JPH09167990A - 移動体通信システムおよび移動体通信方式における移動体通信方法 - Google Patents

移動体通信システムおよび移動体通信方式における移動体通信方法

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Publication number
JPH09167990A
JPH09167990A JP7327171A JP32717195A JPH09167990A JP H09167990 A JPH09167990 A JP H09167990A JP 7327171 A JP7327171 A JP 7327171A JP 32717195 A JP32717195 A JP 32717195A JP H09167990 A JPH09167990 A JP H09167990A
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JP
Japan
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transmission
information
station
mobile communication
mobile
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Application number
JP7327171A
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English (en)
Inventor
Takayuki Misawa
隆之 三沢
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波伝搬障害による悪影響を排除し通信品質
を安定させることのできる移動体通信システムおよび移
動体通信方法を提供。 【解決手段】 移動局1と通信を行なう送受信アンテナ
12をそれぞれ収容した複数の無線部11が、各アンテナ12
による通信エリアがそれぞれ重複する無線ゾーン14を形
成するように道路2の走行車線上に複数配置され、各ア
ンテナ12から移動局1に対する送信情報が繰り返し送信
され、かつ、各アンテナ12からそれぞれ異なる送信タイ
ミングにて送信情報がサイクリックに送信される。アン
テナ12からいずれかのタイミングにて送信された情報が
移動局1にて正常に受信されると、その受信情報に基づ
く送信スロットにて基地局10に対する送信情報が送信さ
れ、基地局10では各アンテナ12にて受信された受信情報
の良否が判定され、その移動局1に対する送信情報が、
移動局1からの送信情報を良好に受信した1つのアンテ
ナ12より送信される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の無線ゾーン
を形成する固定局と、その無線ゾーンを走行する移動局
との間にて通信を行なう移動体通信システムおよび移動
体通信方式における移動体通信方式に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両に用いられる移動体通信
システムとして、特願昭63−38407 号に開示された路車
間通信システムが知られている。この路車間通信システ
ムは、路上に沿って所定の間隔をおいて路上局が配設さ
れて、これら路上局がそれぞれ間欠的な通信エリアを路
上に形成して、それら通信エリアを通過する車両には路
上局と交信するための車載機(移動局)が搭載されて、
この車両がそれぞれの路上局の通信エリアを通過する際
に、共通の周波数を用いて路上局と情報通信を行なうよ
うに構成されている。
【0003】このような路車間情報システムでは、路上
局には、間欠的な1つの通信エリアを形成するための1
つのアンテナが接続され、このアンテナにより、車両が
通過する走行車線を通信範囲とする通信エリアを形成し
ていた。
【0004】具体的には、路上局は、車両の移動経路の
道路に沿って、たとえば数百メートル間隔に設置され
て、それぞれの路上局に対応するアンテナは、たとえば
それぞれ道路脇等の所定の高さの場所に設置される。こ
のアンテナにより、たとえば、そのアンテナを中心とし
て複数の走行車線の(前後)車線方向にそれぞれ30メー
トル程度の通信エリアを形成して、複数の走行車線を無
線ゾーンとするように構成されていた。また路上局は、
たとえば有線の通信回線を介してセンタシステムに接続
され、路上局は、車載機より受信したデータをセンタシ
ステムに通知し、また、センタシステムでは車載機より
受信したデータに対する応答データ等を路上局経由で車
載機に送信していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来方式で
は、路上局に接続された1本のアンテナにて間欠的な1
つの通信エリアを形成し、これにより複数の走行車線を
カバーする方式であったため、そのアンテナから離れた
車線を走行する車両の移動局と路上局との通信環境が悪
くなることがあった。
【0006】まず、対象となる移動局と路上局のアンテ
ナとの間に、たとえば、その移動局よりも大きな車両が
走行して、この大型車両が路上局にて送受信される電波
を妨害する電波障害車として機能した場合、対象となる
移動局の車両が影となってしまい、そのため、移動局お
よび路上局における受信電波が低下したり届かなくなっ
たりして、通信品質が極端に悪くなるという問題があっ
た。
【0007】また、移動局と基地局のアンテナとの間に
電波障害となる車両が存在していない場合であっても、
その移動局の左右および前後または斜め方向に、たとえ
ば、基地局および移動局から送出された電波をそれぞれ
反射する車両が走行している場合には、その反射波によ
り受信側の受信電界が乱れて通信品質が劣化するという
問題があった。
【0008】このように、従来方式では、車両走行時の
通信において、マルチパスフェージングの影響や車両の
影に入るシャドウイングにより電波の反射および影が発
生し、基地局および移動局における受信品質が劣化し、
たとえば受信レベルが正常とはならないために通信エラ
ーが発生する。したがって従来は、移動体通信特有の高
度なエラー訂正対策を行なう必要があり、たとえば、車
両走行時に発生するバースト的なエラーを訂正するため
に、強力なインタリーブを施すことが必要となって、複
雑な回路が必要とされていた。このような場合、その対
策のために余剰ビット挿入による伝送速度の増加や伝送
効率が低下するなどの問題が発生する。
【0009】この対策のため、受信エラーが発生した場
合、同じデータを再送することが考えられる。しかし、
大型車両と移動局とが併走するときは、移動局が長い時
間にわたって大型車両の影となる場合があるので、この
場合、通常の電波伝搬経路におけるマルチパスフェージ
ングによるエラーよりも長時間のバーストエラーが発生
し、このようなデータの連送方式では確実な通信が保証
されない。
【0010】また、対象となる車両の数を限定して他の
車両による悪影響を排除させるように構成した場合、大
型車両等の電波障害車による干渉回避対策のために通信
エリアを極端に縮小させる必要がある。しかしこのよう
に極端に狭く形成された通信エリアを車両が高速走行す
る場合に、良好な伝送効率にて通信可能な安定したシス
テムを構築することは困難であった。
【0011】本発明はこのような従来技術の欠点を解消
し、通信品質を安定させることができる移動体通信シス
テムおよび移動体通信方式における移動体通信方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために、移動体の移動経路に沿って複数の固定局
が任意の間隔にて配置され、それぞれの固定局による無
線ゾーンが移動経路に沿って間欠的に複数形成され、所
定の無線ゾーンを移動体が通過する際に、この移動体の
移動局と、この移動局が通過する移動経路上に無線ゾー
ンを形成する固定局との間にて無線通信を行なう移動体
通信システムにおいて、固定局は、移動局と無線通信を
行なう複数の無線部を含み、複数の無線部は、それぞ
れ、無線ゾーンを形成するための送受信アンテナを収容
し、無線部はさらに、それぞれの送受信アンテナによる
通信エリアをそれぞれ重複させ該重複した通信エリアが
無線ゾーンとなるように、移動経路上に所定の間隔を介
挿して複数が配置され、固定局は、移動局に対する送信
情報をそれぞれ異なる送信タイミングにて複数の無線部
のそれぞれの送受信アンテナから繰り返し送信させるこ
とを特徴とする。
【0013】この場合、移動局は、固定局より繰り返し
送信された送信情報を無線ゾーンにて受信すると、送信
情報を正常に受信したことを判定し、正常に受信した受
信情報に基づいて移動局の送信タイミングを認識し、こ
の送信タイミングにて固定局に対する送信情報を送信す
るとよい。
【0014】この場合さらに、受信情報を正常に受信し
たことを判定した移動局は、送信タイミングにて、自局
を固定局に登録するための車両登録情報を含む送信情報
を移動局に対し送信し、送信情報を受けた固定局は、こ
の送信情報に従って移動局の車両登録を行なうとよい。
【0015】また、移動局からの送信情報を受信する固
定局は、複数の無線部にて受信される受信情報をそれぞ
れ受けて受信情報の良否を判定し、複数の無線部から通
知される受信情報のうち良好な受信情報を採用するとよ
い。
【0016】この場合、固定局は、受信部にて受信され
た受信電波の品質情報を受信部から受けて、この品質情
報に基づいて良好な受信情報を判定するとよい。
【0017】また、固定局は、良好な受信情報を受信し
た送受信アンテナを最適アンテナとして認識し、この固
定局から移動局に対する次の送信情報を、認識された送
受信アンテナのみから送信させるとよい。
【0018】この場合、固定局から送信される移動局に
対する次の送信情報は、移動局から送信された送信情報
に対する応答信号を含むとよい。
【0019】また、このシステムは、移動局に対するデ
ータ通信を前記固定局を介して行なうセンタを含み、次
の送信情報は、センタから固定局に通知された送信情報
を含むとよい。
【0020】また、固定局は、少なくとも自局に関する
情報を表わすアナウンス情報を送信情報として無線ゾー
ンに対し周期的に送信するとよい。
【0021】また、このシステムは、移動局に対するデ
ータ通信を固定局を介して行なうセンタを含み、センタ
は、移動局に対する所定のサービスを提供するとよい。
【0022】この場合、センタは、無線ゾーン内の移動
局から提供された送信情報を固定局より受け、この送信
情報に基づいて、各移動局に対する送信情報をそれぞれ
の固定局より送信させるとよい。
【0023】また、無線部は、移動局の移動経路の複数
の車線間の上方に、車線の数より1少ない数の無線部が
配設されているとよい。
【0024】また、無線部は、移動局の移動経路の複数
の車線の上方にそれぞれ配設されているとよい。
【0025】また、無線部は、移動局の移動経路の両端
にそれぞれ配設されているとよい。
【0026】また、無線部は、移動経路の複数の車線を
横切るほぼ直線上の車線間および(または)車線上にそ
れぞれ配置されているとよい。
【0027】また、複数の無線部は、それぞれ、固定局
との情報転送を制御する制御手段と、固定局から転送さ
れた送信情報で所定の搬送波を変調する変調手段と、変
調手段にて変調された信号を電波として送信し、移動局
から送信された電波を受信する複数の送受信アンテナ
と、送受信アンテナにて受信された受信信号を復調する
復調手段とを有し、固定局は、複数の送受信アンテナの
うち、いずれかの送受信アンテナを選択する制御を行な
う選択手段と、選択手段の制御に従って送信情報を送信
させる送受信アンテナを有する無線部を切り替える切替
手段とを含むとよい。
【0028】この場合、選択手段は、受信情報の良否を
判定する判定手段と、判定手段の判定結果に応じて、送
信情報を送信する送受信アンテナが収容された無線部を
選択する選択手段とを含み、切替手段は、選択手段にて
選択された無線部に対し、送信情報を出力し、切替手段
から送信情報を受けた無線部は、この送信情報を電波と
して無線部に収容された送受信アンテナから出力すると
よい。
【0029】また、送受信アンテナは、制御手段、変調
手段および復調手段とともに無線部内に収容されている
とよい。
【0030】また、本発明は上述の課題を解決するため
に、移動体の移動経路に沿って複数の固定局が任意の間
隔にて配置され、それぞれの固定局におる無線ゾーンが
前記移動経路に沿って間欠的に複数形成され、所定の無
線ゾーンを前記移動体が通過する際に、該移動体の移動
局と、該移動体が通過する移動経路上に無線ゾーンを形
成する固定局との間にて無線通信を行なう移動体通信方
式における移動体通信方法において、この方法は、無線
ゾーンを形成する複数の第1のアンテナを順次切り換え
て、移動局に対する送信情報を固定局より送信する第1
の送信工程と、第1の送信工程に応じて移動局から送信
された送信情報を受信した第1の送受信アンテナからの
受信情報の品質を判定する判定工程と、判定工程の判定
結果に応じて複数の第1の送受信アンテナのうち最適な
第1の送受信アンテナを選択する選択工程と、固定局か
ら移動局に対する次の送信情報を、選択工程にて選択さ
れた第1の送受信アンテナより送信させる第2の送信工
程とを含むことを特徴とする。
【0031】この場合、この方法は、判定工程による判
定結果に応じた受信情報を採用する採用工程を含み、固
定局は、採用工程にて採用された受信情報を上位局に伝
送するとよい。
【0032】この場合さらに、移動局から送信され第1
の送受信アンテナにて受信された受信情報は、この移動
局を固定局に対し登録するための登録情報を含み、採用
工程にてこの受信情報を採用した固定局は、移動局を無
線ゾーン内の移動局として登録するとよい。
【0033】また、第2の送信工程は、移動局から送信
された情報に対する第1の応答信号を含む次の送信情報
を固定局から移動局に対し送信するとよい。
【0034】また、第2の送信工程は、上位局から伝送
される送信情報を固定局にて受け、この送信情報を固定
局から移動局に対し送信するとよい。
【0035】この場合、この方法は、第2の送信工程に
応じて移動局から送信される第2の応答信号に基づい
て、移動局に対する送信情報の送信完了を示す第3の応
答信号を上位局に対し伝送するとよい。
【0036】また、移動局は、固定局との情報転送を制
御する制御手段と、固定局に対する送信情報で所定の搬
送波を変調する変調手段と、変調手段にて変調された信
号を電波として送信し、固定局から送信された電波を受
信する第2の送受信アンテナと、第2の送受信アンテナ
にて受信された受信信号を復調する復調手段とを有する
無線装置を含み、この方法は、移動局が無線ゾーンを走
行する際に、複数の第1の送受信アンテナから繰り返し
送信される送信情報を第2の送受信アンテナにて受信す
る第1の工程と、受信した受信情報の良否を判定する第
2の工程と、受信情報が良好な受信情報と判定された時
点にて無線装置を送信準備に切り替える第3の工程と、
基地局に対する送信情報を、受信信号から抽出した送信
スロットにて第2の送受信アンテナから送信する第4の
工程とを含むとよい。
【0037】また、固定局は、複数の第1の送受信アン
テナを移動経路上に複数配置して、移動経路上に、これ
ら複数の第1の送受信アンテナのそれぞれによる通信エ
リアがそれぞれ重複された無線ゾーンを形成し、この無
線ゾーンは、移動経路の延長方向に沿って固定局が間欠
的に配置されることにより移動経路上に間欠的に複数が
配置されている複数の無線ゾーンであるとよい。
【0038】
【発明の実施の形態】次に添付図面を参照して本発明に
よる移動体通信システムの実施例を詳細に説明する。図
1を参照すると、同図には、本発明が適用される路車間
情報システムの一実施例が示されている。本実施例にお
ける路車間情報システム(RACS;Road Automobile Commun
ication System) は、車両に搭載された車載機の移動局
1と、その車両が走行する道路2に設置された路上局10
との路車間にて、車両の位置標定、車両に対する情報提
供および相互のデータ通信などを行なう移動体通信シス
テムである。
【0039】この路車間情報システムは、たとえば、道
路交通情報通信システム(VICS;Vehicle Information Co
mmunication System) などの移動体通信システムに適用
され、道路脇等に設置された路上局(以下、基地局10と
称する)に複数接続される無線部11a および11b にそれ
ぞれ送受信アンテナ12a および12b を収容させ、これら
送受信アンテナ12によって道路車線上に電波ビーコンに
よるスポット的な通信エリアを形成し、路車間の情報通
信を行なう。
【0040】基地局10は、たとえば道路に沿って数100
メートル〜数キロメートル間隔にて複数が配置された固
定局であり、基地局10の無線部11は、車両の進行方向お
よび進行方向とは逆の方向の複数車線上に電波ビームを
放射して、無線ゾーン長が60メートル程度の極小無線ゾ
ーンの通信エリアを形成する。これにより基地局10は、
車両の進行経路方向に間欠的な双方向通話路を提供す
る。
【0041】本実施例における路車間情報システムは、
一つの基地局10に対し2つの送受信アンテナ12が接続さ
れ、これら複数の送受信アンテナ12a および12b はそれ
ぞれ送受信装置としての無線部11a および11b の筐体内
に収容されている。無線部11a および11b は、車線を横
切る方向に所定の間隔を空けて、基地局10の設置場所に
近接する所定の車線上に設置されて一つの無線ゾーン14
を形成する。この無線ゾーン14は、他の基地局が形成す
る他の無線ゾーンとは、重複しないように基地局10およ
び無線部11の位置が決定され、それぞれの基地局10に対
応する無線部11は、それぞれ走行車線上に離隔配置され
ている。なお、以下の説明において、本発明に直接関係
のない部分は、図示およびその説明を省略し、また、信
号の参照符号はその現われる接続線の参照番号で表わ
す。
【0042】図1に示すように片側三車線の走行車線を
有する道路における車線間に、それぞれ送受信アンテナ
12a および12b を含む無線部11a および11b が、所望す
る無線ゾーン14を有効に形成し得る高さに配設されてい
る。この無線部11a および11b は接続線100 を介して基
地局10に収容され、基地局10は、送受信アンテナ12aお
よび12b をそれぞれ収容した無線部11a および11b と、
その近辺の複数の基地局10を管轄する地域局16との間の
情報転送を、伝送路102 を介してたとえば9.6kbps 〜48
kbpsの伝送速度にて行なう。また、基地局10は、これに
複数接続された無線部11a および11b の送受信アンテナ
12a および12b に対する切換制御を行なう機能を有す
る。基地局10は、さらに、上位階層の地域局16および伝
送路104 を介してさらに上位局のセンタシステム18に接
続され、センタシステム18は、所定の地域ごとに設置さ
れた地域局16を複数収容し、これら地域局16にそれぞれ
収容される基地局10と情報転送を行なって、基地局10の
管轄する通信エリアの無線ゾーン14を走行する移動局1
に対し様々なサービスを提供する路車間情報センタであ
る。
【0043】図2を参照すると、基地局10の構成および
無線部11との接続を表わすブロック図が示されている。
基地局10には、本実施例では2つの無線部11a および11
b が接続線100 を介して接続され、無線部11a および11
b にはそれぞれ送受信アンテナ12a および12b が収容さ
れている。基地局10は、有線または無線による通信回線
などの伝送路102 を介して地域局16に接続されている。
基地局10は、基地局10の全体の制御を司る中央制御部22
と、中央制御部22に接続され、移動局1との通信を行な
う際に使用する送受信アンテナ12を選択する無線制御部
24と、無線制御部24の制御に応じて無線部11を切り替え
る切替部26とを含み、切替部26の入出力は、それぞれ接
続線100aおよび100bを介してそれぞれ無線部11a および
11b に接続されている。
【0044】中央制御部22は、無線ゾーン14を走行する
移動局1に対し、道路交通情報等のアナウンス情報と、
移動局1が基地局10に対して車両登録するためのスロッ
ト番号とを含むアナウンス信号をたとえば図4に示すタ
イミングにて送信する制御を行なう。アナウンス信号は
さらに、そのアナウンス信号が送出される送受信アンテ
ナ12の区別を表わすアンテナ番号を含む。基地局10およ
び移動局1の送受信タイミングは、同図に示すように、
各送受信アンテナ12a および12b からそれぞれ時間をず
らしてアナウンス信号などの送信情報を送信する送信群
と、複数の車両のそれぞれの移動局1が登録信号などの
送信情報を送信する車両登録送信群とにそれぞれスロッ
トの割り当てが定められる。具体的には中央制御部22
は、送受信アンテナ12a および12b に対しそれぞれ時間
をずらして各送受信アンテナ12a および12b のそれぞれ
に対応したアンテナ番号を有するアナウンス信号(1) お
よび(2) を一定間隔にて繰り返し送信するように無線制
御部24を制御する。これにより送信されるアナウンス信
号(1) および(2) が無線伝送路上で時間的に重複しない
タイミングに制御され、時間ダイバシティ機能が実現さ
れる。移動局1では、後述するように基地局10からの電
波を正常に受信した時点で、受信したアナウンス信号に
含まれるアンテナ番号および同期信号に基づいて自局の
送信スロットを検出し、その送信スロットにて、たとえ
ば車両登録を行なうためのデータを基地局10の無線部11
に対し送信する。中央制御部22は、任意の送信スロット
にて受信された情報に応じて、その移動局1の車両登録
処理や移動局1からのデータをセンタシステム18に転送
するなどの制御を行なう。
【0045】基地局10と移動局1との間にて送受信され
るアナウンス信号などのフレーム形式は、図5に示すよ
うに導入部500 、車両認識部502 、同報通信部504 、車
両通信部506 および通信完了部508 の複数の領域にて構
成されている。導入部500 はプリアンブル、同期信号、
ポーリング識別信号および基地局の固有コードを含む。
車両認識部502 は、移動局から基地局に対し送信する際
に使用される車両固有コードを含み、車両固有コード
は、システムコードと、登録局コードおよび移動局コー
ドなどの車両IDとを含む静的コードを有し、さらに車両
認識部502 は目的地コードおよび走行地域コードなどの
動的情報を含む。続く同報通信部504 は、基地局10から
移動局1に対し共通に提供される移動局1の位置や方位
を表わす静的コード、その基地局10周辺の交通状況やナ
ビゲーション情報などの動的コードおよび移動局1の車
両登録に応じた登録応答信号(ACKまたはNAK)などを含
む。本実施例における同報通信部504 は静的コードとし
て上述のアナウンス情報を含み、アナウンス情報には、
このフレームを実際に送信する送受信アンテナ12のアン
テナ番号(1) または(2) が付与される。続く車両通信部
506 は、基地局10側と移動局1側と間にてやりとりする
情報、たとえば、センタシステム18から提供される経路
誘導情報、画像や音声などのメッセージ交換などのサー
ビスに応じた情報を含む。通信完了部508 は、無線交信
の完了確認コードを含む。
【0046】図2に戻って、中央制御部22は、無線制御
部24を制御する機能を有し、たとえば送信する際に使用
する無線部11を選択するための選択情報を無線制御部24
に供給して、無線制御部24を外部からコントロールする
ことができる。
【0047】中央制御部22に接続線200 を介して接続さ
れた無線制御部24は、移動局1に対する送信情報を送信
する送受信アンテナ12を選択する制御部である。たとえ
ば、無線制御部24は、基地局10に接続された無線部11の
送受信アンテナ12を常に一定間隔にて順次それぞれ選択
し、選択した送受信アンテナ12を有する無線部11から、
アナウンス信号を送信させる制御を行なう。これにより
移動局に対するアナウンス信号(1) および(2) は、それ
ぞれ無線部11a および11b よりサイクリックに送出され
る。
【0048】また、無線制御部22は、中央制御部22の制
御を受けて、移動局1から送信されて無線部11a および
11b にて受信された受信情報に応じて、その移動局1に
対し以降の送信情報を送信するのに最適な送受信アンテ
ナ12を有する無線部11を選択する制御部である。たとえ
ば、無線制御部22は、無線部11a および11b にてそれぞ
れ受信された受信電波の電界強度をそれぞれの無線部11
より受けたり、その受信情報エラー状態を判定すること
により、移動局1および無線部11間の通信品質の良否を
判定する機能を有し、無線部11a および(または)無線
部11b にて受信された受信情報のうち、よい通信品質に
て受信された受信情報を採用して中央制御部22に伝達す
る。それとともに無線制御部24は、この正常な受信情報
を受信した無線部11を選択して、その後に移動局1に対
する応答信号として確認信号(ACK) を送信する際や、中
央制御部22から送られる情報などを移動局1に対して送
信する際に、選択した無線部11の送受信アンテナ12から
送信するように切替部26を制御する。
【0049】無線制御部24に接続線202 を介して接続さ
れた切替部26は、無線制御部24の制御を受けて、基地局
10から移動局1に対し送信情報を送信する際に使用する
無線部11を切り替える制御部である。切替部26は、基地
局10と移動局1との通信を行なうために、無線制御部24
から転送された送信情報を、無線制御部24にて選択され
た無線部11に供給する。また、切替部26は、それぞれの
無線部11にて受信された受信情報をそれぞれ無線制御部
24に送出する機能を有し、また、受信電波の受信電界強
度等の情報を無線部11より受けて、これを無線制御部24
に送出する機能を有し、これにより受信情報の良否を無
線制御部24にて判定することができる。
【0050】切替部26に接続線100 を介してそれぞれ接
続された無線部11a および11b は、移動局1と交信する
ための無線ゾーン14を無線ビーコンにより車線上に形成
し、無線ゾーン14内に存在する移動局1と双方向の狭帯
域ディジタル通信を行なう無線送受信機である。詳しく
は無線部11は、対応する基地局10に複数の無線部11aお
よび11b が接続され、それぞれの無線部11a および11b
にはそれぞれ送受信アンテナ12a および12b が備えられ
ている。これら送受信アンテナ12を含む無線部11は、た
とえば図8および図9に示すように、本実施例では、道
路上に橋設された支持体に配設され、複数車線間上の所
定の高さに設置される。これら複数の無線部11と切替部
26の制御と無線部24とにより空間ダイバシティ機能が実
現される。また無線部11は、一方の無線部11の送受信ア
ンテナ12により形成される無線ゾーンが、同じ基地局10
に接続された他方の無線部11による無線ゾーンと実質的
に重複するように配置され、無線部11a による無線ゾー
ン14a と無線部11b による無線ゾーン14b とが重複する
領域の無線ゾーン14を形成する。これにより本実施例で
は無線ゾーン14の上方に2つの無線部11が無線ゾーン14
を形成するように、所定の間隔でそれぞれの無線部11が
配置されている。
【0051】無線部11の内部構成を図3を参照して説明
すると、無線部11a および11b は、それぞれ、基地局10
から送られた送信情報を変調し送信信号として出力300
に出力し、また入力302 に現われる受信信号を復調する
変復調部30と、変復調部30から出力された送信信号を増
幅して出力304 に出力する送信部32と、送信部32から出
力された送信信号304 を入力して出力306 に接続された
送受信アンテナ12に出力するとともに、送受信アンテナ
12から接続線306 を介して送られた受信信号を出力308
に出力する共有部34と、共有部34から出力された受信信
号308 を高周波増幅および中間周波増幅して出力302 に
接続された変復調部30に送る受信部36とを含む。
【0052】本実施例における変復調部30は、たとえば
位相偏移変調方式などの変調方式により、基地局10から
送られた送信情報を数100MHz〜数10GHz の準マイクロ波
帯またはマイクロ波帯の送信信号に変換するディジタル
変復調装置である。また、変復調部30は、受信信号を等
化するイコライザおよび誤り制御機能を有し、イコライ
ジングされた受信信号を復調し、誤り訂正符号等により
復調データの誤り訂正を行なってもよい。しかしこの場
合、本実施例では、2つの無線部11a,11b および基地局
10による時間ダイバシティ機能および空間ダイバシティ
機能によって、受信信号へのマルチパスの影響が有効に
低減もしくは除去されるのでこれらマルチパスフェージ
ング対策のための構成は簡略な構成でよい。
【0053】また、本実施例では、無線部11から移動局
1に対し送信する下りの送信周波数と、移動局1から無
線部11に対し送信する上りの送信周波数とはそれぞれ異
なる周波数に設定され、下り方向ではフレーム毎のTDM
(時分割多重)方式にて通信し、上り方向ではタイムス
ロット毎のTDMA(時分割多元接続)方式にて通信する全
2重通信が行なわれる。このような構成により、無線部
11は、無線ゾーン14内の移動局1と、たとえば256kbps
〜1.5Mbps 程度の伝送ビットレート(無線伝送速度)に
て無線通信を行なう。
【0054】一方、移動局1は、図6に示すように、基
地局10と交信するデータを処理する端末装置600 と、端
末装置600 から送られたデータを送信信号に変換し、基
地局10から送られた情報を所望のデータに復調する送受
信機602 と、送信信号を無線信号として基地局の無線部
に対し送出するとともに、無線部11から送られた無線信
号を受信するアンテナ604 とを有し、送受信機602 はさ
らに基地局11との無線通信を制御する制御部606 を有し
ている。
【0055】端末装置600 は、基地局1および地域局16
またはセンタシステム18とのデータ通信を行なうデータ
を生成したり、これら相手局から送信されたデータを受
領し、このデータの表わす情報を表示するなどをしてそ
の受信内容を移動局1の搭乗者に知らせる装置である。
データ送受信端末としては、汎用のコンピュータ装置や
画像伝送装置、電話装置などがあり、これら端末装置60
0 により、たとえば交通情報やナビゲーション情報など
がその車両の運転者に伝達される。また、端末装置600
により、走行している道路情報のたとえば混雑状況や事
故発生状況などを基地局1を介してセンタシステム18お
よびセンタシステムに接続される他のシステムなどに伝
達することができる。
【0056】送受信機602 は、図3に示した無線部11と
同様の構成でよく、とくに図示はしないが変復調部、送
信部、受信部および共有部を有する。共有部には、アン
テナ604 (図6)が接続され、このアンテナ604 によっ
て無線部11との無線通信を行なう。このため移動局1の
アンテナ604 は、その移動局1の車両のルーフ、ボンネ
ットまたはトランクなどの上部に配設され、その指向性
は車両の進行方向およびその逆方向に大きな指向性を有
するように設定されている。
【0057】制御部606 は、以下のような機能を制御す
る。本実施例における移動局1は、路上に形成された無
線ゾーン14内に入って、基地局10の無線部11a および11
b から送信されているアナウンス信号(1) および(2) を
アンテナ604 および送受信機602 にて受信し、送受信機
602 は、アンテナ604 に給電されたアナウンス信号の中
から同期信号を抽出する。この場合、移動局1は、無線
部11a および11b から送信時間をずらして順次送信され
たアナウンス信号をそれぞれ受信し、誤り訂正およびパ
リティチェックなどの処理を行なう。その結果、移動局
1はアナウンス信号のフレームを正常に受信したことを
判定した時点で受信を停止し送信準備に切り替える。ア
ナウンス信号(1) および(2) を移動局1にてともに正常
に受信することができない場合には、以降のサイクルの
アナウンス信号を待つ。次いで移動局1は、受信信号か
ら抽出した同期信号に基づき、アナウンス信号内のスロ
ット番号に対応する送信スロットにて自局の送信情報を
送信する。このとき移動局1は、まず基地局10に対し自
局の車両IDを入れた車両登録情報を送信して車両登録を
行ない、その後、基地局10から了解を表わす応答信号の
確認信号(ACK) が移動局1にて受信されると、移動局1
は無線ゾーン14を形成する無線部11a および11b に対し
所望の送信データを、その確認信号に応じた送信スロッ
トにて送信する。
【0058】図4に示したタイミング図では、アナウン
ス信号(1) を正常に受信した場合に、その時点で正常受
信した受信信号に対応する自局1の送信スロットを抽出
する一例が示されている。このように本実施例では移動
局1は、アナウンス信号を正常に受信した時点で送信に
切り替える方式を採っているが、2つの無線部11からそ
れぞれ時分割多重にて送信されるアナウンス信号(1),
(2) の双方を受信して、受信された信号のうち良好に受
信されたアナウンス信号に対応する送信スロットを検出
して、その送信スロットにて無線部11に対し送信するよ
うに、基地局10および移動局1が構成されていてもよ
い。
【0059】次に図5を参照して、本実施例における路
車間情報システムの動作を説明すると、まず、基地局10
のそれぞれの無線部11a および11b から、アナウンス信
号(1) および(2) がそれぞれの送受信アンテナ12より交
互に、さらに所定の時間間隔をあけて繰り返し送出され
て、無線ゾーン14に対し放射される。
【0060】この無線ゾーン14に進入する移動局1は、
これらアナウンス信号を受信するために常時受信状態を
維持しており、移動局1にてアナウンス信号(1) および
(または)アナウンス信号(2) が受信される。このと
き、受信したアナウンス信号(1) および(または)アナ
ウンス信号(2) の受信内容の良否が制御部606 にて判定
される。アナウンス信号(1) および(2) のうち最初のア
ナウンス信号(1) が移動局1にて正常に受信された場合
には、このアナウンス信号(1) に基づいて自局の送信ス
ロットを抽出し、送受信機を送信に切り替えて送信準備
に入る。そして自局1の送信スロットのタイミングに
て、車両登録信号を含むフレームを無線部11a および11
b に対し送信する。したがってこの場合、アンテナ12b
から出力されたアナウンス信号(2) の移動局1に対する
電波伝搬経路にてマルチパスが発生していたり、電波を
遮蔽するシャドウイングが発生しているような状態であ
っても、移動局1における受信状態に影響することがな
い。
【0061】また、制御部606 によりアナウンス信号
(1) が正常に受信できなかったことが判定されると、続
くアナウンス信号(2) を受信し、アナウンス信号(2) の
受信内容の良否が判定される。アナウンス信号(2) が正
常に受信されたことが制御部606 にて判定されると、上
記アナウンス信号(1) を正常に受信した場合と同様に、
このアナウンス信号(2) に基づいて自局の送信スロット
が抽出され、その送信スロットにて車両登録のためのフ
レームが無線部11a および11b に向けて送信される。こ
れでたとえば送受信アンテナ12a から出力されたアナウ
ンス信号(1) の電波伝搬経路がマルチパスを発生した
り、電波を遮蔽するような不良な状態であっても、アン
テナ12b から出力されたアナウンス信号(2) が移動局1
にて正常に受信される。
【0062】アナウンス信号(1) および(2) の双方が正
常に受信されなかった場合には、無線部11a および11b
からそれぞれ次の送信サイクルにて送信されるアナウン
ス信号を受信するように移動局1の送受信機602 が制御
される。
【0063】このようにして基地局10から送信された送
信情報を正常に受信した移動局1の送受信機602 は、そ
の受信内容を端末装置600 に送るとともに、この移動局
1を基地局10に登録する車両登録信号を含むフレームを
自局の送信スロットにてアンテナ604 から無線部11に向
けて送信する。
【0064】基地局10の無線部11a および11b では、ア
ナウンス信号に対応した送信スロットにて移動局1から
送信されたフレーム信号をそれぞれ受信し、その受信デ
ータをそれぞれ基地局10に送る。基地局10では、無線部
11からそれぞれ送られてきた受信データの品質が無線制
御部24にて判定され、正常な受信データが採用されて中
央制御部22へ送られる。これとともに正常な受信データ
を受信した無線部11aまたは(および)11b が無線制御
部24にて認識され、この移動局1に対する次の送信情報
の送信時に、認識された無線部11a または11b によって
送信情報が送出されるように切替部26が制御される。
【0065】この場合、双方の無線部11a および11b よ
り切替部26を介して無線制御部24に送られた正常データ
がともに良好であると判断された場合には、いずれかの
受信データが選択され、次の送信時には、いずれかの無
線部11から送信データが送出される。このときたとえ
ば、受信データの受信品質に多少の良否の差がある場
合、たとえ誤り訂正等により正常データに回復できたと
しても、その受信データを受信した際の通信品質に応じ
て最適な受信データが採用される。
【0066】このようにして車両登録信号が基地局10に
て受信されると、中央制御部22は、その移動局1を無線
ゾーン14内を走行する車両であるとしてたとえば記憶装
置などに車両登録するともに、この移動局1に対し、車
両登録の確認信号として車両登録(ACK) 信号を送信す
る。この車両登録信号は、前記採用された受信データを
受信した無線部11へ送られるように切替部26が無線制御
部24により制御され、無線制御部24から出力された車両
登録信号がその無線部11に送られる。図7に示した例で
は、アンテナ12a にて受信された車両登録の受信データ
が不良(NG)であり、送受信アンテナ12b にて受信された
車両登録の受信データが良好(OK)であった場合に、基地
局10は、確認信号を無線部11b に供給して、送受信アン
テナ12b から車両登録の確認信号(ACK) を送信させる。
送受信アンテナ12b から送信された確認信号(ACK) は、
移動局1にて受信され、移動局1は、この基地局10から
の応答信号を受けて、自局の送信スロットにて基地局10
に対する上りデータをアンテナ604 から送出する。この
確認信号を含む下りデータのフレームにも、この信号が
送信される送受信アンテナ12を表わすアンテナ番号が付
加されて移動局1に対し送信されるので、この確認信号
を受信した移動局1では、自局から前回送信した車両登
録信号が無線部11のどちらにて正常に受信することがで
きたのかを認識することもできる。
【0067】移動局1からの上りデータを受信する基地
局10では、前述の車両登録信号の受信と同様にして、無
線部11より送られた受信データのうち、良好な受信デー
タおよびその受信データを受信した無線部、たとえば無
線部11a が判定され、この場合、無線部11a にて受信さ
れた受信データが切替部26および無線制御部24を介して
中央制御部22へ送られる。中央制御部22では、移動局1
から受信データを受領したことを示す上りデータ受信通
知を、たとえばその受信データとともにパケット形式に
てセンタシステム18へ転送する。また、上りデータ受信
通知の後、上りデータを基地局10にて正常に受領したこ
とを示す確認信号(ACK) を、前記判定された無線部11a
へ送り、この確認信号が無線部11a から移動局1へ送信
される。他方の無線部11b にて受信された受信データに
ついても基地局10へ送られてその受信内容の品質が判定
されるが、この場合、受信品質が不良(NG)であるのでそ
のデータは破棄される。以上のようにして、移動局1が
基地局10に対して車両登録を行ない、さらに移動局1か
らの送信情報を基地局10に対し、電波伝搬経路に悪影響
を及ぼす電波障害車両に影響されずに正しく送信するこ
とができた。
【0068】無線ゾーン14内の移動局1に対してセンタ
システム18から下りデータを伝送する場合には、たとえ
ば図8に示すように、まずセンタシステム18から基地局
10に対し下りデータの送信要求が通知される。基地局10
では図7に示した例と同様にして基地局10からアナウン
ス送信がサイクリックに行なわれている。このアナウン
ス送信を受信する交信領域の無線ゾーン14に進入した移
動局1にて、それぞれの無線部11a および11b からサイ
クリックに送信されているアナウンス信号(1)および(2)
が受信される。ここでアナウンス信号が移動局1にて
受信され、そのアナウンス信号に応じた送信スロットに
て車両登録が行なわれる。この場合も、移動局1から送
信されたフレームを受信した無線部11a および11b はそ
れぞれ、基地局10に対し受信データを転送し、基地局10
では受信データの品質の良否が判定される。ここで、た
とえば送受信アンテナ11a にて受信された受信信号が良
好(OK)であると無線制御部24にて判定されると、センタ
システム18から転送された下り送信データの出力先が切
替部26によって切り替えられ、下り送信データが無線部
11a に供給される。無線部11a では基地局10から供給さ
れた下り送信データが送信電波としてアンテナ14より送
信される。アンテナ12a から送信された送信データを受
信した移動局1では、この信号を正常に受信したことを
表わす確認信号(ACK) を無線部11a および11b に対し送
信し、この確認信号が基地局10にてアンテナおよび無線
部11にて受信されると、基地局10にて正常に受信された
無線部11からの確認信号に基づいて、センタシステム18
に対し下りデータ送信完了を示す情報をパケット転送す
る。
【0069】このようにしてセンタシステムおよび基地
局10と移動局1との間の無線交信が行なわれ、たとえば
見通し内通信における電波伝搬障害の悪影響が排除され
る。
【0070】このような構成および動作によって本実施
例では、たとえば図9に示した道路および移動局1の断
面図を参照するとわかるように、この例では、無線部11
a から送信された直接波が移動局1にて受信され、また
移動局1には無線部11b から送信された電波が移動局1
にて、直接アンテナ604 に到達し、さらに電波障害車に
て反射した反射波がアンテナ604 に到達されている。こ
のような状態であっても、移動局1では無線部11a の送
受信アンテナ12a から送信された電波を正常に受信する
ことができるので、その直後に送信される無線部11b か
らのマルチパス性の電波を受信する必要がない。また、
移動局1から無線部11に対し送信する場合、無線部11a
および11b では、移動局1から送信されたそれぞれの電
波をほぼ同時に受信し、その受信信号を基地局10に送
る。そして基地局10にてそれぞれの受信品質が判断さ
れ、良好な受信信号が判定されるとともに、その受信電
波を受信した無線部11、つまり送受信アンテナ12が認識
される。したがって、その直後に基地局10から移動局1
に対し送信する応答信号などの送信情報を、その認識さ
れた送受信アンテナ12のみから送信することにより、移
動局1において正常に受信できる可能性が非常に高くな
る。これは2車両が併走している場合、路上の電波伝搬
経路がこの図に示す状態とほとんど変わらない理由によ
る。その場合少なくとも送受信アンテナ11b から送信情
報を送信した場合よりも交信の成功率が格段に高くな
る。これは、移動局1から基地局10へ上りデータを送信
した後に、基地局1から移動局10に対し送信される確認
信号(ACK) などについても同様である。
【0071】また、図10に示した道路および移動局1の
断面図を参照するとわかるように、この例では、無線部
11a から送信された直接波が移動局1にて直接受信さ
れ、また移動局1には無線部11b から送信された電波が
電波障害車によって遮蔽(遮断)されてアンテナ604 に
は到達されない。したがって移動局1では無線部11a の
アンテナ12a から送信された電波が正常に受信される。
さらにその直後に移動局1から送信される電波は、同図
の車両の配置とほぼ同様である確率が非常に高いために
無線部11a にて正常に受信され、基地局10にてその受信
データが採用される。
【0072】このように本実施例では、たとえば図11お
よび図12に示した従来の方式と較べて、たとえば、電波
を反射する反射面を有する車両などの電波障害車両によ
って発生する電波の位相や振幅や伝搬時間に悪影響を及
ぼすマルチパス(多重路伝搬)とは無関係な電波通信が
行なわれる。また、本実施例では、電波伝搬経路がほぼ
常時確保されるので、移動局1と無線部11との間の電波
伝搬経路を遮断する大型車両などの電波障害車両によっ
て発生する電波の影(シャドウイング)による無線通信
への悪影響が除去される。
【0073】以上説明した実施例では、車線間に無線部
11を配置したが、本発明はこれに限らず、図13に示すよ
うに、たとえば道路の走行車線が片側1車線である場合
に、その道路の車線の両端に無線部11a および11b をそ
れぞれ設置し、1つの走行車線を挟むように無線部を配
置することができる。これら無線部11は図2に示した無
線部と同様の構成でよく、無線部11の送受信アンテナ12
a および12b からは図14に示すように、送受信アンテナ
12a および12b をサイクリックに切り替えながら、たと
えばアナウンス情報などの同じ送信情報が複数のアンテ
ナ12より繰り返し送信される。したがって、バイクなど
の小型車両の移動局1が他の車両と併走する際に、たと
えば図15に示すように一方の無線部11a に関するシャド
ウイングが発生しても、他方の無線部11b による電波伝
搬経路が形成されるので、移動局1と基地局10とが併走
する間でも無線通信を正常に行なうことが可能となる。
この場合、マルチパスによる悪影響は、2車両が近接し
ている場合には小さいので問題はない。
【0074】さらに本発明は、3つ以上の複数の無線部
を道路上に配置することができる。たとえばその一例を
図16に示すと、この図では、送受信アンテナ12a,12b お
よび12c をそれぞれ含む無線部11a,11b および11c がそ
れぞれ3車線のそれぞれの車線上に配置されている。こ
れら無線部は図2に示した無線部11と同様の構成でよ
く、これら無線部11の送受信アンテナ12a,12b および12
c はそれぞれ、3車線を通信エリアとする指向性により
無線ゾーン150a,150b および150cを形成している。これ
ら複数の無線ゾーン150a,150b および150cにより、それ
ぞれの無線部11の無線ゾーンが実質的に重複する無線ゾ
ーン150 が車線上に形成されている。
【0075】本実施例では、3つの送受信アンテナ12a,
12b および12c が配設されているので、アナウンス信号
などの送信サイクルは、図17に示すように、たとえば、
同じ送信情報が所定のサイクルにて間欠的に繰り返し送
受信アンテナ12a から出力されるとともに、他の送受信
アンテナ12b からはその次のサイクルにてアンテナ番号
のみが異なる送信情報がやはり間欠的に出力され、残る
送受信アンテナ12c からは、その次のサイクルにて同様
に送信情報が出力される。このように本実施例において
も、基地局10から移動局1に対して送信される送信情報
は、それぞれの車線上に配置された送受信アンテナ12か
らそれぞれ時間をずらしてサイクリックに送信される。
この結果、たとえば図18に示すように、シャドウイング
やマルチパスなどの電波障害が、走行車線の一部にて発
生しているとしても、ほかの送受信アンテナ12による電
波伝搬経路が適切に確保される。したがって、受信側で
は、受信した受信情報の中から正常な受信情報を採用す
るだけでよい。
【0076】以上説明したように、電波障害車によるマ
ルチパスフェージングが発生したりシャドウイングが発
生したりするときには、通信を行なう2地点間に2つ以
上の電波伝搬経路が設定されるルートダイバシティ機能
により、基地局10および移動局1にてそれぞれの受信出
力のうち良好なデータが採用される。さらに移動局1で
は、基地局10からサイクリックに送信情報が送信される
時間ダイバシティ機能により、送信された送信情報を正
常に受信した時点で送信に切り替え、自己の送信スロッ
トにて送信を開始することができる。また、基地局10か
ら移動局1に対し送信する際に、良好なデータを受信す
ることのできた最適な送受信アンテナ12を用いて、その
データに対する応答信号などを返送することができ、こ
の場合も電波伝搬経路が確保されている可能性が非常に
高いので、移動局1にて受信する受信するアンテナ604
が1本でありながらダイバシティ効果が得られ、良好な
交信が実現される。
【0077】したがって、移動局1などの車両が高い密
度にて混雑している場合でも、車両が少ない場合であっ
ても基地局10と移動局1との交信を確実に行なうことが
できるうえに、電波障害車によるパルチパスフェージン
グやシャドウイングなどの悪影響を受けない移動体通信
方式が、無線送受信機におけるエラー訂正となど回路を
高級化せずに実現され、伝送効率のよいシステムが構築
される。
【0078】なお、上記実施例における送受信アンテナ
12a,12b および12c のそれぞれは、複数の送受信アンテ
ナにて構成されてもよく、その場合、複数の指向性を有
したアンテナを所定方向に向けることよりアンテナ12と
しての指向性を所望の範囲とすることができる。このよ
うな送受信アンテナ12をそれぞれ無線部11に収容させ
て、複数の無線部のそれぞれの送受信アンテナ12によ
り、1つの無線ゾーン14または150 を効率よく形成する
ことができる。
【0079】また、本実施例では、基地局10が移動局1
と交信する範囲を、たとえば2つの無線部11のそれぞれ
の送受信アンテナ12により重複して設定された領域を無
線ゾーン14としたが、片方の送受信アンテナ12により形
成される無線ゾーンであって無線ゾーン14を除く領域に
おいても、そのその領域はわずかではあるが一方のアン
テナ12によって移動局1との通信が可能である。つまり
たとえば図1にて破線にて示した領域内での通信が可能
である。
【0080】また、車線の延長上に複数離隔配置される
基地局10に収容されるそれぞれの無線部11の設置数およ
び設置場所は、図1に示すように2つ、また、図16に示
すように3つ、または図19に示すように車線間および車
線端に4つと、その道路および周辺の形状やその地点に
おける交通状況等に応じて任意の車線上に設置および変
更することができる。このような送受信アンテナ12の設
置場所などに変更がある場合に、本実施例では、その送
受信アンテナ12がそれぞれ無線部11に収容され一体化構
成を採り、さらに無線部11は基地局10とは別筐体にて構
成されているので、従来のように送受信アンテナを除く
無線部11の内部構成を基地局10の内部に配置し、この基
地局10内の構成を増設したり撤去したりする場合と較べ
て、簡便に変更することができる。
【0081】また、上記実施例では、主に車両が併走す
る場合について説明したが、たとえば、2つの車両がそ
れぞれ異なる車線にて、所定の間隔を空けて前後する場
合、つまり移動局1と電波障害車両との関係が斜め方向
に所定の間隔をあけてそれぞれが位置する場合であって
もマルチパスフェージングやシャドウイングに対して有
効に作用することができる。この結果、移動局1を中心
とする広い範囲にて、本発明による効果を享受すること
ができる。
【0082】また、上記実施例ではそれぞれの無線部
は、車線を横切る直線上に配置されているが本発明はこ
れに限らず、無線ゾーン14が有効に形成しうる位置にそ
れぞれの無線部11が配置される。
【0083】また、本実施例ではTDM 方式で送受信アン
テナを各フレーム単位で切り換える。このとき各送受信
アンテナ12間の送信タイミングを同期させることによ
り、移動局側では同期を再生しやすくなる。しかしフレ
ーム単位で各送受信アンテナから送出しているので本発
明は各送受信アンテナ間の送信タイミングが非同期でも
有効に適用される。
【0084】
【発明の効果】このように本発明によれば、移動局と固
定局との無線通信を行なう固定局側の送受信アンテナが
所定の間隔を介挿して車線上に複数配置され、これら複
数の送受信アンテナによる無線ゾーン内の移動局に対す
る送信情報がこれら送受信アンテナからそれぞれ異なる
タイミングにて繰り返し送信されるので、移動局と固定
局の送受信アンテナとの間に電波障害車が存在する場合
であってもシャドウイングによる電波の影となる領域が
減少し、また、マルチパスを発生する位置に電波障害車
が存在する場合であっても、マルチパスの発生領域が無
線ゾーンに較べて相対的に小さくなる。この場合、一方
の送受信アンテナによる無線通信にてシャドウイングや
マルチパスフェージングなどの影響でその通信結果が不
良となる状態であっても、送受信アンテナがサイクリッ
クに切り換えられて、同じ送信情報が他方の送受信アン
テナより送信されるので、シャドウイングおよびマルチ
パスによる悪影響が除去されるとともに、その他方の送
受信アンテナにより良好な無線通信を行なうことができ
る。
【0085】また、移動局から送信された情報を複数の
送受信アンテナにて受信し、受信した受信情報の品質を
判定し、これにより良好な受信情報を得ることができる
とともに、移動局に対する次の送信情報を、良好な受信
情報を受信した送受信アンテナから送信することができ
る。この結果、固定局から移動局に対し送信される下り
情報に関しては、直前の上りデータの受信状況より選択
された最適な送受信アンテナが使用されるので、移動局
の送受信アンテナが1本であるにも拘わらず移動局側に
てダイバシティ効果を得ることができる。この結果、移
動局の付近を走行する電波障害車による電波伝搬障害が
減少して通信品質が向上され、システムの信頼性が高ま
る。
【0086】このように本発明では、電波障害車などに
よるパルチパスやシャドウイングなど電波伝搬の異常に
よる悪影響を良好に排除することができる。このため、
これら異常を除去するための無線通信装置の内部構成
は、固定局および移動局共に簡略化されてもよいので簡
便な構成にて移動体通信システムが構築される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された路車間情報システムの一実
施例を示す図である。
【図2】図1に示した基地局の内部構成例と、その基地
局に接続される無線部とを示すブロック図である。
【図3】図2に示した無線部の構成例を示すブロック図
である。
【図4】図2に示した無線部の送受信アンテナから送信
されるアナウンス情報およびアナウンス情報に対する移
動局の送信スロットを説明する図である。
【図5】無線通信におけるフレームフォーマットの一例
を示す図である。
【図6】移動局の構成例を示すブロック図である。
【図7】図1に示した路車間情報システムの通信シーケ
ンスの一例を示す図である。
【図8】図1に示した路車間情報システムの通信シーケ
ンスの一例を示す図である。
【図9】図1に示した道路における電波伝搬状態(マル
チパス)を説明する図である。
【図10】図1に示した道路における電波伝搬状態(シ
ャドウイング)を説明する図である。
【図11】従来方式によるパルチパスの発生状態の一例
を示す図である。
【図12】従来方式によるシャドウイングの発生状態の
一例を示す図である。
【図13】本発明が適用された路車間情報システムの他
の実施例を示す図である。
【図14】図13に示した実施例における基地局のそれぞ
れの無線部よりサイクリックに送信される送信情報を示
す図である。
【図15】図13に示した実施例における一方の送受信ア
ンテナによるシャドウイングの発生状態を示す図であ
る。
【図16】本発明が適用された路車間情報システムのさ
らに他の実施例を示す図である。
【図17】図16に示した実施例における基地局のそれぞ
れの無線部よりサイクリックに送信される送信情報を示
す図である。
【図18】図16に示した実施例における無線ゾーン内の
走行車線を示す図である。
【図19】無線部を車線間および車線端に配置した一例
を示す図である。
【符号の説明】
1 移動局 10 基地局 11a,11b 無線部 12a,12b 送受信アンテナ 14 無線ゾーン 16 地域局 18 センタシステム

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体の移動経路に沿って複数の固定局
    が任意の間隔にて配置され、それぞれの固定局による無
    線ゾーンが前記移動経路に沿って間欠的に複数形成さ
    れ、所定の無線ゾーンを前記移動体が通過する際に、該
    移動体の移動局と、該移動局が通過する移動経路上に無
    線ゾーンを形成する固定局との間にて無線通信を行なう
    移動体通信システムにおいて、 前記固定局は、前記移動局と無線通信を行なう複数の無
    線部を含み、 該複数の無線部は、それぞれ、前記無線ゾーンを形成す
    るための送受信アンテナを収容し、該無線部はさらに、
    それぞれの送受信アンテナによる通信エリアをそれぞれ
    重複させ該重複した通信エリアが前記無線ゾーンとなる
    ように、前記移動経路上に所定の間隔を介挿して複数が
    配置され、 前記固定局は、前記移動局に対する送信情報をそれぞれ
    異なる送信タイミングにて前記複数の無線部のそれぞれ
    の送受信アンテナから繰り返し送信させることを特徴と
    する移動体通信システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の移動体通信システムに
    おいて、前記移動局は、前記固定局より繰り返し送信さ
    れた送信情報を前記無線ゾーンにて受信すると、前記送
    信情報を正常に受信したことを判定し、該正常に受信し
    た受信情報に基づいて該移動局の送信タイミングを認識
    し、該送信タイミングにて前記固定局に対する送信情報
    を送信することを特徴とする移動体通信システム。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の移動体通信システムに
    おいて、前記受信情報を正常に受信したことを判定した
    移動局は、前記送信タイミングにて、自局を前記固定局
    に登録するための車両登録情報を含む送信情報を前記移
    動局に対し送信し、 前記送信情報を受けた固定局は、該送信情報に従って前
    記移動局の車両登録を行なうことを特徴とする移動体通
    信システム。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の移動体通信システムに
    おいて、前記移動局からの送信情報を受信する固定局
    は、前記複数の無線部にて受信される受信情報をそれぞ
    れ受けて該受信情報の良否を判定し、前記複数の無線部
    から通知される受信情報のうち良好な受信情報を採用す
    ることを特徴とする移動体通信システム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の移動体通信システムに
    おいて、前記固定局は、前記受信部にて受信された受信
    電波の品質情報を該受信部から受けて、該品質情報に基
    づいて前記良好な受信情報を判定することを特徴とする
    移動体通信システム。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の移動体通信システムに
    おいて、前記固定局は、前記良好な受信情報を受信した
    送受信アンテナを最適アンテナとして認識し、該固定局
    から前記移動局に対する次の送信情報を、前記認識され
    た送受信アンテナのみから送信させることを特徴とする
    移動体通信システム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の移動体通信システムに
    おいて、前記固定局から送信される前記移動局に対する
    次の送信情報は、前記移動局から送信された送信情報に
    対する応答信号を含むことを特徴とする移動体通信シス
    テム。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の移動体通信システムに
    おいて、該システムは、前記移動局に対するデータ通信
    を前記固定局を介して行なうセンタを含み、 前記次の送信情報は、前記センタから前記固定局に通知
    された送信情報を含むことを特徴とする移動体通信シス
    テム。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の移動体通信システムに
    おいて、前記固定局は、少なくとも自局に関する情報を
    表わすアナウンス情報を前記送信情報として前記無線ゾ
    ーンに対し周期的に送信することを特徴とする移動体通
    信システム。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の移動体通信システム
    において、該システムは、前記移動局に対するデータ通
    信を前記固定局を介して行なうセンタを含み、該センタ
    は、前記移動局に対する所定のサービスを提供すること
    を特徴とする移動体通信システム。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、前記センタは、前記無線ゾーン内の移動局
    から提供された送信情報を前記固定局より受け、該送信
    情報に基づいて、各移動局に対する送信情報をそれぞれ
    の固定局より送信させることを特徴とする移動体通信シ
    ステム。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の移動体通信システム
    において、前記無線部は、前記移動局の移動経路の複数
    の車線間の上方に、該車線の数より1少ない数の無線部
    が配設されていることを特徴とする移動体通信システ
    ム。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の移動体通信システム
    において、前記無線部は、前記移動局の移動経路の複数
    の車線の上方にそれぞれ配設されていることを特徴とす
    る移動体通信システム。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の移動体通信システム
    において、前記無線部は、前記移動局の移動経路の両端
    にそれぞれ配設されていることを特徴とする移動体通信
    システム。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の移動体通信システム
    において、前記無線部は、前記移動経路の複数の車線を
    横切るほぼ直線上の車線間および(または)車線上にそ
    れぞれ配置されていることを特徴とする移動体通信シス
    テム。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の移動体通信システム
    において、前記複数の無線部は、それぞれ、 前記固定局との情報転送を制御する制御手段と、 前記固定局から転送された送信情報で所定の搬送波を変
    調する変調手段と、 該変調手段にて変調された信号を電波として送信し、前
    記移動局から送信された電波を受信する複数の前記送受
    信アンテナと、 該送受信アンテナにて受信された受信信号を復調する復
    調手段とを有し、 前記固定局は、 前記複数の送受信アンテナのうち、いずれかの送受信ア
    ンテナを選択する制御を行なう選択手段と、 該選択手段の制御に従って前記送信情報を送信させる送
    受信アンテナを有する無線部を切り替える切替手段とを
    含むことを特徴とする移動体通信システム。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、前記選択手段は、 前記受信情報の良否を判定する判定手段と、 該判定手段の判定結果に応じて、前記送信情報を送信す
    る送受信アンテナが収容された無線部を選択する選択手
    段とを含み、 前記切替手段は、前記選択手段にて選択された無線部に
    対し、前記送信情報を出力し、 前記切替手段から前記送信情報を受けた無線部は、該送
    信情報を前記電波として該無線部に収容された送受信ア
    ンテナから出力することを特徴とする移動体通信システ
    ム。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の移動体通信システ
    ムにおいて、前記送受信アンテナは、前記制御手段、前
    記変調手段および前記復調手段とともに前記無線部内に
    収容されていることを特徴とする移動体通信システム。
  19. 【請求項19】 移動体の移動経路に沿って複数の固定
    局が任意の間隔にて配置され、それぞれの固定局におる
    無線ゾーンが前記移動経路に沿って間欠的に複数形成さ
    れ、所定の無線ゾーンを前記移動体が通過する際に、該
    移動体の移動局と、該移動体が通過する移動経路上に無
    線ゾーンを形成する固定局との間にて無線通信を行なう
    移動体通信方式における移動体通信方法において、該方
    法は、 前記複数の第1のアンテナを順次切り換えて、前記移動
    局に対する送信情報を前記無線ゾーンを形成する固定局
    より送信する第1の送信工程と、 前記第1の送信工程に応じて前記移動局から送信された
    送信情報を受信した第1の送受信アンテナからの受信情
    報の品質を判定する判定工程と、 前記判定工程の判定結果に応じて前記複数の第1の送受
    信アンテナのうち最適な第1の送受信アンテナを選択す
    る選択工程と、 前記固定局から前記移動局に対する次の送信情報を、前
    記選択工程にて選択された第1の送受信アンテナより送
    信させる第2の送信工程とを含むことを特徴とする移動
    体通信方式における移動体通信方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の移動体通信方法に
    おいて、該方法は、 前記判定工程による判定結果に応じた受信情報を採用す
    る採用工程を含み、前記固定局は、前記採用工程にて採
    用された受信情報を上位局に伝送することを特徴とする
    移動体通信方式における移動体通信方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の移動体通信方法に
    おいて、前記移動局から送信され前記第1の送受信アン
    テナにて受信された受信情報は、該移動局を前記固定局
    に対し登録するための登録情報を含み、前記採用工程に
    て該受信情報を採用した固定局は、前記移動局を前記無
    線ゾーン内の移動局として登録することを特徴とする移
    動体通信方式における移動体通信方法。
  22. 【請求項22】 請求項19に記載の移動体通信方法に
    おいて、前記第2の送信工程は、前記移動局から送信さ
    れた情報に対する第1の応答信号を含む次の送信情報を
    前記固定局から前記移動局に対し送信することを特徴と
    する移動体通信方式における移動体通信方法。
  23. 【請求項23】 請求項19に記載の移動体通信方法に
    おいて、前記第2の送信工程は、上位局から伝送される
    送信情報を前記固定局にて受け、該送信情報を該固定局
    から前記移動局に対し送信することを特徴とする移動体
    通信方式における移動体通信方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の移動体通信方法に
    おいて、該方法は、前記第2の送信工程に応じて前記移
    動局から送信される第2の応答信号に基づいて、前記移
    動局に対する送信情報の送信完了を示す第3の応答信号
    を前記上位局に対し伝送することを特徴とする移動体通
    信方式における移動体通信方法。
  25. 【請求項25】 請求項19に記載の移動体通信方法に
    おいて、前記移動局は、前記固定局との情報転送を制御
    する制御手段と、前記固定局に対する送信情報で所定の
    搬送波を変調する変調手段と、該変調手段にて変調され
    た信号を電波として送信し、前記固定局から送信された
    電波を受信する第2の送受信アンテナと、該第2の送受
    信アンテナにて受信された受信信号を復調する復調手段
    とを有する無線装置を含み、該方法は、 該移動局が前記無線ゾーンを走行する際に、前記複数の
    第1の送受信アンテナから繰り返し送信される送信情報
    を前記第2の送受信アンテナにて受信する第1の工程
    と、 該受信した受信情報の良否を判定する第2の工程と、 前記受信情報が良好な受信情報と判定された時点にて前
    記無線装置を送信準備に切り替える第3の工程と、 前記基地局に対する送信情報を、前記受信信号から抽出
    した送信スロットにて前記第2の送受信アンテナから送
    信する第4の工程とを含むことを特徴とする移動体通信
    方式における移動体通信方法。
  26. 【請求項26】 請求項19に記載の移動体通信方法に
    おいて、前記固定局は、複数の第1の送受信アンテナを
    前記移動経路上に複数配置して、前記移動経路上に、こ
    れら複数の第1の送受信アンテナのそれぞれによる通信
    エリアがそれぞれ重複された無線ゾーンを形成し、該無
    線ゾーンは、前記移動経路の延長方向に沿って前記固定
    局が間欠的に配置されることにより前記移動経路上に間
    欠的に複数が配置されている複数の無線ゾーンであるこ
    とを特徴とする移動体通信方式における移動体通信方
    法。
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