下記の市販のo−クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂EOCN1020を用いて、その他は実
施例27〜36と同様にして試験を行なった。結果を第4表
に示した。
EOCN−1020 :日本化薬(株)製 エポキシ当量(g/mol)200 軟化温度65℃ 参考例1. 温度計、攪拌機を備えたガラス容器に1−ナフトール
144g、水20g、シュウ酸1.6gを仕込み、110℃に加熱して
溶融し、ここにホルマリン水溶液(37%)73gを30分間
かけて滴下した。つづいて、90分間同温度で加熱し、つ
づいて150℃まで昇温して更に120分間反応させた。つい
で、反応物をとり出し、粉砕し、熱水で洗浄後乾燥し
た。得られたノボラック型ナフトール樹脂の水酸基当量
(g/mol)は156、軟化温度は175℃、GPC分析による平均
分子量は730(分子中ナフトール成分を平均4.7個含む)
であった。
このノボラック型ナフトール樹脂156gを生成物(A−
1)の代りに使用した以外は合成例12と同様の操作を行
いポリグリンジルエーテル(D−1)195gを得た。ポリ
グリシジルエーテル(D−1)の軟化温度は120℃でエ
ポキシ当量(g/mol)は270であった。
〔発明の効果〕 本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物は
耐熱性の指標であるガラス転移温度、熱変形温度が高
く、しかも吸水率が従来の樹脂により得られる硬化物に
較べて低くすることができる。従って、本発明のエポキ
シ樹脂組成物は、近年の耐熱、低吸水の要求に応えるこ
とができ、この性質を利用して広範な分野、具体的には
電子部品の封止用材料、成型材料又は積層用の材料とし
て使用され、極めて有用である。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平1−302059 (32)優先日 平成1年11月22日(1989.11.22) (33)優先権主張国 日本(JP) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/00 - 59/72 C08G 61/00 - 61/02 C08L 63/00 - 63/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)工ポキシ樹脂と(b)硬化剤として
    の式(VII) (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9
    R′、R′、R′、R′、R′、R′は夫
    々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ア
    リール基またはハロゲン原子を示す。)で表される化合
    物を含むフェノール類ノボラック型樹脂とを含んでなる
    エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(a)成分が式(VI) (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9
    R′、R′、R′、R′、R′、R′は夫
    々独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ア
    リール基またはハロゲン原子を示す。)で表される化合
    物を含むフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂である
    請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】硬化促進剤を含む請求項1又は2記載のエ
    ポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(b)成分が式(VIII) (式中、R1、R2、R3は夫々独立して水素原子、炭素数1
    〜4のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を示
    す)で表される化合物と式(IX) (式中、R4、R5、R6、R7、R8、R9は夫々独立して水素原
    子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基又はハロゲ
    ン原子を示す)で表されるナフトール類とを反応させて
    得られるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載
    のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(a)成分が請求項4記載の(b)成分を
    更にエピハロヒドリン化合物と反応させて得られるもの
    である請求項2〜4のいずれか1項に記載のエポキシ樹
    脂組成物、
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポ
    キシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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