JP3072321B2 - 抗hiv活性物質およびその製造方法 - Google Patents

抗hiv活性物質およびその製造方法

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JP3072321B2 JP9157153A JP15715397A JP3072321B2 JP 3072321 B2 JP3072321 B2 JP 3072321B2 JP 9157153 A JP9157153 A JP 9157153A JP 15715397 A JP15715397 A JP 15715397A JP 3072321 B2 JP3072321 B2 JP 3072321B2
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真美 井上
幸織 山本
康子 藤田
徹 大竹
拓也 川畑
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗HIV活性物質
およびその製造方法に関する。また、本発明はそのよう
な抗HIV活性物質を含むことを特徴とする抗HIV剤
および機能性食品にも関する。
【0002】
【従来の技術】近年、後天性免疫不全症候群(acqu
ired immunodeficiency syn
drome,AIDS)が急速に広まり、その予防法や
治療法の確立が世界的に必要とされている。AIDSは
レトロウィルスの一種であるヒト免疫不全ウイルス(h
uman immunodeficiency vir
us,HIV)によって引き起こされることから、HI
Vの増殖を抑制する薬剤の開発研究が活発に行われてい
る。
【0003】その結果、これまでに、アジドチミジン、
ジダノシン、インターフェロン、リコンビナントCD
4、プロテアーゼ阻害剤、デキストラン硫酸、カードラ
ン硫酸およびレンチナン硫酸などの化学的修飾多糖など
に抗HIV活性があることが報告されている。その中の
幾つかは、現在AIDS治療のために臨床で用いられて
いる。抗HIV活性を有する物質として報告されている
もののうち、例えばアジドチミジンやジダノシンはin
vitroで優れた抗HIV作用を持ち、AIDS患
者に対する延命効果があることが認められている。しか
しながら、これらの薬剤は造血機能の抑制や膵炎を起こ
すといった副作用が強いうえ、耐性株HIVが出現する
という問題を抱えている。
【0004】また、化学的修飾多糖の1種であるデキス
トラン硫酸は、α−グルカンであるデキストランの硫酸
エステル化物であるが、生体内における安定性が極めて
悪いという欠点がある。そのうえ、血液凝固阻害作用が
強いという問題もある。さらに、別の化学的修飾多糖で
あるカードラン硫酸は、β−1,3グリコシド結合のみ
からなるカードランやその低分子体から誘導されるもの
であるが、生体内における半減期が短いために効果が持
続しないという欠点がある。このように、今日までに開
発された抗HIV活性物質は、抗HIV活性が高いと副
作用も大きいというジレンマを抱えている。このため、
より低毒性でかつ有効性の高い抗HIV活性物質を開発
することが急務とされている。
【0005】一方、古来より我国や中国では、疾病の治
療や予防に生薬や漢方薬を使用している。これらの生薬
や漢方薬は、安全性が十分に確認されており、安心して
服用することができるものが多い。中には、ウイルスの
増殖を阻害する抗ウイルス効果をもつものもあり、注目
を集めている。しかしながら、生薬や漢方薬のHIVに
対する作用を本格的に検討した結果は、カンゾウに含ま
れるグリチルリチンの検討例を除けばほとんど報告され
ていない。このため、多種多様な生薬や漢方薬に由来す
る物質のいずれに抗HIV活性があるのかを示唆する報
告は皆無に近い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような状況を踏ま
えて、本発明は、上記の従来技術がかかえる問題点を解
決することを課題とした。すなわち、本発明は、強力な
抗HIV活性を有していながら、細胞毒性が極めて低い
という特徴を有する、安全で高活性な抗HIV活性物質
を提供することを課題とした。また、本発明は、そのよ
うな抗HIV活性物質を製造する簡便な方法を提供する
ことも課題とした。さらに本発明は、この抗HIV活性
物質を有効成分とする抗HIV剤および抗HIV機能性
食品を提供することも課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために鋭意研究を進めた結果、本発明者らは、シソ目植
物の水抽出物から得られる特定の成分に強力な抗HIV
活性があることを見出して本発明を完成した。すなわ
ち、シソ目植物の水抽出物を、DEAE陰イオン交換ク
ロマトグラフィーにより精製したところ、抗HIV活性
が極めて高い画分が得られた。本発明は、この発見に基
づいてなされたものである。
【0008】本発明の抗HIV活性物質の製造方法は、
(1)シソ目植物を水で抽出する工程と、(2)得られ
た抽出物をDEAE陰イオン交換クロマトグラフィーに
よって精製し、溶出される画分を取得する工程を、必須
の工程として含む点に特徴がある。
【0009】本発明の抗HIV活性物質の製造方法に使
用する植物は、管状花目(シソ目)に属するものであれ
ば、その種類はとくに制限されない。したがって、ヒル
ガオ科、ハナシノブ科、ムラサキ科、クマツヅラ科、シ
ソ科、ナス科、コマノハグサ科、ノウゼンカズラ科、ゴ
マ科、ツノゴマ科、ハマウツボ科、イワタバコ科、タヌ
キモ科、キツネノマゴ科、ハマジンチョウ科、ハエドク
ソウ科などに属する植物を広く使用することができる。
この中では、シソ科に属する植物を使用するのが好まし
い。
【0010】シソ科は、キランソウ亜科、タツナミソウ
亜科、ラベンダー亜科、シソ亜科、ヤマハッカ亜科など
にさらに分類されるが、いずれの亜科に属する植物も好
ましく用いることができる。その中でも特に好ましいの
は、キランソウ亜科、ラベンダー亜科、シソ亜科、ヤマ
ハッカ亜科に属する植物であり、もっとも好ましいのは
シソ亜科に属する植物である。シソ科に属する植物とし
ては、キランソウ属、ニガクサ属、タツナミソウ属、ム
シャリンドウ属、イヌハッカ属、カキドオシ属、カワミ
ドリ属、ウツボグサ属、ジャコウソウ属、オドリコソウ
族、チシマオドリコ属、メハジキ属、イヌゴマ属、アキ
ノタムラソウ属、トウバナ属、イブキジャコウソウ属、
シロネ属、ハッカ属、シソ属、イヌコウジュ属、スズコ
ウジュ属、ナギナタコウジュ属、シモバシラ属、テンニ
ンソウ属、ヤマハッカ属に分類される植物を例示するこ
とができる。
【0011】本発明で用いることができる植物の例とし
て、青チリメンシソ、赤チリメンシソ、カゴソウ、カッ
ソウ、カキドオシ、キランソウ、ウツボグサ、ハッカ
(メグサ)、メハジキ、エゴマ、カタメンジソ、ナギナ
タコウジュ、ヒキオコシ(エンメイソウ)、コガネバナ
(コガネヤナギ)、セージ(サルビア)、タイム(タチ
ジャコウソウ)、バジル(メボウキ)、ミント、ラベン
ダー、オレガノ(ハナハッカ)、サボリー、レモンバー
ム(セイヨウヤマハッカ)、ローズマリー(マンネンロ
ウ)、キャットニップ(イヌハッカ)、ヒソップ(ヤナ
ギハッカ)およびベルガモット(ヤグルマカッコウ)を
挙げることができる。
【0012】本発明の製造方法では、これらの植物原料
の葉、茎、種子などを使用することができる。中でも、
大量に入手しやすく活性物質が比較的豊富に含まれてい
る葉を使用するのが好ましい。本発明では、これらの植
物原料を、生のまま使用してもよいし、乾燥して使用し
てもよい。保存性に優れている点を考慮すれば、乾燥し
たものを原料とする方が便利である。これらの植物原料
は、1種類の原料を単独で使用してもよいし、2種以上
の原料を組み合わせて使用してもよい。
【0013】本発明の製造方法において行なう植物原料
の抽出工程は、周知の方法のいずれかに基づいて行なう
ことができる。抽出の際に用いる溶媒は、水性溶媒の中
から選択する。通常は、蒸留水や水道水を用いるが、水
に少量の無機物や有機物が混入している溶媒も広く使用
することができる。水の温度は特に制限されないが、室
温〜沸騰温度の範囲内にあるものを用いるのが一般的で
ある。抽出効率を上げるためには、ある程度温度が高い
水を用いるのが好ましい。抽出時間はとくに制限されな
い。
【0014】抽出の際には、植物原料をそのまま水と接
触させてもよいが、効率よく抽出するためには植物原料
に切れ目を入れたり細断したり、あるいは粉末化したり
しておくのが好ましい。これらの処理は、水抽出前にあ
らかじめ行なっておいてもよいし、水抽出中に並行して
行なってもよい。また、植物原料を絞ったり圧縮したり
する工程を入れることによって、さらに抽出効率を上げ
ることもできる。これらの工程の詳細は、使用すること
ができる植物原料の量や、製造しようとしている抗HI
V活性物質の量などに応じて、適宜決定すればよい。
【0015】このようにして得られた抽出成分は、その
まま次のDEAE陰イオン交換クロマトグラフィーによ
る精製工程に付してもよいが、その前に構成成分を粗く
分離しておくのが好ましい。例えば、適当なフィルター
を用いて濾過したり、遠心分離したりすることによっ
て、細かい固体成分を簡単に除去することができ、次の
クトマトグラフィーを行なう際にカラムが詰まるなどの
トラブルを防止することができる。
【0016】また、沈殿剤を用いて沈殿を形成させ、そ
の沈殿物から水溶性成分を溶出させることによって分離
を行なうこともできる。沈殿剤としては、例えばセチル
ピリジニウムクロライドを用いることができる。形成し
た沈殿物に添加する溶媒は、水性溶媒であればその種類
は問わない。水性溶媒は、植物原料抽出時に用いた水性
溶媒と同じであっても異なっていてもよい。
【0017】これらの工程を経ることによって得られた
組成物は、DEAE陰イオン交換クロマトグラフィーに
よる精製工程に付する。本発明の製造方法において使用
するDEAE陰イオン交換クロマトグラフィーの充填剤
は、ジエチルアミノエチル基を有する多様な陰イオン交
換体の中から選択する。クロマトグラフィーの具体的な
実施方法は、当業者に周知な方法のいずれかによる。
【0018】DEAE陰イオン交換クロマトグラフィー
において、溶出液として塩化ナトリウム水溶液を用いた
場合に溶出される画分には、極めて高い抗HIV活性が
認められることが、本発明者らによって初めて見出され
た。溶出液として用いる塩化ナトリウム水溶液の濃度は
とくに制限されないが、0.5〜2M程度、特に1M程
度であるものを用いるのが好ましい。
【0019】この画分から溶媒を除去することによって
得られる抗HIV活性物質は、糖及びアミノ酸を構成要
素として含んでおり、分子量は約10,000〜約5
0,000である。この画分の中には、分子量約13,
500の抗HIV活性物質(実施例1の抽出物A)が含
まれている。この抗HIV活性物質は、後述する実施例
1の表1に示すように、この抗HIV活性物質には、ア
ミノ酸として、グリシン、アラニン、グルタミン酸また
はグルタミンが比較的多く含まれている。また、その他
のアミノ酸として、バリン、アスパラギン酸またはアス
パラギン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニ
ン、プロリン、アルギニン、リジン、フェニルアラニ
ン、チロシン、ヒスチジ、シスチンが含まれている。
【0020】この抗HIV活性物質は、水およびメタノ
ールに容易に溶解し、酢酸エチルおよびn−ブタノール
に溶解しない。また、DEAE陽イオン交換樹脂に吸着
することから、酸性物質であることがうかがえる。さら
に、カルバゾール−硫酸法による試験が陽性であったこ
とから、ウロン酸が含まれているものと推定される。
【0021】DEAE陰イオン交換クロマトグラフィー
において、溶出液としてアセトン/水混合溶液を用いた
場合に溶出される画分にも、抗HIV活性がある。この
画分は、上記の塩化ナトリウム水溶液による溶出を行な
った後に取得するのが好ましい。使用する混合溶液にお
けるアセトンと水の比率は適宜調節することが可能であ
り、例えばアセトンと水を1:1で混合したものを用い
ることができる。この比率は適宜変化させながら溶出し
てもよい。
【0022】この画分から溶媒を除去することによって
得られる抗HIV活性物質(実施例1の抽出物B)は、
ポリクラールATによって沈殿を生成することから、ポ
リフェノール類であるものと考えられる。また、TLC
にスポットし、FeCl3/K3Fe(CN)6溶液を噴
霧すると青色を呈したことから、フェノール官能基の存
在が確認された。分子量は、500〜100,000の
範囲内、特に10,000〜100,000の範囲内に
ある。この抗HIV活性物質は、わずかに水に溶解し、
酢酸エチルおよびn−ブタノールに溶解しない。また、
DEAE陽イオン交換樹脂に吸着することから、酸性物
質であることがうかがえる。
【0023】DEAE陰イオン交換クロマトグラフィー
において、溶出液としてアセトン/塩酸混合溶液を用い
た場合に溶出される画分にも、抗HIV活性がある。こ
の画分は、上記の塩化ナトリウム水溶液による溶出と、
上記のアセトン/水混合溶液による溶出を行なった後に
取得するのが好ましい。使用する混合溶液におけるアセ
トンと塩酸の比率は適宜調節することが可能であり、例
えば0.1N塩酸とアセトンを1:1で混合したものを
用いることができる。この比率は適宜変化させながら溶
出してもよい。
【0024】この画分から溶媒を除去した抗HIV活性
物質(実施例1の抽出物C)は、ポリクラールATによ
って沈殿を生成することから、ポリフェノール類である
ものと考えられる。また、TLCにスポットし、FeC
3/K3Fe(CN)6溶液を噴霧すると青色を呈した
ことから、フェノール官能基の存在が確認された。分子
量は、500〜100,000の範囲内、特に10,0
00〜100,000の範囲内にある。この抗HIV活
性物質は、わずかに水に溶解し、酢酸エチルおよびn−
ブタノールに溶解しない。また、DEAE陽イオン交換
樹脂に吸着することから、酸性物質であることがうかが
える。
【0025】本発明の製造方法によって取得した抗HI
V活性物質は、そのまま抗HIV活性成分として使用す
ることもできるが、さらに精製して使用してもよい。と
くにヒアルロニダーゼ固定化担体を利用したアフィニテ
ィクロマトグラフィーを行なえば、さらに効率よく精製
することができる。たとえば、塩化ナトリウム水溶液に
よって溶出される上記抗HIV活性物質は、さらに以下
の方法によって精製することができる。
【0026】すなわち、抗HIV活性物質をメタノール
/水混合溶液に溶解し、得られた溶液に対してシリカゲ
ルクロマトグラフィーを行なう。このとき、メタノール
/水混合溶液で溶出する画分を取得することによって精
製物を得ることができる(実施例2の精製物a)。使用
する混合溶液のメタノールと水の混合比率は適宜調節す
ることが可能であり、例えばメタノールと水を1:1で
混合したものを用いることができる。
【0027】また、このようにして得られた精製物を、
さらにトヨパールHWやセルロファインGC−700な
どの多孔性セルロースゲルをゲル濾過用担体として用い
たゲル濾過カラムクロマトグラフィーによって精製する
ことができる。このとき、溶出液として例えば0.01
%の3−〔(3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモ
ニオール〕−1−プロパンスルフォネート(CHAP
S)水溶液を用いた場合に溶出する画分を取得すること
によって精製物を得ることができる(実施例2の精製物
b)。溶出液としては、この他にTween100など
の界面活性剤を用いることもできる。
【0028】さらに、このようにして得られた精製物
を、さらにヒアルロニダーゼ固定化担体を用いてアフィ
ニティークロマトグラフィーを行なうことによって精製
することができる。ヒアルロニダーゼを固定化する担体
は、当業界で通常使用されているものの中から適宜選択
することができる。たとえば、AF−トレシルトヨパー
ルなどを使用することができる。溶出画分を取得する際
の溶出液には、塩化ナトリウムを溶解したトリス塩酸緩
衝液を使用することができる。このとき、塩化ナトリウ
ム濃度は例えば0.5Mに設定し、溶出液のpHは約8
に設定することができる。このようにして得られた精製
物(実施例2の精製物c)は褐色固体であり、図1に示
す紫外線吸収スペクトルと図2に示す赤外線吸収スペク
トルを有する。
【0029】本発明の抗HIV活性物質の製造方法に
は、上記工程の他にさらに通常用いられている精製方法
を組み合わせて使用することができる。例えば、合成吸
着樹脂、活性炭、上記以外のイオン交換樹脂、セファデ
ックス、バイオゲルなどのゲル濾過剤、上記以外の充填
剤によるカラムクロマトグラフィーを適宜組み合わせる
ことによって、さらに精製効率や純度を上げることがで
きる。
【0030】これらの方法によって得られる物質は、い
ずれも強力な抗HIV活性を有するとともに、細胞毒性
が低いという極めて望ましい特徴を有する。例えば、上
記のDEAE陰イオン交換カラムクロマトグラフィーに
おいて塩化ナトリウム水溶液で溶出される物質は、抗H
IV剤の活性成分として使用されているデキストラン硫
酸と同等な抗HIV活性を有する。その一方で、細胞毒
性はアジドチミジンの1/500程度であり、安全性は
極めて高い。このように、本発明の抗HIV活性物質
は、抗HIV活性が強力な物質は細胞毒性も高いという
従来のジレンマを解消した極めて有用な物質である。
【0031】したがって、本発明の抗HIV活性物質は
医薬品や食品に安全かつ有効に使用することができる。
本発明には、このような本発明の抗HIV活性物質を含
む抗HIV剤および抗HIV機能性食品も含まれる。使
用する抗HIV活性物質は、1種類を単独で使用しても
よいし、2種以上のものを組み合わせて使用してもよ
い。
【0032】本発明の抗HIV剤は、HIVへの感染や
発症を予防し、治療する際に有用である。本発明の抗H
IV剤の投与形態は特に制限されず、経口的または非経
口的に投与することが可能である。例えば、直腸投与、
鼻内投与、頬側投与、舌下投与、膣内投与、筋肉内投
与、皮下投与、静脈内投与を行なうことが可能である。
中でも、本発明の抗HIV剤は、経口投与、皮下投与ま
たは経皮投与するのが好ましい。
【0033】また、本発明の抗HIV剤の剤型も特に制
限されず、投与経路等に応じて適宜選択することができ
る。例えば、経口投与に適した製剤として、錠剤、カプ
セル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、シロップ剤など
を挙げることができ、非経口投与に適した製剤として、
注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、経粘膜吸
収剤、貼付剤などを挙げることができる。注射剤は、静
脈注射、筋肉注射、皮下注射、点滴などのいずれに用い
るものであってもよい。本発明の医薬は、特に経口用製
剤、注射剤、貼付剤のいずれかであるのが好ましい。
【0034】本発明の抗HIV剤には、必要に応じて薬
理学的および製剤学的に許容しうる添加物を添加するこ
とができる。例えば、賦形剤、崩壊剤または崩壊補助
剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、
基剤、溶解剤または溶解補助剤、等張化剤、pH調節
剤、安定化剤、噴射剤、粘着剤、湿潤剤などを使用する
ことができる。これらの添加剤を適宜組み合わせて使用
することによって、本発明の抗HIV剤にさまざまな付
加的機能を持たせることができる。例えば、必要に応じ
て抗HIV活性物質が徐放されるように設計することが
できる。また、体内の必要な個所において抗HIV活性
物質が集中的に放出されるように設計することもでき
る。このような徐放性製剤やドラッグデリバリーシステ
ムは、製剤業界において周知の方法にしたがって設計の
うえ製造することができる。
【0035】また、本発明の抗HIV剤には、有機物ま
たは無機物の担体を使用することができる。そのような
担体として、乳糖、でんぷん、植物性および動物性脂肪
や油脂を例示することができる。本発明の抗HIV剤に
は、抗HIV活性物質を0.01〜100重量%の範囲
内で使用することができる。さらに、本発明の抗HIV
剤には、本発明の抗HIV活性物質以外の抗HIV活性
物質を組み合わせて使用することもできる。
【0036】本発明の抗HIV剤の投与量は、治療また
は予防の目的、患者の性別、体重、年齢、疾患の種類や
程度、剤型、投与経路、投与回数などの種々の条件に応
じて適宜決定する。例えば、経口投与する場合には、
0.5μg〜50mg/kg体重/日で、一日一回から
数回に分けて投与することができるが、この範囲に限定
されるものではない。
【0037】本発明の抗HIV活性物質は、各種食品に
含ませることができる。例えば、紅茶、清涼飲料水、ジ
ュース、あめ、澱粉質食品、各種加工食品等に添加する
ことができる。抗HIV活性物質の添加量は、約0.1
〜99重量%の範囲内に設定することができる。また、
必要に応じて、ゲル化剤などの添加剤を加えることもで
きる。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操
作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更する
ことができる。したがって、本発明の範囲は以下の実施
例に示す具体例に制限されるものではない。
【0039】[実施例1]本実施例において、シソ葉か
ら抗HIV活性物質を取得する方法を説明し、取得した
抗HIV活性物質の抗HIV活性および細胞毒性を試験
した結果を記載する。
【0040】(抗HIV活性抽出物の調製)乾燥したシ
ソ葉(種類:青チリメンシソ)100gに水1リットル
を加え、15分間煮沸した。その後、熱水抽出液を冷却
し、減圧下で吸引濾過することによって、固体成分を除
去した。得られた水溶液500mlにセチルピリジニウ
ムクロライドを添加して、30℃で12時間放置するこ
とによって沈澱を生成させた。生成した沈澱物をエタノ
ール/水混合溶液(15:85)100mlで洗浄し、
10,000rpmで20分間遠心分離することによっ
て試薬を除去した。その後、沈澱物に50mlの水を添
加して、水溶性成分を溶出させた。
【0041】得られた溶出液を、50mMホウ酸緩衝液
(pH7.4)で平衡化したDEAE−Toyopea
rlカラム(東ソー株式会社製)に充填し、ホウ酸緩衝
液(pH7.4)で洗浄した後、溶出液として1M塩化
ナトリウム水溶液、0.1N塩酸、アセトン/水混合溶
液(1:1)、アセトン/0.1N塩酸混合溶液(1:
1)により順次溶出した。各溶出液で溶出された画分の
溶媒を減圧乾固することによって、抽出物を得た。1M
塩化ナトリウム水溶液で溶出された抽出物を抽出物A、
アセトン/水混合溶液(1:1)で溶出された抽出物を
抽出物B、アセトン/0.1N塩酸混合溶液(1:1)
で溶出された抽出物を抽出物Cとした。
【0042】(分子量の測定)抽出物A、抽出物Bおよ
び抽出物Cの分子量を、限外濾過膜法および還元法によ
って測定した。限外濾過膜法(アミコン社製セントリプ
レップ)により分子量を測定したところ、抽出物A、抽
出物Bおよび抽出物Cはすべて分子量100,000の
フィルターを通過したが、分子量10,000のフィル
ターは通過しなかった。したがって、抽出物A、抽出物
Bおよび抽出物Cの分子量はいずれも10,000〜1
00,000の範囲内であることが確認された。
【0043】さらに、抽出物Aについて、ポリアクリル
アミドゲルによる電気泳動法(SDS−PAGA)によ
って分子量を測定した。すなわち、抽出物Aを95℃で
5分間熱処理することによって変性させ、バッファー
(0.06Mトリス塩酸緩衝液(pH6.8)、1.7
1%SDS、6%グリセロール、0.1Mジチオスライ
トール、0.002%ブロモフェノールブルー)を用い
て5mAで60分間通電した後、8〜10mAで150
分間電気泳動した。このとき、標準分子量の蛋白質マー
カーを同時に電気泳動させた。電気泳動後は、銀染色に
より蛋白質を染色し、PAS染色により多糖類を染色し
た。分子量約13,500に単一のバンドが観察された
ことから、抽出物Aの分子量は約13,500であるこ
とが確認された。
【0044】(溶解性試験)抽出物A、抽出物Bおよび
抽出物Cの溶解性を試験したところ、抽出物Aは容易に
水およびエタノールに溶解し、抽出物BおよびCはわず
かに水に溶解することが確認された。また、抽出物A、
抽出物Bおよび抽出物Cは、いずれも酢酸エチルおよび
n−ブタノールで抽出されなかった。
【0045】(吸着性試験)抽出物A、抽出物Bおよび
抽出物Cの吸着性を試験したところ、いずれもDEAE
陰イオン交換カラムに吸着し、カルボキシメチルセルロ
ース陽イオン交換樹脂に吸着した。したがって、抽出物
A、抽出物Bおよび抽出物Cは酸性物質であることが確
認された。
【0046】(呈色反応試験)抽出物Aについて、フェ
ノール硫酸法による呈色反応試験を行なったところ陽性
であったことから、抽出物質Aには糖が含まれているこ
とが確認された。さらに、抽出物Aについて、カルバゾ
ール−硫酸法による試験を行なったところ陽性であった
ことから、抽出物Aにはウロン酸が含まれていることが
推定された。
【0047】(フェノール官能基確認試験)抽出物Bお
よびCをTLCにスポットし、FeCl3/K3Fe(C
N)6溶液を噴霧するといずれも青色を呈した。したが
って、抽出物BおよびCにはフェノール官能基が存在す
ることが確認された。
【0048】(ポリクラールATによる試験)抽出物B
および抽出物CをポリクラールATで処理したところ、
沈澱が生成した。上記各性質を考慮すると、抽出物Bお
よび抽出物Cはポリフェノール類であると推定される。
【0049】(アミノ酸分析試験)抽出物Aを6N塩酸
を用いて110℃で24時間加水分解した後、アミノ酸
分析した結果を以下の表に示した。分析結果は、アラニ
ンを1重量部とした相対値で示した。なお、本分析では
トリプトファンを検出することはできない。
【0050】
【表1】
【0051】(糖組成分析試験)抽出物Aを2N塩酸を
用いて100℃で4時間加水分解した後、糖組成分析を
行なった結果を以下の表に示した。分析結果は、ガラク
トースを1重量部とした相対値で示した。
【0052】
【表2】
【0053】〔実施例2〕本実施例において、実施例1
で調製した抽出物Aをさらに3段階精製する方法を記載
する。 (精製工程1)抽出物Aをセントリプレップ(アミコン
社製)で濃縮した後、メタノール/水混合溶液(1:
1)を等量添加して溶解した。得られた溶液に対して、
メタノール/水混合溶液(1:1)を展開液とするシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーを行なった。溶出液を
減圧下で濃縮し、精製物aを得た。
【0054】(精製工程2)精製物aに対して、セルロ
ファインGC−700(チッソ株式会社製)を用いたゲ
ル濾過カラムクロマトグラフィーを行った。0.01%
の3−〔(3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニ
オール〕−1−プロパンスルフォネート(CHAPS)
水溶液で溶出し、溶出液を減圧下で濃縮することによっ
て精製物bを得た。
【0055】(精製工程3)精製物bに対してアフィニ
ティークロマトグラフィーを行なった。このアフィニテ
ィークロマトグラフィーに用いた担体は次のようにして
製造した。AF−トレシルトヨパール〔親水性ビニルポ
リマーを基材としたゲル濾過用充填剤であるトヨパール
HW65(商品名、東ソー株式会社製)にトレシンクロ
ライドを導入した活性担体〕2gを、混合水溶液(炭酸
水素ナトリウム0.1M、塩化ナトリウム0.5M含
有、pH7.8)20mlに懸濁し、同じ混合水溶液で
洗浄した。その後、ヒアルロニターゼ194mgを前記
混合水溶液5mlに溶解した溶液を添加して、4℃で2
4時間穏やかに震盪した。次いで、0.5M塩化ナトリ
ウム水溶液100mlで1回洗浄し、さらに0.1Mト
リス塩酸緩衝液(塩化ナトリウム0.5M含有、pH
8.0)で2回洗浄した。その後、前記混合水溶液40
mlを添加して4℃で4時間穏やかに震盪することによ
って、ヒアルロニダーゼ固定化−トレシルトヨパール担
体を製造した。
【0056】得られたヒアルロニダーゼ固定化−トレシ
ルトヨパール担体を、0.1M酢酸緩衝液(塩化ナトリ
ウム0.1M含有、pH4.0)で緩衝化した。その
後、この固定化担体に精製物bを添加し、次いで前記酢
酸緩衝液で洗浄した後、0.1Mトリス塩酸緩衝液(塩
化ナトリウム0.5M含有、pH8.0)で溶出するこ
とによってアフィニティークロマトグラフィーを行なっ
た。得られた溶出物を水に対して十分に透析した後、エ
バポレータを用いて減圧下で濃縮乾固することによっ
て、褐色の精製物cを得た。 〔α〕D=−0.4(c=0.25,H2O) 精製物cの紫外線吸収スペクトルおよび赤外線吸収スペ
クトルは、それぞれ図1および図2に示すとおりであっ
た。
【0057】[実施例3]本実施例において、注射剤の
製造例を示す。以下に示す量の抽出物A、塩化ナトリウ
ムおよびベンジルアルコールを蒸留水に溶解した。この
溶液をフィルター(孔径0.2μm)を通して濾過する
ことによって、注射剤を製造した。また、抽出物Aの代
わりに、実施例1で調製した抽出物BおよびC、実施例
2で調製した精製物a〜cを使用して同様に注射剤を製
造した。
【0058】
【表3】
【0059】[実施例4]本実施例において、カプセル
剤の製造例を示す。以下に示す各成分を以下に示す量で
混合して、十分に攪拌した。この混合物をゼラチンカプ
セルに充填することによってカプセル剤を製造した。ま
た、抽出物Aの代わりに、実施例1で調製した抽出物B
およびC、実施例2で調製した精製物a〜cを使用して
同様にカプセル剤を製造した。
【0060】
【表4】
【0061】[実施例5]本実施例において、抗HIV
活性物質を含むティーパックの製造例を示す。市販の紅
茶葉を粉砕して6等分した。これらの粉砕紅茶葉に実施
例1で得られた抽出物A、BおよびC、および実施例2
で得られた精製物a、bおよびcを、3重量%になるよ
うに添加してよく混合した。これらの各混合物をティー
パックに詰めて6種類のティーパックを製造した。この
ティーパックを熱湯で滲出することによって、抗HIV
活性物質が紅茶に溶出した抗HIV機能性紅茶を調製す
ることができた。抽出物Aの代わりに実施例1で得られ
た抽出物BおよびC、および実施例2で得られた精製物
a〜cを用いて、同様にディーバックと紅茶を調製し
た。
【0062】〔実施例6〕本実施例において、抗HIV
活性物質を含むオレンジジュースの製造例を示す。市販
のオレンジジュース1Kgを3つ用意した。各々のオレ
ンジジュースに対して実施例1で得られた抽出物A、B
およびC、および実施例2で得られた精製物a、bおよ
びcを、3重量%になるよう添加してよく混合し、抗H
IV活性物質を含む6種のオレンジジュースを製造し
た。
【0063】[試験例]本試験例において、実施例1で
得られた抽出物A〜C、および実施例2で得られた精製
物a〜cの抗HIV活性および細胞毒性を試験した結果
を記載する。
【0064】(試験方法)MT−4細胞にHIV−1
(LAV−1株)を0.001TCID50/個の割合で
1時間感染させ、その後、RPMI−1640培養液
(10%ウシ胎児血清、ペニシリン100U/ml、ス
トレプトマイシン100μg/ml含有)を用いて1回
洗浄した。このHIV−1感染MT−4細胞を、抽出物
Aを含むRPMI−1640培養液に1×105個/m
lの濃度で浮遊させ、5日間培養した。培養は、96穴
の平底培養プレートにて行ない、1ウェルあたり200
μlの量で培養した。培養液中の抽出物Aの濃度は、最
大値を1000μg/mlに設定し、1/2ずつ段階希
釈したものを用意して検討を行なった。
【0065】5日間培養した後、HIV感染によるバル
ーニングや巨核細胞出現などのMT−4細胞変性効果
(CPE)を顕微鏡により観察した。CPEが認められ
た場合は、HIV増殖抑制効果なしと判定した。この判
定基準にしたがって、HIV増殖抑制効果が認められる
最小試料濃度を決定した(HIVに対する最小増殖抑制
濃度)。また、上記の方法と同様にしてMT−4細胞に
対する細胞毒性の有無も検討した。細胞観察の結果、細
胞生育障害または細胞死が認められた場合は、MT−4
細胞に対する細胞毒性ありと判定した。この判定基準に
したがって、細胞毒性が認められる最小試料濃度を決定
した(MT−4細胞に対する最小細胞障害濃度)。比較
のために、アジドチミジンとデキストラン硫酸について
も同じ試験を行なった。
【0066】(試験結果)試験結果は、以下の表に示す
とおりであった。
【表5】
【0067】抽出物BおよびC、精製物a〜cについて
も上記と同じ試験を行なったところ、有意なHIV増殖
抑制効果が認められ、MT−4細胞に対する毒性も小さ
いことが確認された。
【0068】抽出物A〜Cは100℃で30分間熱処理
しても安定であり、この熱処理後も抗HIV活性が確認
された。また、抽出物A〜Cは30℃においてトリプシ
ンを15分間作用させても安定であり、同様に抗HIV
活性が確認された。
【0069】また、ICRマウスを用いて抽出物A、抽
出物Cおよび精製物cのLD50を検討したところ、いず
れも2g/Kg以上であることが確認された。
【0070】
【発明の効果】本発明の抗HIV活性物質は、優れた抗
HIVを示す一方で低毒性であるという特徴を有する。
このため、本発明の抗HIV活性物質は、抗HIV剤や
抗HIV機能性食品などの活性物質として広く使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2において調製した精製物cの紫外線吸
収スペクトルである。
【図2】実施例2において調製した精製物cの赤外線吸
収スペクトルである。
フロントページの続き (72)発明者 岡 修一 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技 術院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 山崎 幸苗 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技 術院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 冨塚 登 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技 術院生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 井上 真美 茨城県牛久市岡見町960−144 (72)発明者 山本 幸織 茨城県稲敷郡江戸崎町蒲ヶ山6−5 (72)発明者 藤田 康子 茨城県つくば市千現1−5−5 片桐ハ イツ102 (72)発明者 大竹 徹 奈良県奈良市西大寺野神町1−6−31− 103 (72)発明者 川畑 拓也 大阪府堺市百舌鳥夕雲町2−210 (72)発明者 福森 保則 北海道札幌市中央区北4条西1丁目3番 地 ホクレン農業協同組合連合会内 審査官 鶴見 秀紀 (56)参考文献 特開 平9−20672(JP,A) Antiviral Researc h,vol.11,no.5−6,p263 −273,1989 Journal of Natura l Products,vol.56,n o.8,p1426−1430,1993 Chemical Abstract s,vol.126,no.25,p584, 1997,abstract no.329560 u (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 35/78 A61P 31/18 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シソ科に属する植物を水で抽出し、得ら
    れた抽出物をDEAE陰イオン交換クロマトグラフィー
    によって精製し、塩化ナトリウム水溶液、アセトンと水
    の混合溶液、またはアセトンと塩酸の混合溶液によって
    溶出される画分を取得する工程を含むことを特徴とす
    る、抗HIV活性物質の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の製造方法によって製造される
    抗HIV活性物質。
  3. 【請求項3】 図1に示す紫外線吸収スペクトルを有
    し、図2に示す赤外線吸収スペクトルを有する抗HIV
    活性物質。
  4. 【請求項4】 シソ科に属する植物の水抽出物から得ら
    れ、糖およびアミノ酸を含み、分子量が約10,000
    〜50,000である抗HIV活性物質。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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