JP3069895B2 - 幅木、廻り縁等の横部材 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は壁面に取り付けられ
る幅木、廻り縁等の横部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】幅木、廻り縁等の横部材としては、従
来、単なる棒材や、該棒材の表面側に横溝を刻設したも
のが用いられ、その表面から、あるいは横溝が刻設され
たものにおいては該横溝内より釘打ちして壁面に固定さ
れていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このようにして釘打ち
施工により壁面に固定される横部材は、施工後、躯体あ
るいは床面の経時的変化に伴う沈み込みが発生すると、
該横部材の端部と床面あるいは天井面との間に隙間が生
じ、見かけの悪い仕上がりとなるだけでなく、気密性を
低下させていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上述し
た従来技術における課題を解決することを目的とする。

【０００５】すなわち本発明による幅木、廻り縁等の横
部材は、本体と、該本体の裏面側に取り付けられる該本
体より幅の狭い添え木とからなり、該本体の裏面と該添
え木の木口端とにより壁材挿入用切欠部が形成され、該
添え木にはその幅方向に貫通するパイロットホールが長
さ方向における任意箇所に複数設けられることを特徴と
する。

【０００６】本体の一木口端と添え木の一木口端とは面
一に設けてもよく、あるいは、本体の一木口端と添え木
の一木口端とを非面一に設け、該本体の裏面と該添え木
の一木口端との間に欠落部が形成されるようにしてもよ
い。

【０００７】添え木は、用いられる壁材の厚さと略同等
もしくは壁材よりも厚く形成される。

【０００８】添え木は、本体とは異なる材料で構成する
ことができる。

【０００９】

【００１０】

【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例を示す図１
を参照しながら本発明について詳述する。図１に示され
る横部材Ａは幅木として用いられるものである。

【００１１】本発明の横部材Ａの本体１は、無垢材、集
成材、合板、単板積層材、繊維板、木削片板（パーティ
クルボード、フレークボード、スティックボード、ウエ
ハーボード、オリエンテッドストランドボード、ストラ
ンドボード）等の木質材より構成され、これらを単独
で、あるいは任意積層して用いられる。

【００１２】本体１の表面の一部または全面には、着色
塗装、透明塗装、模様印刷等による化粧、あるいは化粧
単板、化粧紙、化粧合成樹脂フィルムまたはシート等に
よるラミネート化粧等の任意化粧を施すことができる。
特に施工したときに室内側に露出される本体１の表面に
はこれら化粧を施すことが好ましい。

【００１３】また、必要に応じて本体１の表面には長さ
方向に亙って横溝２を刻設したり、その表面側木口端縁
に装飾面３を加工形成することができる。これら横溝２
や装飾面３の形状は任意であり、図示される形状はそれ
らの一例にすぎない。

【００１４】横部材Ａが幅木として用いられる場合に
は、施工時に床材Ｃと接する木口端に長さ方向に亙って
凹溝４を刻設することが好ましい。この凹溝４は、床材
Ｃを床下地構造材に釘打ち固定する際に用いられる釘の
頭部を収容するために用いられる。

【００１５】本体１の裏面側に、本体１より幅の狭い添
え木５が取り付けられる。添え木５は、本体１と同様、
無垢材、集成材、合板、単板積層材、繊維板、木削片板
（パーティクルボード、フレークボード、スティックボ
ード、ウエハーボード、オリエンテッドストランドボー
ド、ストランドボード）等の木質材より構成され、これ
らを単独で、あるいは任意積層して用いられる。

【００１６】添え木５は本体１と同一の材料で構成して
も異なる材料で構成してもよい。添え木５は横部材Ａと
して施工されたときには壁面内に隠れて見えなくなるた
め、低級材を用い、また化粧を行わずに使用してコスト
減を図ることができる。

【００１７】添え木５は断面略四角形の棒材よりなり、
本体１の裏面側に該本体の長さ方向全長に亙って設けら
れる。あるいは、任意長さの添え木を適当な間隔をおい
て本体１の裏面側に取り付けてもよい。

【００１８】添え木５は、その一方の木口端が、施工時
に床材Ｃと接する本体１の木口端と面一となるように設
けられる。あるいは、添え木５の木口端を本体１の該木
口端から離して、それらの間に欠落部６が形成されるよ
うにしてもよい（図２）。

【００１９】添え木５の厚さは、横部材Ａとして施工さ
れる壁面を構成する壁材Ｂの厚さと略同一とされ、ある
いは壁材Ｂの厚さよりも若干厚く設けられる。

【００２０】添え木５を本体１の裏面側に取り付けるに
は、接着剤を用い、または添え木５側より本体１に向け
て釘、タッカー、ステイプル、ビス等を打ち込み、ある
いはこれらの取付手段を併用して行われる。

【００２１】添え木５には、その長さ方向における任意
箇所に、幅方向（施工時においては高さ方向）に貫通す
る複数個のパイロットホール７が設けられる。

【００２２】図３は図１の横部材Ａを幅木として施工し
た状態を示す。すなわち、床材Ｃが施工された室内の
柱、間柱等の下地構造材面Ｄに横部材Ａの添え木５の裏
面を当接した状態で、添え木５の上面よりパイロットホ
ール７を用いて釘Ｅを打ち込むことにより、横部材Ａを
床材Ｃ上に固定する。

【００２３】次に、横部材Ａの添え木５の上方木口端と
本体１の裏面とにより形成される壁材挿入用切欠部８に
壁材（または壁材下地材）Ｂを挿入し、釘やビス等を用
いて該壁材Ｂを下地構造材に固定する。切欠部８に壁材
下地材が挿入される場合には、その後該壁材下地材の表
面に化粧シート（図示せず）を貼着する。

【００２４】以上においては横部材Ａが幅木として用い
られる場合について説明したが、本発明の横部材は廻り
縁や見切り縁としても用いることができる。廻り縁とし
て用いられる場合には、図１に示される横部材Ａを天地
逆にした状態とし、パイロットホール７を用いて添え木
５を天井材に対して釘打ち固定する。

【００２５】

【発明の効果】本発明の横部材によれば、本体の裏面と
添え木の木口端とにより形成される壁材挿入用切欠部に
壁材が挿入されるため、たとえば幅木として用いられる
場合、経時的変化により床面に沈み込みが発生しても、
壁材の下端部と添え木の上端部との間に隙間が発生しあ
るいは該隙間が増加するだけであり、室内側からの外観
には全く影響しない。すなわち、従来の幅木のように床
面との間に隙間が発生することがなく、長期間に亙って
良好な外観を維持することができると共に、室内の気密
性の低下を防止することができる。

【００２６】また、本発明の横部材は本体と添え木とか
ら構成されるが、添え木は施工状態では壁面内に隠れて
見えなくなるものであるため、添え木には低級材を用
い、しかも表面化粧を施す必要がなく、大幅なコストダ
ウンを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による横部材の構成を示す側
面図である。

【図２】図１の横部材の変形例を示す側面図である。

【図３】図１の横部材を幅木として施工した状態を示す
断面図である。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 横溝 ３ 装飾面 ４ 凹溝 ５ 添え木 ６ 欠落部 ７ パイロットホール ８ 壁材挿入用切欠部 Ａ 横部材 Ｂ 壁材 Ｃ 床材 Ｄ 下地構造材面 Ｅ 釘

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体と、該本体の裏面側に取り付けられる
   該本体より幅の狭い添え木とからなり、該本体の裏面と
   該添え木の木口端とにより壁材挿入用切欠部が形成さ
   れ、該添え木にはその幅方向に貫通するパイロットホー
   ルが長さ方向における任意箇所に複数設けられることを
   特徴とする幅木、廻り縁等の横部材。
2. 【請求項２】前記本体の一木口端と前記添え木の一木口
   端とが面一に設けられることを特徴とする請求項１の横
   部材。
3. 【請求項３】前記本体の一木口端と前記添え木の一木口
   端とが非面一に設けられ、該本体の裏面と該添え木の一
   木口端との間に欠落部が形成されることを特徴とする請
   求項１の横部材。
4. 【請求項４】前記添え木が、用いられる壁材の厚さと略
   同等もしくは壁材よりも厚く形成されることを特徴とす
   る請求項１の横部材。
5. 【請求項５】前記添え木が前記本体とは異なる材料で構
   成されることを特徴とする請求項１の横部材。