JP3067751B2 - 路車間通信システム - Google Patents

路車間通信システム

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JP3067751B2
JP3067751B2 JP10367764A JP36776498A JP3067751B2 JP 3067751 B2 JP3067751 B2 JP 3067751B2 JP 10367764 A JP10367764 A JP 10367764A JP 36776498 A JP36776498 A JP 36776498A JP 3067751 B2 JP3067751 B2 JP 3067751B2
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vehicle
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communication system
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昭寛 亀村
正 荒木
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の路上アンテ
ナを道路に沿って配置し、道路に一連のセルを形成する
ことにより車載装置との移動通信を可能にする路車間通
信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】道路管理者と車両との間の通信需要は、
今後ますます増加する方向にある。特に高速道路におい
て、車両の運転者に負担をかけずに、かつ、互いに事故
を起こさないような道路走行を実現しようとすれば、道
路側の情報と車両側の情報とを頻繁にやり取りする必要
がある。このようなシステムを発展させていくと、道路
と車両との両方に各種センサやカメラを網羅し、道路側
と車両側とで緊密に連絡しあって運転する自動運転シス
テムにつながっていく(たとえば、特開平8−2414
95号参照)。
【0003】自動運転への将来的拡張を考慮し、車両に
対する運転支援システム(以下「路車間通信システム」
という)を構築するにあたっては、道路上に連続したセ
ルを設ける必要がある。そこで、道路に沿って漏洩同軸
ケーブルを敷設することが考えられるが、敷設工事が大
掛かりになる上、漏洩同軸ケーブルを地面から比較的低
い位置に設置する必要があるので、車線横断方向に電波
の届く距離が短いという欠点がある。
【0004】これに対して、図18に示すように、路上
アンテナ120を所定間隔で道路の各所に設置して通信
を行うようにすれば、1つの路上アンテナ120で比較
的広いセル121を確保することができる。この場合、
路上アンテナ120は、光ファイバなどを介して道路管
理者側の基地局にそれぞれ結合されていることは言うま
でもない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、路上アンテナ
120を設置した場合でも、大型車が小型車に接近する
と、小型車から路上アンテナ120を見通せなくなるこ
とがある。図19は、バスにより形成された電波遮蔽エ
リア122に小型車が入って通信が困難になった状態を
示す図である。特に、周波数の高いマイクロ波やミリ波
は回折角が小さく、遮蔽されやすい。このため、路車間
において通信が途絶えてしまって通信ができなくなる。
【0006】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、路上と車両との連続的な通信を可能にする
路車間通信システムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】前記目
的を達成するための請求項1記載の路車間通信システム
は、複数の路上送信アンテナと、路上送信アンテナから
放射されてくる電波を受信する車載装置とを含む路車間
通信システムであって、前記路上送信アンテナは道路に
沿って異なる位置に配置され、それぞれの路上送信アン
テナから同一周波数、同一内容の電波を同一セル内に放
射し、前記車載装置は、前記路上送信アンテナから放射
されてくる電波を受信するための異なる指向性を有する
車載受信アンテナと、これらの車載受信アンテナにより
ダイバーシチ受信を行うダイバーシチ受信手段とを有す
ものである。
【0008】本発明では、複数の路上送信アンテナから
同一内容のデータにより変調された信号に基づいて同一
周波数の電波が放射される。この場合、各路上送信アン
テナは固有の指向性(無指向性も含む)を有するから、
各路上送信アンテナから放射される電波は、道路を走行
する車両に対して異なる方向から到来する。したがっ
て、車両の一方からの電波が大型車によって遮蔽されて
も、車載装置では、車両の他方からの電波の受信レベル
が大きくなる。したがって、車載受信アンテナでダイバ
ーシチ受信をすれば電波が遮蔽されている場合であって
も、路上送信アンテナと車載装置との通信は可能にな
る。
【0009】このように、車両に対して複数の方向から
電波を到来させるようにしているから、同一セル内にお
いて路上と車両との連続的な通信が途絶えることはな
い。そのため、車両に対して漏れなく道路交通データを
提供できる。よって、たとえばこの路車間通信システム
を自動運転システムに適用する場合、車両の自動運転を
適切に行える。
【0010】なお、車両に対して複数の方向から電波が
到来する場合、いわゆるマルチパス妨害が生じるおそれ
がある。具体的には、下記およびのような現象が生
じる。道路に電界強度の強弱(定在波)が生じ、走行
車両において受信信号の振幅および位相の不規則な変化
(フェージング)が現れる。
【0011】車両の位置によっては、路上送信アンテ
ナからの距離に差が生じるために、各路上送信アンテナ
から放射される電波の伝搬遅延時間差が発生し、符号間
干渉が生じる。しかし、前記については、車両側にお
いて車載受信アンテナでダイバーシチ受信をしているか
ら、車両側では強い電波の信号だけを受信できる。した
がって、フェージングを回避できる。また、前記につ
いて、車両側において強い電波の信号だけを受信できれ
ば、伝搬遅延時間差の影響もほとんど無視できるから、
符号間干渉を回避できる。なお、符号間干渉の回避につ
いては、後述するようにOFDM方式を採用すれば、よ
り有効である。
【0012】請求項2記載の路車間通信システムによれ
ば、前記車載装置は、車載受信アンテナにより受信され
た電波の受信レベルを各指向性ごとに検出し、前記ダイ
バーシチ受信は、前記受信レベル検出手段により検出さ
れた受信レベルに基づいて行う。車載受信アンテナにお
ける受信レベルは、通常、車両に近い路上送信アンテナ
からの電波ほど大きな値となる。しかし、たとえば受信
レベルが最大となるはずの電波到来方向に大型車が走行
していてその電波が遮蔽される場合には、別の位置にあ
る路上送信アンテナからの電波の受信レベルの方が大き
な値をとる可能性がある。
【0013】本発明では、このような場合を考慮し、車
載受信アンテナにより受信された電波の受信レベルを直
接検出し、そのうえで受信する信号を切り換えるように
しているから、一層良好な通信を実現できる。ダイバー
シチ受信は、車載受信アンテナにより受信された後、復
号する前の信号を切り換え又は合成することにより行な
ってもよく、車載受信アンテナにより受信され、復号さ
れた符号を切り換え又は合成することにより行ってもよ
い(請求項)。前記目的を達成するための請求項4記
載の路車間通信システムは、複数の路上送信アンテナ
と、路上送信アンテナから放射されてくる電波を受信す
る車載装置とを含む路車間通信システムであって、前記
路上送信アンテナは道路に沿って異なる位置に配置さ
れ、それぞれの路上送信アンテナから同一周波数、同一
内容の電波を同一セル内に放射し、前記車載装置は、前
記路上送信アンテナから放射されてくる電波を受信する
ため指向性を切り換えることができる車載受信アンテナ
を有するものである。 請求項1記載の路車間通信システ
ムと比較すると、車載装置は、前記路上送信アンテナか
ら放射されてくる電波を受信するため指向性を切り換え
ることができる車載受信アンテナを有することのみ、異
なっている。 この構成によれば、例えばアレーアンテナ
を使用することにより、車載受信アンテナの構成を簡単
にすることができる。
【0014】路車間通信システムは、同一内容のデータ
により変調された信号を複数の伝送線を通して路上送信
アンテナに送出するための信号送出装置をさらに有し、
前記伝送線は、光ファイバであってもよい(請求項
5)。本発明によれば、信号送出装置から、信号が光フ
ァイバを通して路上送信アンテナに伝送される。 前記光
ファイバに信号を送出する際の伝送方式は、路上送信ア
ンテナから放射される電波の周波数と同じ周波数の信号
を光ファイバで伝送する、いわゆる光ファイバ無線伝送
方式であってもよく(請求項6)、前記光ファイバに信
号を送出する際の伝送方式は、送信IF信号及び及び搬
送波生成用基準信号を光ファイバで伝送する方式であっ
てもよい(請求項7)。 光ファイバ無線伝送方式の場
合、信号送出装置からは無線周波数の信号が光ファイバ
を通して路上送信アンテナに伝送されるから、路上送信
アンテナごとに周波数変換装置を含む信号送出装置を設
ける必要はない。そのため、路上送信アンテナの構成を
簡素化できる。
【0015】前記光信号を複数の光ファイバに分配する
のに光カプラを使用することができる(請求項)。こ
れによれば、道路を走行する車両に対して異なる方向か
ら到来する電波の周波数を完全に同一にできる。請求項
10記載の路車間通信システムは、車載装置と、車載装
置から放射されてくる電波を受信する複数の路上受信ア
ンテナを含む路車間通信システムであって、前記車載装
置は、車両データにより変調された電波を複数の方向に
向けて放射するための車載送信アンテナを有し、前記複
数の路上受信アンテナは、道路に沿って異なる位置に、
同一セル内に指向性を向けた状態で配置され、それぞれ
の路上受信アンテナにより受信された信号に基づいてダ
イバーシチ受信を行うダイバーシチ受信手段を含むもの
である。
【0016】本発明では、車両側から路上側に対して車
両データが提供される。この場合、車載装置では、車載
送信アンテナから複数の方向に向けて電波が放射され
る。その結果、各路上受信アンテナにおける受信レベル
は、マルチパスの影響を受けて、指向性に依存する。し
たがって、ダイバーシチ受信することにより、路上側に
おいて電波を確実に受信することができ、車両データを
誤りなく復元することができる。
【0017】請求項11記載の路車間通信システムは、
前記複数の路上受信アンテナの受信レベルを検出するた
めの受信レベル検出手段をさらに有し、前記ダイバーシ
チ受信手段は、前記受信レベル検出手段により検出され
た受信レベルに基づいてダイバーシチ受信を行う。
【0018】前記ダイバーシチ受信は、受信された信号
を切り換え又は合成することにより行ってもよく(請求
12)、受信された信号を復号し、その復号した符号
を切り換え又は合成することにより行ってもよい(請求
13)。路車間通信システムは、路上受信アンテナが
受信した信号を、伝送線を通して受ける信号受信装置を
さらに有し、前記伝送線は、光ファイバであってもよい
(請求項14)。前記伝送線に信号を伝送する際の伝送
方式は、路上受信アンテナで受信された電波の周波数と
同じ周波数の信号を光ファイバで伝送する、、いわゆる
光ファイバ無線伝送方式であってもよく(請求項1
5)、前記光ファイバに信号を送出する際の伝送方式
は、受信IF信号を光ファイバで伝送する方式であって
もよい(請求項16)。 光ファイバ無線伝送方式によれ
ば、路上受信アンテナにおいて受信された受信信号を無
線周波数のまま伝送線に送出できるから、信号選択装置
において各受信信号の受信レベルを無線周波数の信号の
まま容易に比較できる。そのため、路上受信アンテナお
よび信号選択装置の構成を簡素化できる。
【0019】また、データの変調方式としてシンボルご
とにガード時間を設けた直交周波数分割多重(OFD
M)方式を採用することができる(請求項、請求項
)。道路を走行する車両に対して異なる方向から到来
する電波を受信するので、マルチパスに強いOFDM方
式を好適に採用することができる。特に、シンボルごと
にガード時間を設けたのは、マルチパスによる遅延に起
因する符号間干渉を避けるのに有効だからである。
【0020】なお、複数の路上送信アンテナから同一セ
ルに送信を行なう場合、局間での搬送周波数の微妙な差
異が生ずるおそれがあるが、OFDMは、搬送周波数の
差異による伝送品質の劣化が他の伝送方式に比べて劣る
ことが知られている。この問題に対しては、前記請求項
記載の光ファイバ無線伝送方式が極めて有効かつ経済
的な解決法であり、これにより各局の搬送波周波数を完
全に一致させることができる。
【0021】請求項18記載の路車間通信システムは、
複数の路上送信アンテナと、路上送信アンテナから放射
されてくる電波を受信する車載装置とを含む路車間通信
システムであって、前記路上送信アンテナは道路に沿っ
て異なる位置に配置され、それぞれの路上送信アンテナ
から同一周波数、同一内容の電波を同一セル内に放射
し、道路又はその近傍に、前記複数の路上送信アンテナ
から放射される電波の受信レベルが切り替わる道路上の
位置を知らせるための位置マーカを配置し、前記車載装
置は、前記路上送信アンテナから放射されてくる電波を
受信するための異なる指向性を有する車載受信アンテナ
と、前記位置マーカに達したことを検出するためのマー
カ検出手段と、前記マーカ検出手段により車両が前記位
置マーカに達したことが検出された場合に、次の(a)(b)
(c)のいずれかの動作を行う受信手段とを有する。 (a) 車載受信アンテナにより受信された信号を切り換え
又は合成する (b)車載受信アンテナにより受信され復号された符号を
切り換え又は合成する (c) 車載受信アンテナの指向性を切り換える
【0022】本発明では、最大受信レベルが切り替わる
道路上の位置を知らせるための位置マーカが、たとえば
道路上に設けられており、この位置マーカに達したこと
を検出して受信信号を選択するか、又は指向性を切り換
えるようにしているから、受信レベルを直接検出して比
較する場合に比べて簡単な処理で済む。請求項19記載
の路車間通信システムでは、前記複数の路上送信アンテ
ナは、前記セルの道路の長手方向に関する境界付近にそ
れぞれ設置されていることを特徴とする。
【0023】本発明によれば、路上送信アンテナは、隣
接するセルの路上送信アンテナの近傍位置に設置される
から、各路上送信アンテナから放射される電波は、道路
を走行する車両に対して異なる方向から到来する。請求
20記載の路車間通信システムは、前記複数の路上送
信アンテナは、1つのセルを分割した複数のサブエリア
をそれぞれ形成するものであることを特徴とする。
【0024】本発明によれば、同一内容の道路交通デー
タにより変調された電波がそれぞれ個別のサブエリアに
放射されるから、サブエリアが変わるたびに、電波の到
来方向が変わる。したがって、あるサブエリアにおいて
電波が遮蔽されていても、次のサブエリアに達すれば、
電波を受信できる。そのため、同一セル内において車両
側と路上側との通信が途絶えることはなく、連続的な通
信が可能になる。
【0025】また、各路上送信アンテナのサブエリア
は、1つのセルを分割したものだから、路上送信アンテ
ナの送信電力は小さくて済む。そのため、路上送信アン
テナにかかるコストを低減できる。なお、サブエリアを
形成する場合であっても、各サブエリアの境界付近で
は、車載装置に対して複数の方向から同時に同一周波数
の電波が到来するから、フェージングを回避するため
に、車載装置においては、最大受信レベルの電波を選択
することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。 −第1実施形態− 図1は、本発明の第1実施形態に係る路車間通信システ
ムの構成を示す概念図である。この路車間通信システム
は、地上局1と車両2に搭載されている車載装置3との
間で通信を行うためのものである。
【0027】地上局1では、道路に沿って複数のセルE
が連続的に形成される。各セルEの道路の長手方向に関
する境界付近には、それぞれセルE内に向く指向性を有
する第1路上アンテナ4aおよび第2路上アンテナ4b
が設置されている。第1路上アンテナ4aおよび第2路
上アンテナ4bからは、同一周波数(たとえば6(GHz)
帯)の電波がセルE内に放射されるようになっている。
具体的には、第1路上アンテナ4aからは白抜き矢印で
示す方向に向けて電波が放射され、第2路上アンテナ4
bからは黒塗り矢印で示す方向に向けて電波が放射され
る。したがって、セルE内の各点では、道路の長手方向
に関して前後方向から同一周波数の電波が到来すること
になる。そのため、車両2がセルE内を通過する際に
は、車両2の前後方向から電波を受信することになる。
【0028】なお、路上アンテナ4の地上からの高さh
は、たとえば10(m) であり、セルEの道路の長手方向に
関する長さrは、たとえば100(m)である。各路上アンテ
ナ4a、4bは、それぞれ光ファイバ5a、5bを介し
て1つの基地局6に接続されている。各光ファイバ5
a、5bは、それぞれ、上り/下り用の2本の光ファイ
バから構成される。これにより、同軸ケーブルなどを伝
送線として用いる場合に比べて、信号の減衰を低く抑え
ることができ、通信品質の劣化を防止できる。
【0029】基地局6は、前方道路形状情報などの運転
支援情報を含む道路交通データにより変調された信号を
光ファイバ5a、5bを介して各路上アンテナ4a、4
bに与える。これにより、各路上アンテナ4a、4bか
ら放射される電波には、同一の道路交通データが含まれ
ることになる。また、車載装置3から受け取った車両デ
ータ(車両ID、および各種センサ(図示せず)におい
て検出された路面状態に関するデータを含む)を各路上
アンテナ4a、4bから取得し、適切な処理を施す。
【0030】基地局6は、また、車両2が隣接する次の
セルEに移行するに際し、いわゆるハンドオーバ処理を
実行し、車載装置3と通信すべき基地局6を切り換え
る。そして、このような処理を繰り返し実行することに
より、車載装置3と路上アンテナ4との連続的な通信を
実現する。図2は、車載装置3の構成を示す概念図であ
る。車載装置3は、車載通信部11と車載アンテナ部1
2とを有している。車載通信部11は、車両データを含
む電波を車載アンテナ部12から放射する。また、車載
通信部11は、車載アンテナ部12において受信された
各路上アンテナ4a、4bからの放射電波に含まれる道
路交通データを取得し、この取得された道路交通データ
をたとえばドライバに報知する。
【0031】車載アンテナ部12は、たとえば車両2の
天井に配置された一対の車載アンテナ12a、12bを
有する。各車載アンテナ12a、12bは、たとえば車
両2の前後方向に沿って並列に配置され、かつ車両2の
前後方向に向く指向性をそれぞれ有している。これによ
り、各車載アンテナ12a、12bでは、それぞれ、指
向性が向けられている路上アンテナ4a、4bから放射
される電波が高レベルで受信される。また、車両データ
を含む電波を放射する際には、各車載アンテナ12a、
12bから各路上アンテナ4a、4bに向けて電波がそ
れぞれ放射される。
【0032】図3は、地上局1の電気的構成を示すブロ
ック図である。基地局6は、道路交通データを路上アン
テナ4に与えるための送信装置21を備えている。送信
装置21は、道路交通データに基づいて変調用搬送波を
変調し、送信信号を作成するための変調部22を備えて
いる。変調部22における変調方式としては、QPSK
などが適用可能である。送信信号は、ミキサ部23に与
えられる。ミキサ部23は、送信信号と局部発振部24
から発振されている周波数変換用搬送波とを混合し、た
とえば6(GHz)帯の無線伝送用の送信信号を作成する。無
線伝送用の送信信号は、高周波増幅部25において増幅
された後、電気/光変換部(E/O) 26においてそのまま
光信号に変換される。その後、光信号は、上り用の2本
の光ファイバ5a、5bに送出される。光ファイバ5
a、5bに送出された光信号は、それぞれ、路上アンテ
ナ4a、4bに取り付けられた光/電気変換部(O/E) 2
7a、27bにて電気信号に変換された後、各路上アン
テナ4a、4bから電波として放射される。
【0033】電気/光変換部(E/O) 26において変換さ
れた光信号を光ファイバ5a、5bに送出する際には、
光信号を分配しなければならないが、この場合光カプラ
59を使用する。光カプラ59の構成として、公知のも
のが使用できる(例えば、Fiber Optic Communications
社のC−NSシリーズ)。基地局6は、また、車両デー
タを路上アンテナ4a、4bから取得するための受信装
置28を備えている。各路上アンテナ4a、4bにおい
て車載アンテナ12a、12bから放射された電波が受
信されると、この受信電波に対応する受信信号は、それ
ぞれ、電気/光変換部(E/O) 29a、29bにおいて光
信号にそのまま変換された後、下り用の2本の光ファイ
バ5a、5bにそれぞれ送出され、基地局6の受信装置
28に与えられる。
【0034】受信装置28は、2つの光/電気変換部(O
/E) 30a、30bを有し、この2つの光/電気変換部
30a、30bにおいて前記各光信号を元の受信信号に
変換する。各受信信号は、高周波増幅部31a、31b
においてそれぞれ増幅された後、半導体スイッチなどか
ら構成されるスイッチ部32に与えられる。また、増幅
後の受信信号は、レベル比較部33にも与えられる。レ
ベル比較部33は、各受信信号の受信レベルを比較し、
いずれの受信レベルが大きいかを調べる。そして、最大
受信レベルを有する受信信号を通過させるように、スイ
ッチ部32を制御する。
【0035】なお、図3のブロック図では、スイッチ部
32によって、2つの信号を切り換えていたが、所定の
重みで2つの信号を合成する構成をとってもよい。この
場合、「所定の重み」は、レベル比較部33で比較され
た各受信信号の受信レベルに基づいて決められる。ま
た、図3のブロック図では、スイッチ部32は、高周波
増幅部31a、31bにおいてそれぞれ増幅された高周
波信号を切り換えていた。しかし、検波部36で検波さ
れた後のデータを切り換え又は合成する構成をとっても
よく、復号部37で復号された後の符号データを切り換
え又は合成する構成をとってもよい。
【0036】図4は、検波部の後段にスイッチ部32を
配置し、同期検波後に通過させるべき受信信号を選択す
る構成を示す。さらに詳述すれば、各高周波増幅部31
a、31bにおいて増幅された受信信号は、ミキサ部3
4a、34bにそれぞれ与えられて周波数変換され、検
波部に36a、36bおいて同期検波された後、スイッ
チ部32に与えられる。一方、レベル比較部33は、各
高周波増幅部31a、31bにおいて増幅された後の受
信信号のうち最大受信レベルを有する受信信号を通過さ
せるように、スイッチ部32を制御する。
【0037】このように、検波後に受信信号の選択処理
を行うようにすれば、受信信号に雑音が入りにくく、信
号品質の劣化を防止できるという利点がある。さらにま
た、このような検波後に受信信号の選択処理を行う構成
を、図5の車載通信部11の受信装置46に適用しても
よい。このように、光ファイバ5a、5bに光信号を送
出する際の伝送方式として、いわゆる光ファイバ無線伝
送方式(たとえば、A.J.Cooper,"FIBER/RADIO' FOR THE
PROVISION OF CORDLESS/MOBILE TELEPHONY SERVICES I
N THE ACCESS NETWORK",Electron.Lett.,Vol.26,No.24
(Nov.1990) 参照)を利用している。
【0038】したがって、各路上アンテナ4a、4bご
とに送受信装置を設ける必要がなく、送受信装置は基地
局6に一括して設置することができるから、路上アンテ
ナ4a、4bの構成を簡素化できる。また、基地局6で
は、各路上アンテナ4a、4bから与えられた受信信号
を高周波のまま処理できる。したがって、レベル比較部
33において、各受信信号の高周波受信レベルを容易に
比較できる。そのため、受信装置28の構成の簡素化を
図ることができる。
【0039】また、基地局6は、いわゆるサイトダイバ
ーシチにより受信信号を選択するようにしているから、
後段において正確な車両データを復元することができ
る。図3においてスイッチ部32を通過した受信信号
は、ミキサ部34において局部発振部35から発振され
ている周波数変換用搬送波と混合されて周波数変換され
た後、検波部36に与えられる。そして、検波部36に
おいて復調用搬送波による同期検波が施された後、復号
部37に与えられ、車両データに対応する受信符号に変
換される。
【0040】なお、車載装置3において道路交通データ
を正確に復元するためには、路上アンテナ4a、4bか
らの放射電波に対応する送信信号のデータビットが同期
している必要がある。また、変調方式として特にQPS
Kなどの位相変調を適用する場合には、各路上アンテナ
4a、4bの放射電波の周波数差が存在すると、自動周
波数補正器(AFC;たとえば、”斉藤洋一著 ディジ
タル無線通信の変復調(社)電子情報通信学会発行 第
119 頁第10行-18 行”参照)が正常に動作せず、ビット
誤りの原因となる。また、周波数差が大きくなると同期
検波が不可能になり、全く復調できなくなる。
【0041】しかし、この地上局1では、基地局6にお
いて作成された高周波信号を光ファイバ5a、5bを介
して路上アンテナ4a、4bに分配しているので、各路
上アンテナ4a、4bの放射電波の間に周波数差は生じ
ない。また、光ファイバ5a、5bの間の遅延差を0に
すれば、送信信号のビット同期も容易に実現できる。な
お、この周波数差を生じないという特徴は、変調部22
の変調方式に、OFDM(Orthogonal Frequency Divisi
on Multiplex)を採用したときに有効に発揮される。O
FDMは、データを分割し、互いに直交する複数の搬送
波を使って多重する変調方式である。OFDMでは搬送
波の周波数は、狭い間隔で並んでいるので、周波数にず
れがあると、搬送波間に干渉が生じ、通信品質が著しく
劣化する。そこで、前述したように、光カプラ59で分
配するファイバ無線伝送方式を採用すれば、路上アンテ
ナ4a、4bから放射される搬送波の周波数は原理的に
同一なので、このような不都合がない。したがって、マ
ルチパス干渉妨害に強いというOFDMの利点を、本路
車間通信システムにおいて遺憾なく発揮することができ
る。
【0042】図5は、車載装置3の電気的構成を示すブ
ロック図である。車載通信部11は、車両データを地上
局1に与えるための送信装置41を備えている。送信装
置41は、車両データに基づいて変調用搬送波を変調
し、送信信号を作成するための変調部42を備えてい
る。変調方式としては、QPSKなどが適用可能であ
る。送信信号は、ミキサ部43に与えられ、このミキサ
部43において局部発振部44から発振されている周波
数変換用搬送波と混合され、無線伝送用の送信信号に変
換される。無線伝送用の送信信号は、高周波増幅部45
において増幅された後各車載アンテナ12a、12bに
供給され、各車載アンテナ12a、12bから電波とし
て放射される。
【0043】車載通信部11は、また、路上アンテナ4
a、4bから道路交通データを取得するための受信装置
46を備えている。車載アンテナ12a、12bにおい
て路上アンテナ4a、4bから放射されている電波が受
信されると、受信電波に対応する受信信号は、車載通信
部11に与えられる。車載通信部11に与えられた各受
信信号は、高周波増幅部47a、47bにおいて増幅さ
せられた後、半導体スイッチなどから構成されるスイッ
チ部48に与えられる。また、各受信信号は、レベル比
較部49にも与えられる。レベル比較部49は、各受信
信号の受信レベルを比較し、いずれの受信レベルが大き
いかを調べる。そして、最大受信レベルを有する受信信
号を通過させるように、スイッチ部48を制御する。
【0044】なお、図5のブロック図では、スイッチ部
48によって、2つの信号を切り換えていたが、所定の
重みで2つの信号を合成する構成をとってもよい。この
場合、「所定の重み」は、レベル比較部49で比較され
た各受信信号の受信レベルに基づいて決められる。ま
た、図5のブロック図では、スイッチ部48は、高周波
増幅部47a、47bにおいてそれぞれ増幅された高周
波信号を切り換えていた。しかし、検波部52で検波さ
れた後のデータを切り換え又は合成する構成をとっても
よく、復号部53で復号された後の符号データを切り換
え又は合成する構成をとってもよい。
【0045】スイッチ部48を通過した受信信号は、ミ
キサ部50において局部発振部51から発振されている
周波数変換用搬送波と混合されて周波数変換された後、
検波部52に与えられる。そして、検波部52におい
て、復調用搬送波による同期検波が施された後、復号部
53に与えられ、道路交通データに対応する受信符号に
変換される。
【0046】図6は、路上アンテナ4a、4bから放射
される電波の遮蔽について説明するための上空から道路
を見た概念図である。セルEの道路の長手方向に関する
長さrが100(m)、路上アンテナ4の高さが10(m) である
場合において、たとえば図6(a) に示すように、車高約
3.8(m)、車幅約3(m)の2台のトラック161、162が
セルEのほぼ中央付近を走行している場合を想定する。
【0047】この場合、第1路上アンテナ4aから放射
される電波がトラック161、162によって遮蔽され
るエリア163は、トラック161、162の進行方向
に対して前方側に現れる。この電波遮蔽エリア163の
道路の長手方向に沿った長さは、最大約12(m) である。
一方、第2路上アンテナ4bから放射される電波がトラ
ック161、162によって遮蔽されるエリア164
は、トラック161、162の進行方向に対して後方側
に現れる。この場合においても、電波遮蔽エリア164
の道路の長手方向に沿った長さは、最大約12(m) であ
る。
【0048】トラック161の前方およびトラック16
2の後方においては、図6(a) から明らかなように、2
つの電波遮蔽エリア163、164が重複することはな
い。したがって、この区間を車両2が走行している場合
には、車載装置3では、路上アンテナ4a、4bのうち
いずれか一方からの放射電波を受信できる。そのため、
同一セルE内において、車載装置3と路上アンテナ4と
の通信が途絶えることはない。
【0049】一方、2台のトラック161、162で挟
まれた区間では、2台のトラック161、162の車間
距離によっては、2つの電波遮蔽エリア163、164
が重複する重複エリア165が現れる。具体的には、2
台のトラック161、162の車間距離が20(m) 未満に
なれば、重複エリア165が現れる。しかし、通常走行
時において2台のトラック161、162の車間距離が
20(m) 未満となることは希であり、しかもその2台のト
ラック161、162の間を車両が走行することは一層
希である。したがって、通常走おいては重複エリア16
5は現れないと考えて差し支えない。そのため、この場
合であっても、車載装置3と路上アンテナ4との通信が
途絶えることはない。
【0050】ただし、渋滞時には、車間距離20(m) 未満
で走行する2台のトラック161、162の間に車両が
走行することは考えられる。しかし、セルEのエリア
端、すなわち第2路上アンテナ4bに近づくにつれ、前
を走行しているトラック161による電波遮蔽エリア1
64は短くなっていくから、2つの電波遮蔽エリア16
3、164の重複エリア165が狭くなっていき、通信
が可能になる。この場合、車両は、セルEのエリア端近
傍を走行しているから、通信可能になってから短時間で
セルEを退出するおそれがあるが、渋滞時は車両の移動
速度は遅いため、必要な通信は遂行できる。
【0051】次に、図6(b) に示すように、1台のトラ
ック161が第2路上アンテナ4bの近傍を走行してい
る場合について考える。この場合、トラック161によ
る第2路上アンテナ4bからの放射電波を遮蔽するエリ
ア163は、トラック161の後方側約2(m)程度であ
る。この場合、たとえトラック162がトラック161
に近づいてきて電波遮蔽エリア163、164の重複エ
リアが形成されても、その重複エリアの長さは最長2(m)
である。一方、車載装置3を搭載している車両2の前後
長は通常5(m)程度であるから、重複エリアが形成されて
も通信が途絶えることはない。
【0052】なお、電波遮蔽エリア163、164は、
上述の説明のように、トラック161、162の前後に
だけ現れるのではなく、トラック161、162の車線
横断方向にも現れる。電波遮蔽エリア163、164の
車線からのはみ出し具合は、路上アンテナ4の路側から
の張り出し具合で変化する。具体的には、路上アンテナ
4を路側とこの路側に隣接する車線166との境界付近
に位置させた場合、図6(a) に示すように、電波遮蔽エ
リア163、164は、トラック161、162が走行
している車線167に隣接する車線168の中央付近ま
でしか達しない。さらに、図6(c) に示すように、路上
アンテナ4を路側に隣接する車線166の中央付近まで
延ばせば、車線横断方向に形成される電波遮蔽エリアは
さらに短くなる。したがって、たとえば図6に示す例に
おいて、車載アンテナ12a、12bを車両2の右寄り
に設置すれば、車線横断方向に形成される電波遮蔽エリ
アについては問題とならない。
【0053】ところで、車載装置3においては、車両2
の前後方向から同一周波数の電波が受信されることにな
るから、いわゆるマルチパス環境となり、図7(a) に示
すように、受信信号の振幅および位相が激しく変動する
フェージングが生じる。また、車両2の位置によって
は、路側アンテナ4a、4bとの距離に差が生じるため
に、車載装置3において受信される電波間に伝搬遅延時
間差が生じる。伝搬遅延時間差があると、符号間干渉が
生じるため、受信電波の受信レベルが大きくても、ビッ
ト誤り率が改善されずに、いわゆるフロア誤りが生じる
ことになる。これは、特に基地局6における変調速度が
速く、1ビットの時間に比べて伝搬遅延時間差が無視で
きなくなった場合に顕著となる。
【0054】たとえば、セルEの道路の長手方向に沿っ
た長さが100(m)、路上アンテナ4の高さが10(m) とすれ
ば、車両2の移動に伴って、各路上アンテナ4a、4b
からの受信信号間の遅延スプレッド(遅延時間を受信レ
ベルで重み付けした標準偏差)の最大値は、約50(nsec)
となる。このとき、車載装置3における検波方式とし
て、たとえばQPSK同期検波が適用される場合、変調
速度が1(Mbit/sec) とすれば、フロア誤り率は、約6×
10-4となる(たとえば”進士昌明編著 無線通信の電
波伝搬 (社)電子情報通信学会平成4年2月20日発
行 第213 頁”参照)。
【0055】一方、各路上アンテナ4a、4bから放射
される電波の受信レベルをそれぞれ分解すれば、図7
(b) に示すようになる。図7(b) において、実線は第1
路上アンテナ4aからの放射電波の受信レベル、二点鎖
線は第2路上アンテナ4bからの放射電波の受信レベル
である。この図7(b) から明らかなように、2つの電波
のうち最大受信レベルとなる電波を選択すれば、比較的
安定に受信信号を得ることができることがわかる。
【0056】そこで、この第1実施形態に係る車載装置
3では、2つの受信信号のうち最大受信レベルに対応す
る受信信号を選択し、この受信信号に基づいて検波およ
び復号処理を行うようにしている。これにより、各電波
の干渉が軽減され、結果的に、車載装置3における受信
電波の受信レベルは、図7(c) に示すようになる。その
ため、マルチパスフェージングの影響を回避できる。ま
た、一方の受信信号を選択する場合、この選択された受
信信号よりも他方の受信信号の受信レベルがある程度低
ければ、フロア誤り率は改善される。具体的には、選択
された受信信号の受信レベルよりも選択されなかった受
信信号の受信レベルが約20(dB)低ければ、遅延スプレッ
ドは約1/10になるから、フロア誤り率は約1×10
-5に改善される。
【0057】図8は、車載装置3における受信信号の選
択について説明するための図である。第1路上アンテナ
4aの近傍を車両が走行している場合(図1において実
線で示す位置)、第1路上アンテナ4aからの放射電波
の受信レベル71の方が第2路上アンテナ4bからの放
射電波の受信レベル72よりも高いので、第1路上アン
テナ4aからの放射電波に対応する受信信号が選択され
る。
【0058】この状態において、車両2が地点Aに達
し、大型車により形成される電波遮蔽エリア163に車
両2が進入すると、受信レベル71は急激に低下する。
一方、上述したように、2つの電波遮蔽エリア163、
164が重複することはほとんどないから、この場合、
車載装置3では、第2路上アンテナ4bからの放射電波
が受信される。その結果、受信レベル72の方が高くな
る。この場合、車載装置3では、第2路上アンテナ4b
からの放射電波に対応する受信信号が選択される。その
後、車両2が地点Bに達して電波遮蔽エリア163を抜
け出すと、受信レベル72の方が高くなるから、車載装
置3では、第1路上アンテナ4aからの放射電波に対応
する受信信号が選択される。
【0059】車両2がセルEのほぼ中央位置Cを過ぎた
後は(図1において二点鎖線で示す位置)、受信レベル
71、72は逆転し、受信レベル72の方が高くなる。
したがって、車載装置3では、第2路上アンテナ4bか
らの放射電波に対応する受信信号が選択される。この場
合、地点Dと地点Fとの間に電波遮蔽エリア164が形
成されるときには、車両2が地点Dに達してから地点F
に達するまでは、受信レベル71の方が高くなるから、
車載装置3では、第1路上アンテナ4aからの放射電波
に対応する受信信号が選択される。
【0060】以上のようにこの第1実施形態によれば、
1つのセルEにおいて路上アンテナ4から放射される電
波の伝搬経路を2経路にしているから、車両2がトラッ
クのような大型車の近傍を走行していても、電波の遮蔽
を回避できる。しかも、車載装置3において最大受信レ
ベルの受信信号を選択して処理しているから、マルチパ
ス妨害の影響を回避できる。したがって、車載装置3と
路上アンテナ4との連続的な通信を良好に行える。
【0061】なお、上述の説明では、1つのセルEを形
成する一対の路上アンテナ4a、4bをセルEの道路の
長手方向に関する各エリア端に設置している。しかし、
路上アンテナ4a、4bの設置位置はエリア端に限定さ
れることはなく、たとえば、図9に示すように、エリア
端よりもセルEの中央に近い位置に設置するようにして
もよい。また、上述の説明では、一対の路上アンテナ4
a、4bによって1つのセルEを形成しているが、3本
以上の路上アンテナによって1つのセルEを形成するよ
うにしてもよい。つまり、路上アンテナ4の設置位置に
しても路上アンテナ4の数にしても、要は、車両2に対
して異なる方向から電波を到来させることができればよ
い。
【0062】また、上述の説明では、路上アンテナ4
a、4bは、光ファイバ無線伝送方式を利用し、受信信
号の周波数を変換せずにそのまま光信号に変換してい
る。しかし、たとえば路上アンテナ4a、4bにおいて
受信信号の周波数を低い周波数に変換し、そのうえで光
信号に変換して光ファイバ5a、5bに送出するように
してもよい。この構成によれば、光信号の光源として一
般に用いられるレーザダイオードは安価なもので済むか
ら、コストダウンを図ることができる。
【0063】なお、この場合、基地局6から局部発振信
号を路上アンテナ4a、4bに送出する方式(たとえば
特開平6−141361号公報参照)を採用すれば、各
路上アンテナ4a、4bにおいて変換された後の受信信
号の周波数をほぼ完全に一致させることができる。さら
に、上述の説明では、固有の指向性を有する複数の車載
アンテナ12a、12bを備え、受信電波の受信レベル
に基づいていずれかの車載アンテナにより受信された受
信信号を選択するようにしている。しかし、たとえば、
指向性を切り換えることができる1つの車載アンテナを
備え、受信電波の受信レベルに基づいて、路上アンテナ
4a、4bのうちいずれか一方に車載アンテナの指向性
を向ける制御を行うようにしてもよい。この場合、車載
アンテナとしては、たとえばアレーアンテナを適用する
ことができる。この構成によれば、車載アンテナの数を
減らすことができるので、構成は簡単になる。 ―第2実施形態― 図10は、本発明の第2実施形態に係る路車間通信シス
テムの構成を示す概念図である。図10において、図1
と同じ機能部分については同一の参照符号を使用する。
【0064】前記第1実施形態では、受信電波の受信レ
ベルを比較し、最大受信レベルに対応する受信信号を選
択することにより、フェージングの影響などを回避して
いる。しかし、この第2実施形態では、最大受信レベル
が切り替わる道路上の位置を車載装置3に知らせること
により、フェージングなどの影響を回避するようにして
いる。
【0065】より具体的には、最大受信レベルが切り替
わる道路上の位置を知らせるための磁石、色付き反射
板、発光体などで構成された道路マーカ61、62が道
路に設置される。具体的には、セルEの道路の長手方向
に関する2つのエリア端、およびセルの中央に、道路マ
ーカ61、62が設置される。エリア端に設置されてい
る道路マーカ61には、第1路上アンテナ4aからの放
射電波が最大受信レベルとなることを示すコードが、磁
界の方向、色のスペクトルなどにより対応付けられてい
る。また、セルEのほぼ中央位置に設置されている道路
マーカ62には、第1および第2路上アンテナ4a、4
bからの放射電波が等レベルとなることを示すコードが
対応付けられている。
【0066】一方、車載装置3は、図11に示すよう
に、道路マーカ61、62を検出するための磁気セン
サ、受光素子などで構成されたマーカ検出部63と、マ
ーカ検出部63により検出された道路マーカ61、62
に対応付けられているコードを認識するコード認識部6
4と、コード認識部64により認識された結果に基づい
て、2つの受信信号のうち最大受信レベルに対応する信
号を通過させるように、スイッチ部48を制御する信号
選択部65とを備えている。
【0067】車両2がセルEに進入する際、および車両
2がセルEから退出する際には、マーカ検出部63にお
いて道路マーカ61が検出される。この場合、コード認
識部64では、第1路上アンテナ4aからの放射電波が
最大受信レベルとなることが認識される。その結果、ス
イッチ部48は、第1路上アンテナ4aからの受信信号
を通過させるように、信号選択部65に制御される。こ
れにより、車両2が図10の実線で示す位置にある場合
には、第1路上アンテナ4aからの受信信号が選択さ
れ、検波および復号処理の対象とされる。
【0068】一方、車両2がセルEのほぼ中央位置を通
過する際には、マーカ検出部63において道路マーカ6
2が検出されるから、コード認識部64では、第2路上
アンテナ4bからの放射電波が最大受信レベルとなるこ
とが認識される。その結果、スイッチ部48は、第2路
上アンテナ4bからの受信信号を通過させるように、信
号選択部65に制御されるから、車両2が図10の二点
鎖線で示す位置にある場合には、第2路上アンテナ4b
からの受信信号が選択され、検波および復号処理の対象
とされる。
【0069】以上のようにこの第2実施形態によれば、
第1および第2路上アンテナ4a、4b間の干渉による
フェージングに対しては、受信レベルを監視しなくて
も、最大受信レベルに対応する受信信号を選択すること
ができるから、簡単な処理で受信信号の選択を実現する
ことができる。 ―第3実施形態― 図12は、本発明の第3実施形態に係る路車間通信シス
テムの構成を示す概念図である。図12において、図1
と同じ機能部分については同一の参照符号を使用する。
【0070】前記第1および第2実施形態では、一対の
路上アンテナ4a、4bによって1つのセルEを形成す
ることにより電波遮蔽を回避しているのに対して、この
第3実施形態では、複数の路上アンテナ71を同一周波
数の電波が放射されるセルE内に設置し、セルEを複数
のサブエリアEsに分割することにより電波遮蔽を回避
するようにしている。
【0071】さらに詳述すれば、1つの基地局6には、
4つの路上アンテナ71a、71b、71c、71dが
光ファイバ72a、72b、72c、72d(以下総称
するときは「光ファイバ72」という。)を介してそれ
ぞれ接続されている。各路上アンテナ71a〜71dか
らは、同一内容の道路交通データにより変調された同一
周波数の電波をそれぞれサブエリアEsに向けて放射し
ている。
【0072】この場合、たとえば、車両がサブエリアE
sのほぼ中央よりも下流側を走行している場合に、隣接
する車線を走行しているトラックが車両2の斜め後ろに
位置している場合ときには、トラックによって電波が遮
蔽されるおそれがある。しかし、そのままの状態で次の
サブエリアEsに達したときには、電波の到来方向が変
わって電波は車両2の前方から到来するから、トラック
が斜め後ろに位置していても、車載装置3は、次のサブ
エリアEsに放射されている電波を受信できる。つま
り、車載装置3では、4つのサブエリアEsを通過する
間に、いずれかの路上アンテナ71からの放射電波を受
信することができる。
【0073】なお、車両がサブエリアEsの境界付近を
走行している場合には、同一周波数の電波が前後方向か
ら到来するが、車載装置では、最大受信レベルの受信信
号を選択して処理対象とするので、特に問題はない。図
13は、基地局6の電気的構成を示すブロック図であ
る。基地局6に備えられている送信装置81は、変調部
82を有しており、この変調部82において道路交通デ
ータを含む送信信号を作成する。送信信号は、送信IF
部83に与えられ、IF伝送用の送信信号に変換され
る。IF伝送用の送信信号は、周波数変換に用いられた
搬送波生成用基準信号とともに、電気/光変換部(E/O)
84において光信号に変換された後、上り用の光ファイ
バ72a〜72dに送出される。
【0074】電気/光変換部(E/O) 84において変換さ
れた光信号を光ファイバ72a〜72dに送出する際に
も、図3で説明したのと同様、光カプラ59を使用す
る。基地局6に備えられている受信装置85は、路上ア
ンテナ71a〜71dから下り用の光ファイバ72a〜
72dにそれぞれ送出された光信号を電気信号に変換す
光/電気変換部(O/E) 86a、86b、86c、86
dを備えている。各受信信号は、受信IF部87a、8
7b、87c、87dにおいて周波数変換用搬送波と混
合されて周波数変換された後、検波部88a、88b、
88c、88dに与えられ、復調用搬送波による同期検
波が施される。その後、スイッチ部89に与えられる。
また、各受信信号は、レベル比較部90にも与えられ
る。レベル比較部90は、各受信信号の受信レベルを比
較し、いずれの受信レベルが大きいかを調べる。そし
て、最大受信レベルを有する受信信号を通過させるよう
に、スイッチ部89を制御する。スイッチ部89を通過
した受信信号は、復号部91において復号化され、車両
データに対応する符号が作成される。
【0075】なお、図13のブロック図では、スイッチ
部89によって、複数の信号を切り換えていたが、所定
の重み付けベクトルで複数の信号を合成する構成をとっ
てもよい。この場合、「所定の重み付けベクトル」は、
レベル比較部90で比較された各受信信号の受信レベル
に基づいて決められる。また、図13のブロック図で
は、スイッチ部89は、検波部88a〜88dで検波さ
れた信号を切り換えていた。しかし、光/電気変換部(O
/E) 86a〜86dの高周波出力信号を切り換え又は合
成する構成をとってもよく、復号部91で復号された後
の符号データを切り換え又は合成する構成をとってもよ
い。
【0076】図14は、路上アンテナ71の電気的構成
を示すブロック図である。路上アンテナ71には、アン
テナ通信装置100が取り付けられている。アンテナ通
信装置100は、送信部101を備えている。送信部1
01は、基地局6から光ファイバ72に送出された光信
号を送信信号および搬送波生成用基準信号に変換する光
/電気変換部(O/E) 102を有している。光/電気変換
部102の出力は、図示しない帯域通過フィルタを介し
て送信IF部103に与えられる。その結果、送信IF
部103には、送信信号のみが与えられる。送信信号
は、送信IF部103において増幅された後、さらに送
信ミキサ部104に与えられる。また、光/電気変換部
102の出力は、図示しない低域通過フィルタを介して
局部発振部105に与えられる。その結果、搬送波生成
用基準信号のみが局部発振部105に与えられる。局部
発振部105は、搬送波生成用基準信号に基づいて搬送
波を発振し、送信ミキサ部104に与える。送信ミキサ
部104は、送信信号と搬送波とを混合して無線伝送用
の送信信号を作成する。無線伝送用の送信信号は、高周
波増幅部106において高周波増幅された後、サーキュ
レータ107を介して路上アンテナ71から電波として
放射される。
【0077】アンテナ通信装置100は、また、受信部
108を備えている。受信部108は、路上アンテナ7
1により受信され、サーキュレータ107を通過してき
た受信信号を高周波増幅するための高周波増幅部109
を備えている。増幅後の受信信号は、受信ミキサ部11
0において、局部発振部105から発振されている搬送
波と混合されて増幅された後、さらに受信IF部111
において周波数変換された後、電気/光変換部(E/O) 1
12において光信号に変換され、光ファイバ72に送出
される。
【0078】以上のようにこの第3実施形態によれば、
同一内容の道路交通データにより変調された同一周波数
の電波を複数のサブエリアEsに分けて放射するように
しているから、車載装置3では、いずれかのサブエリア
Esにおいて放射電波を受信できる。したがって、同一
セルE内において車載装置3と路上アンテナ71との通
信が途絶えることはなく、連続的な通信が可能になる。
【0079】また、サブエリアEsは比較的小さいか
ら、路上アンテナ71の送信電力は小さくて済む。した
がって、路上アンテナ71にかかるコストを低減でき
る。 ―第4実施形態― この実施形態は、データの変調方式として直交周波数分
割多重(OFDM)方式を採用するマイクロセル路車間
通信システムに関するものである。
【0080】一般に、シングルキャリア(単一搬送波)を
用いた移動体通信方式では、マルチパス遅延波による符
号間干渉の影響を避けるため、伝送線路と逆特性を持つ
等化器を受信機に備えることが行われている。しかし、
自動車はセル内で高速移動するため、受信電界の時間当
たりの変動が大きくて等化器の計算速度が追いつかず、
ある一定の伝送誤り率以下で信号伝送を行うことはでき
ない。
【0081】また、等化器を実現するためのハードウェ
アの規模が大きくなり、消費電力も大きくなるという問
題もあった。そこで、データの変調方式として、マルチ
パス遅延波による符号間干渉に強い直交周波数分割多重
(OFDM)方式を採用することとした。図15は、地
上局1の送信装置の電気的構成を示すブロック図であ
る。送信装置は、誤り訂正符号化回路(Forward Error C
orrection Encoder)130と、インターリーブ回路13
1と、差動符号化回路132と、逆フーリエ変換回路1
33と、アップコンバータ134等とを備える。
【0082】誤り訂正符号化回路130は、ブロック符
号化や畳み込み符号化などの誤り訂正を施す回路であ
る。インターリーブ回路131は、ディジタルオーディ
オ放送DAB(Digital Audio Broadcasting)などで採用
されている時間インターリーブと周波数インターリーブ
とを行う回路である。
【0083】差動符号化回路132は、前の信号との間
の差分をとる回路である。伝送路が不安定になった場合
でも、この差分をとることにより、その影響をキャンセ
ルすることができる。逆フーリエ変換回路133は、シ
リアル情報を直並列変換して逆フーリエ変換を施し、逆
フーリエ変換したものを再び並直列変換してシリアルに
戻し、シリアルに戻されたシンボル列を時間圧縮して、
後ろのシンボルを前にもってくることでガード時間を設
定するという諸機能を実現する回路である。
【0084】アップコンバータ134は、前述したミキ
サ部23と同様、無線周波数に周波数変換する回路であ
る。アップコンバータ134で変換された無線伝送用の
送信信号は、電気/光変換部(E/O) 26において光信号
に変換され、光カプラ59を介して、上り用の2本の光
ファイバ5a、5bに送出される。光ファイバ5a、5
bに送出された光信号は、それぞれ、路上アンテナ4
a、4bに取り付けられた光/電気変換部(O/E) 27
a、27bにて電気信号に変換された後、各路上アンテ
ナ4a、4bから電波として放射される。
【0085】図16は、OFDMによるシンボル伝送の
様子を周波数軸f、時間軸t上に図示したものである。
有効シンボル長はTSで表され、ガード時間はΔtで表
されている。時間圧縮比は、(TS+Δt)/TSで示さ
れる。本実施形態では、ガード時間Δtを、マルチパス
による遅延時間よりも長くとっている。このことによ
り、長い伝搬遅延時間があっても、受信側においては、
シンボルの重なりを無視して復調することができる。
【0086】マルチパスによる遅延時間は、実際には、
当該セルにおいて実測して求めることができる。また、
セルの大きさから経験的に割り出してもよい。具体的に
は、セルの大きさが100mならば、500nsecくらい
と予想している。図17は、車載アンテナ12a、12
bにおいて路上アンテナ4a、4bから放射されている
電波を受信する受信装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0087】受信装置は、ダウンコンバータ140a,
140bと、フーリエ変換回路141a,141bと、
差動復号回路142a,142bと、デインターリーブ
回路143a,143bと、加算回路145と、誤り訂
正復号回路146とを備えている。フーリエ変換回路1
41a,141bは、送信側の逆フーリエ変換回路13
3と逆の処理をする回路で、有効シンボル長TSのウィ
ンドウ長でフーリエ変換することにより、復号信号を得
る。
【0088】差動復号回路142a,142b、デイン
ターリーブ回路143a,143bは、それぞれ差動符
号化回路132、インターリーブ回路131と逆の処理
をする回路である。加算回路145は、受信指向性ダイ
バーシチを実現するために、デインターリーブ回路14
3a,143bから出力される信号を加算するものであ
る。両方の信号を加算することにより、より誤りの少な
い安定な信号を得ることができる。
【0089】なお、図5や図11の回路構成と同様、復
号する前の高周波部で、スイッチ部を設け、そこで信号
を切り換えてもよい。誤り訂正復号回路146は、誤り
訂正符号化回路130と逆の処理をする回路である。こ
のように、路車間通信システムにおいて、OFDMを採
用することによって、誤り率の低い符号伝送をすること
ができる。
【0090】本発明の実施の形態の説明は以上のとおり
であるが、本発明は上述の4つの実施形態に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で種々の設計変更を施す
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る路車間通信システ
ムの構成を示す概念図である。
【図2】車載装置の構成を示す概念図である。
【図3】地上局の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】基地局内の受信装置の電気的構成の他の形態を
示すブロック図である。
【図5】車載装置の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図6】電波の遮蔽について説明するための上空から道
路を見た図である。
【図7】電波の受信レベルを示す図である。
【図8】受信信号の選択処理について説明するための図
である。
【図9】路上アンテナの設置位置の他の形態を示す図で
ある。
【図10】本発明の第2実施形態に係る路車間通信シス
テムの構成を示す概念図である。
【図11】第2実施形態に係る車載装置内の受信装置の
電気的構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る路車間通信シス
テムの構成を示す概念図である。
【図13】第3実施形態に係る基地局の電気的構成を示
すブロック図である。
【図14】第3実施形態に係る路上アンテナの電気的構
成を示すブロック図である。
【図15】直交周波数分割多重(OFDM)方式を採用
した地上局の送信装置の電気的構成を示すブロック図で
ある。
【図16】OFDMによるシンボル伝送の様子を周波数
軸f、時間軸t上に図示したグラフである。
【図17】車載装置の受信装置の構成を示すブロック図
である。
【図18】従来の路車間通信システムの構成を示す概念
図である。
【図19】従来の路車間通信システムにおける電波の遮
蔽を説明するための図である。
【符号の説明】
3 車載装置 4a 第1路上アンテナ 4b 第2路上アンテナ 5a、5b 光ファイバ 12a、12b 車載アンテナ 32 スイッチ部 33 レベル比較部 48 スイッチ部 49 レベル比較部 61、62 道路マーカ 63 マーカ検出部 64 コード認識部 65 信号選択部 71、71a、71b、71c、71d 路上アンテナ 72、72a、72b、72c、72d 光ファイバ 89 スイッチ部 90 レベル比較部 100 アンテナ通信装置 133 逆フーリエ変換回路 141a,141b フーリエ変換回路 E セル Es サブエリア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−261478(JP,A) 特開 昭63−121327(JP,A) 特開 平2−186728(JP,A) 特開 平2−162929(JP,A) 特開 昭63−205798(JP,A) 特開 平3−126328(JP,A) 特開 昭61−216537(JP,A) 特開 平10−261193(JP,A) 特開 平4−255121(JP,A) 特開 平4−18824(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 7/00 H04B 7/02 - 7/12 H04L 1/02 - 1/06 H04B 7/24 - 7/26 113 H04Q 7/00 - 7/04

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の路上送信アンテナと、路上送信アン
    テナから放射されてくる電波を受信する車載装置とを含
    む路車間通信システムであって、 前記路上送信アンテナは道路に沿って異なる位置に配置
    され、それぞれの路上送信アンテナから同一周波数、同
    一内容の電波を同一セル内に放射し、 前記車載装置は、前記路上送信アンテナから放射されて
    くる電波を受信するための異なる指向性を有する車載受
    信アンテナと、これらの車載受信アンテナによりダイバ
    ーシチ受信を行うダイバーシチ受信手段とを有するもの
    であることを特徴とする路車間通信システム。
  2. 【請求項2】前記車載装置は、前記車載受信アンテナに
    より受信された電波の受信レベルを各指向性ごとに検出
    するための受信レベル検出手段をさらに有し、 前記ダイバーシチ受信手段は、前記受信レベル検出手段
    により検出された受信レベルに基づいてダイバーシチ受
    信を行うものであることを特徴とする請求項1記載の路
    車間通信システム。
  3. 【請求項3】前記ダイバーシチ受信手段は、次の(a)(b)
    いずれかの動作によりダイバーシチ受信を行うことを特
    徴とする請求項1記載の路車間通信システム。 (a)車載受信アンテナにより受信された後、復号する前
    の信号を切り換え又は合成する (b)車載受信アンテナにより受信され、復号された後の
    符号を切り換え又は合成する
  4. 【請求項4】複数の路上送信アンテナと、路上送信アン
    テナから放射されてくる電波を受信する車載装置とを含
    む路車間通信システムであって、 前記路上送信アンテナは道路に沿って異なる位置に配置
    され、それぞれの路上送信アンテナから同一周波数、同
    一内容の電波を同一セル内に放射し、 前記車載装置は、前記路上送信アンテナから放射されて
    くる電波を受信するため指向性を切り換えることができ
    る車載受信アンテナを有するものであることを特徴とす
    る路車間通信システム。
  5. 【請求項5】同一内容のデータにより変調された信号を
    複数の伝送線を通して路上送信アンテナに送出するため
    の信号送出装置をさらに有し、前記伝送線は光ファイバ
    であることを特徴とする請求項1又は請求項4記載の路
    車間通信システム。
  6. 【請求項6】前記光ファイバに信号を送出する際の伝送
    方式は、路上送信アンテナから放射される電波の周波数
    と同じ周波数の信号を光ファイバで伝送する方式である
    ことを特徴とする請求項5記載の路車間通信システム。
  7. 【請求項7】前記光ファイバに信号を送出する際の伝送
    方式は、送信IF信号及び搬送波生成用基準信号を光フ
    ァイバで伝送する方式であることを特徴とする請求項5
    記載の路車間通信システム。
  8. 【請求項8】光信号を複数の光ファイバに分配するのに
    光カプラを使用することを特徴とする請求項5載の路車
    間通信システム。
  9. 【請求項9】データの変調方式としてシンボルごとにガ
    ード時間を設けた直交周波数分割多重(OFDM)方式
    を採用することを特徴とする請求項1、請求項4又は請
    求項記載の路車間通信システム。
  10. 【請求項10】車載装置と、車載装置から放射されてく
    る電波を受信する複数の路上受信アンテナを含む路車間
    通信システムであって、 前記車載装置は、車両データにより変調された電波を複
    数の方向に向けて放射するための車載送信アンテナを有
    し、 前記複数の路上受信アンテナは、道路に沿って異なる位
    置に、同一セル内に指向性を向けた状態で配置され、そ
    れぞれの路上受信アンテナにより受信された信号に基づ
    いてダイバーシチ受信を行うダイバーシチ受信手段を含
    むことを特徴とする路車間通信システム。
  11. 【請求項11】前記複数の路上受信アンテナの受信レベ
    ルを検出するための受信レベル検出手段をさらに有し、 前記ダイバーシチ受信手段は、前記受信レベル検出手段
    により検出された受信レベルに基づいてダイバーシチ受
    信を行うものであることを特徴とする請求項10記載の
    路車間通信システム。
  12. 【請求項12】前記ダイバーシチ受信手段は、受信され
    た信号を切り換え又は合成することによりダイバーシチ
    受信を行うことを特徴とする請求項10記載の路車間通
    信システム。
  13. 【請求項13】前記ダイバーシチ受信手段は、受信され
    た信号を復号し、その復号した符号を切り換え又は合成
    することによりダイバーシチ受信を行うことを特徴とす
    る請求項10記載の路車間通信システム。
  14. 【請求項14】路上受信アンテナが受信した信号を、伝
    送線を通して受ける信号受信装置をさらに有し、前記伝
    送線は光ファイバであることを特徴とする請求項10
    載の路車間通信システム。
  15. 【請求項15】前記光ファイバに信号を伝送する際の伝
    送方式は、路上受信アンテナで受信された電波の周波数
    と同じ周波数の信号を光ファイバで伝送する方式である
    ことを特徴とする請求項14記載の路車間通信システ
    ム。
  16. 【請求項16】前記光ファイバに信号を送出する際の伝
    送方式は、受信IF信号を光ファイバで伝送する方式で
    あることを特徴とする請求項14記載の路車間通信シス
    テム。
  17. 【請求項17】車載装置におけるデータの変調方式とし
    てシンボルごとにガード時間を設けた直交周波数分割多
    重(OFDM)方式を採用することを特徴とする請求項
    10又は請求項15記載の路車間通信システム。
  18. 【請求項18】複数の路上送信アンテナと、路上送信ア
    ンテナから放射されてくる電波を受信する車載装置とを
    含む路車間通信システムであって、 前記路上送信アンテナは道路に沿って異なる位置に配置
    され、それぞれの路上送信アンテナから同一周波数、同
    一内容の電波を同一セル内に放射し、 道路又はその近傍に、前記複数の路上送信アンテナから
    放射される電波の受信レベルが切り替わる道路上の位置
    を知らせるための位置マーカを配置し、 前記車載装置は、前記路上送信アンテナから放射されて
    くる電波を受信するための異なる指向性を有する車載受
    信アンテナと、前記位置マーカに達したことを検出する
    ためのマーカ検出手段と、前記マーカ検出手段により車
    両が前記位置マーカに達したことが検出された場合に、
    次の(a)(b)(c)のいずれかの動作を行う受信手段とを有
    することを特徴とする路車間通信システム。 (a) 車載受信アンテナにより受信された信号を切り換え
    又は合成する (b)車載受信アンテナにより受信され復号された符号を
    切り換え又は合成する (c) 車載受信アンテナの指向性を切り換える
  19. 【請求項19】前記複数の路上送信アンテナは、前記セ
    ルの道路の長手方向に関する境界付近にそれぞれ設置さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし請求項のい
    ずれか又は請求項18に記載の路車間通信システム。
  20. 【請求項20】前記複数の路上送信アンテナは、1つの
    セルを分割した複数のサブエリアをそれぞれ形成するも
    のであることを特徴とする請求項1ないし請求項のい
    ずれか又は請求項18に記載の路車間通信システム。
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