JP3073167U - 自動車玩具のドリフト走行装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】走行途中で急ブレーキをかけてドリフト走行す
ることができる自動車玩具用ドリフト走行装置を提供す
る。 【解決手段】自動車玩具の走行に追従して回転するギア
５を備え、ギア５の回転軸にはカム８が固定されてい
る。自動車玩具の底部には、回動自在に設けられたアー
ム部材１０が、左右いずれかを向くように設けられ、ア
ーム部材１０と一体的に設けられた係止片１１はアーム
部材１０を第１の位置に移動する方向にバネ付勢されて
いる。係止片１１がカム８に係合したときにアーム部材
１０が第２の位置に移動するように回動し、アーム部材
１０で車体の左又は右が持ち上げられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 本考案は自動車玩具のドリフト走行装置に関する。

【０００２】

【従来技術とその問題点】

一般に、ゼンマイバネ等を駆動源とする自動車玩具は床、道路などの走行面上 を走行するもので、手のひらに乗る程度の小さなものであるが、外観デザインが 新規で、高速で走行することができるので人気がある。

【０００３】 ところが、単純な走行では子供達に飽きられるので、走行機能に変化をもたせ 、駆動後輪と前輪との間にこれら両車輪の周面に当接する車輪を地面から浮かせ た状態で設け、前輪も駆動車輪と連動するようにして４輪駆動にしたり、前後車 輪の周囲に帯状のゴム輪を被せてキャタピラ状に作り替えたりするものが提案さ れた。

【０００４】 しかし、駆動車輪を使って走行に変化をもたせる方式には限界があり、別の方 式で従来にない走行を実現することが望まれていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は駆動車輪を利用しなくても走行途中で急ブレーキをかけてドリフト走 行することができる、自動車玩具のドリフト走行装置を提供することをその課題 とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、本考案に係る自動車玩具のドリフト走行装置は、以 下の要件を備えたことを特徴とする。 （イ）上記自動車玩具には、自動車玩具の走行に追従して回転するギアを備えて いること （ロ）上記ギアの回転軸にはカムが固定されていること （ハ）上記自動車玩具の底部には、第１の位置と第２の位置とに回動自在に設け られたアーム部材が、左右いずれかを向くように設けられていること （ニ）上記自動車玩具には係止片が回動自在に設けられ、係止片はアーム部材を 第１の位置に移動する方向にバネ付勢されていること （ホ）上記係止片は上記カムに係合したときに上記バネに抗して上記アーム部材 が第２の位置に移動するように回動し、回動時にはアーム部材により車体の左右 の一方が持ち上げられて傾くように構成されていること

【０００７】 前記第１の位置は前記底部に平行な位置で、前記第２の位置は上記底部から離 れた位置であるのが好ましい。

【０００８】 前記ギアの回転軸には外部に露出するダイヤルが固定され、前記係止片と前記 カムに係合するタイミングがセット可能になっているのが好ましい。

【０００９】 前記アーム部材は前記係止片に着脱自在に設けられるようにするのが好ましい 。

【００１０】 前記自動車玩具はプルバック式ゼンマイを含むものであるのが好ましい。

【００１１】

【考案の実施の形態】

図１は本考案に係る自動車玩具の上から見た斜視図、図２はその下から見た斜 視図である。この自動車玩具はゼンマイによる駆動源と駆動輪とを有する駆動ユ ニットを備えた玩具本体１と、上記玩具本体１に着脱可能なユニットボディ２と から構成されている。

【００１２】 玩具本体１の駆動ユニットは従来のプルバック式ゼンマイにより駆動輪を回転 させるもので、公知であるから、その構造の説明は省略する。

【００１３】 ユニットボディ２には、図３に示されるように、自由に回転する前輪３と、前 輪３と連動する２つのギア４、５が設けられている。ギア５の回転軸６には凸部 ７を有するカム８が固定されている。

【００１４】 ユニットボディ２の底部には、図４に示されるように、上記底部に平行な第１ の位置ａと上記底部から離れる第２の位置ｂとに回動自在に設けられたアーム部 材１０と、アーム部材１０と一体的に設けられた係止片１１とが形成されている 。係止片１１は軸１２を中心に回動自在に設けられ、また、係止片１１の下端に は突軸１３が形成され、この突軸１３にアーム部材１０の基部がきつく嵌合して いる。また、係止片１１はアーム部材１０が第１の位置ａの方向に回動するよう にバネ１４で付勢されている。上記係止片１１は上記カム８に係合したときに上 記バネ１４に抗して上記アーム部材１０が第２の位置ｂに移動するように回動す るように構成されている。

【００１５】 なお、アーム部材１０は図２に示されるように左右いずれかを向くように設定 されている。この向きは突軸１３を中心にアーム部材１０を回動させることによ り変えることができる。

【００１６】 上記ギア５の回転軸６には、ユニットボディ２の外部に露出するダイヤル１６ が固定されている。ダイヤル１６の表面には周方向に１、２、３等の数字が表示 され、この数字をユニットボディ２の表面に設けられた基準マーク１７に合わせ ることにより、上記係止片１１の屈曲部１５とカム８の凸部７とが係合するタイ ミングがセット可能になっている。数字を合わせるときにギアと前輪３が回転す るので、基準マーク１７から数字までの間隔は前輪３（又はギア４、５）の回転 量と比例する。なお、数字を上記基準マーク１７に合わせるためには、ダイヤル １６を回すほか、前輪３あるいはギア４、５を回してもよい。

【００１７】 次に、上記構成の自動車玩具の作動態様について説明すると、まず、ダイヤル １６をセットする。そして、ゼンマイを巻き上げた後に解放すると、駆動輪が回 転し、自動車玩具は走行するので、この走行に追従して前輪３が回転し、同時に ギア５も回転する。ギア５が回転するとカム８も回転するので、係止片１１の屈 曲部１５は、初めはカム８の凸部７に係合しないが、カム８が回転していくうち に凸部７が係止片１１の屈曲部１５に係合して押圧する。これにより、係止片１ １はバネ１４の力に抗して軸１２を中心に回動し、同時にアーム部材１０は第１ の位置ａから図４に示すように第２の位置ｂに回動する。アーム部材１０が第２ の位置に回動すると、その先端は前後の車輪よりも低い位置にくるので、ユニッ トボディ２は図５のようにアーム部材１０により車体の左右の一方が持ち上げら れて傾く。このとき、持ち上げられた側の駆動輪も走行面から浮いてしまうので 、この側にはブレーキかかかり、自動車玩具は他方の駆動輪によってのみ推進さ れる。このため、自動車玩具は急激に走行方向を変え、ドリフト走行する。その 後、カム８の凸片７が係止片１１の屈曲部１５を越えると、アーム部材１０は逆 方向に回動して第１の位置ａに戻るので、自動車玩具も再び直進走行する。

【００１８】 なお、方向変換のタイミングは上記ダイヤル１６によって調整できるので、新 たな遊びを提供することができる。

【００１９】 また、アーム部材１０の向きを少し変えると、走行態様を変えることができる 。

【００２０】 さらに、アーム部材１０を係止片１１の突軸１３から外すことにより、通常走 行させることができる。

【００２１】

【考案の効果】

本考案によれば、走行中に左右いずれかの側にブレーキがかかるので、ドリフ ト走行の面白さが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る自動車玩具を上から見た斜視図

【図２】上記自動車玩具を下から見た斜視図

【図３】ボディユニットの内部機構の要部の説明図

【図４】上記自動車玩具の側面図

【図５】走行態様説明図

【符号の説明】

１ 玩具本体 ２ ボディユニット ５ ギア ７ 凸部 ８ カム １０ アーム部材 １１ 係止片

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 以下の要件を備えたことを特徴とする自
   動車玩具のドリフト走行装置。 （イ）上記自動車玩具には、自動車玩具の走行に追従し
   て回転するギアを備えていること （ロ）上記ギアの回転軸にはカムが固定されていること （ハ）上記自動車玩具の底部には、第１の位置と第２の
   位置とに回動自在に設けられたアーム部材が、左右いず
   れかを向くように設けられていること （ニ）上記自動車玩具には係止片が回動自在に設けら
   れ、係止片はアーム部材を第１の位置に移動する方向に
   バネ付勢されていること （ホ）上記係止片は上記カムに係合したときに上記バネ
   に抗して上記アーム部材が第２の位置に移動するように
   回動し、回動時にはアーム部材により車体の左右の一方
   が持ち上げられて傾くように構成されていること
2. 【請求項２】 前記第１の位置は前記底部に平行な位置
   で、前記第２の位置は上記底部から離れた位置である、
   請求項１記載の自動車玩具のドリフト走行装置。
3. 【請求項３】 前記ギアの回転軸には外部に露出するダ
   イヤルが固定され、前記係止片と前記カムに係合するタ
   イミングがセット可能になっている、請求項１記載の自
   動車玩具のドリフト走行装置。
4. 【請求項４】 前記アーム部材は前記係止片に着脱自在
   に設けられた、請求項１記載の自動車玩具のドリフト走
   行装置。
5. 【請求項５】 前記自動車玩具はプルバック式ゼンマイ
   を含むものである、請求項１記載の自動車玩具の急ブレ
   ーキ装置。