JP3070386B2 - 荷役車両の流体圧回路 - Google Patents

荷役車両の流体圧回路

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JP3070386B2
JP3070386B2 JP6117075A JP11707594A JP3070386B2 JP 3070386 B2 JP3070386 B2 JP 3070386B2 JP 6117075 A JP6117075 A JP 6117075A JP 11707594 A JP11707594 A JP 11707594A JP 3070386 B2 JP3070386 B2 JP 3070386B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パワーステアリング機
能と荷役機能とを流体圧で操作するフォークリフトトラ
ック等の荷役車両に係り、その荷役車両の流体圧回路に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】パワーステアリング機能と荷役機能とを
備えた荷役車両の流体圧回路にあっては、一般に、一つ
の流体圧源からの作動流体を分流弁を介して操舵用回路
及び荷役用流体圧回路に分流して供給する構成がとられ
ている。さらに、実開昭61−185795号公報等に
記載されているように、荷役操作性能を向上させるため
に、パワーステアリングが不作動の際には、ソレノイド
バルブ等の切換等によって、操舵操作用流体圧ポンプか
らの作動流体を優先的に荷役用回路へ供給するように構
成しているものもある。
【0003】しかしながら、上記のような構成では、一
つの流体圧源だけを備え、その一つの流体圧源からの作
動流体を荷役操作系及び操舵操作系の両流体圧回路で共
用する構成となっているが、操舵操作時の負荷に比べて
荷役操作時の負荷の方が大きい。このため、流体圧源か
らの作動流体を操舵操作系にのみ供給する構成に比べ
て、該流体圧源を駆動する駆動手段として出力が大きな
大型のものを使用せざるを得ない。例えば、操舵操作の
みを作動させるモードであっても、上記大型のモータを
駆動して流体圧供給を実施する必要があり、エネルギー
効率が良くないという問題がある。
【0004】このため、エネルギー消費を極力抑えたい
車両、例えば、車体に搭載された蓄電池で駆動されるよ
うなバッテリ車等には対応できない。そこで、上記バッ
テリ車等にあっては、操舵系専用のモータ及び流体圧ポ
ンプを別に搭載して、操舵用回路及び荷役用回路に対し
てそれぞれ独立した流体圧源を持たせることが、一般に
実施されている。この場合には、操舵操作時の負荷に対
応した必要かつ十分な各モータ及び流体圧ポンプが搭載
されて、上記に比べてエネルギー効率が向上する。
【0005】しかしながら、上記のようなバッテリ車で
あっても、荷役操作の性能向上が求められており、該性
能の目安としてマストのリフトスピード等,荷役装置の
移動速度がその指標となっている。これに対応しようと
すると、従来では、荷役操作用流体圧ポンプの駆動手段
として,出力が大きな荷役用モータを採用したり、大型
の荷役操作用流体圧ポンプを採用する必要がある。しか
し、より大型の荷役用モータや荷役操作用流体圧ポンプ
を採用することは、コスト高となる共に、専有スペース
が大きくなって搭載スペースに制約が発生する。
【0006】そこで、特願平5−322781号に記載
されているような荷役車両の流体圧回路が提案されてい
る。これは、操舵操作が停止している状態で荷役操作を
する際に、通常のように荷液操作用流体圧ポンプを駆動
して該荷液操作用流体圧ポンプからの作動液を荷役用回
路に供給すると共に、操舵操作用流体圧ポンプを駆動し
て該操舵操作用流体圧ポンプから吐出される作動液も荷
液用回路に供給する。これによって、大型の荷役用モー
タや荷役操作用流体圧ポンプを用いることなく、荷役用
回路への作動流体の供給量が増加して、操舵操作をしな
いときにおける、荷役操作性能を向上させる。
【0007】また、プライオリティバルブを使用するこ
とで、操舵操作と荷役操作とを同時に実施されても、荷
液操作用流体圧ポンプを駆動して該荷液操作用流体圧ポ
ンプからの作動液を荷役用回路に供給し、且つ、操舵操
作用流体圧ポンプを駆動して該操舵操作用流体圧ポンプ
からから吐出される作動液を、優先的に操作操作用回路
に供給すると共にその余剰流量を荷役用回路に供給する
ことで、荷役操作性能を向上させることも提案されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特願平5−322
781号で提案されているような荷役車両の流体圧回路
では、荷役操作の高速作動を行うことを考慮して、荷役
操作時に、荷液操作用流体圧ポンプ及び操舵操作用流体
圧ポンプの両ポンプを共に同時駆動させている。しか
し、荷役作業でもフォーク位置の微調整作業やアタッチ
メントでの作業等の軽作業の際には、多量の作動液の供
給が要求されないにも関わらず、両ポンプが必ず駆動さ
れて電力消費量が大きくなるといった問題がある。
【0009】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、荷役操作性能を低下させることなく、
バッテリ等の動力源のエネルギー消費を節約することを
目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に記載された荷役車両の流体
圧回路は、流体圧源として操舵操作用流体圧ポンプと荷
役操作用流体圧ポンプとを備えて、操舵操作用流体圧ポ
ンプからの作動流体が操舵用流路を介して操舵用回路へ
供給可能となっていると共に、荷役操作用流体圧ポンプ
からの作動流体が荷役用流路を介して荷役用回路へ供給
可能となっている荷役車両において、上記操舵操作用流
体圧ポンプの吐出側と荷役用回路とを連通するバイパス
流路と、操舵操作用流体圧ポンプから吐出された作動流
体を、操舵用流路及びバイパス流路に対して、その一方
の流路にのみ、若しくは所定比率で両者に分配する分配
手段と、荷役操作時に荷役用回路へ供給する流体圧の大
小を選択する荷役作動選択手段と、その荷役作動選択手
段によって荷役用回路への供給流体圧が小と選択された
ときに、荷役操作用流体圧ポンプを停止すると共に操舵
操作用流体圧ポンプを駆動し、さらに、分配手段を介し
て、該操舵操作用流体圧ポンプの吐出側を、バイパス流
路にのみ、若しくは所定の比率でバイパス流路側に連通
するコントローラと、を備えたことを特徴としている。
【0011】このとき、請求項2に記載されているよう
に、上記コントローラは、操舵操作をしないで荷役操作
をする場合であって上記荷役作動選択手段によって供給
流体圧が小と選択されたときに、荷役操作用流体圧ポン
プを停止すると共に操舵操作用流体圧ポンプを駆動し、
且つ、操舵操作用流体圧ポンプからの吐出側を、分配手
段を介して、上記バイパス流路側にのみ連通する設定手
段を備えたことを特徴とする。
【0012】また、請求項3に記載された荷役車両の流
体圧回路は、請求項1又は請求項2に記載された発明に
対して、操舵操作の有無を検知する操舵操作検知手段
と、荷役操作の有無を検知する荷役操作検知手段と、操
舵操作用流体圧ポンプを駆動する操舵流体圧ポンプ駆動
手段と、荷役操作用流体圧ポンプを駆動する荷役流体圧
ポンプ駆動手段と、操舵操作検知手段,荷役操作検知手
段,分配手段,荷役作動選択手段,操舵流体圧ポンプ駆
動手段,及び荷役流体圧ポンプ駆動手段に接続されて、
上記操舵操作検知手段,荷役操作検知手段,及び荷役作
動選択手段からの信号によって、上記分配手段,操舵流
体圧ポンプ駆動手段,及び荷役流体圧ポンプ駆動手段を
制御する上記コントローラと、を備え、該コントローラ
は、操舵操作検知手段及び荷役操作検知手段からそれぞ
れ操舵操作が有り且つ荷役操作が有るという信号を入力
したときに、荷役流体圧ポンプ駆動手段及び操舵流体圧
ポンプ駆動手段を共に駆動させると共に、分配手段を介
して操舵操作用流体圧ポンプの吐出側を操舵用流路側に
優先的に連通するように設定する第1モード設定手段
と、操舵操作検知手段及び荷役操作検知手段からそれぞ
れ操舵操作が有り且つ荷役操作が無いという信号を入力
したときに、荷役流体圧ポンプ駆動手段を停止させ且つ
操舵流体圧ポンプ駆動手段を駆動させると共に、分配手
段を介して操舵操作用流体圧ポンプの吐出側を操舵用流
路側にだけ連通するように設定する第2モード設定手段
と、操舵操作検知手段及び荷役操作検知手段からそれぞ
れ操舵操作が無く且つ荷役操作が有るという信号を入力
し、且つ、荷役作動選択手段から荷役用回路への供給流
体圧が大と選択された信号を入力したときに、荷役流体
圧ポンプ駆動手段及び操舵流体圧ポンプ駆動手段を共に
駆動させると共に、分配手段を介して操舵操作用流体圧
ポンプの吐出側をバイパス流路側に連通するように設定
する第3モード設定手段と、操舵操作検知手段及び荷役
操作検知手段からそれぞれ操舵操作が無く且つ荷役操作
が有るという信号を入力し、且つ、荷役作動選択手段か
ら荷役用回路への供給流体圧が小と選択されたという信
号を入力したときに、荷役流体圧ポンプ駆動手段を停止
し且つ操舵流体圧ポンプ駆動手段を駆動させると共に、
分配手段を介して操舵操作用流体圧ポンプの吐出側をバ
イパス流路側に連通するように設定する第4モード設定
手段と、操舵操作検知手段及び荷役操作検知手段からそ
れぞれ操舵操作が無く且つ荷役操作が無いという信号を
入力したときに、荷役流体圧ポンプ駆動手段及び操舵流
体圧ポンプ駆動手段を停止させるように設定する第5モ
ード設定手段と、備えていることを特徴とする。
【0013】また、請求項4に記載された荷役車両の流
体圧回路は、請求項1から請求項3のいずれかに記載さ
れた発明に対して、バイパス流路を操舵用流路から分岐
すると共に、そのバイパス流路の途中に分配手段を構成
する開閉弁を設けたときに、該バイパス流路に圧力保持
手段を介装したことを特徴とする。また、請求項5に記
載された荷役車両の流体圧回路は、請求項1から請求項
4のいずれかに記載された発明に対して、荷役用流路又
は操舵用流路に少なくとも一方の流路の途中に、逆止め
弁を介装したことを特徴とする。
【0014】また、請求項6に記載された荷役車両の流
体圧回路は、請求項1から請求項5のいずれかに記載さ
れた発明に対して、操舵用流路と操舵用回路としてのパ
ワーステアリングのシリンダ部とを連通する操舵用コン
トロールバルブとして、クローズドセンタ型のバルブを
使用したことを特徴とする。また、請求項7に記載され
た荷役車両の流体圧回路は、請求項3から請求項6のい
ずれかに記載された発明に対して、上記コントローラを
構成する第1モード設定手段に、操舵操作検知手段及び
荷役操作検知手段からそれぞれ操舵操作が有り且つ荷役
操作が有るという信号を入力し、且つ、荷役作動選択手
段から荷役用回路への供給流体圧が小と選択されたとい
う信号を入力したときには、荷役流体圧ポンプ駆動手段
を停止させ且つ操舵流体圧ポンプ駆動手段を駆動させる
と共に、分配手段を介して操舵操作用流体圧ポンプの吐
出側を操舵用流路側に優先的に連通するように設定する
第6モード設定手段を備えたことを特徴とする。
【0015】例えば、請求項8に記載されているよう
に、操舵用流路と操舵用回路としてのパワーステアリン
グのシリンダ部とを連通する操舵用コントロールバルブ
よりも操舵操作用流体圧ポンプ側位置における操舵用流
路に、プライオリティバルブを介装し、且つ、そのプラ
イオリティバルブの余剰流取出しポートを荷役用回路に
連通したことを特徴とする。
【0016】また、請求項9に記載された荷役車両の流
体圧回路は、請求項3から請求項8のいずれかに記載さ
れた発明に対して、操舵流体圧ポンプ駆動手段の負荷を
検出する負荷検出手段を設けると共に、上記コントロー
ラを構成する第3モード設定手段又は第4設定手段の少
なくとも一方に対して、操舵操作検知手段及び荷役操作
検知手段からそれぞれ操舵操作が無く且つ荷役操作が有
るという信号を入力し、且つ、負荷検出手段から該操舵
流体圧ポンプ駆動手段の負荷が所定許容値以上になった
という信号を入力したときに、荷役作動選択手段からの
信号を無視して、操舵流体圧ポンプ駆動手段を停止し且
つ荷役流体圧ポンプ駆動手段を駆動させると共に、分配
手段を介して操舵操作用流体圧ポンプの吐出側をバイパ
ス流路側と非連通状態に設定する第7モード設定手段を
備えたことを特徴とする。
【0017】また、請求項10に記載された荷役車両の
流体圧回路は、請求項3から請求項9のいずれかに記載
された発明に対して、上記荷役作動選択手段は、荷役操
作時に荷役用回路へ供給する流体圧を大中小の3段階に
分けて選択可能とし、また、上記コントローラに、操舵
操作検知手段及び荷役操作検知手段からそれぞれ操舵操
作が有り且つ荷役操作が有るという信号を入力し、且
つ、荷役作動選択手段から荷役用回路への供給流体圧が
中と選択されたという信号を入力したときに、荷役流体
圧ポンプ駆動手段及び操舵流体圧ポンプ駆動手段を共に
駆動させると共に、分配手段を介して操舵操作用流体圧
ポンプの吐出側を操舵用流路側に優先的に連通するよう
に設定する第8モード設定手段と、操舵操作検知手段及
び荷役操作検知手段からそれぞれ操舵操作が無く且つ荷
役操作が有るという信号を入力し、且つ、荷役作動選択
手段から荷役用回路への供給流体圧が中と選択されたと
いう信号を入力したときに、操舵流体圧ポンプ駆動手段
を停止し且つ荷役流体圧ポンプ駆動手段を駆動させると
共に、分配手段を介して操舵操作用流体圧ポンプの吐出
側をバイパス流路側に非連通状態に設定する第9モード
設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
【作用】バイパス流路によって操舵操作用流体圧ポンプ
からの作動流体が荷役用回路へ供給可能となる。そし
て、操舵操作をしないときには、作動流体を操舵用回路
側に供給する必要がないので、分配手段を介して、操舵
操作用流体圧ポンプからの作動流体を荷役用回路側へ供
給する。
【0019】これによって、荷役操作用流体圧ポンプを
大型化することなく、荷役用回路への作動流体の供給量
が増加し、もって、操舵操作をしないときにおける、荷
役操作性能が向上する。また、荷役作業が、フォーク位
置等の微調整作業や多量の作動流体を必要とないアタッ
チメントでの作業等,軽作業時には、荷役用回路に対し
て多量の作動液を供給する必要がないので、荷役作動選
択手段によって荷役用回路への供給流体圧を小に選択す
ることで、荷役操作用流体圧ポンプを駆動させずに、該
荷役操作用流体圧ポンプより小型の操舵操作用流体圧ポ
ンプから吐出される作動液、又はその作動液の一部のみ
を荷役用回路に供給して荷役操作を行う。
【0020】これによって、高速作動を要求しない軽い
荷役作業を行う際の動力源であるバッテリ等のエネルギ
ー消費量が節約される。特に、操舵操作をしないで荷役
作業を実施する場合には、請求項2に記載されているよ
うに構成することで、荷役操作用流体圧ポンプを停止す
ると共に、操舵系側で使用されていない,荷役操作用流
体圧ポンプより小型の操舵操作用流体圧ポンプから吐出
される作動液が、全て荷役用回路に供給されて、動力源
のエネルギー消費量が節約されると共に、高速作動を要
求しない通常の荷役作業が実施される。
【0021】請求項3に記載のような構成とすること
で、操舵操作と荷役操作が共に操作される場合であっ
て、荷役作業を所定の操作性をもって実施したい場合に
は、従来通り、両流体圧源を独立に作用させて、操舵操
作用流体圧ポンプからの作動流体は操舵用回路に供給す
る。または、操舵操作用流体圧ポンプから吐出される作
動流体の余剰流をバイパス路を介して荷役用回路に供給
して操作性を幾分でも向上させた状態とする。
【0022】また、操舵操作を行わないで荷役操作のみ
を行う場合であって、荷役作業を所定の操作性をもって
実施したい場合には、モータ等の荷役用駆動手段を介し
て荷役操作用流体圧ポンプを駆動して該荷役操作用流体
圧ポンプからの作動液を荷役用回路に供給すると共に、
モータ等の操舵用駆動手段を介して操舵操作用流体圧ポ
ンプを駆動させ、且つ、分配手段を介して駆動用流体圧
ポンプをバイパス流路側にのみ連通することで、操舵操
作用流体圧ポンプからの作動流体も荷役用回路に供給さ
れる。
【0023】これよって、荷役用回路によって駆動され
るマスト等の荷役装置の移動速度が速くなるなど、荷役
操作性能が向上する。一方、操舵操作を行わないで荷役
操作のみを行う場合であって、荷役操作が多量の作動液
を必要としない軽作業の場合には、荷役操作用流体圧ポ
ンプよりも小型の操舵操作用流体圧ポンプからの作動流
体のみを荷役用回路に供給して荷役作業を実施すること
で、バッテリ等の動力弁源のエネルギー消費を節約す
る。
【0024】また、操舵操作及び荷役操作が共に行われ
ていないときには、流体圧ポンプの駆動を停止すること
で、不要なエネルギーの消費を防ぐ。また、請求項4に
記載のように、分配手段を構成する開閉弁をバイパス流
路に設けた場合、該開閉弁が故障して開状態のままにな
ると、荷役非操作時における操舵操作時にも操舵操作用
流体圧ポンプから吐出される作動流体の一部が荷役用流
体圧回路に流れる。これによって、操舵用回路への作動
流体の供給量が不足して、所定のパワーステアリング機
能が確保できなくなる恐れがある。
【0025】これに鑑みて、バイパス流路に圧力保持手
段を設けることで、上記のように開閉弁が常開状態に故
障しても該バイパス流路内の流体圧が所定圧力に保持さ
れ、もって、操舵用回路に対して所定の流体圧が確保さ
れる。これによって、車両走行中に上記開閉弁が常開状
態に故障しても所定のパワーステアリング圧力が確保さ
れて、走行安全性が保証される。
【0026】また、請求項5に記載のように、操舵用流
路に逆止め弁を設けた場合、操舵操作を停止したとき、
即ち操舵操作用流体圧ポンプを停止したときに、操舵用
回路からの作動流体の逆流が抑えられ、所定の残圧が操
舵用回路に確保される。これによって、再び,操舵操作
用流体圧ポンプを駆動して操舵用回路が所定の設定圧力
までになる時間が短くなり、操舵操作の応答性が向上す
る。
【0027】また、荷役用流路に逆止め弁を設けた場
合、荷役操作用流体圧ポンプが停止している状態で、操
舵操作用流体圧ポンプを駆動し、該操舵操作用流体圧ポ
ンプから吐出された作動流体を荷役用回路への供給する
際に、該作動流体が荷役操作用流体圧ポンプに向けて逆
流することが防止される。また、請求項6に記載されて
いるように、操舵用コントロールバルブとしてクローズ
ドセンタ型のバルブを採用することで、無負荷時,即ち
操舵操作を行っていない状態では、操舵操作用流体圧ポ
ンプから操舵用流路を介して供給される作動流体が、タ
ンクに戻ることがなくなる。
【0028】もし、操舵用コントロールバルブとしてオ
ープンセンタ型のバルブを採用すると、別途、タンクへ
の作動流体の還流を抑える開閉バルブ等を操舵用流路に
設けることが必要となる。請求項7に記載されているよ
うな構成とすることで、操舵操作と荷役操作が共に操作
される場合であって、荷役操作が多量の作動液を必要と
しない軽作業の場合には、操舵操作用流体圧ポンプから
吐出される作動流体の余剰流だけで荷役作業を実施し
て、操舵操作と荷役操作が共に操作される場合であって
もバッテリ等の動力弁源のエネルギー消費が節約され
る。
【0029】これは、例えば、請求項8に記載した構成
とすることで実現する。即ち、プラオリティバルブを設
けることで、操舵系に対して優先的に必要流量を確保し
た残りの余剰流量を荷役用回路側へ供給可能となる。こ
れによって、軽作業時には、荷役操作用流体圧ポンプを
停止可能となる。さらに、軽作業時以外にあっては、荷
役操作用流体圧ポンプからの作動液に加えて上記余剰流
量で荷役作業を行うことで、操舵操作を行いながらの通
常の荷役操作性能が向上する。
【0030】なお、操舵系に必要な流量は、オペレータ
によるステアリングホィールを回す速度に対応してお
り、一般に、最低限確保すべき流量は設計時に判明して
いるので問題はない。また、本願発明では、上記説明し
てきたように、操舵操作を実施せず且つ荷役操作を実施
する際に、操舵操作用流体圧ポンプから吐出される作動
流体のみで荷役操作が実施される場合があるが、誤って
多量の作動液を要求される荷役作業の際などに、操舵操
作用流体圧ポンプから吐出される作動流体のみで作動し
ようとすると、操舵流体圧ポンプ駆動手段の負荷が過剰
となり故障する恐れがある。
【0031】これに鑑み、請求項9に示すように、ライ
ン圧や操舵流体圧ポンプ駆動手段への駆動電流等を測定
する負荷検出手段によって、操舵流体圧ポンプ駆動手段
の負荷を監視させて、該負荷が所定許容値を越えた場合
に、操舵流体圧ポンプ駆動手段を停止すると共に、荷役
操作用流体圧ポンプを駆動し、該荷役操作用流体圧ポン
プからの作動流体を荷役用回路に供給することで荷役作
業を実施する。
【0032】これによって、操舵流体圧ポンプ駆動手段
が所定時間,過負荷状態となって故障し、走行不能とな
ることを回避する。また、請求項10に記載されている
ように、荷役作動選択手段によって3段階の流体圧設定
を可能とすると、上記説明した選択以外に、従来のよう
な荷役操作用流体圧ポンプからの作動流体のみを荷役用
回路に供給して荷役作業を実施する中程度の荷役操作性
を選択することも可能となる。
【0033】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
以下の実施例では、荷役車両の一例としてバッテリ駆動
のフォークリフトトラックに適用した場合であり、ま
た、作動流体として作動油を使用した場合で説明てい
る。まず構成を説明すると、図1に示すように、コント
ローラ1からの指令によって図示しないバッテリを動力
源として操舵用モータ2(操舵流体圧ポンプ駆動手段)
が駆動制御され、その操舵用モータ2の駆動によって操
舵操作用油圧ポンプ3が駆動可能となっている。その操
舵操作用油圧ポンプ3の吐出側には、操舵用流路4の一
端部が接続され、その操舵用流路4の他端部は、パワー
シリンダ装置7と共に操舵用回路を構成する,操舵用コ
ントロールバルブ5の入力ポートに接続されている。上
記操舵用流路4における操舵用コントロールバルブ5側
には逆止め弁6が介装されている。該逆止め弁6は、操
舵用コントロールバルブ5に向けての流れのみを許し、
且つ操舵用油圧ポンプ側への流れを阻止するものであ
る。
【0034】また、上記操舵用コントロールバルブ5の
戻りポートは、操舵用戻り流路8を介して作動油タンク
9に連通している。また、上記逆止め弁6よりも上流位
置の操舵用流路4と操舵用戻り流路8との間には、リリ
ーフバルブ10が介装されていて、操舵用流路4内の圧
力が設定リリーフ圧以上となったときに、該操舵用流路
4内の作動液を操舵用戻り流路8にリリーフする。
【0035】また、上記操舵用コントロールバルブ5
は、ステアリングホィールが回転されることで操舵操作
装置を介して切換制御されるクローズドセンタ型のポー
ト位置切換弁からなり、上記操舵操作装置からの設定に
応じて、パワーシリンダ装置7の第1室7aに作動油を
供給してピストンロッドを第2室7b側に移動させる機
能と、パワーシリンダ装置7の第2室7bに作動油を供
給してピストンロッドを第1室7a側に移動させる機能
とを有する。そのパワーシリンダ装置7は、シリンダ装
置本体が車体側に支持されると共に、ピストンロッドが
ステアリングゲージに支持されて、操舵力の助成制御を
行う。
【0036】また、コントローラ1からの指令によって
図示しないバッテリを動力源として荷役用モータ11
(荷役流体圧ポンプ駆動手段)が駆動制御され、その荷
役用モータ11の駆動によって荷役操作用油圧ポンプ1
2が駆動可能となっている。その荷役操作用油圧ポンプ
12の吐出側には荷役用流路13の一端部が接続され、
その荷役用流路13の他端部は、リフトシリンダ装置1
5と共に荷役用回路を構成する,荷役用コントロールバ
ルブ14の入力側ポートに接続されている。該荷役用流
路13の荷役操作用油圧ポンプ12側には逆止め弁16
が介装されて、該荷役操作用油圧ポンプ12側に作動液
が逆流することを防止している。
【0037】また、上記荷役用コントロールバルブ14
の戻りポートは、荷役用戻り流路17を介して作動油タ
ンク9に連通している。また、上記操舵用流路4と操舵
用戻り流路8との間に、リリーフバルブ18が介装され
て、荷役用流路13内の圧力が設定リリーフ圧以上にな
ると、該荷役用流路13内の作動液を荷役用戻り流路1
7にリリーフする。
【0038】その荷役用コントロールバルブ14は、荷
役用レバー19によって切換制御されるクローズドセン
タ型のポート位置切換弁からなり、上記荷役用レバー1
9からの設定に応じて、リフトシリンダ装置15の第1
室15aに作動油を供給してピストンロッドを上方へ移
動させる機能と、リフトシリンダ装置15の第2室15
bに作動油を供給してピストンロッドを下方へ移動させ
る機能とを有する。そのリフトシリンダ装置15は、シ
リンダ装置本体が車体側に支持されると共に、ピストン
ロッド上部がリフトブラケットに固定されて、フォーク
の昇降制御を行う。
【0039】なお、上記説明及び図1では、荷役用回路
として、荷役装置の一つであるリフトシリンダ装置15
及びそれに対応する荷役用コントロールバルブ14のみ
しか図示していないが、実際には、上記荷役用コントロ
ールバルブ14と並列に、チルトシリンダ装置用やアタ
ッチメント装置用などの荷役用コントロールバルブが配
設され、個々の荷役用レバー19によって各荷役操作の
制御が可能となっている。
【0040】また、操舵用流路4の途中からバイパス流
路20が分岐し、そのバイパス流路20の他端部は、荷
役用流路13の途中に合流している。そのバイパス流路
20の途中には、分配手段を構成する電磁開閉弁21,
及び逆止め弁22が介装されている。上記逆止め弁22
は、バイパス流路20内の作動油の流通を操舵用流路4
側から荷役用流路13側に向けての流れのみを許し、反
対方向への流れを阻止するものである。
【0041】また、上記電磁開閉弁21は、コントロー
ラ1からの指令によって作動して、該バイパス流路20
内の作動油の流れを開閉する。また、上記操舵用コント
ロールバルブ5には、操舵操作検知手段を構成する圧力
感知センサS1が設けられている。その圧力感知センサ
S1は、該操舵用コントロールバルブ5内の圧力によっ
て、操舵操作の有無を感知して有り信号又は無し信号を
コントローラ1に供給可能となっている。
【0042】また、全荷役用レバー19に対して、それ
ぞれ荷役操作検知手段を構成するマイクロスイッチS
2、及び荷役作動選択手段を構成する荷役増速スイッチ
S3が配設されている。マイクロスイッチS2は、荷役
用レバー19の作動を検知して荷役操作の有無に対応す
る信号をコントローラ1に供給可能となっている。ま
た、荷役増速スイッチS3は、荷役用レバー19が大き
く操作された際等に、荷役用回路への供給流体圧が大に
選択されたとしてオン状態となって、コントローラ1へ
増速信号(オン信号)を供給し、そうでなければ、荷役
用回路への供給流体圧が小に選択されたとして、オフ信
号を供給,即ち増速信号の供給を停止する。
【0043】また、操舵用流路4の途中には、負荷検出
手段を構成する負荷センサS4が接続されている。該負
荷センサS4は、操舵用流路4のライン圧を検出して、
該検出値に応じた圧力信号をコントローラ1へ供給可能
となっている。コントローラ1は、図4に示すように、
圧力感知センサS1,マイクロスイッチS2,荷役増速
スイッチS3,及び負荷センサS4からの各信号を入力
し(ステップ1)、下記表1に従ってモード設定を実施
し(ステップ2)制御信号を形成した後(ステップ
3)、上記操舵用モータ2,荷役用モータ11,及び電
磁開閉弁21に信号を供給して(ステップ4)、該操舵
用モータ2,荷役用モータ11,及び電磁開閉弁21を
制御する。
【0044】
【表1】
【0045】詳述すると、コントローラ1は、圧力感知
センサS1から有り信号を入力し且つマイクロスイッチ
S2から有り信号を入力すると(モードA)、操舵操作
及び荷役操作がともに実施されると判断して、操舵用モ
ータ2及び荷役用モータ11に駆動信号を供給すると共
に、電磁開閉弁21に閉指令を伝達する。また、圧力感
知センサS1から有り信号を入力し且つマイクロスイッ
チS2から無し信号を入力すると(モードB)、操舵操
作が実施されると共に荷役操作が停止していると判断し
て、操舵用モータ2に駆動信号を供給すると共に荷役用
モータ11に停止信号を供給し、さらに、電磁開閉弁2
1に閉指令を伝達する。
【0046】また、圧力感知センサS1から無し信号を
入力し且つマイクロスイッチS2から有り信号を入力す
ると(モードC〜E)、操舵操作が停止すると共に荷役
操作が実施されると判断する。このとき、荷役増速スイ
ッチS3から増速信号を入力した場合には(モード
D)、操舵用モータ2及び荷役用モータ11に駆動信号
を供給し、さらに、電磁開閉弁21に開指令を伝達す
る。また、荷役増速スイッチS3から増速信号を入力せ
ず、負荷センサS4から入力した圧力信号によって操舵
用流路4のライン圧が許容圧以下と判断したならば(モ
ードC)、操舵用モータ2に駆動信号を供給すると共に
荷役用モータ11に停止信号を供給し、さらに、電磁開
閉弁21に開指令を伝達する。また、荷役増速スイッチ
S3から増速信号を入力せず、かつ、負荷センサS4か
ら入力した圧力信号によって操作用流路のライン圧が許
容圧以上と判断したならば(モードE)、操舵用モータ
2に停止信号を供給すると共に荷役用モータ11に駆動
信号を供給し、さらに、電磁開閉弁21に閉指令を伝達
する。
【0047】また、圧力感知センサS1から無し信号を
入力し且つマイクロスイッチS2から無し信号を入力す
ると(モードF)、操舵操作及び荷役操作が停止してい
ることを判断して、操舵用モータ2及び荷役用モータ1
1に停止信号を供給し、さらに、電磁開閉弁21に閉指
令を伝達する。なお、上記モードAが第1モード設定手
段に対応し、モードBが第2モード設定手段に対応し、
モードCが第4モード設定手段に対応し、モードDが第
3モード設定手段に対応し、モードFが第5設定手段に
対応し、モードEが第7設定手段に対応している。
【0048】上記のような構成の油圧回路では、オペレ
ータがステアリングホィールを回転させると操舵操作装
置を介して操舵用コントロールバルブ5が操舵位置に切
換制御される。すると、該操舵用コントロールバルブ5
が操舵操作に切り換わったことを圧力感知センサS1が
検知して、有り信号がコントローラ1に供給される。こ
のとき、荷役用レバー19が操作されていて、荷役用コ
ントローラ1バルブがリフト上昇位置または下降位置に
切換制御されると、マイクロスイッチS2から有り信号
がコントローラ1に入力される。すると、コントローラ
1は、操舵用モータ2及び荷役用モータ11に駆動信号
を供給すると共に、電磁開閉弁21に閉指令を伝達する
(モードA)。
【0049】これによって、電磁開閉弁21は閉位置に
操作されてバイパス流路20内の作動油の流通が閉じら
れ、操舵用流路4を流れる作動油が荷役用コントロール
バルブ14側に流れることが阻止される。そして、操舵
用モータ2が駆動されることで操舵操作用油圧ポンプ3
が駆動されて、操舵用流路4を介して操舵用コントロー
ルバルブ5に作動油が供給され、さらに、その作動油が
パワーシリンダ装置7の第1室7aまたは第2室7bの
一方の室に供給されると共に、他方の室の作動油が操舵
用コントロールバルブ5を介して作動油タンク9に戻り
操舵操作が実施される。
【0050】一方、荷役用モータ11が駆動されること
で荷役操作用油圧ポンプ12が駆動されて、荷役用流路
13を介して荷役用コントロールバルブ14に作動油が
供給され、さらに、その作動油がリフトシリンダ装置1
5に供給されてリフトの昇降動作が実施される。また、
操舵操作装置を介して操舵用コントロールバルブ5が操
舵位置に切換制御され且つ荷役用コントロールバルブ1
4が中立位置に切換制御されると、コントローラ1は、
圧力感知センサS1から有り信号を入力しマイクロスイ
ッチS2から無し信号を入力する(モードB)。する
と、コントローラ1は、電磁開閉弁21に閉指令を伝達
して、上記バイパス流路20の流れを閉じたままにする
と共に、荷役用モータ11に停止信号を供給して荷役操
作用油圧ポンプ12を停止する。
【0051】一方、操舵用モータ2には、駆動信号を供
給して、該操舵用モータ2の駆動を開始または該駆動を
継続する。このときには、荷役用コントロールバルブ1
4は中立位置に切換られて、リフトシリンダ装置15の
ピストンロッドに位置が保持される。また、操舵操作用
油圧ポンプ3から吐出される作動油が操舵用流路4を介
して操舵用コントロールバルブ5に供給され、続けてパ
ワーシリンダ装置7に供給されて操舵操作が実施され
る。
【0052】また、操舵用コントロールバルブ5が中立
位置に切換制御され且つ荷役用コントロールバルブ14
が荷役位置に切換制御されると、コントローラ1は、圧
力感知センサS1から無し信号を入力し且つマイクロス
イッチS2から有り信号を入力して、操舵操作なし且つ
荷役操舵ありと判断する。このとき、コントローラ1
は、荷役レバーの操作量が小さく荷役増速スイッチS3
から増速信号を入力を受けず且つ負荷センサS4からの
圧力信号によって操舵用流路4のライン圧が許容値以下
と判断した場合には(モードC)、荷役用回路に多量の
作動油を供給する必要がないと判断し、電磁開閉弁21
に開指令を伝達して、上記バイパス流路20の流れを開
くと共に、操舵用モータ2に駆動信号を供給して、該操
舵用モータ2の駆動を開始または該駆動を継続する。一
方、荷役用モータ11に停止信号を供給して荷役操作用
油圧ポンプ12を停止する。
【0053】これによって、荷役操作用油圧ポンプ12
より小型の操舵操作用油圧ポンプ3のみが駆動される。
該操舵操作用油圧ポンプ3から吐出された作動油は、操
舵用コントロールバルブ5が中立位置に設定されている
ため該操舵用コントロールバルブ5へは供給されず、バ
イパス流路20を介して荷役用コントロールバルブ14
に供給されて、荷役作動が実施される。このとき、逆止
め弁6によって、操舵用流路4からバイパス流路20に
流れた作動油が停止している荷役操作用油圧ポンプ12
側に流れることが阻止されている。
【0054】この場合、荷役操作用油圧ポンプ12から
時間当たりに供給される作動油量は少量となって、リフ
トの作動が緩慢となるが、荷役レバーの操作量が小さい
場合、例えばフォーク位置の微調整であるため問題な
く、逆に遅い方が位置合わせが実施し易くなる。さら
に、荷役操作用油圧ポンプ12より小型の操舵操作用油
圧ポンプ3を駆動するためバッテリの消費電力が節約さ
れる。
【0055】なお、操舵用流路4に逆止め弁6を設ける
ことで、操舵操作を停止した状態、即ち、操舵用コント
ロールバルブ5が中立位置で且つ操舵操作用油圧ポンプ
3が停止した際に、作動油の操舵操作用油圧ポンプ3側
への逆流を極力抑え込んで残圧が確保され、次に操舵操
作を実施する際の操舵操作の応答性が向上するようにし
ている。
【0056】一方、コントローラ1は、操舵操作なし且
つ荷役操舵ありと判断した際に、荷役用レバー19の操
作量が大きく荷役増速スイッチS3から増速信号を入力
をし且つ負荷センサS4からの圧力信号によって操舵用
流路4のライン圧が許容値以下と判断した場合には(モ
ードD)、荷役用回路に多量の作動油を供給する必要が
あると判断し、電磁開閉弁21に開指令を伝達して、バ
イパス流路20内の作動油の流通を可能とし、また、操
舵用モータ2及び荷役用モータ11に対して駆動信号を
供給する。
【0057】すると、荷役操作用油圧ポンプ12からの
作動油が荷役用コントロールバルブ14に供給される。
これと同時に、操舵操作用油圧ポンプ3からも作動油が
吐出されるが、操舵用コントロールバルブ5は中立位置
に設定されているので、該操舵用コントロールバルブ5
へは供給されず、バイパス流路20を介して荷役用コン
トロールバルブ14に供給される。
【0058】荷役用コントロールバルブ14は、荷役操
作用油圧ポンプ12と操舵操作用油圧ポンプ3の両者か
ら供給された作動油をリフトシリンダ装置15側に供給
して荷役操作が実施される。このとき、荷役操作用油圧
ポンプ12だけから作動油を供給される場合に比べて、
荷役用コントロールバルブ14及び荷役装置ではリフト
シリンダに供給される時間当りの作動油の供給量が多く
なって、リフトの上昇及び下降の速度が、従来よりも早
い速度で実施される。
【0059】また、コントローラ1は、上記のように荷
役装置を作動させるために操舵操作用油圧ポンプ3を駆
動させている間に、負荷センサS4からの圧力信号から
操舵用流路4のライン圧が所定許容値以上となったこと
を検知すると操舵用モータ2が過負荷状態と判断して
(モードE)、次回の操舵操作又は荷役操作を行うまで
操舵用モータ2を停止させると共に、電磁開閉弁21に
閉指令を伝達してバイパス流路20内の作動油の流通を
閉塞し、さらに、荷役用モータ11を駆動し、該荷役操
作用油圧ポンプ12からの作動油を荷役回路に供給して
荷役作動を行う。
【0060】これによって、操舵用モータ2及び操舵操
作用油圧ポンプ3を荷役作動に使用する際に、該操舵用
モータ2が所定時間,過負荷状態となることで故障し走
行不能となることを回避する。また、操舵用コントロー
ルバルブ5が中立位置に切換制御され且つ荷役用コント
ロールバルブ14の中立位置に切換制御されると(モー
ドF)、コントローラ1は、圧力感知センサS1から無
し信号を入力し且つマイクロスイッチS2から無し信号
を入力する。これによって、コントローラ1は、操舵用
モータ2及び荷役用モータ11に停止信号を供給すると
共に、電磁開閉弁21に閉指令を伝達する。
【0061】すると、電磁開閉弁21が閉じることで、
バイパス流路20内の作動油の流通が阻止されて、操舵
系と荷役系が分離される。また、荷役操作用油圧ポンプ
12が停止すると共に、荷役用コントロールバルブ14
が中立位置になっていることで、荷役用流路13内の作
動油は閉じ込められて所定のライン圧に保持される。一
方、操舵操作用油圧ポンプ3も停止するが、操舵用コン
トロールバルブ5はクローズドセンタ型であるので、操
舵用流路4内の作動油が、操舵用コントロールバルブ5
の戻りポートを介してタンクに戻ることが阻止される。
このとき、電磁開閉弁21は閉じているので、操舵用流
路4内の作動油がバイパス流路20を介して荷役用コン
トロールバルブ14及び荷役操作用油圧ポンプ12側に
流れることはない。
【0062】このように、上記実施例の油圧回路では、
荷役操作速度を早くする必要がないリフト位置の微調整
作業を実施する荷役操作時の消費電力が従来よりも節約
される。また、荷役用モータ11や荷役操作用油圧ポン
プ12を大型化することなく、操舵操作停止の際のリフ
トシリンダ装置15への作動油供給量が増量されて、リ
フトの昇降速度が従来よりも速く設定可能となる。
【0063】また、操舵操作及び荷役操作を実施しない
場合には、操舵用モータ2及び荷役用モータ11が停止
されて無用なエネルギの消費が抑えられる。なお、上記
実施例の説明では、荷役装置としてリフトの昇降のみを
説明しているが、図示しないアタッチメント装置を操作
する荷役レバーを操作した場合も上記と同様な動作及び
作用・効果を得ることができる。
【0064】また、上記実施例では、荷役用コントロー
ルバルブ14にクローズドセンタ型のバルブを採用して
いるが、オープンセンタ型のバルブを採用してもよい。
但し、そのままでは、操舵操作用油圧ポンプ3からの作
動油をバイパス流路20を介して荷役用コントロールバ
ルブ14に供給する際に、該操舵操作用油圧ポンプ3か
ら吐出された作動油の一部が操舵用コントロールバルブ
5の戻りポートを介してタンク9に戻ってしまうので、
操舵用流路4におけるバイパス流路20分岐点と操舵用
コントロールバルブ5の入力ポートとの間に電磁開閉弁
を介装して、操舵用コントロールバルブ5が中立位置の
ときには該電磁開閉弁21を操作して閉状態とするよう
に制御する必要がある。
【0065】また、上記実施例では、負荷検出手段とし
て操舵用流路4のライン圧を測定しているが、これに限
定されるものではなく、操舵用モータ2の駆動電流を測
定して該操舵用モータ2の負荷状態を検出されてもよ
い。また、上記実施例では流体圧として油圧を利用した
場合で説明しているが、空圧を使用してもよい。
【0066】また、上記実施例は、荷役車両としてフォ
ークリフトトラックの一例で説明したが、他の形式のフ
ォークリフトトラックや他の荷役車両に適用しても構わ
ない。また、上記実施例では、バイパス流路20におけ
る操舵用流と電磁開閉弁21との間に、逆止め弁22を
介装しているのは次の理由である。
【0067】この逆止め弁22がない状態で、万が一、
電磁開閉弁21が故障して常開状態の故障モードに陥る
と、荷役操作時に、荷役操作用油圧ポンプ12から吐出
された作動油がバイパス流路20を介して操舵系に流れ
てしまい、所望の作動油が荷役系に確保されずに、荷役
操作性が悪化する恐れがある。こに対して、上記逆止め
弁6を設けておくと、万が一、電磁開閉弁21が故障し
て常開状態の故障モードとなった状態で荷役操作を実施
しても、荷役操作用油圧ポンプ12から吐出された作動
油は、操作用流路側に流れることなく、該逆止め弁6の
作用によって所定の流体圧が保持され、荷役系に対する
所定の流体圧が確保される。
【0068】但し、操作操作時に、万が一、電磁開閉弁
21が故障して常開状態の故障モードに陥ると、操舵操
作用油圧ポンプ3から吐出された作動油がバイパス流路
20を介して荷役系に流れてしまい、所望の作動油が操
舵系に確保されずに、パワーステアリング機能が発揮で
きなくなる。これを防止するために、図2に示すよう
に、バイパス流路20に圧力保持手段を構成する絞り3
0を介装するとよい。
【0069】この場合、万が一、電磁開閉弁21が故障
して常開状態の故障モードとなった状態で操舵操作を実
施すると、操舵操作用油圧ポンプ3から吐出された作動
油は、その一部がバイパス流路20側に流れるが、絞り
30によって所定の流体圧が保持されて、操舵系に対す
る所定の流体圧が確保される。特に、走行中での操舵操
作の負荷は小さいので、上記絞り30による圧力保持に
よっても十分であり、走行中の操舵操作性を悪化させる
ことは回避され、安全性が向上する。
【0070】さらに、圧力保持手段としては、リリーフ
バルブを採用するなど他の公知の圧力保持手段を採用し
てもよい。但し、圧力保持手段としてリリーフバルブを
採用した場合には、荷役回路側に作動油が流れるために
は、該リリーフバルブの設定圧以上に荷役回路のライン
圧を設定する必要があるので、走行モードでの操舵系の
負荷よりも荷役回路側のライン圧を高めに設定すること
で、走行中の操舵操作の安全性が確保される。
【0071】また、操舵操作検知手段として圧力感知セ
ンサS1の代わりにステアリングシャフトにトルクセン
サを取付けて、当該トルクセンサによってステアリング
ホィールの回転トルクを検出して操舵操作の有無を判断
するようにしてもよい。次に、第2実施例について説明
する。この第2実施例の油圧回路の基本構成は、図3に
示すように、上記第1実施例と同様であり、操舵用流路
4にプライオリティバルブ31を介装した点が相違して
いる。
【0072】そのプライオリティバルブ31は、操舵用
回路を優先回路とすると共に、余剰流量取出しポートを
第2バイパス流路33を介して荷役用流路13に連通す
る。なお、図中、32は逆止め弁である。このように構
成することで、操舵操作用油圧ポンプ3から操舵用流路
4を介して操舵用コントロールバルブ5へ作動油が供給
される際に、該操舵系で必要な流量をプライオリティバ
ルブ31によって確保し、残りの余剰流量を第バイパス
流路20を介して荷役系に送ることが可能となる。
【0073】また、コントローラ1は、下記表2に従っ
て、圧力感知センサS1から有り信号を入力し且つマイ
クロスイッチS2から有り信号を入力すると、操舵操作
及び荷役操作が実施されると判断し、さらに、荷役増速
スイッチS3から増速信号を入力していたときには(モ
ードA1)、操舵用モータ2及び荷役用モータ11に駆
動信号を供給すると共に、電磁開閉弁21に閉指令を伝
達する。また、荷役増速スイッチS3から増速信号を入
力していにないときには(モードA2)、操舵用モータ
2に駆動信号を供給すると共に荷役用モータ11に停止
信号を供給し、さらに、電磁開閉弁21に閉指令を伝達
する。
【0074】他の制御は、第1実施例と同等である。な
お、上記モードA1及びA2は第1モード設定手段であ
って、A2モードが第6モード設定手段を構成してい
る。
【0075】
【表2】
【0076】第2実施例の油圧回路では、オペレータが
ステアリングホィールを回転させると操舵操作装置を介
して操舵用コントロールバルブ5が操舵位置に切換制御
される。すると、該操舵用コントロールバルブ5が操舵
操作に切り換わったことを圧力感知センサS1が検知し
て、有り信号がコントローラ1に供給される。さらに、
荷役用レバー19が操作されていて、荷役用コントロー
ラ1バルブがリフト上昇位置または下降位置に切換制御
されると、マイクロスイッチS2から有り信号がコント
ローラ1が入力される。すると、コントローラ1は、操
舵操作と荷役操作を同時期に行うと判断する。
【0077】このとき、荷役増速スイッチS3からの増
速信号を入力していると(モードA1)、荷役操作の高
速性が要求されると判断して、操舵用モータ2及び荷役
用モータ11に駆動信号を供給すると共に、電磁開閉弁
21に閉指令を伝達する。これによって、電磁開閉弁2
1は閉位置に操作されてバイパス流路20内の作動油の
流通が閉じられ、操舵用流路4を流れる作動油がバイパ
ス流路20を介して荷役用コントロールバルブ14側に
流れることが阻止される。
【0078】この状態で、操舵用モータ2が駆動される
ことで操舵操作用油圧ポンプ3が駆動され、操舵用流路
4のプライオリティバルブ31を介して操舵用コントロ
ールバルブ5に作動油が供給され、さらに、その作動油
がパワーシリンダ装置7の第1室7aまたは第2室7b
の一方の室に供給されると共に、他方の室の作動油が操
舵用コントロールバルブ5を介してタンクに戻り操舵操
作が実施される。
【0079】このとき、上記プライオリティバルブ31
は、供給された作動油を優先的に操舵用コントロールバ
ルブ5に供給すると共に、その余剰流を第2バイパス流
路33に供給され、該第2バイパス流路33に供給され
た作動油は、荷役用流路13を介して荷役用コントロー
ルバルブ14に供給される。一方、荷役用モータ11が
駆動されることで荷役操作用油圧ポンプ12が駆動され
て、荷役用流路13を介して荷役用コントロールバルブ
14に作動油が供給される。
【0080】これによって、上記余剰流と荷役操作用油
圧ポンプ12からの作動油によって荷役装置が駆動され
る。従って、操舵操作と荷役操作を同時に操作されると
きでも、荷役作動の高速を要求される場合には、荷役用
回路に従来よりも多量の作動油が供給されて、荷役操作
性が向上する。
【0081】また、コントローラ1は、操舵操作と荷役
操作を同時期に行うと判断した際に、荷役増速スイッチ
S3から増速信号を入力していない場合では(モードA
2)、荷役作動の速度が緩慢でも構わないと判断して操
舵用モータ2に駆動信号を供給すると同時に荷役用モー
タ11に停止信号を供給すると共に、電磁開閉弁21に
閉指令を伝達する。
【0082】このとき、操舵操作用油圧ポンプ3から吐
出された作動油がプライオリティバルブ31に供給され
る。その供給された作動油は、プライオリティバルブ3
1によって、優先的に操舵用コントロールバルブ5に分
配すると共に、その余剰流を第2バイパス流路33に供
給する。その第2バイパス流路33に供給された作動液
が、荷役用回路に供給されて荷役操作が実施される。
【0083】このように、第2実施例では、操舵操作と
一緒に荷役操作を実施する場合であっても、高速の荷役
性能を要求しない状態では、バッテリの消費電力が節約
されると共に、高速の荷役性能が要求される状態では、
荷役性能が従来よりも向上する。他の作用及び効果は第
1実施例と同様である。
【0084】なお、上記全実施例において、荷役車両と
してバッテリ車で説明しているが、バッテリ車の限定さ
れるものではなく、エンジン車であって、操舵操作用油
圧ポンプ3と荷役操作用油圧ポンプ12とを独立して搭
載している車両に対しても適用可能である。また、上記
全実施例では、荷役作動選択手段である荷役増速スイッ
チS3を荷役用レバー19に連動させて自動的に切り替
わるように設定されているが、単独の荷役増速スイッチ
S3が設けて手動で切り換えられるようにしてもよい。
【0085】また、荷役増速スイッチでの供給油量の選
択を3段階として、上記コントローラで、荷役操作が実
施される際に、該荷役増速スイッチから中程度の供給油
量が選択された場合には、操舵用モータ2及び荷役用モ
ータ11に駆動信号を供給すると共に、電磁開閉弁21
に閉指令を伝達するようにさせてもよい。なお、この選
択が第8,第9設定手段に対応するものである。
【0086】このような選択も可能とすることで、従来
と同様な荷役系と操舵系とが分離して駆動される状態も
選択可能となる。また、上記電磁開閉弁21の故障を警
告する警報装置を設けてもよい。
【0087】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の荷役
車両の流体圧回路では、流体圧部品を変更することな
く、操舵系の圧力流体を有効利用することにより、荷役
作業の負荷状態に合わせて駆動するポンプが変更して、
荷役操作性の向上と共に動力源のエネルギー消費の節約
が図れる。
【0088】例えば、請求項2に記載された構成とする
ことで、操舵操作を実施しない状態での荷役操作時のバ
ッテリ等の動力源のエネルギー消費を節約することがで
きる。また、請求項3に記載された構成とすることで、
操舵操作を実施しない状態での荷役操作時に、該荷役操
作量に応じて最適な駆動手段が選択されて、バッテリ等
の動力源のエネルギー消費を節約することができると共
に、荷役操作性を向上させることが可能となる。
【0089】このとき、請求項4に記載のように圧力保
持手段を設けておくと、分配手段が故障してバイパス流
路を操舵用流路に常に連通状態となっても、操舵用回路
に対して所定の流体圧が確保されることで所定のパワー
ステアリング圧力が確保されて、走行安全性が保証され
る。また、請求項5に記載されているように逆止め弁を
設けることで、操舵操作用流体圧ポンプまたは荷役操作
用流体圧ポンプへの作動流体の逆流が回避される。
【0090】また、請求項6に記載されている構成とす
ることで、無負荷時,即ち操舵操作を行っていない状態
でも、操舵用回路内に所定の圧力が確保されて、該パワ
ーステアリングの応答性が良くなる。また、請求項7に
記載されている構成とすることで、操作操作を実施して
いる状態で荷役操作を実施する時も、該荷役操作量に応
じて最適な駆動手段が選択されて、バッテリ等の動力源
のエネルギー消費を節約することができると共に、荷役
操作性を向上させることが可能となる。
【0091】これは、例えば、請求項8に記載のような
構成を採用することで実現可能となる。また、請求項9
に記載されている構成を採用することで、操作操作用流
体圧ポンプ及び操舵流体圧ポンプが長時間,過負荷状態
となることが防止されて、走行不能となることが回避さ
れる。
【0092】また、請求項10に記載されている構成と
することで、さらに細かく動力源のエネルギー消費の節
約及び荷役操作性の調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の荷役車両の流体圧回
路を示す基本構成図である。
【図2】本発明に係る第1実施例の荷役車両における他
の流体圧回路を示す基本構成図である。
【図3】本発明に係る第2実施例の荷役車両の流体圧回
路を示す基本構成図である。
【図4】本発明に係る実施例のコントローラの処理手順
を示す図である。
【符号の説明】
1 コントローラ 2 操舵用モータ 3 操舵操作用油圧ポンプ 4 操舵用流路 5 操舵用コントロールバルブ 6 逆止め弁 7 パワーシリンダ装置 11 荷役用モータ 12 荷役操作用油圧ポンプ 13 荷役用流路 14 荷役用コントロールバルブ 16 逆止め弁 20 バイパス流路 21 電磁開閉弁 30 絞り 31 プライオリティバルブ S1 圧力感知センサ S2 マイクロスイッチ S3 荷役増速スイッチ S4 負荷センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−172328(JP,A) 特開 平3−227773(JP,A) 特開 平6−1250(JP,A) 実開 平1−62170(JP,U) 実開 昭49−46431(JP,U) 実開 昭61−185795(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66F 9/22 B62D 5/07

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体圧源として操舵操作用流体圧ポンプ
    と荷役操作用流体圧ポンプとを備えて、操舵操作用流体
    圧ポンプからの作動流体が操舵用流路を介して操舵用回
    路へ供給可能となっていると共に、荷役操作用流体圧ポ
    ンプからの作動流体が荷役用流路を介して荷役用回路へ
    供給可能となっている荷役車両において、上記操舵操作
    用流体圧ポンプの吐出側と荷役用回路とを連通するバイ
    パス流路と、操舵操作用流体圧ポンプから吐出された作
    動流体を、操舵用流路及びバイパス流路に対して、その
    一方の流路にのみ、若しくは所定比率で両者に分配する
    分配手段と、荷役操作時に荷役用回路へ供給する流体圧
    の大小を選択する荷役作動選択手段と、その荷役作動選
    択手段によって荷役用回路への供給流体圧が小と選択さ
    れたときに、荷役操作用流体圧ポンプを停止すると共に
    操舵操作用流体圧ポンプを駆動し、さらに、分配手段を
    介して、該操舵操作用流体圧ポンプの吐出側を、バイパ
    ス流路にのみ、若しくは所定の比率でバイパス流路側に
    連通するコントローラと、を備えたことを特徴とする荷
    役車両の流体圧回路。
  2. 【請求項2】 上記コントローラは、操舵操作をしない
    で荷役操作をする場合であって上記荷役作動選択手段に
    よって供給流体圧が小と選択されたときに、荷役操作用
    流体圧ポンプを停止すると共に操舵操作用流体圧ポンプ
    を駆動し、且つ、操舵操作用流体圧ポンプからの吐出側
    を、分配手段を介して、上記バイパス流路側にのみ連通
    する設定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載
    された荷役車両の流体圧回路。
  3. 【請求項3】 操舵操作の有無を検知する操舵操作検知
    手段と、荷役操作の有無を検知する荷役操作検知手段
    と、操舵操作用流体圧ポンプを駆動する操舵流体圧ポン
    プ駆動手段と、荷役操作用流体圧ポンプを駆動する荷役
    流体圧ポンプ駆動手段と、操舵操作検知手段,荷役操作
    検知手段,分配手段,荷役作動選択手段,操舵流体圧ポ
    ンプ駆動手段,及び荷役流体圧ポンプ駆動手段に接続さ
    れて、上記操舵操作検知手段,荷役操作検知手段,及び
    荷役作動選択手段からの信号によって、上記分配手段,
    操舵流体圧ポンプ駆動手段,及び荷役流体圧ポンプ駆動
    手段を制御する上記コントローラと、を備え、該コント
    ローラは、操舵操作検知手段及び荷役操作検知手段から
    それぞれ操舵操作が有り且つ荷役操作が有るという信号
    を入力したときに、荷役流体圧ポンプ駆動手段及び操舵
    流体圧ポンプ駆動手段を共に駆動させると共に、分配手
    段を介して操舵操作用流体圧ポンプの吐出側を操舵用流
    路側に優先的に連通するように設定する第1モード設定
    手段と、操舵操作検知手段及び荷役操作検知手段からそ
    れぞれ操舵操作が有り且つ荷役操作が無いという信号を
    入力したときに、荷役流体圧ポンプ駆動手段を停止させ
    且つ操舵流体圧ポンプ駆動手段を駆動させると共に、分
    配手段を介して操舵操作用流体圧ポンプの吐出側を操舵
    用流路側にだけ連通するように設定する第2モード設定
    手段と、操舵操作検知手段及び荷役操作検知手段からそ
    れぞれ操舵操作が無く且つ荷役操作が有るという信号を
    入力し、且つ、荷役作動選択手段から荷役用回路への供
    給流体圧が大と選択された信号を入力したときに、荷役
    流体圧ポンプ駆動手段及び操舵流体圧ポンプ駆動手段を
    共に駆動させると共に、分配手段を介して操舵操作用流
    体圧ポンプの吐出側をバイパス流路側に連通するように
    設定する第3モード設定手段と、操舵操作検知手段及び
    荷役操作検知手段からそれぞれ操舵操作が無く且つ荷役
    操作が有るという信号を入力し、且つ、荷役作動選択手
    段から荷役用回路への供給流体圧が小と選択されたとい
    う信号を入力したときに、荷役流体圧ポンプ駆動手段を
    停止し且つ操舵流体圧ポンプ駆動手段を駆動させると共
    に、分配手段を介して操舵操作用流体圧ポンプの吐出側
    をバイパス流路側に連通するように設定する第4モード
    設定手段と、操舵操作検知手段及び荷役操作検知手段か
    らそれぞれ操舵操作が無く且つ荷役操作が無いという信
    号を入力したときに、荷役流体圧ポンプ駆動手段及び操
    舵流体圧ポンプ駆動手段を停止させるように設定する第
    5モード設定手段と、備えていることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載された荷役車両の流体圧回
    路。
  4. 【請求項4】 バイパス流路を操舵用流路から分岐する
    と共に、そのバイパス流路の途中に分配手段を構成する
    開閉弁を設けたときに、該バイパス流路に圧力保持手段
    を介装したことを特徴とする請求項1から請求項3のい
    ずれかに記載された荷役車両の流体圧回路。
  5. 【請求項5】 荷役用流路又は操舵用流路に少なくとも
    一方の流路の途中に、逆止め弁を介装したことを特徴と
    する請求項1から請求項4のいずれかに記載された荷役
    車両の流体圧回路。
  6. 【請求項6】 操舵用流路と操舵用回路としてのパワー
    ステアリングのシリンダ部とを連通する操舵用コントロ
    ールバルブとして、クローズドセンタ型のバルブを使用
    したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか
    に記載された荷役車両の流体圧回路。
  7. 【請求項7】 上記コントローラを構成する第1モード
    設定手段に、操舵操作検知手段及び荷役操作検知手段か
    らそれぞれ操舵操作が有り且つ荷役操作が有るという信
    号を入力し、且つ、荷役作動選択手段から荷役用回路へ
    の供給流体圧が小と選択されたという信号を入力したと
    きには、荷役流体圧ポンプ駆動手段を停止させ且つ操舵
    流体圧ポンプ駆動手段を駆動させると共に、分配手段を
    介して操舵操作用流体圧ポンプの吐出側を操舵用流路側
    に優先的に連通するように設定する第6モード設定手段
    を備えたことを特徴とする請求項3から請求項6のいず
    れかに記載された荷役車両の流体圧回路。
  8. 【請求項8】 操舵用流路と操舵用回路としてのパワー
    ステアリングのシリンダ部とを連通する操舵用コントロ
    ールバルブよりも操舵操作用流体圧ポンプ側位置におけ
    る操舵用流路に、プライオリティバルブを介装し、且
    つ、そのプライオリティバルブの余剰流取出しポートを
    荷役用回路に連通したことを特徴とする請求項7に記載
    された荷役車両の流体圧回路。
  9. 【請求項9】 操舵流体圧ポンプ駆動手段の負荷を検出
    する負荷検出手段を設けると共に、上記コントローラを
    構成する第3モード設定手段又は第4設定手段の少なく
    とも一方に対して、操舵操作検知手段及び荷役操作検知
    手段からそれぞれ操舵操作が無く且つ荷役操作が有ると
    いう信号を入力し、且つ、負荷検出手段から該操舵流体
    圧ポンプ駆動手段の負荷が所定許容値以上になったとい
    う信号を入力したときに、荷役作動選択手段からの信号
    を無視して、操舵流体圧ポンプ駆動手段を停止し且つ荷
    役流体圧ポンプ駆動手段を駆動させると共に、分配手段
    を介して操舵操作用流体圧ポンプの吐出側をバイパス流
    路側と非連通状態に設定する第7モード設定手段を備え
    たことを特徴とする請求項3から請求項8のいずれかに
    記載された荷役車両の流体圧回路。
  10. 【請求項10】 上記荷役作動選択手段は、荷役操作時
    に荷役用回路へ供給する流体圧を大中小の3段階に分け
    て選択可能とし、また、上記コントローラに、操舵操作
    検知手段及び荷役操作検知手段からそれぞれ操舵操作が
    有り且つ荷役操作が有るという信号を入力し、且つ、荷
    役作動選択手段から荷役用回路への供給流体圧が中と選
    択されたという信号を入力したときに、荷役流体圧ポン
    プ駆動手段及び操舵流体圧ポンプ駆動手段を共に駆動さ
    せると共に、分配手段を介して操舵操作用流体圧ポンプ
    の吐出側を操舵用流路側に優先的に連通するように設定
    する第8モード設定手段と、操舵操作検知手段及び荷役
    操作検知手段からそれぞれ操舵操作が無く且つ荷役操作
    が有るという信号を入力し、且つ、荷役作動選択手段か
    ら荷役用回路への供給流体圧が中と選択されたという信
    号を入力したときに、操舵流体圧ポンプ駆動手段を停止
    し且つ荷役流体圧ポンプ駆動手段を駆動させると共に、
    分配手段を介して操舵操作用流体圧ポンプの吐出側をバ
    イパス流路側に非連通状態に設定する第9モード設定手
    段と、を備えたことを特徴とする請求項3から請求項9
    のいずれかに記載された荷役車両の流体圧回路。
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