JP3070255U - 交通安全目印 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 いかなる場合にも周囲の通行者にはっきりと
認識され、子供の存在が明瞭に確認され得る携帯に便利
な交通安全目印の提供。 【解決手段】 中空部材１とこれに空気を出し入れする
ための空気の出し入れ口２とで構成し、かつ中空部材１
は、空気を充填した場合に腕状に膨らむグリップ部１１
と、その上部に連続する目印部１２であって、空気を充
填すると人の手形状に膨らむ目印部１２とで構成する。
中空部材１は、塩化ビニールのシート材で構成し、その
表面全体は原則として黄色に着色し、かつ目印部１２を
構成する各指形状部１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２ｄ、
１２ｅの途中には各々反射材１３を配する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、幼稚園児や小学校低学年程度の子供が横断歩道を渡る際等に、これ を持って高く掲げて歩くことにより、自動車の運転者等にその存在を明らかにし て交通の安全を図るための交通安全目印に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

小学校等に近接する比較的交通量の多い道路では、その道路を横断する横断歩 道の両端に多数の黄旗を入れた容器を配しておき、児童・生徒が、この横断歩道 を通過する際に、それぞれその黄旗を取っては高く掲げて通行することが行われ ていた。 この黄旗は細い棒状のグリップ部と、その上部に取り付けられた黄色の布等で 作られたものであり、ある程度は、安全目印として役に立つものではあったが、 目印である旗の部分が、風のない日などには垂れ下がって殆ど目立たない状態に なっていることが多く、このような場合は、近くを走行する自動車の運転者等か らそれが明瞭に認識されず、交通安全の目印としては充分に機能し得ないことが あった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、以上の従来例の不都合を解消し、いかなる場合にも周囲の通行者に はっきりと認識され得、子供の存在を確認できる交通安全目印であって、携帯に 便利である交通安全目印を提供することを解決の課題とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、中空部材を、空気を圧入することで、その下部が腕状のグリップ部 に膨らみ、かつその上部が手形状の目印部に膨らむように構成し、上記グリップ 部及び目印部を黄色に着色するとともに、グリップ部の一部に空気の出し入れ口 を構成した交通安全目印である。

【０００５】 前記中空部材は種々のプラスチックフィルム等を利用して構成するものであっ て、空気を圧入しない状態では、平面的に潰れ、簡単に折り畳むことができるも のであり、かつ、上記のように、空気を圧入すると、下部が腕状に膨らみ、上部 が人の手形状に膨らむように構成したものである。

【０００６】 前記空気の出し入れ口は、海水浴等で使用する浮き袋の空気の出し入れ口のよ うに、その途中に逆止弁を備えたものを採用し、例えば、口で吹き込むことで、 これを開くとともに空気を圧入することができるようにすることができる。また 上記逆止弁はその周辺の一部を所定の角度に変形させる等により、容易にこれを 開いて空気を抜くことができるようになっている一般的なものを採用することが できる。

【０００７】 また前記目印部及びグリップ部の一部に反射材又は蛍光材を配して、これを目 立つようにすることができる。

【０００８】 従って、本考案の交通安全目印によれば、これに空気を充填しない状態では、 平面的になっており、小さく折り畳むことができるので、これを使用する子供達 が、登下校時であれば、ランドセルその他の鞄の中に、容易に収納しておくこと ができる。勿論、服のポケット等に入れておくことも可能である。

【０００９】 交通量の多い道路を横断する場合等には、本考案の交通安全目印をランドセル その他の鞄又はポケット等から出して、前記空気の出し入れ口から空気を入れれ ば、そのグリップ部は膨らんで腕状になり、また上部の目印部は同様に膨らんで 人の手形状になる。空気の量もそれほど多くを必要としないので、子供でも比較 的簡単に以上のように膨らませることができる。

【００１０】 このように空気を充填して膨らませた後は、子供達が、そのグリップ部を握っ てこれを高く掲げたまま横断歩道等を歩いて渡れば、その道路を通行する自動車 等の運転者にもそれが容易に目に付き、これを持った子供の動きに充分注意を払 いながら運転をすることができ、交通の安全に資することができる。

【００１１】 小さな子供でもそのグリップ部を握って高く掲げて歩けば、その付近に駐車車 両等があって子供の姿が直接目に付かないような場合であっても、人の手形状の 目印部や腕状のグリップ部の一部が駐車車両のボンネットの上に現れたりするこ ととなり、付近を通行する自動車の運転者等に子供の存在をアピールすることが できる。

【００１２】 また本考案の交通安全目印は立体的な形状であるため、正面からばかりでなく 、側面から見てもそれが充分に目に付くものであり、それ故、これを掲げて歩く 子供の存在を早めに認識することができるものである。

【００１３】 更に本考案の交通安全目印は、全体を黄色に着色したものであるため、目に付 きやすく、更に、既述のように、その目印部又はグリップ部の一部に反射材又は 蛍光材を配した場合は、夜間でも自動車等のライトに反射し又は蛍光を発するの で、夜間の通行の際にも安全な横断等の役に立つこととなるものである。

【００１４】 また本考案の交通安全目印は、興味深い腕形状に構成することができるので、 子供が喜んで使用することができる利点もある。

【００１５】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を、実施例に基づいて添付図面を参照しながら説明 する。 図１〜図３は本考案の一実施例の交通安全目印を示すもので、図１（ａ）は空 気を充填して膨らませた状態の概略正面図、図１（ｂ）は空気を充填して膨らま せた状態の概略側面図、図２（ａ）は空気を抜いて潰した状態の概略正面図、図 ２（ｂ）は空気を抜いて潰した状態の概略側面図、図３は空気を抜いて潰した上 で折り畳んだ状態の概略側面図である。

【００１６】 図１（ａ）、（ｂ）に示すように、この実施例の交通安全目印は、中空部材１ とこれに空気を出し入れするための空気の出し入れ口２とで構成し、かつ中空部 材１は、空気を充填した場合に腕状に膨らむグリップ部１１と、その上部に連続 する目印部１２であって、空気を充填すると人の手形状に膨らむ目印部１２とで 構成する。

【００１７】 上記中空部材１は、塩化ビニールのシート材で、空気を充填した場合に上記の ような形状に膨らむ中空体に構成するものであり、その表面全体は原則として黄 色に着色し、目印部１２を構成する各指形状部１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２ｄ 、１２ｅの途中には各々反射材１３を配する。

【００１８】 上記中空部材１の全体の長さは、使用する子供とのバランスを考慮して決定す るものであるが、この実施例では、５０cmとし、その内、腕状のグリップ部１１ の長さを３０cm、手形状の目印部１２の長さを２０cmとした。また空気を充填し た状態の腕状のグリップ部１１の最大径を４cmとし、手形状の目印部１２の手の ひらの横幅を２０cmとした。

【００１９】 前記空気の出し入れ口２は、グリップ部１１の下端に接続する短いチューブ状 部材とその内部途中に挿入した逆止弁とで構成したものであり、この逆止弁は、 上記チューブ状部材の対応する部位を押し潰すようにすると開口して空気を抜く ことができるようになっているものであり、従来の一般的なものである。

【００２０】 従って、この実施例の交通安全目印によれば、図２（ａ）、（ｂ）に示すよう に、これに空気を充填していない状態では、平面的になっており、図３に示すよ うに、小さく折り畳むことができる。従ってこれを使用する子供達は、これを衣 類のポケットに入れて持ち歩いたり、登下校時であれば、ランドセル等の中に入 れて容易に持ち歩くことができる。

【００２１】 例えば、交通量の多い道路を横断する場合には、この実施例の交通安全目印を 前記ランドセル又は衣類のポケットから取り出して、まず、その中空部材１に空 気を充填し、その手形状の目印部１２及び腕状のグリップ部１１を、文字通り、 手形状又は腕状に膨らませる必要がある。空気は、前記空気の出し入れ口２から 充填するものであるが、前記のようなサイズで、充填する空気の量もそれほど多 くを必要としないので、口で吹き込むことによって、子供でも比較的簡単に前記 のように膨らませることができる。

【００２２】 このように空気を充填して膨らませると、図１（ａ）、（ｂ）に示すように、 前記中空部材１は、それぞれの部位が腕状又は手形状になるため、子供が、腕状 のグリップ部１１の下部を握ってこれを高く掲げたまま横断歩道を歩いて通過す れば、その道路を通行する自動車の運転者等もそれに注目し、これを持った子供 の存在に容易に気付くこととなる。それ故、その子供の動きに充分注意を払いな がら運転をすることができ、交通の安全に資することができる。

【００２３】 このとき、その周辺に街路樹や駐車車両その他の目視上の障害物があっても、 子供がこの実施例の交通安全目印のグリップ部１１を握って、これを掲げて歩い ていれば、子供の姿が、それらの障害物に隠れて見えない場合であっても、人の 手形状の目印部１２や腕状のグリップ部１１の一部がそれらの障害物の上や隙間 に現れて付近を通行する自動車の運転者等に子供の存在を認識させることができ る。こうして運転者等に充分に注意を促すことができるものである。

【００２４】 またこの実施例の交通安全目印は、その手形状の目印部１２及び腕状のグリッ プ部１１が、既述のように、立体的な形状であるため、正面からばかりでなく、 側面から見てもそれが充分に目に付く視認性の高いものである。更に上記グリッ プ部１１及び目印部１２の全体が黄色に着色してあるため一層目に付きやすく、 視認性の高いものとなっている。それ故、周囲の通行者に子供の存在が容易に確 認され、自動車の運転等をより慎重なものとさせることができる。

【００２５】 更にまた、既述のように、その目印部１２を構成する各指形状部１２ａ、１２ ｂ、１２ｃ、１２ｄ、１２ｅの途中に各々反射材１３を配したので、夜間でも自 動車等のライトに反射することとなり、その存在を強くアピールすることができ ることとなる。それ故、夜間の通行の際にも安全な横断等の役に立つこととなる ものである。

【００２６】 またこの実施例の交通安全目印は、興味深い腕形状であるので、子供が喜んで 使用することができる利点もある。

【００２７】

【考案の効果】

本考案の交通安全目印によれば、これに空気を充填しない状態では、平面的に なっており、小さく折り畳むことができるので、携帯に便利である。 また交通量の多い道路を横断する場合等には、前記空気の出し入れ口から空気 を入れ、そのグリップ部を腕状に、また上部の目印部を手形状に膨らませた上で 、そのグリップ部を握って掲げて歩行すれば、その道路を通行する自動車等の運 転者にも容易に注意を促し、子供の通行の安全に資することができる。

【００２８】 道路周辺に駐車車両その他の視覚上の障害物がある場合であっても、子供が本 考案の交通安全目印を持って歩行すれば、人の手形状の目印部や腕状のグリップ 部の一部が障害物の上方や隙間から現れたりすることとなり、付近を通行する自 動車の運転者等に子供の存在を容易に認識させることができる。

【００２９】 また本考案の交通安全目印は立体的な形状であるため、正面からばかりでなく 、側面から見てもそれが充分に目に付くものであり、それ故、これを掲げて歩く 子供の存在を早めに認識させることができるものである。

【００３０】 更に本考案の交通安全目印は、全体を黄色に着色したものであるため、目に付 きやすく、更に、既述のように、その目印部又はグリップ部の一部に反射材又は 蛍光材を配した場合は、夜間でも自動車等のライトに反射し又は蛍光を発するの で、夜間の通行の際にも安全な横断等の役に立つこととなるものである。

【００３１】 また本考案の交通安全目印は、興味深い腕形状に構成することができるので、 子供が喜んで使用することができる利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は空気を充填して膨らませた状態の一実
施例の交通安全目印の概略正面図。（ｂ）は空気を充填
して膨らませた状態の一実施例の交通安全目印の概略側
面図。

【図２】（ａ）は空気を抜いて潰した状態の一実施例の
交通安全目印の概略正面図。（ｂ）は空気を抜いて潰し
た状態の一実施例の交通安全目印の概略側面図。

【図３】空気を抜いて潰した上で折り畳んだ状態の一実
施例の交通安全目印の概略側面図。

【符号の説明】

１ 中空部材 ２ 空気の出し入れ口 １１ グリップ部 １２ 目印部 １２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２ｄ、１２ｅ 指形状部 １３ 反射材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空部材を、空気を圧入することで、そ
   の下部が腕状のグリップ部に膨らみ、かつその上部が手
   形状の目印部に膨らむように構成し、上記グリップ部及
   び目印部を黄色に着色するとともに、グリップ部の一部
   に空気の出し入れ口を構成した交通安全目印。
2. 【請求項２】 前記目印部及びグリップ部の一部に反射
   材又は蛍光材を配した請求項１の交通安全目印。