JP3070280U - 野生獣類用罠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】取扱いが安全で、捕縛後に罠本体を破壊、損傷
しない野生獣用罠を提供する。 【解決手段】外筒１と内筒２で成る二重筒体につる巻き
バネ３を嵌設し、外筒より突出する内筒の上端部に、ワ
イヤー輪部１５の首部のワイヤー締め具１６付近の捕縛
ワイヤー１４を嵌入するワイヤー嵌着切込み５を設けた
ワイヤー嵌着片４を回動自在に装設すると共に、ロック
用突出支軸９と、つる巻きバネのバネ上端固定軸６を設
け、外筒は上端部に、一端側を捕縛ワイヤーを載置した
仕掛け板を支持するロック外し作動部７に形成し、他端
側にロック用引きバネ１３を設け、かつ、回動して前記
ロック用突出支軸から外れるロック掛け部８を有するロ
ック作動板７を、回動自在に装設すると共に、外筒及び
内筒を貫通する安全ピン孔１１を穿設し、前記ワイヤー
嵌着切込みの下方位置にワイヤー着脱片２３を設け、外
筒の下端部に前記つる巻きバネのバネ下端支軸１２を設
けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、安全に取扱う事ができ的確に作動する罠であり、山中の獣道等に設 置し、そこを通る猪や鹿等の野生獣類の体重を利用して強力なバネを作用させ、 捕縛ワイヤーの先端のワイヤー輪部を飛び上らせ、同時に輪を縮小することによ り獣類の脚を捕縛する野生獣類用罠に関する。

【０００２】 ［従来の技術］ 野生の猪や鹿等の獣類を捕獲、捕殺する方法及び装置は、往昔より多種あるが 、捕獲する方法の多くは、薬品を利用した弾丸を使用する麻酔銃や、獣体全部を 入れる規模の大きい箱形罠、落とし穴式罠、網利用罠等を使用するものである。 一方、構造が簡単で運搬しやすい安価な横型や縦型の獣類用小型罠の殆どは、猟 銃の使用と同様に獣類を殺して捕獲する構造の罠や、仕掛けの際の操作に危険が 伴い安全性に問題のある罠が多い。

【０００３】 ［考案が解決しようとする課題］ 従来、猪や鹿等の野生獣類の生きたままの捕獲は、麻酔銃や箱、網を利用した 大規模な罠であり、操作が簡単な小型罠は取扱い上危険を伴うものが多く、捕縛 ワイヤーの即動性に乏しいので罠に入った獣類が脱出することもあり、獣類の体 の脚部を的確に捕縛できる安全性の高い有効な罠は進歩していない。特に、仕掛 けが容易で比較的安価な竪型小型罠は、捕縛ワイヤーが罠本体を構成する筒体の 内部を摺動して繰り出される構造であるから、捕縛ワイヤーの即動性に欠け、又 、獣類を捕縛した際は獣類の暴れる力で罠本体が土中から抜け出して衝撃を受け るため、殆どが一回の使用で破損する欠点があった。

【０００４】 ［課題を解決するための手段］ 本考案は、従来の課題を解決するものであり、 外筒と内筒で成る二重筒体の内部につる巻きバネ３を嵌設し、外筒より突出す る内筒の上端部に、ワイヤー輪部の首部に装着したワイヤー締め具付近の捕縛ワ イヤーを嵌入するワイヤー嵌着切込みを設けたワイヤー嵌着片を回動自在に装設 すると共に、ロック用突出支軸と、つる巻きバネのバネ上端固定軸６を設け、外 筒は上端部に、一端側を捕縛ワイヤーを載置した仕掛け板を支持するロック外し 作動部に形成し、他端側にロック用引きバネを設け、かつ、回動して前記ロック 用突出支軸から外れるロック掛け部を有するロック作動板を、回動自在に装設す ると共に、外筒及び内筒を貫通する安全ピン孔を穿設し、前記ワイヤー嵌着切込 みの下方位置にワイヤー着脱片を設け、外筒の下端部に前記つる巻きバネのバネ 下端支軸を設けた獣類罠である。

【０００５】 本考案は上記の構成による獣類の脚部を捕縛する竪型小型罠であり、取扱い操 作の安全性を重要視し、捕縛ワイヤーのワイヤー輪部の中に獣脚が入った時、獣 類の体重を利用してバネのロックを外し、強力なつる巻きバネを上方向に作動さ せることにより、ワイヤー輪部が縮小して飛び上がり獣脚を捕縛し、一端を樹木 等に固定してある捕縛ワイヤーは獣類の動く力で罠本体から完全に離脱して的確 に捕縛できる罠である。

【０００６】 ［作用］ 図１に示す通り内部のつる巻きバネ３を縮小し、ロック作動板７のロック掛け 部８を内筒２のロック突出支軸９に引っ掛けた状態で、安全ピン孔１１に安全ピ ン２５を挿通する事により、若しロック掛け部８が外れても安全ピン２５により つる巻きバネ３の伸長を防止するので取扱いはきわめて安全である。この安全ピ ン２５は罠の仕掛けの完了後に抜去する。罠の仕掛けは図１に点線図示し図６に 示す通り、内筒２上部のワイヤー嵌着片４のワイヤー嵌着切込み５に、捕縛ワイ ヤー１４の先端側のワイヤー輪部１５首部に装着したワイヤー締め具１６付近を 嵌入し、捕縛ワイヤー１４の続き部分は外筒１側面のワイヤー着脱片２３により 支持させる。

【０００７】 捕縛ワイヤー１４のワイヤー輪部１５は、図６に示す通り落とし穴１８の開口 部に配置した仕掛け板２１上に載置し、仕掛け板２１の端部をロック作動板７の 一敗側のロック外し部７’の上に載せる。この際、ワイヤー嵌着片４の下側位置 に設けたワイヤー着脱片２３の下側の捕縛ワイヤー１４に、つる巻きバネ３の伸 長力に耐えて捕縛ワイヤー１４を保持し、かつ、捕縛された獣類の引く力により 外れ、又は折損、曲損する止めピン２４を挿通しておく事により、ワイヤー輪部 １５で獣類を捕縛した後、捕縛ワイヤー１４を罠本体の外筒１、内筒２より容易 に離脱させる事ができる。

【０００８】 仕掛け板２１の一端を載置したロック外し作動部７’は、図７に示す通り仕掛 け板２１が獣類の体重により落とし穴１８に落ちると、回動自在に設けた外筒１ 側のロック作動板７のロック掛け部８が内筒２のロック用突出支軸９から外れ、 内設されたつる巻きバネ３が上方向に伸長し、ロック嵌着片４は内筒２と共に突 発的に上昇する。従って、ワイヤー輪部１５は急速に飛び上がり、一部がワイヤ ー着脱片２３の下部の止めピン２４により支持される事により引っ張られ、図３ の点線と図４に示す通りワイヤー輪部１５は縮小し獣脚２２を捕縛する。捕縛し た後、捕縛ワイヤー１４は獣類の暴れる力によりワイヤー嵌着切込み５及びワイ ヤー着脱片２３から離脱し、図７に示す通り他端を樹木等１９に固定した状態で 罠本体の外筒１、内筒２から完全に離脱する。

【０００９】 ［実施例］ 図１及び図２に示す実施例について説明する。外筒１と内筒２で構成される二 重筒体の内部につる巻きバネ３を嵌設し、外筒１より突出する内筒２の上端部に 、ワイヤー嵌着切込み５を設けたワイヤー嵌着片４を回動自在に装設する。この ワイヤー嵌着切込み５に、点線図示の通り、獣脚２２を捕縛するワイヤー輪部１ ５の首部に装着したワイヤー締め具１６の下部の捕縛ワイヤー１４部分を嵌入し 、、ワイヤー嵌着片４上にワイヤー輪部１５を位置付ける。ワイヤー輪部１５は 図２に示す通り、引く力により点線図示の通り縮小する。又、内筒２には、筒外 に突出するロック用突出支軸９と、内設したつる巻きバネ３の上端を固定するバ ネ上端固定軸６を設ける。

【００１０】 外筒１は上端部に、一端側を、捕縛ワイヤー１４を載置した仕掛け板２１を支 持させるロック外し作動部７’に形成し、他端側にロック用引きバネ１３を設け 、上方向にロック掛け部８を有するロック作動板７を、作動回動支軸１０により 回動自在に装設する。このロック作動板７は前記ロック用引きバネ１３により一 端を引かれ、常にロック掛け部８をロック用突出支軸９側に押し付けているが、 仕掛け板２が下降した時回動してロック掛け部８は前記ロック用突出支軸９から 外れる。又、外筒１の側面にはつる巻きバネ３の縮小状態において安全ピン２５ を挿通するため、前記ロック作動板７の下方位置に、外筒１と内筒２を貫通する 安全ピン孔１１を穿設し、前記ワイヤー嵌着切込み５の下位置に、ワイヤー輪部 １５の首部下部分の捕縛ワイヤー１４を挟着するワイヤー着脱片２３を設け、又 、外筒１の下端部には前記つる巻きバネ３の下端を固定するバネ下端支軸１２を 設ける。

【００１１】 このように構成される本考案は罠の仕掛け前に内設したつる巻きバネ３を縮小 する作業を要する。図５はつる巻きバネ３の縮小作業を例示し、先ず、内筒２に バネ縮小用ワイヤー２０を貫通させ、外筒１側の一端を樹木等１９に固定すると 共に、内筒２側の他端に縮小ワイヤー止め軸１７を装着する。次に外筒１を矢符 方向に引くとつる巻きバネ３は所定通り縮小し、ロック用引きバネ１３により押 されているロック掛け部８が移動してロック用突出支軸９に引っ掛かりロックさ れる。この状態で安全ピン２５を安全ピン孔１１に挿通する。

【００１２】 罠の仕掛けは図６に示す通り外筒１及び内筒２部分は地中に埋め、わいやー嵌 着片４に首部をセットしたワイヤー輪部１５は、落とし穴１８の開口べに配置し 、一端部をロック外し作動部７’に載せた仕掛け板２１の上に載せ、その上面は 落葉や草、小枝等により覆う。ワイヤー輪部１５の首部下部の捕縛ワイヤー１４ はワイヤー着脱片２３で支持し、ワイヤー着脱片２３の直下の捕縛ワイヤー１４ 部分に、釣る巻きバネ３の伸長力に耐えるが獣類の暴れる力で切損、抜去される 止めピン２４を挿し通す。捕縛ワイヤー１４の端部は落とし穴１８などを通して 樹木等１９に固定する。

【００１３】 こうして仕掛けたワイヤー輪部１５の中に獣類の脚が入ると、獣類の体重で図 ７に示す通り仕掛け板２１は落とし穴１８内に落下してロック外し作動部７’か ら外れ、同時に、ロック作動板７は作動してロック掛け部８がロック用突出支軸 ９から外れるので、内筒２はつる巻きバネ３の伸長弾力で上方向に鳶だす。この 作動によりワイヤー着脱片２３部分の止めピン２４で支持されている捕縛ワイヤ ー１４の先端側のワイヤー輪部１５は、図３の点線図示の通り急激に縮小し、同 時に飛び上がり、獣脚２２を的確に捕縛する。この後、捕縛された獣類の強力な 引く力により、捕縛ワイヤー１４はワイヤー嵌着片４及びワイヤー着脱片２３か ら離脱し、捕縛ワイヤー１４は図示の通り、獣脚２３と樹木等１９を直結した状 態となる。

【００１４】 ［考案の効果］ 本考案は、獣類の体重を利用して作動させ、強力なバネの弾力により捕縛する 捕縛ワイヤー輪部を飛ぶ上らせて瞬時に縮小する事により獣類の足を捕縛するの で、足以外を損傷せずに生きた状態で効率よく捕獲することができる罠である。 又、小型、軽量であるため山野に設置するのに便利であり、取扱い操作は安全性 に富み、かつ、捕縛後、罠本体は捕縛ワイヤーと離脱するので損傷、破壊する事 の無い極めて有効な竪型罠である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る罠本体の実施例の一部切開斜視図
である。

【図２】罠を仕掛けた状態の罠本体の正面図ある。

【図３】捕縛ワイヤーの例先端部分のワイヤー輪部の作
動状態図である。

【図４】ロックが外れ作動した場合の罠本体及び捕縛ワ
イヤーの状態概略図である。

【図５】罠の仕掛け前に、内設されたつる巻きバネを縮
小させる場合の概略図である。

【図６】罠の作動により獣類を捕獲した状態を示す概略
図である。

【符号の説明】

１ 外筒 ２ 内筒 ３ つる巻きバネ ４ ワイヤー嵌着片 ５ ワイヤー嵌着切込み ６ バネ上端固定軸 ７ ロック作動板 ７’ ロック外し作動部 ８ ロック掛け部 ９ ロック用突出支軸 １０ 作動板回動支軸 １１ 安全ピン孔 １２ バネ下端固定軸 １３ ロック用引きバネ １４ 捕縛ワイヤー １５ ワイヤー輪部 １６ ワイヤー締め具 １７ 縮小ワイヤー止め軸 １８ 落とし穴 １９ 樹木等 ２０ バネ縮小用ワイヤー ２１ 仕掛け板 ２２ 獣脚 ２３ ワイヤー着脱片 ２４ 止めピン

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【手続補正書】

【提出日】平成１２年２月２８日（２０００．２．２
８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る罠本体の実施例を示す一部切開斜
視図である。

【図２】罠を仕掛けた状態の罠本体の正面図ある。

【図３】捕縛ワイヤーの先端部分のワイヤー輪部が作動
した状態の説明図である。

【図４】ロックが外れて作動した場合の罠本体及び捕縛
ワイヤーの状態を示す概略図である。

【図５】罠の仕掛け前に、内嵌されたつる巻きバネを縮
小させる状態を示す概略図である。

【図６】罠を仕掛けた状態を示す概略図である。

【図７】罠の作動により獣類を捕獲した状態を示す概略
図である。

【符号の説明】 １ 外筒 ２ 内筒 ３ つる巻きバネ ４ ワイヤー嵌着片 ５ ワイヤー嵌着切込み ６ バネ上端固定軸 ７ ロック作動板 ７’ ロック外し作動部 ８ ロック掛け部 ９ ロック用突出支軸 １０ 作動板回動支軸 １１ 安全ピン孔 １２ バネ下端固定軸 １３ ロック用引きバネ １４ 捕縛ワイヤー １５ ワイヤー輪部 １６ ワイヤー締め具 １７ 縮小ワイヤー止め軸 １８ 落とし穴 １９ 樹木等 ２０ バネ縮小用ワイヤー ２１ 仕掛け板 ２２ 獣脚 ２３ ワイヤー着脱片 ２４ 止めピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外筒１と内筒２で構成され、摺動する二
   重筒体の内部につる巻きバネ３を嵌設し、外筒１より突
   出する内筒２の上端部に、捕縛ワイヤー１４のワイヤー
   輪部１５の首部に装着したワイヤー締め具１６の下部の
   捕縛ワイヤー１４部分を嵌入する、ワイヤー嵌着切込み
   ５を設けたワイヤー嵌着片４を、回動自在に装設すると
   共に、筒外に突出するロック用突出支軸９と、つる巻き
   バネ３の上端を固定するバネ上端固定軸６を設け、外筒
   １は上端部に、一端側を捕縛ワイヤー１４を載置した仕
   掛け板２１を支持させるロック外し作動部７’に形成
   し、他端側にロック用引きバネ１３が設けられ、かつ、
   仕掛け板２１の下降により回動して前記ロック用突出支
   軸９から外れるロック掛け部８を有するロック作動板７
   を、作動回動支軸１０により回動自在に装設すると共
   に、前記ロック作動板７の下方位置に外筒１及び内筒２
   を貫通する安全ピン孔１１を穿設し、前記ワイヤー嵌着
   切込み５の下部の外筒１側面にワイヤー着脱片２３を設
   け、外筒１の下端部に前記つる巻きバネ３の下端を固定
   するバネ下端支軸１２を設けた事を特徴とする野生獣類
   用罠。