JP3071690B2 - 連続圧延機のルーパ制御装置 - Google Patents

連続圧延機のルーパ制御装置

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JP3071690B2
JP3071690B2 JP8100337A JP10033796A JP3071690B2 JP 3071690 B2 JP3071690 B2 JP 3071690B2 JP 8100337 A JP8100337 A JP 8100337A JP 10033796 A JP10033796 A JP 10033796A JP 3071690 B2 JP3071690 B2 JP 3071690B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に熱間圧延仕上
げミル等の連続圧延機において用いるルーパの制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常ルーパは、熱間連続圧延機の各スタ
ンド間に配され、各スタンド間における圧延材のループ
量及び圧延材張力を安定維持する機能を司っており、圧
延材通板時等における圧延材トップのスタンド噛み込み
直後のようなライン速度の外乱により生じる角速度の変
動を角度一定制御を行うことによって、補償する方法が
採用されている。
【0003】この角度一定制御の制御方法としては、ル
ーパ角度を測定し、測定したルーパ角度と、予め設定し
たルーパ角度の目標値との差を解消するようにロールの
周速度を修正する方法等が知られている。例えば、特開
昭56−47209号公報(以下、第一従来例とい
う。)に記載のルーパ制御装置では、ルーパ角度を測定
し、測定したルーパ角度に基づき、圧延材の入り側及び
出側のスタンド間の速度不整合量を求め、この差を解消
するようにロールの周速度を変更調節している。
【0004】また、例えば、特開昭61−222621
号公報(以下、第二従来例という。)に記載のルーパ制
御装置では、ルーパ角度偏差に基づきミルモータの速度
を調整するルーパ高さ一定制御に、角速度を一定にする
角速度一定制御をマイナーループとして具備し、ルーパ
高さ一定制御の出力を角速度一定制御の目標角速度とし
て用い、ルーパ角度及びルーパ角速度に基づきルーパの
角度一定制御を行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の第一従来例
のルーパ制御装置においては、ルーパ角度のみを測定し
このルーパ角度のみに基づいてロールの周速度を修正す
るようにしており、圧延機の実績値としてはルーパ角度
のみに基づきルーパ角度の制御を行っているが、ルーパ
角度の目標角度への追従性、オーバシュートの発生等、
制御系の応答特性の点において不十分であった。
【0006】また、第二従来例のルーパ制御装置におい
ては、ルーパ高さ(ルーパ角度)一定制御を行うメイン
ループに対してマイナーループをカスケードに連結して
いるため、メインループとマイナーループとを独立に調
整することができず、十分な制御系の応答特性を得るこ
とができなかった。
【0007】そこで、この発明は、上記従来の問題点に
着目してなされたものであり、ルーパの角度制御におけ
る応答性を向上させてルーパ角度を安定させ、寸法精度
の良い圧延材を製造することのできる連続圧延機のルー
パ制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る連続圧延機のルーパ制御装置は、ロー
ルをそれぞれ有するスタンド間にルーパを配し、当該ル
ーパの実角度と目標角度との角度偏差をもとに、前記ロ
ールの周速度変更量を設定し、当該周速度変更量に応じ
て前記ロールの周速度を調節して前記実角度を前記目標
角度に一致させるようにした連続圧延機のルーパ制御装
置において、前記実角度を前記目標角度に所定の応答特
性で一致させることが可能なルーパの目標角速度であっ
て、前記角度偏差に応じて予め設定したルーパの目標角
速度に前記ルーパの実角速度を一致させるように前記周
速度変更量を補正する補正手段を備えることを特徴とし
ている。
【0009】この発明の連続圧延機のルーパ制御装置に
よれば、ルーパの実角度と目標角度との角度偏差をもと
に、ロールの周速度変更量が設定され、この周速度変更
量に応じてロールの周速度が調節される。このとき、予
め設定された、ルーパの実角度を目標角度に一致させる
際に所定の応答特性で一致させることの可能な目標角速
度が、例えば周速度変更量など、角度偏差に基づく値に
応じて検出され、求めた目標角速度と実角速度との角速
度偏差に基づき、周速度変更量が補正される。よって、
例えば目標角速度を、予め理想的な応答特性で制御でき
るように設定しておけば、角度制御に伴う角速度変化等
の外乱が除去され、予め設定した理想的な応答特性で角
度制御が行われる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。図1は、本発明による連続圧延機のルーパ制御
装置の一例を示すブロック図である。
【0011】図中、i,i+1は隣り合う2つのスタン
ド、1はルーパ、2は圧延材を示している。ルーパ1は
スタンドi及びi+1間にあって、図1において左方向
から通された圧延材2をルーパ1との接触面側から上方
に向けて押圧し、圧延材2に適切な張力を付与すると共
に、スタンドi及びi+1間に適正な圧延材2のループ
量を確保するようになっている。
【0012】このルーパ1は先端部にローラ1aを枢支
したルーパアーム1bの基端部を例えば油圧又は電動モ
ータ等のルーパモータ3に連繋して構成されており、そ
のルーパアーム1bの水平位置から上方への回動角度で
あるルーパ角度(ルーパの実角度)θ及びそのルーパ角
速度(ルーパの角速度)ωはこれに敷設した角度検出器
4及び角速度検出器5によって検出される。前記角度検
出器4は、シンクロ、或いはパルスジェネレータ等で構
成され、角速度検出器5はタコジェネレータ等で構成さ
れている。
【0013】そして、角度検出器4で検出されたルーパ
角度θは演算器11へ入力され、演算器11では、予め
設定されたルーパ目標角度θREF とルーパ角度θとの差
を求め、角度偏差Δθ(=θ−θREF )としてルーパ高
さ制御部12に出力する。このルーパ高さ制御部12で
は、角度偏差Δθをもとに、角度偏差Δθを解消するた
めのロール速度変更量(周速度変更量)ΔVREF を算出
し、これを演算器13に出力すると共に、規範モデル形
成部14に出力する。
【0014】この規範モデル形成部14では、予め設定
されている規範モデルに基づき、ロール速度変更量ΔV
REF に対応する角速度を検出し、これを目標角速度ω
REF として演算器15に出力する。
【0015】この目標角速度ωREF は、ロール速度変更
量ΔVREF に基づいてルーパ1の角度制御を行う場合
に、任意に設定した応答特性を得ることのできる角速度
を、ロール速度変更量ΔVREF と対応させて設定したも
のであり、例えば、次式に基づいて設定される。
【0016】 ωREF ={d/(as2 +bs+c)}・ΔVREF 前記演算器15では、入力される目標角速度ωREF と、
角速度検出器5からのルーパ角速度ωとを入力し、これ
らの偏差を求めこれを外乱Δω(=ωREF −ω)として
速度補正部16に出力する。この速度補正部16では、
入力される外乱Δωをもとに、この外乱Δωを解消する
ための速度補正量ΔVωを算出し、これを前記演算器1
3に出力する。
【0017】そして、演算器13では、ロール速度変更
量ΔVREF と速度補正量ΔVωとを加算し、これを速度
変更指令値ΔV* (=ΔVREF +ΔVω)として、速度
制御部17に出力する。速度制御部17では、入力され
た速度変更指令値ΔV* に応じて予め設定されたロール
速度設定値を補正し、補正した速度設定値を実現するた
めに必要な圧延機モータ20に対する制御量を算出する
と共に、これに相応する制御信号を圧延機モータ20に
出力する。
【0018】これによって、圧延機モータ20の回転数
が調節されて、ロールの回転速度が調節され、圧延材2
の張力変化に応じてルーパ角度が制御される。ここで、
演算器13,規範モデル形成部14,演算器15及び速
度補正部16が補正手段に対応している。
【0019】なお、前記ルーパモータ3は例えば図示し
ない張力制御装置等によって制御され、例えばルーパア
ーム1bのルーパ角速度ωに基づいて圧延材2の張力を
算出し、予め設定した張力指令値と比較してその張力偏
差を求め、この張力偏差を解消するためのトルク修正量
に応じてルーパモータ3を駆動制御し、圧延材2に所定
の張力を付与するようになっている。
【0020】次に、上記実施の形態の動作を説明する。
今、ルーパアーム1bの角度θが予め設定された目標角
度θREF と一致し、圧延材2が所定の張力を維持した状
態で通板されているものとする。この場合、ルーパ角度
θと目標角度θREF とが一致することから、角度偏差Δ
θが零となり、速度補正量ΔVωは零となる。よって、
ロール速度は補正されずに、予め設定された所定のロー
ル速度設定値に基づいて圧延機モータ20が駆動制御さ
れる。
【0021】この状態から、例えばスタンド間のロール
速度の設定誤差等によって圧延材2の張力が変化し、張
力が強くなるとこれによってルーパ角度θが目標角度θ
REFよりも小さくなり、逆に張力が小さくなるとルーパ
角度θが目標角度θREF よりも大きくなる。このルーパ
角度θと目標角度θREF との差が角度偏差Δθとして検
出され、この角度偏差Δθを解消可能なロール速度変更
量ΔVREF が算出される。
【0022】そして、このロール速度変更量ΔVREF
けロール速度を変更する際に、理想的応答特性、すなわ
ち、角度偏差を解消するためのロール速度の変更に伴う
ルーパ角度θの応答特性を、オーバシュートが小さく、
ルーパ角度θの変動が少ない応答特性となるように制御
することの可能なロール速度変更量ΔVREF に応じた目
標角速度ωREF が設定される。そして、この目標角速度
ωREF とルーパ角速度ωとの偏差である外乱Δωを解消
可能な速度補正量ΔVωが算出されて、角度偏差Δθを
解消するためのロール速度変更量ΔVREF と外乱Δωを
解消するための速度補正量ΔVωに基づいてロール速度
変更量ΔV* が設定される。
【0023】したがって、このようにして設定したロー
ル速度変更量ΔV* に基づいて圧延機モータ20を駆動
制御することによって、角度偏差θが解消されると共
に、この角度偏差θを解消するためのルーパ角度制御に
伴う角速度変化による外乱Δωが推定され、この外乱Δ
ωをも解消するようにルーパ角度の制御が行われること
になる。そして、このとき目標角速度ωREF は予め設定
した理想的な応答特性となり得る値を設定しているか
ら、ルーパ角度の応答特性は理想的な応答特性に追従す
ることになって、ルーパ角度制御に伴う外乱の影響を受
けることを回避し、システムの外乱抑制特性を改善する
ことができる。よって、オーバシュートを低減し、且
つ、ルーパ角度変動を小さくし安定させることが可能で
あるから、ルーパ角度θの目標角度θREF への追従性を
向上させ、より早い段階で目標値と一致させることがで
き、制御性を向上させると共に安定且つ高応答な制御特
性を得ることができる。
【0024】したがって、ルーパ角度制御を高精度に且
つ高応答に制御することができるから、均一な圧延を行
うことができることになって、圧延材の板圧及び板幅等
の寸法精度を向上させることができる。
【0025】また、通板尻抜け時等のルーパ角度の急変
時においても、予め設定した目標角速度ωREF に追従す
るようにしているから、ルーパ角速度の大きな変動を防
止し、安定性を向上させて安定した張力を得ることがで
きる。
【0026】また、圧延機の実績値としてルーパ角度θ
とルーパ角速度ωとを測定し、これらに基づきルーパ角
度θの制御を行うようにしたから、従来に比較して圧延
機の状態に応じたより的確な制御を行うことができ、よ
り安定し、且つ応答性の高いルーパ角度制御を行うこと
ができる。
【0027】さらに、ルーパ角度θと目標角度θREF
の角度偏差Δθを解消可能なロール速度変更量ΔVREF
に対し、この角度偏差Δθを解消するためのロール速度
の変更に伴うルーパ角速度の外乱Δωを解消するための
速度補正量ΔVωを足し合わせてロール速度変更量ΔV
* を設定するようにしているから、実機適用時に速度補
正部16のゲインを調整することができ、外乱及びルー
パの角度偏差に対する調整をそれぞれ独立して行うこと
ができ、実機に応じた的確なルーパ角度の制御を行うこ
とができる。
【0028】なお、上記実施の形態においては、2スタ
ンド間での張力制御板幅制御に適用した場合について説
明したが、これに限定されるものではなく、3スタンド
以上の場合でも同様の制御を行うことができる。
【0029】また、上記実施の形態においては、ロール
速度変更量ΔVREF に基づいて規範モデル形成部14で
目標角速度ωREF を設定するようにした場合について説
明したが、角度偏差Δθに基づいて目標角速度を設定す
るようにすることも可能であり、上記と同等の作用効果
を得ることができる。
【0030】さらに、上記実施の形態においては、上記
実施の形態においては、目標角速度ωREF を、ロール速
度変更量ΔVREF に基づく伝達関数の応答特性が二次遅
れ特性となるように設定する場合について説明したが、
これに限定されるものではなく、例えば、一次遅れ特
性、或いは比例特性、その他高次の遅れ特性を示すもの
でもよい。
【0031】
【実施例】本発明におけるルーパ制御装置と従来のルー
パ制御装置とによって、ルーパ角度制御のステップ応答
を比較した。図2は本発明のルーパ制御装置による応答
特性、図3はルーパ制御装置による応答特性を表したも
のである。
【0032】図2及び図3からわかるように、従来に比
較して応答性に優れ、オーバシュートを大幅に削減して
その変動を低減し、安定且つ急峻な目標値追従特性を達
成することができることが確認された。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る連続
圧延機のルーパ制御装置によれば、ルーパの実角度と目
標角度との角度偏差をもとにロールの周速度変更量を設
定し、さらに、前記角度偏差を解消するにあたって、予
め設定した所定の応答特性を得ることのできる目標角速
度を求め、これに実角速度が追従するように周速度変更
量を補正するようにしたから、ルーパ角度制御に伴う角
速度変化等の外乱を除去し、安定且つ急峻な応答特性で
ルーパ角度の制御を行うことができる。よって、ルーパ
角度の変動が防止されるから、寸法精度の良い圧延材を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続圧延機のルーパ制御装置の一例を
示すブロック図である。
【図2】本発明の連続圧延機のルーパ制御装置によるル
ーパ角度のステップ応答特性を表す特性図である。
【図3】従来の連続圧延機のルーパ制御装置によるルー
パ角度のステップ応答特性を表す特性図である。
【符号の説明】
1 ルーパ 2 圧延材 3 ルーパモータ 4 角度検出器 5 角速度検出器 12 ルーパ高さ制御部 14 規範モデル形成部 16 速度補正部 20 圧延機モータ i,i+1 スタンド θ ルーパ角度 θREF 目標角度 ω ルーパ角速度 ωREF 目標角速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/48 - 37/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロールをそれぞれ有するスタンド間にル
    ーパを配し、当該ルーパの実角度と目標角度との角度偏
    差をもとに、前記ロールの周速度変更量を設定し、当該
    周速度変更量に応じて前記ロールの周速度を調節して前
    記実角度を前記目標角度に一致させるようにした連続圧
    延機のルーパ制御装置において、前記実角度を前記目標
    角度に所定の応答特性で一致させることが可能なルーパ
    の目標角速度であって、前記角度偏差に応じて予め設定
    したルーパの目標角速度に前記ルーパの実角速度を一致
    させるように前記周速度変更量を補正する補正手段を備
    えることを特徴とする連続圧延機のルーパ制御装置。
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CN113909307B (zh) * 2021-08-30 2024-03-15 北京首钢自动化信息技术有限公司 一种活套控制方法及装置

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材料とプロセス、平成4年、第5巻、第2号、p.358

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