JP3071068U - 仏 壇 - Google Patents

仏 壇

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JP3071068U
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時夫 稲葉
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有限会社稲葉佛檀店
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Abstract

(57)【要約】 【課題】礼拝する祭事の目的毎に沿った雰囲気の演出を
簡単に可能とし、常に新鮮で厚い心情をもって礼拝し得
る構造の欄間を含む仏壇を提供する。 【解決手段】互いに平行な上・下桟2,4及び複数の縦桟
6と、これらに囲まれた開口3内において水平方向に回
転可能に支持される矩形の枠体10とを備え、係る枠体
10はその本体12の表裏面を貫通する開口部13を備
えると共に、その表裏面の上辺に虹梁18が固定されて
いる欄間1を含む、仏壇(26)。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、仏壇の構造に関し、特に異なる意匠の飾りを大きく表示し且つ容易 に変更可能な欄間を備える仏壇に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の様式を有する仏壇において、種々の形態の欄間が用いられている。一般 に、仏壇における欄間は、単に仏壇の上部における内外の空間を仕切るため、透 かし可能な枠体や格子枠などを嵌め込む他、礼拝時の雰囲気を高揚させるために 彫刻などからなる種々の飾りが上記枠体などに付設されている。しかも、従来の 仏壇における欄間は、障子形式の欄間や飾りを取り付けた欄間が正面から見て常 に同じ外観意匠となるように、仏壇の本体に固定されている。 しかしながら、以上のような欄間を有する仏壇によれば、例えば先祖に対する 追善供養の場合と遺族からの慶びを先祖に報告する場合にも、常に同じ意匠の欄 間に向かって礼拝せざるを得ない。このため、使用者にとって礼拝する祭事の目 的にそぐわない雰囲気になる場合があったり、祈念の心理に惰性的な心情を招来 し易くなり得る、という問題を生じることがあった。
【0003】
【考案が解決すべき課題】
これに対し、背面装飾材の前方に複数の立体的な前方装飾材を着脱自在とした 欄間を有する仏壇も提案されている(特開平8−224160号公報参照)。しか し、係る仏壇では、前方装飾材を取り替える手間を要し、背面装飾材の取り替え も困難で素人にとって煩雑な作業になる、という問題があった。 本考案は、以上において説明した従来の技術における問題点を解決し、礼拝す る祭事の目的毎に沿った雰囲気の演出を簡単に可能とし、常に新鮮で厚い心情を もって礼拝し得る構造の欄間を有する仏壇を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本考案は、上記課題を解決するため、仏壇の欄間を構成する障子形式の枠体を 回転可能に支持することに着想して成されたものである。 即ち、本考案の仏壇は、互いに平行な上・下桟及び複数の縦桟と、これらの間 において回転可能に支持される枠体と、を備える欄間を含む、ことを特徴とする 。これによれば、枠体を片手で回転するのみで、係る枠体の表裏面自体やこれに 取り付けた異なる意匠の飾りを、仏壇の正面側に簡単且つ迅速に表示することが できる。従って、個々の礼拝目的に応じてその雰囲気に適応したデザインや飾り 等を活用できると共に、係る欄間を有する仏壇全体の意匠価値及び商品価値を高 めることにも寄与し得る。 尚、枠体は上・下桟及び複数の縦桟の間に一つのみを配置する他、中間に立設 する縦桟を介して複数個の枠体を配置しても良い。また、枠体の回転方向は、水 平方向に180°回転する他、垂直方向にも180°回転するように、枠体と上 ・下桟又は左右両側の縦桟との間で軸受けを設ける。
【0005】 また、前記枠体がその表裏面を貫通する開口部を備えると共に、係る枠体の表 裏面に虹梁が固定されている、仏壇も含まれる。これによれば、虹梁を固定する 面積を確保するため、枠体の表裏面が広くなるので、係る表裏面付近に取り付け る飾りを大きくすることができる。従って、枠体の回転に支障のない範囲で、そ の表裏面に彫刻等の飾りを大きくして取り付けられ、礼拝者からも目立つように 表示することができる。尚、虹梁は一般にやや反りを持たせた梁を指称し、例え ば唐草模様や雲等をモチーフとしたものが多いが、本考案では同様のデザインを 有する板状の装飾片であり、枠体の表裏面において開口部の上辺に固定される。
【0006】 更に、前記枠体の表裏面に前記開口部を介して連結される異なる意匠の飾りが 取り付けられている、仏壇も含まれる。これによれば、枠体の開口部内において 表裏面の各飾りを、両者の背面付近同士で連結できると共に、係る連結部分を外 部から遮蔽することができる。従って、表裏面の各飾りを体裁良く欄間内の回転 する枠体に取り付けられると共に、何れかの飾りが不用意に破損したり、或いは 表面の模様や色彩が劣化した場合にも容易に取り替えることが可能となる。 尚、一対の飾りの背面同士間における連結には、例えば雄・雌嵌合(ホゾ継ぎ) 構造、さね付き、合い釘、スナップ結合、又はネジ結合等が用いられる。
【0007】
【考案の実施の形態】
以下において本考案の実施に好適な形態を図面と共に説明する。 図1(A)は、飾りを取り付けていない本考案の仏壇に用いる欄間1の正面図で ある。欄間1は、図1(A)に示すように、互いに平行な上桟2及び下桟3と、こ れらの間で直角に連結される左右両端と中間の四本の縦桟6と、隣接する縦桟6 ,6間に水平に架設した中桟8と、これらに囲まれた矩形の開口3内にて水平方 向に回転可能に支持された枠体10と、を含む。各枠体10は、矩形の本体12 とその表裏面を貫通する開口部13とを有し、開口部13の上側に虹梁18を固 定している。このため、表裏面の上辺15は、他の辺よりも幅広とされている。
【0008】 尚、左右方向における三つの開口3のうち、中央の開口3はやや幅広で、これ に応じて中央に配置される枠体10も幅広とされているが、これは意匠的な観点 によるものである。また、上・下桟2,3、縦桟6、及び枠体10の本体12は 、例えば柔らかい桧や松等から木工加工により成形したものである。 図1(B)に示すように、各縦桟6の開口3側に面した側面の上部には、垂直の 凹溝7が対向して形成され、中桟8の両端を受け入れることにより、係る中桟8 を水平に支持する。各中桟8における開口3の中央に当たる位置には、軸受け孔 9が貫通している。また、下桟4の上面で各開口3の中央に面した位置には、底 付き(非貫通)の軸受け孔5が形成されている。更に、枠体10の本体12の上下 面における開口3に面した中央の位置には、回転軸14,16が垂直に突設され ている。尚、図1(B)の右端に示すように、枠体10の表裏面の各上辺15には 虹梁18が互いに線対称となる位置に固定される。
【0009】 係る欄間1は、次のようにして組立てられる。予め枠体10の本体12に回転 軸14,16を設けると共に、表・裏面の上辺15に虹梁18を固定しておく。 図1(B)に示すように、先ず下桟4の所定の位置に縦桟6を接着等により立設 する。次に、隣接する縦桟6,6間に枠体10を挿入し、その底面の回転軸14 を下桟4の軸受け孔5内に挿入する。この状態で、縦桟6,6の対向する凹溝7, 7内に中桟8の両端部を強制的に嵌合すると共に、枠体10の上面における回転 軸16を中桟8の軸受け孔9内に挿入する。これにより、開口3が形成されると 共に、係る開口3内で枠体10が垂直の回転軸14,16を中心として、水平方 向に回転可能に支持される。最後に、各縦桟6の上端間に跨って上桟2を接着剤 等を用いて固定することにより、図1(A)に示した欄間1を得ることができる。
【0010】 図2(A)は、仏壇26に前記欄間1を取り付けた状態を示す断面図である。 図示のように、予め欄間1の各枠体10には、その開口部13を介して表面側 の飾り20と裏面側の飾り22とが、雄・雌嵌合(ホゾ継ぎ)部24により互いに 連結されている。この際、飾り20,22は、近接する虹梁18に当たらない形 状とされ、且つそれらの凹み部分から虹梁18の一部が目視可能とされている。 図2(A)に示すように、仏壇26の天井面27に上桟2が接触する状態で欄間 1を、例えば仏壇の両側壁(図示せず)に固定する。これにより、図示のように、 二点鎖線で示す飾り20が、仏壇26の正面28側に突出して表示される。この 状態で、各枠体10の本体12の左端又は右端付近を指等で押して回転させる。
【0011】 その結果、図2(B)に示すように、枠体10は回転軸14,16を中心に水平 方向に180°回転し、表裏面が入れ替わるため、一点鎖線で示す飾り22が仏 壇26の正面28側に突出して表示される。これにより、互いに意匠が異なる飾 り20,22を礼拝の御趣旨や雰囲気に応じて簡単にして交互に使い分けること ができ、同じ仏壇26で二つの外観意匠を容易且つ迅速に得ることができる。 従って、仏壇26全体の使用価値及び商品価値を高めることにも寄与すること ができる。また、枠体10の表裏面を虹梁18が固定可能な広めとしたので、比 較的広く大きなサイズの飾り20,22を目立つようにして取り付けられる。更 に、開口部13を介して異なる意匠の飾り20,22を連結して取り付けるので 、体裁や見栄えも良く且つ必要に応じて取り替えも容易に行うことができる。
【0012】 図2(C)は、異なる形態の仏壇用の欄間30を示す。欄間30は、上桟31、 下桟32、左右両端と中央の三つの縦桟34、及びこれらに囲まれた左右一対の 開口33内に水平方向に回転可能に支持された横長で矩形の枠体35,35を有 する。各枠体35は、幅広の開口部36を有し、その上辺の表裏面に虹梁39を 固定している。また、図2(C)に示すように、各枠体35における開口33に面 した上下面の中央の位置には、垂直な回転軸37,38が突設され、これらは、 上・下桟31,32の図示しない軸受け孔内に挿入される。尚、左右の開口33 には前記欄間1のような中桟がないので、枠体35の縦寸法も大きくできる。 以上のような欄間30によれば、一対の枠体35を縦横とも前記欄間1よりも 大きなサイズにできる。従って、各枠体35を水平回転させて表裏面の異なる意 匠の飾りを活用する際、係る各飾りも一層大きく表示することができる。
【0013】 図2(D)は、更に異なる形態の仏壇用の欄間40を示す。 欄間40は、上桟41、下桟42、左右両端の縦桟44、及びこれらに囲まれ た細長い開口43内に垂直方向に回転可能に支持された横長で矩形の枠体46を 有する。枠体46は、左右一対の開口部47を有し、それらの上辺の表面に細長 い虹梁49を固定している。また、図2(D)に示すように、開口43に面した各 縦桟44の中央の位置には、水平な軸受け孔45が形成されると共に、枠体46 の左右両端面の中央には回転軸48が水平にそれぞれ突設され、これらが上記軸 受け孔45内に挿入される。これにより、枠体46は開口43内で左右一対の回 転軸48を中心にして垂直方向に回転可能に支持される。
【0014】 以上のように、左右の各回転軸48を中心に垂直方向に回転する枠体46では 180°回転すると表裏面は天地が逆の位置になる。このため、図2(E)に示す ように、枠体46の表・裏面には虹梁49を仏壇の正面側で常に上辺に位置する よう、開口部47の上辺と下辺に点対称の位置に、表裏面で上下逆向きに固定さ れる。また、開口部47を介して連結され、枠体46に取り付けられる図示しな い一対の異なる意匠の飾りも、同様に枠体46の表裏面で上下逆向きとされる。 以上のような欄間40によれば、一枚の枠体46を縦横ともに前記枠体10, 35よりも大きなサイズにでき、且つ一回の回転操作により、表裏面の異なる意 匠の飾りを入れ替えることができる。従って、枠体46を回転させて表裏面の異 なる意匠の飾りを活用する際、係る各飾りを最も大きく表示することができる。
【0015】 本考案は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。 例えば、図2(A)及び(B)に示した飾り20,22は本考案の必須の要素では なく、回転する枠体の表裏面が異なる意匠を呈すれば良い。例えば、枠体10等 の開口部13に表裏面から見て異なるデザインとなる縦格子又は横格子や、これ らの配置密度、格子の模様、多数の細桟から組み合わされる模様、或いは、表裏面 で異なる色彩を着けた縦格子又は横格子や、装飾紙を用いることも可能である。 また、前記仏壇(26)用の欄間1,30,40に用いた虹梁18,39,49も、 本考案の必須の要素ではなく、省略することも可能である。 更に、枠体10等の表裏面に取り付ける飾りは、木質の彫刻に限らず、射出成 形やブロー成形等により得られる樹脂成形体や、透明、半透明、又は着色された 半ば立体的、或いは立体的なガラス成形体等を用いても良い。
【0016】
【考案の効果】
以上において説明した本考案の仏壇によれば、枠体の回転によりその表裏面自 体のデザイン、又は係る表裏面に取り付けた異なる意匠の飾り等を、簡単且つ迅 速に仏壇の正面側に表示することができる。従って、個々の礼拝目的に応じてそ の雰囲気に適応した飾り等を活用できると共に、仏壇全体の意匠価値及び商品価 値を高めることにも寄与し得る。 また、請求項2の仏壇によれば、虹梁を固定する面積を確保するために枠体の 表裏面が広くなるので、係る表裏面に取り付ける飾りを大きくできる。従って、 回転する枠体の表裏面に彫刻等の飾りを大きくして取り付けることができ、礼拝 者からも目立つように表示することができる。 更に、請求項3の仏壇によれば、枠体の開口部内において表裏面の各飾りを、 両者の背面同士で連結できると共に、係る連結部分を外部からは遮蔽できる。従 って、表裏面の各飾りを体裁良く欄間内の回転する枠体に取り付けられると共に 、何れかの飾りが不用意に破損したり、或いは表面の色彩等が劣化した場合にも 容易に取り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本考案の仏壇に用いる欄間の正面図、
(B)は(A)の欄間の分解斜視図。
【図2】(A)及び(B)は図1の欄間を仏壇に取り付けて
枠体を回転させる前後の状態を示す部分断面図、(C)は
異なる形態の欄間を示す正面図、(D)は更に異なる形態
の欄間を示す正面図、(E)は(D)中のE−E線の視角方
向に沿った断面図。
【符号の説明】
1,30,40……欄間 2,31,41……上桟 4,32,42……下桟 6,34,44……縦桟 10,35,46…枠体 13,36,47…開口部 18,39,49…虹梁 20,22………飾り 26………………仏壇

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに平行な上・下桟及び複数の縦桟と、
    これらの間において回転可能に支持される枠体と、を備
    える欄間を含む、ことを特徴とする仏壇。
  2. 【請求項2】前記枠体がその表裏面を貫通する開口部を
    備えると共に、係る枠体の表裏面に虹梁が固定されてい
    る、ことを特徴とする請求項1に記載の仏壇。
  3. 【請求項3】前記枠体の表裏面に前記開口部を介して連
    結される異なる意匠の飾りが取り付けられている、こと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の仏壇。
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