JP3068140B2 - 圧電薄膜共振子 - Google Patents

圧電薄膜共振子

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、VHF帯やUHF帯の発振子あるいはフィルタ
として用いて好適な、圧電薄膜を用いた圧電薄膜共振子
に関するものである。
(従来の技術) 近年、半導体素子の高密度集積化が進み、それに組み
込まれる抵抗や容量等の受動素子の小型化も強く望まれ
ている。一方、高周波帯の受動部品、特に、コイルを用
いる共振子やフィルタ等の共振回路部品は、小型化、集
積化技術が立ち遅れており、VHF、UHF帯無線機の小型化
を阻む一要因となっている。
この問題を解決する手段として、数MHz〜十数MHzの比
較的低い周波数帯では、共振子やフィルタとして水晶や
チタン酸鉛系セラミックス等の圧電基板を用い、その厚
み振動を利用した振動子が供されている。この振動子に
おいては、幅及び厚み等の幾何学的形状により、共振周
波数が決まる。ところが、このような圧電基板は、機械
的強度および加工上の制約を受ける。このため、単なる
機械的研摩法では、基板の厚みを数十μm程度以下にす
るのは著しく困難であった。したがって、その基板の基
本共振周波数は、高々数十MHz程度が限界となってい
た。
そこで、これ以上の高い周波数を必要とする場合に
は、高次厚み振動を利用することになる。しかしなが
ら、この場合の電気機械結合係数は次数の二乗に反比例
するため、極端に小さくなるので容量比が増大し、また
スプリアス共振が所望の共振点に近い位置にくるため、
広帯域共振子フィルタや電圧制御発振器用広帯域発振子
の実現が難しく、実用的ではなかった。
これに対し、最近表面波デバイスに使われているすだ
れ状電極を利用して、高次幅振動でも電気機械結合係数
が劣化しないようにする方法が研究されている。このよ
うな共振子としては、例えば“圧電ストリップにおける
高次幅振動のエネルギー閉込めとそのフィルタへの応
用”電子情報通信学会論文誌 A,1988年8月号第1489頁
−第1498頁等において開示されているものがある。この
方法は、圧電セラミックを使用するものであり、前述の
ような製造上の問題のため、基本周波数が高々数十MHz
の共振子しか出来ないという欠点がある。又、長方形状
の板を用いているため、交差指電極に平行な方向(即
ち、主共振モードが発生する方向と直交する方向)の端
面での反射成分による共振現象が生じ、スプリアス応答
が生じる。そのため、端面を実際の共振部より遠くに設
けて、反射成分を十分減衰させる必要があり、共振部の
交差幅の10〜15倍ほど長い基板を使わねばならないとい
う欠点があった。
一方、これに対して、最近、厚み振動の基本モードあ
るいは比較的低次のオーバートーンで動作する超小型の
VHF,UHF帯共振子の実現を目指して、圧電薄膜を用いた
共振子が研究されている。
このような圧電薄膜共振子としては、例えば、“Prog
ress in the Development of Miniture Thin Film BAW
Resonator and Filter Technology"Proceedings of the
36th Annual Symposium on Frequency Control,1982年
6月号第537頁〜第548頁,や“Recent Advances in Sub
miniatuvel Thin Membrance Resonators"1985 Ultrason
ics Symposium Proceedings,1985年10月号第291頁〜第3
01頁等において開示されているものがある。これらは、
シリコン等の半導体結晶基板の裏面に、異方性エッチン
グにより空穴を形成することにより、半導体基板の表面
側に薄膜を振動部の一部として所定の厚さだけ残し、そ
の後その薄膜上に励振用下部電極、圧電薄膜及び励振用
上部電極を順次形成することにより共振子とするもので
ある。
しかしながら、このような共振子には、次のような重
大な欠点がある。
(1) 通常、シリコン基板に空穴部を形成するために
使われるPEDエッチング液(ピロカテコールC6H4(O
H)2,エチレンジアミンNH2(CH22NH2,水H2Oの混合
液)のエッチング速度が最大50μm/Hrと小さい。そのた
め、通常用いられる3インチ径シリコン基板の厚さが40
0μmであることから、これをエッチングするのに約8
時間という長い時間を要し、極めて生産性が悪く量産が
困難である。
(2) 基板自体に空穴部が形成されるため、機械的強
度が弱くなり、製作工程上の取り扱いが難しくなる。
(3) 空穴部を形成した後に圧電薄膜が真空に近い状
態中で形成される。そのため、基板面の温度分布が不均
一になる。したがって、圧電薄膜自体の結晶の配向性が
乱れ、膜質および圧電性が劣化する。このため、電気機
械結合係数が小さくなり、振動損失が増大し、共振子の
容量比が大きくなり、Qが低下する。
(4) 集積回路の一部に共振子を組み入れる際、保護
膜を使用していても、空穴形成工程で他の集積回路に損
傷を与えることが多く、歩留りが悪かった。
そこで、これらの欠点を除去するものとして、本発明
の出願人によって第6図に示すような空隙型の共振子が
開発され、すでに別途に出願がなされている(特開昭60
−189307号)。
この空隙型共振子は、第6図に示すように、基板1上
にSiO2等の誘電体膜2を、基板1との間に空隙層3が形
成されるように中央部を持ち上げた状態に設けられてい
るのが特徴である。同図において、4は誘電体膜2上に
形成された四辺形状の圧電薄膜、5,6はこの圧電薄膜4
を上下に挟んで形成された下部電極および上部電極であ
る。誘電体膜2は振動膜および支持体の一部をなすもの
である。
この共振子は、生産性が良く、機械的強度が改善さ
れ、膜形成時の温度分布を均一にでき、かつ集積時にIC
回路等の外部電子回路の損傷が少ない等多くの長所を備
えている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、この共振子をさらに改善することも可
能である。この共振子は、厚み方向の振動である厚み縦
又は厚みすべり振動を用いているため、厚さに反比例し
て共振周波数が決定される。そのため、非圧電及び圧電
薄膜をRFマグネトロンスパッタ法等の形成方法で形成し
た場合には、ウェハーに多数個形成された共振子はウェ
ハー内の膜厚分布が1〜10%あるため、その共振周波数
が1〜10%程度のバラツキをもつこともある。一般にフ
ィルタや発振子として実用可能な共振子は、少なくとも
0.1%以下の周波数確度が求められる。従って、この共
振子を実用に供するには、新たにSiO2等の誘電膜や金属
膜を付着させて周波数を低くするか、又は膜厚を逆スパ
ッタ法等によって減ずる等のいわゆる周波数トリミング
によって周波数確度を上げねばならない。この周波数ト
リミングはウェハーを個々のチップとしてから個別に行
う必要があり、量産性が非常に悪くなり又製造コストも
高くなる。又、本質的な問題として、同一工程で、同一
ウェハー上に相異なった所要の共振周波数をもつ共振子
を作成することが困難である。これは、周波数コンバー
タのように、フィルタと局部発振器に用いる共振子が異
なった共振周波数が要求される回路を1チップ上に形成
する場合や、複数の発振周波数を要する、発振器の共振
子を1チップ上に形成する場合には、致命的な欠点にな
る。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的
は、製造時の共振周波数のバラツキが大きくならないよ
うにすると供に同一基板上に相異なる共振周波数をもつ
複数の共振子を形成が可能な圧電薄膜共振子を提供する
ことにある。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明の圧電薄膜共振子は、基板と、その基板の表面
上に形成され、波が伝搬可能な幅方向に対して垂直な長
さ方向に沿った長さ方向両端部分の下面を、その基板の
表面に密着状態に固定し、中央部分をその基板の表面か
ら離して空隙を形成させた非圧電性薄膜と、その非圧電
性薄膜の前記中央部分上に少くとも形成され、共振動作
時に発生させるべき定在波を得るための圧電薄膜と、そ
の圧電薄膜の厚さ方向の両面を挟む一対の電極板であっ
て、これら一対の電極板の少なくとも一方は複数の電極
指を有するすだれ状電極として構成されている、一対の
電極板とを備え、前記すだれ状電極における前記複数の
電極指のピッチを、前記定在波の周期の半分に設定し、
且つ、前記各電極指が前記定在波の節の部分に位置する
ように構成し、前記圧電薄膜の前記幅方向長さを前記定
在波の周期の1/4の整数倍に設定し、且つ、幅方向端面
を前記定在波の腹の部分に位置するように構成した、こ
とを特徴とするものである。
(作 用) 共振周波数は、圧電薄膜等の膜厚によって決定される
のではなく、すだれ状電極の櫛歯状電極の平面的な形状
寸法によって決定される。而して、圧電薄膜等の膜厚の
制御に比べて櫛歯状電極の平面的な形状寸法の制御は容
易である。よって、製品の共振周波数のバラツキを低く
抑えるのは容易に行われる。また、櫛歯状電極としてそ
の平面的な形状寸法の異なるものを同一基板上に形成す
るのは容易である。つまり、同一基板上に共振周波数の
異なる複数の圧電薄膜共振子を形成するのは容易に行わ
れる。
さらに、非圧電薄膜の波の伝搬方向とほぼ垂直な方向
の両端部分の下面が基板の表面に密着している。このこ
とから、不要振動は基板に効率良く吸収され、上記垂直
な方向両端面における反射により、スプリアス応答が生
じるのが防止される。
また、ストリップ反射器によって、共振周波数のより
一層のバラツキ防止がなされる。
(実施例) 本発明の実施例の説明に先立ち、本発明の原理につい
て説明する。
上述のバラツキの問題を解決するには、共振周波数の
振動膜の厚さ依存性を軽減すればよい。又、上述の異な
る共振周波数の複数共振子を実現するという問題を解決
するには、共振周波数が振動膜の厚さではなく長さとか
幅とかいった平面形状で決まるようにすればよい。この
ような観点に基づいて、共振周波数を、平面形状で主に
決定できるよう工夫すると、近年ICの分野で著しく発達
した高精度パターニング技術及び微細加工技術の活用に
よって、高精度形状を実現し、共振周波数を高精度に制
御できることになり、同時にバラツキの問題も解決でき
る。
本発明は、上記考えに基づいてなされたもので、厚み
縦振動による厚み共振周波数より高い周波数における速
度分散性が小さい領域の伝搬モード及び厚み縦共振周波
数より低い周波数で最低次の対称又は非対称板波モード
を利用して、幅方向の端面での反射による共振を起さ
せ、主として、幅方向の幾何学的形状によって共振周波
数を設定できるようにしたことを特徴とするものであ
る。
このとき、圧電薄膜を含む振動膜の少なくとも2個所
の保持点を共振を生じている方向と略直角方向に配置す
ることによって、不要波振動エネルギーを膜支持部に吸
収させるようにする。これによって、スプリアス応答問
題もなくなり、良好な特性が得られるようになる。
第1図(a),(b)は、このような観点に基づいて
構成された本発明の基本的な第1実施例の斜視図及びそ
の1b−1b線断面図である。この実施例は、第1図
(a),(b)からわかるように、基板1と薄膜の振動
部分との間に空隙13を有する圧電薄膜共振子であり、励
振電極としては対向電極形のすだれ状電極を用いてい
る。即ち、第1図(a),(b)からわかるように、半
導体の基板11上にSiO2等の誘電体膜12を形成する。誘電
体膜12の長手方向両端は基板11上に密着している。これ
により、長手方向に伝わる振動は、基板11に吸収され
る。中央部分は、基板11との間に励振のための空隙13が
形成されるように持ち上げられた状態になっている。誘
電体膜12上には、一対の櫛歯状電極14,15が、同一平面
上で長手方向に対向した状態に形成されている。これら
の電極14,15の各歯(電極指)は、互いに入れ子状態に
交差、歯合している。このような、誘電体膜12及び櫛歯
状電極14,15上にZnO等の圧電膜17及び平板状の対向電極
18が順次形成されている。これにより、上記のすだれ状
電極が形成されている。
このように構成された第1図(a),(b)の共振子
における共振は、幅方向の端面に定在波変位の腹が位置
する状態で生じる。このとき、各電極指を定在波振幅の
節の部分に位置させ、電極指の周期を定在波の周期と一
致させることによって、励振効率を上げることが出来、
且つ容量比が小さいと共にQの高い共振子が実現され
る。この共振子の共振周波数は、幅寸法に強く依存し、
バラツキは平面パターンの精度によって容易に制御出来
るようになる。また、基板11をIC基板にすれば、弾性波
共振子を有するモノリシックICが実現できる。
この共振子の入力アドミッタンスの周波数特性例を第
2図(b)に示す。また、第2図(a)には、比較のた
め、幅方向と直角な方向(長手方向)が自由端になって
いる矩形板の場合の入力アドミッタンス特性を示す。こ
の第2図(a)からわかるように、両端を自由とした場
合には、長手方向の端面における反射によってスプリア
ス応答が直列共振周波数付近に出ている。これに対し、
第1図(a),(b)の構造のように、長手方向の端面
を基板に密着させた場合には、第2図(b)からわかる
ように、無スプリアスにすることが可能になり、電極指
の交差幅(かみ合い長さ)より1,2倍程度離して基板に
密着させた集積度の高い支持状態でも、十分実用的特性
が得られる。
第3図(a),(b)は、本発明の第2実施例を示
す。第3図(a),(b)において、第1図(a),
(b)と同等の構成要素には、第1図(a),(b)と
同一の符号を付している。第3図(a),(b)が第1
図(a),(b)と異なる点は、すだれ状電極の幅方向
両側に、一定間隔のストリップ(ライン)反射器19A,19
Bをそれぞれ設けた点にある。
この場合、共振周波数は、反射器の反射効率が十分大
きければ、主に、反射器間の距離で決定される。製造時
に、このストリップラインのパターンを、すだれ状電極
作成用フォトマスクと同一マスク上に作成することによ
って、第1図(a),(b)の共振子より更に製造時の
周波数特性バラツキ、共振周波数確度、共振子等価定数
のバラツキを少くすることが出来る。
本発明の第3の実施例の要部概念図を第4図に示す。
第1及び第2の実施例のすだれ状電極は、概念的には第
7図のように表わされる。この第7図からわかるよう
に、片面側の電極は、単なる平板の対向電極10で構成さ
れていた。しかし、この形のものは、隣接電極歯区間で
電気的に直列に接続された形になっており、素子のイン
ピーダンスが高くなり、等価インダクタンスが大きくな
る。これに対し、第4図のようにすれば、素子のインピ
ーダンスを下げることができる。即ち、第4図のよう
に、上下面とも櫛歯状電極14,15を有するすだれ状電極
にすれば、素子のインピーダンスを下げることができ
る。これによって、幅方向に、極から極に直接リー
クする無効電気力線も減少し、電気機械変換効率も改善
される。
本発明の第4の実施例を、第5図の概念図を用いて説
明する。
発振回路からなるIC22が形成された半導体基板21上
に、幅をW1〜W3としてそれぞれ異なる共振周波数f1〜f3
をもつ複数の圧電薄膜共振子23A〜23Cを設け、これらを
適宜電子的なスイッチ24によって切換えることによっ
て、複数の発振器を同一基板上に得ることが出来る。第
5図においては、その回路構成を、可変容量回路25を有
する電圧制御発振回路(VCO)としてある。これによ
り、単独の回路ではカバーしきれない周波数範囲も、複
数の素子を23A〜23Cを切り換えて用いることによってカ
バーすることが可能になる。
この第4の実施例によれば、共振周波数の相異なる共
振子を同一基板上に同時に作成することが出来るので、
受信機において高周波段のフィルタ、局部発振器の発振
子及びスプリアス除去フィルタ等の主要共振回路を、IC
基板上に完全モノシック化した形で作成することが可能
になる。
更に、本発明の圧電薄膜共振子の振動膜にSiO2等の薄
膜を重ね合せた多層膜構造を用いることによって、温度
特性が改善出来ることは、いうまでもない。
なお、本発明による圧電薄膜共振子においては、フィ
ルタを、通常の水晶フィルタと類似の構成とすることが
できることはいうまでもない。
本発明の実施例によれば、以下の効果が得られる。
上述の本発明の実施例は、すだれ状電極で波を励振す
る空隙を有する圧電薄膜共振子において、波の伝搬方向
(幅方向)と略直角方向(長さ方向)の両端面を基板に
接合させ、振動膜の支持機能と不要波反射防止機能を併
せ持たせたものである。
このような構造にすることによって、スプリアス応答
のない良好な共振特性が得られるばかりでなく、フォト
ソリグラフィ技術によって高精度が得られる幅寸法で共
振周波数が主に決まることから、製造時の共振周波数確
度が上がり、バラツキも小さくなり、歩留りが飛躍的に
向上する。
又、中心周波数の相異なる複数の共振子を、同一工程
で同一ウェハー上に同時に作ることが可能になる。これ
は、高周波回路で局部発振回路及び高周波フィルタ等の
共振素子が同時に形成可能になることを意味している。
更に、励振用すだれ状電極作成時に、同時に両側にス
トリップ反射器パターンを形成する方法を採用すれば、
より共振周波数の製造バラツキを押さえることが可能に
なる。
一方、上下面電極を共に櫛歯状電極にすることによっ
て、インピーダンスを下げ、発振回路や増幅回路との整
合をとりやすくすることも可能になる。この構造によれ
ば、無効電界を少なくし、実効的に電気機械結合係数を
増大させ、容量比の小さな共振子を得ることも可能にな
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、共振周波数のバラツキを低く抑える
ことができると共に、スプリアス応答のない良好な共振
特性を得ることができ、且つ、異なる共振周波数の振動
子を同一基板上に容易に形成することができる。即ち、
本発明においては、圧電薄膜の上下両面を一対の電極板
で挟み、その電極板の少なくとも一方をすだれ状電極と
し、すだれ状電極の電極指の周期と圧電薄膜に発生させ
るべき定在波の周期とを一致させ、つまり、電極指を定
在波の節の部分に位置させ、圧電薄膜の幅をそれの両端
面が定在波の腹の部分に位置するようにしたので、圧電
薄膜には定在波が、圧電薄膜の厚さにではなく、前記電
極指のピッチに応じた共振周波数のものとして、得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の斜視図及び1b−1b線断面
図、第2図は第1実施例と従来例の相対入力アドミッタ
ンス特性を比較して示す線図、第3図は第2実施例の斜
視図及び3b−3b線断面図、第4図は第3実施例の概念的
要部断面図、第5図は第4実施例の斜視説明図、第6図
は従来例の斜視図、第7図はその概念的要部断面図であ
る。 11……基板、12……誘電体膜、13……空隙、14,15……
櫛歯状電極、17……圧電薄膜、18……対向電極、19A,19
B……スプリットライン反射器、23A〜23C……圧電薄膜
共振子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/00 - 9/76

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、 その基板の表面上に形成され、波が伝搬可能な幅方向に
    対して垂直な長さ方向に沿った長さ方向両端部分の下面
    を、その基板の表面に密着状態に固定し、中央部分をそ
    の基板の表面から離して空隙を形成させた非圧電性薄膜
    と、 その非圧電性薄膜の前記中央部分上に少くとも形成さ
    れ、共振動作時に発生させるべき定在波を得るための圧
    電薄膜と、 その圧電薄膜の厚さ方向の両面を挟む一対の電極板であ
    って、これら一対の電極板の少なくとも一方は複数の電
    極指を有するすだれ状電極として構成されている、一対
    の電極板と を備え、 前記すだれ状電極における前記複数の電極指のピッチ
    を、前記定在波の周期の半分に設定し、且つ、前記各電
    極指が前記定在波の節の部分に位置するように構成し、 前記圧電薄膜の前記幅方向長さを前記定在波の周期の1/
    4の整数倍に設定し、且つ、幅方向端面を前記定在波の
    腹の部分に位置するように構成した、 ことを特徴とする圧電薄膜共振子。
  2. 【請求項2】前記一対の電極板の一方のみが前記すだれ
    状電極として構成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の圧電薄膜共振子。
  3. 【請求項3】前記一対の電極板の両方が前記すだれ状電
    極として構成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の圧電薄膜共振子。
  4. 【請求項4】前記すだれ状電極は、一対の櫛歯状電極に
    おける互いの電極指を交互に配置させたものであること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電薄
    膜共振子。
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