JP3071531B2 - 車両用空調装置のコンプレッサ制御装置 - Google Patents
車両用空調装置のコンプレッサ制御装置Info
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- JP3071531B2 JP3071531B2 JP3334408A JP33440891A JP3071531B2 JP 3071531 B2 JP3071531 B2 JP 3071531B2 JP 3334408 A JP3334408 A JP 3334408A JP 33440891 A JP33440891 A JP 33440891A JP 3071531 B2 JP3071531 B2 JP 3071531B2
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- capacity
- evaporator
- cooling water
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用空調装置に設け
られた可変容量コンプレッサの制御装置に関する。
られた可変容量コンプレッサの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンのオーバーヒートを防止
するため、エンジンの冷却水温度が高いとき、可変容量
コンプレッサの容量を小さくする技術が、特開昭59−
18017号公報並びに特開昭60−64021号公報
等に示されている。
するため、エンジンの冷却水温度が高いとき、可変容量
コンプレッサの容量を小さくする技術が、特開昭59−
18017号公報並びに特開昭60−64021号公報
等に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
技術では、エンジン冷却水温度の絶対値のみに基づいて
コンプレッサ容量を制御しているため、次の問題点があ
った。
技術では、エンジン冷却水温度の絶対値のみに基づいて
コンプレッサ容量を制御しているため、次の問題点があ
った。
【0004】(1)エンジン冷却水温度は走行状態によ
って常に変動しており、それに応じて上記制御によりコ
ンプレッサの負荷が変化すると、「エンジン負荷が変動
する」→「冷却水温度が変動する」→「それに応じてコ
ンプレッサ容量を制御する」→「コンプレッサ負荷が変
化する」、という動作を繰り返す制御ハンチングが生じ
る。
って常に変動しており、それに応じて上記制御によりコ
ンプレッサの負荷が変化すると、「エンジン負荷が変動
する」→「冷却水温度が変動する」→「それに応じてコ
ンプレッサ容量を制御する」→「コンプレッサ負荷が変
化する」、という動作を繰り返す制御ハンチングが生じ
る。
【0005】(2)エンジン冷却水温度の変化速度は、
走行状態や外気温度によって変化する。例えば高外気温
時に、高速走行から急にアイドル状態になった場合、冷
却水温度の上昇速度が非常に大きくなる。そのため、冷
却水温度の上昇に応じて容量減少の制御信号を発して
も、実際に容量可変部材が作動してコンプレッサ容量が
小さくなり、それによりエンジン負荷が小となるまでに
は時間的な遅れがあり、制御が間に合わずにオーバーヒ
ートを起こしてしまうことがある。特に斜板式の可変容
量コンプレッサを用いている場合は、圧力バランスで容
量が変化するようになっているので、容量可変部材の作
動から実際に容量小となるまでに6〜7秒かかり、上記
の不具合が生じやすい。
走行状態や外気温度によって変化する。例えば高外気温
時に、高速走行から急にアイドル状態になった場合、冷
却水温度の上昇速度が非常に大きくなる。そのため、冷
却水温度の上昇に応じて容量減少の制御信号を発して
も、実際に容量可変部材が作動してコンプレッサ容量が
小さくなり、それによりエンジン負荷が小となるまでに
は時間的な遅れがあり、制御が間に合わずにオーバーヒ
ートを起こしてしまうことがある。特に斜板式の可変容
量コンプレッサを用いている場合は、圧力バランスで容
量が変化するようになっているので、容量可変部材の作
動から実際に容量小となるまでに6〜7秒かかり、上記
の不具合が生じやすい。
【0006】本発明は、上記事情を考慮し、制御ハンチ
ングや制御遅れの問題を改善することのできる車両用空
調装置のコンプレッサ制御装置を提供することを目的と
する。
ングや制御遅れの問題を改善することのできる車両用空
調装置のコンプレッサ制御装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のコンプレッサ制
御装置は、上記課題を解決するため、図1に示すよう
に、空調ダクトに配設されたエバポレータ1と、このエ
バポレータ1に接続されエンジンにより駆動される可変
容量コンプレッサ2と、車内熱負荷に応じて上記エバポ
レータ1の目標温度を演算するエバポレータ目標温度演
算手段3と、上記エバポレータの温度を検出するエバポ
レータ温度検出手段4と、上記エンジンの冷却水温度T
wを検出するエンジン冷却水温度検出手段5と、該手段
5の検出したエンジン冷却水温度の変化速度d/dt
(Tw)を演算するエンジン冷却水温度変化速度演算手
段6と、上記エンジン冷却水温度検出手段6の検出した
エンジン冷却水温度Twと上記エンジン冷却水温度変化
速度演算手段6の演算したエンジン冷却水温度変化速度
d/dt(Tw)とに基づいてコンプレッサ規制容量を
ファジィ推論するファジィ推論手段7と、該手段7の推
論したコンプレッサ規制容量の範囲内で上記エバポレー
タ検出温度とエバポレータ目標温度の偏差を所定値以下
とするように上記コンプレッサの容量を演算するコンプ
レッサ容量演算手段8と、該手段8の演算結果に基づい
て上記コンプレッサ2の容量を制御するコンプレッサ容
量制御手段9と、を具備したことを特徴としている。
御装置は、上記課題を解決するため、図1に示すよう
に、空調ダクトに配設されたエバポレータ1と、このエ
バポレータ1に接続されエンジンにより駆動される可変
容量コンプレッサ2と、車内熱負荷に応じて上記エバポ
レータ1の目標温度を演算するエバポレータ目標温度演
算手段3と、上記エバポレータの温度を検出するエバポ
レータ温度検出手段4と、上記エンジンの冷却水温度T
wを検出するエンジン冷却水温度検出手段5と、該手段
5の検出したエンジン冷却水温度の変化速度d/dt
(Tw)を演算するエンジン冷却水温度変化速度演算手
段6と、上記エンジン冷却水温度検出手段6の検出した
エンジン冷却水温度Twと上記エンジン冷却水温度変化
速度演算手段6の演算したエンジン冷却水温度変化速度
d/dt(Tw)とに基づいてコンプレッサ規制容量を
ファジィ推論するファジィ推論手段7と、該手段7の推
論したコンプレッサ規制容量の範囲内で上記エバポレー
タ検出温度とエバポレータ目標温度の偏差を所定値以下
とするように上記コンプレッサの容量を演算するコンプ
レッサ容量演算手段8と、該手段8の演算結果に基づい
て上記コンプレッサ2の容量を制御するコンプレッサ容
量制御手段9と、を具備したことを特徴としている。
【0008】
【作用】本発明の装置では、ファジィ推論手段7が、エ
ンジン冷却水温度Twとエンジン冷却水温度変化速度d
/dt(Tw)とに基づいてコンプレッサの規制容量を
演算する。つまりこの場合、ファジィ推論の前件部パラ
メータ(入力)をエンジン冷却水温度Tw及びエンジン
冷却水温度変化速度d/dt(Tw)とし、後件部パラ
メータ(出力)を規制容量θmとしている。
ンジン冷却水温度Twとエンジン冷却水温度変化速度d
/dt(Tw)とに基づいてコンプレッサの規制容量を
演算する。つまりこの場合、ファジィ推論の前件部パラ
メータ(入力)をエンジン冷却水温度Tw及びエンジン
冷却水温度変化速度d/dt(Tw)とし、後件部パラ
メータ(出力)を規制容量θmとしている。
【0009】ファジィ推論は、経験則などに基づいて定
められたファジィルールに従って推論結果を出力するも
ので、そのやり方の手順は例えば次の通りである。ま
ず、各ファジィルールに従って、予め与えられた入力側
メンバーシップ関数より、前件部の変数Twのグレード
(ファジィラベルに対する所属度、適合度、あるいはメ
ンバーシップ値とも言う)を求め、次いでもう一つの変
数d/dt(Tw)のグレードを求め、両グレードの最
小値をとる。この処理を前件部処理と言う。次に、後件
部処理として、出力側メンバーシップ関数を上記のグレ
ードの所で頭切り処理し(つまり制限を加えることであ
る)、頭切り処理して得た台形出力を論理和する。次い
で、論理和して重ね合わせた台形部の重心を求めて、そ
の重心位置を推論結果、つまり最終出力である「コンプ
レッサの規制容量θm」とする。この推論手法は、例え
ば特開平2−92763号公報等において公知の手法を
応用したものである。推論手法は別に他の方法を採用し
ても構わない。
められたファジィルールに従って推論結果を出力するも
ので、そのやり方の手順は例えば次の通りである。ま
ず、各ファジィルールに従って、予め与えられた入力側
メンバーシップ関数より、前件部の変数Twのグレード
(ファジィラベルに対する所属度、適合度、あるいはメ
ンバーシップ値とも言う)を求め、次いでもう一つの変
数d/dt(Tw)のグレードを求め、両グレードの最
小値をとる。この処理を前件部処理と言う。次に、後件
部処理として、出力側メンバーシップ関数を上記のグレ
ードの所で頭切り処理し(つまり制限を加えることであ
る)、頭切り処理して得た台形出力を論理和する。次い
で、論理和して重ね合わせた台形部の重心を求めて、そ
の重心位置を推論結果、つまり最終出力である「コンプ
レッサの規制容量θm」とする。この推論手法は、例え
ば特開平2−92763号公報等において公知の手法を
応用したものである。推論手法は別に他の方法を採用し
ても構わない。
【0010】そして、上記のように推論した規制容量の
範囲内で、エバポレータ検出温度とエバポレータ目標温
度の偏差を所定値以下とするように、コンプレッサの容
量を演算し、演算した値となるようにコンプレッサの容
量を制御する。
範囲内で、エバポレータ検出温度とエバポレータ目標温
度の偏差を所定値以下とするように、コンプレッサの容
量を演算し、演算した値となるようにコンプレッサの容
量を制御する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図2は実施例のコンプレッサ制御装置を含む空
調装置の概略構成を示す。この空調装置においては、空
調ダクト10の最上流部に、内気入口10Aと外気入口
10Bが2股に分れる形で形成され、その分かれた部分
にインテークドア11が設けられている。そして、この
インテークドア11を開閉制御することにより、空調ダ
クト10内に導入すべき内気と外気の割合を調節するこ
とができるようになっている。
明する。図2は実施例のコンプレッサ制御装置を含む空
調装置の概略構成を示す。この空調装置においては、空
調ダクト10の最上流部に、内気入口10Aと外気入口
10Bが2股に分れる形で形成され、その分かれた部分
にインテークドア11が設けられている。そして、この
インテークドア11を開閉制御することにより、空調ダ
クト10内に導入すべき内気と外気の割合を調節するこ
とができるようになっている。
【0012】空調ダクト10には、下流側に行くに従っ
て順に、送風ファン12、エバポレータ13、エアミッ
クスドア14、ヒータ15が設けられている。エバポレ
ータ13は、コンプレッサ16、コンデンサ17、レシ
ーバタンク18及びエキスパンションバルブ19と共に
配管結合されて、冷凍サイクルを構成している。
て順に、送風ファン12、エバポレータ13、エアミッ
クスドア14、ヒータ15が設けられている。エバポレ
ータ13は、コンプレッサ16、コンデンサ17、レシ
ーバタンク18及びエキスパンションバルブ19と共に
配管結合されて、冷凍サイクルを構成している。
【0013】上記コンプレッサ16として、ここでは斜
板式可変容量コンプレッサが用いられている。このコン
プレッサ16は、簡単に説明すると、容量が斜板(揺動
板)の傾斜角度で決まり、斜板の傾斜角度がクランク室
の圧力で決まり、クランク室の圧力がソレノイドバルブ
16Aの実質開度によって決まる。つまり、ソレノイド
バルブ16Aへの供給電流Isolを大きくするとコン
プレッサ容量が減少し、ソレノイドバルブ16Aへの供
給電流を小さくするとコンプレッサ容量が増加するとい
うものである。ここでは、ソレノイドバルブ16Aへの
供給電流Isolが0.65アンペア(A)のとき容量
が0%となり、供給電流Isolが0アンペア(A)の
とき容量が100%となるようになっている。この可変
容量コンプレッサ16は、エンジンから伝達される力で
駆動され、電磁クラッチ16Bを断続することにより駆
動制御される。
板式可変容量コンプレッサが用いられている。このコン
プレッサ16は、簡単に説明すると、容量が斜板(揺動
板)の傾斜角度で決まり、斜板の傾斜角度がクランク室
の圧力で決まり、クランク室の圧力がソレノイドバルブ
16Aの実質開度によって決まる。つまり、ソレノイド
バルブ16Aへの供給電流Isolを大きくするとコン
プレッサ容量が減少し、ソレノイドバルブ16Aへの供
給電流を小さくするとコンプレッサ容量が増加するとい
うものである。ここでは、ソレノイドバルブ16Aへの
供給電流Isolが0.65アンペア(A)のとき容量
が0%となり、供給電流Isolが0アンペア(A)の
とき容量が100%となるようになっている。この可変
容量コンプレッサ16は、エンジンから伝達される力で
駆動され、電磁クラッチ16Bを断続することにより駆
動制御される。
【0014】また、エアミックスドア14は、開度に応
じてヒータ15を通過する空気とヒータ15を通過しな
い空気との割合を調節する。そして、ヒータ15を通過
した空気と通過しない空気は、ヒータ15の下流側で混
合されて温度調節され、吹出口から車内に吹き出され
る。
じてヒータ15を通過する空気とヒータ15を通過しな
い空気との割合を調節する。そして、ヒータ15を通過
した空気と通過しない空気は、ヒータ15の下流側で混
合されて温度調節され、吹出口から車内に吹き出され
る。
【0015】空調ダクト10の後端部は、フロントガラ
スの内面に向かって空気を吹き出すデフロスト吹出口2
1と、乗員の顔面に向かって空気を吹き出すベント吹出
口22と、乗員の足元に向かって空気を吹き出す吹出口
23と、に分かれて車室内に開口しており、各吹出口2
1、22、23にはそれぞれモードドア24、25、2
6が設けられている。そして、これらモードドア24、
25、26を選択的に開閉することで、吹出モードを変
えることができるようになっている。
スの内面に向かって空気を吹き出すデフロスト吹出口2
1と、乗員の顔面に向かって空気を吹き出すベント吹出
口22と、乗員の足元に向かって空気を吹き出す吹出口
23と、に分かれて車室内に開口しており、各吹出口2
1、22、23にはそれぞれモードドア24、25、2
6が設けられている。そして、これらモードドア24、
25、26を選択的に開閉することで、吹出モードを変
えることができるようになっている。
【0016】上述したインテークドア11、エアミック
スドア14、モードドア24〜26はそれぞれ図示しな
いアクチュエータにより開閉制御される。これら各アク
チュエータ、送風ファン12、コンプレッサ16のソレ
ノイドバルブ16A、電磁クラッチ16Bは、それぞれ
コントロールユニット50により駆動制御される。
スドア14、モードドア24〜26はそれぞれ図示しな
いアクチュエータにより開閉制御される。これら各アク
チュエータ、送風ファン12、コンプレッサ16のソレ
ノイドバルブ16A、電磁クラッチ16Bは、それぞれ
コントロールユニット50により駆動制御される。
【0017】コントロールユニット50は、上記各アク
チュエータ、送風ファン12、ソレノイドバルブ16
A、電磁クラッチ16B等を駆動する駆動回路と、各駆
動回路に制御信号を供給するマイクロコンピュータと、
マイクロコンピュータに接続されたA/D変換器と、マ
ルチプレクサとを含むものである。
チュエータ、送風ファン12、ソレノイドバルブ16
A、電磁クラッチ16B等を駆動する駆動回路と、各駆
動回路に制御信号を供給するマイクロコンピュータと、
マイクロコンピュータに接続されたA/D変換器と、マ
ルチプレクサとを含むものである。
【0018】そして、このコントロールユニット50内
のA/D変換器には、エアミックスドア14の開度を検
出するポテンショメータ51と、車室内に入る日射量を
検出する日射センサ52と、外気温度を検出する外気温
度センサ53と、車室内の代表温度を検出する内気温度
センサ54と、車室内の温度を設定する温度設定器55
と、エバポレータ13の出口温度を検出するダクトセン
サ(エバポレータ温度検出手段)56と、エンジン冷却
水温度を検出する水温センサ(エンジン冷却水温度検出
手段)57が接続され、各センサ類からのデータがマイ
クロコンピュータに入力されるようになっている。
のA/D変換器には、エアミックスドア14の開度を検
出するポテンショメータ51と、車室内に入る日射量を
検出する日射センサ52と、外気温度を検出する外気温
度センサ53と、車室内の代表温度を検出する内気温度
センサ54と、車室内の温度を設定する温度設定器55
と、エバポレータ13の出口温度を検出するダクトセン
サ(エバポレータ温度検出手段)56と、エンジン冷却
水温度を検出する水温センサ(エンジン冷却水温度検出
手段)57が接続され、各センサ類からのデータがマイ
クロコンピュータに入力されるようになっている。
【0019】また、コントロールユニット50は、少な
くともコンプレッサのON−OFF操作を行うエアコン
スイッチ(A/C SW)61と、ファン及びコンプレ
ッサを停止するオフスイッチ(OFF SW)62と、
を有する操作ユニット60と接続されており、相互に信
号の授受が行えるようになっている。
くともコンプレッサのON−OFF操作を行うエアコン
スイッチ(A/C SW)61と、ファン及びコンプレ
ッサを停止するオフスイッチ(OFF SW)62と、
を有する操作ユニット60と接続されており、相互に信
号の授受が行えるようになっている。
【0020】次に、上記空調装置のコントロールユニッ
ト50により行われる制御の内容を説明する。ここで
は、コンプレッサ制御の内容についてのみ説明する。図
3に示す制御ルーチンがスタートすると、まずステップ
101においてオフスイッチ(OFF SW)62がO
Nされたかどうかを判定し、NOの場合はステップ10
2でエアコンスイッチ(A/C SW)61がONされ
ているかどうかを判定する。エアコンスイッチ62がO
Nされている場合は、ステップ103に進んでエンジン
冷却水温度Twが非常に高温(120℃以上)かどうか
を判定し、高温でない場合はステップ104に進む。
ト50により行われる制御の内容を説明する。ここで
は、コンプレッサ制御の内容についてのみ説明する。図
3に示す制御ルーチンがスタートすると、まずステップ
101においてオフスイッチ(OFF SW)62がO
Nされたかどうかを判定し、NOの場合はステップ10
2でエアコンスイッチ(A/C SW)61がONされ
ているかどうかを判定する。エアコンスイッチ62がO
Nされている場合は、ステップ103に進んでエンジン
冷却水温度Twが非常に高温(120℃以上)かどうか
を判定し、高温でない場合はステップ104に進む。
【0021】オフスイッチ62がONされた場合、また
エアコンスイッチ61がONされていない場合、さらに
エンジン冷却水温度Twが非常に高温でオーバーヒート
のおそれのある場合は、ステップ107に進んでコンプ
レッサをオフモードにして、図示しない空調制御のメイ
ンルーチンに戻る。
エアコンスイッチ61がONされていない場合、さらに
エンジン冷却水温度Twが非常に高温でオーバーヒート
のおそれのある場合は、ステップ107に進んでコンプ
レッサをオフモードにして、図示しない空調制御のメイ
ンルーチンに戻る。
【0022】ステップ104に進んだ場合は、ここでエ
ンジン冷却水温度Twが低いかどうか(90℃より低い
かどうか)を判定する。冷却水温度Twが高い場合は、
オーバーヒートの可能性があるので、これを未然に防ぐ
ためステップ105に進んでコンプレッサ規制容量を演
算する。このステップ105の演算内容は、図4を用い
て後に詳しく述べる。冷却水温度Twが低い場合はオー
バーヒートの心配がないから、コンプレッサの容量規制
をする必要がないので、規制容量演算のステップ105
は飛ばす。
ンジン冷却水温度Twが低いかどうか(90℃より低い
かどうか)を判定する。冷却水温度Twが高い場合は、
オーバーヒートの可能性があるので、これを未然に防ぐ
ためステップ105に進んでコンプレッサ規制容量を演
算する。このステップ105の演算内容は、図4を用い
て後に詳しく述べる。冷却水温度Twが低い場合はオー
バーヒートの心配がないから、コンプレッサの容量規制
をする必要がないので、規制容量演算のステップ105
は飛ばす。
【0023】次に、ステップ106でコンプレッサをO
Nモードにし、ステップ108で最適なコンプレッサ容
量を演算し、演算した値となるようにコンプレッサ容量
を制御する。この場合、ステップ105で求めた容量規
制がある場合には、規制容量の範囲内で、エバポレータ
検出温度(ダクトセンサ56の検出温度)がエバポレー
タ目標温度(この値は主に、車内温度、外気温度、設定
温度、日射量によって求められる車内熱負荷に応じて設
定されるが、除湿制御のときなどは強制的に特定値に決
められることもある)となるようにコンプレッサ容量の
値を決定する。なお、この場合の容量制御量は比例積分
演算で求める。そして、コンプレッサ容量制御が終了し
たら、メインルーチンに戻る。
Nモードにし、ステップ108で最適なコンプレッサ容
量を演算し、演算した値となるようにコンプレッサ容量
を制御する。この場合、ステップ105で求めた容量規
制がある場合には、規制容量の範囲内で、エバポレータ
検出温度(ダクトセンサ56の検出温度)がエバポレー
タ目標温度(この値は主に、車内温度、外気温度、設定
温度、日射量によって求められる車内熱負荷に応じて設
定されるが、除湿制御のときなどは強制的に特定値に決
められることもある)となるようにコンプレッサ容量の
値を決定する。なお、この場合の容量制御量は比例積分
演算で求める。そして、コンプレッサ容量制御が終了し
たら、メインルーチンに戻る。
【0024】次に、サブルーチンとして定義されている
規制容量演算の内容を図4〜図6を参照しながら説明す
る。このルーチンがスタ−トすると、まず、ステップ2
01で冷却水温度Twを読み込む。次いで、冷却水温度
Twを微分して冷却水温度の変化速度d/dt(Tw)
を演算する。次いで、ステップ203、204、205
で冷却水温度Twと冷却水温度変化速度d/dt(T
w)とを前件部パラメータとして、規制容量θmをファ
ジィ推論する。
規制容量演算の内容を図4〜図6を参照しながら説明す
る。このルーチンがスタ−トすると、まず、ステップ2
01で冷却水温度Twを読み込む。次いで、冷却水温度
Twを微分して冷却水温度の変化速度d/dt(Tw)
を演算する。次いで、ステップ203、204、205
で冷却水温度Twと冷却水温度変化速度d/dt(T
w)とを前件部パラメータとして、規制容量θmをファ
ジィ推論する。
【0025】このファジィ推論では、経験則あるいは実
験などで得られた実績により、図5にマトリックスで示
すような7個のファジィルールが設定されている。ここ
で、各符号(ファジィラベル)は、次の意味で用いられ
ている。冷却水温度Twについては、 PL … 温度が高い(120℃程度以上) PM … 温度が中位 PS … 温度が低い ZR … 温度が非常に低い(90℃程度以下) 冷却水温度変化速度d/dt(Tw)については、 PL … 正方向に大きい(温度上昇速度が大きい) PM … 正方向に中位 PS … 正方向に小さい ZR … ほとんど「0」 NS … 負方向に小さい NM … 負方向に中位 NL … 負方向に大きい(温度下降速度が大きい) 規制容量θmについては、 PL … 規制が大きい(容量可変域最小) PM … 規制が中位 PS … 規制が小さい ZR … 規制がない(容量可変域最大) したがって、例えば一つのルールは、冷却水温度Twが
低く(ZR)ても、温度上昇速度d/dt(Tw)が大
きい(PL)場合には、規制容量を最大にする(P
L)、というものである。
験などで得られた実績により、図5にマトリックスで示
すような7個のファジィルールが設定されている。ここ
で、各符号(ファジィラベル)は、次の意味で用いられ
ている。冷却水温度Twについては、 PL … 温度が高い(120℃程度以上) PM … 温度が中位 PS … 温度が低い ZR … 温度が非常に低い(90℃程度以下) 冷却水温度変化速度d/dt(Tw)については、 PL … 正方向に大きい(温度上昇速度が大きい) PM … 正方向に中位 PS … 正方向に小さい ZR … ほとんど「0」 NS … 負方向に小さい NM … 負方向に中位 NL … 負方向に大きい(温度下降速度が大きい) 規制容量θmについては、 PL … 規制が大きい(容量可変域最小) PM … 規制が中位 PS … 規制が小さい ZR … 規制がない(容量可変域最大) したがって、例えば一つのルールは、冷却水温度Twが
低く(ZR)ても、温度上昇速度d/dt(Tw)が大
きい(PL)場合には、規制容量を最大にする(P
L)、というものである。
【0026】そして、各パラメータTw、d/dt(T
w)、θm毎に上記のラベルを表現するメンバーシップ
関数として、図6の(a)、(b)、(c)に示すもの
が用いられている。(a)の関数は入力パラメータTw
のメンバーシップ関数、(b)の関数は入力パラメータ
d/dt(Tw)のメンバーシップ関数、(c)の関数
は出力パラメータθmのメンバーシップ関数である。
w)、θm毎に上記のラベルを表現するメンバーシップ
関数として、図6の(a)、(b)、(c)に示すもの
が用いられている。(a)の関数は入力パラメータTw
のメンバーシップ関数、(b)の関数は入力パラメータ
d/dt(Tw)のメンバーシップ関数、(c)の関数
は出力パラメータθmのメンバーシップ関数である。
【0027】ファジィ推論過程では、上記のファジィル
ールに従い、特開平2−92763号公報などで公知の
MIN−MAXルールを用いて、規制容量θmを演算す
る。その流れは、まず最初にステップ203でルール毎
の入力側メンバーシップ関数により、前件部パラメータ
Tw、d/dt(Tw)のグレードWiを求め、その最
小値をとる。次いで、ステップ204で出力側メンバー
シップ関数により、各ルール毎のグレードから、後件部
出力である規制容量θmiを求める。そして、ステップ
205で各ルール毎に得た後件部出力を論理和して重心
を求め、その重心位置を最終的な規制容量θmとする。
推論したら、次にステップ206に進んで、その推論し
た規制容量θmを、ソレノイドバルブ16Aへの供給電
流に対応した信号値Isolm(規制電流値)に変換す
る。今、電流が0.65アンペアのとき最小容量となる
から、0.65〜Isolmの間が、Isolの変化範
囲となる。そして、規制容量に対応した電流値を演算し
たら、図3のコンプレッサ制御ルーチンに戻る。
ールに従い、特開平2−92763号公報などで公知の
MIN−MAXルールを用いて、規制容量θmを演算す
る。その流れは、まず最初にステップ203でルール毎
の入力側メンバーシップ関数により、前件部パラメータ
Tw、d/dt(Tw)のグレードWiを求め、その最
小値をとる。次いで、ステップ204で出力側メンバー
シップ関数により、各ルール毎のグレードから、後件部
出力である規制容量θmiを求める。そして、ステップ
205で各ルール毎に得た後件部出力を論理和して重心
を求め、その重心位置を最終的な規制容量θmとする。
推論したら、次にステップ206に進んで、その推論し
た規制容量θmを、ソレノイドバルブ16Aへの供給電
流に対応した信号値Isolm(規制電流値)に変換す
る。今、電流が0.65アンペアのとき最小容量となる
から、0.65〜Isolmの間が、Isolの変化範
囲となる。そして、規制容量に対応した電流値を演算し
たら、図3のコンプレッサ制御ルーチンに戻る。
【0028】このように、エンジン冷却水温度Twとそ
の温度変化速度d/dt(Tw)を入力因子として、オ
ーバーヒート防止のための規制容量θmを求め、その規
制容量の範囲内でコンプレッサの容量を制御するので、
制御ハンチングや制御遅れを改善したコンプレッサ制御
が可能となる。
の温度変化速度d/dt(Tw)を入力因子として、オ
ーバーヒート防止のための規制容量θmを求め、その規
制容量の範囲内でコンプレッサの容量を制御するので、
制御ハンチングや制御遅れを改善したコンプレッサ制御
が可能となる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のコンプレ
ッサ制御装置によれば、エンジン冷却水温度と同温度の
変化速度の両方を入力因子としているので、車両走行状
態の変化に伴なう冷却水温度の変化に対しても、的確な
タイミングでコンプレッサの容量制御を行うことができ
る。また、ファジィルールやメンバーシップ関数に、容
量可変の際の応答遅れを反映させておくことで、制御遅
れの問題も解消することができる。しかも、規制容量は
ファジィ推論により求めるので、複雑な制御ロジックを
必要とせずに簡単に実現することができる。
ッサ制御装置によれば、エンジン冷却水温度と同温度の
変化速度の両方を入力因子としているので、車両走行状
態の変化に伴なう冷却水温度の変化に対しても、的確な
タイミングでコンプレッサの容量制御を行うことができ
る。また、ファジィルールやメンバーシップ関数に、容
量可変の際の応答遅れを反映させておくことで、制御遅
れの問題も解消することができる。しかも、規制容量は
ファジィ推論により求めるので、複雑な制御ロジックを
必要とせずに簡単に実現することができる。
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
る。
【図3】同実施例におけるコンプレッサ制御の内容を示
すフローチャートである。
すフローチャートである。
【図4】同コンプレッサ制御の中の規制容量演算の内容
を示すフローチャートである。
を示すフローチャートである。
【図5】同規制容量演算の中のファジィ推論に用いるル
ールを示す図である。
ールを示す図である。
【図6】上記ファジィ推論に用いるメンバーシップ関数
を示し、(a)は前件部パラメータであるエンジン冷却
水温度Twのメンバーシップ関数、(b)は前件部パラ
メータであるエンジン冷却水温度変化速度d/dt(T
w)のメンバーシップ関数、(c)は後件部パラメータ
であるコンプレッサ規制容量のメンバーシップ関数であ
る。
を示し、(a)は前件部パラメータであるエンジン冷却
水温度Twのメンバーシップ関数、(b)は前件部パラ
メータであるエンジン冷却水温度変化速度d/dt(T
w)のメンバーシップ関数、(c)は後件部パラメータ
であるコンプレッサ規制容量のメンバーシップ関数であ
る。
1,13 エバポレータ 2,16 可変容量コンプレッサ 3 エバポレータ目標温度演算手段 4 エバポレータ温度検出手段 5 エンジン冷却水温度検出手段 6 エンジン冷却水温度変化速度演算手段 7 ファジィ推論手段 8 コンプレッサ容量演算手段 9 コンプレッサ容量制御手段 10 空調ダクト 16A ソレノイドバルブ(容量調節手段) 56 ダクトセンサ(エバポレータ温度検出手段) 57 水温センサ(エンジン冷却水温度検出手段)
Claims (1)
- 【請求項1】空調ダクトに配設されたエバポレータと、 このエバポレータに接続されエンジンにより駆動される
可変容量コンプレッサと、 車内熱負荷に応じて上記エバポレータの目標温度を演算
するエバポレータ目標温度演算手段と、 上記エバポレータの温度を検出するエバポレータ温度検
出手段と、 上記エンジンの冷却水温度を検出するエンジン冷却水温
度検出手段と、 該手段の検出したエンジン冷却水温度の変化速度を演算
するエンジン冷却水温度変化速度演算手段と、 上記エンジン冷却水温度検出手段の検出したエンジン冷
却水温度と、上記エンジン冷却水温度変化速度演算手段
の演算したエンジン冷却水温度変化速度とに基づいてコ
ンプレッサ規制容量をファジィ推論するファジィ推論手
段と、 該手段の推論したコンプレッサ規制容量の範囲内で、上
記エバポレータ検出温度とエバポレータ目標温度の偏差
を所定値以下とするように上記コンプレッサの容量を演
算するコンプレッサ容量演算手段と、 該手段の演算結果に基づいて上記コンプレッサの容量を
制御するコンプレッサ容量制御手段と、 を具備したことを特徴とする車両用空調装置のコンプレ
ッサ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3334408A JP3071531B2 (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 車両用空調装置のコンプレッサ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3334408A JP3071531B2 (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 車両用空調装置のコンプレッサ制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05139153A JPH05139153A (ja) | 1993-06-08 |
JP3071531B2 true JP3071531B2 (ja) | 2000-07-31 |
Family
ID=18277040
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3334408A Expired - Lifetime JP3071531B2 (ja) | 1991-11-22 | 1991-11-22 | 車両用空調装置のコンプレッサ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3071531B2 (ja) |
-
1991
- 1991-11-22 JP JP3334408A patent/JP3071531B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05139153A (ja) | 1993-06-08 |
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