JP3069398B2 - 複合シートおよびそれを用いた封止部材 - Google Patents
複合シートおよびそれを用いた封止部材Info
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- composite sheet
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合シート、および内
燃機関の管継手などに使用できる封止部材に関する。
燃機関の管継手などに使用できる封止部材に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】耐熱性の
高い材料として、或る程度の可撓性と弾発力を有する膨
脹黒鉛シートが知られている。この膨脹黒鉛シートの耐
熱性を利用したガスケットが、内燃機関に用いられてい
る。前記ガスケットは、前記可撓性膨脹黒鉛シートを巻
回して、所定の径と高さを有する円筒状の予備成形体を
形成し、これを金型内に入れ、加圧成形することにより
作製される。しかし、このガスケットは、脆く、シート
間が剥離し易いため、耐久性が劣る。
高い材料として、或る程度の可撓性と弾発力を有する膨
脹黒鉛シートが知られている。この膨脹黒鉛シートの耐
熱性を利用したガスケットが、内燃機関に用いられてい
る。前記ガスケットは、前記可撓性膨脹黒鉛シートを巻
回して、所定の径と高さを有する円筒状の予備成形体を
形成し、これを金型内に入れ、加圧成形することにより
作製される。しかし、このガスケットは、脆く、シート
間が剥離し易いため、耐久性が劣る。
【0003】また、ガスケットとして、可撓性黒鉛シー
ト上に、補強材としてワイヤメッシュを配置し、前記と
同様に、巻回して円筒状の予備成形体を形成し、これを
金型で加圧成形したガスケットも使用されている。この
ガスケットは、ワイヤメッシュ間の隙間に、耐火材であ
る黒鉛が充填されるとともに、ワイヤメッシュと黒鉛と
が絡み合い、一体性が高い。
ト上に、補強材としてワイヤメッシュを配置し、前記と
同様に、巻回して円筒状の予備成形体を形成し、これを
金型で加圧成形したガスケットも使用されている。この
ガスケットは、ワイヤメッシュ間の隙間に、耐火材であ
る黒鉛が充填されるとともに、ワイヤメッシュと黒鉛と
が絡み合い、一体性が高い。
【0004】しかし、ワイヤメッシュと黒鉛シートが共
に弾発力を有するため、巻回操作が煩雑であり、均質な
成形体としてのガスケットを得るのが困難である。特
に、前記可撓性膨脹黒鉛シートが弾発力を有するので、
径の小さなガスケットを精度よく得ることが困難であ
る。
に弾発力を有するため、巻回操作が煩雑であり、均質な
成形体としてのガスケットを得るのが困難である。特
に、前記可撓性膨脹黒鉛シートが弾発力を有するので、
径の小さなガスケットを精度よく得ることが困難であ
る。
【0005】また、前記ガスケットは復元力がないた
め、内燃機関のシール材として用いると、高いシール性
を確保できない。さらに、前記ガスケットは耐熱性が劣
る。例えば、最外層に露出する黒鉛シートは、酸素存在
下、約400〜500℃程度の温度で酸化され、高温下
での封止性が低下する。
め、内燃機関のシール材として用いると、高いシール性
を確保できない。さらに、前記ガスケットは耐熱性が劣
る。例えば、最外層に露出する黒鉛シートは、酸素存在
下、約400〜500℃程度の温度で酸化され、高温下
での封止性が低下する。
【0006】また、可撓性膨脹黒鉛シートおよびワイヤ
メッシュの価格が高いため、ガスケットも必然的に高価
となる。
メッシュの価格が高いため、ガスケットも必然的に高価
となる。
【0007】従って、本発明の目的は、機械的特性、耐
久性およびシール性に優れ、径小であっても均質な成形
体を得ることかできる安価な複合シートを提供すること
にある。
久性およびシール性に優れ、径小であっても均質な成形
体を得ることかできる安価な複合シートを提供すること
にある。
【0008】本発明の他の目的は、酸素存在下、高温で
も高い封止性を確保できる成形体を得る上で有用な複合
シートを提供することにある。
も高い封止性を確保できる成形体を得る上で有用な複合
シートを提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、機械的特性、耐久性
および均質性に優れた封止部材を提供することにある。
および均質性に優れた封止部材を提供することにある。
【0010】
【発明の構成】本発明は、前記目的を達成するため、黒
鉛シートの少なくとも一方の面に、炭素繊維製シートが
積層されている複合シートであって、この複合シートを
構成する黒鉛シート及び炭素繊維製シートが、融点が9
00℃以上で、かつ延性を有する金属(特にニッケル)
でメッキ(電解メッキなど)されている複合シートを提
供する。
鉛シートの少なくとも一方の面に、炭素繊維製シートが
積層されている複合シートであって、この複合シートを
構成する黒鉛シート及び炭素繊維製シートが、融点が9
00℃以上で、かつ延性を有する金属(特にニッケル)
でメッキ(電解メッキなど)されている複合シートを提
供する。
【0011】また、本発明は、前記複合シートにより形
成されている封止部材;前記複合シートが積層され、か
つ圧縮成形されている封止部材を提供する。
成されている封止部材;前記複合シートが積層され、か
つ圧縮成形されている封止部材を提供する。
【0012】なお、本明細書において、「封止」とは、
ガスの遮断のみならず、遮音、熱の遮断などをも含む意
味に用いる。
ガスの遮断のみならず、遮音、熱の遮断などをも含む意
味に用いる。
【0013】前記黒鉛シートは、断熱性及び封止性を損
わず、圧縮成形可能であればよい。このような黒鉛シー
トとしては、例えば、嵩密度0.3〜1.5g/c
m3 、好ましくは0.7〜1.5g/cm3 程度の可撓
性膨脹黒鉛シートが使用できる。黒鉛シートの厚みは、
特に制限されないが、例えば、厚み0.1〜3mm、好
ましくは0.3〜2mm程度である。なお、黒鉛シート
は、黒鉛を硫酸などで処理して膨脹させ、圧延などの方
法でシート状に形成した公知の材料である。
わず、圧縮成形可能であればよい。このような黒鉛シー
トとしては、例えば、嵩密度0.3〜1.5g/c
m3 、好ましくは0.7〜1.5g/cm3 程度の可撓
性膨脹黒鉛シートが使用できる。黒鉛シートの厚みは、
特に制限されないが、例えば、厚み0.1〜3mm、好
ましくは0.3〜2mm程度である。なお、黒鉛シート
は、黒鉛を硫酸などで処理して膨脹させ、圧延などの方
法でシート状に形成した公知の材料である。
【0014】炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル
系、フェノール樹脂系、レーヨン系、セルロース系、ピ
ッチ系炭素繊維などが挙げられる。なお、炭素繊維と
は、炭素繊維化可能な繊維を、不活性ガス雰囲気又は真
空下、500〜1500℃程度の温度で焼成した炭化繊
維、および500〜3000℃程度の温度で焼成した黒
鉛化繊維を意味する。炭素繊維製シートには、例えば、
炭素繊維の織布、不織布などが含まれる。炭素繊維製シ
ートとしては、通常、不織布が繁用される。
系、フェノール樹脂系、レーヨン系、セルロース系、ピ
ッチ系炭素繊維などが挙げられる。なお、炭素繊維と
は、炭素繊維化可能な繊維を、不活性ガス雰囲気又は真
空下、500〜1500℃程度の温度で焼成した炭化繊
維、および500〜3000℃程度の温度で焼成した黒
鉛化繊維を意味する。炭素繊維製シートには、例えば、
炭素繊維の織布、不織布などが含まれる。炭素繊維製シ
ートとしては、通常、不織布が繁用される。
【0015】炭素繊維製シートの目付けは、例えば、1
0〜200g/m2 、好ましくは20〜100g/m2
程度である。
0〜200g/m2 、好ましくは20〜100g/m2
程度である。
【0016】本発明の複合シートは、前記炭素繊維製シ
ートが、黒鉛シートの片面又は両面に積層されている。
なお、複合シートは、複数の黒鉛シートと複数の炭素繊
維製シートとを交互に又はランダムな順序に積層した多
層構造の複合シートであってもよい。好ましい複合シー
トは、黒鉛シートの両面に炭素繊維製シートが積層され
ている。なお、前記複合シートは積層して一体化できる
ので、その厚みは特に制限されない。
ートが、黒鉛シートの片面又は両面に積層されている。
なお、複合シートは、複数の黒鉛シートと複数の炭素繊
維製シートとを交互に又はランダムな順序に積層した多
層構造の複合シートであってもよい。好ましい複合シー
トは、黒鉛シートの両面に炭素繊維製シートが積層され
ている。なお、前記複合シートは積層して一体化できる
ので、その厚みは特に制限されない。
【0017】黒鉛シートと炭素繊維製シートとの積層
は、接着剤を用いて接合することにより行なうことがで
きる。接着剤としては、例えば、フェノール樹脂、フラ
ン樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリアクリロニトリルなど
の熱可塑性樹脂、ピッチなどが挙げられる。好ましい接
着剤には、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂などが
含まれる。
は、接着剤を用いて接合することにより行なうことがで
きる。接着剤としては、例えば、フェノール樹脂、フラ
ン樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリアクリロニトリルなど
の熱可塑性樹脂、ピッチなどが挙げられる。好ましい接
着剤には、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂などが
含まれる。
【0018】このような複合シートは、黒鉛シートと炭
素繊維製シートとが積層一体化しているため、黒鉛シー
トの脆さが解消され、可撓性、柔軟性が高い。また、炭
素繊維製シートにより補強され、機械的強度が大きい。
さらに、圧縮成形すると、黒鉛シートが塑性変形し、金
型に対応した成形体を得ることができる。この黒鉛シー
トの塑性変形性は、ガスケットなどのシール材として使
用したとき、ガス洩れ防止に利用できる。さらに、炭素
繊維製シートは耐熱性に優れると共に、圧縮復元力を有
しているので、ガスケットなどとして繰返し使用して
も、高いシール性を確保できる。
素繊維製シートとが積層一体化しているため、黒鉛シー
トの脆さが解消され、可撓性、柔軟性が高い。また、炭
素繊維製シートにより補強され、機械的強度が大きい。
さらに、圧縮成形すると、黒鉛シートが塑性変形し、金
型に対応した成形体を得ることができる。この黒鉛シー
トの塑性変形性は、ガスケットなどのシール材として使
用したとき、ガス洩れ防止に利用できる。さらに、炭素
繊維製シートは耐熱性に優れると共に、圧縮復元力を有
しているので、ガスケットなどとして繰返し使用して
も、高いシール性を確保できる。
【0019】本発明の複合シートにおいては、耐熱性が
高く延性を有する金属により、その表面が被覆されてい
る。前記金属は、900℃以上、好ましくは1000℃
以上であり、かつ圧縮成形性を損わない展延性を有して
いればよい。このような金属としては、例えば、金、
銀、銅、白金、パラジウム、アルミニウム、ニッケル、
タンタル、ニオブ、チタンなどが挙げられる。好ましい
金属にはニッケルなどが含まれる。
高く延性を有する金属により、その表面が被覆されてい
る。前記金属は、900℃以上、好ましくは1000℃
以上であり、かつ圧縮成形性を損わない展延性を有して
いればよい。このような金属としては、例えば、金、
銀、銅、白金、パラジウム、アルミニウム、ニッケル、
タンタル、ニオブ、チタンなどが挙げられる。好ましい
金属にはニッケルなどが含まれる。
【0020】このような金属で複合シートの表面を被覆
すると、複合シートおよび封止部材の機械的強度を大き
くできるだけでなく、酸素と複合シートの表面との接触
を遮断でき、高温での耐熱性を高めることができる。例
えば、ニッケルで被覆した場合、700〜800℃程度
の高温下でも、黒鉛及び炭素繊維の酸化反応を防止でき
る。
すると、複合シートおよび封止部材の機械的強度を大き
くできるだけでなく、酸素と複合シートの表面との接触
を遮断でき、高温での耐熱性を高めることができる。例
えば、ニッケルで被覆した場合、700〜800℃程度
の高温下でも、黒鉛及び炭素繊維の酸化反応を防止でき
る。
【0021】好ましい複合シートは、黒鉛シートの両面
に、炭素繊維製シートを積層し、炭素繊維製シートを前
記金属により被覆するのが好ましい。この場合、金属被
膜により、炭素繊維ひいては複合シートがさらに補強さ
れると共に、両面の炭素繊維製シートにより、複合シー
トの圧縮復元性を高めることができる。
に、炭素繊維製シートを積層し、炭素繊維製シートを前
記金属により被覆するのが好ましい。この場合、金属被
膜により、炭素繊維ひいては複合シートがさらに補強さ
れると共に、両面の炭素繊維製シートにより、複合シー
トの圧縮復元性を高めることができる。
【0022】前記金属による被覆は、メッキにより行う
ことができる。メッキ方法としては、例えば、黒鉛シー
ト及び炭素繊維製シートが導電性であるため、電解メッ
キにより行なうことができると共に、慣用の方法、例え
ば、無電解メッキ、蒸着などによっても行なうことがで
きる。
ことができる。メッキ方法としては、例えば、黒鉛シー
ト及び炭素繊維製シートが導電性であるため、電解メッ
キにより行なうことができると共に、慣用の方法、例え
ば、無電解メッキ、蒸着などによっても行なうことがで
きる。
【0023】前記金属の被覆量は、耐熱性を損わない範
囲であればよく、例えば0.1〜100μm、好ましく
は0.5〜50μm程度である。
囲であればよく、例えば0.1〜100μm、好ましく
は0.5〜50μm程度である。
【0024】前記複合シートは、ガスケットやパッキン
などの封止部材用素材として好適である。この封止部材
は、用途に応じた形状及び大きさに複合シートを成形加
工することにより得られる。例えば、封止部材は、前記
複合シートを所定形状に打抜くことにより得ることがで
きる。使用時には、打抜かれた複数のシートを重ねて使
用してもよい。
などの封止部材用素材として好適である。この封止部材
は、用途に応じた形状及び大きさに複合シートを成形加
工することにより得られる。例えば、封止部材は、前記
複合シートを所定形状に打抜くことにより得ることがで
きる。使用時には、打抜かれた複数のシートを重ねて使
用してもよい。
【0025】また、封止部材は、適宜の形状に加工した
複数の複合シートを積層し、金型で圧縮成形することに
より得ることができる。複合シートの積層形態は特に制
限されない。例えば、打抜かれた複数の複合シートを積
層して圧縮成形してもよい。また、リング状のガスケッ
トは、複合シートを筒状に積層して予備成形体を形成
し、金型で圧縮成形することにより得ることができる。
この予備成形体は、例えば、図1に示されるように、黒
鉛シート1と炭素繊維製シート2とが積層された複合シ
ート3をスパイラル状に巻回してもよく、打抜きなどに
より複合シートから得られた複数のリング状部材を厚み
方向に積層してもよい。封止部材の炭素繊維製シート
は、使用時に締付け力が作用する方向、すなわち封止部
材の厚み方向に対して直交する方向に配向していてもよ
いが、図2に示されるように、炭素繊維製シート2の面
が、締付け力が作用する方向に配列しているのが好まし
い。この場合には、炭素繊維製シート2の圧縮復元力を
有効に利用できる。
複数の複合シートを積層し、金型で圧縮成形することに
より得ることができる。複合シートの積層形態は特に制
限されない。例えば、打抜かれた複数の複合シートを積
層して圧縮成形してもよい。また、リング状のガスケッ
トは、複合シートを筒状に積層して予備成形体を形成
し、金型で圧縮成形することにより得ることができる。
この予備成形体は、例えば、図1に示されるように、黒
鉛シート1と炭素繊維製シート2とが積層された複合シ
ート3をスパイラル状に巻回してもよく、打抜きなどに
より複合シートから得られた複数のリング状部材を厚み
方向に積層してもよい。封止部材の炭素繊維製シート
は、使用時に締付け力が作用する方向、すなわち封止部
材の厚み方向に対して直交する方向に配向していてもよ
いが、図2に示されるように、炭素繊維製シート2の面
が、締付け力が作用する方向に配列しているのが好まし
い。この場合には、炭素繊維製シート2の圧縮復元力を
有効に利用できる。
【0026】前記圧縮成形により、黒鉛シートの黒鉛が
塑性変形して、均質な封止部材が得られると共に、炭素
繊維製シートの炭素繊維間の隙間に充填され、強固に絡
み会って一体化する。また、複合シートに前記金属被膜
が施されていても、金属が延性を有するため、圧縮成形
性を損なうことがない。
塑性変形して、均質な封止部材が得られると共に、炭素
繊維製シートの炭素繊維間の隙間に充填され、強固に絡
み会って一体化する。また、複合シートに前記金属被膜
が施されていても、金属が延性を有するため、圧縮成形
性を損なうことがない。
【0027】このような封止部材においては、炭素繊維
製シートの復元力が大きいので、締付けとその解除を繰
返し行なっても、高いシール性を確保できる。また、締
付け力により黒鉛シートが変形し、場合によっては、炭
素繊維製シート内に黒鉛が侵入し、シール性を高める。
また、封止部材は、炭素繊維製シートにより補強されて
いるので、耐衝撃性、機械的強度が大きい。従って、従
来の黒鉛シート製封止部材に比べて、封止部材の取扱い
が容易である。さらに、封止部材は、ワイヤメッシュ入
りのガスケットなどよりも安価である。
製シートの復元力が大きいので、締付けとその解除を繰
返し行なっても、高いシール性を確保できる。また、締
付け力により黒鉛シートが変形し、場合によっては、炭
素繊維製シート内に黒鉛が侵入し、シール性を高める。
また、封止部材は、炭素繊維製シートにより補強されて
いるので、耐衝撃性、機械的強度が大きい。従って、従
来の黒鉛シート製封止部材に比べて、封止部材の取扱い
が容易である。さらに、封止部材は、ワイヤメッシュ入
りのガスケットなどよりも安価である。
【0028】
【発明の効果】本発明の複合シートは、黒鉛シートと炭
素繊維製シートとが積層されているので、機械的特性、
耐久性およびシール性に優れ、径小であっても均質な成
形体を得る上で有用であり、安価である。
素繊維製シートとが積層されているので、機械的特性、
耐久性およびシール性に優れ、径小であっても均質な成
形体を得る上で有用であり、安価である。
【0029】また、金属により被覆されているので、機
械的強度及び耐熱性が高く、高温での高い封止性を確保
できる成形体を得る上で有用である。
械的強度及び耐熱性が高く、高温での高い封止性を確保
できる成形体を得る上で有用である。
【0030】本発明の封止部材は、前記複合シートを用
いて形成されているため、機械的特性、耐久性および均
質性に優れている。
いて形成されているため、機械的特性、耐久性および均
質性に優れている。
【0031】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
に説明する。
【0032】参考例1 フェノール樹脂[群栄化学工業(株)製、PL−380
1]を用いて、可撓性黒鉛シート[住友金属工業(株)
製、厚み0.3mm]の両面に、炭素繊維不織布
[(株)ドナック社製、S−251]を積層し、140
℃で加熱接着し、複合シートを作製した。得られた複合
シートを打ち抜き、内径50mmφ、外径60mmφの
パッキンを作製した。
1]を用いて、可撓性黒鉛シート[住友金属工業(株)
製、厚み0.3mm]の両面に、炭素繊維不織布
[(株)ドナック社製、S−251]を積層し、140
℃で加熱接着し、複合シートを作製した。得られた複合
シートを打ち抜き、内径50mmφ、外径60mmφの
パッキンを作製した。
【0033】このパッキンを3枚重ねて、空気圧1kg
/cm2 の条件で、上蓋をトルク150kg・cmで締
付けた。この上蓋の締付け操作と開放操作とを30回繰
り返しても、空気の洩れはみられなかった。
/cm2 の条件で、上蓋をトルク150kg・cmで締
付けた。この上蓋の締付け操作と開放操作とを30回繰
り返しても、空気の洩れはみられなかった。
【0034】実施例1 参考 例1と同様にして作製した複合シートを、ニッケル
電解メッキにより厚み4μmのニッケルで被覆した。実
施例1と同様にして、メッキ処理した複合シートから作
製したパッキンを3枚重ねて、上蓋の締付け操作と開放
操作とを30回繰り返しても、空気の洩れはみられなか
った。
電解メッキにより厚み4μmのニッケルで被覆した。実
施例1と同様にして、メッキ処理した複合シートから作
製したパッキンを3枚重ねて、上蓋の締付け操作と開放
操作とを30回繰り返しても、空気の洩れはみられなか
った。
【0035】比較例1 可撓性黒鉛シートのみでパッキンを作製する以外、実施
例1と同様の方法で、パッキンを3枚重ねてシール性の
試験を行なったところ、上蓋の締付け操作と開放操作を
10回繰り返すと、空気洩れが発生した。
例1と同様の方法で、パッキンを3枚重ねてシール性の
試験を行なったところ、上蓋の締付け操作と開放操作を
10回繰り返すと、空気洩れが発生した。
【0036】参考例2 可撓性黒鉛シートの片面に炭素繊維不織布をフェノール
樹脂で積層する以外、参考例1と同様にして、複合シー
トを作製した。
樹脂で積層する以外、参考例1と同様にして、複合シー
トを作製した。
【0037】この複合シートを巻回して、図1に示され
るような中空円筒状の予備成形体を形成し、これを金型
内に入れ加圧成形することにより、図2に示されるよう
なガスケットを作製した。
るような中空円筒状の予備成形体を形成し、これを金型
内に入れ加圧成形することにより、図2に示されるよう
なガスケットを作製した。
【0038】実施例2 ニッケルメッキにより厚み2μmのニッケル被膜で被覆
する以外、実施例1と同様にして、複合シートを作製す
ると共に、ガスケットを作製した。
する以外、実施例1と同様にして、複合シートを作製す
ると共に、ガスケットを作製した。
【0039】比較例2 複合シートに代えて可撓性黒鉛シートを用いる以外、実
施例3と同様にしてガスケットを作製した。
施例3と同様にしてガスケットを作製した。
【0040】参考例2、実施例2および比較例2で得ら
れたガスケットから試験片を切り出し、曲げ強度および
圧縮強度を測定した。なお、曲げ強度及び圧縮強度は、
黒鉛シートの配向方向に対して平行方向と垂直方向につ
いて測定した。結果を表に示す。
れたガスケットから試験片を切り出し、曲げ強度および
圧縮強度を測定した。なお、曲げ強度及び圧縮強度は、
黒鉛シートの配向方向に対して平行方向と垂直方向につ
いて測定した。結果を表に示す。
【0041】
【表1】 表より、参考例2及び実施例2で得られたガスケット
は、比較例2で得られたガスケットに比べて、機械的強
度が大きい。
は、比較例2で得られたガスケットに比べて、機械的強
度が大きい。
【図1】複合シートの巻回状態を示す概略斜視図であ
る。
る。
【図2】封止部材の一例を示す一部切欠斜視図である。
1…黒鉛シート 2…炭素繊維製シート 3…封止部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C09K 3/10
Claims (4)
- 【請求項1】 黒鉛シートの少なくとも一方の面に、炭
素繊維製シートが積層されている複合シートであって、
この複合シートを構成する黒鉛シート及び炭素繊維製シ
ートが、融点が900℃以上で、かつ延性を有する金属
でメッキ処理されている複合シート。 - 【請求項2】 ニッケルで電解メッキ処理されている請
求項1記載の複合シート。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の複合シートにより
形成されている封止部材。 - 【請求項4】 請求項1又は2記載の複合シートが積層
され、かつ圧縮成形されている封止部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3177247A JP3069398B2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | 複合シートおよびそれを用いた封止部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3177247A JP3069398B2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | 複合シートおよびそれを用いた封止部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0542626A JPH0542626A (ja) | 1993-02-23 |
JP3069398B2 true JP3069398B2 (ja) | 2000-07-24 |
Family
ID=16027731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3177247A Expired - Lifetime JP3069398B2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | 複合シートおよびそれを用いた封止部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3069398B2 (ja) |
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