JP2000312130A - 圧電デバイス及びその製造方法とこれらを用いた移動体通信装置 - Google Patents

圧電デバイス及びその製造方法とこれらを用いた移動体通信装置

Info

Publication number
JP2000312130A
JP2000312130A JP12176699A JP12176699A JP2000312130A JP 2000312130 A JP2000312130 A JP 2000312130A JP 12176699 A JP12176699 A JP 12176699A JP 12176699 A JP12176699 A JP 12176699A JP 2000312130 A JP2000312130 A JP 2000312130A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
piezoelectric
vibration
piezoelectric substrate
dielectric layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12176699A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahito Sugimoto
雅人 杉本
Tetsuo Ootsuchi
哲郎 大土
Yoshihiro Tomita
佳宏 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP12176699A priority Critical patent/JP2000312130A/ja
Publication of JP2000312130A publication Critical patent/JP2000312130A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不要なスプリアスの抑制ができ、より低イン
ピーダンスで、より高周波に対応した圧電デバイスの閉
じ込め設計において、より自由度の高い電極設計ができ
る圧電デバイス及びその製造とこれらを用いた移動体通
信装置を提供する。 【解決手段】 圧電基板1上に振動電極2a〜2dが形
成され、概ね厚み振動のエネルギーを電極下に閉じこめ
る構造のエネルギー閉じ込め型の圧電振動子において、
圧電基板1上に、誘電体層3a、3bが形成され、振動
電極2a〜2d上の誘電体層3a、3bを除去して、窪
み部4a、4bが形成されている。このことにより、振
動電極2a〜2d部における厚み振動の振動エネルギー
閉じ込め量は、実質的に誘電体上の窪み部4a、4bの
除去量により調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電デバイスに関
し、例えば無線通信機器のIF(中間周波数)フィルタ
に用いられる多重モード圧電フィルタ等の、エネルギー
閉じ込め型厚み共振圧電デバイス及びその製造方法とこ
れらを用いた移動体通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信機器のデジタル化に伴い、広
い周波数領域に存在する伝送信号を歪みなく弁別するた
めの小型で高周波、広帯域のIFフィルタが強く求めら
れている。これらフィルタには、エネルギー閉じ込め型
の圧電フィルタ又はトランスバーサル型の弾性表面波フ
ィルタが用いられており、現在ではさらに広帯域のもの
が求められいる。
【0003】エネルギー閉じこめ型圧電フィルタとして
は、水晶フィルタが最も広く用いられてきたが、水晶を
用いた場合には、材料のもつ電気−機械結合係数が小さ
いことから帯域の広いフィルタを構成することが困難で
あった。 一方、圧電単結晶や圧電セラミックを用いた
場合には、電気−機械結合係数は大きくなるが、一般に
脆い性質を示しエッチングや薄板化が困難で、高周波か
つ高精度のフィルタを形成することが難しかった。ま
た、弾性表面波フィルタでは、IF帯でフィルタを構成
しようとするとサイズ、損失ともに大きくなるという問
題があった。
【0004】以下、従来のエネルギー閉じ込め型振動子
の一例について、図8(A)〜(D)を参照しながら説
明する。図8(A)は、従来のエネルギー閉じ込め型振
動子の一例の上面図、図8(B)は板厚方向の断面図、
図8(C)は代表的な閉じ込められた厚み共振モードの
振幅分布図である。
【0005】本図に示した振動子は、圧電基板51の表
裏面には、圧電基板51よりも狭い範囲に、圧電基板5
1を介して対向した励振電極52及び53が形成されて
いる。
【0006】エネルギー閉じ込め理論については、弾性
波素子技術ハンドブック(日本学術振興会弾性波素子技
術第150委員会編、1991年11月30日オーム社より発行)
第82〜89頁に詳述されている。
【0007】本図に示した振動子では、厚み振動の板面
に沿った厚み振動の伝搬が、励振電極部54で伝搬し、
周囲の無電極部55で減衰するという条件を満たす振動
モードのエネルギーが励振電極部54に閉じ込められ
る。
【0008】振動は、圧電基板51の端面まで伝搬しな
いため、端面でパッケージへの保持を容易に行うことが
できる。すなわち、振動エネルギーが保持部へ漏れない
ため、高いQ値を実現することができ、保持による特性
への影響が少ないというメリットを有している。
【0009】励振電極部54と無電極部55との伝搬定
数の差は、電極等の質量負荷によるカットオフ周波数の
低下、及び圧電効果による電極部のカットオフ周波数の
低下という双方の効果により得られる。
【0010】ATカット水晶の厚みすべり振動子のよう
に電気−機械結合係数の小さい圧電基板の場合は、主に
励振電極の質量負荷によりエネルギー閉じ込めが行われ
る。圧電セラミックや高結合単結晶のように、電気−機
械結合係数が大きい圧電基板の場合は、エネルギー閉じ
込めは圧電効果によるものが圧倒的に大きい。
【0011】また、逆に振動モードによっては、電極部
においてカットオフ周波数が高くなる場合もある。この
ような振動モードを電極下に閉じこめるには、図8
(B)の右側図に示したような励振電極部を窪ませ、電
極部のカットオフ周波数を無電極部よりさらに低下させ
た逆メサ構造と呼ばれる構造が用いられる。
【0012】図8(D)には、カットオフ周波数を境に
して、カットオフ周波数以上で厚み振動が伝搬する場合
の代表的な共振モードの周波数チャートを示している。
縦軸は規格化周波数で、Fcは無電極部のカットオフ周
波数、Fc'は電極部のカットオフ周波数である。
【0013】横軸は、エネルギー閉じ込めの度合いを表
しており、圧電体の厚さHで規格化された励振電極長
(L/H)と、規格化された周波数低下量Δ=(Fc−
Fc’)/Fcとで表される値である。チャート中の曲
線は、エネルギー閉じ込めの度合いに応じた、各共振モ
ードの周波数の推移を表している。
【0014】S0およびA0は対称および斜対称モードの
基本共振、SNおよびAN(ここで、Nは厚み共振の次
数であり、N≧1である)は対称および斜対称のより高次
のモードを表している。斜対称モードの電気機械結合
は、励振電極全面での積分値がゼロになるので、対称的
な構成である振動子では電気的に励振されない。
【0015】すなわち、対称的な励振電極パターンを有
する振動子の場合、斜対称モードは励振されない。これ
は、励振部全面での電気機械結合が完全に打ち消される
ためである。対称性の崩れた振動子や、後述するフィル
タの場合には、斜対称モードが励振される。
【0016】ここで、各振動モードが閉じ込められる条
件を考えてみる。電極部及び無電極部の双方のカットオ
フ周波数よりも低い周波数の厚み振動は、電極部でも無
電極部でも伝搬できないため、閉じ込められない。ま
た、電極部及び無電極部の双方のカットオフ周波数より
も高い周波数の厚み振動は、電極部及び無電極部の双方
を伝搬してしまうため、閉じ込められない。従って、厚
み振動の周波数が無電極部のカットオフ周波数よりも低
く、電極部のカットオフ周波数よりも高い場合のみ、電
極部に振動が閉じ込められ、共振が現れる。
【0017】例えば、閉じ込め量が図1(D)中のAの
場合、S0は閉じ込められ共振するが、S1は無電極部の
カットオフ周波数以上で、無電極部へも伝搬するため閉
じ込められず、共振しない。閉じ込め量をBまで大きく
すると、S0だけでなく、S1、S2も閉じ込められ、共
振するようになる。つまり、閉じ込め量がAのように、
適正値であれば、主共振は、S0のみとなり、不要共振
であるスプリアスのない優れた振動子が可能である。一
方、周波数低下量を大きくしたり、電極長を長くしたり
して、より閉じ込め量を大きくすると、不要な共振であ
るスプリアスが現れる。スプリアスは、クロック発振器
において周波数飛びや動作不安定の原因となるので、抑
えるように周波数低下量と電極長を選ばなくてはならな
い。
【0018】次に、エネルギー閉じ込め型圧電フィルタ
は、近年の携帯電話やページャなどの個人向け移動体通
信機器の普及に伴って需要が高まっている。周波数の高
いRF部には弾性表面波フィルタや誘電体フィルタ、1
st−IFには弾性表面波フィルタや水晶フィルタ、2
nd−IFにはセラミックフィルタというように多段の
フィルタが用いられている。このうち、エネルギー閉じ
込め型多重モード圧電フィルタは、水晶フィルタとセラ
ミックフィルタの一部であり、極力少ない段数でシステ
ムを構成するために、各フィルタには高いチャンネル選
択度と特性の安定した製造工法が求められる。また、携
帯電話等の加入者の急激な増加によりチャンネル数が不
足し、より高いRF周波数が用いられることとなり、こ
れに伴ってIFフィルタもより高い周波数のものが求め
られるようになっている。
【0019】ここで、従来のエネルギー閉じ込め型多重
モード圧電フィルタの一例として、水晶MCF(モノリ
シック・クリスタル・フィルタ)を図9を参照しながら
説明する。圧電基板91としてATカット水晶を用い、
表側に2分割された入力電極92aと出力電極92bが
形成され、入出力電極92a、92bに対応した裏面に
は共通アース電極93が設けられている。水晶基板91
はカンパッケージのベース94に設けられたピン95
a、95b、95cに導電性ペースト96で固定され、
入出力電極及びアース電極が外部に引き出されている。
最終的には、ベース94に金属キャップ97が溶接され
て封止が行われる。
【0020】フィルタも振動子と同様にエネルギー閉じ
込めの原理を用いており、電極を形成した部分には電極
の質量負荷により、厚み振動エネルギーが閉じ込められ
る。入力電極92aと出力電極92bの部分はそれぞれ
別々のエネルギー閉じ込め振動子を形成している。この
2個の振動子を適当な距離に配置し、漏れ出た振動を結
合させると、入力側と出力側が同位相で振動する対称モ
ードと逆位相で振動する斜対称モードの双方が励振され
るようになる。入力側から出力側に伝搬する対称・斜対
称双方のモードを制御することで所望のフィルタ特性を
得る。
【0021】フィルタは振動子に比べて、より厳しい電
極設計が求められる。振動子の場合は、高次のモードの
スプリアスをある程度避ければ良いが、フィルタの場合
は、入出力電極において基本となる対称モードと斜対称
モードのみがエネルギー閉じ込めされる条件に電極膜厚
およびサイズを選ぶのが基本である。電極をより重くし
たり電極面積をより大きくすると、周波数の高い高次モ
ードが電極端部で反射され共振しスプリアスの原因とな
る。従って、可能な電極厚さおよび電極サイズには上限
があり、フィルタ設計の自由度が著しく制限される。圧
電単結晶や圧電セラミックを基板に用いた場合には、電
極質量の他に圧電効果によっても、電極部のカットオフ
周波数が変化するため、閉じこめ量の調整範囲もこれに
より制限される。
【0022】従来の振動子、フィルタともに、電極材料
として高い周波数安定度が求められるものには金が用い
られ、クロムなどの下地層が用いられる。そうでないも
のはコストを下げるために銀が用いられる。さらに高周
波の場合、比重の小さいアルミのような金属も用いられ
ている。
【0023】圧電基板に電極薄膜を形成する安価な方法
として、形成しようとする電極形状と同じ形状の穴を有
するメタルマスクが一般にマスク材として用いられてい
る。より高い周波数が要求され、より優れたフィルタ特
性とその安定した製造工法が求められる仕様において
は、電極の加工には高精度が要求され、メタルマスクに
代わってフォトリソグラフィを用いた加工も行われるよ
うになっている。
【0024】ここでは、実装形態としてカンパッケージ
の例を示したが、機器の小型化に伴い、小型の振動子・
フィルタが求められており、表面実装パッケージ内に圧
電基板を寝かせた状態で実装したものが多くなってきて
いる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来のエネルギー閉じ込め型圧電デバイスでは、
以下のような問題があった。
【0026】スプリアスは、圧電デバイスが振動子の場
合には、振動子の発振周波数の飛びや不安定な励振状態
の原因となる。また、フィルタの場合には、通過帯域よ
りも高い周波数の厚み振動は入力から出力へ伝搬し易
く、このため振動が電極端部などで反射すると、共振条
件を満足する周波数で不要な通過帯域が形成されてしま
う。
【0027】したがって、前記のような従来のエネルギ
ー閉じ込め型圧電デバイスでは、振動のエネルギー閉じ
こめ量を調整して、スプリアスのレベルをいかに抑制す
るかが最大の課題であった。このためには、スプリアス
を発生させない電極厚さと電極長の条件が求められる
が、このような条件は必ずしも実現可能なものではなか
った。
【0028】例えば、振動子、フィルタともに低インピ
ーダンスのものが求められている。これは、振動子の場
合は安定した発振のためであり、フィルタの場合は回路
とのインピーダンス整合を容易にするためである。低イ
ンピーダンス化は、電極面積を大きくして行けば可能に
なるが、高次のモードまで共振するようになり、スプリ
アスの原因となる。
【0029】また、電極膜厚を薄くすることによって、
電極サイズを大きくできるが、電極膜厚を薄くして行く
と、微細な電極粒子が局所的につながった不安定な状態
となるため、電極の薄膜化には限度があった。電極膜厚
の下限は、電極材料にも依存するが、実用上安定した電
極膜を得るには少なくとも50nmの膜厚が必要であ
る。
【0030】また、電極材料を金や銀のように比重の大
きな金属から、より比重の小さいアルミ等の金属にすれ
ば質量負荷を軽減できるが、これらアルミ等の金属は、
金や銀等に比べて電極が変化し易いので長期信頼性には
問題があった。さらに、圧電セラミック、タンタル酸リ
チウム、またはニオブ酸リチウムといった電気−機械結
合係数の大きい圧電基板を用いた場合には、電極の質量
負荷がゼロでも圧電効果による一定のエネルギー閉じ込
めが行われるため、スプリアスのない電極サイズの上限
がかなり小さくなる。したがって、スプリアスがなく、
安定した動作を保証できる範囲での低インピーダンス化
には限界があった。
【0031】本発明は、前記のような従来の問題を解決
するものであり、不要なスプリアスの抑制ができ、より
低インピーダンスで、より高周波に対応した圧電デバイ
スの閉じ込め設計において、より自由度の高い電極設計
ができる圧電デバイス、その製造及びそれを用いた移動
体通信装置を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の圧電デバイスは、厚み振動に用いる圧電基
板の両面に設けられ前記厚み振動を行わせる一組又は複
数組の励振電極と、前記圧電基板の少なくとも一方の面
に形成された誘電体層とを備え、前記厚み振動により発
生する振動エネルギーの前記励振電極下への閉じ込め量
を、前記励振電極による圧電効果及び質量効果と前記誘
電体層による質量効果との双方により調整することを特
徴とする。
【0033】前記のような圧電デバイスによれば、圧電
基板上に誘電体層を形成したことにより、不要なスプリ
アスの抑制ができ、より低インピーダンスで、より高周
波に対応した圧電デバイスの閉じ込め設計において、よ
り自由度の高い電極設計が可能になる。
【0034】前記圧電デバイスにおいては、前記誘電体
層の前記励振電極の直上部に窪み形状が形成されている
ことが好ましい。前記のような圧電デバイスによれば、
電極端での質量負荷量を電極上での質量負荷量より大き
くできるので、カットオフ周波数の低下量の差を縮め
て、電極下での厚み振動閉じこめ量を抑えることができ
る。
【0035】また、前記誘電体層は、前記窪み形状を挟
んで分離しており、前記分離した各誘電体層は、前記励
振電極の端部に接していることが好ましい。前記のよう
な圧電デバイスによれば、電極幅方向端部での質量負荷
量を電極上での質量負荷量より大きくできるので、カッ
トオフ周波数の低下は、電極の幅方向には生ずるが、長
さ方向には生じないように設定できる。すなわち、幅方
向に変位または伝搬する厚みすべり振動については、そ
の閉じこめ量は電極の質量及び誘電体の質量によって調
整され、長さ方向に変位する厚みすべり振動については
電極の質量によってのみ決定されるにで、それぞれのモ
ードにおいて、別々の閉じこめ設計が可能になり、設計
の自由度が広がる。
【0036】また、前記圧電基板の一部の厚みを薄くし
た窪み形状により振動空間が形成され、前記振動空間に
おける前記圧電基板の両面に前記励振電極が形成されて
いることが好ましい。前記のような圧電デバイスによれ
ば、振動部分のみを薄板化しているので、通過帯域の周
波数を高くできる上、取り扱いが容易になる。
【0037】また、前記誘電体層が電極間に挟まれて形
成されている結合容量により、複数の前記圧電デバイス
が多段接続されていることが好ましい。前記のような圧
電デバイスによれば、各領域の厚みにばらつきが存在し
たとしても、圧電体上に形成した誘電体の厚みを調整す
ることにより、厚みのばらつきを吸収し、複数の領域の
振動周波数を合わせることが可能になる。
【0038】また、前記励振電極に接続された入力電極
とこれと対向する電極とに挟まれた前記誘電体層、及び
前記励振電極に接続された出力電極とこれと対向する電
極とに挟まれた前記誘電体層が整合容量を形成している
ことが好ましい。前記のような圧電デバイスによれば、
整合容量が一体に形成されているので、部品点数を削減
でき占有面積の節約が可能になる。
【0039】また、前記励振電極は前記圧電基板上に複
数組形成され、前記複数組の励振電極はフィルタ機能を
有することが好ましい。
【0040】また、前記厚み振動のうち、フィルタ機能
または基準信号発生機能に用いられる主要な振動のエネ
ルギーの前記励振電極下への閉じ込めは前記励振電極に
よる圧電効果及び質量効果により行い、不要な振動は前
記励振電極下へ閉じこめず、前記誘電体層へ伝搬するよ
うに、前記励振電極による圧電効果及び質量効果と前記
誘電体層による質量効果の双方により調整することが好
ましい。
【0041】また、前記厚み振動を閉じこめる部分にお
いては、前記励振電極部のカットオフ周波数低下量より
も前記励振電極部が形成されていない無電極部の周波数
低下量の方が小さいことが好ましい。
【0042】また、前記誘電体層は、前記圧電基板の少
なくとも一方の面のほぼ全面に形成され、スプリアス振
動を抑制することが好ましい。前記のような圧電デバイ
スによれば、全面に誘電体層を形成したことにより、板
全体の振動の発生を抑えることができ、それに起因する
スプリアスを抑制することが可能になる。
【0043】また、前記誘電体層が振動吸収材で形成さ
れていることが好ましい。前記のような圧電デバイスに
よれば、利用したいモードのみを電極下に閉じ込め、そ
の他のモードは閉じ込めないで、板の端部で吸収すると
いった自由な閉じ込め量の設計が、端部に振動吸収材を
新たに設けることなく可能になる。
【0044】次に、本発明の圧電デバイスの製造方法
は、圧電基板の両面に、厚み振動を行わせる励振電極を
一組又は複数組形成する工程と、前記励振電極上に、前
記厚み振動により発生する振動エネルギーを実質上閉じ
込めるエネルギー閉じ込め用の誘電体層を形成する工程
と、前記誘電体層上のうち前記励振電極に対応する部分
を除去し閉じこめ量を調整する工程とを備えたことを特
徴とする。
【0045】前記のような圧電デバイスの製造方法によ
れば、不要なスプリアスの抑制ができ、より低インピー
ダンスで、より高周波に対応した圧電デバイスの閉じ込
め設計において、より自由度の高い電極設計が可能にな
る圧電デバイスを容易に製造できる。
【0046】前記圧電デバイスの製造方法においては、
前記圧電基板に前記励振電極を設ける前に、前記圧電基
板に厚み振動を行わせる振動空間を、前記圧電基板を薄
くすることにより形成する工程をさらに備え、前記振動
空間における前記圧電基板に前記励振電極を形成するこ
とが好ましい。
【0047】また、前記圧電基板に前記励振電極を設け
る前に、前記圧電基板に支持基板を直接接合することに
より、前記圧電基板と前記支持基板とで囲まれた窪み形
状の振動空間を形成する工程と、前記支持基板を裏打ち
として前記圧電基板の表面を薄板化する工程とをさらに
備え、少なくとも前記振動空間における前記圧電基板の
両面に前記励振電極を形成することが好ましい。
【0048】また、前記閉じこめ量の調整をレーザーに
より行なうことが好ましい。前記のような圧電デバイス
の製造方法によれば、エッチングが困難な圧電基板であ
っても、エネルギー閉じ込め用負荷の調整が可能とな
る。
【0049】次に、本発明の移動体通信装置は、前記各
圧電デバイスを用いたことを特徴とする。
【0050】また、前記各圧電デバイスの製造方法によ
り製造した圧電デバイスを用いたことを特徴とする。
【0051】前記各移動体通信装置によれば、圧電フィ
ルタを不要なスプリアスが抑えられ、かつ設計自由度が
大きく、特性の優れたフィルタで高周波部を構成するこ
とができるので、隣接チャンネルの選択度が大きく、妨
害波の影響を受けにくい移動体通信装置とすることがで
きる。
【0052】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施形態1に係るエネルギー閉じ込め型圧電デバイスに
ついて、図1を参照しながら説明する。図1(A)〜
(C)は、多重モード圧電フィルタに関するものであ
る。図1(A)の左側は上面図で、右側はII−II線にお
ける断面図を示している。図1(B)は図1(A)のI
−I線における断面図を、図1(C)は下面図をそれぞ
れ示している。
【0053】圧電基板1の一方の面に入力電極2a、出
力電極2bが形成され、その上に誘電体層3aが形成さ
れている。圧電基板1の他方の面には、アース電極2
c,2dが形成され、その上に誘電体層3bが形成され
ている。
【0054】また、誘電体層3a、3b上には、エネル
ギー閉じ込め量調整用の窪み4a、4bが形成されてい
る。5aは入力電極取り出し部、5bは出力電極取り出
し部、5cはアース電極取り出し部である。
【0055】入力電極2aと圧電基板1を介して対向す
る下面アース電極2cとにより一組の励振電極が構成さ
れ、出力電極2bと圧電基板1を介して対向する下面ア
ース電極2dとにより別の一組の励振電極が構成されて
いる。以下、入力電極2a、出力電極2b、及びアース
電極2c、2dをまとめて励振電極2とも呼ぶ。
【0056】従来例のように単独に電極が存在している
場合、その電極下では厚み振動が圧電効果と電極の質量
効果とにより閉じこめられることになる。しかし、本実
施形態では、電極を含めた圧電体上に誘電体層を配し、
電極端での質量負荷量を電極上での質量負荷量より大き
くしている。
【0057】このため、カットオフ周波数の低下量の差
を縮めて、電極下での厚み振動閉じこめ量を抑えて行く
ことができる。すなわち、本実施形態によれば、従来例
では圧電効果によりほぼ決定されていた振動の閉じ込め
量の限界を実質上取り除くことができる。
【0058】また、誘電体3a、3bにそれぞれ設けた
窪み4a、4bは、入出力電極2a、2bと下面アース
電極2c、2dとによって厚み振動が励振される部分
に、上下面で一致した位置に設けられており、凹部の電
極と誘電体の双方の質量負荷効果により、実質的に基本
となる対称モードと斜対称モードとの振動を閉じ込めて
いる。
【0059】従来例の圧電フィルタでは、図9を用いて
説明した通り、入力電極92aと共通アース電極93と
により、また出力電極92bと共通アース電極93とに
よりそれぞれ振動を閉じ込める構成であった。
【0060】これに対し、本実施形態の圧電フィルタ
は、圧電基板1に設けた誘電体3a、3b上の窪み4
a、4bにより、実質的に振動の閉じ込めを弱める構成
である。このため、基本の対称モードと斜対称モードと
が閉じ込められ、かつより高次のモードが閉じ込められ
ないようにする閉じ込め設計を、窪みの形状や深さを調
整することで行うことができる。したがって、電極への
依存性が少なくなり、電極サイズ、膜厚、及び電極材料
等の電極設計の自由度が広がることになる。
【0061】また、従来例のような圧電デバイスの構成
すなわち電極の質量負荷による振動の閉じ込めを利用す
る構成では、スプリアスなく低インピーダンス化を図る
ためには、電極薄膜としては実際には実現不可能な程度
の極めて軽い質量負荷が必要となる。しかし、本実施形
態によれば、エネルギー閉じ込め用窪み4a、4b部の
誘電体の厚みよりも周辺の誘電体の厚みを大きくした
分、振動面積(励振電極の各面積に対応)を広くするこ
とにより、入出力インピーダンスを下げることが可能に
なる。
【0062】さらに、従来例の構成では、電極材料とし
てアルミを用いなければならない場合でも、本実施形態
では電極上が誘電体で保護される利点があるので、信頼
性が向上する。また、電極質量への依存性が少ないの
で、金、銀等のように安定した電極膜を用いることがで
き、電極厚さも特性の安定する膜厚まで厚くすることが
可能になる。
【0063】また、本実施形態では、全面に誘電体層を
形成したことにより、板全体の振動の発生を抑えること
ができ、それに起因するスプリアスを抑制することが可
能になる。
【0064】また、従来例のエネルギー閉じ込め型圧電
デバイスでは、結合係数の大きい圧電基板を用いると、
電極質量がゼロであったとしても、圧電効果による電極
部の周波数低下が大きく、スプリアスを抑制のためには
どうしても電極を小さくする必要があり、低インピーダ
ンス化には限界があった。 しかし、本実施形態では、
全面に形成した誘電体の厚みを励振電極上とそれ以外の
部分で異ならせることにより、分割された励振電極部の
周波数低下量と、その外部の周波数低下量を近づけるこ
とが可能になり、圧電効果による過剰な閉じこめを抑え
ることができる。すなわち、結合係数の大きい基板であ
っても、閉じ込め設計を誘電体の質量負荷の設定のみで
行うことが可能となる。
【0065】また、入力電極と出力電極に閉じこめられ
る振動を弱めることで、両電極の距離を離しても対称モ
ードと斜対称モードとが効果的に結合し、入力電極と出
力電極との間の浮遊容量による電気的な信号伝達を軽減
することができる。
【0066】なお、窪みについては、上面の窪み4aの
みを形成し、下面の窪み4bを形成しない場合であって
も、質量負荷による振動の閉じ込めができ、前記のよう
な効果が得られるが、本実施形態のように両面の同じ位
置に誘電体層を突起状に形成することにより、厚み振動
の閉じ込めのバランスが良くなり、不要なスプリアス振
動の発生をより抑え易くなる。
【0067】次に、図2(A)〜(F)を参照しなが
ら、本発明に係る圧電デバイスの製造方法の一例につい
て説明する。図2(A)〜(F)は、本実施形態1に係
る多重モード圧電フィルタを製造するための工程の流れ
を示す流れ図であり、各図は図1(A)のI−I断面に
相当する。
【0068】まず、図2(A)に示したように、通常の
多重モードフィルタと同様に、Xカットタンタル酸リチ
ウムを用いた圧電基板1の両面に励振電極2(2a、2
b、2c、2d)を形成した。その後、これら励振電極
2の両面に液状ガラスを塗布し、これを乾燥させて誘電
体層3a、3bを形成した。
【0069】次に、図2(B)に示したように、フォト
レジスト6を圧電基板1の両面に塗布し、両面から紫外
線光を照射し、両面のフォトレジスト6を一括露光・現
像して、圧電基板1の両面に同一のフォトレジストパタ
ーンを形成した。このパターンは、入出力電極2a、2
b及びアース電極2c、2d上の部分のみが開口してい
る。
【0070】次に、図2(C)に示したように、フォト
レジストパターン6をマスク材として、ガラス層3a、
3bを重フッ化アンモニウム水溶液で両面エッチング
し、両面に窪み4a、4bを形成した。
【0071】次に、図2(D)に示したように、図2
(C)に示したフォトレジスト6を剥離した後、圧電基
板1上に再びフォトレジスト6を形成した。このフォト
レジストパターンは、取り出し部に開口を有する。
【0072】次に、図2(E)に示したように、フォト
レジストパターン6をマスク材として、ガラス層3a、
3bを重フッ化アンモニウム水溶液で両面エッチング
し、両面に電極取り出し部5a、5b(5cは図示せ
ず)が露出するようにした。
【0073】次に、図2(F)に示すように、フォトレ
ジスト6を剥離することにより、実施形態1の多重モー
ドフィルタを完成した。
【0074】実施形態1では励振電極上に誘電体層が残
る構造にしているが、この構造により厚み振動する部分
の電極を保護する効果がある。例えば、アルミのような
経時変化しやすい電極材料を用いた場合、励振電極上に
酸化珪素のような安定な層が存在すれば、アルミの酸化
を抑えられ、フィルタ特性の経時変化を抑えることがで
きる。
【0075】なお、図1(A)、図2(A)等の各図に
は、1個の矩形の圧電基板を示しているが、これに限ら
ず、例えば複数個の圧電基板を一括して製造してもよ
い。この場合は、図1(A)、図2(A)で示した圧電
基板より更に大きなサイズの矩形または円形圧電基板を
用いて、図1(A)に示した構造と同様の構造を繰り返
しパターンとして一括製造した後、図1(A)に示した
圧電デバイスのサイズに切り出し、表面実装用セラミッ
クパッケージ内に導電性ペーストにより実装するように
してもよい。
【0076】従来例ではメタルマスクを用いて電極パタ
ーンを形成しているので、精度は高々数十μmである
が、実施形態1のようにフォトリソグラフィを用いれば
サブμmの精度も可能である。このため、本実施形態に
よれば、近年要求されている高いフィルタ精度を満足
し、かつ高い生産安定性を実現させることができる。
【0077】また、メタルマスクを用いると上下面の電
極の位置合わせが容易ではなく、製造ばらつきの原因と
なるが、フォトリソグラフィを用いることで精度良く位
置合わせができる。
【0078】一般にパターン形成にフォトリソグラフィ
を用いると、メタルマスクを用いた場合より製造コスト
が高くなるが、前記のように大判の圧電基板に多数のフ
ィルタを一括製造すれば、作業性が向上するので、フォ
トリソグラフィを用いた場合であっても製造コスト高を
抑えることができる。
【0079】次に、図3(A)〜(D)を参照しなが
ら、本発明の圧電デバイスの製造方法に係る別の実施形
態について説明する。図3(A)〜(D)は、本実施形
態1に係る多重モード圧電フィルタを製造するための工
程の流れを示す流れ図であり、各図は図1(A)のI−
I断面に相当する。
【0080】まず、図3(A)に示したように、通常の
多重モードフィルタと同様に、Xカットタンタル酸リチ
ウムの圧電基板1の両面に励振電極2(2a、2b、2
c、2d)を形成し、これら励振電極2の両面に液状ガ
ラスを塗布し、これを乾燥させて誘電体層3a、3bを
形成した。
【0081】次に、図3(B)に示したように、ガラス
層3a、3bの取り出し部5a、5b(5cは図示せ
ず)に相当する部分をレーザー10により除去し、露出
させた。
【0082】次に、図3(C)に示したように、取り出
し部からフィルタの特性をモニターしながら、励振電極
2(2a、2b、2c、2d)上のガラス層を除去して
いった。この際には、特性を監視しながら、誘電体の除
去量、除去位置を制御し、最適な特性を満足するような
調整が可能である。
【0083】以上のような工程を経て、図3(D)に示
したように、実施形態1に係る多重モードフィルタを完
成した。
【0084】なお、前記のようなエネルギー閉じ込め用
負荷の調整方法によれが、誘電体層3をエッチングして
形成する場合に比べて、素子の特性を監視しながら行え
るため、調整の精度が向上する。
【0085】また、この場合圧電体基板上に存在する誘
電体層は、レーザーを吸収し易い成分を含むことが好ま
しい。また、より除去が容易であるレジストのような有
機物を用いることも可能である。実施形態1では、エネ
ルギー閉じ込め用負荷を電極とは異なる誘電体層で形成
しているので、エッチングが困難な圧電基板であって
も、レーザーを用いれば前記のようなエネルギー閉じ込
め用負荷の調整が可能となる。
【0086】(実施の形態2)以下、本発明の実施形態
2に係るエネルギー閉じ込め型圧電デバイスについて、
図4を参照しながら説明する。図4(A)の左側は上面
図、右側はIV−IV線における断面図、図4(B)は図4
(A)のIII−III線における断面図、図4(C)は下面
図である。
【0087】圧電基板1の上面には、入力電極2a、出
力電極2bが、圧電基板1の下面には、アース電極2
c、2dが形成されている。圧電基板1の上下面には、
誘電体層3a、3bが形成され、各誘電体層間には、窪
み4a、4bが形成されている。
【0088】窪み4a、4bは、電極形成面にまで到達
し、入出力電極2a、2bの配置方向に平行な開口を形
成している。5aは入力電極取り出し部、5bは出力電
極取り出し部、5cはアース電極取り出し部である。
【0089】従来例のように、単独に電極が存在する場
合は、その電極下の厚み振動は圧電効果と電極の質量効
果とにより閉じこめられるが、このときの閉じこめ量
は、電極の幅方向の長さ(図中の上下方向)、及び長さ
方向の長さ(図中の左右方向)により決定されていた。
【0090】しかし、本実施形態2のように、電極2a
〜2dの幅方向端部に接するように圧電基板1上に、誘
電体層3a、3bを配し、電極幅方向端部での質量負荷
量を電極上での質量負荷量より大きくすることで、カッ
トオフ周波数の低下は、電極の幅方向には生ずるが、長
さ方向には生じないように設定できる。
【0091】すなわち、幅方向に変位または伝搬する厚
みすべり振動については、その閉じこめ量は電極の質量
及び誘電体の質量によって調整され、長さ方向に変位す
る厚みすべり振動については電極の質量によってのみ決
定される。 このことは、換言すればそれぞれのモード
において、別々の閉じこめ設計が可能になり、設計の自
由度が広がる。
【0092】例えば、単結晶圧電体を実際に使用した場
合には、一枚の圧電体内に板厚方向に一種、板と平行方
向に2種の振動モードが励振され、使用するモード以外
の振動モードが通過域を形成するとスプリアスの原因と
なる。これらモードの振動方向は結晶より切り出したと
きの方位により決定されるが、このような場合にも、本
実施形態によれば、利用したいモードのみを電極下に閉
じ込め、その他のモードは閉じ込めないで、板の端部に
設けられた振動吸収材で吸収するといったような自由な
閉じ込め量の設計が可能になる。
【0093】また、端部に振動吸収材を新たに設けなく
ても、誘電体層として、振動吸収効果を持つような材料
を選択すれば、この機能を兼ねさせることが可能であ
る。
【0094】なお、実施形態2に係る圧電デバイスの製
造方法は、前記の実施形態1に係る圧電デバイスの製造
方法と同様であるので、製造方法については説明を省略
する。
【0095】(実施の形態3)以下、本発明の実施形態
3に係るエネルギー型圧電デバイスについて、図5を参
照しながら説明する。図5(A)〜(C)は、多重モー
ド圧電フィルタの構造例を示すもので、図(A)は上面
図、図(B)は図(A)のV−V線における断面図、図5
(C)は下面図である。
【0096】圧電基板1上には、第1の多重モードフィ
ルタの入力電極2a、出力電極2b、第2の多重モード
フィルタの入力電極2e、及び出力電極2fが形成され
ている。
【0097】誘電体層3a上には、窪み4a、4cが形
成され、さらに入力電極取り出し部に接続された取り出
し電極5a、出力電極取り出し部に接続された取り出し
電極5b、及び第1と第2の多重モードフィルタを接続
する電極5cが形成されている。
【0098】また、誘電体層3a上には、取り出し電極
5aと整合容量を介して接続された入力電極取り出し部
7a、取り出し電極5bと整合容量を介して接続された
出力電極取り出し部7b、及び電極5cと容量を介して
接続されたアース電極取り出し部7cが形成されてい
る。圧電基板1の裏面には、圧電基板1の一部をエッチ
ングにより薄板化することにより形成した振動空間9
a、9bを備えている。
【0099】本実施形態3は、実施形態1に示したよう
な多重モードフィルタよりさらに薄い圧電基板部分を持
った多重モードフィルタを2基備え、これらが誘電体層
を挟んで形成された電極による結合容量を介して接続さ
れているている。なお、圧電基板の厚みは通過周波数と
反比例するため、本実施形態のように薄い圧電基板部分
を有するものは、より高周波のフィルタとなる。
【0100】従来より、多重モードフィルタを2基また
はそれ以上接続することで帯域外の減衰量を増加させ、
より急峻な選択特性を得る手法が採られることが多い。
従来例のように平行平板の圧電体上に電極を形成した構
造では、取扱い可能な板厚によりフィルタの通過帯域の
中心周波数が制限され、板厚にして100μm程度、周
波数にして20MHz程度が限界であった。 本実施形
態では、振動部分のみを薄くエッチング加工して薄板化
しているので、通過帯域の周波数を高くすることができ
る。
【0101】また、従来例における多重モードフィルタ
を2基接続する構造では、2基の多重モードフィルタの
中心周波数を正確に合わせないと、得られるフィルタの
通過帯域が狭くなるという問題があった。中心周波数を
正確に合わせることは、双方の多重モードフィルタの板
厚を限りなく近くするということに相当し、エッチング
のように制御の困難な手法により別々の領域の厚みを正
確に合わせることは困難であった。
【0102】本実施形態では、各領域の厚みにばらつき
が存在したとしても、圧電体上に形成した誘電体の厚み
を調整することで厚みのばらつきを吸収し、複数の領域
の振動周波数を合わせることが可能である。
【0103】しかも、圧電体上に形成された誘電体層を
受動素子(結合容量及び整合容量)として利用すること
により二次的な効果が得られる。すなわち、結合容量と
入出力部の容量を誘電体の上下面に電極を形成すること
で取り出すことが可能になる。
【0104】具体的には、電極5cとアース電極取り出
し部7cとによって挟まれた誘電体層3aが結合容量を
形成している。また、電極5aと入力電極取り出し部7
aによって挟まれた誘電体層3a、及び電極5bと出力
電極取り出し部7bによって挟まれた誘電体層3aが入
出力部の整合容量を形成している。
【0105】一般にフィルタは外部回路とのインピーダ
ンス整合をとるために、出力端に抵抗、容量、またはコ
イルを接続して用いられることが多いが、本実施形態の
ような構造をとれば、部品点数を削減でき、占有面積の
節約が可能になる。
【0106】なお、前記実施形態1及び2においては、
入出力電極及びアース電極の取り出し部の誘電体層は取
り除かれ、信号を直接取り出す構造になっていたが、入
出力電極部においては、実施形態3と同様に整合容量を
介して信号を取り出すことももちろん可能である。
【0107】以下、図6を参照しながら、実施形態3に
係る圧電デバイスの製造方法の一例について説明する。
図6(A)〜(C)は、工程の流れ図であり、各図は、
図5(A)のV−V線における断面図に相当する。
【0108】図6(A)に示したように、圧電基板1と
してATカット水晶を用い、圧電基板1の裏面より一部
をエッチングし、振動空間9a,9bを形成した。この
段階では振動空間9a、9bの板厚は、それぞれの空間
によって微妙にばらついている。
【0109】さらに、圧電基板1の上面に電極間隙に対
応したフォトレジストパターンを形成し(工程図省
略)、励振電極2a、2b、2e、2f、接続電極5
c、及び取り出し電極5a、5bを形成し、圧電基板1
の裏面の全面にはアース電極8を形成した。
【0110】次に、図6(B)に示したように、圧電基
板1の上面に誘電体層3aを形成し、その上に電極7
a、7b、及び7cを形成した。電極7a、7bまたは
取り出し電極5a、5bより信号を取り出し、特性を調
整しながら、誘電体層3aをレーザー10により除去
し、窪み4aを形成した。
【0111】次に、図6(C)に示したように、窪み4
cを同様に形成し、実施形態3に係る圧電デバイスを完
成させた。工程の初期において、個々の多重モードフィ
ルタの厚みが異なっていても、各工程中で誘電体の厚み
を調整することで厚みを等しくなるよう調整することが
できる。
【0112】次に、図7(A)〜(C)を参照しなが
ら、本実施形態に係る圧電デバイスの製造方法の別の一
例について説明する。図7(A)〜(C)は、工程の流
れ図であり、各図は、図5(A)のV−V線における断面
に相当する。
【0113】図7(A)に示したように、圧電基板1と
してXカットタンタル酸リチウムを用い、支持基板11
としても同じ材質のものを用いた。支持基板11には、
振動用空間とするための開口9a、9bを形成させるた
めの形状が、予め機械的加工されている。
【0114】次に、図7(B)に示したように、支持基
板11を圧電基板1に直接接合する。直接接合とは、鏡
面に研磨された各基板を清浄にし、表面処理を施して、
基板間にファンデルワールス力が働き各基板同士が密着
した状態を実現し、これら密着した基板を熱処理するこ
とにより、基板間の原子同士が強く結合した状態を実現
する技術である。直接接合には、接着剤などを用いない
ため、非常に安定な結合界面が実現可能である。
【0115】次に、図7(C)に示したように、支持基
板11を裏打ちにして、圧電基板1を所望の厚さまで薄
板化する。ここまでの工程で、図6に示したような振動
空間を有する圧電体が完成する。この後は、図6と同様
な工程を経て図5に示したような圧電デバイスが完成す
る。
【0116】本方法は、タンタル酸リチウムのようにエ
ッチング困難な基板にも適用可能なため、基板材料がエ
ッチング困難な場合には有効な方法である。また、最終
的に得られる構造は、図5に示したものと全く同様であ
るため、前記に示したような効果が同様に得られる。
【0117】なお、図1〜7に示した構成は、それぞれ
2個の振動子を結合させたいわゆる2ポール構造のフィ
ルタであったが、3個のエネルギー閉じ込め振動子を結
合させたいわゆる3ポール構造またはさらに多くの振動
子を結合させた多ポール構造のフィルタであって、同様
の生産方法により得られ、かつ同様の効果が得られる。
【0118】すなわち、本発明の効果はフィルタに用い
る振動子の数、モードの数に限定されるものではなく、
より大きなポール数の圧電フィルタにも適用できる。
【0119】また、前記各実施形態によれば、従来の電
極の質量負荷による振動の閉じ込めでは電極薄膜として
成立し得ないほど極軽い質量負荷であっても用いること
ができるので、質量負荷を軽くした分、振動面積を広く
しインピーダンスを下げることが可能である。
【0120】さらに、従来アルミを用いなければならな
い場合でも金や銀のように安定な電極膜を用いることが
でき、電極厚さも特性の安定する膜厚まで厚くすること
が可能になる。
【0121】また、従来、結合係数の大きい圧電基板で
は圧電効果による閉じ込めが大きく、どうしても電極を
小さくする必要があり、低インピーダンス化に限界があ
った。本発明では、励振電極部の閉じこめ量を弱めるこ
とが可能であるため、閉じ込め設計を誘電体の質量負荷
のみで行うことが可能となる。
【0122】また、前記各実施形態に係る圧電フィルタ
は、不要なスプリアスが抑えられ、かつ設計自由度が大
きく、特性の優れたフィルタで高周波部を構成すること
ができるので、携帯電話などの移動体通信装置に用いれ
ば、隣接チャンネルの選択度が大きく、妨害波の影響を
受けにくい無線通信機器を実現することが出来る。
【0123】また、前記各実施形態に係る圧電振動子
は、スプリアスが少なく安定した特性の振動子によるク
ロック発生ができるので、情報機器や移動体通信装置等
の通信機器に用いれば、基準周波数や動作の安定した情
報機器や通信機器を実現できる。
【0124】また、前記各実施形態によれば、エネルギ
ー閉じ込め圧電デバイスの閉じ込め設計を従来に比べて
より容易に行える構成とすることで、自由度のより高い
電極設計や、より幅広い電極材料の選択ができる。ま
た、不要なスプリアスが抑制しやすく、より低インピー
ダンスで、より高周波に対応した圧電デバイスを実現出
来る。又、フィルタにおいては優れたチャンネル選択度
を有するエネルギー閉じ込め圧電デバイスが実現出来
る。また、その製造方法は、従来に比べてより一層容易
なものである。
【0125】なお、前記各実施形態では、圧電材料とし
て水晶、またはタンタル酸リチウムを用いたが、本発明
はこれら圧電材料に制限されるものではなく、エネルギ
ー閉じ込め多重モード圧電フィルタを構成する圧電材料
であれば、同様の効果を発揮できる。
【0126】また、前記各実施形態では、電極が分割さ
れた側の圧電基板の面には、必ずエネルギー閉じ込め用
誘電体層が形成されている場合について説明したが、こ
れに限らず例えば分割されていない電極が形成された面
にのみエネルギー閉じ込め用誘電体層が形成されている
構成でもよい。
【0127】また、誘電体材料としてガラス、またはレ
ジスト等の例を示したが、これに限らず、他の酸化金属
材料でもよく、絶縁性材料など全く別の材料でもよい。
【0128】また、前記各実施形態では、エネルギー閉
じ込め用窪みは、励振電極の面積または幅とほぼ同じに
設定していたが、励振電極の面積より大きくても、小さ
くてもよい。
【0129】
【発明の効果】以上のように、本発明の圧電デバイスに
よれば、圧電基板上に誘電体層を形成したことにより、
不要なスプリアスの抑制ができ、より低インピーダンス
で、より高周波に対応した圧電デバイスの閉じ込め設計
において、より自由度の高い電極設計が可能になる。
【0130】また、本発明の圧電デバイスの製造方法に
よれば、前記のような自由度の高い電極設計が可能にな
る圧電デバイスを容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の実施形態1に係る圧電デバイス
を示す上面図及び断面図 (B)図1(A)の断面図 (C)図1(A)に示した圧電デバイスの裏面図
【図2】本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの製造
方法を示す工程図
【図3】本発明の実施形態1に係る圧電デバイスの別の
製造方法を示す工程図
【図4】(A)本発明の実施形態2に係る圧電デバイス
を示す上面図及び断面図 (B)図4(A)の断面図 (C)図4(A)に示した圧電デバイスの裏面図
【図5】(A)本発明の実施形態3に係る圧電デバイス
を示す上面図 (B)図5(A)の断面図 (C)図5(A)に示した圧電デバイスの裏面図
【図6】本発明の実施形態3に係る圧電デバイスの製造
方法を示す工程図
【図7】本発明の実施形態3に係る圧電デバイスの別の
製造方法を示す工程図
【図8】(A)従来のエネルギー閉じ込め圧電振動子の
一例を示す上面図 (B)図8(A)の断面図 (C)図8(A)に示した圧電振動子の各振動モードの
振幅分布図 (D)図8(A)に示した圧電振動子の各振動モードの
周波数チャート図
【図9】従来のエネルギー閉じ込め圧電フィルタの一例
を示す斜視図
【符号の説明】
1 圧電基板 2a 入力電極 2b 出力電極 2c,2d アース電極 2e 第2の多重モードフィルタの入力電極 2f 第2の多重モードフィルタの出力電極 3a,3b 誘電体層 4a,4b,4c くぼみ 5a,7a 入力電極取り出し部 5b,7b 出力電極取り出し部 5c 第1のフィルタと第2のフィルタとを接続する電
極 6 フォトレジスト 7c 結合容量形成電極 8 全面アース電極 9a,9b 振動用空間 10 加工用レーザ 11 支持基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 佳宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5J108 AA01 AA07 BB01 BB02 CC04 DD01 HH05 JJ01 JJ02 MM04 MM11 MM14

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚み振動に用いる圧電基板の両面に設け
    られ前記厚み振動を行わせる一組又は複数組の励振電極
    と、前記圧電基板の少なくとも一方の面に形成された誘
    電体層とを備え、前記厚み振動により発生する振動エネ
    ルギーの前記励振電極下への閉じ込め量を、前記励振電
    極による圧電効果及び質量効果と前記誘電体層による質
    量効果との双方により調整することを特徴とする圧電デ
    バイス。
  2. 【請求項2】 前記誘電体層の前記励振電極の直上部に
    窪み形状が形成されている請求項1に記載の圧電デバイ
    ス。
  3. 【請求項3】 前記誘電体層は、前記窪み形状を挟んで
    分離しており、前記分離した各誘電体層は、前記励振電
    極の端部に接している請求項2に記載の圧電デバイス。
  4. 【請求項4】 前記圧電基板の一部の厚みを薄くした窪
    み形状により振動空間が形成され、前記振動空間におけ
    る前記圧電基板の両面に前記励振電極が形成されている
    請求項1から3のいずれかに記載の圧電デバイス。
  5. 【請求項5】 前記誘電体層が電極間に挟まれて形成さ
    れている結合容量により、複数の前記圧電デバイスが多
    段接続されている請求項1から4のいずれかに記載の圧
    電デバイス。
  6. 【請求項6】 前記励振電極に接続された入力電極とこ
    れと対向する電極とに挟まれた前記誘電体層、及び前記
    励振電極に接続された出力電極とこれと対向する電極と
    に挟まれた前記誘電体層が整合容量を形成している請求
    項1から5のいずれかに記載の圧電デバイス。
  7. 【請求項7】 前記励振電極は前記圧電基板上に複数組
    形成され、前記複数組の励振電極はフィルタ機能を有す
    る請求項1から6のいずれかに記載の圧電デバイス。
  8. 【請求項8】 前記厚み振動のうち、フィルタ機能また
    は基準信号発生機能に用いられる主要な振動のエネルギ
    ーの前記励振電極下への閉じ込めは前記励振電極による
    圧電効果及び質量効果により行い、不要な振動は前記励
    振電極下へ閉じこめず、前記誘電体層へ伝搬するよう
    に、前記励振電極による圧電効果及び質量効果と前記誘
    電体層による質量効果の双方により調整する請求項1か
    ら6のいずれかに記載の圧電デバイス。
  9. 【請求項9】 前記厚み振動を閉じこめる部分において
    は、前記励振電極部のカットオフ周波数低下量よりも前
    記励振電極部が形成されていない無電極部の周波数低下
    量の方が小さい請求項1から6のいずれかに記載の圧電
    デバイス。
  10. 【請求項10】 前記誘電体層は、前記圧電基板の少な
    くとも一方の面のほぼ全面に形成され、スプリアス振動
    を抑制する請求項1から6のいずれかに記載の圧電デバ
    イス。
  11. 【請求項11】 前記誘電体層が振動吸収材で形成され
    ている請求項1から10のいずれかに記載の圧電デバイ
    ス。
  12. 【請求項12】 圧電基板の両面に、厚み振動を行わせ
    る励振電極を一組又は複数組形成する工程と、前記励振
    電極上に、前記厚み振動により発生する振動エネルギー
    を実質上閉じ込めるエネルギー閉じ込め用の誘電体層を
    形成する工程と、前記誘電体層上のうち前記励振電極に
    対応する部分を除去し閉じこめ量を調整する工程とを備
    えたことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記圧電基板に前記励振電極を設ける
    前に、前記圧電基板に厚み振動を行わせる振動空間を、
    前記圧電基板を薄くすることにより形成する工程をさら
    に備え、前記振動空間における前記圧電基板に前記励振
    電極を形成する請求項12に記載の圧電デバイスの製造
    方法。
  14. 【請求項14】 前記圧電基板に前記励振電極を設ける
    前に、前記圧電基板に支持基板を直接接合することによ
    り、前記圧電基板と前記支持基板とで囲まれた窪み形状
    の振動空間を形成する工程と、前記支持基板を裏打ちと
    して前記圧電基板の表面を薄板化する工程とをさらに備
    え、少なくとも前記振動空間における前記圧電基板の両
    面に前記励振電極を形成する請求項12に記載の圧電デ
    バイスの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記閉じこめ量の調整をレーザーによ
    り行なう請求項12から14のいずれかに記載の圧電デ
    バイスの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1から11のいずれかに記載の
    圧電デバイスを用いたことを特徴とする移動体通信装
    置。
  17. 【請求項17】 請求項12から15のいずれかに記載
    の圧電デバイスの製造方法により製造した圧電デバイス
    を用いたことを特徴とする移動体通信装置。
JP12176699A 1999-04-28 1999-04-28 圧電デバイス及びその製造方法とこれらを用いた移動体通信装置 Pending JP2000312130A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12176699A JP2000312130A (ja) 1999-04-28 1999-04-28 圧電デバイス及びその製造方法とこれらを用いた移動体通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12176699A JP2000312130A (ja) 1999-04-28 1999-04-28 圧電デバイス及びその製造方法とこれらを用いた移動体通信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000312130A true JP2000312130A (ja) 2000-11-07

Family

ID=14819367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12176699A Pending JP2000312130A (ja) 1999-04-28 1999-04-28 圧電デバイス及びその製造方法とこれらを用いた移動体通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000312130A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008199660A (ja) * 2008-04-24 2008-08-28 Epson Toyocom Corp 圧電基板、圧電振動素子、圧電振動子、圧電発振器、圧電基板ウェハ及び圧電基板ウェハの製造方法
US7535154B2 (en) 2005-11-04 2009-05-19 Murata Manufacturing Co., Ltd. Piezoelectric thin-film resonator
JP2012142733A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 圧電振動子、膜厚センサ、エッチング量センサ及び膜厚検出方法並びにエッチング量検出方法
JP2013143640A (ja) * 2012-01-10 2013-07-22 Seiko Instruments Inc 水晶振動子及び水晶振動子の製造方法
JP2019140697A (ja) * 2017-08-25 2019-08-22 日本碍子株式会社 接合体および弾性波素子
US10931256B2 (en) 2017-08-25 2021-02-23 Ngk Insulators, Ltd. Joined body and elastic wave element
CN113782667A (zh) * 2021-09-15 2021-12-10 湘潭大学 一种基于衬底和辐照调控二维材料压电性能的方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7535154B2 (en) 2005-11-04 2009-05-19 Murata Manufacturing Co., Ltd. Piezoelectric thin-film resonator
JP2008199660A (ja) * 2008-04-24 2008-08-28 Epson Toyocom Corp 圧電基板、圧電振動素子、圧電振動子、圧電発振器、圧電基板ウェハ及び圧電基板ウェハの製造方法
JP2012142733A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 圧電振動子、膜厚センサ、エッチング量センサ及び膜厚検出方法並びにエッチング量検出方法
JP2013143640A (ja) * 2012-01-10 2013-07-22 Seiko Instruments Inc 水晶振動子及び水晶振動子の製造方法
JP2019140697A (ja) * 2017-08-25 2019-08-22 日本碍子株式会社 接合体および弾性波素子
US10931256B2 (en) 2017-08-25 2021-02-23 Ngk Insulators, Ltd. Joined body and elastic wave element
US11637541B2 (en) 2017-08-25 2023-04-25 Ngk Insulators, Ltd. Joined body and elastic wave element
CN113782667A (zh) * 2021-09-15 2021-12-10 湘潭大学 一种基于衬底和辐照调控二维材料压电性能的方法
CN113782667B (zh) * 2021-09-15 2023-11-14 湘潭大学 一种基于衬底和辐照调控二维材料压电性能的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7939356B2 (en) Method of manufacturing film bulk acoustic resonator using internal stress of metallic film and resonator manufactured thereby
US7005946B2 (en) MEMS piezoelectric longitudinal mode resonator
US7893793B2 (en) Film bulk acoustic wave resonator and method for manufacturing the same
US9923544B2 (en) Piezoelectric vibration element, manufacturing method for piezoelectric vibration element, piezoelectric resonator, electronic device, and electronic apparatus
US5969463A (en) Energy trapping piezoelectric device and producing method thereof
US6630871B2 (en) Center-mass-reduced microbridge structures for ultra-high frequency MEM resonator
JP3229336B2 (ja) 表面がマイクロ機械加工された音響波ピエゾ電気結晶
JP3514224B2 (ja) 圧電共振子、フィルタ及び電子機器
CN114124021A (zh) 一种弹性波谐振器及多通带滤波器
JP2000312130A (ja) 圧電デバイス及びその製造方法とこれらを用いた移動体通信装置
JP3982182B2 (ja) 弾性表面波装置及びその製造方法
JP2013143682A (ja) 圧電振動素子、圧電振動素子の製造方法、圧電振動子、電子デバイス、及び電子機器
JP3068140B2 (ja) 圧電薄膜共振子
JPH11340775A (ja) 圧電振動子
JP4196641B2 (ja) 超薄板圧電デバイスとその製造方法
Lu et al. Micromachined piezoelectric Lamb wave resonators: a review
JP2000040938A (ja) 超高周波圧電デバイス
JP2007060159A (ja) 圧電振動片および圧電デバイス
JPH1079640A (ja) 圧電デバイス、その製造方法及び移動体通信装置
JP2001028528A (ja) 圧電デバイス及びその製造方法
JP2003283292A (ja) 圧電共振子およびそれを用いたフィルタ・デュプレクサ・通信装置
JP3454197B2 (ja) 圧電共振子及び圧電共振部品
CN117915250A (zh) 用于热传输的声学谐振器盖子
JP2005323271A (ja) マイクロレゾネータ及びその製造方法並びに電子機器
CN116097562A (zh) 谐振器及其制作方法、滤波器、电子设备