JP3071145U - 介護、術後用寝間着 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寝たきり、あるいは介護を必要とする者、特
に手足の硬直麻痺の者、また、病人の術後の着替えや手
当てをスムーズにする寝間着を提供する。本人も介護者
も心理的に有効な作業のしやすい寝間着を提供する。 【解決手段】 この寝間着は、身頃部分にあたる脇線の
縫われていない接続部を有する長方形の布と、袖部分に
あたる筒状になっていない接続部を有する長方形の布
と、を備え、前記寝間着を広げると頭と首の部分が空い
ている、肩の部分のみで袖部分と身頃部分がつながっ
た、１枚の布になることで、接続部により開閉可能とな
る。このことにより、介護、病気の手当てがスムーズに
行える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、寝たきりの人、術後の病人、特に体が硬直麻痺等で寝間着の着脱が 困難な人のために工夫された寝間着であり、着替えやオムツ替え、床づれを防ぐ ための寝位の方向転換が、容易に出来るようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来は寝たきり（特に体の硬直麻痺した病人）専用の寝間着はなく、寝間着を 着用せずに、バスタオルやタオルケットを病人にかけておくだけの、病人にとっ ては屈辱的な状態でもあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の寝間着には次のような課題がある。 洋装であっても和装であっても、筒状になった袖が身頃につながっているため 着脱がしにくく、点滴や注射もしにくいし、前身頃と後身頃がつながっているた め、足を曲げたまま硬直している病人は、裾がはだけた状態のままである。また 、寝位の方向転換をする時、シーツの上にバスタオル等を敷いておかなければ、 従来の寝間着のままでは介護人が一人では困難な状態である。 本考案は、上記課題に鑑みてなされたものであり、介護、手当てをスムーズに させることが出来る寝間着を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案による寝間着は、身頃部分にあたる脇線の縫われていない接続部を有す る長方形の布と、袖部分にあたる筒状になっていない接続部を有する長方形の布 と、を備え、前記寝間着を広げると頭と首の部分が空いている、肩の部分のみで 袖部分と身頃部分がつながった、１枚の布になることが特徴であり、これにより 、上記目的が達成される。 前記寝間着の前記身頃部分と前記袖部分の接着は、紐であっても良いし、マジ ックテープであっても良い。またスナップなどでも良い。 前記身頃部分の頭と首の部分は、直線であっても良いし、カーブを描いても良 い。

【０００５】 前記寝間着の布地については、季節によってガーゼでも良いし、ネル地でも、 タオル地のようなものでも良い。 前記寝間着の前記身頃部分と前記袖部分の長さは、季節によって、又体格によ って長くても短くても良い。 前記寝間着の前記身頃部分には、ポケットをつけたり装飾しても良い。これら により上記目的が達成される。

【０００６】

【考案実施の形態】

本考案は、介護を要する人、術後の人の寝間着を提供する。実施例を図に基づ いて説明する。図１は、本考案の好適な実施形態の一つによる寝間着を広げた状 態であり、展開図を示す。図２は使用状態を示す図である。この考案の寝間着は 病人の身体を包む身頃部分１、２と両腕を包む袖部分３から構成されている。ま ず身頃部分１、２は１枚の長方形からなり、この布の長さは目安としては、病人 の肩からふくらはぎまでの長さの２倍を有する。この布のほぼ中央に、病人の頭 と首が出る部分４が空けられている。身頃部分１、２の中央に袖部分３を一部重 ねて縫いつけ、縫いつけ部５を作る。袖部分の長さは季節によって調節する。

【０００７】 着用の仕方についてはまず寝床の上の病人を寝返りさせ、片方に寄せる。背中 を寝床から浮かせ、後身頃２が病人の背の下にくるように寝床の上に広げる。広 げた後身頃２の上に病人を寝かせ、布を整える。頭と首を４の部分から出るよう に前身頃１をかぶせる。この図の場合の袖と身頃につけられた接続部は紐である が、その紐７〜１４、７’〜１４’を７と７’、８と８’というようにそれぞれ 結ぶと図２のようになり、病人の身体と腕を包むことが出来、また開閉も可能と なる。

【０００８】 図１のように、前身頃部分１に切り込みを入れ、接続部６をつけることにより 開閉可能となり、手当ての際必要なだけ開閉することが出来、恥ずかしくなく心 理的にも有効である。袖部分３の一部を身頃部分１、２と重ね、縫いつけ部５を 作ることにより、病人の肩を冷やすことなく、上掛布団からはみ出しがちな肩を 冷えから守ることができる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案により、少なくとも以下の効果が達成される。 本考案の寝間着は、身頃、袖がそれぞれ長方形で作られ、それぞれの接続部に よって開閉可能になっているため、寝たきりの人、硬直麻痺した人、術後の人に とって着脱が簡単に出来る。また同様に、オムツ替えもスムーズに行える。寝位 の方向転換が、この寝間着を着用することによって、力をかけずに出来るので、 床づれを防ぐことが出来る。また袖の部分が筒状に身頃とつながっておらず、接 続部によって開放される状態なので、点滴や注射、血圧測定など寝間着が邪魔に ならずに行える。また体温計も、胸元から差し込むことなく直接脇に差すことが 出来るので、寝間着の胸元をはだけさせることがない。肩の部分の布が重なって いることにより、上掛け布団からはみ出しがちな肩を冷えから守ることが出来る 。無駄な部分のない簡素な作りにより、かさばらず、特定部位を圧迫することな く、寝ていても痛みがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の好適な実施形態の一つを示す寝間着の
展開図である。

【図２】本考案の好適な実施形態の使用状態を示す図で
ある。

【符号の説明】

１ 前身頃 ２ 後身頃 ３ 袖 ４ 頭と首を出す部位 ５ 重ね縫いつけ部 ６ 前身頃の接続部位 ７〜１４及び７’〜１４’身頃及び袖の接続部位

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】寝間着であって、身頃部分にあたる脇線の
   縫われていない接続部を有する長方形の布と、袖部分に
   あたる筒状になっていない接続部を有する長方形の布
   と、を備え、前記寝間着を広げると頭と首の部分が空い
   ている、肩の部分のみで袖部分と身頃部分がつながっ
   た、１枚の布になることを特徴とする寝間着。
2. 【請求項２】 前記身頃にあたる布は、切り込みを有す
   ることにより開閉可能となる、請求項１に記載の寝間
   着。
3. 【請求項３】 前記袖の部分の布は、前記身頃の布と、
   一部重ねることにより、肩の冷えを防ぐことが可能とな
   る、請求項１又は請求項２に記載の寝間着。