JP3071808B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP3071808B2
JP3071808B2 JP2186747A JP18674790A JP3071808B2 JP 3071808 B2 JP3071808 B2 JP 3071808B2 JP 2186747 A JP2186747 A JP 2186747A JP 18674790 A JP18674790 A JP 18674790A JP 3071808 B2 JP3071808 B2 JP 3071808B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ベルト層をプライを積層して構成した空
気入りタイヤに関する。
従来の技術 従来、軽量でかつ高速耐久性の良好な空気入りタイヤ
としては、例えば特開昭63−145108号公報に記載されて
いるようなものが知られている。このものは、ベルト層
を、スチールコードをタイヤの周方向に対してほぼ平行
に螺旋状に巻き付けることにより構成した第1ベルト層
と、第1ベルト層に重なり合うとともに、タイヤ周方向
に対するコード角度を10〜50度とした有機繊維コードか
らなり、その幅方向両端部を折り返すことにより第1ベ
ルト層を包み込むようにした第2ベルト層と、から構成
したものである。
しかしながら、このような空気入りタイヤにあって
は、傾斜コードが埋設された第2ベルト層の幅方向両端
部を折り返すようにしているため、折り返し部において
コードは小さな曲率半径で屈曲することになり、この結
果、該部位のコードとゴムとの接着強度を確保すること
が困難となる。これにより、横加重を受けて転動してい
る状態では、折り返し端部の入力が大きいため、該部位
にセパレーションが発生するという問題点がある。
このような問題点を解決するため、本出願人は、特開
平2−81705号公報に記載されているような空気入りタ
イヤを提案した。このものは、ベルト層を、タイヤの赤
道に沿う向きの配向で、波形またはジグザグ状に揃って
並んだ補強素子を埋設した単一層の第1ストリップと、
タイヤの赤道面に対し15〜75度の傾斜角度の互いに平行
な配列になる補強素子を埋設した単一層の第2ストリッ
プと、の成層構造としたものである。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、このような空気入りタイヤに埋設され
ている補強素子は前述のように波形あるいはジグザク状
であるため、空気入りタイヤの走行によって繰り返し引
張、圧縮歪を受け、その表面、特に曲率半径の最も小さ
な部位の表面に大きな歪が発生するのである。これによ
り、長時間空気入りタイヤを走行すると、補強素子が疲
労によって破壊してしまうという問題点がある。そし
て、このような疲労破壊は、走行時におけるベルトの周
方向歪が最大であるベルト端部において最も顕著に発生
するのである。
この発明は、製造が容易で、プライ端でのセパレーシ
ョンを防止できるとともに補強素子の疲労破壊を防止す
ることができる空気入りタイヤを提供することを目的と
する。
課題を解決するための手段 このような目的は、タイヤ赤道面にほぼ直交する多数
本のコードが埋設された少なくとも1層のカーカスプラ
イからなるカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に
配置されたベルト層と、を備えた空気入りタイヤにおい
て、上記ベルト層を、内部に初期伸びが大きく螺旋状に
多数回巻き付けることによりタイヤ赤道面と実質上平行
に延びる金属補強素子が埋設された第1プライと、第1
プライに重なり合うとともに幅方向両側端に切断端を有
し、内部にタイヤ赤道面に対して15度から75度の角度で
交差する多数本の金属補強素子が埋設された単一層の第
2プライと、から構成し、前記第1プライに埋設された
補強素子の全重量を、第2プライに埋設された補強素子
の全重量の0.5倍から1.5倍の範囲内とするとともに、該
第1プライの幅方向片端部を幅方向内側に折り返して半
径方向内側に重ね合わせ、また、残りの幅方向片端部を
幅方向内側に折り返して半径方向外側に重ね合わせるこ
とにより達成することができる。
ここで、前記第1プライに埋設された補強素子の曲げ
こわさを、前記第2プライに埋設された補強素子の曲げ
こわさ以下とするとよい。
作用 この発明の空気入りタイヤにあっては、傾斜した補強
素子が埋設されている第2プライは幅方向両側端に切断
端を有しているため、折り返しは行われておらず、この
結果、プライ端でのセパレーションのおそれがない。ま
た、第1プライ内に埋設されている補強素子は、タイヤ
赤道面に実質上平行に延びているため、タイヤの走行に
より発生する歪は小さなもので、長期間の走行でも破断
に至るようなことはなく、耐久性が向上する。さらに、
第1プライの幅方向両端部を幅方向内側に折り返して重
ね合わせるようにしたので、周方向歪が最大となる第1
プライの両プライ端が強力に拘束され、これにより、該
部位における周方向歪が制限され、補強素子の疲労破壊
が防止される。しかも、この第1プライ内の補強素子は
前述のようにタイヤ赤道面に実質上平行に延びているの
で、該第1プライの幅方向両端部を前述のように折り返
したような場合でも該補強素子は屈曲されず、この結
果、該第1プライはプライ端でセパレーションを生じる
おそれはない。ここで、第1プライ内の補強素子が前述
のようにタイヤ赤道面に実質上平行であると、加硫成型
が困難になるとも考えられるが、この発明では、前記補
強素子として初期伸びが大きな素子を用いたので、加硫
成型は容易に行われる。また、第2プライの補強素子を
有機繊維ではなく、金属から構成しているので、正規荷
重以上の荷重時においても、コーナリングパワーの低下
はない。さらに、第1プライの補強素子の全重量を第2
プライの補強素子の全重量の0.5倍から1.5倍の範囲内と
したので、重量増加を招くことなくコーナリングパワー
の値を実用的な範囲内に収めることができる。また、こ
の発明においては、第1プライの幅方向片端部を幅方向
内側に折り返している半径方向内側に重ね合わせ、ま
た、残りの幅方向片端部を幅方向内側に折り返して半径
方向外側に重ね合わせるようにしているが、このような
形状は、金属補強素子を螺旋状に多数回連続的に巻き付
けることで、即ち、金属補強素子を幅方向外側に向かっ
て螺旋状に巻き付けることで幅方向片端部を、続いて、
その巻き付け方向を逆転し、残りの幅方向片端部に向か
って螺旋状に巻き付けることで、巻始め部が前記幅方向
片端部の半径方向外側に重なり合っている主体部を、さ
らに続いて、巻き付け方向を逆転し、幅方向内側に向か
って螺旋状に巻き付けることで、主体部の半径方向外側
に重なり合っている残りの幅方向片端部を構成すること
ができる。このように補強素子を巻き付け方向を逆転さ
せながら連続的に巻き付けるだけで第1プライを製造す
ることができ、これにより、その製造が容易となる。
また、請求項2に記載のように、第1プライに埋設さ
れた補強素子の曲げこわさを、第2プライに埋設された
補強素子の曲げこわさ以下とすることが好ましい。その
理由を以下に説明する。即ち、一般に、補強素子の曲げ
こわさと空気入りタイヤの周方向曲げ剛性とは比例関係
にあるため、補強素子の曲げこわさを大きくすると、空
気入りタイヤの周方向曲げ剛性も大きくなる。そして、
空気入りタイヤの周方向曲げ剛性が大きくなると、空気
入りタイヤを荷重負荷転動させたとき、ベルト層が曲が
りにくくなり、その結果、バックリングが発生して空気
入りタイヤの接地性が悪化し、特に湿潤路面での操縦安
定性が低下してしまうのである。しかも、プライの周方
向曲げは、補強素子のタイヤ赤道面に対する交差角をZ
としたとき、cos4Zに比例することが知られており、こ
のことから、Zが零、即ち補強素子がタイヤ赤道面に実
質上平行に延びているプライは最も周方向曲げ剛性が大
きなプライとなるのである。したがって、タイヤ赤道面
に実質上平行な第1プライの補強素子の曲げこわさが、
第2プライの補強素子の曲げこわさより大きいと、空気
入りタイヤの接地性が悪化して操縦安定性が低下するた
め、第1プライに埋設されタイヤ赤道面に実質上平行な
補強素子の曲げこわさを、第2プライに埋設された傾斜
している補強素子の曲げこわさ以下とすることが好まし
いのである。ここで、補強素子の曲げこわさは、該補強
素子の断面2次モーメントIとヤング率Eとの積である
が、ヤング率Eは一定と考えられるので、前述のことを
言い換えれば、第1プライの補強素子の断面2次モーメ
ントIの値が第2プライの補強素子の断面2次モーメン
トIの値以下ということになる。そして、前記断面2次
モーメントIは、補強素子を構成するフィラメントの本
数をn、各フィラメントの直径をdi(i=1〜n)、各
フィラメントの重心から補強素子断面の図心までの距離
をei(i=1〜n)、各フィラメントの断面積をAi(i
=1〜n)とすると、以下の式により表すことができ
る。
実施例 以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
第1、2図において、1は空気入りタイヤであり、こ
のタイヤ1は一対のビード部2と、これらビード部2か
らそれぞれほぼ半径方向外側に向かって延びる一対のサ
イドウオール部3と、両サイドウオール部3間に跨って
延びる円筒状をしたトレッド部4とを有している。ま
た、前記タイヤ1は、一方のビード部2から他方のビー
ド部2に亘って延びるトロイダル状をしたカーカス層8
で補強されており、このカーカス層8の両側端部はビー
ドリング9の廻りに軸方向内側から軸方向外側に向かっ
て巻き上げられている。このカーカス層8は少なくとも
1層のカーカスプライ、この実施例では1層のカーカス
プライ11から構成され、このカーカスプライ11内にはタ
イヤ赤道面Sにほぼ直交する多数本のコード12が埋設さ
れている。前記カーカス層8の半径方向外側にはベルト
層14が設けられ、このベルト層14は第1プライ15と単一
層の第2プライ16との2層のプライを互いに重ね合わせ
て構成している。そして、この実施例では第1プライ15
を半径方向外側に、第2プライ16を半径方向内側に配置
するとともに、第1プライ15の幅を第2プライ16の幅よ
り僅かに広くしている。ここで、第1プライ15を半径方
向内側に、第2プライ16を半径方向外側に配置してもよ
いが、このようにすると後述するようにコーナリングパ
ワーが若干低下するため、この実施例のように配置する
ことが好ましい。また、第1プライ15の幅を第2プライ
16の幅より僅かに狭くしてもよいが、このようにする
と、最大の周方向歪が発生する第2プライ16の幅方向両
端に対する拘束が弱くなるので、この実施例のような幅
にすることが好ましい。さらに、この実施例では第2プ
ライ16は幅方向両側端に切断端を有し、この結果、第2
プライ16の幅方向両端部は第1プライ15の廻りに折り返
されていない。これにより、第2プライ16のプライ端で
のセパレーションが発生するようなことはない。また、
前記第1プライ15の内部には補強素子18が埋設されてい
るが、これら補強素子18は後述するように螺旋状に多数
回巻き付けることにより、タイヤ赤道面Sと実質上平行
に延びている。この結果、タイヤ1の走行により補強素
子18に発生する歪は、補強素子が波形あるいはジグザグ
状に屈曲している場合に比較して小さなものとなる。こ
のため、タイヤ1を長期間走行させても、補強素子18が
破断に至るようなことはなく、タイヤ1の耐久性が向上
する。さらに、前記第1プライ15の幅方向両端部は、プ
ライ端を強力に拘束するため、幅方向内側に折り返され
重ね合わされている。ここで、第1プライ15の幅方向両
端部には前述のように最大の周方向歪が生じているが、
このような周方向歪は前記折返しにより制限され、補強
素子18の疲労破壊が防止される。そして、前述した第1
プライ15の幅方向両端部、詳しくは、その幅方向片端部
は幅方向内側に折り返されて主体部の半径方向内側に重
ね合わされ、また、残りの幅方向片端部は幅方向内側に
折り返されて主体部の半径方向外側に重ね合わせされて
いる。ここで、このような形状をした第1プライ15は、
補強素子18を螺旋状に多数回連続的に巻き付けること
で、即ち、補強素子18を幅方向外側に向かって螺旋状に
巻き付けることで幅方向片端部を、続いて、その巻き付
け方向を逆転し、残りの幅方向片端部に向かって螺旋状
に巻き付けることで、巻始め部が前記幅方向片端部の半
径方向外側に重なり合っている主体部を、さらに続い
て、巻き付け方向を逆転し、幅方向内側に向かって螺旋
状に巻き付けることで、主体部の半径方向外側に重なり
合っている残りの幅方向片端部を構成することができ
る。このように補強素子18を巻き付け方向を逆転させな
がら連続的に巻き付けるだけで第1プライ15を製造する
ことができ、その製造が容易となる。また、前記補強素
子18は複数本のフィラメントを撚り合わせて構成したコ
ードからなるとともに、たが効果を発揮させるために金
属、例えばスチールから構成している。そして、前述し
た巻き付け時における補強素子18の形態としては、少な
くとも1本の補強素子18あるいは複数本の補強素子18を
ゴム被覆したストリップが考えられる。また、前記補強
素子18は大きな初期伸び(補強素子18に作用する加重を
0.25kgfから5.0kgfまで増加させたときの補強素子18の
伸びを%で表示したもの)、例えば0.4%から1.5%程度
の初期伸びを有している。この結果、補強素子18がタイ
ヤ赤道面Sと実質上平行に延びていても、タイヤ1の加
硫を何等の問題もなく、即ちベルト層14等の波打ちある
いは加硫セグメントへの噛込み等を生じることなく行う
ことができる。ここで、前述のような大きな初期伸びを
有する補強素子としては、例えば、一緒に撚り合わされ
た複数個のワイヤにより形成されたストランドによって
構成され、個々のストランドまたはコードを全て同一方
向に巻き付けたもの(いわゆる高伸張性コード)、ある
いは、特開昭60−116504号公報に記載されているような
素子、即ち、コードを構成するフィラメントをコードに
撚る前に、撚りコードにおけるフィラメントの形状と同
様の形状に予め弾性限界を超える応力を与えて型付け
し、その後、これらフィラメントを撚ってコードに成形
したもの、が挙げられる。ここで、フィラメントに予め
与える型付け量(振幅)は、コード状態でのフィラメン
トの最大径の98%とするとよい。
一方、前記第2プライ16内には多数本の補強素子20が
埋設され、これらの補強素子20はタイヤ赤道面Sに対し
て15度から75度の角度A、この実施例では25度の角度で
交差している。これらの補強素子20は例えば単線フィラ
メントあるいは複数本のフィラメントを撚り合わせて構
成したコードからなり、しかも、有機繊維ではなく、金
属、例えばスチールから構成されている。このように補
強素子20を金属から構成すると、後述するように正規荷
重を超える荷重がタイヤ1に作用したときのコーナリン
グパワーを実用的な範囲内に維持することができるが、
有機繊維から構成した場合には、正規荷重を超える荷重
時にコーナリングパワーが大きく低下し、操縦安定性が
悪化してしまうのである。その理由は、有機繊維自身は
曲げ剛性が殆ど零に等しいため、補強素子に有機繊維を
用いると、タイヤ1にサイドフォースが作用したとき、
該補強素子が簡単に変形するからであり、逆に、補強素
子20を曲げ剛性の高い金属から構成すると、タイヤ1に
サイドフォースが作用したとき、該補強素子20がタイヤ
1の変形を抑制してコーナリングパワーの低下を防止す
るからであると、考えられる。また、前記第1プライ15
に埋設されている補強素子18の全重量は、第2プライ16
に埋設されている補強素子20の全重量の0.5倍から1.5倍
の範囲内とする必要がある。その理由は、第1プライ15
に埋設されている補強素子18の全重量を、第2プライ16
に埋設されている補強素子20の全重量で除した値Bが0.
5未満であると、後述するように、コーナリングパワー
が10%以上低下して操縦安定性が悪化してしまうからで
あり、一方、1.5を超えると、コーナリングパワーの増
大が飽和するにも拘らず重量だけが増加し、重量増加の
欠点が顕著となるからである。25は前記ベルト層14の半
径方向外側に配置されたトレッドゴムである。
次に、第1試験例を説明する。この試験においては、
従来タイヤと、この発明を実施した供試タイヤ1、2
と、比較タイヤ1、2とを準備した。ここで、従来タイ
ヤはベルト層を、半径方向最外側のプライを第1プラ
イ、半径方向最内側のプライを第4プライとする4層の
プライから構成し、第1、第2プライ内にタイヤ赤道面
に実質上平行なナイロンコードを埋設するとともに、こ
れら第1、第2プライの幅をともに190mmとし、また、
第3プライ内にタイヤ赤道面に対して+23度の角度で交
差するスチールコード(コード種1×5×0.23)を埋設
するとともに、その幅を165mmとし、さらに、第4プラ
イ内にタイヤ赤道面に対して−23度の角度で交差するス
チールコード(コード種1×5×0.23)を埋設するとと
もに、その幅を175mmとしたものである。また、供試タ
イヤ1は半径方向外側に配置した第1プライ内にタイヤ
赤道面に実質上平行なスチールコード(コード種3×4
×0.12)を埋設するとともに、その幅を180mmとし、ま
た、半径方向内側に配置した第2プライ内にタイヤ赤道
面に対して25度の角度で交差するスチールコード(コー
ド種1×5×0.23)を埋設するとともに、その幅を170m
mとし、さらに値Bを1.0としたタイヤであり、供試タイ
ヤ2は前記供試タイヤ1の第1、第2プライの配置を逆
転、即ち第1プライを半径方向内側に、第2プライを半
径方向外側に配置し、他は供試タイヤ1と同様のタイヤ
である。さらに、比較タイヤ1は半径方向外側の第1プ
ライ内にタイヤ赤道面に実質上平行なスチールコード
(コード種3×4×0.12)を埋設するとともに、その幅
を180mmとし、また、半径方向内側の第2プライ内にタ
イヤ赤道面に対して25度の角度で交差するアラミド系有
機繊維コードを埋設するとともに、その幅を170mmと
し、さらに前記値Bを9.3としたタイヤであり、比較タ
イヤ2は前記比較タイヤ1の第1、第2プライの配置を
逆転、即ち第1プライを半径方向内側に、第2プライを
半径方向外側に配置し、他は比較タイヤ1と同様のタイ
ヤである。ここで、これら各タイヤのサイズは205/60
R15であった。次に、これら各タイヤに2.0 kgf/cm2の内
圧を充填した後、200kgf、520kgf(正規荷重)、800kgf
の荷重をそれぞれ作用させながら、試験ドラム上を時速
50kmで走行させ、スリップ角1度のときのコーナリング
パワーを測定した。その結果を従来タイヤを指数100と
して第3図に示す。第3図において、白丸は供試タイヤ
1、黒丸は供試タイヤ2、白三角は比較タイヤ1、黒三
角は比較タイヤ2である。この第3図から明らかなよう
に、タイヤ赤道面に対して傾斜したコードを有機繊維
(ここではアラミド繊維)から構成していると、コーナ
リングパワーが低下し、特にタイヤに作用する荷重が正
規荷重以上となったとき著しく低下し、実用に供するこ
とができない。
次に、第2試験例について説明する。この試験におい
ては、前記供試タイヤ1と構造的に類似した比較タイヤ
3、4、5、6および供試タイヤ3、、4、5を準備し
た。ここで、これら比較、供試タイヤは第2プライのス
チールコードを同一コード種、同一打ち込み本数とし、
第1プライのスチールコードを同一コード種としながら
打ち込み本数を互いに異ならせて、第1プライのコード
の全重量を第2プライのコードの全重量で除した値Bを
変化させている。即ち、第1プライのコードの全重量を
第2プライのコードの全重量で除した値Bを、比較タイ
ヤ3では0.25、供試タイヤ3では0.5、供試タイヤ4で
は1.0、供試タイヤ5では1.5、比較タイヤ4では2.0、
比較タイヤ5では3.0、比較タイヤ6では4.0とした。次
に、このような各タイヤのコーナリングパワーを前記第
1試験例と同様に測定した。その結果を第4図に前記値
Bが1.0である供試タイヤ4を指数100として示す。この
第4図から明らかなように、値Bが0.5未満であると、
コーナリングパワーが実用上許容できる値(90)以下と
なるため使用することができず、一方、値Bが1.5を超
えると、コーナリングパワーの増大が飽和して重量増加
のデメリットだけが大きくなるからであり、実際に使用
できるのは、前記値Bが0.5から1.5の範囲内だけであ
る。
次に、第3試験例を説明する。この試験に当たって
は、比較タイヤ7および前記比較タイヤ1さらに前記供
試タイヤ4を準備した。ここで、比較タイヤ7は半径方
向外側の第1プライ内にタイヤ赤道面に沿って延びると
ともに波状に屈曲したスチールコード(コード種1×4
×0.23)を埋設するとともに、半径方向内側の第2プラ
イ内にタイヤ赤道面に対して25度の角度で交差するスチ
ールコード(コード種1×5×0.23)を埋設したもので
あり、値Bは1.0である。ここで、これら各タイヤのサ
イズは205/60 R15であった。次に、このような各タイ
ヤに2.0kgf/cm2の内圧を充填した後、正規荷重(520kg
f)を負荷しながらドラム上を時速50kmで走行させ、ス
リップ角1度のときのコーナリングパワーを測定した。
その結果を指数表示で示すと、比較タイヤ7にあって
は、100であったが、比較タイヤ1では65まで低下し、
一方、供試タイヤ4では105に向上していた。次に、前
記各タイヤに正規荷重を負荷しながらドラム上を2度の
スリップ角を与えながら時速60kmで合計4万km走行さ
せ、走行終了時においてコードの折れ本数を計数した。
その結果を示すと、比較タイヤ7では10本折れていた
が、比較タイヤ1、供試タイヤ4のいずれもが1本も折
れていなかった。
次に、第4試験例を説明する。この試験に当たって
は、供試タイヤ1および比較タイヤ8を準備した。ここ
で、比較タイヤ8は、第1、第2プライの幅を供試タイ
ヤ1と同一とし、また、第2プライの補強素子にアラミ
ド繊維を用いたタイヤである。次に、第3試験例と同様
の耐久ドラム条件でスリップ角2度を与えながら時速60
kmで走行させた。その結果を示すと、供試タイヤ1は異
常なく4万km完走したが、比較タイヤ8は3万2千kmで
折り返し端部のセパレーションから破壊に到った。
次に、第5試験例を説明する。この試験に当たって
は、前記供試タイヤの構造的に類似した比較タイヤ9お
よび供試タイヤ6、7、8を準備した。ここで、これら
比較、供試タイヤは第2プライのスチールコードを同一
コード種、同一打ち込み本数とし、第1プライのコード
種を互いに異ならせることにより、第1プライの補強素
子の断面2次モーメントを第2プライの補強素子の断面
2次モーメントで除した値Cを互いに異ならせた。即
ち、前記値Cを供試タイヤ6では0.38(第1プライに1
×5×0.18のコードを使用)、供試タイヤ7では0.64
(第1プライに1×3×0.30を使用)、供試タイヤ8で
は1.00(第1プライに第2プライと同一の1×5×0.23
を使用)、比較タイヤ9では1.40(第1プライに1×5
×0.25を使用)とした。ここで、第2プライの補強素子
は、1×5×0.23を使用している。次に、このような各
タイヤに正規内圧を充填するとともに正規荷重を負荷
し、スリップ角8度を与えながら時速5kmで走行させ、
このときの各タイヤの内面のバックリング量を内面レー
ザー測定法を用いて測定した。その結果を第5図に、前
記値Cの値が1.00である供試タイヤ8を指数100として
示す。この第5図から明らかなように、値Cが1.00を超
えると、バックリング量が増加し、その結果、踏面の浮
き上がりが大きくなる、即ち、接地性が悪化するのであ
る。したがって、実際に使用できるのは、前記値Cが1.
00以下のときだけである。
発明の効果 以上説明したように、この発明によれば、製造が容易
で、プライ端でのセパレーションを防止できるととも
に、ベルト層に埋設された補強素子の疲労破壊を防止す
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す子午線断面図、第2
図は一部が破断された第1図のX−X矢視図、第3図は
荷重とコーナリングパワーとの関係を示すグラフ、第4
図は値Bとコーナリングパワーとの関係を示すグラフ、
第5図は値Cとバックリング量との関係を示すグラフで
ある。 1……空気入りタイヤ、8……カーカス層 11……カーカスプライ、12……コード 14……ベルト層、15……第1プライ 16……第2プライ、18……補強素子 20……補強素子、S……タイヤ赤道面

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤ赤道面にほぼ直交する多数本のコー
    ドが埋設された少なくとも1層のカーカスプライからな
    るカーカス層と、カーカス層の半径方向外側に配置され
    たベルト層と、を備えた空気入りタイヤにおいて、上記
    ベルト層を、内部に初期伸びが大きく螺旋状に多数回巻
    き付けることによりタイヤ赤道面と実質上平行に延びる
    金属補強素子が埋設された第1プライと、第1プライに
    重なり合うとともに幅方向両側端に切断端を有し、内部
    にタイヤ赤道面に対して15度から75度の角度で交差する
    多数本の金属補強素子が埋設された単一層の第2プライ
    と、から構成し、前記第1プライに埋設された補強素子
    の全重量を、第2プライに埋設された補強素子の全重量
    の0.5倍から1.5倍の範囲内とするとともに、該第1プラ
    イの幅方向片端部を幅方向内側に折り返して半径方向内
    側に重ね合わせ、また、残りの幅方向片端部を幅方向内
    側に折り返して半径方向外側に重ね合わせるようにした
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記第1プライに埋設された補強素子の曲
    げこわさが、前記第2プライに埋設された補強素子の曲
    げこわさ以下である請求項1記載の空気入りタイヤ。
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