JP4185355B2 - カーボンシート及びその製造方法 - Google Patents

カーボンシート及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次元方向にランダム配向した炭素繊維及び熱分解炭素質を含むシート状の炭素材料(カーボンシート)及びその製造方法に関し、詳しくは剛性が高く嵩高で形態安定性に優れた、炭素繊維及び熱分解炭素質のみからなるカーボンシート及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭素材料は、耐熱性、耐食性、耐薬品性に優れ、導電性を有することから、電極材料、電磁波遮蔽材料として使用されている。
【0003】
従来炭素材料としては黒鉛材料がある。この材料は脆性が高く、且つ密度が1.8〜2.2g/cm3であることが多い。従って、軽く、柔軟性が求められる用途には適さない。
【0004】
また、シート状の炭素材料としては多孔質炭素材料がある。このものは脆く、更にその製造時の焼成工程における変形が大きく、精度の高いシートの製造が困難で、焼成後切削加工等の成形加工が必要である。
【0005】
この炭素材料がシート状である場合は、加工性、施工性、取扱性が良い。シート状の炭素材料(カーボンシート)としては、炭素繊維織物、炭素繊維強化材料シート(C/Cペーパー)等がある。
【0006】
これらカーボンシートのうち炭素繊維織物は、良好な電磁波遮蔽効果は認められるが、単位面積当たりの炭素繊維使用量が多いため、高価格である。また、炭素繊維織物は嵩密度が大きく且つ剛性が低い炭素材料であり、高強度、高弾性率、且つ高空孔率であることが求められる炭素材料としては不適である。
【0007】
この炭素繊維強化材料シートは、一般に一定の長さにカットした炭素繊維を原料として、湿式抄紙法や乾式抄紙法を用いて炭素繊維二次元ランダム配向シートを得、次いで、このシートにバインダーを塗布した後、積層して加圧成型し、不活性雰囲気中で熱処理することによって製造されている。
【0008】
しかし、この製造方法で得られる炭素繊維強化材料シートは、高弾性率、高強度であるが、嵩密度が大きく、高価格である。
【0009】
嵩密度を低く抑える点に着目してカーボンシートを製造する方法の例として、特許文献1に開示された方法が挙げられる。
【0010】
このカーボンシートの製造方法は、炭素繊維及び/又は炭素繊維の前駆体である有機繊維の抄紙体と、熱硬化性樹脂とからなるシートを熱硬化性樹脂の硬化を抑えつつ加圧成型した後、未硬化の熱硬化性樹脂を膨張させながら硬化させ嵩高なシートを得る方法である。
【0011】
このカーボンシートの製造方法によれば、未硬化の熱硬化性樹脂を膨張させながら硬化させる際にクリアランスを規定した治具を用いることで容易に所望の嵩密度を有する炭素繊維強化炭素複合材料用プリフォームが得られる。
【0012】
しかし、この製造方法によって得られるカーボンシートでも嵩密度は0.5g/cm3以上と高く、しかも剛性が低いものである。また、後工程の炭素化、黒鉛化処理の際(焼成時)には、残留応力の解放による層間の剥離(デラミネーション)抑制のため、完全硬化に至るまで比較的長時間熱処理する必要がある。
【0013】
更に、この焼成時におけるカーボンシートの変形が大きいため、焼成工程までの製造工程では精度の高いカーボンシートの製造は困難である。そのため、カーボンシートの精度を高くするには、更なる後工程として切削加工して焼成時の変形を補正する工程を必要とする。
【0014】
更にまた、上記カーボンシートの製造方法では、数度に亘る熱処理が必要であり、消費される熱エネルギーは大きく、二酸化炭素排出量削減を含む地球環境保全のためにも熱処理プロセスの改良が必要である。
【0015】
【特許文献1】
特開平8−2979号公報(特許請求の範囲)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記問題を解決するために種々検討しているうちに、所定長さの耐炎繊維とパルプとを抄紙して耐炎繊維紙を得、次いでこの耐炎繊維紙に、フェノール樹脂を含浸させて樹脂含浸紙を得、その後、不活性雰囲気中で樹脂含浸紙を炭素化することにより、高剛性で適度の空孔率を有するカーボンシートを、安価に製造できることを知得し、本発明を完成するに至った。
【0017】
従って、本発明の目的とするところは、上記問題を解決したカーボンシート及びその製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
【0019】
〔1〕 炭素繊維及び熱分解炭素質を含み、且つ、炭素繊維含有量が80質量%以下、嵩密度が0.35g/cm3以下、及びしなやかさが30゜以下であるカーボンシート。
【0020】
〔2〕 カーボンシートに含まれる炭素繊維の長さが1〜30mmである〔1〕に記載のカーボンシート。
【0021】
〔3〕 カーボンシートに含まれる炭素繊維の直径が3.5〜20μmである〔1〕に記載のカーボンシート。
【0022】
〔4〕 炭素繊維の接着部がフェノール樹脂の熱分解炭素質で接着されてなる〔1〕に記載のカーボンシート。
【0023】
〔5〕 繊維長1〜33mmの耐炎繊維60〜95質量部とパルプ40〜5質量部を抄紙して耐炎繊維紙を得、次いで前記耐炎繊維紙100質量部に、フェノール樹脂20〜150質量部を含浸させて樹脂含浸紙を得、その後、不活性雰囲気中で樹脂含浸紙を炭素化することを特徴とする、炭素繊維及び熱分解炭素質を含み、且つ、炭素繊維含有量が80質量%以下、嵩密度が0.35g/cm3以下、及びしなやかさが30゜以下であるカーボンシートの製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】
本発明のカーボンシートは、炭素繊維及び熱分解炭素質を含み、且つ、炭素繊維含有量が80質量%以下、好ましくは50〜80質量%、嵩密度が0.35g/cm3以下、好ましくは0.18〜0.35g/cm3、並びに、後述する測定方法により測定して得られるしなやかさが30゜以下、好ましくは10〜30゜である。
【0026】
炭素繊維含有量が80質量%を超える場合は、カーボンシートの強度、弾性率等が低下するので好ましくない。嵩密度が0.35g/cm3を超える場合は、カーボンシートの空孔率が低下するので好ましくない。しなやかさが30゜を超える場合は、カーボンシートの剛性が低下するので好ましくない。
【0027】
また、本発明のカーボンシートは、シートに含まれる炭素繊維の長さが1〜30mmであることが好ましい。シートに含まれる炭素繊維の直径が3.5〜20μmであることが好ましい。炭素繊維同士の接着部がフェノール樹脂の熱分解炭素質で接着されてなることが好ましい。
【0028】
本発明のカーボンシートは、その物性が上記範囲内にあれば、その製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば以下の製造方法により製造することができる。
【0029】
まず、繊維長1〜33mmの耐炎繊維60〜95質量部とパルプ40〜5質量部を抄紙して耐炎繊維紙を得る。次いで、この耐炎繊維紙100質量部に、フェノール樹脂20〜150質量部を含浸させて樹脂含浸紙を得る。その後、不活性雰囲気中で上記樹脂含浸紙を炭素化することにより本発明のカーボンシートを製造することができる。
【0030】
次に、本例の炭素繊維シートの製造方法における個々の原料、工程について詳細に説明する。
【0031】
(耐炎繊維)
本発明のカーボンシートの原料である耐炎繊維は、ポリアクリロニトリル(PAN)繊維やレーヨン繊維等を耐炎化(不融化)して得られた繊維を用いることができる。
【0032】
耐炎繊維の繊維長が1mm未満の場合は、耐炎繊維紙及びカーボンシートの強度が低下するので好ましくない。耐炎繊維の繊維長が33mmを超える場合は、前駆体繊維シートにおける繊維分散性が低下するので好ましくない。
【0033】
この耐炎繊維の直径は、4〜25μmが好ましい。耐炎繊維の直径が4μm未満の場合は、耐炎繊維紙及びカーボンシートの製造時や取扱時に繊維微粉末を発生し易い、並びに、繊維同士が収束し易いなどの不具合を生ずるので好ましくない。耐炎繊維の直径が25μmを超える場合は、耐炎繊維紙及びカーボンシートの強度が低下するので好ましくない。
【0034】
本発明のカーボンシートの製造方法においては、原料繊維として炭素繊維ではなく、上記の耐炎繊維を用いている。耐炎繊維は、炭素繊維に比べ、繊維伸度が高く、抄紙時の加工性が良い。そのため、抄紙して得られる耐炎繊維シートは、強度が高い。
【0035】
抄紙工程においては、微粉末やケバの発生が少ない利点を有する。しかも、炭素繊維を抄紙する際に、耐炎繊維を開繊、分散させる工程が必要となるが、炭素繊維に比べ、その操作が容易なことから加工コストが安価となる。
【0036】
なお、上記耐炎繊維は短繊維であるため分散性に優れ、厚さや目付が均質な耐炎繊維シートを得ることができる。また、この耐炎繊維シートをフェノール樹脂含浸処理後、焼成して得られるカーボンシートの厚さや目付も均質である。
【0037】
(パルプ)
本発明のカーボンシートの製造方法において、耐炎繊維をシート化するに際して用いられるパルプは、不活性ガス中で炭素化温度800〜2200℃で炭素化処理した時に炭素成分(炭素化収率)として10質量%以上、好ましくは15〜25質量%が残留するものである。
【0038】
更に、上記炭素化収率に加えて、耐炎繊維との混抄において耐炎繊維に絡み易く抄紙性を向上させること、炭素化時に一部がタール化してバインダーとして作用することを要する。
【0039】
具体的には、アマ、麻、ラミー、黄麻、マニラ麻、コウゾ、ミツマタ、ガンビ、桑などの靱皮パルプが更に好ましく、この中でも、麻パルプが特に好ましい。
【0040】
(抄紙)
抄紙における原料の配合割合は、前述したように耐炎繊維60〜95質量部に対してパルプ40〜5質量部である。
【0041】
耐炎繊維60質量部に対してパルプが40質量部を超える場合は、耐炎繊維との分散性が低下する、並びに、耐炎繊維紙を焼成して得られるカーボンシートが硬くなり、折れやすくなって、強度や柔軟性(剛軟度)が低下するなどの不具合を生ずるので好ましくない。
【0042】
耐炎繊維95質量部に対してパルプが5質量部未満の場合は、抄紙後のシート強度が不充分であるので好ましくない。
【0043】
繊維をランダムに分散させて抄紙する方法としては、大量の液体中に繊維を分散させてすくい挙げる湿式抄造法や、空気中で繊維を分散させた後、この繊維分散空気流の吹付け等により薄層を形成させ、それを積層させる乾式法などが適用できる。ただし、繊維の分散性や、コスト面を考慮すれば湿式抄造法でシート化するのが最も好ましい。
【0044】
本発明のカーボンシートの製造方法においては、上記耐炎繊維とパルプとを抄紙することによりシート化しているので、得られる耐炎繊維紙は、強度が高く、焼成後のカーボンシートの強度を向上させるに適度な剛軟性も有している。
【0045】
なお、抄紙時においては抄紙性を向上させ、炭素化時には溶融してバインダーとして作用する繊維(バインダー繊維)を、耐炎繊維とパルプとの合計量100質量部に対して5〜15質量部を添加して抄紙することが好ましい。
【0046】
このバインダー繊維としては、具体的には、熱可塑性樹脂繊維が好ましく、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、メタ系アラミド繊維が特に好ましい。
【0047】
(樹脂含浸処理)
上記抄紙により得られた耐炎繊維紙は、その100質量部に、フェノール樹脂20〜150質量部、好ましくは30〜70質量部を含浸させて樹脂含浸紙を得る。
【0048】
これらの樹脂含浸処理を湿式で行う場合、所定の濃度の樹脂浴に抄紙後の耐炎繊維紙を浸漬することにより樹脂含浸処理することができる。
【0049】
耐炎繊維紙100質量部中へのフェノール樹脂の含浸量が20質量部未満の場合は、カーボンシートのしなやかさが大き過ぎ、カーボンシートの剛性が低下するので好ましくない。
【0050】
耐炎繊維紙100質量部中へのフェノール樹脂の含浸量が150質量部を超える場合は、カーボンシートの剛性は高いが、柔軟性が損なわれ、脆性が高くなるので好ましくない。
【0051】
(炭素化)
上記樹脂含浸紙は、回分的又は連続的に、不活性ガス雰囲気下、800〜2200℃の温度にて焼成し炭素化する。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等が用いられる。
【0052】
焼成温度が800℃未満の場合は、得られる炭素繊維シートの、電気伝導度が低下する、並びに、強度が低下するなどの不具合を生ずるので好ましくない。
【0053】
焼成温度が2200℃を超える場合は、電気伝導度が増加し、バラツキの少なく安定した状態となるが、炭素繊維シートが剛直になって強度が低下する、並びに、取扱う際に微粉末状に砕け易いなどの不具合を生ずるので好ましくない。
【0054】
【実施例】
本発明を以下の実施例及び比較例により具体的に説明する。
【0055】
以下の実施例及び比較例の条件により、カーボンシートを作製し、それらシートの諸物性値を、以下の方法により測定した。
【0056】
<坪量(目付)>
坪量(目付)は、JIS P 8124に準拠して測定した。耐炎繊維又はカーボンシートから20cm×25cmの試験片を切り出し、寸法と質量とを測定し、以下の数式(1)
W = M/(L1×L2) × 10000 (1)
W:坪量(目付)〔g/m2
M:試験片の質量〔g〕
1及びL2:試験片の縦及び横の長さ〔cm〕
により算出した。
【0057】
<厚さ、嵩密度>
厚さ及び嵩密度は、JIS P 8118に準拠して測定した。耐炎繊維又はカーボンシートをマイクロメーター(株式会社ミツトヨ製ダイアル厚さ計No.2050−F:加圧面直径30mm、荷重1.96N、面圧2.77kPa)を用いて厚さを測定した。
【0058】
嵩密度は、測定した坪量(目付)と厚さから、数式(2)
D = W/(T×1000) (2)
D:嵩密度〔g/cm3
W:坪量(目付)〔g/m2
T:厚さ〔mm〕
により算出した。
【0059】
<真密度>
真密度は、JIS P 7601に準拠して測定した。カーボンシートから約0.1gとなるように試験片を切り出し試験片の質量を測定した。予め浸漬用の目印を付けた0.1mmの金属線で結び、予め密度を測定したエタノール中に先の目印迄浸漬して減圧脱泡した。試験片のエタノール中での質量を測定し、数式(3)
d = (Ms×da)/(Ms+Mw−Mt) (3)
d:真密度〔g/cm3
a:エタノールの密度〔g/cm3
s:空気中での試験片の質量〔g〕
w:金属線を目印までエタノールに浸漬したときの質量〔g〕
t:金属線で結んだ試験片を目印までエタノールに浸漬したときの質量〔g〕により真密度を算出した。
【0060】
<空孔率>
上記条件により測定した嵩密度と真密度とから数式(4)
V = 100 × (1 − D/d) (4)
V:空孔率〔%〕
により算出した。
【0061】
<寸法保持率>
25cm×25cmの耐炎繊維紙を所定の炭素化条件で炭素化した時のカーボンシートの寸法を測定し、数式(5)
S = 100 × (Lc×Ld)/(La×Lb) (5)
S:寸法保持率〔%〕
a及びLb:耐炎繊維紙の縦及び横の長さ〔cm〕
c及びLd:カーボンシートの縦及び横の長さ〔cm〕
により算出した。
【0062】
<炭素繊維含有率>
耐炎繊維のみの繊維をあらかじめ所定の炭素化条件で炭素化した時の炭素化率を求めておき、更に各実施例及び比較例で作製した樹脂含浸紙(比較例1〜3は樹脂含浸せず、『耐炎繊維紙』のまま)を上記と同一の炭素化条件で炭素化した炭素化率を測定した。これらの炭素化率の値から炭素繊維含有率を算出した。
【0063】
<しなやかさ>
得られたカーボンシートを2cm×15cmに切り出し、片側を半径10mmで面取りをした台に試料の片側半分を固定し、固定していない方の半分を押し下げる。折り目が付いたり、破壊に至った時の角度を「しなやかさ」とする。
【0064】
実施例1〜15及び比較例1〜15
PAN系耐炎繊維〔商品名:パイロメックス(繊度2.2dtex、直径13μm、繊維長5mm)〕と、麻パルプと、PVA繊維とを、表1及び2に示す混率で手抄きして耐炎繊維紙を作製した。その後、これらの耐炎繊維紙に、表1及び2に示す混率でフェノール樹脂を含浸させて樹脂含浸紙(比較例1〜3は樹脂含浸せず、『耐炎繊維紙』のまま)を作製した。
【0065】
これらの樹脂含浸紙又は耐炎繊維紙を、窒素雰囲気下、表1及び2に示す3水準の温度で熱処理し、表1及び2に示す物性のカーボンシートを得た。
【0066】
【表1】
Figure 0004185355
【0067】
【表2】
Figure 0004185355
【0068】
なお、表1中の実施例1〜3における実施例1、2及び3の個々のデータは、それぞれ熱処理温度が1000℃、1500℃及び2000℃について得られたデータである。
【0069】
同様に、表1中の実施例4〜6における実施例4、5及び6の個々のデータは、それぞれ熱処理温度が1000℃、1500℃及び2000℃について得られたデータであり、表1中の実施例7〜9における実施例7、8及び9の個々のデータは、それぞれ熱処理温度が1000℃、1500℃及び2000℃について得られたデータであり、表1中の実施例10〜12における実施例10、11及び12の個々のデータは、それぞれ熱処理温度が1000℃、1500℃及び2000℃について得られたデータであり、表1中の実施例13〜15における実施例13、14及び15の個々のデータは、それぞれ熱処理温度が1000℃、1500℃及び2000℃について得られたデータである。
【0070】
また、表2中の比較例1〜3における比較例1、2及び3の個々のデータは、それぞれ熱処理温度が1000℃、1500℃及び2000℃について得られたデータであり、表2中の比較例4〜6における比較例4、5及び6の個々のデータは、それぞれ熱処理温度が1000℃、1500℃及び2000℃について得られたデータであり、表2中の比較例7〜9における比較例7、8及び9の個々のデータは、それぞれ熱処理温度が1000℃、1500℃及び2000℃について得られたデータである。
【0071】
実施例1〜12で得られたカーボンシートは、高剛性、適度の高空孔率であることが解る。
【0072】
これらに対し、比較例1〜3で得られたカーボンシートは、高空孔率ではあるが、炭素繊維含有量が多く、剛性は低いものであった。比較例4〜6で得られたカーボンシートは、炭素繊維含有量が少ないが、剛性は低いものであった。比較例7〜9で得られたカーボンシートは、剛性は高いが、炭素化時に反り返りが起きた。
【0073】
なお、図1のカーボンシート中の炭素繊維の分散状態を示す電子顕微鏡写真に見られるように、実施例2、実施例8及び比較例2で得られたカーボンシートは、何れも高い空孔率であることが観察できる。
【0074】
【発明の効果】
本発明のカーボンシートは、炭素繊維含有量、嵩密度、及びしなやかさをそれぞれ所定値以下としているので、高剛性、適度の高空孔率であり、且つ炭素繊維含有量が少ないので安価である。
【0075】
本発明のカーボンシートの製造方法は、所定長さの耐炎繊維とパルプとを所定割合で抄紙して耐炎繊維紙を得、次いでこの耐炎繊維紙に、フェノール樹脂を所定量含浸させて樹脂含浸紙を得、その後、不活性雰囲気中で樹脂含浸紙を炭素化することを特徴としているので、上記のカーボンシートを、長時間の熱処理や、焼成時の変形を補正する工程等を必要とすることなく、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カーボンシート中の炭素繊維の分散状態を示す図面代用電子顕微鏡写真であって、(a)は実施例2におけるカーボンシート中の炭素繊維の分散状態を示し、(b)は実施例8におけるカーボンシート中の炭素繊維の分散状態を示し、(c)は比較例2におけるカーボンシート中の炭素繊維の分散状態を示す。

Claims (4)

  1. 繊維長1〜33mmの耐炎繊維60〜95質量部とパルプ40〜5質量部を抄紙して耐炎繊維紙を得、次いで前記耐炎繊維紙100質量部に、フェノール樹脂20〜150質量部を含浸させて樹脂含浸紙を得、その後、不活性雰囲気中で樹脂含浸紙を炭素化することを特徴とする、炭素繊維及び熱分解炭素質を含み、且つ、炭素繊維含有量が80質量%以下、嵩密度が0.15〜0.25g/cm3、及びしなやかさが30゜以下であるカーボンシートの製造方法
  2. カーボンシートに含まれる炭素繊維の長さが1〜30mmである請求項1に記載のカーボンシートの製造方法
  3. カーボンシートに含まれる炭素繊維の直径が3.5〜20μmである請求項1に記載のカーボンシートの製造方法
  4. 炭素繊維の接着部がフェノール樹脂の熱分解炭素質で接着されてなる請求項1に記載のカーボンシートの製造方法
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